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●日中関係 へ続く


0331 「首相参拝やめれば会談」 中国主席、関係改善には意欲 [朝日]

2006年03月31日22時38分
 中国の胡錦涛(フー・チンタオ)国家主席は31日、北京の人民大会堂で橋本龍太郎元首相を団長とする日中友好7団体の代表団と約1時間半にわたり会談した。胡主席は日中関係の改善に強い意欲を示す一方、昨年4月以来開かれていない首脳会談について「日本の指導者がA級戦犯をまつる靖国神社をこれ以上参拝しなければ、いつでも開く用意がある」と述べた。ポスト小泉政権での対日外交も、日本の首相が靖国に参拝するかどうかを基準の一つとする考えを表明した。

 胡主席は会談で「中日友好の発展は両国の利益とアジアの平和に結びつく」と関係改善の必要性を強調。「現在の中国は発展途上国で、経済的に拡大主義をとる状態ではない。他国を武力で威嚇する意思はない。中国が一層前進できるよう、力を貸してほしい」と日本の協力を要請した。

 一方で、関係が冷え込んだ原因を「日本の少数の指導者がA級戦犯をまつる靖国神社に参拝を繰り返すからだ」と述べ、名指しは避けつつも小泉首相の参拝を改めて批判。「政府の代表者が行くのは政府の意思を表していると考える。指導者個人の気持ちは分かるが、被害国の国民の気持ちも尊重してほしい」と求めた。

 これに対し橋本氏は「多くの日本人の心の中にある靖国神社は身近な人の姿ではないか」と反論した。その上で「胡主席の話は日本に対する一つのメッセージと受け止める。率直なご意見に感謝する」と述べた。

 今回の訪問は民間交流を重視する中国側の招きによるもので、日中友好7団体の代表が同時に訪中するのは初めて。中国政府は当初、厳しさを増した日本国内の対中感情を和らげるため、今回の会談では胡主席が靖国参拝やA級戦犯には直接言及しない方向で検討。発言の原案には盛られていなかった。

 だが、小泉首相が27日の記者会見で「中国、韓国の政府による批判も、私の参拝を理由に首脳会談を行わないことも理解できない」と改めて強調したことなどから、従来と同様、靖国問題を直接批判する方針に転換。当初予定していた記録に残る「重要講話」でなく、胡主席が口頭で示す形になった。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0331/017.html

0331 外務省、上海総領事館員の遺書報道で調査委設置

 2004年5月に自殺した上海総領事館員(当時46歳)の遺書の全容を読売新聞が報じたことについて、外務省は31日、省内に秘密保全調査委員会(委員長・谷内正太郎次官)を設置した。

 関係者の事情聴取など行い、遺書が外部に流出した経緯などについて調査するとしている。

 同委員会は、谷内次官や塩尻孝二郎官房長、尾崎道明監察査察官らで構成。省内で遺書が渡った可能性のある職員全員について調査する方針だ。

 現地の上海総領事館での調査も検討している。外務省が秘密保全に関して、調査委員会を設置するのは初めて。

 外務省首脳は「極秘扱いの文書が表に出るということは、ゆゆしきことだ」としている。

(2006年3月31日20時13分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060331i112.htm

0331 上海総領事館事件、中国が改めて関与否定 [読売]

 【北京=吉田健一】中国外務省の秦剛・副報道局長は31日、2004年5月に自殺した在上海日本総領事館員の遺書の全容が判明し、日本政府から、機密情報提供を強要した中国への批判が出ていることについて、「我々の調査では、中国政府当局者による自殺者(館員)に対する、いわゆる脅迫は存在しない。中国は自殺者が生前どのような人物と接触したかは掌握していない」と述べ、中国側の関与を改めて否定した。

 秦副局長は「中国側が『領事関係に関するウィーン条約』に違反したとする主張には全く根拠がない。日本政府高官のいわれない非難に憤慨している」と批判した。
(2006年3月31日19時31分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060331i212.htm

0331 領事館員の自殺原因、安倍長官「中国側の非情な脅迫」 [朝日]

2006年03月31日11時25分
 中国・上海の日本総領事館で04年5月、外務省との通信を担当する男性館員が中国公安当局から機密情報を求められ自殺したとされる問題をめぐり、安倍官房長官は31日の記者会見で、男性館員の自殺原因について「中国側公安当局関係者による非情な脅迫、恫喝(どうかつ)ないし、それに類する行為があったと判断される」と改めて強調した。

 男性館員の自殺問題では31日、男性が当時の上海総領事にあてた遺書とされる文書が一部で報道された。安倍氏は遺書について「脅迫等の行為があったとの趣旨が明記されている」と述べ、今後とも日本政府として、中国側に抗議をしていく考えを強調した。

 政府はこれまで男性の自殺原因について、中国側による「(領事官の身体、自由、尊厳の侵害を防ぐことを定めた)ウィーン条約上の接受国の義務に反する遺憾な行為」と説明してきた。脅迫行為などが遺書にも記述されていたことを、公式に認めたのは初めて。

 これに関連して小泉首相は同日、首相官邸で記者団に「日本としては抗議している。こういう問題を起こさないように日本側は注意しないと(いけない)」と語った。

 一方、麻生外相も31日の記者会見で「公安当局による恫喝」があったとの認識を示したうえで、「厳重に抗議すると同時に、(情報提供の)誘いは常にあるので、それがあればすぐに上司に報告する方が、後々問題を拡大させたり、深みに入らせないために大事なことだ」と述べ、対策を徹底する考えを強調した。

 政府関係者によると、男性館員の遺書には、自殺に至るまでの経緯が詳しくつづられていた。同僚らの証言も合わせ、男性館員が女性問題を材料に、中国公安当局関係者から外交上の機密情報を求められていたのは間違いない、とみている。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0331/009.html

0330 中国:尖閣諸島領有問題で批判控えめ 改善へ刺激避ける [毎日]

 【北京・飯田和郎】中国外務省の秦剛・報道局副局長は30日、文部科学省が来春からの高校教科書の検定で尖閣諸島(中国名・釣魚島)を日本領土と明確に記すよう指示したことについて「釣魚島と付属する島々は古来、中国領であり、反ばくできない法的根拠がある」と述べる一方、日本政府への抗議などは明らかにせず、批判は従来に比べて批判的だった。

 胡錦濤国家主席は31日、橋本龍太郎元首相らと会談し、日中関係改善に向けた「重要談話」を発表することになっており、日本側への刺激を避けたとみられる。

毎日新聞 2006年3月30日 19時47分 (最終更新時間 3月30日 20時42分)
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060331k0000m030077000c.html

0330 日中関係、8割が「改善すべき」 外務省の意識調査 [朝日]

2006年03月30日12時43分
 外務省が実施した日中関係に関する意識調査で、今の日中関係について「良好だと思わない」と回答した人が66.7%にのぼる一方、「良好だと思う」と答えた人は6.9%だった。日中関係を改善すべきだとの回答も77.9%で、小泉首相の靖国神社参拝などで冷え込んだ日中関係を色濃く反映した結果となった。

 調査は2月10~13日、20歳以上の男女200人を対象に行った。有効回収率は65.7%。

 日中関係の具体的な問題として、靖国参拝など歴史認識をめぐる過去の問題を挙げたのが58.9%。両国の国民間の相互理解不足(32.1%)や、国連改革など国際政治における政策の不一致(30.2%)などが続いた。

 両国の相互理解について「日本も中国もお互いに理解していない」との回答が62.4%で最も多い。ただ、今後20年間の日中関係が好転すると答えた人は46.5%と、悪化する(10.7%)を大きく上回った。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0330/005.html

0328 「歴史を基礎にするな」中国政府系元所長が対日転換論 [読売]

 【北京=藤野彰】中国が歴史問題で対日圧力を強める中、政府系研究機関・中国社会科学院の元日本研究所長で国際問題専門家の何方氏が、「歴史問題を日中関係の基礎にしてはならない」との見解を、中国の専門誌「社会科学論壇」(3月上期号)に発表した。

