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1212 住基ネット、揺れる安全 危険評価、割れる司法 [朝日]

2006年12月12日03時01分
 住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)はどこまで安全なのか。11日にあった名古屋高裁金沢支部判決は、住基ネットを巡るトラブルの具体例を示しながら、同ネット自体の危険性を否定した。一方、11月の大阪高裁判決は、実例を挙げた上で危険性を認めた。判断は分かれたが、住民基本台帳カード(住基カード)の不正取得など同ネットをめぐる被害が相次いでいる実態は否定されなかった。国の使途が一方的に拡大し、市民には浸透しない同ネットの現状が問われている。

 ●絶えぬ情報流出・悪用

 今年3月、北海道斜里町の町職員の私有パソコンから、住基ネット端末の接続パスワードなどがファイル交換ソフト「ウィニー」を通じてネットに流出した。昨年4~12月、北海道帯広市の嘱託職員が、住民基本台帳の情報が入ったパソコンを業務以外で閲覧した。

 名古屋高裁金沢支部判決は、これらの例を取り上げたうえで、「末端での例外的な事例で、制度的欠陥を示すものでなく、(住基ネットに)具体的な危険性があるとはいえない」と判断した。

 一方、11月の大阪高裁判決は、防衛庁が自衛官募集に利用するため、一部自治体から同ネットに登録された本人確認情報以外の「健康状態」「職業」などの情報も受け取る取り決めをしていた例を挙げた。金沢支部判決とは逆に「住基ネットが際限なく悪用される危険性が具体的に存在することをうかがわせる」と、ネット自体の欠陥を指摘した。

 いずれの判決も、同ネットを巡るトラブルが全国で相次いでいることを認めているが、個々の事例の危険性をどう評価するか判断が分かれた。

 今年10月、兵庫県三田市に住む女性になりすました別の女が、女性の住所を勝手に大阪市に移して同市から住基カードを取得。カードで女性名義の銀行口座が解約され、現金約55万円が引き出された。

 総務省によれば、住基カードが発行された03年8月の翌年の04年末時点で、窓口で転入・転出届が出される際に、運転免許や旅券など写真付きの証明書で身分確認をしていない市区町村が全国で約70%に上っていた。事態を重くみた同省は05年2月、写真付き証明書を提示させるよう指示した。だが、高齢者や女性は写真付きを持っていない人が多く、預金通帳や社員証などでの代用を認めている。

 三田市では写真がない証明書の場合、2点以上の書類で本人確認をしているが、女は診察券とクレジットカードでくぐり抜けた。「裏をかかれたら見抜くのは難しい」と同市担当者は困惑する。

 05年3月の大阪府大東市のケースでは、同市内の男性が、預金通帳2通を親族によって身分確認として使われ、だまし取られた住基カードで消費者金融から現金を引き出された。

 カード1枚で他人になりすますこともできるネット社会。被害は後を絶たない。

 ●カード取得、全国で0.7%

 住基ネットは国の事務の効率化と市民の利便性を目的に導入され、03年8月から住基カードの交付が始まった。「身分証に使える」「全国どこでも住民票が取得できる」などが総務省のうたい文句だった。年間運用費140億~180億円、初期費用として391億円がかかっている。

 一方、経産省所管の財団法人「社会経済生産性本部」の専門委員会は今年5月、住基ネットの効用をまとめ、「国民・行政に『年間183億円』のベネフィット(利益)」として発表している。

 住民票の写しの省略、転入通知のオンライン化、住民票の広域交付などで行政手続きが簡素化され、市民・行政双方の削減効果は年間で計183億円、節約できる時間は211万時間になるという試算だ。

 利用が順調に拡大すれば、数年後には917億円になり、うち643億円を市民に還元できるという。「現在でも運用費はほぼまかなえている」と専門委は強気の数字を並べている。

