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0604 「国籍法は違憲」婚外子10人に日本国籍 最高裁判決 [朝日]

2008年06月04日20時57分
 結婚していない日本人の父とフィリピン人の母から生まれた子ども10人(8~14歳)が、日本国籍の確認を国に求めた訴訟で、最高裁大法廷(裁判長・島田仁郎(にろう)長官)は4日、10人全員に日本国籍を認めた。生まれた後に父から認知されても、両親が結婚していないことを理由に日本国籍を認めない現在の国籍法は、憲法14条の「法の下の平等」に反すると判断した。

 結婚しているかによる区別が違憲とされたのは初めて。同じ国籍問題を抱える子どもについて正確な統計はないが、国内だけで数万人という推計があり、海外にも相当数いるとみられる。法務省は国籍法の改正を迫られる。

 また、最高裁が法律を違憲と判断した判決は、05年に海外に住む日本人に選挙権を認めない公職選挙法を違憲として以来で、戦後8件目。

 国籍法の2条1号によれば、父母が結婚していない「婚外子」でも、生まれる前の段階で父の認知があれば、国籍を取得できる。一方、国籍法3条1項は、生まれた後に認知された場合に父母が結婚しなければ国籍を得られないと定めた。その違いは、出生した時点で子どもの国籍を確定させるのが大原則だという考え方による。

 この国籍法を違憲と判断したのは、15人の裁判官のうち12人。うち9人が多数意見で「84年の立法当時は結婚によって日本との結びつきを区別することに理由があったが、その後に国内的、国際的な社会環境の変化があった」と指摘。その例として、家族生活や親子関係の意識の変化や実態の多様化、認知だけで国籍を認める諸外国の法改正を挙げた。

 遅くとも、原告たちが国籍取得を法務局に届け出た03~05年には、結婚を要件に国籍を区別するのは不合理な差別になっていたと認定。3条1項のうち結婚の要件だけを無効にして、要件を満たせば国籍を認めると結論づけた。

 一方、同じ違憲でも3人の裁判官は理由が異なり、本来は国会が立法で解決するべきだったのに怠った「立法の不作為」を違憲とする立場を採った。3人のうち1人は「現行法の拡張解釈で違憲状態を解消できる」として子どもに国籍を認めたが、他の2人は「違憲状態を是正するには、立法によるべきだ」として、国籍を認めなかった。

 このほか、3人の裁判官は「婚外子は両親の結婚と父親の認知により、日本との密接な結びつきをもつ」という法務省の見解を認め、「合憲」とする反対意見を述べた。

 結局、子どもに国籍を認めたのは10人の裁判官。5人は国籍を認めなかった。この判決により、原告の10人の子どもたちは、国籍取得を法務局に届け出た03~05年の時点で日本国籍を得たことになる。

 一審・東京地裁は違憲と判断したが、二審・東京高裁は憲法判断に踏み込まずに子ども側の逆転敗訴としていた。(岩田清隆)
URL:http://www.asahi.com/national/update/0604/TKY200806040187.html

0603 外国人登録、中国が60万人でトップ…韓国・朝鮮を抜く [読売]

 法務省は3日、2007年末の外国人登録者数で、中国が60万6889人で最多になったと発表した。

 1959年の統計開始からトップだった韓国・朝鮮と入れ替わった。同省は「中国人の増加と、高齢化などによる特別永住者の減少が原因で、この傾向は続く」と見ている。

 07年末時点の登録者数は215万2973人と前年より6万8054人増え、最多となった。国・地域別では、トップの中国に続き、韓国・朝鮮が59万3489人、ブラジルが31万6967人、フィリピンが20万2592人だった。

 59年の韓国・朝鮮の登録者は約61万人、中国は約4万人だった。10年前の97年末の時点でも、韓国・朝鮮が約65万人、中国が約25万人となお大きく開いていたが、韓国・朝鮮がその後、減少傾向となったのに対し、中国は経済発展に伴い、企業の研修生や留学生を中心に急増した。

 また、07年末の特別永住者は約43万人、一般永住者は44万人で、初めて逆転した。特別永住者は、制度が始まった翌年の92年は約59万人だったが、年々減少している。外国人登録者が総人口に占める割合は、1・69%(前年比0・06ポイント増)だった。都道府県別では、東京都の約38万人が最多。愛知県が約22万人、大阪府が21万人で続き、初めて愛知県が大阪府を上回った。