 何氏は歴史偏重の対日政策を批判し、事実上、歴史カードの放棄を主張。中国で「対日新思考」が封殺されて以降、対日政策の大胆な転換を訴える意見が公開されるのは極めて異例で、論議を呼びそうだ。

 何氏は外務省弁公庁副主任、国務院国際問題研究センター副総幹事も務めた元政府幹部。同誌に掲載した自らのインタビュー記事の中で持論を表明した。

 何氏は「歴史問題を国家関係の基礎とするのは非現実的で不適当。歴史に決着をつけようとすれば、どんな国家と隣国の関係も大国同士の関係もうまくいかない」と指摘した。

 さらに、「日中関係の基礎を歴史問題での共通認識に置いても、実現は難しいだろう。歴史の決着を最優先すれば、両国関係は絶え間ない悪循環に陥る。それはわが国の戦略的利益にかなうのか」と疑問を呈し、歴史カードを切り続けることは中国の国益を損なうとの見方を示した。

(2006年3月28日3時8分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060328id01.htm

0326 中国、靖国参拝を批判 「ポスト小泉」谷垣氏に直言 [朝日]

2006年03月26日00時18分
 日本と中国の財務当局幹部が一堂に会する初の「日中財務対話」が25日、北京で開かれ、中国の金人慶(チン・レンチン)財務相は谷垣財務相に対し「日本の指導者が数次にわたり靖国神社を参拝していることは日中関係を難しくしている」と述べ、小泉首相を批判した。谷垣氏は「双方の指導者が日中は欠くことができない関係であると認識してやっていくことが重要だ」と答えた。

 小泉首相が昨秋、靖国神社を参拝したあと、「ポスト小泉」候補の有力閣僚による訪中は谷垣氏が初めて。中国の要人がポスト小泉候補に直接、靖国問題を批判したのも初めてで、次期政権に向けてこの問題を牽制(けんせい)する狙いがありそうだ。

 金氏は「対中円借款の年度内決定の延期は遺憾」とも述べた。谷垣氏は「日中は歴史的にも長く深く幅広い関係がある。ぎくしゃくすることは必ず起きるが、どうやって乗り越えていくかが大切だ」と強調した。

 谷垣氏はさらに同日夜の記者団との懇談で「自信がないときに悪口を言われると腹が立つ。自信を持ったおおらかなナショナリズムが必要だ」と語り、日中両国で排他的な世論が高まりつつある現状に懸念を表した。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0325/007.html

0325 自民政調会長、日中首脳会談の必要性を強調 [朝日]

2006年03月25日18時42分
 自民党の中川秀直政調会長は25日、高松市での講演で日中関係について、「あらゆる問題を乗り越えて、お互いリスクをとって首脳会談をやった方がいい」と語り、中国側が拒んでいる小泉首相と胡錦涛(フー・チンタオ)国家主席との首脳会談をすべきだとの考えを重ねて示した。

 中川氏は「靖国神社参拝以外の問題や非政治領域の問題では大いに(対話を)拡大しようということがようやく中国側にも理解され、対日重視の変化が始まった。素晴らしい日中関係を築いていくことは十分可能だ。ポスト小泉も(関係改善のため)不断の努力をすることが大事だ」と語った。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0325/005.html

0323 中国側「靖国の解決を」 新日中友好21世紀委 [朝日]

2006年03月23日23時19分
 日中双方の有識者が両国関係の改善・発展について話し合い、その具体策を政府に提言する「新日中友好21世紀委員会」の第4回会合が23日、京都市内で始まった。中長期的な交流事業などを通じて冷え込んだ日中関係打開を探るのが目的。中国側は関係改善には、小泉首相の靖国神社参拝問題の解決が先決だとの認識を改めて示した。

 日本側座長の小林陽太郎・富士ゼロックス会長は基調報告で日中関係について「相手国への配慮に欠ける発言が飛び交い、相互の不信感をいたずらに刺激していることは大変遺憾だ」と改善を呼びかけた。

 一方、中国側座長の鄭必堅(チョン・ビーチエン)・改革開放フォーラム理事長は「日本の指導者が、A級戦犯が祀(まつ)られている靖国神社に参拝し続けることは中国市民の感情を著しく傷つける。(中国人の)記憶のトラウマに塩を塗りつける」と首相の靖国参拝を批判。「中国政府は中日友好の政策を断固として実行し、日本に歴史カードを切る意思はない。中日関係を改善するには、この問題から着手しないといけない」と強調した。

 会合では、基金を利用して青少年交流や日中関係史の研究を行うことを盛り込んだ「和解と協調のロードマップ(行程表)」が日本側から示された。

 同委は03年5月の小泉首相と中国の胡錦涛(フー・チンタオ)国家主席との日中首脳会談で発足に合意した。来年に提言をまとめる。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0323/017.html

0323 対中円借款:関係悪化で、閣議決定は当面見送り 05年度 [毎日]

 外務省は22日、05年度の対中円借款について、毎年度末に行っている閣議決定を当面見送る方針を固めた。小泉純一郎首相の靖国神社参拝をめぐる非難の応酬や東シナ海のガス田開発協議の難航などで日中関係が険悪化する中、中国に対する政府開発援助(ODA)を決定することは与党の理解を得られないと判断した。同省は23日午前の自民党外交関係合同部会で見送り方針を説明する。

 1980年度に始まった対中ODAは中国が放棄した戦争賠償請求の代償の意味合いを持ち、その大半を占めてきた円借款は00年度には2144億円に達した。近年は中国の経済発展を受け急減し、日中両政府は昨年3月、08年の北京五輪までに円借款の新規供与を終了することで合意。04年度は7案件計859億円を供与する交換公文を昨年3月29日に交わし、閣議決定している。

 外務省は05年度についても今月末に閣議決定する予定だったが、今月7日に北京で開かれたガス田協議で中国側が尖閣諸島周辺海域の共同開発を提案したことに自民党内から反発が噴出。当面の円借款決定を見送り、ガス田協議などでの中国側の対応を見極めながら検討することにした。


0323 中国軍事力に「不透明部分」 外交青書で初めて言及 [朝日]

2006年03月23日06時21分
 外務省の06年版「外交青書」の内容が22日、明らかになった。国防費が18年連続で2ケタ増を記録するなど軍備増強を続ける中国について「国防費の増額や軍事力の近代化において、なお不透明な部分がある」と指摘した。防衛庁の防衛白書は従来、中国国防費の透明性が十分でないと指摘してきたが、外交青書で言及するのは初めて。

 小泉首相の靖国神社参拝で中国が反発していることについては「個別分野の意見の相違が日中関係全体の発展の支障にならないように、真剣な対話を通じて解決するべきだ」とした。一方で、中国の経済発展は「日本の将来にとって『好機』を提供するもの」として歓迎。東シナ海のガス田開発についても「共同開発の可能性も視野に入れつつ、対話を通じた解決をめざす」と言及した。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0323/002.html

0319 首相、軍拡を懸念 中国念頭、防大卒業式で [共同]

 小泉純一郎首相は19日午前、防衛大学校(神奈川県横須賀市)の卒業式で訓示し、「近年、透明性を欠く軍備拡大を進めている国も見られ、そうした国々の意図も影響して、大量破壊兵器や弾道ミサイルなどに関する技術が無軌道に拡散する傾向が顕著だ」と指摘した。高い国防費の伸び率を維持している中国や、核開発問題で国際社会と対立する北朝鮮に懸念を示したとみられる。
 その上で、大量破壊兵器や国際テロ組織の活動の脅威に対応していく考えも表明。また、在日米軍再編の最終報告に関し「取りまとめに向けて全力を傾注している」と強調した。
URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=poli&NWID=2006031901006608

