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1116 ふじみ野市職員ら6人を書類送検、プール事故死で [読売]

 埼玉県ふじみ野市の市営プールで7月、同県所沢市山口、小学2年の女児(当時7歳)が吸水口に吸い込まれて死亡した事故で、埼玉県警捜査1課と東入間署は16日、ふじみ野市教委職員3人と管理業者の3人の計6人を業務上過失致死の疑いで、さいたま地検に書類送検した。

 書類送検されたのは、市営プールを管理する市教委側が体育課の高見輝雄課長(59)と同課の係長(46)、職員(27)。業者側は、運営を委託されたビルメンテナンス会社「太陽管財」(さいたま市北区)の斉藤敏雄社長(37)、下請けの「京明プランニング」(同市見沼区)の佐藤昇社長(49)と現場責任者の社員(36)。

(2006年11月16日13時52分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20061116ic03.htm

0822 長野五輪招致不明金、返還求め田中知事を提訴 [読売]

 長野冬季五輪(1998年)の招致活動で約9000万円の使途不明金があったとして、長野県の住民213人が22日、田中康夫知事を相手取り、吉村午良・前知事と元招致委員会幹部3人に同額を返還させるよう求める行政訴訟を長野地裁に起こした。

 訴状などによると、原告側は「使途不明金は国際オリンピック委員会総会で票を獲得するため、不正に使われたと推認される」として、吉村氏らの行為は「県に損害を与える不法行為だ」と主張している。

 この問題では、県の調査委員会が昨年11月、「約9000万円の使途不明金があった」との報告書を田中知事に提出している。

 原告らは今年7月に住民監査請求を行ったが、県監査委員は8月1日、「使途不明金があることが、不正支出の客観的な証拠とは言えない」として不受理とした。

(2006年8月22日22時32分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060822i413.htm

0617 最高裁判決に厚労省「ショックで言葉出ない…」 [読売]

 「ショックで言葉も出ない」。B型肝炎訴訟の最高裁判決を受け、厚生労働省は沈痛な空気に覆われた。

 ある幹部は、今後、次から次へと提訴され、賠償に追われるという展開を恐れる。B型肝炎患者のほとんどは予防接種を受けている。「そうなったら、とても対応できない」という。

 ただ、現実的には、予防接種と肝炎感染の因果関係を今回のように証明するのはそう簡単ではないという見方もある。「いずれにしても、このまま何もしないわけにはいかない。肝炎対策全般の底上げを考えなければ」と幹部は話す。

 担当課の職員らは判決直後から別室にこもり、今後の対応の検討を始めた。ある職員は、「過去の公衆衛生行政の責任を、今から取らなければならない。影響が大きすぎて正直、今後の展開が想像つかない」と困惑した様子だ。

 厚労省のB、C型肝炎対策の今年度予算は約53億円。目玉は、2002年度から導入したB、C型肝炎のウイルス検査だ。市町村の住民健診などで、40歳以上の人を対象に検査が行われている。今年度からは、保健所で年齢に関係なく検査を受けられるようにもなった。

 早期発見で、早期治療に結びつけ、肝硬変や肝がんに進行する人を減らそうという狙いがあるが、04年度の住民健診での受診率は25・3%。検査で陽性になっても、専門医のいる医療機関での受診になかなか結びついていないという課題もある。

 この日、最高裁の判決後、原告団は厚労省を訪れ、〈1〉肝炎総合対策の実施〈2〉原告や患者団体と定期協議の場の設定――を求める要望書を手渡した。日本肝臓病患者団体協議会の高畠譲二事務局長は「高額な医療費、病気による差別の問題など、肝炎をとりまく課題は山ほどある。国は、この機会に肝炎患者全体の救済策を打ち出してほしい」と訴えた。
(2006年6月17日0時40分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060616ic25.htm

