dunpoo @Wiki ■日米同盟・自衛隊

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150409 日米防衛協力、世界規模に 米、アジア重視・中国に対抗 [朝日]

 米国のカーター国防長官が来日し、「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)改定の意義を強調した。米国のアジア重視政策を背景に、自衛隊にも一層の役割拡大を求めた。安倍政権も、新ガイドラインで中東・ホルムズ海峡での停戦前の機雷除去を可能にするなど積極的に応じる姿勢だ。

 カーター米国防長官は8日、首相官邸で安倍晋三首相と会談した。首相が「安全保障法制とガイドラインの策定を進めることで、抑止力を高めたい」と述べると、カーター氏は「新ガイドラインは、日米同盟の新たな機会を与え、この地域及び世界の平和と安定を保障する」と応じた。

 カーター氏は首相との会談に先立ち、中谷元・防衛相と会談。共同記者会見で、ガイドライン改定の意義を「米軍と自衛隊が切れ目なく行動する機会が増える。アジア太平洋、世界中で対応することがこれで可能になる」と訴えた。

 カーター氏が「アジア太平洋」と「世界中」を強調したのには意味がある。

 米国のオバマ政権は外交方針としてアジアを重視するアジア太平洋リバランス(再均衡)政策を掲げる。

 中東で「イスラム国」(IS)など過激派組織の活動が続き、ウクライナ問題も目が離せない状況だ。こうした中でアジア重視を掲げるのは、世界人口の半数が住み急成長する経済的潜在力が高いことに加え、中国が軍備を増強し海洋進出を進めるなど、軍事的に不安定な要素も大きいからだ。

 カーター氏は訪日直前の6日の講演で「アジア太平洋地域に関与するため、あらゆる能力を駆使して影響力を行使し続けていく」と力を込めた。とりわけ南シナ海などで海洋進出を強める中国に「深い憂慮」を表明。米軍は中国に対抗するため、米海兵隊のローテーション部隊を新たに豪州とフィリピンに置く。米海軍沿岸海域戦闘艦(LCS)も、シンガポールにローテーション配備。南シナ海に米軍の軍艦が恒久的に配備されるのはベトナム戦争以来だ。

 米国は財政難で軍事費を抑えなくてはならず、自国だけでは限界があるという認識だ。この日も、カーター氏は南シナ海での協力を持ち出し、中谷氏と意見交換した。

 米国は同時に、世界における自衛隊の役割拡大にも期待している。安倍政権は安保法制で、世界で米軍などへの後方支援活動を可能にする恒久法を作る方針だ。米軍関係者は「日本の支援もあらかじめ想定でき、海外での作戦計画も練りやすくなる」と話す。

 (佐藤武嗣=ワシントン、三輪さち子)

 ■日本 安保法制と「両輪」

 安倍政権は、米国の要請に積極的に応えている。防衛相経験者は「米国のお墨付きこそが安保国会を乗り切る原動力になる」と前のめりだ。

 安倍首相は国会答弁などで、ホルムズ海峡での停戦前の機雷除去の必要性を繰り返し強調。安全保障法制見直しでは、国連平和維持活動(PKO)での武器使用基準が緩和される見通しだ。南シナ海での警戒・監視活動の検討も進める。

 日米ガイドライン改定は安全保障法制と「車の両輪」の関係にある。政府が5月に国会に提出する予定の安全保障法制の内容は、新ガイドラインにも反映される。日米関係の強化が法制を作る大きな目的でもある。安倍首相は「切れ目のない対応が必要」と強調している。

 そんな首相の思いは、ガイドラインと安保法制に色濃く反映される方向だ。現在のガイドラインでは、(1)平素(2)周辺事態(3)有事、と3分野の事態に応じて米軍との協力事項を定めている。地理的にも日本とその周辺に制限している。

 新ガイドラインでは、「日本」や「日本周辺」に限定していた従来の3分野の区切りをなくし、「切れ目のない形で、日本の安全が損なわれることを防ぐ」などと明記する方針だ。

 これによって、尖閣諸島など離島防衛を念頭に、日本有事には至らないが警察権だけでは対応出来ない「グレーゾーン」事態にも対応する。

 さらに、現在のガイドラインでは事実上、日本周辺という地理的制限のある「周辺事態」は「重要影響事態」に衣替えする。日本周辺に限らず、世界のどこでも日本の平和と安全に重大な影響があれば、米国などへの後方支援が可能になる。「いまや『イスラム国』のテロなど、日本や日本人への危険が日本周辺とは限らない」(官邸幹部)との考えからだ。