0317 「対北朝鮮貿易増加の説明求めた」麻生氏発言に中国反発 [朝日]

2006年03月17日07時38分

 中国外務省の秦剛(チン・カン)副報道局長は16日の定例会見で、麻生外相が15日の参院予算委員会で中国側に対北朝鮮貿易額の増加について説明を求めたと発言したことに対し、「そうしたやりとりは存在しない」と否定した。さらに「日本外交当局の最高責任者が最近、外交の常識に反する言論を繰り返していることは理解しがたい」と痛烈に批判した。

 北京の日本大使館によると、日本側は以前から北朝鮮の核問題や日本人拉致問題に絡み、北朝鮮の最大の援助国である中国に影響力の行使を働きかけてきた。しかし、日中関係者は「あくまで働きかけで、日本側が中国側に中朝貿易が拡大している理由の提示を求めたとはいえない」と話している。

 秦副報道局長は15日にも、麻生外相が13日付の米紙への寄稿で中国の民主化を求めたことに対し、「日本外交当局の責任者が中国政治体制にとやかく言うのは適当でない」と非難する談話を発表している。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0317/003.html

0314 中国の温家宝首相、小泉首相の靖国参拝を改めて批判 [朝日]

2006年03月14日13時26分
 中国の温家宝(ウェン・チアパオ)首相は14日、中国の国会にあたる全国人民代表大会(全人代)の閉幕後に記者会見し、小泉首相による靖国神社への参拝を改めて批判した。その上で、日中関係の改善に向けて「戦略対話の継続」や「民間交流の強化」「経済貿易関係の発展」の3項目の提案をした。

 温首相は現在の日中関係が「多くの困難に直面している」と指摘。「その原因は中国側にも、日本の人々の側にもない」と語り、「A級戦犯をまつった靖国神社への日本の指導者による度重なる参拝が中国やアジアの人々の感情を傷つけている」と語った。

 一方で、日中関係の改善にも意欲を見せ、(1)日中両政府高官による戦略対話を継続し、日中関係の障害をなくす(2)民間交流を強化し相互理解・信頼を増進する(3)経済・貿易関係を発展させ、ともに利益になる協力を拡大させる、と提案を示した。

 また、温首相は台湾問題についても言及。台湾の陳水扁(チェン・ショイピエン)総統が憲法改正の動きを見せていることを厳しく批判しつつ、「民進党」を含む台湾側との対話に意欲も見せた。
URL:http://www.asahi.com/international/update/0314/008.html

0314 小泉首相抜きで対日改善めざす姿勢鮮明 中国首相 [朝日]

2006年03月14日20時30分
 中国の温家宝(ウェン・チアパオ)首相は14日、日中関係が悪化した原因について「日本の人々にはない」と明言した。暗礁に乗り上げている両国関係の改善に向け、民間交流の拡大も提唱。靖国問題で溝が埋まらない小泉首相は除外し、いわば「首相抜き」で対日関係の改善を目指す姿勢を明確にした。

 ただし、「この(靖国)問題が解決されなければ(ポスト小泉政権でも)中日関係が順調に発展するのは難しい」ともクギを刺した。

 中国全土に生中継される記者会見で、中国政府首脳が日中関係の悪化に関連し、日本人にも責任がない、と言い切るのは異例のことだ。

 温首相は全国人民代表大会後の記者会見で、日中関係の悪化について「原因は中国にも日本の人々にもなく、日本の指導者にある」「A級戦犯をまつった靖国神社への日本の指導者による度重なる参拝が中国やアジアの人々の感情を傷つけている」と語った。

 日中関係をめぐる3項目の提案では、(1)外務次官級の戦略対話を継続して障害を取り除く(2)相互理解を進めるため民間交流を強化する(3)経済・貿易関係を発展させ、ともに利益を得る協力を拡大する――と提言。実務レベルや民間レベルの交流はむしろ拡大すべきだとの意向を示した。

 こうした発言の背景には「これまで対日関係の改善に向けたメッセージが日本側にうまく伝わっていなかった」(中国政府当局者)という意識があるとみられる。

 今後、中国を訪問中の緒方貞子・国際協力機構理事長や近く訪中する谷垣財務相らと中国政府要人との会談が予想されるが、そうした場で中国側がどういったメッセージを発信するかが注目される。また、胡錦涛(フー・チンタオ)国家主席は3月末に訪中する日中友好7団体に対し、今後の対日政策に影響を与える「重要講話」を発表するが、今回の首相発言を受け、日本国民に向けたアピールになるとの見方も強まっている。
URL:http://www.asahi.com/international/update/0314/015.html

0311 麻生外相の台湾発言、中国が日本大使館に抗議 [朝日]

2006年03月11日20時32分

 中国外務省は11日、麻生外相が9日の参院予算委員会で台湾について「民主主義がかなり成熟し、自由主義を信奉し、法治国家でもある」などと述べて、台湾を「国」と発言したことについて、「中国の内政と領土主権に対する粗暴な干渉だ」として、同日に北京の日本大使館当局者に抗議したことを明らかにした。

 同省は、外相発言に対し「驚愕(きょうがく)し、憤慨した」としたうえで、「外相の誤った発言が及ぼす悪い影響を排除し、両国関係に新たな問題を起こさないよう日本側に強く求める」とした。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0311/002.html

0310 ガス田の中国提案、尖閣諸島周囲の日本領海含まず [朝日]

2006年03月10日22時56分
 外務省幹部は10日、東シナ海のガス田開発をめぐる日中局長級協議で、中国側が新たに共同開発を提案した尖閣諸島(中国名・釣魚島)周辺の海域の中に、同諸島の周囲12カイリ(約22キロ)の日本の領海は含まれていないことを明らかにした。

 今月6、7両日に開かれた局長級協議で、中国側は東シナ海北部と南部2海域の共同開発を提案。中国側は協議の場で尖閣諸島が含まれるかどうかを明言しなかったため、日本政府がその解釈について分析。尖閣諸島周辺を含む海域であることが分かっていた。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0310/008.html

0310 駐日中国大使、呼び出し拒否翌日に次官と非公式会談 [読売]

 中国の李肇星外相が小泉首相の靖国神社参拝を「愚かで不道徳なことだ」と表現した問題で、谷内正太郎外務次官が同国の王毅・駐日大使に電話で抗議した翌9日、都内で非公式に王大使と会い、会談していたことが10日分かった。

 王大使は8日、「日程の都合」で会談に応じなかったため、谷内次官が「適切な表現を用いるべきだ」と電話で抗議していた。

 9日の非公式会談では、王大使が麻生外相が同日の衆院予算委員会で台湾を「法治国家」などと表現したことについて、「外相の発言は重い」などと抗議した。谷内次官も「それはお互い様だ」などと、李外相の発言を改めて批判。厳しいやりとりが交わされたという。

 一方、在日中国大使館は10日、王大使が8日の会談に応じなかったことについて、「当日、大使主催の重要な行事などを予定していたため、相談した結果、翌日会うことにした」とする談話を発表した。

(2006年3月10日23時8分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060310ia21.htm

0308 「外交儀礼上、不適切」安倍氏が中国外相発言に反発 [朝日]

2006年03月08日21時57分
 安倍官房長官は8日の記者会見で、中国の李肇星(リー・チャオシン)外相がドイツ政府当局者の発言として、小泉首相の靖国神社参拝を「愚かで不道徳なこと」と述べたことについて、「現職の外交当局トップの地位にある人物が、他国の指導者に対し『おろか』とか『不道徳』といった品格に欠ける表現を用いるのは外交儀礼上、不適切だ」と批判した。谷内正太郎外務事務次官も同日、中国の王毅(ワン・イー)駐日大使に電話で抗議した。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0308/009.html

0309 台湾は「法治国家」→「地域」と修正…麻生外相 [読売]

