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■政局07Ⅳ

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最新の情報は ■政局07Ⅴ に続く


0909 インド洋給油、継続できなければ退陣 安倍首相が会見 [朝日]

2007年09月09日20時25分

 安倍首相は9日、シドニー市内のホテルで記者会見し、11月1日で期限が切れるテロ対策特別措置法に基づくインド洋での海上自衛隊による給油活動の継続について「国会は大変厳しい状況だが、国際的公約となった以上、私には大きな責任がある。職を賭して取り組んでいく」と述べた。さらに、活動を継続できない場合は「職責にしがみつくということはない」とも言明し、政治責任をとって内閣総辞職をする考えも表明した。

 首相は給油活動を継続する法案について「提出にあたり、特に民主党の理解をいただくため、あらゆる最大限の努力を払わなければならない。全力を尽くし、職を賭していく」と述べた。さらに民主党の小沢代表との党首会談を「なるべく早い段階でお願いしたい」とも語り、法案をめぐる協議で民主党の賛同を求める考えを示した。

 そのうえで首相は「活動が継続できなければ内閣総辞職をする覚悟か」との質問に対し、「あらゆるすべての力を振り絞って職責を果たしていかなければならない。当然、私は職責にしがみつくということはない」と答え、給油活動を延長できない場合には退陣する決意を明らかにした。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0909/TKY200709090145.html

0909 共産党、選挙区候補を半減 2大政党化の影響 [朝日]

2007年09月09日02時03分

 共産党は8日の第5回中央委員会総会で、次期衆院選の小選挙区について、擁立する候補者を大幅に絞り込む方針を明らかにした。新たな基準を適用すると、候補は前回衆院選から半減し、130前後にとどまる計算になる。参院で民主党が第1党になるなど2大政党化の流れが加速するなかで、全300小選挙区での擁立を目指してきた従来の方針の転換を強いられた形だ。

 志位委員長が同日、党本部で講演し、(1)参院選比例区での同党の得票率が8%以上の小選挙区に絞る(2)ただし、各都道府県ごとに最低1人以上は擁立する――との新基準を公表。その理由について「従来の方針のままでは、多額の供託金没収による財政圧迫など、マイナスが大きい」と説明した。得票率が10%未満だと、供託金が没収されるためだ。今後は比例区をより重視し、参院選に続いて650万票の目標を掲げるという。

 共産党は03年衆院選では全小選挙区に、05年は275小選挙区に候補者を立てたが、いずれも全敗だった。公明、社民、国民新各党は一部の小選挙区でしか候補者を出しておらず、共産党の方針転換で、自民、民主両党の候補者の一騎打ちになる小選挙区が増える見通しだ。

 05年衆院選では、民主、共産両党候補の得票を足せば、当選した与党候補の得票を上回る小選挙区が約40あった。共産党の候補絞り込みは、民主党への追い風になるとの見方もあるが、共産党側は「選挙での野党共闘を想定した決定ではない」としている。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0909/TKY200709080284.html

0909 背水首相、危うい約束 米豪首脳と会談 [朝日]

2007年09月09日20時13分

 インド洋での海上自衛隊の給油活動継続は「対外公約」――。安倍首相は8日、ブッシュ米大統領やハワード豪首相との会談を踏まえ、こう言い切った。だが強い決意とは裏腹に、参院で与野党が逆転した状態では、テロ対策特別措置法の延長に妙案があるわけではない。この日初めて開かれた日米豪首脳会談は、日米豪にインドを加えた域内の「民主主義諸国」と連携を強める安倍首相の外交理念にもつながるが、その方向性もまた見えてこない。

 ●特措法延長、妙案なし

 「私は活動を継続するために全力を傾ける。総理として全力を傾けるということです」。安倍首相は8日、シドニー市内のホテルで記者団に強調した。

 「海上自衛隊の補給活動はぜひとも継続が必要であり、最大限努力する」。これに先立つ日米首脳会談でも、首相は自分から、この問題を切り出した。

 会談の冒頭、首相は参院で民主党が第1党になっても「安倍政権の外交・安全保障政策の基本方針に変更はない」と言明。ブッシュ大統領は海自の活動に謝意を示したうえで「米国はじめ国際社会のメンバーにとって不可欠」と念を押した。

 首相の帰国は「逆転国会」初日の10日早朝。その直前の外交舞台で、米国や国際社会の支持を得て、臨時国会で最大の焦点となるテロ特措法の延長問題の追い風にしたい――。首相にはこんな思惑がにじむ。

 周辺は「国際社会全体が日本の活動を必要としており、小沢民主党代表のように外交を政局にすべきでない。首脳会談を通じ、その理解が広がればいい」と語る。

 ただ、小沢氏はシーファー駐日米大使に、同法の延長に反対する考えを直接伝えた。報道機関の世論調査でも反対が賛成を上回っている。首相側の言う「国際社会の支持」があったとしても、延長実現に結びつく道筋は見えてこない。

 加えて、米国は北朝鮮と核問題をめぐって歩み寄りを見せている。ブッシュ大統領は7日、韓国の盧武鉉大統領との会談後、非核化が実現すれば北朝鮮との平和協定の締結が可能になるとの考えを表明した。拉致問題の解決を最重視する日本との関係にも、微妙な影を落としつつある。

