dunpoo @Wiki ■強度偽装事件Ⅰ

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■強度偽装事件Ⅱへ続く


耐震強度の再計算に自治体独自策 費用補助や無作為抽出 [朝日]

2005年12月16日17時03分
 耐震強度偽装問題を受けて構造計算書の再計算を進める、自治体独自の取り組みが広がっている。横浜市や福岡市などは市民が構造計算をやり直す場合に補助金を出す方針を決めた。大阪市は今後建設されるマンションの一部で構造計算の抽出調査もする。

 「住民の不安を解消したい」。横浜市の担当者は話す。市は、市内の分譲マンションの管理組合が構造計算書を再計算する場合、費用の一部を補助することを決めた。

 横浜市内にある分譲マンションは約8000棟。市は来年6月までに約100件の利用を見込んでいたが、15日午前中だけで約100件の問い合わせがあった。

 再計算は外部の建築士団体に委託する。

 福岡市や大阪市も国庫補助制度を使って、構造計算書を再計算する費用の3分の2を公費補助する制度をめざしている。

 大阪市は13日、新たに新築される分譲マンションを無作為抽出し、構造計算書を再計算する制度をつくる方針を明らかにした。市内では年約160棟のマンションが新築されている。現制度では構造計算書の再計算は不要だが、市は一定の割合で構造計算書を抜き出し、再計算して偽造の有無を確かめる。「抑止効果を期待する」(同市住宅局)狙いだ。

 長野県内ではホテル3軒で偽装が判明し、うち2軒は県が建築確認していた。県は今月1日から過去3年間に県が建築確認した3階建て以上の建物約200棟の構造計算書の再計算を始めた。

 岐阜県や愛知県は今後、県に確認申請が出た建物について再計算を審査手続きの中に盛り込む方針だ。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/1216/006.html

家賃3分の2を2年助成 耐震偽装で国交省が退去促進策 [朝日]

2005年12月16日16時51分
 耐震強度偽装問題で、国土交通省は16日、耐震強度が基準の0.5に満たない分譲マンション10棟に住む人たちの引っ越しを促すため、家賃補助などに関する基本方針を示した。国と地方自治体が移転先の家賃の3分の2を2年間助成するなどの内容で、費用の45%を国が、残りを自治体が負担する。

 対象となるのは耐震強度が0.15だったグランドステージ藤沢(神奈川県藤沢市)など10棟の居住者。

 基本方針は、家賃の月額3分の2を助成▽助成対象となる家賃の上限は15万円▽助成期間は原則として2年間――などとしている。敷金については自己負担とした。ただし、東京都中央区は家賃の水準が高いとして、上限を20万円とする。

 引っ越し費用については、25万円を上限に実費を助成するが、年末の割増料金になった場合、限度額を上回っても負担を検討するという。

 国交省はこうした方針を示したうえで、マンション所在地の自治体に、居住者の退去を速やかに進めるよう通知した。あわせて、賃貸を含めた14件のマンションに対し、まだ建築基準法に基づく建物の使用禁止命令を出していない自治体には、早急に命令を出すよう指示した。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/1216/005.html

国交省、総研から聴取へ 関与した全ホテルの強度確認 [朝日]

2005年12月16日08時48分
 マンションなどの耐震強度偽装問題で、国土交通省は、コンサルタント会社「総合経営研究所」(東京都千代田区、内河健所長)について、年内に任意で事情を聴く方針を固めた。総研が開業指導したホテルのうち、姉歯秀次元建築士が関与した24棟(13日現在)で耐震強度の偽装が発覚。国交省は、総研がかかわったホテル全棟の耐震強度を確認する必要があると判断した。

 14日の衆院の証人喚問で、ホテル建設に際し総研幹部が鉄筋量削減を指示したとされるメモが判明。木村建設の木村盛好社長が「子会社の平成設計は総研の指示で動いていた」と証言した。一連の偽装問題の背後に、総研の関与があった疑いが指摘されている。

 総研が手がけたホテルは計238棟。国交省は、姉歯元建築士や木村建設がかかわっていない172棟に関する情報提供などを求める。

 総研は建築士事務所としては登録しておらず、建設業の免許もない。建築士法や建設業法に基づく監督指導の対象でないが、国交省は強度が偽装された建物がほかにもあった場合、近隣住民や宿泊客の安全にかかわりかねないとして、法令に基づかず、任意で事情を聴き、情報提供を求めることにした。

 総研が関与したホテルのうち、姉歯元建築士や木村建設が携わった66棟については、すでに各自治体に偽装の有無を確認するよう求めている。
URL:http://www.asahi.com/national/update/1216/TKY200512150453.html

平成設計の破産手続きを開始…東京地裁 [読売]

 マンションなどの耐震強度偽装問題で、東京地裁は、「木村建設」(熊本県八代市、破産手続き中)の子会社「平成設計」(東京都千代田区)の破産申し立てについて、破産手続きを開始する決定をし、破産管財人に加々美博久弁護士(東京弁護士会所属)を選任した。

 決定は14日付。来年5月17日、同地裁で債権者集会が開かれる。
(2005年12月15日20時48分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20051215i113.htm

3都県警、告発以外も捜査へ 偽装問題、対象拡大し全容解明  [産経]

 耐震強度偽装問題で警視庁と千葉、神奈川両県警の合同捜査本部は15日、国土交通省が建築基準法違反罪で告発した都内の4物件以外の物件についても捜査する方針を固めた。耐震強度が本来必要な水準の15%しかなく、震度5弱で倒壊の恐れがある神奈川県藤沢市のヒューザーのマンション「グランドステージ藤沢」などが対象になる。

 合同捜査本部は、重点捜査対象としている木村建設やヒューザーと、他の設計会社や建築主との関係など複雑に絡み合った偽装の構図の全容を解明するには、捜査対象の物件を拡充する必要があると判断した。国交省が当初告発の意向だった設計6社のうち、告発物件に関係していない下河辺建築設計事務所や森田設計事務所に加え、総合経営研究所や平成設計が関与した物件を念頭に入れている。

 また、東日本住宅が建築主のマンションなどの物件を対象にするかも検討を進めている。東日本住宅は、偽装問題発覚前に伊藤公介元国土庁長官が国交省担当課長をヒューザーの小嶋進社長(52)に引き合わせた際に社長が同席していた。

 「グランドステージ藤沢」については、偽装の疑いを察知しながら、入居者に伝えずに部屋を引き渡した可能性があり、合同捜査本部は、顧客への重要事項の説明を義務付けた宅地建物取引業法(宅建業法)違反の疑いなどで捜査する方針。

 関係者によると、「藤沢」の部屋の引き渡しは10月28日で、ヒューザーは前日に、民間確認検査機関イーホームズなどと、姉歯秀次・元建築士(48)の物件の耐震強度に問題があったと協議をしていたという。
【2005/12/16 東京朝刊から】


木村建設施工のホテル、姉歯以外の9棟も鉄筋量不足か [読売]

 耐震強度偽装問題で、「木村建設」(熊本県八代市、破産手続き中)が施工したホテルのうち、姉歯秀次・元1級建築士(48)が構造計算に関与していない9棟のホテルで、鉄筋使用量が「姉歯物件」並みに少ない可能性があるとして、国土交通省は15日、実態解明に乗り出した。

 木村建設が施工した物件の構造計算は、姉歯元建築士以外、特定の2、3社に集中していることから、同省では、木村建設関係者からの聴取と並行して、これらを含む設計事務所数社からも事情を聞く。

 ホテル9棟の強度不足の疑いは、14日の衆院国土交通委員会で証人喚問された木村建設の篠塚明・元東京支店長(45)が提出した内部資料から浮上した。1996年12月~04年11月にかけて着工したとする31棟のホテルの「積算対比表」で、各ホテルの階数や床面積などのほか、1平方メートル当たりのコンクリート使用量や鉄筋量を記載している。

 個々のホテル名と、姉歯事務所以外の構造設計担当者名は黒塗りされているが、姉歯元建築士が構造設計した14棟は、1平方メートル当たりの鉄筋量が59・2~102・5キロで、大半が70キロ以下だった。

 これに対し、姉歯事務所以外が構造設計を担当し、すでに完成しているホテルは14棟。このうち、98年11月に着工したとされるホテルなど2棟の鉄筋量は、最も鉄筋量の少なかった「姉歯物件」を下回っていた。

 構造設計の専門家によると、10階建て程度のホテルであれば、通常、鉄筋量は1平方メートルあたり90~110キロなければならず、「70キロ以下は常識外の数字」だとしている。

 14日の証人喚問で篠塚元支店長は、「鉄筋量などのコストダウンは姉歯元建築士以外にも求めていた」「会社として1平方メートル当たり70キロ以下でやってもらっている」などと証言。この証言通り、積算対比表では、鉄筋量が70キロ以下で、建築基準法の定める耐震強度を下回る可能性のあるホテルが、「姉歯物件」以外にも9棟列挙されていた。

 同省では、木村建設が施工し、姉歯元建築士の関与が不明な169棟をリストアップし、関係自治体を通じて耐震強度不足の建物がないか調査している。当初、調査結果の報告期限は今月26日としていたが、「対比表」に挙げられたホテルの特定を急ぎ、耐震強度が不足していないか、緊急調査することにした。同省幹部は「実際に耐震強度不足のホテルが建っていたら、大変な事態。実態解明を急ぎたい」としている。

(2005年12月16日8時39分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20051216i101.htm

マンション住民が再建案 容積率増やし売却益 [朝日]

2005年12月13日22時35分
 建物の強度偽装問題で建築基準法に基づく使用禁止命令が出た川崎市川崎区の分譲マンション「グランドステージ川崎大師」(23戸)の住民が、住民主体の早期建て替え案をまとめた。9階建てのまま容積率(敷地に対する延べ床面積の割合)を増やし、新たに生じたスペースの売却益を活用して「原則2年以内の建て替え」をめざす。13日、この案をもとに、建て替えへの支援を求める要望書を阿部孝夫市長あてに出した。

 住民の案によると、現在300%の容積率を400~500%にし、階数・高さと居住者23戸の床面積は変えず、増えた容積率の分の空間を売却。市などの助成金と合わせ、建て替えにかかる諸費用に充てる。新たなスペースの使い道として、高齢者向け賃貸住宅や保育所、図書館などを提案している。

 容積率は都市計画の規制があるため、指定変更か、敷地内に歩行者が日常利用できる空間を作って容積率を増やす「総合設計制度」の利用を想定している。市まちづくり局は「この建物の土地だけを特例として指定変更するのは周辺との兼ね合いもあって不可能。総合設計制度を中心に検討する」としている。

 住民側はこのほか、建築主のヒューザーや施工した太平工業などを市の要請で呼び、住民説明会を開くよう要望した。鈴木真生副市長は「関係企業に誠意ある対応をするよう早急に働きかける」などと応じた。
URL:http://www.asahi.com/life/update/1213/011.html

マンション構造計算、無作為で抽出検査 大阪市が表明 [朝日]

2005年12月14日03時01分
 関東を中心に全国的な広がりを見せる耐震強度偽装問題を受け、大阪市は13日、新たに市内で建設される分譲マンションの一部について、民間機関に委託して、構造計算をし直す方針を明らかにした。改ざんが確認されれば、着工済みでも工事停止命令などの行政処分を科す。すでに建設された分譲マンションで、管理組合などが耐震診断をする場合、国と協力して費用を補助する制度も創設する。

 関淳一市長が、この日の市議会の委員会で表明した。市によると、いずれも全国の自治体で初の試みだという。

 構造計算をし直す対象は分譲マンションのみで、民間の指定確認検査機関が検査したものも含め、無作為に抽出した一部の物件について、1件当たり約100万円をかけて再計算する。

 建築基準法上は、建築確認に当たって、構造計算のやり直しは求められていない。申請から21日以内に審査を終える必要もあり、外形的な点検のみですまされてきた。市は予算や人員の制約からすべての物件の再計算は難しいとしているが、無作為の抽出検査で「偽装を抑止する効果が期待できる」としている。

 また、建設済みの分譲マンションについても、老朽化した建物を対象に国と自治体が費用の3分の1ずつ(限度額は国、自治体各100万円)を補助する国の「住宅・建築物耐震改修等事業」を活用し、耐震診断の費用を補助する制度をつくる。同事業の活用は政府が6日に決めた耐震強度偽装問題に対する当面の対応策のひとつに盛り込まれていた。

 大阪市は現時点で姉歯秀次元建築士による最初の偽造が確認された99年以降に建設された約1400件を補助の対象とする方針だ。

 大阪市内で耐震強度の偽装が確認されたのは、姉歯建築設計事務所が構造計算をした同市淀川区のビジネスホテル1件だけ。ただ、市はいったん同ホテルの「安全宣言」を出した後、ホテル側の再調査で偽装が判明した経緯を反省し、一連の対応策を決めた。
URL:http://www.asahi.com/life/update/1214/001.html

耐震偽造:鉄筋減らしコスト抑制、総研方式 衆院証人喚問 [毎日]

 耐震データ偽造問題をめぐり14日行われた衆院国土交通委員会の証人喚問。過去2回の参考人招致を含めて、姉歯秀次・元1級建築士(48)以外の関係者は、いずれも偽造への関与を否定した。国会での追及も真相解明にはほど遠い内容に終わったが、鉄筋を減らして建築コストを抑える経営コンサルタント「総合経営研究所(総研)」方式が偽造の背景に浮かび上がる。【大平誠】

 ◇木村建設が「広告塔」に

 「鉄筋を減らせと言われ続けた」。この日の証人喚問で、姉歯元建築士は、木村建設の篠塚明・元東京支店長から、物件の一覧表をもとに、1平方メートル当たり20キロもの鉄筋の低減を迫られた模様を証言した。

 11月24日の国土交通省の聴聞会でも語られた言葉は、偽造の背景に、コスト削減に直結する鉄筋量減らしが隠されていることを示している。そして、証人喚問や関係者の話などから見えてくるのが、その「頂点」に位置しているのが総研という実態だ。

 71年の設立以来、総研が開業指導したビジネスホテルは238棟に上る。総研がこだわるのは、通常のビジネスホテルやマンションでは70万~80万円程度の建設費の坪(3.3平方メートル)単価を55万円に抑えることだった。

 総研の内河健社長(71)は証人喚問では、海外から輸入した大型型枠を使った工期短縮工法を紹介し、「経済設計」のポイントがスピードにあることを強調した。しかし、実際には内河社長自ら経営指導先の中小ゼネコンに鉄筋量削減を推奨し、幹部が1平方メートル当たりの鉄筋量を3割以上も減らすよう設計会社に要求するなど、鉄筋減らしに異常なこだわりをみせてきた。

 総研の指導先ゼネコンは約300社で、うち160社は海外工法や輸入資材を導入できる「SG会」として登録されている。SGは「総研グループ」からとった。1級建築士など約10人のコンサルタントが担当の指導先を割り振られているが、筆頭格の木村建設は内河社長自らが直接指導してきた。

 証人喚問では、99年以降に総研が関与した75棟のホテルのうち、30棟を木村建設が手がけていたことも明らかにされた。関係者は「木村建設は、“優等生”として、他の会員に輸入型枠などを売りつける広告塔だった」と打ち明ける。

 木村建設のホテル事業部は本店直属で全国展開しており、関係者は「ホテル以外で業績を伸ばす必要があった東京支店は、マンション建設受注を伸ばそうと必死になっていた」と話す。

 一方、マンションの建築主の不動産販売会社「ヒューザー」(小嶋進社長)は97年に「グランドステージ」シリーズの展開を始め、同支店とのつながりを深めた。

 「広くて安価な」マンション提供を売りにしていたヒューザーも、建設費の坪単価を45万円に抑えることにこだわり、99年以降6年連続で業界トップの供給面積を達成した。姉歯氏が初めて同シリーズの構造計算を手がけたのは12棟目。証人喚問で初めての偽造と証言した「グランドステージ池上」(99年完工、9階24戸)だ。

 総研方式の鉄筋減らしをマンションルートで実践した木村建設の東京支店。篠塚元支店長はこれ以降、架空請求書の提供という形で姉歯元建築士を巻き込み、本社からの裏金づくりに手を染めていった。

 ◇偽造素通り、浮き彫りに

 この日の証人喚問で改めて問われるのは、偽造の構造計算書を見逃した民間指定確認検査機関や特定行政庁の責任だ。国交省調べでは、既に偽造物件は17都府県71棟にまで拡大している。

 姉歯氏も証人喚問で「(偽造の手口が単純で)構造のプロが見れば、すぐにばれると思っていた」と証言した。33物件の偽造を見逃していた「イーホームズ」をはじめ、官民の機関とも「偽造は複雑」などと口をそろえるが、ザルのように偽造を素通りさせていた実態は看過できない。

 西日本のある民間確認検査機関は「はっきり言って、行政よりも民間の方がレベルが高い。どの機関も行政OBの天下りを受け入れているが、建築主事の資格だけ取って10年以上実際の確認審査をしていない人もごろごろいる」と打ち明ける。