0617 B型肝炎訴訟「予防接種で感染」認定、原告勝訴が確定 [読売]

B型肝炎訴訟で勝訴が確定し、「完全勝訴」と書かれた紙を掲げる原告の木村伸一さん(左)と亀田谷和徳さん 集団予防接種での注射器の使い回しを放置し、B型肝炎ウイルスに感染させられたとして、札幌市内の患者ら5人(1人死亡)が国に損害賠償を求めた訴訟の上告審判決が16日、最高裁第2小法廷であった。

 中川了滋(りょうじ)裁判長は、「予防接種のほかに感染原因の可能性は考えにくい」と、予防接種と感染の因果関係を認めた上で、国が感染を防止する義務を怠ったとして、2審・札幌高裁で敗訴した2人を含む原告全員の請求を認め、国に1人当たり550万円、計2750万円を支払うよう命じた。原告側の全面勝訴が確定した。

 最高裁が、予防接種と肝炎ウイルス感染の因果関係を認め、国に賠償を命じたのは初めて。肝炎ウイルス感染者はC型も含めると350万人以上に上り、このうち数十万人以上が集団予防接種が原因とされている。予防接種で感染者を出した国の責任が認められたことで、国が感染者や患者に対する支援策を迫られるのは必至とみられる。

 判決によると、国は注射器の使い回しで感染のおそれがあることを、遅くとも原告が初めて予防接種を受けた1951年には認識していた。これ以降、国には予防接種の実施にあたり、自治体に対し、注射器を交換したり、十分に消毒したりするよう指導する義務があったのに怠っていた。

 国側は上告審で「当時は一般医療機関でも注射器の消毒は不徹底で、ほかにも感染原因の可能性がある」などと主張したが、判決は「予防接種以外の可能性は、一般的、抽象的なものに過ぎない」と退け、国の責任を認めた。

 一方、2審・札幌高裁は、原告5人のうち患者2人について、賠償請求権が損害を受けた時から20年で消滅する「除斥(じょせき)期間」を適用し、接種時から提訴まで20年以上が経過したことを理由に請求を退けていた。この日の判決は「患者の場合は接種時ではなく発症時を損害発生時とすべきだ」と、除斥期間の始まりを遅らせることで、2人の賠償も認めた。

 中島正治・厚生労働省健康局長の話「国の賠償義務が認められたことについては、重く受け止めている。原告の方に対しては、誠に申し訳ないという気持ちであり、判決に沿って迅速に対応したい」

 ◆札幌B型肝炎訴訟=札幌市などに住むB型肝炎患者4人と感染者1人が1989年6月、国に計5750万円の賠償を求めて提訴。1審・札幌地裁は2000年3月、請求を棄却したが、2審・札幌高裁は04年1月、予防接種とウイルス感染の因果関係を認め、接種から提訴までの期間が20年を過ぎた2人を除く3人の請求を認め、国に計1650万円の支払いを命じた。敗訴した患者2人と国の双方が上告していた。

(2006年6月17日0時4分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060616it11.htm

0615 ハンセン病施設の胎児標本、厚労相「心からおわび」 [読売]

 全国のハンセン病療養所などで、100体以上の胎児や新生児の遺体が「標本」として保存されている問題で、川崎厚生労働相は14日、入所者らと厚労省で面会し、「患者やご家族が多大なる精神的苦痛を受けたことは誠に遺憾で、心からおわび申し上げたい」と初めて謝罪した。

 厚労省では今後、個々の入所者や家族らの意見を尊重しながら、1体ごと供養していく方針。

 遺体標本の存在は、有識者らでつくる「ハンセン病問題に関する検証会議」の調査で、昨年1月に判明。全国5か所のハンセン病療養所と、国の研究施設「ハンセン病研究センター」(東京)で、人工妊娠中絶や人工早産による胎児や新生児の遺体が計115体保存されており、同会議は「国は手厚く供養すべき」などと提言していた。

 川崎厚労相はこの日、「皆さんとの話し合いに基づき、1体ごと丁寧な供養を実施するよう指示した」と説明。今後、全国13か所の療養所すべてで病理標本の管理規定の整備や職員の医療倫理研修などを実施し、再発防止策を徹底するという。