 「大統領が最近のインタビューで『拉致問題を忘れない』と言ったことを心強く思う」。首相が先に水を向けると、大統領も「拉致問題を決して忘れることはない」と応じた。ただ、北朝鮮のテロ支援国家指定解除の問題は首脳会談で触れられなかった。

 参院選惨敗で政権基盤が揺らぐなか、首脳間の「個人的関係」にも微妙な変化が見える。首相と大統領は会談後、そろって記者団の前に姿を見せた。親しみを込めて「ジョージ」と呼びかける安倍首相。ブッシュ大統領は前任の小泉前首相には「ジュンイチロウ」と呼びかけ、安倍首相のことも、4月の訪米時には「シンゾー」と呼んだこともあったが、この日は最後まで、こう呼んだ。

 「ミスター・プライムミニスター(総理)」

 ●「共通の価値観」綱引き

 シドニーの港を望むインターコンチネンタルホテル高層階のラウンジ。日米豪の首脳が初めて一堂に集まった会談は、1時間の朝食会だった。到着したブッシュ大統領にハワード首相が「おはようジョージ」と気さくに呼びかけた。

 ともに米国と同盟関係を結ぶ日豪は、今年3月にハワード首相が訪日した際、安保共同宣言を出して両国関係を強化した。自由や民主主義という「共通の価値観」を持つ3国の結束強化を内外に示した朝食会は安倍路線とも重なり合う。

 安倍首相はさらに、3国にインドを加えた域内の民主主義4国の連携を目指す「拡大アジア構想」を、先月のインド訪問時に発表。成長するインドは、日米豪首脳会談でも焦点のひとつとなり、「インドが大国になりつつある」という認識で一致したという。インド東岸のベンガル湾で実施中のインド主催の海上共同訓練「マラバール」に、日米豪3カ国も参加するなど、実際の協力関係も実を結びつつある。

 ただ、日本と豪州のインドに対する姿勢は微妙に異なる。ダウナー豪外相は「豪州や日本と異なり、米国の同盟国ではない」として、「4番目の仲間入り」には消極的だ。「我々はインドと集団的にではなく、個別的に広い意味での関係前進を目指している」

 域内のもうひとつの大国、中国も敏感に反応する。シドニー入りした胡錦濤国家主席は6日、ハワード首相との首脳会談後の共同記者会見で、3首脳会談について、「どのような意味合いを持つ会談なのか」と懸念を表明する一方、中豪首脳会談で合意した閣僚級の戦略対話の開催を「社会制度が異なる国同士の友好協力のモデルケースだ」と評価。価値観の共有を重視する安倍外交への牽制(けんせい)ともみられる。

 当初、中国の軍事費拡大などに懸念を示す場になるともみられていた3首脳会談だが、「中国包囲網」との批判をかわすためか、会談内容についての日本側の説明はあいまいだった。政府当局者は「中国に対し、建設的に関与していくことの重要性については共通の理解があった」としたが、「詳細については控えたい」。

 3首脳会談の性格がはっきりしないなか、この枠組みを「定例化」するかどうかも、議論されなかったという。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0909/TKY200709090143.html

0907 参院予算委員長は自民に 民主、混乱回避へ譲歩 [朝日]

2007年09月07日21時28分

 与野党が逆転した参院で、証人喚問による疑惑追及など論戦の主要舞台となる予算委員会の委員長ポストを、引き続き自民党が確保することが7日、決まった。自民党側は、予算委以外の委員長ポストを民主党の要求通りにすることに同意。投票決着に持ち込んででも獲得に意欲を見せていた民主党側も、国会運営の混乱を避けるため土壇場で譲歩した。

 自民、民主両党の参院国対委員長らが7日、国会内で会談し、民主党に総務、外交防衛、厚生労働、農林水産など計9ポスト、自民、公明両党に予算、国土交通など計8ポストを配分することを確認。同日夜の参院議院運営委員会理事会で正式に決まった。

 委員長ポストをめぐっては、第1党になった民主党が「配分された9ポストすべてを希望通りに取るのは当然だ」と主張したのに対し、自民党は「議院運営委員長を民主党に渡したのだから、次のポストは第2党の自民党が選ぶべきだ」として、予算委員長ポストの維持に強い意欲を示していた。

 自民党内には一時、ポスト獲得は困難との見方もあったが、最終的に「予算委を除き、すべて民主党の要求に対応したい」と民主党側に通知。参院民主党執行部は、投票決着による常任委員長選出が衆参両院にわたる混乱を招くことなどを懸念して妥協したという。ただ、小沢代表が対決姿勢を強めていただけに、同党内には参院執行部の対応への不満も出ている。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0907/TKY200709070370.html

0904 小林温氏が参院議員辞職 公選法違反事件で引責 [朝日]