 ホルムズ海峡での停戦前の機雷除去については公明党が反対しているが、防衛省幹部は「米国と約束したら、もう『できない』なんて言えない」と強気だ。

 (今野忍)

150408 日本の軍事的役割、国内7割「制限を」米5割「拡大を」 [朝日]

 日本のアジア太平洋地域での軍事的役割について、米国では約5割の人が「より積極的に役割を果たすべきだ」と答えたのに対し、日本では約7割が「制限すべきだ」と役割拡大を否定的に見ていることが、米調査機関ピュー・リサーチ・センターが日米両国で実施した世論調査で分かった。

 調査は、米国では2月中旬、日本では1月末から2月中旬まで、18歳以上の各千人を対象に電話で実施。日米両国は3人に2人以上が互いの国を「信用できる」と回答したが、「中国を信用できる」と答えたのは、米国では30%、日本では7%にとどまった。

 ただ、米国で、経済的結びつきで日中のどちらが重要か聞いたところ、「中国」を挙げる人が43%で、「日本」の36%を上回った。特に18歳から29歳の若者層でその傾向が強く、6割強が「中国」と答えた。

 日本の戦時中の行為について「日本は十分謝罪した」と感じる米国人は37%で、「謝罪の必要はない」が24%、「不十分」は29%だった。一方、米国の原爆投下について、米国人の56%が「正当化される」と答え、「正当化されない」は34%。逆に日本では79%の人が「正当化されない」と答えた。

 米国では、日韓関係が慰安婦問題で緊張していることを「よく聞いたことがある」と答えた人は10%で、「少し」は31%。「まったく聞いたことがない」は57%だった。

 また、日本の有名人や企業の名前を挙げて印象を尋ねたところ、米国でイチロー選手に好感を持つ人は47%だったのに対し、安倍晋三首相への好感は11%にとどまり、7割超が名前を聞いたことがないと答えた。(ワシントン=佐藤武嗣)

150405 翁長氏「辺野古建設は絶対不可能」 菅官房長官と初会談 [朝日]

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の同県名護市辺野古への移設計画をめぐり、菅義偉官房長官と翁長雄志(おながたけし)・同県知事は5日午前、翁長氏の知事就任後初めて会談した。菅氏が計画を進める国の方針を説明する一方、翁長氏は移設反対の考えを改めて訴えた。

 会談は約1時間、那覇市内のホテルの一室で行われた。冒頭約30分間が報道陣に公開され、菅氏、翁長氏の順に、約15分ずつ考えを述べた。

 菅氏は「日米同盟の抑止力の維持や、(普天間飛行場の)危険性除去を考えたときに辺野古移設は唯一の解決策であると政府は考えている」と移設計画への理解を求めた。また、普天間飛行場が抱える機能のうち、緊急時の航空機の受け入れについて、「九州に移す予定で話を進めている」と述べ、新たな基地負担軽減策を検討していることを明らかにした。

 翁長氏は「辺野古は建設できないとの確信を持つ。建設は絶対不可能だ。頓挫で起こる事態は全て政府の責任だ」と、移設に反対する考えを強調。自身が初当選した昨年11月の知事選について「争点は(前知事による辺野古の埋め立てに関する)承認への審判だった。圧倒的な考えが示された」と述べ、移設反対の民意の支持をアピールした。(星野典久、山岸一生)

150403 イラク派遣の教訓 先崎一さん、山崎拓さん(耕論) [朝日]

2015年4月3日05時00分
 与党が基本方針を決めた新たな安全保障法制では、自衛隊の海外派遣の活動が広がると同時にリスクも高まる。12年前のイラク派遣に関わった制服組トップと政権幹部に、当時の教訓と、これからの安全保障のあり方について聞いた。

 ■大義名分、はっきりさせて 先崎一さん(元統合幕僚長)

 イラク派遣の当時、私はポケットに、常にメモを入れていました。万が一、隊員に犠牲者が出た場合、他の隊員や家族にどういう話をするのか、記者会見で何を話すかを書いたものです。非常事態のリーダーシップのあり方に悩んでいた私は、各国の陸軍幹部に相談しました。ドイツの指揮官はかつて部下を10人亡くし、パニック状態になったと言うのです。だから準備をしておいた方がいいと。