 面会後、全国ハンセン病療養所入所者協議会の神美知宏事務局長(72)は「人間の尊厳を大きく傷つけたこの問題で、大臣にようやく謝罪してもらえた。標本の遺族にあたる人たちの気持ちを第一に考え、供養を進めていきたい」と語った。

(2006年6月15日0時27分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060614i413.htm

0613 ドミニカ共和国移住者に追加支援、外相が表明 [読売]

 麻生外相は13日、ドミニカ共和国移民訴訟の原告団の嶽釜(たけがま)徹事務局長と国会内で面会し、「(移住者の)要望に応えるべく努力したい」と述べ、移住者に対する追加支援を行う考えを表明した。

 嶽釜事務局長は、戦後の移住政策を巡る国の不法行為責任を認めた東京地裁判決を踏まえ、「心からの謝罪」と「救済措置」を求める申し入れ書を外相に提出した。

 外相は、謝罪には応じなかったが、「小泉首相とも十分検討の上、国の責任を果たしたい」と述べた。面会には、ドミニカ移民問題に長年関与してきた尾辻秀久・前厚生労働相が同席した。政府は今後、外務省と国際協力機構(JICA)の職員をドミニカに派遣し、移住者から支援策の要望を聞く方針だ。

(2006年6月13日23時9分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060613i215.htm

0609 2年前の故障、管理会社に伝わらず エレベーター事故 [朝日]

2006年06月09日06時17分
 東京都港区の公共住宅で、都立高校2年の市川大輔(ひろすけ)さん(16)がエレベーターに挟まれ死亡した事故で、2年前にこのエレベーターが急停止するトラブルがあり、製造元の「シンドラーエレベータ」(東京都江東区)が、住宅を管理する港区住宅公社に「原因はブレーキの不具合」とする報告書を提出していたことが分かった。同住宅のエレベーターでは当時からトラブルが頻発していたが、多くはメンテナンス会社に引き継がれていなかった。警視庁は、同公社が業者間の引き継ぎを十分に行わなかった結果、重大な不具合を見逃した疑いもあるとみて慎重に調べている。

 ブレーキの不具合が確認されたのは、04年11月6日。事故機が急停止したため、同公社が、当時メンテナンスも手がけていたシンドラー社に点検を求めたところ、「ブレーキの接触に不具合があった」とする報告書を提出したという。

 ブレーキは、エレベーターのかごを上下させる巻き上げ機のモーターに取り付けられている。モーターのドラムを挟み込んで止める構造になっている。

 同住宅のエレベーターでは不具合が相次いでおり、03年以降だけで40件以上確認されている。

 事故機を含むエレベーターのメンテナンスについては04年度まではシンドラー社が担っていたが、05年度は「日本電力サービス」(同多摩市)、06年度は「エス・イー・シーエレベーター」(同台東区)が順に受注した。

 しかし、04年のブレーキの不具合を始めとしたトラブルの大部分について、後にメンテナンスを請け負った会社には引き継がれなかったという。

 一方、今回の事故後に捜査1課が事故機のブレーキ部分を調べたところ、本来付着してはならない油が付いていたことが分かった。近くのワイヤから飛んだ可能性があるといい、この油がブレーキの性能に影響を与えた疑いもあるとみて、同課はメンテナンスに不備がなかったか、関係者から事情を聴いている。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0609/TKY200606080387.html

0609 ドミニカ移民訴訟:政府が道義的責任 一時金支給を検討へ [毎日]

 ドミニカ移民訴訟に関連し、政府は8日、移住者に一時金を支給する方向で検討に入った。小泉純一郎首相は、支給名目や金額などについて外務省に検討を指示しており、同日夜、ドミニカ移住問題に携わってきた尾辻秀久前厚労相に外務省と具体策を詰めるよう要請した。

 首相は8日夜、首相公邸で尾辻氏らと会合を持ち「政治として対応しないといけない。7月29日が移民50周年なので気持ちよく迎えられるようにしなければならない」と述べ、遅くても7月末までに政府の新たな対応策を打ち出す考えを明らかにした。また、尾辻氏に「外務省との間に立って救済策をまとめてほしい」と要請した。