2007年09月04日20時31分

 参院選神奈川選挙区で再選され、出納責任者らが公職選挙法違反(日当買収)の罪で起訴された自民党の小林温(ゆたか)参院議員(43)が4日、議員辞職した。同日夕、神奈川県庁で、党神奈川県連会長の菅義偉・党選対総局長と記者会見に臨み、選挙違反で2人が起訴された事件の「責任を重く受け止める」と語った。遠藤武彦前農林水産相の辞任直後だけに、政府・自民党のイメージ悪化は避けられない情勢だ。

 小林氏はこの日午後、江田五月参院議長に辞職願を提出、許可された。会見で小林氏は、出納責任者が起訴事実を否認しているとして「事件は無実」としながらも、10日から論戦が始まる臨時国会への影響や、再選挙、補欠選挙となった場合の政治的な空白を避けたい、として、議員辞職を決意したという。

 会見に同席した菅氏は「議員を支援してくれた県民、国民に大変申し訳ない」と語った。

 参院選から3カ月以内に辞職すれば、補欠選挙にならず公明党の松あきら氏の繰り上げ当選となる。「補選になれば民主党に議席を奪われる」(党関係者)との懸念が強まる中、早期辞職を迫られていた。

 小林氏の陣営をめぐる選挙違反事件では、出納責任者で公設秘書だった鈴木美香被告(33)と自民党県連職員の山口聡被告(34)の2人が、大学生ら24人に選挙運動の日当を不正に支払ったとして、8月29日に起訴された。出納責任者の罰金以上の刑が確定した場合、連座制で当選が無効となる可能性もあった。

 小林氏は8月7日の鈴木被告らの逮捕後、公の場所に姿を見せず、事件について、自ら説明することはなかった。2人が起訴された同29日には、「深くお詫(わ)び申し上げます。今後の裁判を通して、事実関係を正確に把握した上で、対応を考えて参りたいと考えております」とのコメントを出したが、進退については明らかにしなかった。

 この日、事件について説明してこなかったことについては、「捜査の行方に影響を与える可能性があり、記者会見することは慎んだ」と述べた。

 小林氏は福島県猪苗代町生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、松下政経塾(10期生)を経て、01年参院選の神奈川選挙区に自民党公認で立候補し、初当選した。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0904/TKY200709040303.html

0904 首相抜きの農相辞任劇 政権変質、与謝野・麻生氏仕切る [朝日]

2007年09月04日03時00分

 遠藤農林水産相の補助金不正受給問題の発覚から3日。「スピード辞任」に向け、水面下で動いたのは、与謝野官房長官と自民党の麻生太郎幹事長だった。遠藤氏への説得から後任の「身体検査」まで取り仕切った両氏。内閣改造で出直しした直後の安倍政権にとって最大の危機管理を、首相の「手前」で決着させる――。首相を棚上げにした閣僚交代劇からは、「与謝野・麻生政権」とも言える政権の変質が浮かび上がった。

 ■遠藤氏にひそかに引導

 遠藤氏の疑惑が報じられた1日、首相は首相官邸での総合防災訓練を終え、与謝野氏と電話で対応を話した。「どうしましょうか」。首相は困った様子だったという。

 「人心一新」を掲げて内閣改造を行った5日前、首相は記者会見で、政治とカネの問題が明らかになった閣僚について「十分な説明ができなければ(閣外に)去って頂く」と言い切った。

 しかし、問題が現実となると、首相の対応は鈍かった。記者団の質問にも「私も詳細に説明を聞いていない。質問があれば(遠藤氏は)きちんと説明していかなければいけない」と短く答えただけだった。

 同じ頃、麻生氏は遠藤氏への不満を周辺にぶちまけていた。「これは自分の問題だろ」。翌2日午前、麻生氏はNHKの討論番組で「世間で通る説明かどうかが一番の問題」と突き放した。

 与謝野氏もテレビ朝日の報道番組で、こう言った。「(遠藤氏を)守るという話と守れるかという話は別の話だ」。両氏は歩調を合わせて「遠藤氏辞任」のレールを敷き始めた。

 番組出演を終えた2人はまず、都内のホテルで昼食をともにした。「逆転国会」の司令塔、大島理森国会対策委員長も同席。3人の認識は一致した。「遠藤氏が残れば、参院審議は乗り切れない」。民主党は1日、野党が過半数を占める参院に、遠藤氏の問責決議案を提出する方向で検討に入っていた。

 与謝野氏はその足で都内のホテルに赴き、ひそかに遠藤氏と会った。

 「いかなる事情があろうと、農水省の助成の関係で批判を浴びたんだから、ここは十分考えてほしい」。与謝野氏の「引導」に、1日の会見では辞任を否定していた遠藤氏も応じた。「ただちに辞任したい。総理に伝えてほしい」

 ■後任の「身体検査」も

 幕引きを急いだ与謝野氏の念頭には、閣僚の失言や不祥事への対応が後手に回り、参院選惨敗の一因となった改造前の官邸の危機管理能力の欠如があった。

 首相と親しい人物で固めた官邸の「チーム安倍」は、問題が起きるたび、塩崎官房長官や井上義行首相秘書官、首相補佐官らが対応策をめぐって混乱。結局、最終判断を委ねられた首相が矢面に立たされ、「疑惑閣僚を守る首相」というイメージが定着した。