 犠牲者が出た場合の具体的な手続きも検討しました。家族に伝えるのに電話だけというわけにはいきません。遺体は政府専用機で運ぶのか、葬送式をどう執り行うか。棺おけも現場に持って行きました。戦死、戦闘死など殉職隊員に対する名誉の問題について、国として何らかの対応を考えてほしいと政治家に要求もしました。名誉は金には換えられません。しかし、海外で戦闘はしないので戦死は認められず、事故死扱いだと言われました。

 なぜそこまでしたのかといえば、それは自衛隊という組織としてのプライドです。犠牲者が出れば政治も国民も相当、動揺するでしょう。命令だから政府が撤収しろと言えば従いますが、他国軍と一緒に活動している以上、自衛隊は何があっても毅然(きぜん)とした態度で、与えられた任務を続けようという思いを持っていたのです。

    *

 <反対多数に焦り> イラク特措法での「戦闘地域」と「非戦闘地域」という線引きは法律用語であり、我々の実態とは違うという意識で臨みました。派遣される立場としては、銃声が一発でも聞こえれば、砲弾が一発でも落ちてくる状態であれば、備えは同じです。対テロ戦では、いつ何が起きるかわかりません。

 自衛隊が活動したのはサマワですが、当初はバグダッド周辺や米軍キャンプ内で給水活動などをしてくれないかという要求もあった。官邸内に「米軍の近くで活動した方がアピールできるのではないか」との声もあったようです。

 しかし「ニーズはあっても、それは我々の能力を超えるので、できません」と事前に伝えました。派遣される立場上、そこは譲りません。イラク特措法では認められる武器の使用に一定の範囲があります。敵を排除する武器使用は認められていないので、できないことはできないのです。

 大切なのは、自衛隊派遣の大義名分をはっきりさせることです。困っているイラク人の復興支援のためだと。もちろん日米同盟や国益、国際社会の有力な一員としての責務などもありますが、それだけでは危険な地域に派遣される隊員や家族は納得しないのです。

 派遣の直前、報道各社の世論調査では、自衛隊のイラク派遣についてすべて「反対」が上回っていました。焦りましたね。だから私は当時の小泉純一郎首相に、派遣の大義を直接隊員に話してもらおうと掛け合ったのです。実現しませんでしたが、最後の仕上げの訓練の後、小泉首相のメッセージを私が隊員を前に読み上げました。隊員の精神的な支えは、国民の良識と国民との信頼関係です。

    *

 <政治との信頼を> 日本がその後の本格的な国際貢献をする上で、イラク派遣は大きな試金石になりました。過酷な状況での長期任務にいかに耐え得るか。この経験は自衛隊だけでなく、日本にとっても大きな自信になったと思います。

 イラクでは自衛隊が現地に受け入れられている様子が他国から高く評価されました。一方で失敗している国もあります。日本として主体性を持ち、できることを堂々と主張する方が、国際社会から信頼されるのではないでしょうか。

 海外派遣の恒久法ができれば、危険な任務に派遣されることもあるでしょう。派遣の判断で重要なのは、必要性と可能性のバランスです。政治と制服を着た自衛官との信頼関係が基本になる。ぜひ制服の意見を尊重してほしい。そうでなければ、隊員の命は守れません。

 (聞き手・三輪さち子)

    *

 まっさきはじめ 44年生まれ。68年、自衛隊入隊。02年12月陸上幕僚長に就任し、陸自トップとしてイラク派遣で指揮にあたった。06年3~8月、初代統合幕僚長を務めた。


 ■軍事力での貢献、行き過ぎ 山崎拓さん(元自民党副総裁)

 イラク戦争とは何だったのか。それを考えると、自衛隊の派遣は行き過ぎだったと思います。

 自民党幹事長をしていた2003年2月、米国のパウエル国務長官が来日し、公明党の冬柴鉄三、保守新党の二階俊博(現自民党総務会長)両幹事長とともに米大使公邸で説得を受けました。パウエル氏は「イラクには大量破壊兵器がある。フセイン大統領に使われると甚大な被害が発生する恐れがある」と説明し、「日本も同調するよう小泉純一郎首相を説得してくれ」と要請されました。