(2008年6月3日14時31分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080603-OYT1T00451.htm

0530 ベトナム人研修生「強制貯金」被害、200人で1億円超 [朝日]

2008年05月30日17時01分
 日本で研修生や技能実習生として働き、手当や給料の一部を引かれて預金させられたベトナム人の被害が、5月までの1年半に200人余りで1億1千万円を超えることが、神戸市の市民団体「NGOベトナム in KOBE」の調べで分かった。大半は労働基準法が禁じた「強制貯金」に当たる疑いが強いとみている。研修生・実習生が関東から九州まで幅広く強制貯金の被害に遭っている実態が明らかになるのは初めて。

 厚生労働省によると、企業側が強制的に給料から差し引き、金融機関に預けて通帳や印鑑を保管したり、自社で運用したりすることは労基法で禁じられている。違反すると6カ月以下の懲役か30万円以下の罰金に処せられる。

 同団体は06年12月~08年5月、ベトナム人研修生・実習生約300人から強制貯金の相談を受けた。このうち給与明細などの記録があった207人の総額は約1億1300万円。平均54万円、最高195万円だった。大半は企業が通帳と印鑑を管理していた。

 同団体の依頼を受けた弁護士らが企業側と交渉し、5月中旬までに15府県の55社に86人分の約4千万円のほぼ全額を返還させた。岐阜県が17社で最も多く、愛知県(14社)、三重県(9社)が続く。縫製会社や自動車部品会社が多い。

 同団体と弁護士らは、企業側が、低賃金で長時間、厳しい仕事をさせている研修生・実習生に逃げられないよう、手当や給料の一部を差し引いて預貯金に回していたとみている。研修・実習を終えて帰国する3年後に返す契約をしているケースが多い。ベトナム人らは解雇などを恐れて、通帳や印鑑を渡してほしいと言い出せなかったという。

 厚労省は、企業側が天引きして預貯金に回し、通帳などを管理することに本人が同意していたとしても、同意が形式的で、事実上、本人が返還を求められる状況になければ違法と説明する。一定期間返さないことを前提とした約束も好ましくないとみる。

 207人のうち最も多い5人に返した岐阜県の自動車部品メーカーは「逃亡を防ぐ目的もあったが、帰国時に貯金を返す契約で来ており、強制ではない。今はやっていない」と言う。

 企業との交渉に当たった大坂恭子弁護士は「逃亡させないために強制貯金をさせてパスポートを取り上げ、低賃金で過酷な仕事をさせ、住居は劣悪。研修生・実習生はまるで奴隷だ」と指摘する。(前田基行)
URL:http://www.asahi.com/national/update/0529/NGY200805290014.html

0509 外国人研修「不正行為」 過去最高の449団体・企業 [朝日]

2008年05月09日21時40分
 低賃金労働などが問題になっている外国人研修・技能実習制度で、不正行為をしていた受け入れ団体・企業が、07年は過去最多の449にのぼり、06年の2倍になっていることが分かった。9日、法務省が発表した。時給300円で時間外労働をさせたり、預金通帳を取り上げたりと、悪質な例が目立つ。

 昨年の立ち入り調査で発覚した主な不正は、賃金の不払いなどの「労働関係法規違反」が178件▽多数を雇うために入国管理局に届けた企業以外で働かせた「名義貸し」が115件▽休日労働や残業をさせた「所定時間外作業」が98件などだった。

 例えば、神奈川県の製菓会社では、「菓子製造の研修」として研修生を受け入れながら、実際には、出来上がった菓子を包む作業しかさせていなかった。福岡県の縫製業者は、研修・実習生が屋内用の靴のまま屋外に出ただけで、千円の罰金を賃金から差し引いていた。また、山梨県の機械製造業者は実習生から旅券と預金通帳を取り上げ、返却を求められても拒否していたという。

 この制度を利用しているのは約1600企業と約1900団体。通報や告発に基づいて、法務省が全国の団体・企業を立ち入り調査し、不正行為が認められた場合には、入管法に基づき、最低3年間は研修生を受け入れられなくなる。(市川美亜子)
URL:http://www.asahi.com/national/update/0509/TKY200805090264.html