 「何もかも総理に判断を仰ぐのは、あまりいいことではない」。与謝野氏は、こう繰り返した。これまで井上氏が主導してきた「身体検査」も、今回は与謝野氏サイドが水面下で進めた。官邸関係者はいう。「首相はほとんどタッチしなかった。官房長官がすべて引き取った」

 首相主導の演出に余念がなかった首相をはずした形での決着は、首相を傷つけまいという与謝野・麻生ラインの思惑とは別に、首相の「不在」を強く印象づけた。

 その首相。3日夜、「どのようなリーダーシップをとったか」との記者団の質問にこう答えた。「遠藤さんが自ら判断したことです」
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0904/TKY200709030398.html

0904 補助金問題:国政調査権で会計検査求める 民主党が方針 [毎日]

 民主党は3日、秋の臨時国会で参院で発動が可能になった国政調査権に基づき、国会議員が絡む補助金問題などで、会計検査院に対し会計検査の実施を求める方針を固めた。農相を辞任した遠藤武彦氏の問題が会計検査院が指摘した補助金不正受給だったことに関連し、「税金を無駄遣いをする政府与党の実態を明らかにする」として、菅直人代表代行の下にプロジェクトチームを設置。疑惑が発覚すれば、個別に会計検査を求める。

 憲法に基づく国政調査権では、国会の議決で会計検査院に会計検査を行わせ、結果を報告させることができる。

 同チームでは、遠藤氏と同様に、補助金の交付を受けている団体やその上部団体に関係している自民党国会議員の実態を調査。今回の問題が既に3年前に会計検査院が指摘済みだったことから、会計検査院のこれまでの指摘を過去10年程度さかのぼって精査する。

 民主党幹部は「自民党は補助金をばらまく見返りに補助金交付団体を使って集票している。遠藤農相問題は自民党政治では必然だ」と指摘する。【須藤孝】

 ▽国政調査権 憲法に基づく国会の権利で、衆参両院のいずれかの議決で発動する。行政機関に記録の提出を要求したり、証人喚問ができる。国会法105条では、会計検査院に対し特定の事項について会計検査を行い、その結果を報告するように求めることができる。

 ◇安倍政権への継続的な打撃狙う

 民主党が3日、国政調査権を発動し、補助金問題で会計検査院に会計検査を求める方針を固めたのは、遠藤武彦農相の補助金不正受給問題を同氏の辞任で終わらせず、自民党政治そのものの問題として長引かせ、安倍政権への継続的な打撃を狙うためだ。自民党は「遠藤氏は特殊な例。民主党のイメージ戦略だ」(自民党幹部)と反論し、支持団体・業界への揺さぶりに神経をとがらせている。

 菅直人代表代行は2日、「会計検査院の指摘は遠藤氏の問題にとどまらない。自民党の長年の政権運営の氷山の一角だ。積み上げていけば年内に衆院の解散・総選挙もある」と強調した。仮に閣僚や自民党幹部でまた同様の問題が発覚すれば、安倍政権は急速に安定性を失うと見て攻勢を強める構えだ。山岡賢次国対委員長も3日の記者会見で、農業共済組合の組合長などを務める自民党国会議員十数人の実名を列挙し、「白昼堂々と税金を偏って使う役割だ」と決めつけた。

 ただ、国会議員が組合長などを兼務しただけでは問題にはならない。名指しされた自民党議員は一斉に反論。中国地方の県農業共済組合連合会長を務める自民党幹部は「自治体との折衝もあるので、国会議員が会長を務めるケースは多い。私腹を肥やすことはない」。「就任自体が怪しいというのはおかしい。遠藤氏の組合は不正をしたからとがめられた」(古賀派の閣僚経験者)と批判している。

 ただ、遠藤氏の問題を最大限に利用する民主党の戦略が、自民党に痛手なのは事実。参院選比例代表では業界・団体が特定の候補者を支援して当選させてきた実績があり、「癒着」批判に結び付きやすいためだ。ある党幹部は「業界・団体と国会議員の関係を見直す必要がある」と語るが、それは一方で支持団体の「自民離れ」にもつながる懸念もある。【須藤孝、中田卓二】


0903 玉沢元農水相が自民離党 議員辞職は否定 領収書偽造 [朝日]

2007年09月03日20時17分

 自民党の玉沢徳一郎・元農水相は3日、自らが代表を務める政党支部の政治資金収支報告書で領収書を偽造していた問題で、党本部に離党届を提出した。記者会見した玉沢氏は「党に多大なる迷惑をかけた。支持者、国民に大変申し訳ない」と陳謝したが、議員辞職については「今のところ、考えていない」と否定した。

 問題となったのは「自民党岩手県第4選挙区支部」の政治資金収支報告書。玉沢氏によると、03年の報告書で約255万円分の領収書を経理担当者が偽造し、使い回していたといい、偽造分は全額を国庫に返納するとしている。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0903/TKY200709030348.html

0903 自民支部、安倍首相の退陣要求 宮城県連に申入書 [朝日]