 しかし、住基カードを取得する人数は伸び悩んでいる。06年3月現在の発行枚数は91万枚と全国民の0.7%に過ぎない。

 当初、住基カードの初年度所有率を1%程度、その後毎年2%ずつ増えると予想していた長野県は03年12月の本人確認情報保護審議会で、初年度0.3%、その後の伸びも年0.3%に下方修正する再試算を示した。政府の試算通りに利用が拡大するかどうかは未知数だ。

 ●事務拡大、想定の3倍

 ネットに登録された個人情報を使える事務の数は拡大している。国や自治体がどんな事務で使えるかは住民基本台帳法(住基法)で定められている。住基法が改正され、住基ネットの導入が決まった99年、想定していた事務数は約90だった。今年5月現在では293にまで増えた。

 今年10月からは、社会保険庁が同ネットを年金支給者の「現況確認」に使い始めた。これまでは年約2600万件のはがきを送り、受給者に送り返してもらうことで確認していたが、同ネットを活用することで、戸籍や住民票が抹消された直後に市区町村を通じて把握でき、時間差による漏れがなくなる。受給者の方もはがきを送り返す手間が省かれる。

 一方、中止に追い込まれた例もある。今年10月末、外務省が導入していた旅券のオンライン申請のシステムがストップした。住基カードがあれば自宅で申請が可能とのふれこみで、04年3月から運用が始まり、約40億円が使われた。しかし、カード読み取り機などの購入が必要だったため、05年度末の申請件数は延べ133件にとどまった。1件あたり1千万円以上かかった計算になり、財務省から「無駄遣い」と指摘された。

 大阪高裁判決は、行政機関が扱える事務が増えるほど、個人の様々な情報を住民票コードに合わせて集積する「データマッチング」の危険性が高まると指摘した。

 名古屋高裁金沢支部判決はこの点について、住基法などが個人情報の目的外利用や不正目的での収集を禁じているとして、データマッチングの具体的危険性はないとの判断を示した。

 住基ネットは本当に安全なのか。判断は最高裁に委ねられた。

 〈住民基本台帳ネットワーク〉 住民に11けたの住民票コードを付け、氏名・生年月日・性別・住所とこれらの更新履歴情報を国や全国すべての自治体で取り出せるようネットワークでつないだシステム。住民票の写しが全国どの自治体でも取れるなどの「住民サービスの向上」と「行政事務の効率化」が主な目的で、02年8月から稼働している。
URL:http://www.asahi.com/national/update/1211/OSK200612110098.html

1211 「住基ネット」個人離脱、名古屋高裁金沢支部は認めず [読売]

 住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)はプライバシー権を侵害し違憲だとして、石川県の住民28人が県、住基ネットを管理する「地方自治情報センター」を相手取り、個人情報の削除などを求めた訴訟の控訴審判決が11日、名古屋高裁金沢支部であった。

 長門栄吉裁判長は「個人情報保護のための様々な対策が取られており、原告のプライバシー権を侵害する危険性はなく、憲法13条に違反しない」として個人情報の削除を全国で初めて命じた1審・金沢地裁判決を取り消し、原告の請求を棄却する逆転敗訴判決を言い渡した。原告側は上告する方針。

 同様の主な訴訟の判決は過去12件あるが、原告勝訴は、昨年5月の金沢地裁判決と、11月30日の大阪高裁のみ。高裁2例目となる今回は、大阪高裁と判断が分かれた。

 長門裁判長は「住基ネットは、住民サービスの向上や行政事務の効率化を可能にし、一部の住民の離脱はシステムに重大な支障を来す」と指摘。個人情報保護については「制度、技術、運用面で対策が講じられ、一部で起きた情報流出や目的外の閲覧は、末端のごく例外的な事例で制度の欠陥を示すものではない」とした。

(2006年12月11日13時43分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20061211it02.htm

1207 住基ネット:箕面市が上告断念 大阪高裁判決確定へ [毎日]