 <総合経営研究所(総研)>

 1956年に個人で経営コンサルタント業を始めた内河健氏が71年に設立した。本社は東京都千代田区で、従業員約25人。経営指導をする中小ゼネコン会員に、ビジネスホテルを施工させ、ホテルオーナーからは開業指導料を徴収している。民間調査機関によると、毎年3億~5億円の経常利益を確保。直営の4ホテルや木村建設東京支店が入る新宿区のビルを含め全国に多数の土地・建物を所有している。平成設計や建築資材輸入商社などでグループ企業を形成する。


耐震偽造:木村・総研「全然知らない」、姉歯氏と矛盾 [毎日]

 「圧力をかけてない」「全然知らない」--。耐震データ偽造問題を巡り、14日午後も続いた衆院国土交通委員会の証人喚問。経営コンサルタント「総合経営研究所(総研)」の内河健社長(71)と施工者の木村建設側からは、姉歯秀次・元1級建築士(48)に偽造するよう圧力をかけたことや、関与を否定する言葉ばかりが続いた。偽造を認めた姉歯氏の証言と矛盾する発言が繰り返されるたびに、退去を迫られたマンションの住民からは怒りの声が上がった。【西脇真一、青島顕、篠原成行】

 コンサルタントとして講演慣れした内河氏は、よく通る関西弁で「応戦」。委員から、内河氏が会員企業に配布する直筆の「月報」の中で「鉄筋の量を減らせば安くなる、と指導している」と指摘されると、語気を強め「『減っていたら』と書いているだけで『減らせ』とは書いていない」と反論した。

 ホテルとマンションの2ルートで被害が拡大した責任を問われると、総研として木村建設の分譲マンション建設には反対していた話を披露。「マンションルートについて知らない。どうにかしてくれと言われるのは大変心外だ」と応じた。

 しかし、総研が「鉄筋を3分の1に減らせ」と設計会社に出した指示文書を馬淵澄夫委員(民主)が頭上に掲げると、強気な発言が影を潜めた。「その件については、全然知りません」。青ざめた表情で、そう言うのがやっとだった。

 一方、木村建設の篠塚明取締役(45)=元東京支店長=もあいまいな態度に終始した。「自分はコストの抑え役」「『もう少し何とかならんか』と言ったことはある」と話したものの、耐震データの偽造に関して姉歯氏に圧力をかけたことは否定。姉歯氏から「『構造事務所はほかにある』と篠塚さんから言われた」と指摘された点についても「『プレッシャーになった』というのは(意味が)分からない」。さらに「確認機関を通ったものを疑いようがない」とまで言い切った。

 木村建設の木村盛好社長(73)は委員の質問に「耳が遠いので聞こえません」と繰り返した。偽造に関与したかと問われても「偽造?」とつぶやくだけ。唯一冗舌になったのは、倒産の経緯を聞かれた時。「42年間つきあったメーンバンクがこんな非情なことができるのか」と銀行の対応に怒りが収まらない様子。最後に心境を問われ「あとは死ぬだけです」。

 午前中に証言した姉歯氏も偽造の内容について問われると「プロが図面を見れば明確に(偽造が)分かる」「すぐにばれると思った」とまるで人ごとのように開き直り、責任転嫁に終始した。

 ◇総研 ブローカー使い営業

 また、この日の証人喚問で「サンホテル奈良」の営業にかかわった地元紡績業者が、総研の「開発事業部」の名刺でホテルオーナーらに営業をかけ、施工の木村建設から建築費の3%がキックバックされていたことが分かった。さらに、総研の内河社長は、同様の不動産ブローカーが全国に5~6人存在し、総研グループの一員として土地確保など新規ホテルの建設などに協力させている実態を認めた。

毎日新聞 2005年12月15日 1時07分 (最終更新時間 12月15日 2時28分)
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20051215k0000m040156000c.html

「木村建設が偽装指示」姉歯元建築士…元支店長は否定 [読売]

耐震強度偽装問題で、衆院国土交通委員会は14日、構造計算書を改ざんした姉歯秀次・元1級建築士(48)らに対する証人喚問を行った。

 姉歯元建築士は、改ざんは1998年ごろの分譲マンション「グランドステージ池上」(東京都大田区)が最初で、「木村建設」(熊本県八代市、破産手続き中)の篠塚明・元東京支店長(45)から、「『予算が合わないから鉄筋を減らせ』と言われた」と説明。「これ以上、鉄筋を減らすのは無理だと伝え、法律に触れるという意味合いのことも言ったので、篠塚元支店長は(違法性を)十分認識していたと思う」と証言した。

 これに対し、篠塚元支店長は午後1時から再開された証人喚問で、「鉄筋を減らすよう強く圧力をかけた認識はない」と証言し、強度偽装の指示を否定した。

 篠塚元支店長側からの具体的な指示について、姉歯元建築士は、「毎回ではないが、一覧表を示され、通常は1平方メートルあたり80~100キロのところを60キロ(に落とせ)と具体的な数字を挙げられたことがある」と証言。「仕事の90%が木村建設で、仕事がなくなると生活できなくなるという葛藤(かっとう)があった。弱い自分がいてやめられなかった」と偽装を続けてきた心境を述べ、強度偽装をした物件の数は「60件前後だったと思う」と話した。

 自らの偽装の手口については、「自分で独自に考えた」が、「構造のプロであればすぐわかるもの」と証言。とくに、千葉県船橋市に建設中のマンションについては「指定確認検査機関に出せばすぐばれると思った」と述べた。このマンションは約30棟の偽装を見逃した「イーホームズ」(東京都新宿区)が建築確認をしており、同社の審査について「明らかに審査が通りやすいというか、見てないと思った」と述べた。

(2005年12月14日13時45分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20051214it03.htm

「何度も無理と伝えた」姉歯元建築士、国会で弁明 [読売]

 「1級建築士としての誇りはあったが、弱い自分がいた」――姉歯秀次・元1級建築士(48)は、耐震強度偽装に初めて手を染めた時の心境を、そう淡々と語った。

 問題発覚から約1か月、14日の国会証人喚問に姿を現した姉歯元建築士は、施工会社からの強い圧力を受け、生活のため構造計算書の改ざんを思いついたと弁明した。

 一方、ようやく手に入れたマイホームから転居を迫られているマンション住民らは、“核心を知る人物”の一言一句を見守った。

 ■プレッシャー

 「マンション住民の方々、国民の皆様、関係各位に迷惑をかけたと反省しています。大変、申し訳ありませんでした」

 ダークスーツに、証人であることを示す緑色のリボンをつけた姉歯元建築士は、衆院第1委員室の証人台で深く頭を下げた。

 問題発覚翌日の11月18日に報道陣の前に姿を現した時と同様、その表情からは感情が読みとれない。各委員らの質問に対しては、こっくりとうなずき、淡々と答えていく。

 耐震強度偽装を始めた理由を問われ、生活のためだと説明した。

 最初に偽装を行ったのは1998年ごろの「グランドステージ池上」(東京都大田区、24戸)。施工していた「木村建設」(熊本県八代市、破産手続き中)の篠塚明・元東京支店長(45)から強いプレッシャーを受け、「鉄筋量を減らさなければ、仕事を一切出せない」「構造事務所はおまえのところだけではない」と追い詰められた。

 1級建築士としての誇りもあった。だが、「仕事の90%を木村建設から請け負っていたので、なくなれば生活ができない状態」「病気がちの妻が入退院を繰り返しており、仕事を断られると収入がゼロになるということ」と、当時の苦しい状況を強調した。

 「絶対やってはいけないことと分かっていたが、弱い自分がいた」

 姉歯元建築士自身はもちろん、偽装の違法性は認識していたが、篠塚元支店長についても「プロが図面を見れば分かるはず」「何度も無理ですよと伝えた」と証言。違法を承知で鉄筋減らしを指示されたことを示唆した。

 これに対し篠塚元支店長は午後からの質疑で、「強く圧力をかけたという認識はない」と反論した。

 ■接点

 質疑では、強度偽装が明らかになったホテルの多くに関与したコンサルタント会社「総合経営研究所(総研)」(東京都千代田区)のセミナーで講師を務めたことが明らかになった。

 テーマは「コストダウン」で、1時間程度話したという。元請け設計会社「平成設計」(千代田区)の先代社長の通夜か葬儀の際に、総研の内河健所長(71)と顔を合わせていたが、名刺は交換せずにすれ違った程度だったという。

 また、開発会社「ヒューザー」(千代田区)からは、直接的な鉄筋減らしの圧力はなかったものの、木村建設を通し、坪単価などの指示があったという。

 一方、偽装を見逃していた民間の指定確認検査機関「イーホームズ」(新宿区)。その審査ぶりについて、姉歯元建築士が「明らかに審査が通りやすいというか、見ていないというのが実情」とそっけなく言い切ると、委員の間からも苦笑の声が漏れた。
(後略)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20051214i105.htm

耐震偽造:問題物件は17都府県70棟に 国交省確認 [毎日]

 国土交通省は13日、構造計算書が改ざんされた物件が、17都府県70棟に達したと発表した。増加した5棟はいずれも自治体などが既に発表している。同省が姉歯秀次元1級建築士関連と把握しているのは、東京都の1件が加わって209件に上り、このうち震度5強で倒壊する恐れがある建築物は少なくとも20棟になった。

 新たに改ざんが確認されたのは、分譲マンションが東京都世田谷区の「グランドステージ千歳烏山」(耐震強度0.34)▽練馬区の「ロセット江古田」(同1.0以上)▽日野市の「グランドステージ豊田」(同不明)▽川崎市の「グランドステージ溝の口」(同0.39)。ホテルが静岡県掛川市の「くれたけイン掛川」(同不明)。【長谷川豊】

毎日新聞 2005年12月13日 11時38分 (最終更新時間 12月13日 13時49分)
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20051213k0000e040047000c.html

耐震偽造:総研の「上納方式」判明 赤字は施工業者が負担 [毎日]

 耐震データ偽造問題で、経営コンサルタント「総合経営研究所」(総研)=東京都千代田区、内河健社長(71)=が開業指導したビジネスホテルは、建築費が請負金額を上回った場合、施工業者が赤字分を負担する仕組みだったことが、関係者の証言で分かった。オーナーから取るコンサルタント料や、施工業者などからのキックバック率は変わらないため、総研は損をすることはないという。問題物件の設計を主導してきた総研の「上納方式」が明らかになった。

 こうした徹底的なコストダウンの流れが、鉄筋量を少なくするなどの耐震データを偽造した姉歯秀次・元1級建築士(48)を生む背景になったとみられる。

 事業計画書などによると、総研は、建築費を全国一律で坪単価55万円に決め、うち4%を設計料と設定。オーナーからのコンサルタント料は部屋数に応じ、110~150室で3000万~3500万円程度にしていた。これに加え、施工業者からは建築費の3%、設計業者からは設計料の25%を「総研指導料」などの名目でキックバックさせていた。

 関係者によると、軟弱地盤で基礎工事費が上がる場合などでも、この坪単価は変動せず、実際にかかる建築費が、施工業者が請け負った金額を上回った場合、施工業者が赤字分を負担していた。関係者は「赤字があっても、もうけの出る物件をたまに紹介してくれるため、付き合いをやめられない」と話す。また別の関係者は「どんな場合でもキックバック率は変わらず、総研は絶対損をしない仕組み」と証言した。

 今年11月に開業したサンホテル奈良(約180室、休業中)では、総研がオーナーから受け取ったコンサルタント料は4600万円。建築費6億3333万円の4%を、平成設計(千代田区)と木村建設から徴収したと、衆院国土交通委員会でも指摘されている。

 総研側は「坪単価は55万~58万円だが、損をしてまでゼネコンが仕事を受けるはずはない。キックバックなども一切ない」などと話している。【吉永磨美、鈴木梢、西脇真一】

毎日新聞 2005年12月13日 15時00分
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20051213k0000e040080000c.html

イーホームズ、再点検でも見逃す…偽装なしと区に報告 [読売]

 東京都練馬区は9日、同区栄町に昨年4月に完成した分譲マンション「ROSSET江古田」(5階建て、23戸)で、姉歯秀次・元1級建築士(48)が担当した構造計算書に改ざんが見つかったと発表した。

 この物件の建築確認をした民間の指定確認検査機関「イーホームズ」(新宿区)は、偽装問題発覚後、練馬区の求めで構造計算書を再チェックしたが、この際も見抜けず「偽装はない」と区側に報告していた。

 構造計算書などの不自然さは区の担当者が一目で気づくものだったといい、同社は2度にわたり、やすやすと偽装を見逃していたことになる。

 練馬区によると、このマンションは姉歯元建築士の偽装により、柱や梁(はり)の鉄筋量が少なかったり細かったりする部分が二十数か所あった。震度6強程度の地震でも倒壊する恐れはないが、補強が必要だという。

 イーホームズはこの構造計算書の改ざんを見抜けず、2003年5月に建築確認を出していた。

 ところが11月17日に姉歯元建築士による耐震強度偽装が発覚したため、練馬区は同日、イーホームズに対し強度偽装の有無を再調査するよう指示した。4日後の21日、イーホームズは「偽装はない」と区側に回答した。

 しかし、イーホームズの再調査の信ぴょう性が低いと判断した区が、同社から構造計算書などを取り寄せ、区の担当者が書類を調査したところ、すぐに疑問点が見つかったという。

 まず構造計算書のなかで、平常時に梁にかかる力が、本来の半分の数値を示す「0・5」という数字にすり替えられていた。さらに建物全体の構造図を見ると、梁の太さは不自然に細いと分かるものだった。

 区では、元請け設計者の井上建築企画研究所(渋谷区)に構造計算書の再計算を依頼。姉歯元建築士と同じソフトで、同じ数値を入力して再計算した結果、偽装が判明した。

 区の担当者は「イーホームズは本来、建築確認の際に気付くべき偽装だったのに……。もう少ししっかりやってほしかった」とあきれかえっている。

 イーホームズによると、区から再チェックを指示された際、同社の構造担当者が改めて計算書の内容を点検したが異常に気付かず、再計算はしていなかったという。

 イーホームズ危機管理室は「再計算をしてみないとわからない部分が巧妙に改ざんされていたため、見つけられなかった」と説明している。

(2005年12月10日3時10分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20051210ic03.htm

耐震強度偽装 見逃した自治体“尋問” [東京]

 耐震強度偽装事件で国土交通省は九日、自治体の建築確認業務を点検するため、構造計算書の偽造を見逃した自治体からヒアリングすることを決めた。建築確認を代行する民間の全検査機関への立ち入り検査は八日から始まったが、本来、民間を監督する立場の自治体に対して立ち入り検査を行うシステムはない。このため、ヒアリング形式として、偽造を見逃した自治体の審査を検証することになった。年内にも順次実施する。 

 国交省が八日現在で把握する姉歯秀次元一級建築士(48)による構造計算書の偽造件数は、少なくとも六十二棟。このうち偽造を見逃した民間の検査機関は六機関(計四十二棟)なのに対し、自治体は十四(計二十棟)に上る。

 民間は「イーホームズ」(三十棟)と「日本ERI」(七棟)に集中しているが、自治体は愛知県(四棟)を筆頭に、広範囲で偽造が見つかり始めている。国交省は「特定の自治体の問題ではなく、行政全体の課題」として自治体側の審査状況を調べることにした。

 具体的には、偽造手口や改ざん数値の項目、審査人員や審査期間、偽造を見落とした理由などを担当者らに聞いて分析。各自治体が共有できる偽造防止のマニュアルやノウハウに生かす。

 今後は先進的な審査に取り組む自治体の担当者や構造設計の専門家、計算書を解析するコンピューターソフトの技術者らを講師に研修制度などをつくり、行政全体の建築確認審査水準の底上げも図る。

 今回の偽装事件は、住民側が“証拠”となる構造計算書を持っていたことも特徴。二〇〇一年施行のマンション管理適正化法で、構造計算書などを管理組合に交付することが売り主に義務づけられたためだ。

 住民側が持つ構造計算書を専門家が分析。偽造手口の解明や、住民の理解を促進した面があることから、国交省は同様に、建築確認の中間検査の添付書類を管理組合などに交付できるよう、省令の改正を検討している。

 お断り これまで「耐震強度偽造事件」と表記してきましたが、今後、「耐震強度偽装事件」と変更します。「偽造」の表現を使用してきた国土交通省と捜査当局が、いずれも「偽装」に切り替えたためです。
URL:http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20051209/eve_____sya_____001.shtml

藤沢のマンション、「震度5弱」で倒壊の恐れ [読売]

 耐震強度偽装問題で、神奈川県藤沢市は8日、姉歯秀次・元1級建築士(48)が構造計算を担当し、これまで震度5強の地震で倒壊の恐れがあるとされてきたマンション「グランドステージ藤沢」について、耐震強度は最も弱いところで基準の15%しかなく、震度5弱でも倒壊する恐れがあることが新たにわかったと発表した。

 これまでに偽装が判明している物件の中で、最も強度が低い。同市は、建築基準法に基づく使用禁止の仮命令を出す方針だ。

 一方、東京都港区の道路舗装大手「世紀東急工業」は8日、同社が1999年に建設した東京都小金井市の賃貸マンション「アーバン武蔵小金井」で、耐震強度の偽装が見つかったと発表。耐震強度は、建築基準法の求める53%しかなかった。これまでの調査対象とされた208棟の中には含まれておらず、偽装判明分では最も古い「姉歯物件」。補修により対応可能で、同社は、住民たちに25日までに退去するよう求める。