2007年09月03日21時24分

 遠藤前農水相ら相次ぐ閣僚の不祥事などを受けて、自民党宮城県連古川支部は3日、安倍首相の早期退陣を求める申入書を、同県連(会長・市川一朗参院議員)に提出した。「閣僚不祥事に対する拙速な対応で指導力不足が露呈した」「自らの戦術で参院選に敗れた事実を受け止めるべきだ」などと指摘している。

 申入書ではこのほか、「安倍政権は地方の危機的実情の認識を持ち、生活弱者への配慮を実施すること」や「零細農家が切り捨てられたと感じる施策を是正すること」も求めた。県連側は「退陣要求を取り次ぐのは難しいが、格差是正や農業振興策などは多くの党員が感じていることだ」(渡辺和喜会長代理)としている。

 佐藤勝・同支部長は「要求は支部の総意。地方の第一線では恥ずかしくて党勢拡大を口にできる状況でない。有権者から『何ですか自民党は』と言われる」などと話した。遠藤氏の問題が出る前の8月中旬から支部で検討してきたという。

 宮城県連は森政権時代の01年、「こんなんじゃ私が総理大臣をやった方がましよ」と、主婦が電話で怒鳴りつける政権批判のテレビCMを作ったことがある。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0903/TKY200709030368.html

0903 遠藤農相が辞任、後任に若林前環境相…坂本外務政務官も [読売]

 遠藤武彦農相(68)(衆院山形2区)は3日午前、安倍首相を首相官邸に訪ね、自らが組合長を務めていた農業共済組合が国から補助金を不正受給していた問題の責任をとって辞表を提出し、受理された。

 後任には若林正俊・前農相兼環境相(73)(参院長野選挙区)の起用が決まった。内閣改造からわずか1週間で新閣僚が辞任する事態となり、安倍政権の求心力は一段と低下しそうだ。

 野党側は首相の任命責任を追及する構えで、首相の問責決議案提出を検討している。テロ対策特別措置法を延長する改正案などの成立を目指す政府・与党の国会運営が、一段と厳しくなるのは間違いない。

 遠藤氏は首相に、「せっかく任用していただいたが、期待にこたえられず、国会の情勢が厳しい中、申し訳ない状況になった。心からおわびする」と辞任を申し出た。首相は「残念だ。この問題とは別に、しっかりやってほしい」と了承した。

 この後、首相は公明党の太田代表に電話し、「農相が辞任することになった。ご迷惑をおかけした」と陳謝した。

 遠藤氏は農水省で記者会見し、不正受給のうち返還対象となる約50万円を同日、国側に返還したことを明らかにした。そのうえで、「国民に政治に対する不信を感じさせたことをおわびする」と謝罪した。

 安倍政権の内閣改造以外での閣僚交代は、昨年9月の発足から5人目となる。特に農相ポストは、5月に松岡利勝氏が自殺し、後任の赤城徳彦氏も8月に更迭されており、遠藤氏を含め、わずか3か月余りで3人が交代する異例の事態となった。

 遠藤氏の辞表提出は、内閣改造から8日目。現行憲法下の歴代内閣の閣僚では、遠藤氏は、竹下内閣の長谷川峻法相の4日間に続き、2番目に短い在任期間となる。

 遠藤氏が辞任を決断したのは、10日召集の臨時国会で野党側が問責決議案を提出する構えをみせていることを踏まえ、政府・与党でも事態の早期決着を求める声が強まったためだ。

 太田氏も2日のテレビ番組で、「国民からは『何をやっているんだ』ということになる」などと厳しく批判していた。

 遠藤氏は、自らが代表の自民党支部が「山形県家畜商業協同組合」(天童市)から5万円の寄付を受けていたことが就任直後に判明し、返金した。1日になってさらに、組合長を務める「置賜農業共済組合」(山形県米沢市)が、共済掛け金としての国の補助金を不正に受け取り、未返還のままであることがわかった。

          ◇

 坂本由紀子外務政務官(58)(参院静岡選挙区)は3日、支部長を務める自民党支部や後援会が同一の領収書を流用し、架空の会議費を政治資金収支報告書に多重計上していた問題などの責任をとって安倍首相あてに辞表を提出し、受理された。

(2007年9月3日13時59分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20070903it03.htm

0830 「国民は戦後レジームの発展選んだ」江田議長、首相牽制 [朝日]

2007年08月30日21時43分

 「参院を強力にして戦後レジーム(体制)を発展させるという選択を国民はした」。民主党出身の江田五月参院議長は30日、日本記者クラブで記者会見し、野党が過半数を占めた参院選結果をこう論評して「戦後レジームからの脱却」を掲げる安倍首相を牽制(けんせい)した。

 江田氏は「参院は戦後レジームの象徴。戦後いろんな改革があり、新憲法下でスタートした」と指摘。平和主義など憲法の理念を強調し、「脱却を何としても食い止めねばならない」と力説した。

 首相がこだわる憲法改正についても、自民党が大勝した05年の郵政総選挙を踏まえ、「郵政だけで得た民意で憲法も全部やってしまおうとなると、いろんなことを言わないといけない」とくぎを刺した。