 麻生外相が9日の参院予算委員会で、政府が中国の一地域と位置づけている台湾を「国」や「国家」と呼び、直後に「地域」と言い換える場面があった。

 外相は2月の福岡市での講演でも、台湾を「今も極めて教育水準が高い国」と表現し、中国が反発していた。

 外相は予算委で自民党の岡田直樹氏の質問に答え、台湾について、「民主主義がかなり成熟し、自由主義経済を信奉し、法治国家でもある。いろんな意味で、日本とも価値観を共有している国だ」と述べた。その後、「日本政府は、(日中共同声明で)中華人民共和国が中国唯一の合法政府と承認している。何となく我々は台湾を『国』と言ってしまうが、『地域』が正確だ」と修正した。

 これについて、安倍官房長官は9日の記者会見で、「法律の支配という価値を表現する際に、『法治国家』という表現を使ったということではないか。台湾についての我が国の立場は日中共同声明にある通りで、何ら変わりない」と述べ、外相発言を問題視しない姿勢を示した。

(2006年3月9日19時25分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060309i311.htm

0309 ガス田共同開発案、中国は取り下げる考えなし [読売]
 【北京=末続哲也】中国外務省の秦剛・副報道局長は9日の定例会見で、東シナ海の天然ガス田開発問題で尖閣諸島(中国名・釣魚島)周辺海域の共同開発を中国側が提案したことについて、同島への中国の主権を改めて主張したうえで、「東シナ海の実情に適し、合理的で建設的だ」と述べた。

 また、「日本が真剣に検討するよう希望する」と語り、同案を取り下げる考えがないことを強調した。

 また、秦副局長は、日本が昨秋提案した日中中間線付近での共同開発案について、「日本の一方的な主張を出発点としており、受け入れられない」と述べ、明確に拒否した。

(2006年3月9日20時45分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060309ia21.htm

0309 「中国の外交姿勢象徴」共同開発提案に政府・与党反発 [読売]

 東シナ海の天然ガス田開発問題を巡る日中両政府の7日の第4回局長級協議で、日本の固有の領土である尖閣諸島周辺海域の共同開発を中国側が提案したことに対し、政府・与党内で反発が強まっている。

 安倍官房長官は8日の記者会見で、中国側の提案について「もう少し現実的な案を提案してもらいたい。私たちの提案をよく吟味してもらいたい」と不快感を示した。さらに、「当然、我々の権利として試掘はできる」と語り、今後の中国の対応次第では、日本も試掘に踏み切らざるを得ないとの考えを示した。

 麻生外相も記者会見で、「尖閣諸島は歴史的にも国際法上も疑いようのない日本の領土だ。共同開発をするつもりはない」と明言。政府筋は8日、「挑戦的な内容だ。これが中国外交の象徴だ」と強く反発した。首相官邸筋も「論外だ。ケンカを売っているとしか思えない」と語った。

 ガス田開発や試掘の安全確保を目的とする「海洋構築物の安全水域に関する法案」を策定している自民党海洋権益特別委員会の事務局長の西村康稔衆院議員は、「日本の立場を明確に示す意味でも、法案はしっかり(国会を)通さなければならない」と強調した。

 一方で、中国側との協議は今後も、しっかり継続すべきだという声もある。

 二階経済産業相は8日の衆院経産委員会で、「領土・領海、歴史、あらゆる日中間の問題がこの協議のテーブルに凝縮されている。一朝一夕で解決するものではない。まだまだ山、坂あると思うが、粘り強く対応したい」と語った。小泉首相は8日夕、協議結果を報告した二階経産相に対し、「時間がかかっても円満な解決を見るよう、一層努力してほしい」と指示した。

(2006年3月9日1時1分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060308i212.htm

0308 中国、南北2海域の共同開発提案 尖閣諸島付近も [朝日]

2006年03月08日12時27分
 東シナ海のガス田開発問題をめぐり6、7両日に北京で開かれた日中局長級協議で、中国側が開発中の春暁(日本名・白樺)など4カ所を含む鉱区ではなく、この鉱区よりも北部と南部にある2海域での共同開発を提案していたことが8日わかった。日本政府関係者によると、南部の海域には日中双方が領有権を主張している尖閣諸島(中国名・釣魚島)周辺の海域も含まれるという。安倍官房長官は同日の記者会見で「今回の提案は受け入れられるものではない」として、拒否する考えを明確にした。

 安倍長官は会見で、中国提案について「これまでの我が国の立場と相いれない」と述べた。さらに「中国側は日本側の提案は問題があるということなので、日中双方が相手方の提案(についての考え方)を引き続き協議する」とも述べた。次回の協議は4月にも東京で開かれる。

 政府関係者によると、中国側は共同開発の対象として、東シナ海北部の日中中間線の北側の海域と、同南部の台湾寄りの海域の2カ所を海図で示した。このうち南部は尖閣諸島周辺の海域が含まれているという。ただ中国側は協議の場で、同諸島が含まれるかどうかは明言しなかったという。

 尖閣諸島は日本が実効支配しているため、日本側は拒否する姿勢だが、今回中国側が示した案とともに、日本が前回示した春暁ガス田などを含む海域を共同開発する案についても協議を続ける。

 中国が新たに2海域での共同開発を提案した背景について、日本側は「交渉ごとなので最初は受け入れ不可能な提案をしてきたのだろう。今後のたたき台に過ぎないのではないか」(政府関係者)とみる。一方、中国側には、すでに開発に着手しているガス田の権益を既成事実化する狙いがありそうだ。

 李肇星(リー・チャオシン)外相は7日、全国人民代表大会での会見で「中国側の開発活動は中日双方が争っていない中国近海で進行中だ」と明言。日本側が要求する春暁ガス田の共同開発には一切応じないという強い姿勢を強調した。

 新提案には、尖閣付近で共同開発が実現すれば同諸島に対する中国の影響力を増すことが出来る、という計算も透けて見える。未開発の海域での共同開発という「変化球」を投げることで、春暁ガス田の活動の即時停止など日本側の要求をかわし、既存のガス田開発の時間も稼ぐことが出来る、という一石二鳥の効果も期待しているとみられる。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0308/005.html

0308 ガス田協議で中国側が新提案 中間線またぐ共同開発示唆 [朝日]

2006年03月08日03時02分
 北京で開かれていた東シナ海のガス田開発問題をめぐる日中両政府の局長級協議が7日終了し、中国側は新たな共同開発案を示した。両政府関係者によると、中国側は開発中の春暁(日本名・白樺)ガス田の活動停止や地下データの提供は拒否したうえで、日中中間線をまたぐ海域での共同開発の可能性を示唆した。

 協議終了後、外務省の佐々江賢一郎アジア大洋州局長は記者団に「(中国側の新提案は)検討すべき点が多々ある」と、一定の評価をした。中国側の新提案を歩み寄りと受け止める見方も出ているが、佐々江局長は「すぐに譲り合うという状況ではない」とも述べ、厳しい交渉が続くとの見通しを示した。

 中国側は昨年5月の第2回協議で、日中中間線の日本側海域に限った共同開発を打診した。今回は「日中中間線という概念自体が中国の立場ではない」(日中関係筋)との原則を踏まえ、中間線には必ずしもとらわれない形での共同開発を提案したとみられる。

 ただ、日本側は、中国側が示した共同開発の範囲が明確でないとして、真意を探っている。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0308/001.html

0307 A級戦犯崇拝が日中関係困難の原因…中国外相が批判 [読売]

 【北京=竹腰雅彦】中国の李肇星外相は7日、北京の人民大会堂で記者会見し、日中関係について、「現在直面している困難は、日本の一部の指導者が今なお侵略戦争を発動、指揮したA級戦犯への参拝を続けていることにある」と述べ、小泉首相の靖国神社参拝を強く批判した。

 李外相はさらに「第2次大戦後、ヒトラーやナチス崇拝を表明したドイツの指導者はいない」と指摘し、「日本の指導者のA級戦犯崇拝は、中国だけでなく、多くの国の国民が受け入れられない」とも述べた。