0905 定住外国人と共生図る、国と4県が初の生活実態調査 [読売]

 定住外国人との共生を図るため、国土交通省と群馬県など地方自治体が連携し、外国人の生活実態に関する初めての総合的な調査と社会実験を、今月中にも始める。

 全国の外国人登録者数は2005年度末に200万人を突破し、10年間で約1・5倍に増える一方、コミュニケーションや日本文化への理解不足から、日本人の住民との摩擦も生じているためだ。

 調査は、群馬県が国交省のほか、総務、文部科学省と共同で、外国人が集中して定住する地域のある群馬、栃木、茨城、埼玉の4県で行う。外国人の人口比率が約16%と全国一高い大泉町などを抱える群馬県が、国から委託を受け、4県の16地域で実施。約7000万円の費用は、国が全額負担する。

 外国人の定住地域の住まいや職場の環境、子どもの教育、災害時の情報提供などの現状、日本人住民や学校、企業の共生への取り組みの実態を調べ、地域住民の交流イベントを開催するなどの社会実験も行う。

 国と自治体が有識者らを交えて調査結果を検討し、多文化共生のための企業、地域、自治体の連携の在り方のモデル作りを行う。

(2006年9月5日15時57分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060905it06.htm

0610 外国人労働者の滞在情報、一元登録へ 法務省 [朝日]

2006年06月10日15時08分
 外国人労働者が増加するなか、政府は主に80年代以降に来日した人たちの居住先や滞在期間を正確に把握できるよう登録制度を強化する。現在は自治体が管理している登録情報を、法務省入国管理局が一元的に管理することで、こうした外国人に対する行政サービス提供を図る一方、犯罪防止につなげる狙いがある。今月下旬の犯罪対策閣僚会議で中間報告が示される見通しで、政府は07年にも外国人登録法と出入国管理法の改正案を国会に提出する方針だ。
外国人登録者数と総人口に占める割合


 現在の外国人登録制度は、日本の旧植民地出身者やその子孫などの「特別永住者」を念頭に置いている。特別永住者は地域社会での定着度が高いが、出稼ぎ目的で来日している外国人の場合は転居が多く、自治体や警察がその居住地を把握できなくなることも少なくないという。

 とくに在日ブラジル人が急増。90年の入管法改正で日系2、3世とその家族に職種を問わず入国を認めたためで、日本人移民の子孫を中心に88年の4000人から05年には30万人に増加した。政府は単純労働者を受け入れないという建前だが、事実上、日系人は例外となっており、劣悪な労働条件や子供の不就学といった問題が深刻化している。

 政府はこうした状況を改善するため、外登法により自治体が登録・管理する対象を「特別永住者」に絞る。一方で、出稼ぎなどを目的に来日した外国人の登録は、入国管理局で一元的に管理し、在留期間中の居住地や勤務先の変更に伴う届け出を入管法上の義務とする。これを在留期間を延長する際の条件とすることも検討中だ。

 外国人登録の窓口は引き続き自治体となるため、入管と自治体の間で登録情報をオンライン化。入管と各自治体が共有する登録情報は、日本語教育や社会保険への加入促進、子供の就学率向上など行政サービスの提供に生かされることになる半面、増加する外国人犯罪の捜査への利用も想定されている。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0610/004.html

0517 改正入管法成立、来日外国人から指紋採取・顔写真撮影 [読売]

 来日した16歳以上の外国人に指紋採取や顔写真撮影を義務づける改正出入国管理・難民認定法は17日午前の参院本会議で、自民、公明両党などの賛成多数で可決、成立した。

 政府は来年秋からの実施を目指す。

 改正法は、テロの未然防止が目的で、外国人の入国時に指紋や顔写真などの提供を義務づける。拒否した場合、国外退去を命じることができる。在日韓国・朝鮮人ら特別永住者や、政府が招へいした外国政府関係者らは、指紋採取の対象から除外する。対象者は、年間600万~700万人に上る見通しだ。

