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140516 過去帳は部外者に見せないで 差別懸念、各宗派が周知 [朝日]

 寺の檀(だん)信徒の戒名(法名)や死亡年月日などを記した「過去帳」について、各宗派が、外部に閲覧させないよう所属寺院に呼びかけている。かつて、被差別部落出身者かどうかを確かめる身元調査に過去帳が利用されているとして閲覧禁止を周知したが、ここ数年、寺外に見せた事例が相次ぎ判明したためだ。

 浄土真宗本願寺派(本山・西本願寺、京都市)は2月、過去帳や類する帳簿の扱いに関する規則を改訂。住職には、守秘義務や過去帳を厳重に管理する義務があると明記し、身元調査を断るシールを約1万の末寺に配った。門徒にも閲覧禁止を知らせる。

 きっかけは、2012年5月に放送されたNHKのバラエティー番組。広島県の同派の寺が、過去帳に類する帳簿を、祖父の手がかりを探していた出演者に見せる場面が流れた。

 放送後、同派はNHKに「寺に行けば簡単に過去帳を閲覧できると誤解されかねない」と指摘。NHKは再放送を取りやめた。NHK広報局は「過去帳に関し、歴史的な経緯も含め、制作現場に繰り返し周知するなど、再発防止に努める」としている。

 かつて被差別部落の人の戒名に「賤」「隷」「畜」といった文字をあてて過去帳に記したり、被差別部落の人だけの過去帳が作られたりしたことがあった。

 結婚や就職の際の身元調査に過去帳が使われているとして問題化したため、各宗派は1980年代以降、外部への閲覧禁止を所属寺院に通達。差別記載があった過去帳の書き直しを進めた。

 しかし、複数の地方紙でも昨年、過去帳などの調査で歴史上の人物らの新事実がわかったなどとする記事を、過去帳などの写真とともに掲載する例が相次いだ。いずれも過去帳などに差別記載はなかったが、部落解放同盟や寺の所属宗派が「過去帳が身元調査に使われ、人権侵害を助長したことを忘れているのでは」などと指摘。地方紙はホームページから記事を削除したり、記者研修を開いたりした。

 浄土宗(総本山・知恩院、京都市、約7千寺)や真宗大谷派(本山・東本願寺、京都市、約9千寺)なども改めて閲覧禁止を周知したが、一方で過去帳には人口動態など近世の歴史解明に役立つ史料という側面もある。身元を確認できる研究者が閲覧を求めた場合、宗派の担当職員の立ち会いの下で見せることを認める宗派もある。

 桃山学院大の寺木伸明・特任教授(近世部落史)は「80年代は僧侶の意識も高かったが、30年余りがたち、人権や部落差別への認識が薄れているのではないか。家系図作りなどルーツ探しが人気で、過去帳を見たいと寺に求める人が増えたことも影響しているのかもしれない」と指摘する。(岡田匠)

     ◇

 〈過去帳〉 檀信徒の戒名(法名)や俗名、死亡年月日、年齢などを記した帳簿。多くの寺で記録や回向のために記すようになったのは江戸時代前期からとされる。金庫に鍵をかけて保管している寺が多く、本尊とともに重要視される。


0518 延暦寺の役員が総辞職、組長法要問題で「おわび」 [読売]

 天台宗総本山の比叡山延暦寺(大津市)で指定暴力団山口組歴代組長の法要が行われた問題で、同寺は18日、大津市内で「一山(いっさん)協議会」を開き、代表役員で運営トップの今出川行雲・執行(しぎょう)(68)と、副執行6人の「執行(しぎょう)局」役員全員が責任を取って総辞職した。

 同寺は「信用を著しく損なう事態を招いた。暴力団の排除が求められている中、甚だ軽率な行為。多大なご迷惑をかけ、深くおわびする」との声明を発表。

 「今後は管理体制を見直し、職員の意識向上を図り、総力を挙げて信頼回復に努めたい」とし、ホームページにもおわびを掲載した。

 19日の会議で新役員の選任について協議、宗内の約3000寺に「おわび状」を郵送する。

(2006年5月18日23時28分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060518i415.htm

0516 山口組、延暦寺で歴代組長法要…寺「今後は断る」 [読売]