 李外相はまた、中国が事実上拒否している日中外相会談実現の見通しについて、「肝心なのは、日本の指導者が十分な誠意と勇気をもち、自らの誤った行動を正すことだ」と述べ、参拝中止が条件との立場を示した。

(2006年3月7日19時41分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060307it12.htm

0307 東シナ海ガス田開発、中国が日本提案を拒否 [読売]

 【北京=池辺英俊】東シナ海の天然ガス田開発問題を巡る日中両政府の局長級協議が6日午後、北京市内の釣魚台国賓館で始まった。

 中国側は、日本が2005年9月末の前回協議で提示した、日中の中間線付近にある白樺(中国名・春暁)など四つのガス田の共同開発案を受け入れない考えを表明し、両国ともそれぞれの立場を述べ合うにとどまった。協議は7日も行われる。

 昨年5月末の前々回協議では、中国が日中中間線より東側の日本側海域に限ったガス田の共同開発を提案し、日本が拒否。前回協議では、日本が逆に共同開発案を示し、中国が「検討する」と持ち帰った。

 今回の協議には、日本側は佐々江賢一郎・外務省アジア大洋州局長と小平信因・資源エネルギー庁長官、中国側は胡正躍・外務省アジア局長らが出席した。

 冒頭、佐々江局長は「ガス田問題は日中両国間の協力の試金石だ」と述べた。

 胡局長は「この問題は対話を通じて解決すべき最も喫緊の課題で、中日関係が困難に直面する状況下で、とりわけ重要だ」と応じた。

 関係者によると、日本は、中国が進める「白樺」など中間線に近接するガス田開発の即時中止とデータ提供を改めて要求したが、中国は応じなかったという。

 7日の協議では、中国が新たな提案を示すかどうかが焦点だ。中国が再び、中間線よりも日本側での共同開発案を示した場合、日本は受け入れない考えだ。

(2006年3月7日3時9分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060307i201.htm

0305 春暁ガス田、中国が共同開発に難色 [朝日]

2006年03月05日08時17分
 日中間で懸案となっている東シナ海のガス田開発問題で、中国の唐家●(タン・チアシュワン)国務委員(副首相級=外交担当)が先月訪中した二階経済産業相に対し、中国が生産準備を進めている春暁(日本名・白樺(しらかば))ガス田の日中共同開発に改めて難色を示していたことがわかった。政府関係者が明らかにした。日本側は同ガス田の共同開発を強く求めており、6日から北京で再開される日中局長級協議は難航が予想される。

 春暁ガス田は、日本が主張する排他的経済水域(EEZ)の境界である日中中間線をまたいで地下のガス層が広がっている。完成間近とみられる中国側の採掘施設は中間線から1.5キロしか離れていない。このため、日本側は「中国の採掘で日本側の資源まで吸い取られてしまう」と主張し、開発の即時中止を求めている。

 政府関係者によると、唐委員は2月22日の二階経産相との会談で、春暁ガス田について「中国が開発している海域は(日本の主張する)中間線より中国側にある」と、従来の立場を強調。資源が吸い取られるとの日本の主張については「我々を欺こうとするものだ」と不快感を示したという。

 一方、同日に二階経産相と会談した温家宝(ウェン・チアパオ)首相は「争いを棚上げにして共同開発を進める」と、東シナ海一帯でなんらかの共同開発を進めることには意欲を示したという。

 日本側は、昨年10月の前回協議で春暁を含む中間線をまたいだ双方の海域での共同開発を提案している。次回協議で中国側が新たな提案を表明する予定だ。


0302 「日本は反対明確に」 台湾国家統一委廃止で中国大使館 [朝日]

2006年03月02日19時08分
 台湾の陳水扁(チェン・ショイピエン)総統が国家統一委員会や統一綱領の事実上の廃止を決めたことについて、在日中国大使館の熊波(ユウ・ハ)・参事官は2日、「台湾独立への歩みを加速するものだ」と批判し、日本に対して「台湾指導者の危険な行動に反対する姿勢を明確にしてほしい」と要望した。在京の報道機関に対する背景説明の中で述べた。

 熊参事官は今回の台湾の行動について、中台交流の拡大にストップをかけ、緊張を高めるものだ、と非難した。
URL:http://www.asahi.com/international/update/0302/013.html

0223 中国首相、対日関係改善に意欲 二階氏と会談 [朝日]

2006年02月23日02時31分
 訪中した二階経産相は22日、中国の温家宝(ウェン・チアパオ)首相と北京の中南海で会談した。温氏は経済面などでの日本との協力関係を重視する考えを強調する一方、小泉首相の靖国神社参拝を改めて批判した。また二階氏はこれに先立ち唐家セン(タン・チアシュワン)国務委員(副首相級=外交担当)とも会い、中断している東シナ海のガス田開発をめぐる両国政府間の協議を、3月上旬に再開することで合意した。

 温氏が日本政府要人と個別に会うのは、04年11月にラオスであった東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス日中韓の首脳会議の場で、小泉首相と会談して以来。靖国問題で悪化した日本との関係改善の意欲を示そうとしたものとみられる。

 二階氏によると、会談で温氏は「一部の指導者が両国の歴史を正しく理解せず今日に至っているのは残念に思う」と述べ、間接的表現ながら小泉首相の靖国参拝を批判する考えを示した。

 一方で温氏は、東シナ海でのガス田開発をめぐる協議に関連して「平和の海として両国が協調しあうことは大変重要だ」と述べた。日本側は昨年10月初めの前回協議で中間線付近の海域での共同開発を提案したが、同月の小泉首相の靖国参拝以降、中断していた。中国側は次回、ガス田の共同開発について新たな提案をする見通しだ。

 また二階氏は同日、薄熙来(ポー・シーライ)商務相とも会談し、日本政府が中国の環境・省エネルギー分野で協力するため、5月に日本で省エネ環境フォーラムを開くことで合意した。

 一方、自民党の中川秀直政調会長ら与党訪中団は同日、中国共産党の王家瑞(ワン・チアロイ)・対外連絡部長らとの日中与党交流協議会で、次回の協議会を東京で開くことを決め、2日間の日程を終えた。

 中川氏が「中国のリーダーが(日本との関係改善へ)リスクをとった時には最大限協力する」と述べたのに対し、王氏は「与党交流は中日関係改善の新しいルートと場をつくった」と評価した一方で、靖国問題への懸念を改めて伝えた。
URL:http://www.asahi.com/international/update/0223/002.html

0222 遺棄化学兵器処理、共同事業体設置に合意 日中両政府 [朝日]

2006年02月22日19時22分
 日中両政府は22日、旧日本軍が中国大陸に放置した毒ガスなどの遺棄化学兵器の処理をめぐり、回収・処理事業を行う両国の共同事業体「連合機構(仮称)」を設立することで合意した。また、化学兵器禁止条約が定める来年4月までの遺棄化学兵器の処理は困難だとして、5年間の期限延長を化学兵器禁止機関(OPCW)に申し出ることでも一致した。

 両政府は年内の早い時期に中国・吉林省ハルバ嶺(れい)に大規模回収・処理施設の着工を目指している。施設の建設に必要な中国政府の事業承認を得るには、事業体の発足が条件になっている。

 政府筋によると、中国外務省の担当官が22日に来日して内閣府の担当者と協議。両政府関係者と建設業者らで構成する共同事業体を、早期に発足させることを確認した。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0222/005.html

0220 与党訪中団:党政治局委員と会談 靖国参拝で理解求める [毎日]

 【北京・田所柳子】中川秀直・自民党政調会長ら与党訪中団は20日、北京の人民大会堂で、中国共産党の李長春・政治局常務委員と会談した。李氏は小泉純一郎首相の靖国神社参拝を「多方面へ影響を与えており、国交正常化以来最も深刻な困難に直面している」と批判。その上で「困難は一時的なものと考える。日本の指導者が誠意と行動を示すことが大事だ」と次の首相の対応を見守る姿勢を示した。