 一方、矛先は身内の小沢代表にも及んだ。小沢氏の国会運営について「政権担当能力はあるか、民主党はまだお試し期間だ」と注文。「物わかりがよくなれと言ってるわけではないが、数にものを言わせて議長の意向をねじ伏せることにはならないと思う」

 参院の運営については「江田5原則」を提示。「情報面で与野党が同じ土俵に」「テーブルの下で手を握らない」などと説明し、衆院の7割が目安とされてきた審議時間についても「参院がじゃまだからこういう慣例を作ったのだろう。もうないでしょ」。

 中立を重んじる議長は政治的な発言を極力控えるのが通例だ。江田氏は「議長の立場を離れて言うが」などと前置きはしたが、こうした奔放な発言は、激しい攻防が予想される臨時国会の波乱要因のひとつになりそうだ。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0830/TKY200708300361.html

0831 副代表に岡田・前原両氏 民主新執行部 [朝日]

2007年08月31日16時44分

 民主党は31日、参院選を受けた党役員人事に着手した。焦点となっていた岡田克也副代表、前原誠司前代表の処遇については、前原氏を新たに副代表に起用することを内定し、打診を始めた。岡田氏には衆院予算委員会の筆頭理事の兼任を要請、代表代行に輿石東参院議員会長、政調会長には直嶋正行参院議員、国会対策委員長には山岡賢次衆院議員を選んだ。鳩山由紀夫幹事長、菅直人代表代行は留任。同日午後の両院議員総会で決定する。9月10日召集の臨時国会の攻防に向け、代表経験者全員の力を結集し、衆参一致した「総力戦」で臨む布陣となる。

 また、党広報委員長には前原代表時代に国対委員長を務めた野田佳彦衆院議員を内定した。

 選考は小沢氏が一括して検討。鳩山、菅氏との「トロイカ体制」を維持する一方、第1党となった参議院から役員の半数を起用するなど、「万全の挙党一致体制」の構築を最優先した。小沢氏は31日午前の党常任幹事会で「みんなで衆参一致で盛り上げていくために党としての体制も一新したい」とあいさつした。

 岡田氏は05年総選挙の惨敗で代表を辞任して以来、小沢代表から距離を置いてきた。前原氏も民主党議員が偽のメールをもとに自民党を追及した問題の責任をとって昨春に代表を辞任した後は要職から離れたままとなっている。ただ、小泉前首相との論戦に打ち勝って04年参院選を勝利に導いた岡田氏や、政策に通じた前原氏への党内の期待感は根強い。岡田氏に国会の主戦場となる予算委の責任者を担わせ、前原氏を要職につけることで全党的な協力体制を築く狙いがある。

 政調会長を参院議員から選ぶのは異例で、衆参の連携強化を図るものだ。国対委員長の山岡氏は小沢氏に近い。与野党攻防の最前線に側近を配置することで、国会対応の機動性を確保する狙いがある。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0831/TKY200708310191.html

0828 安倍改造内閣、政権浮揚へ重厚布陣 安倍改造内閣 [読売]

 安倍改造内閣が27日夜、発足した。

 安倍首相(自民党総裁)は、内閣の要となる官房長官に自民党の与謝野馨・元経済財政相(無派閥)、都市と地方の格差問題に取り組む総務相に増田寛也・前岩手県知事、年金問題を担当する厚生労働相に舛添要一・自民党前参院政審会長(無派閥)を抜てきした。

 また、外相に町村派会長の町村信孝・元外相、防衛相に高村派会長の高村正彦・元外相を起用するなど、3人の派閥会長を閣内に取り込んだ。首相は、自民党内の実力者を重要ポストに配置し、重厚な布陣とすることで、低迷する政権の浮揚を図りたい考えだ。

 安倍内閣の改造は昨年9月の発足後初めて。首相は、7月の参院選での惨敗を受け、人心の一新を決断した。

 首相は27日午後、首相官邸で、公明党の太田代表、自民党三役らを交えて改造人事を最終決定した。新閣僚の認証式は同日夜、皇居で行われた。

 改造内閣の17閣僚のうち、連立政権を組む公明党の冬柴鉄三国土交通相、自民党の甘利明経済産業相(山崎派)ら5人が留任した。初入閣したのは7人だった。与謝野氏は、通産相や文相、自民党政調会長などを歴任し、党内で政策通として知られる。首相は、政策調整能力の高い与謝野氏を中心に政権の立て直しを図る考えだ。

 高村氏は、外相などの豊富な閣僚経験をいかし、11月1日に期限が切れるテロ対策特別措置法の延長問題に取り組むことになる。防衛省の幹部人事を巡り、小池百合子・前防衛相時代に生じた混乱を収束し、省内の態勢をどう立て直すかも課題となる。

 舛添氏は首相の政権運営を批判する発言を行ってきた経緯があり、舛添氏の起用は、党内の不満の声にも首相が耳を傾ける姿勢を印象づける狙いがあると見られる。

 自民党各派の配分では、津島派が3人と目立った。首相の出身派閥である町村派からは、町村外相の1人にとどまり、谷垣派からの入閣は、前内閣に続いてゼロだった。

(2007年8月28日1時38分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20070827it11.htm