 天台宗総本山の比叡山延暦寺(大津市)に先月下旬、指定暴力団山口組の最高幹部ら約90人が集まって、歴代組長の法要を行っていたことがわかった。

 同寺など7万の寺が所属する全日本仏教会は、約30年前に暴力団排除を決議しており、滋賀県警も法要直前に中止を要請していた。

 警察当局は、香典名目で数千万円が上納されたとみており、「明らかに威力誇示と資金集めが目的」と分析。

 延暦寺は「配慮が足りなかった。今後、暴力団の法要は拒否したい」と話している。 警察当局や延暦寺などによると、法要は先月21日、山口組の初代から4代目組長の供養を目的に同寺の阿弥陀堂で開催された。

 銃刀法違反罪で服役中の6代目組長を除く、全国の直系組長ら約90人が、7台のマイクロバスに分乗して同寺に集結。

 午後5時から約40分間にわたって、「特別永代回向」と呼ばれる最高級の儀式を行った。滋賀県警は約50人態勢で警戒しトラブルはなかったという。

 3月下旬ごろ、第三者を介して山口組側から申し込みがあったといい、前日の20日に法要の開催を知った県警は、延暦寺に「やめられないか。社会的影響を考慮してほしい」と口頭で中止を申し入れたが、寺側は「宗教の行事だから断れない」などと答えたという。

 天台宗など58宗派が加盟する財団法人「全日本仏教会」(東京都)は1976年、全日本仏教徒会議で、「威力誇示、資金集めに利用するような葬儀、法要は拒否しよう」という暴力団排除の決議を行っており、仏教会は「法要が(暴力団に)利用されたことに関しては、大変遺憾に思う」としている。

(2006年5月16日16時18分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060516it11.htm?from=top

0226 住職:異例の一般公募 新潟のお寺が後継選びで [毎日]

 うちのお寺を継ぎませんか--。新潟市にある日蓮宗の妙光寺=小川英爾住職(53)=が、後継の住職選びとしては異例の一般公募を始めた。同寺は永代供養墓を全国に先駆けて始めるなど、脱「葬式仏教」を掲げる。そうした志を継げるのは、先入観のない教団外部の人材と見込んだためだ。後継は世襲か縁故で決まるのが常識だけに、寺のあり方を問う試みとして注目される。

 募集対象は25~30歳ぐらいまでの大卒で実社会での経験がある人。性別、国籍、専攻は問わない。3、4人をまず採用。3カ月研修し、2人程度を候補生として本採用する。その後、仕事の実務や他寺研修など3年間の育成プログラムを経て2013年をめどに1人が副住職に就任する。他の候補生は寺務職などで残るか、他寺の住職を目指すことになるという。研修中は月額3万円の研修費がもらえ、候補生になると給与は月額12万円。

 同寺は1989年、少子化、シングル化、核家族化が進む時代に応え、祭祀(さいし)の継承者(子孫)が必要ない新しい墓の形として注目される永代供養墓「安穏廟(あんのんびょう)」を始めた。年1回の「フェスティバル安穏」も行い、合同法要と生老病死を語るシンポジウムを開くなど、社会に開かれ人々の心の支えになる寺のあり方を模索してきた。こうして従来の檀家(だんか)のほかに、安穏廟の会員が550人に増えた。

 小川住職は「新しい時代のお寺の可能性を開く基盤が整ったので、それを引き継いでくれる人がほしい」と話している。

 応募は履歴書、職務経歴書、論文「私が妙光寺の住職になったら」(800字程度)を同寺(〒953-0011新潟市角田浜1056、電話0256・77・2025)に送るか持参する。締め切りは5月末。【内藤麻里子】

 ▽新しい仏教の形を唱える町田宗鳳・東京外語大教授(比較宗教学)の話 宗教の世界ではモチベーションが大事で、それが僧侶の資質を決定付ける。一方で世襲などで住職になる場合は知識も社会体験も少なすぎて信仰の受け皿になり得なかった。この公募で面白い人材が集まれば全国に広がる可能性がある。日本仏教改革のきっかけになってほしい。


新刊:無宗教からの『歎異抄』読解/阿満利麿 ちくま新書

「いかに善悪のけじめに神経をすり減らしていようが、人生そのもののはかなさ、不条理、虚妄に、道徳は答えを出すことはできない」。「業報にさしまかせて」の親鸞の教えは仏教的実存への決断。 [朝日] 05/07/10
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