 中国指導部の常務委員が日本の政府・与党幹部と会談するのは、昨年10月の小泉首相の靖国神社参拝以降初めて。中川氏は会談で「首相は私的参拝と明言し、A級戦犯を参拝対象としていない」と理解を求め、「(日中両国が)意見を異にしているからこそ、首脳間対話を絶やしてはならない」と指摘した。


0219 領事館員自殺、女性問題でつけ込まれる…外相認める [読売]

 麻生外相は18日の外務省タウンミーティングで、在上海日本総領事館員の自殺事件について、領事館員が女性問題で中国側につけ込まれ、暗号電文の情報提供を強要されたことが原因であると明らかにした。

 政府はこれまで、遺族の意思などを理由に、「中国公安当局に遺憾な行為があった」とだけ説明していた。

 外相は「暗号の乱数表(を要求された)。(領事館員は)国を売るわけにいかないから自殺する。遺書も残っている。外交官は、いい女性が近づいたら、おかしいと思わなきゃダメだ」と述べた。

(2006年2月19日0時3分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060218i112.htm

0217 二階経産相訪中:東シナ海のガス田問題など協議 [毎日]

 二階俊博経済産業相は17日会見し、21日から訪中し、北京で22、23日の2日間、薄煕来商務相などと会談すると発表した。日中間で懸案となっている東シナ海のガス田問題や、世界貿易機関(WTO)の多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)などについて話し合う。

 二階経産相は「中国政府から公式に招請を受け、閣僚レベルで意見交換できることは意義深い」と述べた。ガス田問題については「政治的にこのままの状態でお互いに時を過ごすことはできないと率直に伝える」と語った。

 小泉純一郎首相の靖国神社参拝などで日中関係が険悪化する中で、現職閣僚が訪中するのは昨年11月の北側一雄国土交通相以来。日中関係の打開を探り、出口が見えないガス田開発問題にも道筋をつけたい意向だ。二階経産相は、前任の中川昭一農相の対中強硬姿勢に対し、親中派で知られる。小泉内閣の中で、ガス田問題を含めた中国との関係改善の役割が期待されているとの観測が広がっていた。

 ガス田問題は昨秋の日中実務者協議で、日本が中国の開発中止を前提とした共同開発案を提示。中国側は1月の非公式協議で自国案を次回協議で示すとしたが、日程は未定のままだ。【宇田川恵】


0217 民主・前原代表、「中国脅威論は世論」の認識 [朝日]

2006年02月17日19時47分
 民主党の前原代表は17日、日本外国特派員協会で記者会見し、中国の軍事力について「多くの国民が脅威を感じる。それは事実だと思う」と、「中国脅威論」は世論としてあるという認識を示した。その一方で、「中国とは環境、エネルギー、感染症、北朝鮮の核開発などの問題が山積みだ。長い大切なつきあいを続けていかなければならない」として、友好関係を重視している点を強調した。

 前原氏は党の外交・安保政策について「非武装中立、日米同盟の即刻破棄など非現実的な考え方を取らない。これを強調しすぎると自民党とどこが違うかという批判を党内で受けるが、(政権交代しても)安全保障のスタンスが変わらないという安心感を国民に与えることが必要だ」と述べた。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0217/005.html

上海総領事館員の自殺は「殉職扱い」麻生外相 [読売]

 麻生外相は16日の衆院予算委員会で、2004年5月に自殺した在上海総領事館員について、殉職扱いとしていることを明らかにした。

 外務省の塩尻孝二郎官房長は「『国を売るつもりはない。死を選ぶ』と遺書に書いてあり、国のために身を投げたと思っている」と説明した。民主党の高山智司氏の質問に答えた。

 外務省人事課によると、同様に殉職扱いになった例としては、03年11月にイラクで殺害された奥克彦大使らのケースがあり、通常の1・5倍の遺族補償年金を支給している。

 領事館員の遺族に対しても同様の対応をとりたい方針だが、遺族側が固辞しているという。

 また、高山氏は兼元俊徳内閣情報官が領事館員の自殺を知った日を明らかにするよう求めたが、長勢官房副長官は「内閣の情報収集活動を個別に明らかにすることは国益を損なう」などとして拒否した。

(2006年2月17日0時31分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060216ia21.htm

日中の外務次官、政策対話始める [朝日]

2006年02月10日23時21分
 日中両国の外務次官級による第4回日中総合政策対話が10日夜、外務省飯倉公館で始まった。谷内正太郎外務事務次官と中国の戴秉国(タイ・ピンクオ)・筆頭外務次官が2日間の日程で、靖国問題など歴史認識や東シナ海のガス田開発、上海総領事館員の自殺問題など、両国間の懸案について話し合う。

 これに先立ち、戴次官は安倍官房長官や額賀防衛庁長官、自民党の山崎拓前副総裁ら与党幹部とも会った。関係者によると戴次官は公明党の神崎代表との会談で、日中関係について「今の状況が長く続いてはいけない」と述べた。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0210/011.html

日中総合政策対話:青少年交流の拡大で関係改善へ [毎日]

 外務次官級による第4回日中総合政策対話が10日夜、東京都内の外務省飯倉公館で2日間の日程で始まった。昨年10月、小泉純一郎首相の靖国神社参拝直前に北京で第3回が行われて以来で、日本側は谷内正太郎事務次官、中国側は戴秉国次官らが出席。青少年交流の拡大を通じ関係改善を図ることなどを確認した。


中国・国務委員の発言、安倍官房長官が不快感 [読売]

 安倍官房長官は9日午前の記者会見で、自民党の野田毅衆院議員(日中協会会長)と会談した中国の唐家セン国務委員(前外相)が、小泉首相の靖国神社参拝などで日中関係が悪化していることに関連し、「小泉首相にはもう期待していない」などと述べたことについて、「一国の指導者の発言としては不適切だ」と不快感を示した。(センは王ヘンに「旋」)

 安倍長官は、唐国務委員の発言について、「日中関係を重視すると表明している中国指導者の発言とも合致しない」としたうえで、「日中関係を未来志向で発展させていく方針に変わりはなく、胡錦濤国家主席をはじめとする中国側指導者も同様の立場と認識している」と強調した。

(2006年2月9日12時29分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060209i205.htm

日中関係改善「小泉首相に期待せず」 中国・国務委員 [朝日]

2006年02月09日01時01分
 自民党の野田毅衆院議員(日中協会会長)は8日、北京で唐家●(タン・チアシュワン)国務委員(副首相級=外交担当)と会談した。野田氏の説明によると、唐国務委員は小泉首相の靖国神社参拝に関連して「小泉首相にもう期待はしていない。在任中に(両国関係が)好転する可能性は非常に小さい」と述べ、首相の任期中に日中関係の改善は困難との考えを示した。

 両者は、日中協会などの日中友好7団体のトップが3月末に訪中することで一致。唐国務委員は「中国の主な指導者と会見してもらい、その場で重要な談話を発表する予定だ」と述べた。野田氏のほか、橋本龍太郎元首相(日本国際貿易促進協会会長)や高村正彦元外相(日中友好議員連盟会長)らが訪中し、胡錦涛(フー・チン・タオ)国家主席との会談を調整する方向だ。

 また唐国務委員は、日中関係について「中国はデッドラインを明確にする」と述べた。野田氏は「歴史認識や台湾問題については譲れない、という意味だと受け取った」と記者団に説明した。


「中国、脅威ではない」政府答弁書を決定 [読売]