 住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)は制度上の欠陥からプライバシー権を侵害し憲法違反だとして、大阪府守口、吹田、箕面の3市に住民計4人の住民票コードを削除するよう命じた大阪高裁の控訴審判決について、箕面市の藤沢純一市長は7日、上告の断念を決め、市議会に報告した。住基ネットを巡る訴訟で、個人の離脱を認める判決が全国で初めて確定する見通しとなった。同市は今後、原告の市民1人の情報を削除する。守口、吹田両市は既に上告を決めている。

 藤沢市長はこの日午前の市議会本会議で「住基ネット導入時に93件だった適用対象事務は275件に拡大しており、『安易な利用拡大は行わない』という付帯条件が守られていると言い難い。自分の知らないところで自己情報がやりとりされることに不安を感じる心情は十分に理解できる」と説明。「判決を重く受け止め、人権を守る立場の自治体の長として、判決を確定させることを決めた」と理由を述べた。

 上告の断念について議会の同意は不要だが、情報の削除には数百万円の費用がかかるとみられ、議員からは反対意見が相次いだ。

 先月30日の判決で、同高裁は、住基ネット制度には個人情報保護対策の点で無視できない欠陥があるなどと判断。「同意しない住民に対する運用はプライバシー権(自己情報コントロール権)を著しく侵害し、憲法13条に違反する」と結論付けた。

 藤沢市長は市議を2期務めた後、00年の市長選で落選。04年8月の市長選で、住基ネットへの選択的接続などを公約して当選した。就任直後から議会と対立し、助役、収入役は選任議案を否決され不在のまま。今年3月には議会が市長への辞職勧告決議を可決している。【沢木政輝】

毎日新聞 2006年12月7日 11時49分 (最終更新時間 12月7日 13時02分)
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/20061207k0000e040050000c.html

1130 大阪高裁、住基ネット離脱を容認「情報保護に欠陥」 [読売]

 住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)はプライバシー権を侵害し違憲だとして、大阪府箕面(みのお)市など府内5市の住民16人が、住民票コードの削除や損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決が30日、大阪高裁であった。

 竹中省吾裁判長は「住基ネット制度は、個人情報保護対策の点で無視できない欠陥があり、プライバシー権を侵害している」と述べ、住民側の請求を棄却した1審・大阪地裁判決を変更、箕面、吹田、守口の3市に、住民4人のコードを削除し、住基ネットからの離脱を認める判決を言い渡した。

 住基ネットからの「個人離脱」は昨年5月、金沢地裁が初めて認定。高裁レベルでは初めて。

 判決はまず、「住基ネットが、情報漏えいや目的外利用によって、本人が情報の提供や利用の可否を決める自己情報コントロール権(プライバシー権の一つ)を侵害される具体的な危険があれば、憲法13条に反する」との基準を示した。

 竹中裁判長は「住基ネットは厳重なセキュリティー対策が講じられ、情報漏えいの危険性はない」と評価。一方で、行政機関が保有する本人確認情報を利用できる国の事務が拡大され、行政機関自ら法律や条例で将来、無制限に拡大できる点を指摘した。

 さらに、防衛庁が自衛官の適齢者情報を収集した自治体のうち、3分の1以上が住民基本台帳法で閲覧が認められていない情報を提供していた実例も挙げ、「個人情報が際限なく、目的外利用される危険性が具体的に存在することをうかがわせる」と認定した。

 これらの点から、竹中裁判長は「集積された個人情報が、住民票コードによる検索でデータ照合や名寄せが行われ、本人の予期しない時に予期しない範囲で行政機関に保存・利用される危険がある」とした。

 そのうえで「目的外利用を監視する第三者機関はなく、住基ネットの運用は、自己情報コントロール権を著しく侵害するものと言わざるを得ない」と結論付けた。

 原告のうち残り12人は慰謝料だけを請求しており、「各市長は住基ネットが違法とは認識しておらず、賠償責任はない」とした。

(2006年11月30日22時22分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20061130i411.htm