 さらに、和歌山市も8日、姉歯元建築士が構造計算した市内のビジネスホテル「サンホテル和歌山」について、「偽装が見つかり、震度6弱の地震で倒壊の恐れがある」と発表した。

(2005年12月8日23時18分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20051208i415.htm

森派、「ヒューザー」からの献金を全額返還 [読売]

 自民党森派の政治団体「清和政策研究会」は8日、耐震強度の偽装が発覚したマンションの開発会社「ヒューザー」などから受け取った政治献金やパーティー券購入代金計660万円を全額返還した。

 森派事務局が関係企業などの銀行口座に入金した。

(2005年12月9日0時11分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20051208ic29.htm

耐震偽装 「総研」関与解明へ 京王電鉄捜索を突破口に [産経]

 耐震強度偽装問題で警視庁など合同捜査本部は八日、偽装ホテルの多くでコンサルタントを務めた「総合経営研究所」(東京)の関与解明に乗り出す方針を固めた。このため私鉄大手「京王電鉄」を建築基準法違反容疑で捜索する方針だ。京王は告発対象四棟で唯一のホテルの建築主。「ヒューザー」(東京)など「マンションルート」に加え、京王の捜索を突破口に「ホテルルート」の解明を進め、姉歯秀次元建築士(48)の偽装を誘発した組織的構図を追及する。京王電鉄はビジネスホテルチェーンを展開。告発対象となった「京王プレッソイン茅場町」(東京)の建築主だ。

 「京王プレッソイン」では茅場町に加え五反田と池袋の三棟で偽装が発覚。京王は神田と東銀座の二棟で総研のコンサルティングを受け、「木村建設」(熊本、破産)とその子会社「平成設計」(東京)を紹介された。木村、平成はその後、茅場町と五反田、池袋で設計、施工にあたった。

 合同捜査本部では総研と平成設計、木村建設は「一体」との見方を強めており、告発物件のうち総研につながる京王の立場を重視。京王の捜索を通じ、総研のコストダウン商法と偽装の関係について解明を図る方針だ。

 また、衆院国土交通委員会で社長が参考人招致されたヒューザーと「シノケン」(福岡)は、告発対象の四物件のうち、残るマンション三棟の建築主。

 合同捜査本部は、関係する一部企業については関与の度合いを考慮し、任意で捜査を進める考えだが、開発の「全責任」を負う建築主については重点的に追及する方針を確認。京王についても、ヒューザーやシノケンと同様に強制捜査の対象とする必要があるとの判断も働いたとみられる。
URL:http://www.sankei.co.jp/news/morning/09iti003.htm

耐震偽造:国交省が日本ERIに立ち入り検査 [毎日]

国土交通省は8日、姉歯元建築士が偽造した構造計算書を見逃していた国指定の民間確認検査機関「日本ERI」(東京都港区)への立ち入り検査を始めた。同省と地方自治体は今年中に全国の検査機関に立ち入ることを決めており、従来の検査では確認していなかった具体的な構造計算書の中身を総点検し、審査の問題点を洗い出す方針。

 日本ERIを巡っては、約1年半前にも、姉歯元建築士が構造計算を行った図面に問題があるという指摘を受けたことが分かっている。同社の鈴木崇英社長は7日の衆院国交委員会で「当時の担当者は偽造とは気づかず、社内でも上に伝わらなかった」と釈明した。

 同社は今回、偽造が発覚した62棟中7棟の建築確認を行っていた。この日は同省の担当官ら12人が帳簿の整備状況などに加えて、構造計算書を抽出し、中身の点検作業に入った。

 偽造問題では、確認検査機関に対する国の監督が不十分だったと指摘されており、国交省は9日以降も、既に入ったイーホームズを除く東日本住宅評価センターなど国指定の残る検査機関48社に立ち入ることを決めている。また都道府県もそれぞれが指定した全検査機関に立ち入る方針。

 一方、日本ERIは「立ち入り検査に全面的に協力することで、民間指定確認検査機関としての信頼を取り戻す出発点としたい」とするコメントを出した。
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20051208k0000e040063000c.html

耐震偽造:「見過ごし」経緯に質疑集中 衆院国交委員会 [毎日]


衆院国土交通委で答弁するため挙手する日本ERIの鈴木社長(右)とイーホームズの藤田社長=国会内で7日午後3時10分、川田雅浩写す 検査機関の「見過ごし」経緯に質疑は集中--。7日あった衆院国土交通委員会。国の指定確認検査機関である「イーホームズ」(東京都新宿区)と「日本ERI」(港区)の両社長が参考人として証言したが、いずれも現状の検査では、偽造を見抜けない状況であるとの主張を繰り返しただけだった。

 質疑では、偽造を告発した「アトラス設計」(渋谷区)の渡辺朋幸社長が昨年4月、日本ERIの担当者に「姉歯建築士の図面のおかしさを指摘した」と改めて証言。

 日本ERIは、図面の建築物の計画変更を承認したことを認め、鈴木崇英社長が「当時は偽造という認識は持てず、(担当者から)報告は上がらなかった。重要な変更とは認識できなかった」と強調した。イーホームズの藤田東吾社長も「(偽造は)国による列挙事項をチェックしても見抜けなかった」と主張した。

 一方、質疑の中で日本ERIの鈴木社長は、上野公成元官房副長官に対し、昨年の参院選(落選)前に300万円の献金をしたことを明らかにした。「大学の同期の友人で応援したいということ。(献金は92年の)議員になるころから、ポケットマネーの範囲内で」と述べた。また鈴木社長は昨年、自民党森派に100万円の献金をしたことも明らかにした。【西脇真一、青島顕】
毎日新聞 2005年12月7日 20時53分 (最終更新時間 12月7日 21時54分)
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/taishin/news/20051208k0000m010083000c.html

耐震偽造:自公の対策本部が公的支援策を了承 [毎日]

 自民、公明両党は6日、「耐震構造設計偽造問題対策本部」(本部長・武部勤自民党幹事長)を開き、耐震データ偽造問題を受けて、政府が同日決定した公的支援策を了承した。ただ、政府側が再発防止策について、国土交通相の諮問機関である社会資本整備審議会の下に検討機関を設ける意向を示したのに対し、武部氏は「行政から距離のある第三者のイニシアチブで行った方がいい」と指摘、行政から独立した第三者機関で行うよう求めた。
毎日新聞 2005年12月6日 22時37分
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/taishin/news/20051207k0000m010131000c.html

見逃し次々 民間審査の中立性に疑問の声 耐震強度偽装 [朝日]

2005年12月08日12時39分
 国土交通省が集中的な立ち入り検査に入った民間の検査機関の中には、住宅メーカー各社から出資を受け、主要な取引先として株主の企業から建築確認を請け負っている検査機関もある。審査の公正・中立性に疑問を投げかける声も出ている。

 最大手の日本ERIでは午前9時半から国交省住宅局の検査員12人が立ち入り検査を始めた。同社によると、業務の流れや検査内容について説明を求められている。

 日本ERIは同社が建築確認したビルについて、姉歯秀次元建築士の構造計算書には重大な誤りがあるという指摘を昨年4月に受けながら、何も対応しなかったとして批判を受けている。耐震偽装問題が発覚した後も偽装の見逃しが次々に明らかになった。

 日本ERIの主要株主には大手住宅メーカー5社が名を連ね、しかもそれらの株主が主な取引先になっている。大株主が手がける建物を審査しているわけだ。

耐震偽造:1級建築士、その実態 分業進み収入格差 [毎日]

耐震データ偽造問題の渦中にある姉歯(あねは)秀次1級建築士(48)。市民の信頼を根底から覆す違法行為の発覚で、職業倫理が厳しく問われている1級建築士の資格と業界の実態とは。そして、一線の同業者は今回の問題をどう見るのか。【根本太一】

 ■合格率6%

 1級建築士は国土交通相の免許を受けて建築物の設計、工事監理などを行う技術者。特に、学校や病院などの公共施設や一定以上の大きさの建物は1級建築士でなければ扱えない。毎年の国家試験では、実務経験を経て学科試験にパスした者だけが設計製図の実技試験を受けられる。合格率は6~8%という難関。医師や弁護士などと同様、「先生」と呼ばれるゆえんだ。

 しかし、一つの建築物を建てる際の実務では、同じ1級建築士でも▽総合デザインの意匠設計▽強度確保の構造設計▽電気、給排水などの設備設計▽建築現場の施工--の四つに分業化が進んでいるという。姉歯氏が担当していたのが構造設計だった。

 ■厳しい格付け

 「構造と設備の設計は外注している」。意匠専門で東京都江東区に事務所を構える1級建築士、井本雄司さん(59)が言うように、意匠と構造・設備の1級建築士は通常、元請け-下請けの関係にある。10階建て前後のマンション設計を多く手がける井本さんによると、1棟の構造計算書はA4判で厚さ5センチほど。意匠の専門家にはチェックのノウハウがないことが多く、「計算内容までは見ない」という。

 収入にも大きな差がある。一般的には設計費の3分の2を意匠が取り、残りを構造と設備で二分する。設計者として名前が残るのも意匠だけ。同じ資格ながら、分業によって厳然とした格付けができている。

 こうした実態について、さいたま市で構造専門の事務所を営む男性(52)は「マンションの意匠設計には1年必要だが、私たちの仕事は1カ月ほどだから」と割り切る。つまり、1人で年間にこなせる構造設計は10件ほど。短期間に多くの建築物に関与した姉歯氏のケースは「極めて異常」と驚く。

 一方、川崎市内の建設会社勤務の男性(47)は施工専門。分業化で「構造のことはさっぱり分からない。書類の末尾に『OK』とあれば信用する」と話しながら「今回のように極端に建材が少なければ普通は気づく」とも話した。

 ■改革求める声

 最近の1級建築士の数は約31万人と推計される。関係者によると、今は業界の「冬の時代」。公共事業が減った分、建設会社はマンション建設に走ったが、設計事務所は過当競争になっている。1件ごとの収入が少ない構造・設備設計は特に厳しく、事務所を構えていても年収が1000万円に届かないケースもあるという。姉歯氏は今回の問題の発覚直後、構造計算書を偽造した理由を「競争が激しかったから」などと釈明している。

 日本建築士事務所協会連合会の幹部は、業界内の格差是正のため、「医師に内科や外科の専門があるように、設計でも構造・設備の建築士が意匠の建築士と対等に認められる制度を考えるべきだ」と提言する。国や業界内でも建築士法などの改正の議論が浮上している。
毎日新聞 2005年12月7日 11時42分 (最終更新時間 12月7日 15時16分)
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/taishin/news/20051207k0000e040052000c.html


 やはり姉歯元建築士の偽造を見落としていた東日本住宅評価センター(横浜市鶴見区)には筆頭株主の東京ガスから約10人の社員が出向している。都市居住評価センター(東京都港区)には東京ガスやゼネコン7社が出資し、従業員43人のうちゼネコンからの出向者が4人。ハウスプラス住宅保証(同)は東京電力の連結子会社だ。東京ガス、東京電力は住宅設備機器を販売している。

 ある検査機関の建築士は「実際に行われているかどうかは別として、建築主側が簡単な審査を望めば、建築主と検査員のなれ合いで手抜き審査になってしまうこともあり得る」と話す。

 「営利を目的とする株式会社が本当に公正中立な立場を保持できるとは考えられない」。日本弁護士連合会の土地住宅部会長を務める風呂橋誠弁護士は主張する。

 こうした指摘に対して日本ERIは「社外の専門家による監視委員会を設けて業務内容を監視・評価しており、出資会社に融通を利かせたり便宜を図ったりということは間違ってもあり得ない」としている。

 一方で検査員をどう確保するかも各検査機関の課題になっている。ある検査機関の総務担当者は「検査員が足りず、自治体で建築主事だった人に来てもらうしかない」と打ち明ける。

 イーホームズ(東京都新宿区)は偽造を見逃した10人の審査担当者全員が自治体出身者だったことが、11月に国交省が行った立ち入り検査でわかった。

 自治体でも偽造の見逃しは神奈川県平塚市や長野県をはじめ各地で次々に見つかり、風呂橋弁護士は「民間はスピード重視、行政は人不足で人命が最優先される仕組みになっていない。厳しい審査こそが評価されるような制度改革が必要ではないか」と話している。
URL:http://www.asahi.com/national/update/1208/TKY200512080215.html

耐震偽装:転居先家賃、原則無料化を 民主が自民に要請 [毎日]

 民主党は6日の耐震強度偽装問題対策本部で、耐震データ偽造問題に関し、(1)住民の移転先に国家公務員住宅などを活用(2)移転先の家賃は民間住宅も含め原則無料化(3)問題のマンションにかかる固定資産税などの減免--などを政府に求めることを決めた。松本剛明政調会長が首相官邸を訪れ、小泉純一郎首相あてに申し入れ書を提出した。

 松本氏は記者団に対し、政府がこの日まとめた支援策について「全容解明の話が後回しになっている感が否めない」と述べ、臨時国会の早期開会を求め、真相究明に力を入れる考えを示した。

毎日新聞 2005年12月7日 2時52分 (最終更新時間 12月7日 2時53分)
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/news/20051207k0000m010168000c.html

建築確認――自治体担当者は語る 民間開放後のこんな問題点 [赤旗]

 なぜ偽装を見抜けなかったのか――。マンションなどの耐震強度偽装問題で現在の建築確認制度のあり方が問われています。一九九八年の建築基準法改悪で、建築確認・中間検査・完了検査は民間の確認検査機関にも開放されるようになりました。自治体の建築行政の現場にいる担当者はいまの制度の問題点をどう見るか――声を聞きました。(渡辺浩己)

■安全チェックより速さ

  耐震偽装の構造計算を見逃した多くは民間の確認検査機関でした。営利追求を目的とする株式会社が建築確認をすることで起きてくる問題は“偽装見逃し”だけではありません。

 「問題の一つは住民との調停機能を考慮しないということ」と指摘するのは都内で区の建築行政にかかわる幹部の一人。

 建築確認は建築基準法にもとづいて建物の安全性をチェックするのが目的のひとつですが、開発と住民生活との調停という機能も果たしてきました。

 「行政にはまちづくりのための条例や要綱がある。建築確認にあたってもそういう問題を考慮する。しかし、民間の場合は建築確認をスピーディーにおろすことが目的。だから住民との紛争も増えている」といいます。

 ある民間検査機関の職員も“スピードが利益のもと”と語ります。

 「民間で行政と同じことをすれば、四倍の値段でやらなければ割が合わないが、四倍では申請する業者はいない。だからせめて二倍程度の値段になる。それじゃ商売にならないから、時間を二分の一にする。相手も行政に申請を出すより速いから二倍の値段でも納得してくれる」

 平山博・元東京都防災担当課長は、雑誌『建築防災』(二〇〇四年七月号)に「建設行政の今後の課題について」という文章を書き、民間確認検査機関の業務にたいする住民からの「審査請求の増加」を指摘します。

 審査請求は、建築確認後の建物に対し、住民が条例や法律に違反しているなどとして異議を申し立てるもの。平山氏によると、東京都の建築審査会に対する審査請求は二〇〇三年度は二十件あり、そのうち十八件が民間機関にたいするもの。特別区の審査会に対する審査請求も同様で90%が民間機関が確認した案件だったとしています。

■「目は企業側に」

 先の平山氏は「行政庁はどちらかというと安全側にきびしめに、したがって事業者には不利な解釈をしてきたといえる」と指摘しています。

 先の区幹部は、「民間の検査機関に出資している企業はゼネコンやハウスメーカー。住民の側に目を向けるのではなく、企業側に目が向く。それが建築行政をゆがめることにつながっているのではないか」と警告します。

 民間検査機関には清水建設をはじめとしたゼネコンやハウスメーカーが顔を並べて出資しています。

■自治体が再点検できず

 もちろん、自治体の側にも問題があります。今回の耐震偽装を見逃した自治体もかなりありました。民間機関であれ、自治体であれ、一般的には、構造計算書を再計算するなどきちんとチェックをするやり方にはなっていません。自治体の体制や検査のあり方を整備することも課題になっています。

■職員を6人削減

 都内のある区では民間に建築確認が開放されて以降、職員が六人減に。これまで意匠、構造、設備の三部門に分かれていた建築課の係も二つの係に縮小しました。建築課の幹部は「人数が減った分だけ仕事も減った。しかし、民間の仕事が増えるなかで将来、自分たちの職場はどうなるのかという不安がある。配置換えの心配もある。意欲の低下につながっている」といいます。

 民間機関にたいするチェックも自治体の責任ですが、これも大きな穴があいています。ことし二月に出された最高裁決定は、民間検査機関がおこなった建築確認であっても「責任は行政にある」と判断しました。

 しかし、自治体には民間検査機関からわずか数ページの「建築確認の報告」がくるだけです。現在の制度では、そもそも自治体が再チェックする仕組みになっていないのです。

 「民間からあがってくるのは数枚の報告用紙だけ。設計図も見るわけでもない。なぜ責任だけとらされるのか、という不満は広がっている」と区幹部はいいます。

 一級建築士の一人は「行政と民間企業の間で法の解釈に違いをつくらないこと、そして責任体制をはっきりさせること。それなしに問題は解決しない」と話しています。
URL:http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-12-07/2005120703_01_2.html