 政府は31日の閣議で、「中国を脅威と認識しているわけではない」とする答弁書を決定した。

 麻生外相らが中国を脅威とみなす発言をしているが、政府としては従来通りの見解を確認した。社民党の照屋寛徳衆院議員の質問主意書に答えた。

 答弁書は「脅威」について、「侵略し得る『能力』と侵略しようとする『意図』が結びついて顕在化するもの」と定義。その上で、1972年の日中共同声明や78年の日中平和友好条約で、「両国が、すべての紛争を平和的手段により解決し、武力または武力による威嚇に訴えないことを確認」しているため、「中国が日本侵略の『意図』を持っているとは考えていない」との見解を示した。

 一方で、中国の国防予算が17年連続で2けたの伸び率となっている点を指摘し、「中国が軍事面における透明性を向上させることが重要」と懸念を示した。

(2006年2月1日1時16分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060131ia23.htm

米国務副長官:日中双方に緊張緩和の努力促す [毎日]

 ゼーリック米国務副長官は23日午後、東京都内の在日米大使館で毎日新聞などと会見し、小泉純一郎首相の靖国神社参拝などで険悪化する日中関係について「緊張が高まっている」との表現で懸念を表明し、双方に緊張緩和への努力を促した。また日本向け米国産牛肉に除去が義務づけられた背骨が混入していた問題で、全面的謝罪の意を表明し、問題解決に全力を挙げる方針を示した。

 日中関係悪化について副長官は、靖国問題を超えて日中双方のナショナリズムや中国の台頭を反映したものとの認識を表明。米国は靖国問題で日中の「仲介」はしないものの「関与している」と述べ、関係改善への高い関心を示した。

 そのうえで日中の緊張緩和に向けた具体策として、日米中3カ国の専門家による第二次世界大戦などの歴史共同研究を提唱し、「米国は日中両国に歴史の記録を率直、公正、適切に見ると同時に、過去だけでなく未来を見るように促そうとしている」と語った。

 米国産牛肉問題では「受け入れられない間違いだ。我々には問題解決の責任があり、非常に深刻に受け止めている」と明言した。すでに検査体制強化などの対応を取ったことを強調したが、今後の具体的措置や、調査完了にどの程度の期間がかかるかは、米農務省の調査や日本政府との協議にかかっているとして、明言を避けた。

 一方で副長官は、混入していた背骨が生後20カ月以下の牛のものだったことを指摘して「安全問題とは思わない」と合意違反問題との認識を示し、消費者に食品安全への不安が広がっている日本側との認識の差を見せつけた。日本の消費者の信頼を回復できるかについては「現在は、問題の改善に焦点が当てられるべきだ」と述べるにとどめた。【佐藤千矢子】


沖ノ鳥島で海洋発電 権益確保へ「経済活動」 国交省 [朝日]

2006年01月22日10時16分
 国土交通省は、日本最南端の沖ノ鳥島(東京都小笠原村)周辺海域に、海水の温度差を利用する海洋温度差発電の施設を建設する検討を始めた。「『島』ではなく『岩』だ」とする中国の主張に対抗、同島への電力供給と周辺での経済活動で、沿岸200カイリ(約370キロ)の排他的経済水域(EEZ)を確保する狙い。年度内にも建設候補海域を絞り込むという。

 気化しやすいアンモニアを、海面近くの表層水で温めて気化させ、その蒸気でタービンを回して発電。水深1000メートルの深海からくみ上げた深層水で蒸気を冷やして液化させ、循環させる。同島周辺は表層と深層の海水の温度差が20度以上あり、日本のEEZ内で最も適した海域の一つという。

 沖ノ鳥島は浸食で、高さ、幅数メートル程度の島が二つ残るだけ。中国は04年4月以来、「人間が居住したり経済活動を維持したりできない岩である」と主張。国連海洋法条約により、同島の周囲に日本のEEZは存在しないとして、現場海域に調査船を出入りさせている。

 政府はこれに抗議してきたが、島と認められないと日本のEEZは約40万平方キロも狭くなる。このため、国交省と水産庁を中心に周辺での経済活動を検討、島に漁獲物の冷却保管基地を設置する案などが出ている。今月、水産大学校などが測定した海水温や塩分濃度などのデータを基に、実現可能性を検討し、出力や建設費、建設海域を詰めるとしている。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0122/001.html

3月に胡錦濤主席が会談へ 橋本元首相ら訪中で [共同]

 【北京20日共同】橋本龍太郎元首相や日中友好団体の関係者が3月下旬に訪中する際に、胡錦濤国家主席が会談に応じる方針を固めた、と中国側が日本側に伝えたことが20日分かった。日中関係筋が明らかにした。胡主席が日本の要人と会談するのは、昨年9月末に日本経団連の奥田碩会長ら財界首脳と極秘会談して以来。
 胡指導部は靖国神社参拝を繰り返す小泉純一郎首相との首脳会談拒否を堅持する一方、日中関係の一層の悪化が中国の経済発展に悪影響を及ぼすことを懸念、日本の友好団体関係者らと会談することで「対日重視」をアピールする狙いがある。
 橋本氏は昨年2度訪中するなど中国と良好な関係を維持。胡指導部は、橋本氏が首相就任後の1996年に靖国神社に参拝したものの、翌年から取りやめたことを評価している。
URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=intl&NWID=2006012001000491

東シナ海ガス田試掘、認めぬ意向 二階経産相 [朝日]

2006年01月14日23時04分
 二階経産相は14日、和歌山県日高町で開いた「一日経済産業省」であいさつし、中国と協議中の東シナ海のガス田問題について「日本も試掘をして元気にやったらいいと言いたい人もいるが、私はその道を取らない。内弁慶のことを言っても仕方がない。もっとねばり強く解決して両国の発展につなげていく」と述べ、試掘を認めない考えを明らかにした。

 経産省はすでに、東シナ海の中国との中間線の日本側海域で帝国石油に試掘権を付与しており、手続き上は帝国石油から試掘の申請があれば試掘を認めることになる。経産相の発言は、申請があった場合でも、帝国石油との協議の中で試掘を認めない方針を示したものだ。

 東シナ海のガス田をめぐっては、日本側は中国が生産の準備を進めている「春暁」(日本名「白樺」)など、中間線をまたぐガス田での共同開発を提案しているが、今月の非公式の局長級協議でも進展は見られていない。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0114/007.html

奥田経団連会長:日中関係、今の状態続けば「深刻な問題」 [毎日]

 日本経団連の奥田碩会長は5日、東京都内で開かれた経済3団体の会見で、小泉純一郎首相の靖国神社参拝などで深刻化する日中関係について「現実に中国で商売している我々から見ると、一つや二つ変わった事例が出ても、すぐ経済が冷えたとは理解していない」と述べ、現状では経済への影響はないとの従来の見方を繰り返した。

 ただ、今後については「こういう状態が長く続けば、深刻な問題になることを懸念している」と指摘。ポスト小泉のアジア外交について「できれば(小泉内閣とは)変えていただきたい」と語り、現状への不満を漏らした。【須佐美玲子】


中国外務省、日本メディアに異例の批判 [朝日]

2006年01月10日21時41分
 中国外務省の孔泉(コン・チュワン)報道局長は10日の定例会見で、「日本の一部メディアは中日関係の報道で、遺憾な方法をとることがある」と述べ、昨年の日中首脳会談など具体例を挙げて批判した。中国政府が、日本メディアの具体的な報道内容について言及し、注文をつけるのは異例だ。

 孔局長は「一部メディアは、中日関係に現れた摩擦と問題について派手にさわぐことに夢中だ」と批判。一方、王毅(ワン・イー)駐日大使の談話や、昨年4月の日中首脳会談で胡錦涛(フー・チンタオ)国家主席が示した、歴史認識や台湾問題での約束を実際の行動で示すことなどを求めた「五つの主張」についての「報道が大変少ない」と指摘した。
URL:http://www.asahi.com/international/update/0110/014.html

日本の「中国脅威論」に懸念表明 局長級協議で中国側 [朝日]