 今月7日にあった東京地裁の1審判決では、請求権消滅を理由に請求を棄却する一方、国の法的義務違反を認めた。一時金は政府として道義的責任を果たす意味合いがあるとみられる。支給額について政府関係者は、原告側が請求している賠償金31億円を目安に参考に検討する意向を示した。


0608 県教委の要請後もシャッター点検せず 新潟・村松小 [朝日]

2006年06月08日23時59分
 1年生の男児(6)が防火シャッターと床に首を挟まれて重体になった事故があった新潟県五泉市の市立村松小学校が、文部科学省が04年に都道府県教委を通じてシャッターの点検をするよう求める通知を出していたにもかかわらず、実施していなかったことが分かった。五泉市教委が8日、明らかにした。

 市教委によると、文科省は04年に埼玉県の小学校で児童がシャッターに挟まれて大けがをした事故を受け、シャッターの点検をするよう求めていた。しかし、村松小学校でのシャッターの点検は03年9月が最後だった。市教委は、「建築基準法では最長3年間隔で点検すればよいとされており、(村松小は)法律を守っているので十分だと考えていたようだ」と話している。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0608/TKY200606080381.html

0607 ドミニカ移民訴訟:厳しい指摘に留意…外相が談話発表 [毎日]

 麻生太郎外相は7日、ドミニカ移民訴訟の東京地裁判決を受け「国側の主張が認められた。同時に、当時の状況について厳しい指摘があったことに十分留意し、判決内容を精査する必要がある」との談話を発表した。今後の対応については「移住者との信頼関係の構築に向け、引き続き移住者との対話と共同作業を旨として調整を進めていく」とした。


0607 ドミニカ移民訴訟:原告敗訴 国責任認めるも 東京地裁 [毎日]

 1950年代に中米のドミニカ共和国へ移住した日本人と遺族ら170人が「『優良農地を無償配分』などとした日本政府の誇大宣伝にだまされ、劣悪な環境での生活を強いられた」として31億円余の賠償を国に求めた訴訟で、東京地裁は7日、国の法的義務違反を認めながら、請求権が消滅する除斥期間(20年)が過ぎたとして、請求を棄却した。日本弁護士連合会が人権侵害と認定するなど「戦後最悪の移民政策」と指摘されたドミニカ移民を巡る訴訟は、国の責任を認めながらも、原告敗訴となった。

 判決で金井康雄裁判長は「国の政策として移民を推進する以上、所期の目的を達しうる農地を備えた移住先を確保するよう配慮が求められるが、外務省と農林省の職員はこうした職務上の法的義務を尽くさなかった」と国の責任を認めた。一方で「法律的には除斥期間の経過により、請求権が消滅したと言わざるを得ない」と判断した。

 移民募集などの事務は外務省傘下の財団法人「日本海外協会連合会」(現・国際協力事業団)が担当し、訴訟では国の関与や賠償責任が最大の争点になった。

 原告側は「国が財団法人に指示した国策移民。入植地は耕作権しかない荒れ地ばかりで、十分な調査や情報提供、無償譲渡の実現を図る義務を怠った」として、1人約350万~3000万円の賠償を国に求めた。国側は「移民はドミニカの事業。募集や選考は国ではなく、財団法人が主体的に行った」などと責任を否定していた。

 原告は56~59年、ドミニカへ移住した249家族1319人の一部。170人のうち141人は今もドミニカ在住者で、00年と01年に提訴。残り29人は61~62年に集団帰国し、01年に訴訟に加わった。

 政府は戦後、引き揚げ者などで人口が増えたため移民政策を推進。しかし、ドミニカでは生活苦のため自殺者が出るなどして帰国や他国への再移住が相次ぎ、約50家族が残った。原告らは断続的に救済を国に求め、03年に訴訟を支援する超党派の国会議員連盟が発足。小泉純一郎首相は04年3月「不手際を認め、しかるべき対応を考えたい」と参院予算委で答弁していた。【高倉友彰】