 読み取った指紋と顔写真は、過去に強制退去処分を受けた外国人や国際手配されている容疑者など、法務省や警察庁が所有するブラックリストと照合し、該当者は身柄を確保して入国を阻止する。その後も、データベース化し、犯罪捜査にも利用する。

 出入国業務の円滑化のため、指紋情報を事前登録した外国人の希望者は、新たに導入する「自動化ゲート」を通過し、入国審査時間の短縮を図る。

 また、入国する航空機や船舶の長には、乗員・乗客名の事前提出を義務づける。法相がテロリストの恐れがあると認定した者を国外退去処分にできる規定も新設した。

 改正法の成立を受け、法務省は指紋と顔写真の読み取り機器を全国34の主要空港・港湾に配備する。外国人が不定期に入国する地方港湾などには、入国審査官が携帯型の読み取り機器を持参する。

(2006年5月17日13時57分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060517i306.htm

0322 緊急声明 「指紋復活」の入管法改悪案に反対する [団体]

(外登法問題と取り組む全国キリスト教連絡協議会)

「あなたたちは王の奴隷となる。その日あなたたちは、自分の選んだ王のゆえに、泣き叫ぶ。しかし、主はその日、あなたたちに答えてはくださらない」(サムエル記 上8:17~18)

 2000年4月、「外国人登録法」(外登法)の指紋押捺制度が全廃された。これは、1980年から始まる在日コリアンなど在日外国人の粘り強い闘いによってもたらされたものである。

 それまでは、日本に1年以上居住する14歳以上(1982年から16歳以上)の外国人は、5年ごとの登録切り替えのたびに繰り返し指紋押捺を求められていた。もし押捺を拒否すれば、「1年以下の懲役もしくは禁錮、または10万円以下の罰金」が科せられた。つまり、任意の押捺などではなく、刑事罰に担保された強制制度としてあった。日本国民の戸籍や住民票の身分登録においては、定期的な切り替えも、指紋押捺も、その証明書の常時携帯義務もない。それにかかわらず、外国人にはそれを強制する。

 こうした不条理に対して1980年、在日コリアン一世が区役所で指紋押捺を拒否した。そして、この「たった一人の反乱」に、在日三世の14歳の中学生・16歳の高校生をはじめ、多くの在日外国人が続き、1985年夏、指紋押捺を拒否あるいは留保する外国人は1万人を超えた。これは、自らの良心に基づく不服従行動であり、人間としての尊厳をかけた闘いであった。

 1980年代、警察の任意出頭に応じないで逮捕された指紋拒否者は22人、在留更新を不許可とされた指紋拒否者6人、在留期間を短縮された指紋拒否者3人、再入国申請を不許可とされた指紋拒否者は107人に上った。外登法は1988年、1回押捺制への変更、1993年、永住者・特別永住者だけ指紋制度免除、と改定されていったが、闘いは止むことがなかった。そして2000年、すべての外国人に対して指紋制度が全廃されたのである。


 しかし今年3月、政府は、日本に入国する16歳以上の外国人(特別永住者や外交官などを除くすべての外国人)に対して、生体情報(指紋および顔画像)を登録させる「出入国管理及び難民認定法」(入管法)の改定案を国会に提出した。6年前に全廃された「外国人指紋」を復活させようというのである。

 いま日本に入国する外国人は、年間572万人に上り(2004年)、その数は今後とも増加していくことは確実である。この572万人のうち、今回の改定案の対象外となる16歳未満や特別永住者、外交官などを除いても、400万~500万人になる。その多くは、短期滞在(在留期間15日・30日・90日)の「観光」(232万人)と「商用」(120万人)を目的に来日した外国人である。すなわち日本は、21世紀の課題として「観光立国」「経済の自由化」を標榜する一方で、それを制御する「いやがらせ政策」をとろうとしている、としか考えられない。

 また、「日本に入国する外国人」572万人のうち、日本で「永住者」「日本人の配偶者」「留学生」などの在留資格を持ったまま帰国や商用でいったん日本を出国して「再入国」する外国人は年間109万人となる。このうち、改定案の対象となる外国人数は公表されていないが、少なくても50~80万人となるであろう。そして、この数も今後増えることは確実である。