警視庁が強度偽装で特捜本部設置、70人体制 [読売]

 耐震強度偽装問題で、警視庁生活安全部は5日、捜査員約70人体制の特別捜査本部を築地署に設置した。

 この問題で警察当局が特捜本部を設置したのは初めて。警視庁では、国土交通省側からの告発を受ける前に体制を整えて、関係資料の分析などを早期に進める必要があると判断した。

 警視庁の特捜本部は、国交省から告発を受けた後、神奈川、千葉両県警との合同捜査本部に切り替わる。

 警察当局は、姉歯秀次・1級建築士(48)の聴聞記録などを国交省などから取り寄せ、分析を進めている。特捜本部では、当面、建築基準法違反容疑を念頭に事実解明を進めるが、文書偽造や詐欺罪の適用も検討する。

(2005年12月5日15時38分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20051205ic06.htm

国交省、姉歯建築士を告発…来週にも一斉捜索 [読売]

 耐震強度偽装問題で、国土交通省は5日、構造計算書の偽造により強度不足の建物を建てさせた建築基準法違反の疑いで、姉歯建築設計事務所(千葉県市川市)の姉歯秀次・1級建築士(48)を警視庁に告発した。

 これを受け、警視庁と千葉、神奈川両県警は今週中に合同捜査本部を設置したうえ、来週にも、姉歯建築士の事務所など関係個所の一斉捜索に乗り出す方針。同問題は先月17日の表面化から1か月を待たずに、刑事事件に発展する見通しとなった。

 今回、国交省が告発対象として絞り込んだのはいずれも完成済みの都内の建物で、「グランドステージ稲城」(稲城市)、「グランドステージ東向島」(墨田区)、「STAGE大門」(港区)のマンション3棟と、ホテル「京王プレッソイン茅場町」(中央区)の計4棟。

 告発状によると、姉歯建築士は、2003年2月~04年6月の間に建築確認が行われた4棟の構造計算の際、地震で建物にかかる外力の数値を小さくするなどして構造計算書を偽造。耐震強度が基準に満たない建物を建てさせた疑い。

 同省では、4棟の建築主や施工業者などが、今回の問題の主要な関係当事者を含んでいるとして、告発対象に選定。稲城市と墨田区の2棟の分譲マンションは開発会社「ヒューザー」(東京都千代田区)が建築主で、港区のマンションと京王プレッソインは実質的な設計、施工をいずれも熊本県八代市の建設会社「木村建設」(破産手続き中)が請け負っていた。

 同省の再計算では、4棟の耐震強度は必要な基準の26~33%しか満たしておらず、いずれも震度5強の地震で倒壊の恐れがある。

 国交省では5日現在、全国の計55棟で構造計算書の改ざんを確認しており、コンサルタント会社「総合経営研究所」(千代田区)が関与したものを含め、4棟以外の物件についても警視庁などの要請に応じて、資料を追加提出する方針。また、木村建設の関連会社の「平成設計」など元請け7社についても近く同法違反で追加告発する。

 同省建築指導課では「姉歯建築士は、破格の設計料を得るなどの利益は得ておらず、なぜこうした偽装を行ったか、捜査当局には全容を解明してほしい」と話している。

          ◇

 千葉県は5日、姉歯建築士に対する聴聞を開いたが、姉歯建築士は「健康上の理由」で欠席した。同県は「本人に弁明はない」と判断、県建築士審査会の同意を得て、姉歯建築設計事務所の登録を取り消した。

(2005年12月6日3時19分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20051206it01.htm

イーホームズ、偽装指摘取り合わず…国も大臣報告遅れ [読売]

 マンションなどの耐震強度偽装問題で、民間の指定確認検査機関最大手「日本ERI」が1年半前、構造計算書偽造の疑惑を指摘されながら放置していたことが明らかになったが、今年10月に同様の指摘を受けて国土交通省に通報していた検査機関「イーホームズ」も、当初は「問題なし」として取り合っていなかったことが5日、わかった。

 一方、通報を受けた国土交通省側も大臣への報告が約3週間後になるなど、一連の問題では、偽装情報に関する関係者の“感度”の鈍さが目立っている。

 姉歯秀次・1級建築士(48)による強度偽装の疑いをイーホームズに指摘し、一連の問題発覚のきっかけを作った東京都渋谷区の構造設計事務所社長(44)によると、社長が最初に通報したのは今年10月14日。

 「ヒューザー」(東京都千代田区)が開発を進めていた「グランドステージ北千住」(足立区)について、「構造設計がおかしいので見て欲しい」と知人から相談が寄せられたのがきっかけだった。社長は「チェックした方がいい」と、建築確認を出したイーホームズに通報。だが、約1週間後に返ってきた答えは「チェックしたが、おかしくない」というものだった。

 社長がその日のうちにイーホームズを訪れ、構造計算書の異常さを直接説明したことで、イーホームズはようやく内部調査に着手したという。

 一方、イーホームズは内部調査の過程で、別のマンションでも偽造の疑いがあることに気づき、建築確認を出した指定確認検査機関「東日本住宅評価センター」にも10月28日、物件名を挙げて「改ざんの疑いがある」と指摘したが、同センターも当初は「改ざんは見つからなかった」と回答。

 こうした経緯について、国交省は、ERI、イーホームズ、東日本に報告を求めているが、その同省自身も10月26日、イーホームズの藤田東吾社長から「計算書が設計者により意図的に改ざんされた事実が発覚した」と担当者がメールを受けながら、いったんは「個別の案件は報告の必要がない」と返信し、藤田社長から面談で事情を聞いたのは2日後だった。北側国交相にも11月15日まで報告しておらず、偽造情報に対する“初動”の遅れが判明している。

(2005年12月5日15時39分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20051205i308.htm


宮城・登米市立小学校2校、耐震強度不足で使用停止 [読売]

 宮城県登米市立新田第一小(児童数136人)と新田第二小(同72人)の校舎などの耐震強度が建築基準法の基準を下回っていることが分かり、登米市教委は両校の耐震不足の校舎の使用停止を決めた。

 第一小は5、6日を、第二小は5、6日午後を臨時休校として教室移転の準備をする。

 使用停止が決まったのは、新田第一小の校舎(鉄筋コンクリート3階建て、1961~62年度建設)と体育館(67年度建設)、第二小の校舎(鉄筋コンクリート2階建て、62年度建設)。

 登米市は今年4月に9町が合併して誕生。建築基準法改正の81年以前の基準で建てられた小中学校校舎などについて、耐震診断を進めていた。その結果、両校の校舎などの耐震強度が建築基準法の基準を下回っているほか、コンクリートの劣化で耐震補強工事も不可能であることが判明した。このため、3日の市教委で使用停止を決定し、保護者には4日に説明会を行った。

 両小は、耐震強度に問題のない増築校舎で授業を行うが、第一小では教室が足りないため、4―6年生が約1・5キロ離れた新田中の教室を借り、プレハブ校舎ができるまで当分の間は児童らが通うことになるという。

 市教委は、今後、建て替えについて検討する。
(2005年12月5日11時10分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20051205i203.htm

強度偽装、総合支援策の大枠固まる…家賃や解体費補助 [読売]

 マンションなどの耐震強度偽装問題で、政府と地方自治体が連携して行う入居者などへの総合支援策の大枠が4日、固まった。

 公営住宅だけでなく、住民が民間の賃貸住宅に転居する場合も家賃などの一定額を補助する。公営住宅への転居では、自治体による対応の違いをなくし、敷金を全額免除、家賃も一定期間免除する。家賃の免除期間は3か月とする案を軸に、国と自治体が協議して決める。

 強度不足のマンションの解体や建て替えでは、解体費用は全額、建て替え費用では、エレベーターや階段などの共用部分の建設費の3分の2を補助する。固定資産税の減免といった施策も盛り込み、6日に正式発表する。

 北側国土交通相は4日、NHKや民放の報道番組などで耐震偽装マンション入居者への支援について、「介護が必要な人がいたり、子供の学校など様々な事情で公営住宅に移れない人もいる。公営住宅に入る人だけの(家賃)減免は不公平だ」と述べ、民間の賃貸住宅への転居者も補助する考えを示した。

 公営住宅に転居する場合の支援策が自治体によって異なる点については「自治体と連携をとって、当面は家賃を減免できるようにしたい」と、対応策をそろえる方針を示した。

 東京都などは、公営住宅の家賃は免除しないとしているが、政府は、敷金と3か月分の家賃をともに免除する神奈川県の方式を軸に、支援策を一本化する方針。すでに使用禁止命令が出たマンションもあるため、まず入居者に対する幅広い支援を表明し、住民の不安を減らすことにした。

 ただ、強度不足のマンションが今後増える可能性もあるため、最終的な家賃の免除期間や国と地方の財政負担割合などは、今後の動向も見ながら決める。
(2005年12月5日3時10分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20051205ic01.htm

耐震強度、「中間検査」を厳格化へ…国が制度見直し [読売]

 マンションなどの耐震強度偽装問題で、民間の指定確認検査機関などは建築確認だけでなく、工事期間中に行われる「中間検査」でも鉄筋不足などを見逃していた。このため国土交通省は、中間検査をより厳格に実施するよう制度を見直す方針を固めた。

 “形骸(けいがい)化”も指摘される中間検査が適正に行われているかどうかを事後点検するため、検査内容を写真などで記録保存することを義務付けるほか、現在は自治体により分かれている中間検査の運用を全国で一律化する方針だ。

 建築工事中の中間検査は、阪神大震災などで手抜き工事の横行が発覚したことを受け、1998年の建築基準法改正で導入された。鉄筋不足など、建物完成後の「完了検査」では発見しにくい不正もチェックできるため、欠陥建築防止に効果があるとされている。

 今回の問題では、姉歯秀次・1級建築士(48)による強度偽装が最初に判明した完工済みマンションやホテル14棟のうち、12棟の中間検査は「イーホームズ」(東京都新宿区)が行った。しかし同社は中間検査でも鉄筋不足などを全く見抜けなかった。また同社以外の指定機関も、中間検査で偽装を見逃しており、中間検査が事実上、“形骸化”している実情が浮き彫りとなった。

 このため国交省は今後、確認検査機関などが中間検査を行う際には、鉄筋の配置状況など重要ポイントを写真撮影し、記録として保存を義務付ける。行政による検査時には、こうした記録をもとに、中間検査が適正に行われていたかを厳しくチェックする方針だ。また中間検査の際には、構造設計を担当した建築士を立ち会わせることも検討している。

 一方、中間検査の実施は自治体に任せられており、秋田、新潟、石川、鳥取、熊本、宮崎、鹿児島県などでは中間検査が全く行われていない。今回も神奈川県藤沢市のマンション(10階、30戸)などでは中間検査が行われていなかった。

 このため国交省は、一定以上の規模の共同住宅などでは、全国一律に中間検査を義務付けるよう、制度を改める方針だ。
(2005年12月5日3時4分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20051205i301.htm

事務所登録取り消しへ=姉歯建築士、聴聞会また欠席-千葉県 [時事]

耐震強度偽装問題で、千葉県は5日、姉歯秀次一級建築士(48)の建築士事務所登録取り消しに向けて、構造計算書偽造に関し本人に弁明の機会を与える聴聞会を千葉市内で開いたが、姉歯建築士は欠席した。県は本人欠席のまま聴聞手続きを終了し、同日午後に開く県建築士審査会の同意を得て登録を取り消す。
URL:http://www.jiji.com/cgi-bin/content.cgi?content=051205122932X108&genre=soc

大阪市が営業自粛を要請 大手ゼネコン施工のホテル [共同]

耐震強度偽造問題で大阪市は5日、姉歯建築設計事務所が関与したビジネスホテル、ヴィアイン新大阪ウエスト(大阪市淀川区)に対し、安全性が確保されるまでの間、営業の自粛を要請。同ホテルは同日から営業を休止した。
 同ホテルの施工は、大手ゼネコン、大林組が元請けになり、木村建設(熊本)が下請けをしていた。耐震強度偽造が明らかになった建物の施工に大手ゼネコンの関与が明らかになったのは初めて。
URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=soci&NWID=2005120501001230

新たに8件の偽装確認=愛知、京都のホテル-国交省・耐震強度偽装  [時事]

マンションなどの耐震強度偽装問題で、姉歯秀次一級建築士による構造計算書偽造が愛知県、京都府でも8件確認され、全国で計55件に上ることが5日、国土交通省のまとめで分かった。
URL:http://www.jiji.com/cgi-bin/content.cgi?content=051205122003X117&genre=soc

国交省OBが検査機関に天下り、民主・長妻氏が明かす [読売]

 民主党の長妻昭「次の内閣」国土交通担当は4日のフジテレビの番組で、マンションなどの耐震強度偽装問題に関連し、国土交通省のOB4人が民間の指定確認検査機関に天下りしていることを明らかにした。

 その上で、「国交省による民間検査機関の検査が非常に甘い。国にも責任はある」と述べた。

 天下りは、長妻氏の資料請求に対する同省の文書回答で判明した。それによると、2001年以降に同省の前身の建設省元住宅整備課長ら退職者4人が、49の民間検査機関のうち2機関に再就職していた。

 さらに長妻氏は番組の中で、偽装を見落とした指定確認検査機関「イーホームズ」についても、「確認検査員29人のうち24人が地方自治体のOBだ」と指摘した。
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20051204i412.htm

耐震偽造:姉歯建築士、頼まれない物件も惰性で偽造 [毎日]

姉歯建築士 耐震データを偽造した姉歯秀次1級建築士(48)が「偽造を要求されていない物件でも、勝手に構造計算書を改ざんした」と周辺関係者に打ち明けていたことが分かった。計算過程を簡略化する目的だったといい、日常的に偽造を強いられていた姉歯建築士が、一部の物件では惰性で改ざんを繰り返していた実態が、初めて明らかになった。一方で、偽造要求については「すべて木村建設(熊本県八代市)の篠塚明・東京支店長から」と話しているという。

 11月29日の衆院国土交通委員会への出席を拒否するなど、姿を隠している姉歯建築士に接触した関係者が、毎日新聞の取材に明らかにした。

 姉歯建築士が勝手に偽造したと証言したのは、千葉県船橋市の「第15中央ビル」▽「コルギー・S・船橋」▽「第16中央ビル」の3物件で、いずれもサン中央ホーム(同市)が施工・建築し、04年6月~05年2月に確認検査が行われた。

 関係者によると、姉歯建築士は「偽造を繰り返すうちに、正規の方法よりも早く計算を終えられるようになった」と説明。「多くの仕事をさばきたかった。(サン社から)偽造を頼まれた事実はなく、謝りたい」と話した。動機については「妻が病気で入院費が必要だった」と語り、サン社以外に自分の判断で偽造を行ったかどうかには、言及しなかったという。

 また、姉歯建築士は、ヒューザー(東京都千代田区)とシノケン(福岡市)の物件の偽造について「すべて篠塚支店長を通じて要求された」と話し、「法律違反なのでできない」と断ったが「それでもやれ」と言われ「仕事の9割近くが木村建設絡みで、従わざるを得なかった」と強い圧力を明かしたという。

 篠塚支店長は国交委の参考人質疑で「(鉄筋を減らせと)言ったかもしれないが、あくまで法令を守るという了解があった」と述べている。【篠原成行】
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20051204k0000m040111000c.html

国が48検査機関を格付け、問題審査は全棟検査実施へ [読売]

 政府は3日、マンションなどの耐震強度偽装問題に関連し、年内に実施する民間の指定確認検査機関の立ち入り調査の結果を踏まえ、国指定の48検査機関の評価をランク付けしたうえ、問題のあるランクの検査機関が審査した全国のマンションなどについては、耐震性の全棟検査を国の責任で実施する方向で検討に入った。

 また、不適切な審査が判明した検査機関に対しては、速やかに指定を取り消す行政処分を行うなど、厳しい対応を取る方針だ。

 政府は従来、一般的な欠陥マンションは業者と居住者間の補償問題として、国が個別のマンションの検査に乗り出すことには慎重だった。しかし、今回、民間の指定確認検査機関「イーホームズ」(東京都新宿区)がマンションなど28棟の偽装を見落としていたことが発覚するなど、民間検査機関の審査事務が十分に機能していない実態が浮き彫りになった。

 このため、国民の不安の広がりを抑えるためには、耐震性検査の費用の全部または一部を負担してでも、マンションなどの安全性を政府が確認する必要があると判断した。問題のある検査機関に対する徹底した調査や厳しい行政処分により、民間による検査制度への信頼性を取り戻す狙いもある。
(2005年12月4日11時0分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20051204it01.htm

耐震強度偽造 政府が住民負担軽減策、建て替え費に補助  [産経]

 耐震強度偽造問題で政府は三日、耐震性が不十分なことが確認された分譲マンション住民への支援策をまとめた。住民の引っ越しやマンション解体、撤去、建て替えなどの費用を国と地方で一定程度補助し、住民負担を減らすなどの内容だ。

 必要な予算は、次期通常国会に提出する補正予算に盛り込む。対象となるマンションは固まっておらず、予算額の調整は続ける。住民の生活再建にめどを立て、危険マンションから十二月中の退去を進める狙い。