1021 共謀罪めぐり法務省、外務省、日弁連がネット上で論戦 [朝日]

2006年10月21日11時19分
 共謀罪を創設する法案をめぐって臨時国会のさなか、法務省、外務省と日本弁護士連合会がインターネット上で論戦を繰り広げている。22日の衆院補選の結果次第では来週にも衆院法務委員会での審議入りをめざす動きが水面下で活発化するなか、ホームページ(HP)で世論の批判を打ち消そうとする両省に対し、日弁連は全面対決の姿勢をあらわにしている。

 「自民は選挙後、一気に審議入りしようとしているのではないか。外務省や法務省の必死さはHPからも明らかだ」

 18日の共謀罪反対の市民集会。日弁連幹部が法案への危機感をあおった。20日の委員会の一般質疑では、野党委員と外務省の間でHPの応酬そのままのやり取りがあった。

 発端は、日弁連が9月末、HPに掲載した「意見書」。「国際組織犯罪防止条約の批准には、共謀罪創設の必要はない」とする「そもそも論」を展開。米国が条約の国内法への適用を一部除外する「留保」をして批准したと指摘。条約起草時に政府が「共謀罪は日本の法体系になじまない」としていたと追及した。

 ■法務省

 法務省の反応は早かった。今月6日にHPに反論文を公表した。16日には項目を増やし5種類の文書を掲載。強調する部分を黄色く塗るなど、見た目にも神経を使う。

 日弁連の指摘に対し、条約起草段階での提案は「各国に受け入れられなかった」と説明。「我が国の法的原則と相いれないとの見解を示したのは当時の案文を前提としたもの。組織集団が関与する重大犯罪に限った現在の共謀罪は、我が国の刑事法の基本原則に反しない」と反論した。

 ■外務省

 「日本が可能な限り早期に締約国となることは、国際社会に極めて重要と信じます」

 外務省のHPには11日、国連薬物犯罪事務所のコスタ事務局長から麻生外相にあてた書簡の英文と全訳が掲載された。

 同省は「早期の条約締結が我が国の責務」と主張。米国の留保は「連邦と州の間の権限関係の整合性を持たせるためで、条約の趣旨には反さない」と説明している。

 ■日弁連

 これに対し、日弁連は17日、計13ページに及ぶ長大な反論文をアップ。

 外務省に対しては、米国について「我が国でも留保によって範囲を限定することができることを示す先例だ」とした。法務省の釈明には「公式協議の記録にはそんな記録はない」。審議過程が一部黒塗りで情報公開されたことを非難し、「協議経過を明らかにしないままでは説明が正確か検証できない」としている。
URL:http://www.asahi.com/national/update/1021/TKY200610210145.html

0922 石原都知事が控訴方針…国旗・国歌通達の違憲判断 [読売]

 入学式や卒業式で教職員に国旗に向かって起立し、国歌斉唱するよう義務づけた東京都教育委員会の通達を違憲とした21日の東京地裁判決について、石原慎太郎都知事は22日の記者会見で「控訴しますよ。方針は変わらない」と述べ、控訴審で都側の主張を訴えていくことを明言した。

 石原知事は「式典で国旗・国歌に敬意を払う行為は(学校に)規律を取り戻すための統一行動の一つ。裁判官は実態を見ていない」と反論。通達は文部科学省の学習指導要領などに基づく適法なものだとして、「義務を怠った教師が懲戒処分を受けるのは当たり前」と述べ、正当性を強調した。

 一方、小坂文科相は、この日の閣議後会見で「これまでの判決と照らして予想外で、都教委の主張が認められなかったことは驚き」と話し、都の対応を見守る考えを示した。

         ◇

 都教委は22日、この問題で緊急の都立学校校長会を開き、従来の方針に変更がないことなどを伝えた。副校長などの代理を認めず、島部などの学校を除き251人の校長が出席した。