 もし改定案が成立すれば、彼ら彼女らは、再入国の際、指紋を拒否することなどできない。日本での仕事、家庭、勉学を中断することになるからである。しかし彼ら彼女らは、法務省による厳格な審査(時には家族離散をもたらすような過酷な審査)を経て、「永住者」「日本人の配偶者」「留学生」などの在留資格と再入国許可を付与されているのに、再入国のゲートで再度、指紋と顔画像による「審査」を受けなければならないことになる。

 日本において指紋押捺を強制されるのは、警察による逮捕時、刑務所など矯正施設の収容時、入管法違反容疑での収容時だけであり、いずれも国家機関によって身柄が拘束されての強制押捺である。したがって、今回の改定案は、観光や商用で「新規入国」する外国人に対しても、また日本に定住し「再入国」する外国人に対しても、日本に入国・再入国するには、任意ではなく「強制」として、「踏み絵」として指紋押捺を課せられることになる。しかも、そのとき登録された指紋は、生涯にわたって日本政府によって「保管」され「活用」され続けることになる(3月17日・衆議院法務委員会)。

 いま日本国民は、年間1600万~1700万人が日本を出国し、ほぼ同数が帰国している。日本国民は帰国の際に「指紋」も「顔画像」も登録されることはない。国民には求めないが、外国人にはそれを強制する。これは、明らかな人種主義である。


 昨年7月、国連人権委員会が任命した「現代的形態の人種主義・人種差別・外国人嫌悪および関連する不寛容に関する特別報告者」であるドゥドゥ・ディエン氏が、日本を公式訪問した。彼は9日間にわたる調査をもとに作成した報告書を今年1月24日、国連に提出した。

 彼はその報告書の中で、「日本には人種差別と外国人嫌悪が存在する」と指摘し、24項目にわたって包括的な勧告を記している。その中で、2004年2月から実施されている「密告」制度に対してこう言及している。

「法務省入国管理局のウェブサイト上において導入された、不法滞在者の疑いがある者の情報を匿名で通報するよう市民に要請する制度は、人種主義・人種差別・外国人嫌悪の煽動である。この制度は、本質的に外国人を犯罪者扱いする発想に基づくものであり、外国人への疑念と拒絶の風潮を助長する。したがって、この通報制度は遅滞なく廃止されなければならない」(同報告書パラグラフ81)

 同様に、今回の入管法改定案もまた、本質的に外国人を「テロリスト」「犯罪者」扱いする発想に基づくものであり、「人種主義・人種差別・外国人嫌悪の煽動」と言うほかない。

 さらに指摘されなければならないことは、外登法にしろ入管法にしろ、その対象者となる外国人の意見表明の場を設けようともせず、彼ら彼女らの意思を無視して策定され決定されていくことである。これは、「民主主義」の基本原則から大きく逸脱するものである。

 もし日本政府が「国連の常任理事国」入りをめざそうとするならば、当然、この国連特別報告者の次のような建設的な「助言」と「勧告」を受け止めるべきである。

「政府は、マイノリティ集団に関連して採択される政策や立法に関し、マイノリティ集団と協議すべきである」(同報告書パラグラフ83)

「政府は、もっとも高いレベルにおいて、日本社会における人種差別・外国人嫌悪の歴史的・文化的な根本原因を、正式にかつ公的に認め、これと闘う政治的意思を明確かつ強い言葉で表明すべきである。そのようなメッセージは、社会のあらゆるレベルで差別や外国人嫌悪と闘う政治的条件を作り出すだけでなく、日本社会における多文化主義の複雑な、しかし深遠なプロセスの発展を促進することになるだろう。さらに、グローバル化の文脈において、そのようなメッセージは世界、とりわけ日本と経済的関係がある国々やその市民あるいは国民が、日本に移住しまたは日本を訪問している国々において、日本の評価およびイメージを高めることも間違いない。観光や仕事上の理由で外国をますます訪れるようになっている日本の市民は、自らが受けるかもしれない差別行為と闘うのみならず、自国のイメージを促進する上でも、より道徳的に強い立場に立てることになるだろう」(パラグラフ74)


 日本は2000年4月、「外国人指紋制度」を全廃した。それは、日本社会だけではなく世界に向かって、外国人と自国民との「共生」への第一歩を踏み出す宣言としてあったはずである。