0518 元市長らに16億円返還命令…岡山の交付税水増し請求 [読売]

 岡山市が1970年度から29年間、下水道普及率を国に水増して報告し、99年に不正に受け取っていた地方交付税の返還命令を受けた際、加算金を科せられ、岡山市に多額の損害を与えたとして「市民オンブズマンおかやま」の7人が、当時の市長や幹部職員らを相手取り、計17億2700万円を市に返すよう求めた訴訟の判決が17日、岡山地裁であった。

 広永伸行裁判長は「普及率の数値が高いのを知りながら、漫然と交付税を過大に受け続けた」と過失を認定。安宅敬祐元市長(64)ら17人に対し、計16億800万円を市に返還するよう命じた。

 地方交付税の返還を巡る損害賠償請求訴訟で、住民の訴えを認めたのは初めて。

 判決などによると、市は1970年度から29年間、下水道普及率をより高く見せるため、地方交付税の算定基準になる「現在排水人口」について、国が定めた「定住人口」ではなく、通勤者らも加えた「昼間人口」から算出し、毎年約2万~10万人多く報告。

 交付税を約20億円多く受給したとして99年9月、自治省(現総務省)から返還命令を受けた。

 広永裁判長は、安宅元市長に対して「下水道局長から報告され、議会でも指摘されていたのに交付を受け続けていた」とし、元下水道局長らには「問題だと認識していたのに変更しなかった」などと、それぞれ過失を認定。

 安宅元市長ら幹部に在任期間に応じて時効分を除いた81年度以降の加算金分など、1人あたり6億7764万~1735万円を支払うよう命じた。

(2006年5月18日0時46分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060517i415.htm

0420 高松塚古墳:壁画損傷 辞意の渡辺座長、文化庁に公表進言 [毎日]

 奈良県明日香村の高松塚古墳(7世紀末~8世紀初め)で02年に起きた国宝壁画の損傷事故で、当時、東京文化財研究所(東文研)所長で補修を指示した渡辺明義・同古墳壁画恒久保存対策検討会座長が19日までに、毎日新聞社の取材に対し、文化庁に損傷事故を発表するよう伝えたことを明らかにした。損傷事故の報告は当時の担当の美術学芸課長と文化財部長まで上がっていたとされており、文化庁が合議の上、損傷事故を公表しないと決めた可能性が出てきた。

 損傷事故は02年1月28日、文化庁と東文研の担当者が石室内でカビの除去作業中に起きた。床に置いてあった空気清浄機が転倒して、西壁にある男子群像の下の空白部分に長さ8センチの傷を付けた。さらに、室内灯を倒し、男子群像の衣服の胸の部分に直径1センチの傷を付けた。

 ◇本紙取材に証言

 渡辺氏は損傷事故から2カ月後の3月28日に高松塚を訪れ、壁画のはく落した部分に周囲の土を水で溶いて塗るという補修方法を示し、作業がその通りに行われた。

 渡辺氏は16日、検討会座長の辞職願を文化庁に提出した後、改めて毎日新聞の電話取材に応じ、補修の際、一緒にいた文化庁の文化財調査官に「損傷を発表した方がいい」と伝えたと答えた。担当課長には直接言わなかったが、その後、「文化庁で発表するかどうか、会議を開いたと聞いた」と語った。

 渡辺氏は当時、修復作業の中心になっていた東文研のトップで、「文化庁には昔の部下がいたし、もっと強く言って発表させるべきだった」と述べた。

 事故が起きた1月28日と補修が行われた3月28日の作業日誌には、どのように報告されたかは記されていないが、文化庁文化財部の山崎秀保・美術学芸課長は記者会見で「文化財部長まで報告が上がっている」と述べている。