 六日にも安倍晋三官房長官や北側一雄国土交通相ら関係閣僚が会合、最終決定する。建て替え費などの補助は(1)耐震性に問題がある建物を放置すると周辺住民に危険で撤去に公益性がある(2)建て替えの展望がなく撤去すると住民は資産なしでローンだけが残る-などの理由で決めた。


 補助は既存制度を拡大適用し、瑕疵(かし)担保責任のある売り主に最大限の負担を求め、建て替えでは住民負担分に一部補助する。住民の自己負担は、自然災害の被害者との公平性からやむを得ないと判断した。


 このほか、期間延長したローン返済の負担軽減や、一時転居先となる公営住宅の家賃減免、住宅への固定資産税などの減免も盛り込まれたが、住民への生活再建費を渡す個人補償策は与党も消極的なことから見送った。

                   ◇
 自民党の武部勤幹事長は三日午後、札幌市で講演し、耐震強度偽造問題の対策費用が平成十七年度補正予算に盛り込まれるとの見通しを示した。

 武部氏は「昨年に比べ税収が三兆円程度伸びそうなので、通常国会冒頭で補正予算を組もうという話になっている。アスベスト(石綿)対策や市町村合併に伴う補助金とともに、耐震強度偽造問題でも予算措置が必要だ」と述べた。
【2005/12/04 東京朝刊から】
URL:http://www.sankei.co.jp/news/051204/sha037.htm

住民が「被害者連絡会」を結成 [毎日]

 耐震データ偽造問題で、震度5強で倒壊の恐れがある東京都江東区の「グランドステージ住吉」や墨田区の「グランドステージ東向島」など首都圏の14棟のマンション住民が3日、「被害者連絡会」を結成した。東京都内で開かれた弁護士主催の相談会に参加した住民代表が合意したもので、今後連携し、マンションの建て替えや住宅ローンの減免措置を行政や金融機関に働きかける。

 相談会は全国の弁護士でつくる「欠陥住宅全国ネット」が主催し、不動産会社「ヒューザー」(千代田区)の販売物件を中心に住民50人が出席。「移転先の家賃減免をしない自治体があるのは不公平」「子供の転校が気になって引っ越せない」などの疑問や悩みが相次ぎ「元の生活を取り戻したいという願いは同じ」と連絡会設立を決めた。

 連絡会の代表になった「グランドステージ住吉」の八住庸平・管理組合理事長(42)は「情報交換を密にし、意見を統一して積極的に行動したい」と話し、吉岡和弘弁護士は「住民が一つになることで行政などへの威力が生まれる」と語った。【桐野耕一】


耐震偽造:姉歯物件は206件、43件で改ざん 国交省 [毎日]

 耐震データ偽造問題で、国土交通省は1日、姉歯(あねは)秀次・1級建築士が関与した建築物は206件に増え、うち9都県43棟で構造計算書が改ざんされていたと発表した。99年に作成された構造計算書1件でも偽造が確認され「偽造は03年に建築確認申請したものから」とする姉歯建築士の説明が覆された。各都府県が同省に「偽造はなかった」と報告したのは計100件だが、確認方法の信頼性が揺らいでおり、同省はさらに詳細な調査・報告を求めることも検討している。

 206件は千葉県が姉歯事務所への立ち入り検査で把握し、関係する都府県が30日までに同省に確認作業を報告した。今回、新たに偽造が確認されたのは、愛知県刈谷市の「名鉄イン刈谷」で既に営業を休止している。「調査中」は43件で、建築が確認されないなどの「不明」が20件だった。

 99年に作成された偽造構造計算書は、長野県伊那市の「ホテルセンピア」1件だけで00年はなかった。01年から増えているといい、同省が精査している。姉歯建築士はこれまで「03年2月以降に建築確認された21件以外は覚えていない」などと説明していた。

 一方、同省はこの日、関係自治体とともに第4回対策協議会を開いた。引っ越しを余儀なくされる住民が公営住宅に入居した場合の家賃補助など、住民への支援策が話し合われたが、東京都が「補助するなら国の責任で」と主張するなど方針はまとまらなかった。

 また、完成済みマンション13棟のうち8棟で、所有者らに退去を促したことが報告された。横浜市は2日、1棟について、川崎市に次いで2例目の使用禁止命令を出す。【長谷川豊】


東日本住宅評価センター、再点検でずさんな審査発覚 [読売]

 耐震強度偽装問題で、工事中のマンション1棟の偽装を見逃した民間の指定確認検査機関「東日本住宅評価センター」(横浜市鶴見区)は2日、同社が過去5年間に建築確認を出した構造計算書788件を再点検した結果、9割以上に必要な書類が添付されていないなど、ずさんな審査をしていたことを明らかにした。

 また同社は、偽装問題が表面化する約3週間前、姉歯秀次・1級建築士(48)による構造計算書について、別の確認検査機関から「改ざんの疑いがある」と情報提供を受けながら、担当者は全く偽造を見抜けなかったという。

 奥沢泰一社長が2日、国土交通省で会見して明らかにした。

 同社は、千葉県船橋市の「グランドステージ船橋海神」(11階建て29戸)の強度偽装を見逃していたことが明らかになった後、2000年10月以降に審査した788件の構造計算書を改めてチェックした。

 この結果、建築確認の際に添付が義務付けられている、国交相公認の計算用プログラムに関する「性能評価書」や「チェックリスト」などがないものが731件に達し、不備がないのはわずか57件だった。

 一方、国交省が偽造問題を公表する前の10月28日の段階で、同社は、指定確認検査機関「イーホームズ」の担当幹部から、「グランドステージ船橋海神の構造計算書が偽造された疑いがある」と指摘を受けた。ところが東日本社の構造審査担当者は、構造図面の数値を眺めただけで計算過程は全く点検せず「偽造はない」との結論を出していた。

 11月11日に国交省から正式に照会を受け、改めて見直したところ、梁(はり)の鉄筋が少ないなど、偽装はすぐに見抜けるものだったという。同社には38人の確認検査員がいるが、構造設計の専門家は補助員1人しかいない。
(2005年12月2日22時9分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20051202i113.htm

耐震偽装建物「税減免が適当」 総務省、自治体あて通知 [朝日]

2005年12月02日21時50分
 耐震強度偽装問題で、総務省は2日、使用禁止や退去勧告などが出たマンションなどの所有者が支払う固定資産税と都市計画税は減免することが適当とする「通知」を地方自治体に送った。東京都や横浜市が2日、減免措置を決め、他の地方自治体にも減免措置が広がりそうだ。一方、政府は、居住者支援についての「当面の対策」を週明けにもまとめる方針だ。

 小泉首相は2日、政府の対応のとりまとめについて「できるだけ早いほうが良い。関係省庁でしっかり対応するよう指示を出した」と述べた。首相官邸で記者団に語った。政府は、今年度補正予算に盛り込む具体策も含めた当面の対策を来週早々にまとめる方針。内閣官房や国交省、法務省、総務省などによる関係省庁会議を同日開き、対応策を検討した。

 総務省の「通知」では、使用禁止などの措置を受けた建物は「使用または収益できなくなった」とみられると指摘。固定資産税について「自然災害と同様に減免による対応を行うことが適当」とした。具体的には、今年度分は減免、06年度以降については減免や課税免除することが「適当」としている。

 東京都は2日、震度5強の地震で倒壊の恐れがあるとされたマンションの所有者に対し、今年度中の固定資産税と都市計画税を免除することを決定。対象はマンション2棟の計約80世帯で、1世帯あたり約1万5000円が免除される。都は「独自に協議して免除を決めた」と説明している。

 横浜市も同日、同市鶴見区の分譲マンション「コンアルマーディオ横濱鶴見」(19戸)について使用禁止命令を出す一方、06年度の固定資産税と都市計画税を免除すると発表した。「使用禁止命令を出したことで資産にあたらなくなると判断した」と説明している。

 川崎市も、すでに11月30日に今年度中の固定資産税、都市計画税の免除を決めている。
URL:http://www.asahi.com/politics/update/1202/007.html

偽装マンション住民の公的住宅、自治体で費用の対応二分 [朝日]

2005年12月03日11時23分
 耐震強度を偽装されたマンションの住民にあっせんした公的住宅の家賃をどうするか、自治体の対応が割れている。「住民に落ち度はなく、無料にすべきだ」という声が高まる一方で、「なぜ特別扱いするのか」との指摘も。被害者保護と公平感のはざまで、思わぬ難題を突きつけられた。

 「基本的には国が決めた制度、手続きに欠陥があったから、こういうバカな問題になったわけでね」。石原慎太郎東京都知事は2日の会見で、矛先を国に向けた。「住宅は十分に用意するが、家賃は住民負担」というのが都の方針だ。

 一方で、早々と無料化を決めたのは神奈川県と県内の横浜市、川崎市、藤沢市。川崎市は「緊急避難的に住宅が必要な住民から、費用を取るべきではない」(担当者)との立場だ。

 都は当初、公的住宅を被害者に提供することについても消極的だったが、被害の広がりから11月25日に方針を転換、都営住宅など500戸を確保した。半面、家賃の免除に踏み切るそぶりは、今のところ見せない。

 公的住宅の「目的外使用」に前例がないわけではない。00年夏の三宅島噴火を受け、約1000戸を最長5年間、被災者に無償で提供している。だが都幹部は「自然災害と違って、今回は誰かしらの責任を問える話。責任の所在をまずははっきりさせてほしい」と話す。

 「公平感」についても、都は気にしている。

 500戸の内訳は、都営住宅50戸、都民住宅300戸、公社住宅150戸。このうち都営住宅は元来、月収20万円以下の人が対象で平均倍率は30~40倍。「主にお年寄りや母子家庭の方が多い」という。

 受け入れを決めて以降、都には「申し込み続けても当たらないのに」「特別扱いしないでほしい」といった苦情が寄せられている。「電話応対だけで半日費やす職員もいるほど」(都市整備局幹部)という。

 都が二の足を踏む一方で、被害住民の思いは切実だ。「グランドステージ住吉」(江東区)に住む八住庸平さんは2日、家賃減免などを求める要望書を北側国土交通相に手渡した。「公的資金投入に様々なご意見があるのは承知している。だが我々はローンと家賃の二重苦に立たされている」

 自治体が提供した公的住宅へ入居を決めた被害者は、2日までの集計ではまだ少ない。

 横浜市は市営住宅19戸を用意し、7世帯から入居申し込みがあった。33戸を提供する川崎市には口頭での申し込みが1件。「近い住宅はないか」「もっと広い部屋が欲しい」などの意見も寄せられている。

 都でも、応募は数件程度。「土日に下見を望む住民が多く、週明けにはかなり増えるだろう」と担当者はみている。

 国交省は1日、関係自治体との連絡協議会で、移転先の公的住宅の家賃を一定期間減免すべきだとの見解を表明している。
URL:http://www.asahi.com/national/update/1203/TKY200512030141.html

姉歯関与の京都2ホテル、再調査で営業停止へ [毎日]

 京都府は2日、姉歯建築設計事務所が関与した府内の2ホテルの構造計算書に偽造があったことを確認した、と発表した。この2ホテルは千葉県からの情報提供で再審査し、いったんは問題ないと発表していたが、再調査で改ざんが発覚したという。今後、耐震強度を調査する。

 2ホテルは、舞鶴市の「プラザホテル舞鶴」(8階建て、84室)と京丹後市峰山町の「シティホテル峰山」(同、98室)。府はこの日、両ホテルに営業自粛を要請した。両ホテルとも同日から営業を休止するという。【沢木政輝、中野彩子】
毎日新聞 2005年12月2日 12時33分
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20051202k0000e040065000c.html

偽造物件、4棟増で11都県計47棟 国交相 [毎日]

 耐震データ偽造問題で、北側一雄国土交通相は2日、閣議後の会見で、姉歯秀次1級建築士が関与した物件が208棟確認され、そのうち耐震データが偽造を特定できた建物が4棟増えて11都県で計47棟となったことを明らかにした。自治体が建築確認で見逃したケースも2棟増えており、北側国交相は「本当に遺憾なことと言わざるを得ない」と話した。

 偽造が確認されたのは▽岐阜県高山市の「カントリーホテル高山」▽埼玉県川口市のマンション「グランドステージ川口」▽東京都荒川区のマンション「グランドステージ町屋」▽千葉県船橋市の一戸建て住宅。

 さらに、構造計算に使う大臣認定プログラムが、市販のソフトで書き換えられる可能性が指摘されていることについて「99年から偽造が始まっており、手口も(途中で)変わっているかもしれない。プログラムに問題があるのかを検証する必要がある」と述べた。
【渡辺暖】
毎日新聞 2005年12月2日 12時13分
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20051202k0000e040058000c.html

国公認の構造計算データ、市販ソフトで容易に改ざん [読売]

 マンションなどの耐震強度偽装問題で、姉歯秀次・1級建築士(48)が使っていた国土交通相公認の構造計算用プログラムのデータは、市販のワープロソフトなどを使って容易に改ざんできることが1日、わかった。

 姉歯建築士が実際に、この手口で構造計算書を偽造していた可能性も指摘されている。公認ソフトの信頼性にかかわる事態に、国交省は、ソフト会社などから急きょ事情聴取を始めるなど、データ改ざん対策に乗り出した。

 姉歯建築士が関与した偽装物件11棟に建築確認を出した民間の指定確認検査機関最大手「日本ERI」によると、姉歯建築士は、実際には存在する壁を計算上は無いことにしたり、壁の重量を「ゼロ」にしたりするなどして、構造計算書を偽造していた。

 本来ならこのような不自然な入力を行うと、公認ソフトは、計算書に「エラー」の文字を印字するほか、「大臣認定番号」を打ち出さないことで、ミスを防ぐ仕組みとなっている。

 ところがERIや国交省の調査で、この公認ソフトが出力するデータは、「ワード」などのワープロソフトに張り付けて編集できることが判明した。編集によりエラーの文字を消し、大臣認定番号を書き込むことができ、ERIは「断定できない」としながらも、姉歯建築士がこの方法で偽造していた可能性を指摘している。
(2005年12月2日3時10分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20051202it01.htm

川崎市が1人約10万円の免税措置…初の住民救済策 [読売]

 マンションなどの耐震強度偽装問題で、川崎市は30日、使用禁止命令を出した同市川崎区の分譲マンション「グランドステージ川崎大師」(23戸)の住民に対し、固定資産税と都市計画税を半年分免除すると発表した。

 この問題で、住民の救済策として自治体が税の免除を決めたのは初めて。

 固定資産税と都市計画税は、市税として市内の固定資産所有者に課税されるが、市は、住民が退去した場合、空き家になるにもかかわらず、税を徴収するのは不合理と判断。市税条例の「特別な理由がある場合は固定資産税を減免する」との規定を適用した。免除される額は納税者1人当たり計約10万円になるという。

(2005年11月30日22時55分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20051130i115.htm

偽装で退去の住民支援策、与党幹事長が政府に申し入れ [読売]

 武部・自民、冬柴・公明の両党幹事長は30日、首相官邸で安倍官房長官と会談し、マンションなどの耐震強度偽装問題について、退去する住民に対する財政、税制面での緊急支援策などの実施を申し入れた。

 武部氏らは「早急に信頼を回復する有効な手立てを打たなければ、社会的・経済的に極めて深刻な影響を広げかねない」と指摘した。

 さらに、<1>全国の指定確認検査機関の実態調査<2>当該マンション住民に対する早期の退去命令発令と、緊急避難用の住宅確保<3>偽装が明らかになった物件以外の検査態勢の整備<4>国土交通省などへの専用窓口設置<5>再発防止のための第3者委員会の設置――なども検討するよう求めた。

 民主党は同日の「次の内閣」の会合で、「耐震強度ねつ造問題検証チーム」を格上げし、前原代表を本部長とする対策本部を設置することを決めた。

 社民党も同日、「欠陥住宅問題調査委員会」を設置した。責任の所在、被害救済、再発防止の3点について見解をまとめる予定だ。

(2005年11月30日20時8分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20051130it13.htm

民間検査機関の故意や過失、「市に賠償責任」の判決 [読売]

 横浜市港北区日吉本町の傾斜地を利用した地下室マンションの建設を巡り、盛り土をして高さ制限を免れていたとして、周辺住民が建築確認の取り消しを求めた訴訟の判決が30日、横浜地裁であった。

 河村吉晃裁判長は「建築基準法に違反しており、確認処分は違法」として、民間の指定確認検査機関「東京建築検査機構」(東京都中央区)が行った建築確認を取り消した。

 原告側によると、地下室マンションを巡り、建築確認を取り消す判決が出たのは初めて。

 住民は、民間が確認したものでも横浜市に責任があるとして、市に損害賠償を求めていたが、河村裁判長は「検査機関に故意や過失があった場合、確認の権限を持つ横浜市が賠償責任を負う」との判断を示した。ただ、今回の確認処分に「故意や過失はなかった」として賠償請求は棄却した。

 民間の検査機関に対する自治体の責任については、最高裁が6月、「検査機関による確認事務は自治体の事務」との判断を下しているが、さらに賠償責任まで認める判断をした。

 判決によると、高さ10メートルまでしか建築できない現場に、開発会社が大規模な盛り土をして地上3階、地下7階のマンションを建設。地上部分は高さ約9・4メートルだが、盛り土する前の地表から見ると10メートルを超えている。
(2005年11月30日23時43分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20051130i515.htm