2006年01月10日01時15分
 日中両国の首脳や閣僚級の対話が途絶える中、両政府の非公式局長級協議が9日、北京で開かれた。中国側は、日本国内で「中国脅威論」が高まり始めていることへの懸念を表明。日本のメディア報道にも異例の注文をつけた。靖国神社参拝問題で小泉政権下では本格的な日中関係の改善は難しいとみられるだけに、中国脅威論をはじめとする「ポスト小泉」の対中姿勢が、06年の日中関係を占う試金石となってきた。

 「日本は、中国のことを一体どう思っているのか」。9日の協議で中国外務省の崔天凱アジア局長が佐々江賢一郎・外務省アジア大洋州局長に問いかけた。日本側の説明によると、「日本のメディアはなぜ、中国のマイナス面ばかり報道するのか。良い報道がなされるよう中国ではメディアを指導している。日本政府も指導すべきだ」とも述べ、日本政府に「報道規制」を促した。

 佐々江局長は、「中国の発展は脅威ではなく、チャンスだ」との小泉首相の発言を説明。「日本だけが一方的に悪いという主張は受け入れられない。中国としても反省すべき点があるのではないか」と反論し、報道への注文についても「日本ではそういうわけにいかない」と、応じなかった。

 また、東シナ海のガス田開発問題がテーマとなり、双方は4回目となる政府間協議を今月末か来月前半に開くことで一致した。ただ、日本側が昨年示した共同開発の提案に対して、中国側が「問題があるので、新しい案を検討し、準備する」と表明。また上海の日本総領事館員自殺問題でも、日本側は重ねて「背後に遺憾な行為があった」と伝えたが、前進は見られなかったという。

 4時間以上に及んだこの日の局長級協議は、脅威論やメディア報道をめぐるやりとりがかなり長かったという。日本側出席者は会談後、「そういうところから解きほぐしていかなければならない日中関係の現状がある。中国側は脅威論にかなり神経質になっていた」と語った。

 小泉首相が靖国神社参拝の持論を変えない以上は、首脳対話の再開など日中関係の抜本的改善は難しい。さらに、ポスト小泉の有力候補の間で脅威論が強まれば、次の政権でも事態打開の機運がしぼみかねない。

 そもそも中国の懸念の背景には、急速な経済発展や軍事費の増加に対して世界規模で中国脅威論が高まっていることがある。ただ、米国との間では軍事費や人権などをめぐって対立しつつも、昨年は戦略問題に絡む次官級対話を2度行い、ブッシュ大統領が訪中。胡錦涛(フー・チンタオ)国家主席も今年前半に訪米を予定するなど、対話は軌道に乗っており、日本側との対立が際だつ。中国当局者は「米国とは大人の関係が築けているのに、隣の日本と築けないのは残念だ」という。

 日本では、靖国問題がクローズアップされる中で、「ポスト小泉」たちが中国批判を簡単には取り下げられない状況が続いてきた。

 「脅威」という言葉は慎重に避けてきた安倍官房長官も、9日夜の民放番組で、靖国問題を念頭に「一つの問題があったからといって、すべての交流を絶ってしまうやり方は間違っている」と中国の対応を批判した。

 加えて、脅威論の是非も政治の表舞台に上ってきた。民主党の前原代表は昨年12月以降、中国の軍事力増強などを取り上げて「現実的脅威」だと言い、麻生外相も12月下旬の記者会見で前原氏の発言に関連して「かなり脅威になりつつある。前原氏が言っているのは確かだと思う」と語った。

 ただ、中国が報道規制にまで言及するといったいびつな日中関係が続けば、小泉政権後に関係改善をはかる手だても失われかねない。山崎拓・前自民党副総裁は昨年暮れ、中国脅威論が「我が国に対する侵略の意図がある」ということになってしまう、と指摘した。これも脅威論が独り歩きする事態を恐れたからだ。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/0109/003.html

日中非公式協議:ガス田開発など 職員自殺問題も [毎日]

 日中両政府は9日午前、両国間で対立が続く東シナ海のガス田開発や在上海日本総領事館職員の自殺問題などについて、高官レベルの非公式協議を北京で開いた。

 ガス田開発では、東シナ海の日中中間線に近い中国側のガス田も共同開発の対象にすべきだとする日本の提案に対し、中間線の日本側での共同開発を主張する中国がどう応じるかが焦点だ。

 また、日本総領事館職員の自殺問題で日本側は、背景に中国公安関係者の「遺憾な行為」があったとして真相解明に向けた取り組みを中国側に要求。これに対し中国は日本側が指摘するような事実はないと主張、議論は平行線に終わる可能性が高い。

 このほか、中国が小泉純一郎首相の靖国神社参拝を理由に拒否している首脳会談や外相会談の再開、国連安全保障理事会常任理事国の拡大問題についても議論。

 協議には、日本側から佐々江賢一郎外務省アジア大洋州局長と小平信因資源エネルギー庁長官、中国側は崔天凱外務省アジア局長らが出席。(北京・共同)

毎日新聞 2006年1月9日 9時10分 (最終更新時間 1月9日 10時25分)
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060109k0000e030006000c.html

日中、年2000人以上の高校生を相互招待 [読売]

 日中両政府は、毎年、両国の高校生計2000人以上を相互に招待することで基本合意した。

 小泉首相の靖国神社参拝で悪化している日中関係を中長期的に改善し、未来志向の関係に再構築するための環境整備が目的だ。

 両政府外務省は昨年12月下旬、北京で事務レベルの協議を行い、日本側は今年2月にも100億円規模の「日中21世紀基金」(仮称)を創設し、9月に中国の高校生の受け入れを始めることを正式に伝えた。これに対し中国側は、年間約1000人の日本の高校生を中国に招く事業を近く開始する方針を明らかにした。

 日本側による中国高校生の招待は、〈1〉10日程度の短期が年間1100人程度〈2〉2、3か月間の中期が年間100人程度〈3〉1年間の長期が年間50人前後――とする方向で調整している。このうち、短期は日中友好会館、中期と長期が日中21世紀基金の事業となる。

 中国側については、日本と同じ基金方式にするか、毎年の予算で事業を行うかなど、計画の詳細はまだ決まっていないという。

 また、日本側は、人的交流を促進するため、ビジネスや学術、芸術の交流などで来日する中国人への「数次査証(ビザ)」の発給要件を緩和することを検討している。数次査証は、3年間の期間中に何度でも来日が可能だ。

 中国人に対する数次査証は現在、日本の商工会の加盟企業や国営企業の社員、大学の講師以上の学者、著名な芸術家などに限られている。小規模企業の社員らが来日する際は1回ごとに日本の受け入れ先が身元保証書を提出するなど、煩雑な手続きが必要となる。

(2006年1月8日14時40分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060108i205.htm

中国側の主張に外務省反論 上海総領事館員自殺で [朝日]

2006年01月02日22時40分
 外務省は1日、中国・上海の日本総領事館員の自殺について中国側に反論するコメントを発表した。在日中国大使館が昨年12月31日の声明で「日本側が仕事のプレッシャーによる自殺だと(中国側に)表明した」と説明した点について、「日本側がそのような立場を表明したとの事実はない」と否定。中国側が「この事件は中国政府関係者といかなる関係もない」とした点も「受け入れられない」としており、双方の言い分の違いが広がっている。

 外務省は反論のコメントで、「領事館員の死亡の背景には現地の中国側公安当局関係者による、領事関係に関するウィーン条約上の接受国の義務に反する遺憾な行為があった」と改めて指摘。04年5月の事件発生直後から中国側に事実関係の究明を求め、厳重な抗議をしていると強調した。

 中国大使館は先の声明で「この事件は中国政府関係者といかなる関係もないことを確認した。中国側はこうしたことを日本側に説明した」としている。だが外務省は「受け入れられない」とし、「最近の記者会見以前に中国政府から事実関係の説明を受けたとの事実もない」と反論した。
URL:http://www.asahi.com/international/update/0102/014.html

●日中関係05?より続く

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