 私たち日本人も在日外国人も、1980年代、1990年代と、「共に生き、共に生かし合う」社会をめざしてきた。その中から、「外国人住民基本法(案)」を提起するに至った。これは、「国民」対「外国人」という「隔ての壁」を取り除き、自民族中心主義によるグロテスクな「国民国家」を超えて描く、「共生」と「平和」への私たちのビジョンである。

 この小さくても確固とした共同作業を、今回の改定案で水泡に帰することはできない。なぜなら、改定案の「当事者」とは、じつは指紋を強制される外国人ではなく、指紋押捺を強制する「私たち」であるからである。

 日本政府と国会は、「外国人指紋」を復活させようとする入管法改定案をただちに廃案とすべきである。

2006年3月22日
 外登法問題と取り組む全国キリスト教連絡協議会


0329 外国人の入国時に指紋採取、衆院法務委が法改正案可決 [読売]

 衆院法務委員会(石原伸晃委員長)は29日、テロ対策のため外国人の入国審査時に指紋採取と顔写真の撮影を義務づける出入国管理・難民認定法改正案を与党などの賛成で可決した。

 30日の衆院本会議で可決され、参院に送付される見通しだ。

 改正案では、16歳以上の外国人に指紋や顔写真などの個人識別情報の提供を義務づける。在日韓国人などの特別永住者、政府が招いた外国政府関係者らは除外する。入国する航空機や船舶の長には乗員・乗客の氏名の事前提出を義務づけるほか、テロ行為の恐れがあると法相が認定する外国人の国外退去も可能にする。

 民主党は29日の委員会に、<1>外国人が出国すれば、直ちに個人識別情報のデータを消去する<2>指紋採取は国際社会の理解が広がるまでの間、凍結する――などを内容とする修正案を提出したが、否決された。

(2006年3月29日18時38分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060329i111.htm

0307 入国外国人の指紋採取 対テロ入管法改正案決定 [共同]

 政府は7日午前の閣議で、16歳以上の外国人に入国審査時の指紋採取や顔写真撮影を原則として義務付けることを柱とした入管難民法改正案を決定した。テロリストが別人に成り済まして入国するのを阻止するのが主な狙いだ。今国会に提出し、成立を目指す。
 米中枢同時テロなどの発生を受け、政府が2004年12月に策定した「テロの未然防止に関する行動計画」に基づく内容だが、日弁連は指紋採取について「市民的、政治的権利に関する国際規約に抵触する。採用すべきでない」と反対している。
 改正案では、日本に入国する外国人は「電磁的方式によって個人識別情報を提供しなければならない」と規定。個人識別情報については指紋、写真のほか法務省令で定めるとしている。ただ(1)在日韓国・朝鮮人ら特別永住者(2)16歳未満(3)外交・公用での来日(4)国の招待者-は例外とした。
URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=poli&NWID=2006030701000289

0224 外国人犯罪:検挙件数4万7874件、過去最多 05年 [毎日]

 昨年1年間の来日外国人の刑法・特別法犯の検挙件数は4万7874件(前年比746件増)で4年連続で前年を上回り、過去最多だったことが警察庁のまとめで分かった。検挙者数は2万1179人(同663人減)で減少したが、同庁は「依然として深刻な状況にある」と分析している。

 検挙件数の内訳は、刑法犯が3万3041件(同954件増)、不法滞在などの特別法犯が1万4833件(同208件減)で、刑法犯の増加が全体を押し上げた形。国籍・地域別は▽中国41.0%▽韓国9.6%▽フィリピン8.4%▽ブラジル6.1%などとなっている。


多文化共生社会への視点 [公明]

04年末の外国人登録者数197万人。全人口の1.55%。10年間で31%の伸び。
韓国・朝鮮籍が60万人。これは年々構成比が減少し、中国、ブラジル、ペルー、フィリピンが増加。(EUでは人口の5%が外国人)
国レベルでは対応後手だが、自治体レベルで多文化共生の取り組みが進んでいる。特に東海4県。外国人に投票資格を認める住民投票条例の愛知県高浜市。「世界都市ビジョン」を策定した浜松市など。
外国人学校を専門学校として認知し,教育環境を整える必要を訴える声も。