 毎日新聞の取材に対し、当時、文化財部長だった木谷雅人・京都大副学長は「損傷のことは記憶にない」、それに次ぐ地位の文化財鑑査官だった鈴木規夫・独立行政法人文化財研究所理事長は「覚えていない。当時はカビ対策に集中していて、ほかのことに対処する余裕がなかったのかもしれない」と回答。担当の美術学芸課長だった湯山賢一・奈良国立博物館長は「文化庁の調査委員会で話すことになっており、今、お答えすることは何もない」と話している。

 また、渡辺氏が発表するよう伝えたという当時の文化財調査官は「個人的に特定の報道機関への対応はしていない」と話している。【栗原俊雄、大森顕浩、奥野敦史】

毎日新聞 2006年4月20日 3時00分
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060420k0000m040160000c.html

0416 高松塚古墳検討会の渡辺座長、辞任へ 未公表問題で引責 [朝日]

2006年04月16日
 奈良県明日香村の高松塚古墳(特別史跡)で、カビの大量発生の原因とみられる規定違反があったり、壁画を傷つけたりしていながら、文化庁が未公表にしてきた問題で、同古墳壁画恒久保存対策検討会の渡辺明義座長(70)が15日、座長と委員を辞任する意向を示した。一連の未公表問題の責任をとったとみられる。

 朝日新聞社が入手した作業日誌によると、01年2月から3月にかけて、工事関係者が規定に従わず、防護服を着ないで古墳内で作業したため、石室内にカビの大発生を招いた。規定違反は公表していなかった。

 また、02年1月28日には、石室内で作業中の文化庁や東京文化財研究所(東文研)の担当者らが国宝の壁画を傷つけた。2カ月後の3月28日、渡辺氏が同古墳に出向き、古墳内の土を殺菌して傷に塗りつけ、補修するよう指示していた。渡辺氏は当時東文研所長で、公表していなかった。

 渡辺氏は「当時は石室内のカビを食い止めることに全力を注いでいた。規定違反については報告を受けた記憶がない。壁画の傷については当面、目立たなくする処置を指示した。情報を公開する必要は感じていたが、対策検討会でも報告しなかったことは謝罪すべきだ」と話した。

 そのうえで渡辺氏は「石室解体による壁画の修復方針も決まり、以後は新しい体制で壁画を守ることが重要と考えた」と述べ、座長とともに委員も退く意向を示した。

 渡辺氏は、壁画の損傷が報道された後、文化庁に辞意を伝えたという。
URL:http://www.asahi.com/culture/entertainment/news/OSK200604150067.html

0418 三菱自動車の車輪脱落、母子死傷訴訟 国の責任認めず [朝日]

2006年04月18日13時45分
 三菱自動車製大型トレーラーの車輪脱落で母子3人が死傷した02年の事故をめぐり、遺族が三菱自と国に1億6550万円の損害賠償を求めた訴訟で、横浜地裁の山本博裁判長(柴田寛之裁判長が代読)は18日、三菱自に計550万円の慰謝料などの支払いを命じる判決を言い渡した。「加害行為の再発防止」を理由とした制裁的慰謝料は認めなかった。
判決後の会見で、事故で犠牲になった娘の岡本紫穂さんの写真を前に涙をぬぐう増田陽子さん。右は青木勝治弁護士=18日午後、横浜市中区で


 母子死傷事故は、大型車の車輪脱落事故が続発していたのに、三菱自がこれを隠し続ける中で発生した。原告側は同社の隠蔽(いんぺい)を見逃した国の責任も追及したが、判決は国の過失を認めなかった。国は「メーカーが虚偽報告するとは想定し難かった」と主張していた。

 訴えていたのは、神奈川県大和市の故・岡本紫穂さん(当時29)の母、増田陽子さん。紫穂さんは横浜市瀬谷区で02年1月、子どもと一緒に歩いて帰宅途中に走行中のトレーラーからはずれたタイヤの直撃を受けて死亡した。当時4歳と1歳だった子ども2人もけがを負った。

 増田さんは03年3月、三菱自や国などに550万円の損害賠償を求めて提訴。その後、欠陥隠しの実態が明らかになり、「企業利益の追求に走り、多発する事故の対応を怠り、放置し続けた」として1億円の制裁的慰謝料を追加していた。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0418/TKY200604180229.html