0827 自民新三役に麻生幹事長、石原政調会長、二階総務会長 [朝日]

2007年08月27日09時04分

 安倍首相は27日朝、自民党幹事長に麻生太郎外相、政調会長に石原伸晃・幹事長代理、総務会長に二階俊博・国会対策委員長を起用する方針を決めた。国対委員長には、大島理森・元農林水産相が就任する。首相は同日午後、内閣改造に着手し、同日夜には安倍改造内閣が発足する。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0827/TKY200708270030.html

0825 自民、異例の首相批判 参院選総括委員会 [朝日]

2007年08月25日03時13分

 参院選惨敗を受けて自民党が設置した総括委員会(委員長・谷津義男選挙対策総局長)は24日、敗因や課題を記した最終報告書をまとめた。敗因では年金記録の管理問題の初動対応の誤りや、政策の優先順位が国民意識とズレていたことなどを列挙。歴史的大敗を踏まえ、安倍首相への批判を盛り込んだ異例の厳しい内容となった。同日、党総務会などに報告し、首相あてに提出した。

 報告書では、首相の姿勢について「一般国民の側でなく永田町の政治家の側に立っているようなイメージを持たれたのではないか」と分析。さらに「政治とカネ」の問題の対応が後手に回ったことで「国民から指導力に疑問が呈された」と踏み込んだ。

 総括委はこれまで、所属国会議員のほか落選者や地方組織の代表らからも事情を聴取。その中で噴出した厳しい意見を報告書に反映した形だ。この日の総務会でも「なぜ、大敗しなければこうした反省が出てこなかったのか」(村田吉隆・元国家公安委員長)、「改革の美名のもとに役人主導では困る」(大野功統・元防衛庁長官)などという注文が出た。

 谷津委員長は同日の記者会見で「格差問題に対して『戦後レジーム(からの脱却)』や『美しい国』では対応できなかった。党も政策をたてなかった責任がある」と指摘。そのうえで「実行に移してもらわないと何にもならない」と新執行部による対応を求めた。

 外遊中の首相に代わって報告書を受け取った塩崎官房長官は、記者団に「所得格差や雇用格差、地方、弱者に配慮した、より厚みのある構造改革を推進しなければならないというのが主なメッセージ。指摘を真摯(しんし)に受け止めていかなければいけない」と語った。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0825/TKY200708240426.html

0825 小池防衛相が続投を否定 情報漏洩で引責 [朝日]

2007年08月25日01時11分

 安倍首相は24日、訪問先のクアラルンプールで記者会見し、27日の内閣改造・自民党役員人事について、改革路線を継続し、地域活性化に配慮した布陣をとる考えを表明した。内閣改造では防衛省の事務次官人事をめぐって混乱を起こした小池防衛相の処遇が焦点の一つだが、小池氏は24日、イージス艦の情報流出事件の責任を取るとして留任を望まない考えを明らかにした。

 首相は会見で「人事は帰国してから最終的に判断したい」としたうえで、内閣改造の基本方針として「日本は改革を進めていかなくては、いつかやっていけなくなる。新経済成長戦略をしっかり進めることが必要だ」と強調。さらに「参院選の結果で反省すべき点は反省しながら、地域の活性化にも力を入れたい。そうした点も考慮しながら人事を断行したい」と語った。

 一方、インド訪問中の小池氏は24日、ニューデリーで同行記者団に、久間前防衛相の在任中に発覚したイージス艦情報流出事件に関連して「情報保全体制の新システムは作った。防衛省内で誰かきっちり責任を取ったかと言えば取っていない。私はこの点の責任を取りたい。きっちりした体制でやるためには人心を一新していただきたい。私は辞めると言っている」と述べ、防衛相留任の意思がないことを明らかにした。すでに安倍首相にも伝えたという
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0824/TKY200708240399.html

0824 社保庁長官を更迭 後任に坂野氏 厚労次官も 年金問題 [朝日]

2007年08月24日23時32分

 政府は24日、年金記録のずさんな管理問題の責任が問われていた社会保険庁の村瀬清司長官(60)を退任させ、後任に総務省出身の坂野泰治・日本放送協会監事(60)を充てる人事を決めた。厚生労働省の辻哲夫事務次官(60)も退任し、後任には旧厚生省出身で、前内閣府事務次官の江利川毅・日興フィナンシャル・インテリジェンス理事長(60)を起用する。年金記録問題に伴う事実上の更迭といえる。同日開いた首相官邸の人事検討会議で了承した。31日付。

 安倍首相は24日夜、訪問先のクアラルンプールで記者団に「一刻も早く、新しい体制で国民の不信を払拭(ふっ・しょく)して前進していかなければならないという観点から、けじめとして現在の内閣において人事を行った」とした。

 柳沢厚労相は今回の人事の発表会見で、「年金記録問題では国民に不安や心配をおかけしたことを反省し、単純に内部昇格するのではなく、新しい目で課題に取り組むのが適当と考えた」と述べた。同省の幹部人事は例年7月ごろ行われるが、年金記録問題による混乱を受け、人事は凍結されていた。