0218 入管法改正法案、自民部会が了承見送り [朝日]

2006年02月18日01時19分
 自民党の法務部会は17日、テロ対策の一環として法務省が今国会へ提出する予定の出入国管理及び難民認定法の改正案の了承を見送った。入国時の指紋提供を義務づける外国人から、航空機・船舶の乗員や16歳未満の者が除外されている点などをめぐり、「船員を装って入国するテロリストもいるはずだ」「14歳未満でも良いのではないか」などと、更なる強化を求める意見が相次いだためだ。法務省は部会の了承を得て24日に閣議決定する予定だったが、ずれ込む可能性も出てきた。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0218/001.html

外国人労働者受け入れ、法務省が職種拡大検討へ [読売]

 杉浦法相は27日の閣議後の記者会見で、外国人労働者の受け入れに関するプロジェクトチームを省内に設置すると発表した。

 人口減社会の到来を踏まえ、現在は認められていない職業への受け入れを認めるかどうかなどを議論し、今年度中に基本的な考え方を示す。

 チームは河野太郎副大臣の下に設置され、同省の職員がメンバーとなる。

 外国人労働者の受け入れについては現在、出入国管理法で定められた在留資格に基づき、文化活動に携わる職業や医療関係者など27の分野に限られている。政府が今年3月に策定した第3次出入国管理基本計画では、「専門的、技術的分野に該当すると評価されていない分野における受け入れについて着実に検討していく」としており、チームでは27分野以外での受け入れの是非を検討する。

(2005年12月27日13時18分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20051227i106.htm

外国人芸能人の審査厳格化、人身売買防止狙い…法務省 [読売]

 法務省は来年春から、来日した外国人ダンサーや歌手などの人身売買を防ぐため、雇い主に対する審査を厳格化する。

 業者が基準を下回る報酬しか払わなかったり、業者の中に暴力団関係者がいたりする場合は、雇用を許可しない。年明けに出入国管理・難民認定法に関する法務省令を改正する。

 芸能活動を目的に来日した外国人については、本人に代わって「興行ビザ」を申請する「プロモーター」と呼ばれる業者や、劇場などの業者が、興行ビザが認めていないホステス業に従事させたり、安い報酬で働かせたあげくに売春婦として売買する例が後を絶たない。また、現在は、基準以下の報酬に関する罰則がない。

 このため法務省は、人身売買の根絶には、業者と外国人が厳密な雇用契約を結ぶことが必要と判断した。

 省令改正案によると、業者が外国人と雇用契約をする際、国が定めた月20万円の最低報酬額を下回らないことを契約書に明記させる。業者が過去3年間に基準以下の報酬しか払っていない場合や、業者の中に暴力団関係者や、過去5年間に外国人の不法就労に関与した者がいたりする場合は、新たな外国人の雇用を許可しないことにする。

 一方、国や自治体が招へいした演劇などに外国人が出演する場合については、逆に審査基準を緩和する。

 興行ビザで来日した外国人は昨年、約13万5000人で、5年前の約1・6倍に増加した。フィリピン人が全体の6割強を占めている。

(2005年12月10日11時18分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20051210i103.htm

通商白書:外国人労働者の受け入れ検討を提言 05年版

 05年版通商白書の原案が14日分かった。少子高齢化と人口減少が進む日本が今後も経済的繁栄を維持するには、高成長が続く東アジアとの連携を強化し、外国人労働者の受け入れ検討を提言している。
 外国人労働者の受け入れについては、03年版通商白書で初めて提言したが、経営や研究、技術など専門職を念頭に置いたもので、各国の資格との相互認証などを求めていた。今回の白書は、より一般的な労働者の受け入れについて踏み込んで言及しており、「従来専門的・技術的分野と評価されていなかった分野の労働者の受け入れについて着実に検討する必要がある」としている。白書は近く閣議決定される。

TITLE:MSN-Mainichi INTERACTIVE 話題DATE:2005/06/16 00:21URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/wadai/news/20050615k0000m020144000c.html

TITLE:mag2 - Outlook ExpressDATE:2005/06/15 09:07URL:mhtml:mid://00000024/
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