 私たちはその主張をうのみにし、小泉首相に「ゴーサインを出すべきだ」と進言した。小泉首相はブッシュ大統領に「イラク戦争を支持する」と伝えました。

 結果論から言えば、大量破壊兵器があると信じたのは間違いでした。米国追随主義の典型です。米国の圧力というよりも、日本の政治家にたたき込まれた「日米同盟堅持」という外交理念によるものが大きい。同盟堅持のため、米国の要求にはできるだけ応えようという「対米コンプレックス」の表れだったかもしれません。

 イラク戦争という力の裁きの結果、「イスラム国(IS)」という鬼子が生まれたとも言えます。私はいま、当時の判断に対する歴史の審判を受けているようにも思える。ISの製造者責任は米国であり、間接責任は小泉首相にも、私にもあると言えるからです。

    *

 <タブーへの挑戦> 自衛隊のイラク派遣で死者を出さなかったことは良かったが、日本が軍事力を外に向ける方向に一歩踏み出したことは間違いない。今の安保法制の議論は、イラク派遣の活動の中身を総括せずに、自衛隊をもっと活躍させようという議論の方向に向いています。

 安倍政権の姿勢には、強い危機感を持ちます。専守防衛から他国防衛容認に転換し、国際貢献に軍事力を投入することは、今までの安保政策を百八十度変えるものです。地球の裏側まで自衛隊を派遣できる恐ろしい広がりを持っている。これほどの転換は、憲法9条の改正について、国民投票で支持を得てからやるべきものです。

 だから首相の「我が軍」発言には、国家のために軍隊は血を流すものだという軍国主義を肯定するニュアンスさえ感じる。国際貢献に軍事力を活用し、積極的平和主義の裏付けにする発想でしょうが、戦後70年間平和を維持してきた以上の平和主義はありません。

 首相は、安保政策で政治的実績を残したいのでしょうが、首相に一貫して見られるのは「タブーへの挑戦」という政治家としての美学です。歴代自民党政権が「集団的自衛権は行使できない」としてきた政府見解を解釈改憲で覆した。それはまさに「アリの一穴」なのに、首相はその危うさに気付いていない。

    *

 <番犬になるのか> 日本が集団的自衛権を行使して、米国を守りに行くというが、現実に米国を攻める国はありません。ありうるケースは、米国が世界の警察官として振る舞う時、「自分も年を取ったから、日本も一緒に戦ってくれ」という状況です。新たな日米防衛協力のための指針で米国はそうした役割を求めてくるでしょう。今回の安保法制は、米国のいわば「番犬」となるための法整備となりかねない。

 米国が国連決議なしに中東の紛争に関わる時、「番犬」として自衛隊が巻き込まれるのは馬鹿げている。イスラムのシーア派とスンニ派の戦いはどちらが正しいか分からない。「日本は関係しない」と言う方がよっぽどましです。

 より多くの国と安全保障協力すれば日本の安全が確保されるという考えは間違いです。戦争に巻き込まれるだけで余計な善意です。

 他国の戦争に出て行かないことこそ本当の平和主義。積極的平和主義の美名の下に軍事力で国際貢献するより、他国が「日本のようになりたい」と思う良い意味の一国平和主義をめざすべきです。

 (聞き手・石松恒)

    *

 やまさきたく 36年生まれ。防衛庁長官や自民党安全保障調査会長などを歴任。小泉政権だった01~03年には、自民党幹事長や副総裁として自衛隊海外派遣に関わった。

150331 南シナ海、強まる監視要求 [朝日]

各国が管轄権を主張する境界線/南シナ海をめぐって対立する日米と中国
 南シナ海では、海洋進出を強める中国と沿岸の東南アジア各国が、豊富な埋蔵資源をめぐってせめぎ合いを続けている。中国に対抗するため、米国が期待をかけるのが、自衛隊の監視活動など、南シナ海での日本の役割拡大だ。安倍政権が進める安全保障法制では、この地域を念頭に置いた法整備が進められている。

 ■中国進出、資源争い激化

 「いよいよ国防の危機だ」。フィリピン議会のアセディロ議員は息をのんだ。議会で今月、軍が南沙(スプラトリー)諸島を撮影した航空写真が回覧された。写真からは、中国がここを次々に埋め立て、軍事施設の建設を急速に進めていることが、はっきり見て取れた。埋め立ては計7カ所。6階建ての施設、滑走路、対空用の砲塔とみられる装置もあった。