0224 レジャー施設構想:市長らへの賠償命令取り消し 札幌高裁 [毎日]

 北海道旭川市のレジャー施設「エコ・スポーツパーク」構想を巡り、コンサルタント業者との契約で市に損害を与えたとして、市民グループが菅原功一市長らを相手取り、市に賠償するよう求めた住民訴訟の控訴審判決が23日、札幌高裁であった。伊藤紘基裁判長は、菅原市長と元市幹部4人、業者(1法人1個人)に賠償を命じた一審の旭川地裁判決(04年3月)のうち、菅原市長と元市幹部1人への賠償命令を取り消し、他の元市幹部3人らに対して1審と同額の約2850万円を市に支払うよう命じた。市民グループ側は上告を検討する。

 伊藤裁判長は「業者は契約に見合う資力、信用、技術、経験がなかった。契約は担当者の裁量権乱用に当たり、地方自治法違反」と述べ、1審判決を追認。その上で、菅原市長について「契約の違法を疑い、担当職員に指揮監督権限を発する端緒となる情報を得ていた証拠はない」として菅原市長の法的責任を認めず、元市幹部3人と業者のみの過失を認定した。

 同構想はクロスカントリースキーのコースを核としたレジャー施設を整備する計画で、現在は凍結されている。市民グループ側は「元市幹部と懇意の業者との随意契約は不明朗」などと主張。菅原市長らは「契約は合理的な裁量の範囲」などと反論した。1審は「市長は監督を怠った」として菅原市長の法的責任を認め、菅原市長らが控訴していた。

 判決後、市民グループ側は札幌市内で会見した。原告の男性(85)は「実質的敗訴で残念」と話した。代理人の中村元弥弁護士は「市長が契約の違法を疑う機会があった、と住民に立証を求めるのは酷だ。ただ、市長の政治的責任が消えるわけでない」と述べた。

 一方、菅原市長は「発注に関し、(私は)良い、悪いの判断材料となる情報を持っていなかった」と判決を評価。一審と同じく賠償命令が出た元市幹部3人については「残念。じくじたる思い」と言葉少なに話した。また、3人のうちの1人は「厳しい判決」と不快感を示し、他の2人と相談して上告するかどうか近日中に決めるという。【遠藤拓、渡部宏人】


たん吸引必要な女児の保育園入園、東大和市に義務づけ [読売]

 気管切開手術を受けて、吸引器によるたん吸引が必要になった東京都東大和市の青木鈴花(すずか)ちゃん(5)が、市立保育園などへの入園を拒否されたのは違法だとして、父の繁宜さん(40)が同市に入園の承諾を求めた裁判で、東京地裁の菅野博之裁判長は「幼児期の集団生活は子供の心身の成長に重要で、入園が認められないと回復不可能な損害を受ける」と述べ、入園を認めるよう仮に義務づける決定をした。決定は25日付。

 鈴花ちゃんは数時間に1回、つばやたんの吸引が必要だが、それ以外は通常の日常生活を送っている。両親の入園申し込みに対し、市は昨年3月、「たん吸引は医療行為で、適切な保育を確保するのが困難」などとして拒否したが、決定は「たんの吸引は、保育園に配置されている看護師で対応可能」と指摘した。

 仮の義務づけを求める訴えは、昨年4月に施行された改正行政事件訴訟法で新設された救済制度で、判決が出る前でも、回復不可能な損害を避けるために緊急の必要性がある場合には、行政に一定の処分を命じられる。

 26日午後、会見した鈴花ちゃんは「早くお友達とおもちゃで遊びたい」と笑顔を見せた。

          ◇

 決定を受け、東大和市は26日、鈴花ちゃんの受け入れを決めた。同市児童福祉課によると、市内15保育園のうち13園には看護師が1人ずつ常駐しているが、園児全員に目配りする必要があるため、新たに1人の看護師を確保する。

(2006年1月27日1時11分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060126i311.htm