 出席者からは「今後どのようにして裁判を争うのか」「職務命令はどのように考えたらよいのか」といった質問が出され、都教委側は「態勢を強化して臨む」「判決で行政行為が阻まれるわけではない」などと回答。今後も、通達に従って対応するよう求めた。

 校長の1人は会合後、「職員に理解してもらうのは難しい面がある。矢面に立つのは私たちだ」と厳しい表情で話していた。

(2006年9月22日20時50分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060922it13.htm

0921 式での起立・斉唱定めた都教委通達は「違憲」 東京地裁 [朝日]

2006年09月21日21時30分
 入学式や卒業式で日の丸に向かっての起立や君が代の斉唱を強要するのは不当だとして、東京都立の高校や養護学校などの教職員が都教委などを相手に、起立や斉唱義務がないことの確認などを求めた訴訟の判決が21日、東京地裁であった。難波孝一裁判長は、違反者を処分するとした都教委の通達や職務命令は「少数者の思想・良心の自由を侵害する」として違憲・違法と判断。起立、斉唱義務がないことを確認し、違反者の処分を禁止した。さらに、401人の原告全員に1人3万円の慰謝料を支払うよう都に命じた。都側は控訴する方針。

 教育現場での国旗掲揚や国歌斉唱を巡り、憲法19条が保障する思想・良心の自由の侵害を明確に認めた判決は初めて。同種の訴訟では、処分を争う教諭側が敗訴する例が相次いでいた。

 判決は、都教委の通達などは各校長の裁量を許さない強制的なもので、教育基本法が禁じた「不当な支配」にあたるとし、都教委の指導を全面否定する内容となった。

 問題の通達は03年10月に各校長あてに出された。教職員が国旗に向かって起立し、国歌を斉唱するよう定め、違反すれば、停職を含む懲戒処分の対象とした。

 今回の裁判の特徴は、職務命令や処分が出る前に、起立や斉唱などの義務自体がないことの確認を求めた点だ。都教委は「具体的な権利侵害がない」と門前払いを求めたが、判決は「回復しがたい重大な損害を被る恐れがある」として、訴えは適法と判断した。

 難波裁判長は、日の丸や君が代が皇国思想や軍国主義思想の精神的支柱として用いられてきた経緯に言及。式典での掲揚や斉唱に反対する主義・主張を持つ人の思想・良心の自由も憲法上保護に値する権利だと述べた。

 通達について「教育の自主性を侵害し、一方的な理論や観念を生徒に教え込むことに等しい」と指摘。国旗掲揚の方法まで指示するなど「必要で合理的な大綱的な基準を逸脱した」として、校長への「不当な支配」にあたるとした。

 その上で、起立や斉唱の強要は思想・良心の自由を保障する憲法19条に違反すると判断。国旗・国歌は自然に定着させるのが国旗・国歌法の趣旨であることにも照らし、教職員への職務命令は違法とした。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0921/TKY200609210287.html

0908 日中関係の論文、「反日」批判で閲覧停止 国際問題研 [朝日]

2006年09月08日10時08分
 外務省認可の財団法人日本国際問題研究所が、ホームページの掲載論文を産経新聞のコラム欄で「公的な反日論文」と批判され、これを閲覧停止にして理事長の佐藤行雄・元国連大使が同紙上で反省を表明したことが問題化している。研究所や外務省内にも「過剰反応」と異論があり、米紙は「言論封殺」とする寄稿を掲載。佐藤氏は朝日新聞の取材に「『靖国カルト』など不適切な言葉遣いがあった。内容ではなく表現の問題だ。もう一度よく精査している」と語った。

 批判の対象となったのは、研究所の英文編集長による「日本はいかに中国を想像し、自国を見ているか」と題した英語論文。日中関係悪化の背景として日本国内の「タカ派ナショナリズム」の高まりを指摘したうえで、小泉首相や過去の首相の靖国神社参拝を「靖国カルト」(崇拝)と表現し、「日本の政治的見解は海外で理解されない」などとしている。