サンホテル大和郡山など3ホテル、強度不足…ERI [読売]

強度偽装
 耐震強度偽装問題で、民間の指定確認検査機関最大手の「日本ERI」(東京都港区)は30日、同社が建築確認をした〈1〉「サンホテル大和郡山」(奈良県大和郡山市)〈2〉「三交イン桑名駅前」(三重県桑名市)〈3〉「苅田プレモントホテル」(福岡県苅田町)の3棟のホテルについて、耐震強度不足が判明したと発表した。

 ただ、いずれも補強工事で対応可能だという。

(2005年11月30日23時57分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20051130ic25.htm

偽装物件2200戸の転居先確保…政府対策 [読売]

 安倍官房長官は30日午前の記者会見で、マンションなどの耐震強度偽装問題に関し、耐震性に問題のある物件から退去する住民の受け入れ住宅2200戸の確保を柱とした政府の当面の対策を明らかにした。

 安倍長官は「居住者の安全と居住の安定確保が、緊急に対応すべき最重要事項だ。居住者への情報提供、相談体制の周知、受け入れ住宅の確保、あっせんを行う。住宅は主に公営住宅になるだろう」と述べた。

 この他の対策として、<1>12月中旬をめどに問題のある物件からの退去勧告を行う<2>地方自治体と連携し、問題のあるマンションなどの分譲住宅購入者に対する支援措置の可能性を早急に検討する――とした。

 また、建築士や民間の指定確認検査機関に対する資格取り消しや建築基準法違反などによる法的措置など、責任の追及も行う。建築確認検査制度の総点検と再発防止策も検討する。

 国土交通省によると、約2200戸の内訳は、東京都内の都営、区営住宅が約500戸、神奈川県内の県営、市営住宅が286戸、千葉県内の県営、市営住宅が270戸、都市再生機構住宅が1132戸。
(2005年11月30日12時56分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20051130i404.htm

「こんな図面通ったら大変」偽装通報者、1年半前に指摘 [朝日]

2005年12月01日08時39分
 耐震強度偽装問題で、姉歯秀次建築士の構造計算書偽造を見抜き、検査機関・日本ERIとイーホームズに通報した東京都渋谷区の設計事務所代表(44)が朝日新聞の取材に応じた。姉歯建築士の図面は「はりや柱が細く、鉄筋の本数も少なかった。どれも常識では考えられない水準だった」という。代表は驚き、検査機関に伝えたが、不正が明るみに出るまで、それから1年半かかった。

 国土交通省が当初発表した21棟の偽装物件のうち、少なくとも10棟は代表が検査機関に連絡した後の1年半の間に建築確認が下りていた。

 04年1月、神奈川県の設計会社の依頼で姉歯建築士が構造計算した東京都港区の10階建てビルの図面を調べ、異常にすぐ気付いた。

 代表は構造計算の経験が約20年間あり、建設コストを抑える経済設計に詳しい。姉歯建築士の図面は直径32ミリの鉄筋を17本入れるべき1階の最下部のはりに、直径25ミリの鉄筋が5本しか入っていなかった。構造計算書は地震時にかかる力を本来の基準の4分の1まで落として計算していた。

 それなのに日本ERIの審査担当者は04年1月に建築確認していた。

 設計会社社長は姉歯建築士に連絡した。姉歯建築士は「外注した。チェックミスだった」と説明し、「(契約から)おりる」と伝えてきた。

 代表は構造計算をやり直した。同年4月に日本ERIの担当者に会い、図面を見せて問題点を説明した。「こんな図面が建築確認を通っていたら大変だ。ほかにも例がないか確かめてはどうか」と言い添えた。

 ところが、1年半たった今年10月半ば、代表は再び姉歯建築士の図面を目にした。都内でヒューザーが建てるマンションの工事を請け負った建設会社から「必要な資材の量が少なすぎる」と再点検を頼まれた。

 柱やはりが極端に細く、鉄筋も少ない。「こんないい加減な仕事をするのは、1人しか知らない」。やはり姉歯建築士が構造計算を受注し、イーホームズが建築確認していた。この建設会社が姉歯建築士の設計で建てたマンションが都内に1棟できていた。

 代表はすぐイーホームズに足を運び、担当者2人に訴えた。「何も知らずに安心して住んでいる人がいる。すぐ対応しなきゃだめだ」

 最初は指摘の意味がわからない様子だった担当者たちも、やがてことの重大性に気づいた。

 約1カ月後の11月17日夕、イーホームズから報告を受けた国土交通省が偽造を発表した。

 イーホームズは11月29日の衆院国土交通委員会で、日本ERIが姉歯建築士の偽造を知りながら「隠蔽(いんぺい)した」と指摘した。同日、日本ERIは記者会見し、反省点はあるが隠蔽した事実はないと反論した。
URL:http://www.asahi.com/national/update/1201/TKY200511300415.html

「姉歯」のずさん設計、昨春に発覚…調査せず放置 [読売]

藤田東吾・イーホームズ社長(左)の答弁に対し大声を上げる小島進・ヒューザー社長(後方) マンションなどの耐震強度偽装問題で、衆院国土交通委員会は29日、関係者を招致して参考人質疑を行った。

 この中で、民間の指定確認検査機関「イーホームズ」(東京都新宿区)の藤田東吾社長は、姉歯秀次・1級建築士による強度偽装は、別の建築士が2004年4月の段階で指摘していたことを明らかにした。

 この情報を得たのは、民間の指定確認検査機関で最大手の「日本ERI」(港区)だったが、同社は情報の真偽も確認しないまま見逃し、その後も姉歯建築士が構造計算を行った建物の建築確認を出し、結果的に被害を拡大させていた。

 ERIの関係者は招致されず、参考人質疑後に鈴木崇英社長らが国土交通省で記者会見した。それによると、04年1月に同社でいったん建築確認を出した港区内のオフィスビル(10階建て)について、元請け設計事務所が計画変更を申し出て、横浜市内の建築士が構造計算を見直した。この結果、構造計算の不備が分かり、建築士は同年4月、「前任の姉歯事務所の設計はずさん」などとERIの構造審査担当者に伝えた。

 だがERIによると、この担当者は上司に一切、この件を報告していなかった。また上司の確認検査員も、オフィスビルが計画変更された理由などを確認しなかったという。

 この経緯について「イーホームズ」の藤田社長は参考人質疑で、「当社が偽造に気付く1年以上前に日本ERIによる隠ぺいがあった」とERIを批判。これに対し、ERIの鈴木社長は「隠ぺいの事実はまったくない。(藤田社長を)告訴する準備を進めている」と述べた。
(2005年11月29日22時24分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20051129it14.htm

耐震偽造:責任の押し付け合い、専門家が警鐘 参考人質疑 [毎日]

 耐震データ偽造問題で29日行われた衆院国土交通委員会の参考人質疑で、偽造の公表に至る経過が明らかになった。入居者の生命の危険に直結する緊急の問題にもかかわらず、偽造発見から公表までに1カ月近く要した。偽造を見抜けなかった検査機関、公表の先延ばしを図る建築主、危機感の薄い担当官庁。それぞれが責任を押し付け合い、「住民不在」が見え隠れする現状に、専門家は警鐘を鳴らした。【木村健二、桐野耕一】

 ◇「偽造」の情報

 国土交通省が問題を公表したのは今月17日。しかし、指定確認検査機関「イーホームズ」(藤田東吾社長)が偽造を認識したのは10月20日だった。「ヒューザー」(小嶋進社長)が建築主で着工中のマンション「グランドステージ北千住」の構造計算書について、ある構造設計家から「偽造の疑いがある」との情報を受けたのがきっかけだった。

 藤田社長によると、イー社は22日、ヒ社に電話で「偽造物件なので工事を止める必要がある」と連絡。24日には国交省がイー社に立ち入り検査をしたが、同社は「事実確認がまだ」として同省に報告をしなかった。

 翌25日、イー社はヒ社と姉歯秀次1級建築士、元請けの設計事務所「スペースワン」を呼び、事情を説明。委員会で藤田社長は「私は出席していなかったが、姉歯建築士が偽造を認め、設計者が激怒したと聞いている」と証言した。

 偽造を本人から確認した藤田社長は26日、国交省の担当係長に「相談したい」とメールを出したが、返事は「課内で検討したが、そちらで解決されたし」だった。

 ◇3時間の激論

 そして、27日午前11時、藤田社長らイー社から3人、設計事務所の4社長、姉歯建築士、小嶋社長ら3人の計11人がヒ社に集まり、3時間にわたって対応を協議した。「公表して何の意味がある。他の機関や行政でも見抜けなかったものを公表し、正義を貫いて何の意味がある。それでも公表するなら徹底的にたたく。私は120億円の売り上げがあり、20億円の利益がある。どんな弁護士を使ってでも徹底的にたたく」。小嶋社長は公表を主張する藤田社長に声を荒らげたという。

 これに対し、小嶋社長は委員会で「公表するなと申したのではなく、公表までに相当調べる時間が必要だと言った。3年も4年も前からでたらめな確認業務を行っていたとしたら、徹底的に追及させていただくということを申し上げた」とニュアンスの違いを強調した。

 この協議を経て藤田社長は28日に再び国交省に報告。ここから耐震偽造データ問題が公表される態勢が、徐々に整っていった。

 ◇公表の直前に

 委員会では問題公表の2日前の11月15日、衆院議員の伊藤公介元国土庁長官が同省幹部に引き合わせたことにも言及。質問に立った委員は「幹部に『公表をするのは慎重の上にも慎重にやってほしい』と話したのか」と問われた小嶋社長は、「それは当然お願いした。偽造がどの程度ひどいものなのか、危険度も分からなかった。耐震補強や補修は出来ないのか、建て替えなければならないのか何も分からない状況で公表されたらお客さまにも答えようがない。ひと様の財産になってしまっている物件を、『これはダメだ』というふうに公表されても困るということを申し上げた」と話した。

 偽造公表を巡っては、さらに別の委員から小嶋社長が設計業者やイー社らとの協議の中で、「地震で倒壊した時に調査して発覚したことにしたい。役所にとってもそのほうがいいのではないか」と語ったとされる質問も出た。小嶋社長は「全くひどいねつ造でありまして。私が申したのは、阪神大震災で6000人以上が亡くなり、20万戸の家屋が倒壊し、40万世帯がなくなったが、これはすべて非耐震だったのですかと。耐震構造だった(建築)確認のものがなぜこのように倒れてしまうのか」などと返答した。

 ◇専門家の見方

 では、専門家は参考人質疑をどのように見たのか。

 ヒ社の小嶋社長が、イー社が偽造を見逃したことを厳しく追及する発言を繰り返した。マンション問題に詳しい栄枝(さかえだ)明典弁護士は「建築確認は、住民の安全を守るため本来行政が行うべき重大な業務。その監督責任を国は負っており、ヒューザーはイーホームズと国に責任転嫁するだけでなく、イーホームズを追及することで国から金を出させたいと考えているのではないか」と分析した。

 また、木村建設に関しては「どれだけ鉄筋が必要か限界量を知っているはずなのに、姉歯建築士に『鉄筋を減らせ』と述べたことを認めており、偽造を求める未必の故意の疑いが浮上する」と指摘。偽造を見抜けなかったのは1社だけではないと発言したイー社については「例えれば、駐車違反をしていて、自分だけ駐車違反をしているのではないと言うようなもの。現実はそれよりもっとひどい。無責任極まる」と厳しく批判した。

 「欠陥住宅被害全国連絡協議会」幹事で1級建築士の渡辺寿夫さん(47)は「参考人同士の責任のなすり合いで、何ら住民に希望が持てるやりとりがなかった。3時間も使ったのに、有効な対策を提案する議員がいなかったのも残念だった」と国会議員の勉強不足も指摘した。

 また、構造計算書の偽造を見抜く難しさに触れ「同じ建築士でも構造設計ができるのは10人に1人ぐらいで、ましてや10階建て以上の高層ビルの構造設計ができるのは100人に5人ぐらいではないか」と言う。さらに「だからこそ、性善説に立っている現行の建築基準法の制度を改正し、検査態勢を強化することが必要だ。人間は基本的になまけ者であるという性悪説に立った米国の『インスペクター制度』にならった改正を提案したい」と語る。

 米国の制度は、一つの工事をいくつかの工程に分け、工程ごとに建築審査官の厳しいチェックが入る。基準に満たなければ次の工程に進めない制度になっており、工事の欠陥を防ぐことができるという。渡辺さんは「欠陥があれば隠ぺいを図るのは、業界の体質だ。発注者が一番偉いという構造もある」と嘆いた。
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20051130k0000m040158000c.html

偽装発見難しい…自治体悲鳴、システム改善求める声も [読売]

強度偽装
 マンションなどの耐震強度偽装問題で、姉歯建築設計事務所(千葉県市川市)による構造計算書の偽造を見抜けなかった自治体から、「現在の確認システムでは、今回のような偽装を発見するのは難しい」として、政府に対し、建築確認のシステム自体を見直すよう求める声が相次いで上がっている。

 再発防止の観点から、検査機関のチェック体制などに加え、建築確認システムの改善についても、国は何らかの対応を迫られそうだ。

 今回の問題では、これまでに、東京都台東区、神奈川県平塚市、長野県、群馬県などが強度を偽装した物件の建築確認をしていたことが判明している。各自治体で構造計算書の再点検を行った結果、台東区は目視で偽造を発見できたものの、大半は、設計に使われたものと同じプログラムを使って再計算してみて、ようやく偽装が判明した。

 構造計算書のチェックに関しては、建築確認業務を行う自治体や民間の指定確認検査機関でつくる「日本建築行政会議」が処理マニュアルを作成しており、同会議企画委員会委員長の平野正利・東京都建築企画課長は「マニュアルに沿ってポイントをチェックすれば、(再計算しなくても)偽装はわかる」としている。

 これに対し、自治体関係者からは「今回のような偽装の場合は、再計算しないと発見は難しい」(長野県松本市建築指導課)という指摘が多く出ている。

 姉歯秀次・1級建築士(48)は今回、構造計算書の数値を一部変えたうえで、間違った結果が出た時に表示されるエラーの文字を消したり、別の数値を変えたりして、全体につじつまが合うようにしていたとみられている。このため、改ざんは、入力された数値などマニュアルの各ポイントを調べるだけではわからず、実際に数値を打ち込み、再計算して初めて見つかったという。

 ただ、「認定プログラムの計算結果を疑うという前提に立つと、今後、検査側は、すべての申請物件について再計算しなくてはならなくなる」(平塚市建築指導課)。それは「事実上、不可能」というのが、各自治体に共通した見方だ。
(2005年11月29日14時45分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20051129i206.htm

新たにマンション3棟が強度偽装、すでに入居済み [読売]

 耐震強度偽装問題に関し、東京都や開発会社「ヒューザー」(東京都千代田区)が28日に行った発表などで、新たに住民の補償や退去問題を招きかねないマンションが3棟あることが明らかになった。

 国土交通省が偽装の疑いがあるとして21棟を公表した17日以降、入居済みマンションで問題が発覚したのは初めてだ。

 3棟のうち2棟は、いずれも分譲マンションの「グランドステージ池上」(9階建て、東京都大田区)と「グランドステージ江川」(7階建て、川崎市)。ヒューザーが開発した物件で、同社が28日、「建築基準法上の耐力がない」と公表した。構造計算は姉歯秀次建築士(48)が行ったという。

 「グランドステージ池上」は1998年、大田区が申請を受け付けており、千葉県が21日に公表したリストには含まれていなかった。「グランドステージ江川」は、99年に完成、川崎市が建築確認していた。

 一方、姉歯建築士の関与した都内の72棟を各区などが調査した結果、新たに賃貸マンション「STAGE麻布」(10階建て、東京都港区)の偽装が判明した。

 同マンションは今年3月に完成、全9戸のうち8戸が賃貸されている。建築主、施工会社は福岡市の不動産会社「シノケン」。元請け設計会社の「アーキグラム」(福岡市中央区)によると、施工は木村建設東京支店、建築確認はイーホームズが行っていた。

 都では、5年の保存期間を過ぎて構造計算書が見つからなかったケースがまだ11棟あり、引き続き調査を進める。
(2005年11月29日3時21分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20051129ic01.htm

個人住宅でも姉歯事務所の偽造発覚 [読売]

 千葉県船橋市は28日、姉歯建築設計事務所が設計した同市内の木造3階建て個人住宅2戸で構造図が偽造されていたと発表した。

 一連の問題で個人住宅での偽造が発覚したのは初めて。

 市が独自に構造図と構造計算書を取り寄せて再調査した結果、構造計算書に問題はなかったが、これを基に作られた構造図では、基礎部分の鉄筋が必要量より2割程度少ないことがわかった。市は「耐震性がどの程度損なわれているかは調査中」としている。

 2戸の住宅は、民間の指定確認検査機関「UDI確認検査」(千葉県柏市)が建築確認を行い、2003年と04年に完成した。
(2005年11月28日22時37分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20051128it16.htm