ハンセン病補償法訴訟:国側、責任認め和解へ 元入所者に3000万円支払い [毎日]

 ◇ハンセン病施設・医療過誤控訴審

 国立ハンセン病療養所「多磨全生園」(東京都東村山市)で適切な医療を受けられず重い障害が残ったとして、元入所者の山下ミサ子さん(67)=仮名で提訴=が国に損害賠償を求めた訴訟の和解協議が12日、東京高裁(富越和厚裁判長)であり、国側が責任を認めて3000万円を支払うことで和解が成立することになった。国側は、全生園がハンセン病療養所として初めて第三者機関である財団法人「日本医療機能評価機構」の審査を受け、医療水準の向上を図ることにも合意した。31日に正式に成立する。

 1審・東京地裁判決(05年1月)は、山下さん側の請求通り国側に5000万円を支払うよう命じる判決を言い渡し、国側が控訴していた。賠償額は減額になるが、全生園が同機構の審査を受けることなどに国側が合意したため、山下さん側も和解案を受け入れた。【武本光政】

毎日新聞 2006年1月13日 東京朝刊
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/20060113ddm041040023000c.html

三重・ごみ燃料発電所の爆発で、15人を書類送検 [朝日]

2006年01月06日00時51分
 三重県桑名市(旧多度町)の三重ごみ固形燃料(RDF)発電所で03年8月、消火作業中のRDF貯蔵槽が爆発し、消防士2人が死亡するなど計7人が死傷した事故で、三重県警は5日、当時の同県企業庁長や維持管理を担当していた富士電機の責任者、桑名市消防本部消防長=肩書はいずれも当時=ら15人を、業務上過失致死傷の疑いで津地検に書類送検した。しかし、鑑定の結果、火種など爆発の直接原因を特定することはできなかった。

 書類送検されたのは三重県の浜田智生・元企業庁長(61)ら県関係者6人▽富士電機(現・富士電機システムズ、本社・東京都品川区)の責任者だった真中浩・元RDF発電プロジェクトゼネラルマネジャー(58)ら同社関係者5人▽桑名市消防本部の松下和夫・元消防長(64)ら同市消防関係者4人の計15人。

 県警捜査1課と桑名署の調べでは、浜田・県元企業庁長と富士電機の真中元マネジャーら計11人は、RDFが燃えやすく消えにくい性質であることを知りながら、発火したRDFから出た一酸化炭素(CO)が貯蔵槽内に充満し、爆発することを防止する業務上の注意義務を怠り、消防士2人を死亡させるなどした疑い。

 また、松下元消防長ら4人は、爆発の危険性を予見できたにもかかわらず、十分な安全措置をとらず、消火作業にあたる消防士2人を貯蔵槽(高さ約30メートル)の屋根に上らせて放水させるなどした疑い。
URL:http://www.asahi.com/national/update/0106/NGY200601050003.html

明石歩道橋事故、署長・副署長は「起訴相当」再議決 [読売]

 2001年7月、兵庫県明石市での「明石市民夏まつり」の来場者が歩道橋上で折り重なって転倒、死者11人を出した事故で、業務上過失致死傷容疑で書類送検され、嫌疑不十分で不起訴となった元明石署長(63)と元同署副署長(58)(いずれも退職)について、遺族からの申し立てで再審査していた神戸検察審査会は「雑踏事故が起きないと軽信し、十分な警備を怠った」として、再び「起訴相当」を議決した。

 2度の「起訴相当」はきわめて異例で、神戸地検の判断が注目される。

 この事故では、神戸地検が現場責任者だった元同署地域官ら5人を02年12月、業務上過失致死傷罪で起訴。元署長ら2人については不起訴としたが、遺族の申し立てで同審査会が昨年4月、「起訴相当」を議決。このため同地検が再捜査し、同9月、再度不起訴としたが、遺族が今年7月、再審査を申し立てていた。

 岩永建保・神戸地検次席の話「議決を重く受け止め、新たな捜査態勢を整え、適正に処理する所存です」

(2005年12月22日16時13分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20051222i111.htm
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