 この論文を産経新聞記者が8月12日付朝刊のコラム欄で「中国などの日本攻撃をそのまま正しいかのように位置づける論旨」と批判。「現在の日本の外交や安保の根本を否定するような極端な意見の持ち主に日本の対外発信を任せる理由はなんなのか」と問い、佐藤氏への公開質問状とした。

 研究所によると、産経記事の掲載直後から批判や問い合わせが相次いだため、この論文を含むシリーズの閲覧を停止した。さらに佐藤氏が産経新聞に対し「公益法人としての当研究所の立場にふさわしくない表現や、日本の立場や実情に誤解を招く用語などがあったのは指摘通りで、責任者として深く反省する」と回答を寄せ、18日付の同紙朝刊に掲載された。

 研究所は外務省から補助金を受けるシンクタンクだが「活動自体は独立している」との立場。研究所関係者からは「正しい対応とは思えず、納得できない」との声が出ており、外務省にも「研究機関だから様々な意見があっていい。論文を閲覧できなくしたり佐藤氏が謝ったりするのは過剰反応だ」(幹部)と批判がある。

 米紙ワシントン・ポスト(電子版)は8月27日付で、自民党の加藤紘一元幹事長宅の放火事件とともに「ナショナリズムの高まりに後押しされ、思想統制が本流になりつつある」とする社外筆者の記事を掲載した。

 佐藤氏は「内部で事前に精査できなかったのが原因で、そこは責任を感じている。外部の識者による編集委員会を立ち上げ、論文精査の態勢を整えて掲載を再開したい」と話している。

     ◇

 論文「日本はいかに中国を想像し、自国を見ているか」の要旨は次の通り。

 中国と日本の外交関係は70年代以降最悪の状態だ。だが日本国内では自国が国家主義的、軍国主義的、タカ派的に見られているとの認識は薄い。

 「普通の国」の追求がタカ派的ナショナリズムに勢いを与えているのは明らかだ。日中関係の問題は、中国やアジア諸国を日本と同等の国としてみなせなかった歴史に根がある。小泉首相が毎年の靖国参拝にこだわったことは物議を醸した。過去にも靖国カルト(崇拝)を復活させようとした国家主義的な首相はいたが、中韓の反発ですぐに撤回した。

 「普通の国」提唱者やタカ派的国家主義者は、靖国カルトを復活することで歴史を取り戻そうとしている。中国にとっては過去の戦争に対する罪の認識と後悔の念が欠けているように見える。

 靖国問題が外交的に騒がしい場所である以上、日本の政治的見解が海外で理解されることはないだろう。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0908/006.html

0828 首相、暴力での言論封殺を批判 加藤氏の事件で初言及 [朝日]

2006年08月28日11時41分
 小泉首相は28日朝、首相の靖国神社参拝を批判した加藤紘一元自民党幹事長の実家が右翼団体幹部に放火された疑いが強まっていることに関し、「暴力で言論を封ずるのは決して許されることではない。こういう点については厳に我々も注意しなければならない。戒めていかなければならない問題だ」と語った。15日に起きた事件について首相が言及したのは初めてで、首相公邸前で記者団の質問に答えた。

 安倍官房長官も28日の記者会見で「仮に加藤議員の言論を弾圧し、あるいは影響を与えるような行為であるとすれば許されない。そういうことに言論がねじまげられてはならない」と語った。

 首相は事件について「言論は暴力で封殺してはならない。これは大いに、国民に分かるように、様々な分野で周知していかなければならない。言論の自由がいかに大切かがよく分かるように、注意していかなければならない」とも述べた。