耐震偽装で「自民は業界寄り」批判…武部氏ら釈明躍起

 マンションなどの耐震強度偽装問題をめぐる自民党幹部らの言動に対し、「業界寄りだ」との批判が噴出し、武部幹事長らは釈明に躍起になっている。

 批判されているのは、伊藤公介・元国土庁長官が、関係する開発会社社長を問題公表前に国土交通省の担当者に引き合わせたことと、武部氏が26日の講演で「悪者捜しに終始すると、マンション業界はつぶれ、景気がおかしくなる」などと発言したことだ。

 民主党の前原代表は、武部氏の発言について「だれの目線で考えているのか」と痛烈に批判。28日には、伊藤氏の問題を徹底的に追及する考えを示した。

 伊藤氏は、中川政調会長に「住民のことを心配してやった」と釈明したという。中川氏は、事実関係が明らかになるまで、この問題での活動の自重を求めた。伊藤氏は党住宅土地調査会長を辞任する方向だ。

 武部氏も28日の名古屋市での講演で、「(強度偽装の判明は)氷山の一角ではないか。不安が広がっており、(発言は)放置していたら大変だという意味で、業界寄りなど、とんでもない」と釈明した。

 しかし、自民党の高村正彦・元外相は28日、「事前チェックで失敗したから、事後チェックを徹底的にやらないと命にかかわる。悪者捜しをしないと景気が悪くなる」と記者団に述べ、武部氏の発言を皮肉った。
(2005年11月28日23時41分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe5500/news/20051128i116.htm

公明議員も国交省担当者にヒューザー仲介…偽装公表前 [読売]

 マンションなどの耐震強度偽装問題を国土交通省が公表する10日前の今月7日、公明党の山口那津男参院議員(53)が同省の担当者に対し、「民間の確認検査機関の建築確認に問題があり、耐震強度が不足したマンションがあると聞いた」と話し、開発会社「ヒューザー」(東京都千代田区)の小島進社長(52)の話を聞くよう求めていたことが、28日わかった。

 この仲介の結果、小島社長は9日、同省建築指導課の課長補佐と面会していた。

 山口議員によると、今月4日、東京都の区議会議員から「民間の確認検査会社がずさんな検査をしたため、強度不足のマンションを建ててしまった開発会社がある。国交省の担当者に話を聞いてもらえないか」などと相談を受けた。このため、山口議員は同日中に、同省側に「担当者を教えてほしい」と連絡。7日、同省建築指導課の課長補佐から電話があったため、ヒューザー側の話を聞くよう話した。

 その2日後の9日、小島社長が同省を訪れ、課長補佐と面談。この際、小島社長は「今回の件は国にも責任がある」などと話したという。

 国交省でも、山口議員側の紹介で、建築指導課の課長補佐が小島社長と会ったことを認めている。それによると、小島社長は9日、役員とともに同課を訪れ、「建築確認は国の仕事であり、建築基準法に合わないマンションができたのは国の責任だ」などの内容のことを話し、国側を激しく批判したという。

 これについて、山口議員は読売新聞の取材に対し、「ヒューザー社長とは面識がないし、献金なども受けていない。地元からあがってきた苦情について橋渡しをしただけ」と話している。

 ヒューザーは、国交省が当初、耐震強度が偽装されたとして発表した21棟のうち12棟の分譲マンションの建築主。自民党衆院議員の伊藤公介・元国土庁長官(64)も、山口議員の紹介から約1週間後の今月15日、小島社長を同省の建築指導課長に引き合わせていたことがわかっている。

 山口議員は、1990年2月に衆院議員に初当選。93年8月から94年4月まで防衛政務次官を務め、その後、参院に転身した。

(2005年11月28日 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/homeguide/news/20051128hg06.htm

耐震強度偽造 公的支援、住民に限定 政府・与党検討「責任は建築主」 [産経]

 政府・与党は二十七日、耐震計算書偽造問題で、公的支援の対象を当該マンション居住者らに限り、建築主には公的支援を行わない方向で検討に入った。政府筋は同日、「今回の件は法的責任がどこにあるかはっきりしている」と述べ、責任は全面的に建築主にあると強調した。関係自治体は、既に居住者に対し公的住宅を斡旋(あっせん)しているが、政府・与党は居住者への融資など支援策を検討する。ただ、ずさんな建築確認を許した国と自治体の責任を追及する声も強く、論議を呼びそうだ。

 政府・与党が公的支援を居住者に限定する方向で検討に入ったのは、民法上の瑕疵(かし)担保責任が建築主であるマンション販売会社にあるからだ。与党幹部によると、当該マンションのすべてを建築主が買い戻した場合にかかる費用は七百億円前後にのぼるとみられる。

 自民党の中川秀直政調会長は二十七日のフジテレビの報道番組「報道2001」で、同問題について「全面的に建築主に責任がある」と指摘、「与党として行政上、法律上の責任がどこまで課せられるか検討したい」と述べた。

 しかし、今回問題となった建築確認は、平成十年に建築基準法が改正され、従来の地方自治体に加え、国土交通相などが認定した民間の指定確認検査機関も代行できるようになった経緯がある。現在では民間機関が半数以上を担っているものの、法的には地方自治体などが行う「公の事務」に該当するため、居住者からは建築主だけでなく、国や自治体の補償を求める声が強まっている。

 中川氏も「公の事務がかかわっており、純然の『民・民』(の関係)とはいえない問題だ」と指摘したが、公的支援については「新たにどこかへ移住するといったことに対する融資で、あくまで居住者が中心になる」と述べ、限定的なものとなる見通しを示した。
URL:http://www.sankei.co.jp/news/morning/28iti001.htm

国交省検査は限定的 イーホームズ検査で見抜けず [朝日]

2005年11月27日07時03分
 マンションなどの耐震強度に関する構造計算書の偽造を見過ごした民間検査機関イーホームズ(東京都新宿区)に、国土交通省がほぼ毎年、定期的に立ち入り検査をしながら、同社の審査態勢の不備を指摘してこなかったことが明らかになった。帳簿の保管状況や検査員数の点検が中心で、建築確認の審査方法の中身は詳しく調べていなかった。こうした事態を受け、国交省は、民間検査機関への検査のあり方を見直す。

 また、現行の建築確認制度では、書類審査ですべての偽造を見抜くのは困難として、欠陥建築物の被害者に対する補償の強化にも乗り出す。

 国交省によると、民間検査機関への立ち入り検査は建築基準法に基づき、年1回程度で、「建築基準適合判定資格者」の資格を持った1級建築士の数や確認書類の保存状況、利害関係のある業者への検査の有無など、事務上の不備に関する点検が中心。構造計算書を個別に再計算することはなかった。

 イーホームズに対しては、ほぼ毎年度末に実施。10月24日には抜き打ちの検査もしたが、書類の保管の不備について改善を指導しただけで、構造計算書の審査状況は調べなかった。今回の偽造問題発覚後に立ち入り検査をするまで、審査手続きの違反には気づかなかったという。

 昨年は立ち入り検査をせず、建築基準法で定められた定期報告で事務概要や財務状況の書類を提出させていた。

 国交省は偽造見過ごしの再発防止策として、立ち入り検査の強化を検討。構造計算書など重要書類の一部を抽出して詳しく点検するなどの案が浮上している。

 ただ民間検査機関は122あり、建築確認の総数は年間約75万件。国交省は審査ミスを完全になくすのは困難とみており、建築確認の審査をすり抜けた欠陥建築物の被害者に対する補償の実効性確保が今後の検討課題だとしている。建物に欠陥があった場合に補償金が支払われる保険の売り主への加入義務などを軸に検討する。国交省幹部は「これまでの建築確認制度は性善説で運用してきた。今後は性悪説で制度全体を考える必要がある」と話している。
URL:http://www.asahi.com/national/update/1127/TKY200511260321.html

元国土庁長官、国交省課長にヒューザー社長引き合わせ [読売]

 マンションなどの耐震強度偽装問題を国土交通省が公表する2日前、自民党衆院議員の伊藤公介・元国土庁長官が同省担当課長に、開発会社「ヒューザー」(東京都千代田区)の小島進社長(52)を引き合わせていたことが26日、わかった。

 元長官によると、小島社長とは5、6年前に住宅関係の会合で知り合ったという。国交省の担当課長には今月15日、「知人が困っているので、話を聞いてやってほしい」と電話をかけたうえで、小島社長を連れて同省を訪ねた。

 同社長が「(建築確認で)『大丈夫』とされたものを建ててきたが、耐震基準にあわないマンションが出来てしまった」と釈明したのに対し、課長は「速やかに調査しており、一両日中に対応する」と述べたという。

 ヒューザーは昨年9月、元長官の政治団体「東京公友会」のパーティー券100万円分を購入。元長官は「耐震強度の偽装は知らなかった。パーティーは十数年ぶりにやらせて頂いたが、政治資金はきちんと報告している」としている。

 伊藤元長官は1976年、衆院議員に初当選し、96年11月~翌97年9月の間、国土庁長官を務めた。現在は、自民党住宅土地調査会長。

 訪問を受けた国交省の担当課長は「最初に電話を受けた時はヒューザーが同席することは聞いていなかった。伊藤先生は隣で話を聞いていたが、行政が影響を受けたということはない」と話している。
(2005年11月26日11時22分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe5500/news/20051126i103.htm

「鉄筋減らせ」指示された…姉歯建築士、3社実名挙げ [読売]

強度偽装
 マンションなどの耐震強度偽装問題で、構造計算書を偽造した姉歯秀次・1級建築士(48)は24日、国土交通省による聴聞に対し、取引先の施工会社など3社の実名を挙げて「『鉄筋量を減らせ』などと指示された」と主張した。

 3社はいずれも読売新聞の取材に事実関係を否定している。一方、姉歯建築士は、同問題の発覚当初に偽造を認めた21棟以外の物件については「(構造計算書を偽造したかどうか)記憶にない」と答えた。

 聴聞は、建築士の資格取り消し処分に向け、本人の弁明を聞くために非公開で開かれた。同省は来月7日に開かれる中央建築士審査会の同意を得て、姉歯建築士の資格を取り消す方針。

 鉄筋減らしに関し、姉歯建築士が名指ししたのは、建設会社「木村建設」(熊本県八代市)、開発会社「ヒューザー」(東京都千代田区)、不動産会社「シノケン」(福岡市)の3社。

 同省の説明によると、姉歯建築士は数年前、3社のうちの1社からの依頼で、構造計算書を作成したところ、「鉄筋量を減らせ」と指示され、計算書を作り直した。しかし、再度「もっと減らせ」と迫られ、「これ以上減らすと安全性に問題が生じる」と反論したが、「それなら、ほかの設計事務所に代える」と言われた。

 このため「仕事がないと生活に困るので応じた」といい、これが偽造に手を染めたきっかけだったと主張した。その後、他の2社からもコストを下げるよう指示があったという。

 偽造した構造計算書を検査した指定確認検査機関「イーホームズ」(東京都新宿区)については、「(検査が)通ってしまってびっくりした」などと話し、「(検査機関は)甘いところと厳しいところがあって、甘いところを使うようにした」と明かした。

 また、21棟以外に偽造した物件があるかどうかは「覚えていない」などとあいまいな発言に終始。新たに偽造が判明した「京王プレッソイン五反田」などについても「記憶にない」と語ったという。

 姉歯建築士は、偽造について「仕事の確保優先で考えが至らなかった」とし、「資格を持っている専門家として非常に申し訳ないことをした」と述べたという。

 同省は姉歯建築士を建築基準法違反容疑で刑事告発し、証言の信ぴょう性については、捜査機関の判断に委ねる方針。

 ◆会社側否定◆

 姉歯建築士の主張に対し、問題の3社の代表者らは次のように話している。

 小島進・ヒューザー社長(52)「自分の物件に金を払って手を抜けなどと愚かな指示をするわけがない」

 篠原英明・シノケン社長(40)「圧力どころか、事件まで姉歯建築士のことは知らなかったし、面識もない。恐ろしいことを言わないでほしい」

 木村盛好・木村建設社長(73)「(コストダウンの圧力をかけたことは)全くない。コスト削減については世界中を回って勉強したもので、姉歯建築士とは関係ない」

(2005年11月25日3時3分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20051125it01.htm

姉歯の計算書「一目でわかる偽装」、専門家が指摘 [読売]

 マンションなどの耐震強度が偽装されていた問題で、読売新聞が、問題の姉歯建築設計事務所(千葉県市川市)が作成したマンション2棟の構造計算書について、専門家に分析を依頼したところ、柱や梁(はり)が不自然に小さいうえに、地震時にかかる力を示す数値が、計算書の途中から半分程度の数値にすり替わるといった問題が各所にあることがわかった。

 複数の数値パターンによる計算書を組み合わせてでっち上げたと見られるという。分析した1級建築士は「巧妙どころかあからさまな偽装。検査機関などの専門家が気づかないとは考えられない」と話した。

 「一目で違和感を持った」と、この建築士が話すのは、千葉県船橋市にある湊町中央ビル(サン中央ホームNo.15)の構造計算書。姉歯事務所が設計し、サン中央ホームが施工・販売した鉄筋コンクリート10階建ての賃貸マンションで、国土交通省による再計算の結果、必要な強度の31%しか満たしていなかった。

 建築士によると、この規模の鉄筋コンクリート建築物の場合、下層階にいくほど梁を大きくしなければ、十分な強度は保てないが、サン中央ホームNo.15は、各階で梁の断面が同じ大きさになっていた。梁の中の鉄筋の本数も、普通は最上階に比べ、一番下の2階は数倍が必要だが、このマンションは2倍になっているだけで、「こんな造りは見たことがない」という。

 一方、強度がこのマンションと同じ31%だった東京都墨田区の「グランドステージ東向島」の計算書を見ると、やはり、梁の地震時応力度が応力図では「194」なのに、断面算定では「106」とほぼ半減していた。建築士は「2棟とも似たような手口」としている。
(2005年11月24日14時43分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20051124i106.htm

「姉歯」関与の偽装32棟に、台東区・長野県も見逃す [読売]

強度偽装
 マンションなどの耐震強度が偽装された問題で、民間の指定確認検査機関「イーホームズ」(東京都新宿区)が、新たに6棟のホテルについて耐震強度が偽装されていたと国土交通省に届け出ていたことが25日、わかった。

 また、東京都台東区の未着工のマンションや長野県の三つのホテルでも偽装が判明。姉歯秀次建築士(48)が関与したとされる194棟のうち、偽装が確認されたのは、当初の21棟を含め、計32棟となった。

 このうち、東京、長野の物件は、自治体が建築確認を行っており、24日の神奈川県平塚市に続いて行政のチェックミスが明らかになった。

 イーホームズが新たに届け出たのは、「京王プレッソイン五反田」(東京都品川区)、「三交イン静岡」(静岡市)、「くれたけイン浜名湖」(静岡県湖西市)、「沼津市大手町ビジネスホテル」(同県沼津市、工事中)、「本厚木ホテル」(神奈川県厚木市、工事中)、「プラザイン羽村」(東京都羽村市)。

 「プラザイン羽村」は、建築基準法上の基準は満たしているが、厳しい耐震性を求める東京都の指導を満たしていない恐れがある。

 東京都台東区の物件は、「エクセリア浅草田原町」で、1階が店舗の12階建てマンション(53戸)。まだ、計画段階で、更地のままという。

 元請け設計の井上建築企画研究所(東京都渋谷区)によると、約4年前、知り合いの建築会社幹部の勧めで姉歯建築設計事務所に発注するようになったという。

 このマンションを含めこれまでに十数件を依頼しており、「ほかの建築士が数日かかる仕事を、1日でこなすこともあった。仕事が速く、高く評価していた。今から思えば、不自然だった」としている。

 一方、偽装を見過ごしたことについて台東区の吉住弘区長は「建築行政に対する信頼を損なうこととなり、深くおわび申し上げます。事態を厳粛に受けとめ、建築確認審査事務の厳正化を図ってまいります」とのコメントを発表した。

 長野県では、「エースイン松本」(松本市)、「ホテルセンピア」(伊那市)、「駒ヶ根プレモントホテル」(駒ヶ根市)の構造計算書が改ざんされていた。

 同県によると、いずれも耐震性は建築基準を下回っていた。構造計算書には国交省大臣印付きの「認定書」も添付されていたといい、塚田和雄・県住宅部長は「私どもにとってはブラックボックスの部分で偽造がなされていた」と話している。
(2005年11月26日3時10分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20051126ic03.htm

「姉歯」関与、平塚のホテルも偽装?市が見逃す [読売]

 姉歯建築設計事務所(千葉県市川市)が関与した神奈川県平塚市のホテル「パークイン平塚」(11階建て・155室)について、同市は24日、構造計算書の数値が偽造されていた可能性が高いと発表した。

 姉歯建築設計事務所が書類偽造を認めた1都2県の計21棟以外の建物で偽装が発覚したのは2件目。一連の耐震偽装問題では民間の指定確認検査機関のチェックの甘さが浮き彫りとなったが、同ホテルの建築確認は同市が行っており、行政側の再点検で偽造の疑いが確認されたのは初めて。