 ある府省の事務次官経験者が他省の次官に、総務省出身者が社会保険庁のトップに就くという人事は、「霞が関の論理」では異例だ。内閣改造や臨時国会を控え、刷新色を出そうとしたとみられる。

 政府関係者は今回の起用について「役人としてのキャリアを終えた人に、もう一度、厳しい役割を果たしてほしいと頼んだわけだから、調整は難航した」と明かす。

 社保庁長官の後任選びで柳沢氏は民間からの起用も模索した。だが、年金問題の逆風下で適任者が見つからず、日本放送協会監事として現業部門も経験した坂野氏を最終的に選んだ。

 坂野氏は総務省行政管理局長などを経て、道路公団民営化推進委員会の事務局長として行政改革を進めた。社保庁は10年1月に解体され、日本年金機構が発足するが、組織再編の陣頭指揮をとることになる。

 現在の村瀬長官は、年金記録ののぞき見などの不祥事を受け、04年に損保ジャパン副社長から民間出身として初めて就任。だが、相次ぐ不祥事の対応に追われ、社保庁の立て直しは果たせなかった。

 事務次官の後任についても、旧厚生省出身とはいえ、民間企業に再就職していた江利川氏を起用する。柳沢氏は「内閣府事務次官を経験した力のある方で、外の見方も十分に身につけている」と述べた。

 民間などに籍を置いていたとはいえ、官僚出身者という「霞が関の身内」の顔ももつ坂野、江利川氏は、まずは臨時国会で、民主党など勢いづく野党からの攻勢と向き合うことになる
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0824/TKY200708240400.html

0824 改造前に身ぎれいに? 自民議員の収支訂正相次ぐ [朝日]

2007年08月24日17時25分

 内閣改造を目前に控え、自民党の国会議員が政治団体の政治資金収支報告書を相次いで訂正している。「政治とカネ」が焦点のひとつとなった参院選の大敗を受け、党が所属の国会議員に関連政治団体の収支報告書の点検を指示したことがきっかけだ。塩崎官房長官が代表を務める自民党支部で多額の着服が発覚したほか、大臣経験者ら大物議員の政治団体も含まれる。「赤城ショック」の後遺症はまだ続いている。

 総務省によると今年度は7月までの4カ月間で、すでに公表されている03~05年分の収支報告書の訂正が58件に及んだ。19件だった昨年同時期の3倍にのぼる。特に8月は急増し、23日までに計26件になるという。

 朝日新聞の取材では、今月に入り、同日までに政治団体の収支報告書の訂正を総務省や地方選挙管理委員会に届け出た自民党国会議員は12人だった。

 訂正額が多額だったのは、鈴木俊一・元環境相の資金管理団体「清鈴会」。03~05年分の収支報告書について、事務所費を各年3000万円前後から700万~800万円台にそれぞれ減額し、備品・消耗品費や組織活動費を大幅に増額した。

 現行法では、政治活動費に分類される組織活動費は1件5万円以上支出した場合には領収書の添付が義務づけられている。しかし、清鈴会は組織活動費の増額分は1件5万円未満で計上し、支出の明細を明らかにしていない。

 鈴木恒夫衆院議員の資金管理団体は03~05年分の事務所費約674万円、約830万円、約826万円をゼロにし、その分を人件費に計上する訂正を届け出た。アルバイト代を事務所費に入れていたためだという。

 また、更迭された赤城前農水相と同様、支出の二重計上が発覚したのは、衛藤征士郎・元防衛庁長官。資金管理団体と関連の政治団体が04、05年分の収支報告書に郵便代や通信費計約98万円を「事務処理上のミス」(事務所)で二重計上していたとして、10日付で訂正した。

 塩崎官房長官が代表を務める自民党愛媛県第1選挙区支部では、事務職員が政治資金約627万円を横領。05年の収支報告書に、選挙運動費用収支報告書に添付した領収書の写しを重複して添付していた。

 金子一義・衆院予算委員長と山崎正昭・参院幹事長の資金管理団体は、事務所を無償提供してもらいながら不記載だったと届け出た。

 少額支出の訂正も多い。

 谷垣禎一・前財務相の資金管理団体は03年分の光熱水費をゼロから2万円余に、谷川弥一衆院議員の資金管理団体は04年分の光熱水費を16万円余りからゼロに訂正した。それぞれ電気代やコピー機のリース代の振り分けを間違えたという。

 井上信治衆院議員の資金管理団体は、借金の借入先が間違っていた。このほか、藤井孝男元運輸相や川崎二郎前厚労相ら閣僚経験者も訂正を出している。

 「臨時のアルバイト代はどこに計上するのか」「浄水器やストーブ代は」。総務省には、政治家の事務所からそんな問い合わせが相次いでいるという。経常経費に関する細かな質問が目立ち、「いつも以上に敏感になっている様子が伝わってくる」と担当者。

 自民党幹部が「政治とカネに問題がある議員は入閣させない」といった趣旨の発言を繰り返しており、内閣改造前に身ぎれいにしたいという議員の思惑もうかがえる。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0824/TKY200708240219.html

■政局07Ⅲ より続く

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