 南シナ海では沿岸国が管轄権を主張する海域が重なる。中国が主張する境界線は本土から不自然に大きく南にせり出し、形から「牛の舌」と揶揄(やゆ)される。

 南シナ海の海底には豊富な石油資源があると見られている。太平洋やインド洋へ行き来する商業、軍事上の要衝でもある。中国が支配にこだわる理由だ。

 ベトナム沖の西沙(パラセル)諸島近海では、中国が石油掘削に乗り出した。

 記者を乗せたベトナム海上警察の巡視船が昨年5月、掘削現場に近づくと、中国海警の大型巡視船が「立ち去れ」と前を阻んだ。中国軍の偵察機が上空を飛んでいた。ベトナムの船員は「我々の大陸棚内なのに、近づくこともできないとは」と嘆いた。

 中国に対抗できないフィリピン、ベトナムが頼りにするのは米国と日本だ。

 米国、フィリピン両政府は昨年4月、軍事協定を結んだ。米軍は今年2月、南シナ海で計180時間、P8A哨戒機の飛行訓練を実施して中国を牽制(けんせい)した。

 ベトナムも米国との距離を急速に縮める。一昨年7月、米国はベトナムと「包括的パートナーシップ」を結ぶと発表。ベトナムの沿岸警備強化に、1800万ドル(約21億6千万円)を出すと表明した。

 日本への期待も高まる。フィリピンは、日本の途上国援助(ODA)で巡視船10隻を受け入れることが決まった。将来的には、潜水艦の監視で高い能力を持つ日本のP3C哨戒機の払い下げも視野に入れる。ベトナムは日本のODAで、海上での監視、警備活動向けに中古船6隻を導入する。

 ■米、自衛隊の派遣を期待

 米国は中国に対抗するアジア太平洋リバランス(再均衡)政策をとる。その「主戦場」が南シナ海だ。ただ、財政難で軍事費を抑えられており、単独で対抗するのは難しい。期待をかけるのが日本だ。

 超党派の米知日派がつくった2012年の「アーミテージ・ナイ・リポート」は「南シナ海での軍事的緊急事態は、日本の安全と安定に深刻な影響を及ぼす」と記した。シーア米国防次官補は今月27日の講演で「日米同盟は地域の平和と安定のために重要だ。それは北東アジアだけを意味せず、東南アジアや南シナ海も含まれる」と述べ、南シナ海での日本の防衛協力に強い期待感を示した。

 安倍政権も呼応する。中谷元・防衛相は2月、「南シナ海の情勢がわが国の安全保障に与える影響が拡大する中、どう対応すべきか今後の課題としたい」と語った。

 安保法制が成立すれば、南シナ海で、自衛隊が米軍などに協力できる範囲が広がる。これまで米軍への後方支援のあり方を定めてきた周辺事態法は、朝鮮半島など「日本周辺」の有事を想定していた。安保法制では、この法律から「日本周辺」という地理的制約をなくし、世界中で米軍などの他国軍に後方支援ができるようにする。政府が、南シナ海での中国軍の行動や米中衝突を「日本の平和と安全に重要な影響を与える事態」と判断すれば自衛隊が派遣される可能性がある。

 米国が南シナ海で日本に求めるのは海上の警戒・監視だ。海に囲まれた日本で、自衛隊が得意とする分野だ。ただ、実際に南シナ海で米軍への協力を進めるのかは、矢面に立つ防衛省内で意見が分かれている。ある幹部は「南シナ海は遠い。警戒監視は現実的ではない」。海上自衛隊の関係者は「南シナ海のシーレーン(海上交通路)は日本にも米国にも死活的に重要だ。自衛隊が警戒監視に関わるのは当然だ」と話す。
 (佐々木学=ハノイ、佐藤武嗣=ワシントン、三輪さち子)

150223 与那国島、陸自配備に賛成多数 住民投票、政府方針を追認 [東京]

 日本最西端の沖縄県・与那国島(与那国町)で22日、陸上自衛隊沿岸監視部隊配備の是非を問う住民投票が実施され、即日開票の結果、賛成が632票で、反対の445票を上回った。政府の配備推進を追認した形。誘致派の外間守吉町長は記者団に「非常に安堵した。行政運営がスムーズにできる」と述べた。沖縄防衛局は「計画通り部隊配備を進めていきたい」とのコメントを出した。
 反対派は、陸自施設の建設差し止め訴訟を起こす考えを示した。
 陸自配備は、海洋進出を活発化させる中国に対抗し、政府が掲げる南西諸島の防衛力強化の一環。配備予定地では既に造成工事が進んでいる。
(共同)