 一方で首相は、記者団が「首相の靖国参拝がナショナリズムをあおっているとは考えないか」と質問したのに対し、「全くそれはない」と強調。「あおりたがる勢力があるのは事実ですね。マスコミなども、なぜこれだけ常に靖国問題を取り上げるのか、よく考えた方がいい。よその国からあおり立てられ、また、よその国をあおり立てるような報道は戒められたらよろしいのではないか」とメディアを批判した。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0828/002.html

0828 政党ビラ配布は住居侵入に非ず、58歳僧侶に無罪判決 [読売]

 共産党のビラを配るため東京都葛飾区内のマンションに立ち入ったとして、住居侵入の罪に問われた同区の僧侶、荒川庸生被告(58)の判決が28日、東京地裁であった。

 大島隆明裁判長は、「マンションへの立ち入り行為に正当な理由がないとはいえず、違法な行為とは認められない」と述べ、荒川被告に無罪(求刑・罰金10万円)を言い渡した。

 判決によると、荒川被告は2004年12月、7階建て分譲マンションに立ち入り、各階を回って、共産党の「都議会報告」や「区議団だより」などのビラをドアポストに入れた。マンションはオートロック式ではなかった。

 判決はまず、マンションへの立ち入り行為が住居侵入罪にあたるかどうかについては、「目的や状況が社会通念上、容認できない行為かどうかによって判断すべきだ」と述べた。

 その上で、〈1〉配布物の内容が犯罪行為を助長するようなものではない〈2〉立ち入った時間帯は昼間で、滞在時間も7~8分だった〈3〉部外者の立ち入り禁止などの張り紙があったが、明確な意思が来訪者に伝わるような表示ではなかった――ことに加え、同マンションで宅配メニューなどのビラがドアポストに投函(とうかん)されていた点なども指摘。

 「最近のプライバシー意識や防犯意識の高まりを考慮しても、ドアポストにビラを配布する目的で、昼間に短時間立ち入ることも許されない、との社会通念が確立しているとはいえない」と述べ、無罪と結論づけた。

 荒川被告はビラ配布中にマンション住民から110番通報された後、警視庁亀有署員に引き渡され、23日間にわたって拘置された。

 東京地検は05年1月、「不審者には無断で入ってほしくないとの住民感情が強い」などとして起訴した。

 同様の事件では、東京都立川市の防衛庁官舎で自衛隊のイラク派遣反対のビラを投函した市民団体のメンバー3人に対し、東京高裁が昨年12月、逆転有罪を言い渡している。

(2006年8月28日13時46分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060828i204.htm

0818 政治家へのテロ憂える声 加藤氏の実家全焼事件 [朝日]

2006年08月18日22時18分
 山形県で加藤紘一・自民党元幹事長の実家と事務所が全焼した事件で、右翼団体幹部による放火の疑いが強まっていることから、政治家へのテロと見て懸念する声が政界で上がっている。ただ、小泉首相をはじめ夏休み中の国会議員が多いこともあり、政府・与党の反応は総じて鈍い。

 「危険な日本になりつつある」「日本は大政翼賛的になっている。右傾化の流れはよくない」。18日、加藤氏や山崎拓・自民党前副総裁、船田元・党憲法調査会長、中谷元・元防衛庁長官らが開いたアジア外交をめぐる会合では、出席者から事件を憂える声が相次いだ。

 17日には自民党の逢沢一郎幹事長代理が記者団に「靖国神社やアジア外交のあり方についての加藤氏の発言に対する悪意を持った行為なら、断固容認できない。そのことは党として改めて確認しなくてはならない」と強調している。

 18日の会合では「首相が事件について何も発言しないのはおかしい」という意見も出た。首相と安倍官房長官は事件のあった15日午後から夏休みで、事件に関するコメントの発表はなく、記者会見も行われていない。

 民主党の小沢代表は18日、岩手県での記者会見で事件について「社会的に嫌な雰囲気を感じる。日本の社会的風潮がこういう行為を助長するようなら、非常に危険で遺憾に思う」と語った。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0818/006.html

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