 大蔵律子市長らが会見し、1階部分の水平方向に耐える力が必要な強度の60~70%しかなかったことを明らかにした。市の説明によると、改ざんが行われていた可能性があるのは、構造計算のプログラムによって打ち出された膨大な数字のうちの2か所で、柱に横からかかる力を示す「剪(せん)断力」に関する項目。

 改ざんを見抜けなかったことについて、大蔵市長は「厚さ10センチに達する書類に数字が羅列されている。建築確認申請が出てから、それを一つ一つ3週間のうちにチェックするのは厳しい」と説明している。

 同ホテルはJR平塚駅前にあり、2002年に完成。24日から営業を自粛し、予約客約100人は近隣のホテルに割り振った。
(2005年11月24日23時53分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20051124it15.htm

マンション11棟408戸、退去勧告へ [読売]

 首都圏のマンションなどの強度が偽装されていた問題で、国土交通省と関係自治体との3回目の連絡協議会が25日、同省で開かれ、震度5強程度の地震で倒壊の恐れがあるマンション住民に対し、安全確保のため、12月中旬までに自主的に退去するよう勧告することを決めた。

 応じない住民には、建築基準法に基づく予告通知を行った上で、使用禁止命令を出す方針。マンション住民への退去勧告は極めて異例だ。

 退去を求めるのは、耐震強度が0・5以下のマンションの住民。現在、各自治体が強度の再計算を急いでいるが、国交省が行った計算ではヒューザー、シノケン、サン中央ホームの3社が建築主の11棟(計408戸)が対象となる。

 まず、各自治体が12月1日をめどに、対象物件となった住民に対し、同月中旬までに自主的に退去するよう促す勧告を出す。移転しない住民に対しては、同月中旬に建築基準法に基づく通知を行った上、最終的には使用禁止命令を出す。

 現在、各マンションの建築主が住民説明会を開いて、今後の対応を協議しているが、同省によると、賃貸物件の住民の退去準備は進んでいるものの、家族で入居している分譲物件の住民の移動は難航しているという。

(2005年11月26日9時2分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20051126i203.htm

偽造見過ごしのイーホームズ、担当者全員が天下り社員 [朝日]

2005年11月26日00時03分
 千葉県市川市の建築設計事務所による構造計算書の偽造を見過ごした民間の検査機関イーホームズ(東京都新宿区)の審査担当者10人全員が、市役所などで建築確認業務に携わった公務員OBだったことが25日、国土交通省の調べでわかった。

 国交省は24、25両日、同社への立ち入り検査をし、審査担当者に聞き取りをした。建築確認の審査で同社が計算書の偽造を見過ごしたマンションなどは、17日発表の20棟から6棟増えて計26棟にのぼり、担当者は10人いた。いずれも市役所や区役所の元職員で、公務員時代に役所の建築主事として建築確認業務を経験していた。99年からの業務の民間開放を受け、同社へ転職してきており、50~60代が多かったという。

 審査の際、10人は、国交省令で定められた文書が添付されていなかったり、各ページの仕様が通常と異なったりする点を見過ごし、耐震強度が基準を大幅に下回る建物に建築確認を出していた。

 国交省の調べに、担当者らは「建築士が書類を作ったので、改ざんとは思えなかった」と話したという。国交省は「ルール違反の審査が、自治体にも広まっている可能性がある。業務の実態を調べ、制度をよく点検したい」としている。
URL:http://www.asahi.com/national/update/1125/TKY200511250346.html

耐震強度偽装マンション、10棟解体へ…2社が表明 [読売]

 首都圏のマンションなど22棟の耐震強度が偽装されていた問題で、東京と福岡の建築主2人が22日、別々に記者会見し、国土交通省から震度5強の地震で倒壊する恐れを指摘された計10棟(入居済み)のマンションを解体する方針を示した。

 退去を余儀なくされる住民の移転費用などについてはそろって補償を表明したが、買い取りについては対応が分かれた。

 会見したのは、東京都内の問題マンション4棟の建築主である不動産会社「シノケン」(福岡市博多区)の篠原英明社長(40)と、東京都内と神奈川県内の計7棟の建築主である開発会社「ヒューザー」(東京都千代田区)の小島進社長(52)。

 シノケンの篠原社長が解体を表明したのは、港区の2棟と新宿区の1棟の計3棟。渋谷区の1棟については検討のうえ、解体するか補強工事をするか決める。

 4棟を建て直すと約32億7000万円が必要で、それを再分譲しても10億~15億円の損失が出る見込み。篠原社長は「入居者の安全を考え、当座の費用は負担する」とともに、分譲マンション購入者からは購入価格で買い戻すと話した。

 一方、ヒューザーの小島社長が建て替えの方針を示したのは、同社が建築主になっている東京都中央区、墨田区、江東区、稲城市の4棟と、神奈川県横浜市、川崎市、藤沢市の3棟の、計7棟の分譲マンション。居住者からの買い取りには応じないものの、仮移転生活を始めた住民に対し、22日から1人あたり1日7000円を宿泊料として支払うとした。

 同社長は7棟の建て替え費用を約50億円と試算していることを明らかにし、「公的資金を貸していただければ、5年据え置き、15年払いで返済できると思う」と述べた。公的な支援が得られない場合は「会社を身売りして、対応したい」と話した。

(2005年11月23日3時7分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20051123i101.htm

耐震偽造:木村建設が破産へ「経営継続は無理」 [毎日]


 耐震データ偽造問題で、姉歯建築設計事務所に構造計算を依頼していた熊本県八代市の「木村建設」(木村盛好社長)が23日、破産手続きに入る方針を固めた。木村社長が24日、記者会見し表明する。民事再生法申請による経営再建を断念した形で、耐震データ偽造問題に絡む関係企業の経営破たんは初めて。

 同社は姉歯事務所が構造計算した東京都などの完成マンション・ホテル14棟のうち、約10棟の施工にかかわっていた。21日に1回目の不渡りを出し、弁護士と民事再生法適用の申請を検討していた。しかし「これだけ問題が大きくなり、今後、仕事がほとんど入ってこないことも予想される。経営継続は無理」(同社役員)として、民事再生法による経営再建は困難と判断したという。

 同社と対策を協議してきた弁護士は「社会的責任もあるのでなんとか会社を残したいが、刑事告発の動きもあり再建は難しい」としている。民間信用調査機関によると05年10月末時点で負債総額は約138億円に上る見込み。【山田宏太郎】


耐震偽造:強度不足の建築主ら 公的保険に未加入 [毎日]

 姉歯(あねは)建築設計事務所(千葉県市川市)による耐震データ偽造問題で、耐震強度が基準に達していないと指摘された完成済みのマンションやホテル14棟の建築主らがいずれも、財団法人「住宅保証機構」(東京都港区)が行っている「公的保険」に加入していなかったことが23日、国土交通省の調べで分かった。建築主らの民間保険の加入状況は現在調査中だが、今回の偽造問題を巡る「業者負担」の厳しい現実が改めて浮き彫りになった。同省によると、一般的にも未加入の業者が多く、同省はマンション建築主らに対する保証制度のあり方についても検討する方針。

 この保険は、同機構の「住宅性能保証制度」。住宅品質確保促進法で義務化されている住宅購入者への10年保証をカバーするためのものだ。制度は80年に、まず一戸建て住宅を建てる工務店など零細業者を対象にスタート。93年からは分譲共同住宅の建築主らも対象となった。建築主らが、新築住宅を保証住宅として登録、機構に加入すれば、10年間にわたり建物の不備が分かった場合に保証を受けることが出来る仕組み。登録の際は、建築中に専門家審査を経る。

 加入しておけば建築主らが倒産しても、機構が補修費用の約95%を住宅購入者に支払うという。同省は「今回の偽造事件でも、加入していれば保証対象になっていたはず」としている。

 一方、同省によると、同制度の登録建物は、04年度で一戸建て住宅が約10万3000戸に対し、マンションなど共同住宅が約7300戸。同年度のマンション着工戸数は約18万6000戸に上っており、ほとんどが加入していないのが実情だ。同省は「今回のような大規模な建て替えや補修は想定外。今後は建築主らの保証のあり方を改めて検討したい」としている。


行政にも賠償責任?耐震強度偽装、最高裁決定が波紋 [読売]

 新たな耐震偽装ホテルの存在が21日に判明し、強度偽装問題が拡大の様相を見せる中、「国や自治体は損害賠償の責任を負わないのか」という疑問がクローズアップされてきた。

 最高裁は今年6月、民間の指定確認検査機関が行った建築確認は、自治体が行ったものとみなすとの決定を出している。「あくまで民民問題」とする政府幹部の見解に対し、一部の建築主は「責任は全面的に行政にある」と主張。自治体関係者からも「賠償を求められたら、責任を負わされる可能性がある」との声が出始めている。

 注目の最高裁の判断は6月24日、最高裁第2小法廷によって示された。横浜市中区のマンションの周辺住民が2002年12月、「景観が乱される」などとして、建築確認を代行した民間の指定確認検査機関を相手取り、確認の取り消しを求めた訴訟。検査機関の確認を横浜市が行ったものとみなせるかが争われ、市は「確認をしたのは検査機関であり、市ではない」と主張したが、最高裁は建築基準法を根拠に「検査機関による確認事務は自治体の事務である」とする初の判断を示した。

 建築確認の民間代行は、1998年の建築基準法改正で認められた。国交相などが認定した検査機関が構造計算書の検査などを代行し、確認済み証を発行。自治体は検査機関から建築主名などを記載した建築計画概要書を受け取る。

 6月の最高裁決定に対し、横浜市は「納得できない」として、翌7月、国交省に建築基準法の改正を求める要望書を送った。また、他の全国の自治体からも国交省に対し、「検査機関が手数料を得て業務をしているのに、そのツケだけを負わされるのはおかしい」といった声が相次いだという。

 耐震強度の偽装が次々と明らかになっている今回の問題では、民間の指定確認検査機関「イーホームズ」(東京都新宿区)が、構造計算書の偽造を簡単に見逃していたことがわかっている。このため、マンションの販売業者らは、構造計算書を偽造した姉歯秀次1級建築士(48)や、イーホームズに損害賠償を求めていくとみられるが、最高裁決定を受け、自治体の責任を追及するケースも予想される。すでに、建築主の1社の「サン中央ホーム」(千葉県船橋市)は、「最高裁判例では、建築確認申請の許可権者はあくまで市であり、市に責任がある」とするチラシを住民に配布している。

 これに対し、横浜市は、「今回の件では、設計事務所や指定確認検査機関に責任があるほか、指定をした国にもその責任の一端があるのではないか」と主張し、江東区も「判例は今回とは次元が違う。金銭的支援は行えない」との姿勢。

 川崎市の担当者も「あくまで民と民の話。敗訴する可能性もあるが、全面的に争う」とするが、東京都港区の担当者は「最高裁決定を考えれば、区が後始末しなければいけない可能性がある」と戦々恐々としており、「自然災害とは違い、区民の税金を出す財政支援には批判があるだろうが……」と頭を悩ませている。

(2005年11月22日3時1分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe5500/news/20051122ic05.htm

震度5強で倒壊の恐れ、計4棟 都内2棟は購入費返還へ [朝日]

2005年11月21日03時17分
 首都圏のマンションなどの強度を示す書類が偽造されていた問題で、不動産会社「シノケン」(福岡市)は20日、都内のマンション2棟が震度5強程度で倒壊する恐れがあると発表した。購入者には代金を返し、入居者には退去を要請する方針。また、同様に震度5強程度で倒壊する恐れがあるとされた川崎市と千葉県船橋市のマンション2棟は、普通の補修では必要な強度が確保できず、建て替えが避けられない状態であることが国交省などの調べで新たに分かった。書類の偽造が判明したマンション20棟のうち、倒壊の恐れが確認されたのは4棟になった。

 20棟のうち、シノケンがかかわったマンションは4棟ある。このうち、この日、同社が公表したのは、港区と新宿区のマンション各1棟。一連の問題発覚後、シノケンが第三者の専門機関に調査を依頼したところ、2棟は鉄骨の本数が少なかったり、細かったりし、震度5強程度の地震に耐えられない恐れがあることが分かったという。

 残りの2棟についても、近く調査結果が出るという。

 入居者には転居先を確保するなどとしている。だが、同社がかかわった4棟すべての契約を白紙に戻して建て替えるなどの場合、最大で約33億円かかるとされ、その後の売却による収益を差し引いても10億円程度の資金が新たに必要となると試算している。

 これらの金額の負担について同社は、建築確認を審査した民間検査機関イーホームズ(東京都)や、施工を委託した木村建設(熊本県八代市)などと協議し、損害賠償請求を検討する方針。

 また、シノケンの物件には、姉歯(あねは)建築設計事務所(千葉県市川市)が構造計算し、イーホームズが審査したマンションが、国交省が指摘した20棟中の4棟のほかに、都内に4棟あることが判明したといい、これらについても耐震性を独自に調査する。

 一方、国交省によると、基準の3~7割しか耐震性がないとして公表した千葉県船橋市の賃貸マンション「湊町中央ビル」と、川崎市の分譲マンション「グランドステージ川崎大師」は、耐震改修をする場合、鉄骨の筋交いを入れたり鉄筋コンクリート耐震壁を増設したりするだけでなく、基礎部分の免震化のような根本的な工事が必要になるとみられるという。

 うち船橋市の物件については、建物自体の重みに対する強さが部分的に基準を下回っており、徐々にひずみが出る可能性もある。

 2棟は、自治体が耐震性が不足しているマンションに改修を指示できる来年1月改正の耐震改修促進法の対象物件にはならないが、国交省は、簡単な改修では済まないため、建て替えをせざるを得ないとみている。

 船橋市の「湊町中央ビル」を施工、管理しているサン中央ホームは20日、安全確保のために他の物件への移転を要請する文書を全入居者57人に配布した。移転費用と、他社物件の場合は礼金敷金、仲介料などを同社が負担するとしている。
URL:http://www.asahi.com/national/update/1120/TKY200511200166.html

首都圏でマンション構造計算書偽造、耐震性不十分の恐れ [朝日]

2005年11月17日23時18分
 国土交通省は17日、千葉県市川市の建築設計事務所が、マンションなどの設計に必要な、耐震性にかかわる構造計算書を偽造していたと発表した。書類が偽造された疑いがあるのは、東京、千葉、神奈川の1都2県のマンション20棟とホテル1棟。うち、完成済みのマンション2棟は震度6強~7程度の地震に耐える基準を満たさず、震度5強程度で倒壊するおそれがあるという。書類偽造は建築基準法違反にあたり、国交省は近く警視庁に告発する方針。

 偽造をしていたのは姉歯(あねは)建築設計事務所。動機について事務所の建築士は千葉県の調べに対し、「コスト削減のプレッシャーを受けていた」と話しているという。

 国交省はマンション20棟のうち、工事中の4棟と着工前の3棟については建築主に作業の中止を要請した。

 一方、すでに完成している13棟は分譲、賃貸マンションで計471戸。これらについて、耐震性の確認を急ぐとともに、補強や建て替えが必要になることも予想されるため、居住者受け入れのための住宅の確保を1都2県と都市再生機構に要請した。

 国交省は偽造された疑いのある建物名を、所有者の了解が得られしだい公表する方針。また、構造計算に関する制度と運用のあり方を検証する。

 国交省などが5棟について再点検したところ、すでに完成している千葉県船橋市と川崎市のマンションの耐震性能は基準の3~7割しかなく、震度5強程度の揺れで倒壊する恐れがあることがわかった。未完成の3棟も耐震基準を満たしていなかった。補強しても基準に届かないマンションは、市や区が所有者らに建て替えを求める。

 国交省と千葉県によると、この事務所は03年から今年10月にかけて、設計事務所6社からマンションなどの構造計算書の作成を請け負った際、耐震性について建築基準法の基準を下回る力で計算しながら、別の計算書を部分的に差し替えて基準を満たしているように装い、設計事務所に書類を提出した。計算書は、市役所などに代わって建築確認の審査をする都内の建築関連検査会社に提出されたが、偽造が分からないまま、認められていた。

 今年10月、検査会社が過去の計算書の不審点に気づき、偽造の疑いが発覚した。

 この建築士は90年に1級建築士の資格を取得。千葉県の調べに対し、ホテルを除くマンション20棟での偽造を認めた。ほかに1棟についても偽造をしたと説明しているという。過去5年間で他に約90棟の構造計算を請け負っており、被害はさらに広がる可能性がある。ただし、建築士は「他に偽造はしていない」と話している。

 国交省の佐藤信秋事務次官は17日夕、緊急会見し、「住民のみなさんのお気持ちは察するに余りある。大変遺憾であり、大急ぎで対応しなければならない」と話した。

 〈キーワード:構造計算書〉 地震など、外からの力に対する建物の強さを計算する書類。木造3階建て以上や鉄筋コンクリート造りの建物を建てる際に作成が義務づけられている。計算書によって鉄筋の本数や太さなどが決まり、全体の設計の基となる。

■問題の建物の所在地(他に1カ所が調査中)

 東京都=中央区2(うちホテル1)、港区2、足立区2、墨田区、江東区、渋谷区、新宿区、稲城市▽千葉県=船橋市5、白井市▽神奈川県=横浜市、川崎市、藤沢市、相模原市
URL:http://www.asahi.com/special/051118/TKY200511170340.html