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■原発13Ⅰ から続く
最新の情報は、■原発?

141107 川内原発再稼働、鹿児島知事が同意表明 新規制基準で初 [朝日]

 鹿児島県の伊藤祐一郎知事は7日、九州電力川内(せんだい)原発(薩摩川内市)1、2号機の再稼働に同意する考えを表明した。県議会がこの日、再稼働を求める陳情を採択したことを受けて判断した。東京電力福島第一原発の事故後にできた新規制基準の主な審査を通った原発で、初めてとなる地元同意の手続きが終了した。川内原発は年明け以降に再稼働する見通しだ。

 原子力規制委員会が9月10日に、新基準を満たすとした審査書をまとめてから2カ月足らずで、再稼働に向けた地元同意の手続きが終わった。原発を「重要なベースロード電源」と位置づける安倍政権は、地元同意の範囲を立地自治体に限った川内原発の同意手続きを今後の「ひな型」にして、再稼働を加速させたい考えだ。規制委は近く関西電力高浜原発(福井県高浜町)3、4号機の審査書案をまとめる。

 伊藤知事は午後に開いた記者会見で「諸般の状況を総合的に勘案し、再稼働はやむを得ない」と述べた。会見では、①事故時に国が責任を持つことなどを国が約束した②原子力規制委員会の審査で安全性が確認された③立地自治体の薩摩川内市と市議会、県議会の同意が得られたといった点を同意の理由に挙げた。

 地元同意に法的な定めはないが、国は原発の半径30キロ圏内の市町村には避難計画づくりを義務づけている。川内原発でも立地自治体以外に8市町が対象だが、伊藤知事が同意の範囲を自身のほか立地自治体の薩摩川内市長と市議会、県議会に絞ったことで2カ月足らずのスピード同意となった。同市長と市議会は10月末に同意。県議会も7日、与党自民党県議団などの賛成多数で、再稼働推進の陳情を採択した。

 これを受け、菅義偉官房長官は7日の記者会見で「関係者のみなさんに重要なご判断をいただき、再稼働に向けた取り組みは大きく前進した」と話し、歓迎する意向を示した。

 地元同意の手続きは終わったが、設備の詳しい設計を記した「工事計画」と運転や事故時の対応を定めた「保安規定」の審査は続く。規制委による認可までには1~2カ月かかるとみられる。認可後の現地での設備検査も1~2カ月かかる見込みだ。

140905 関電、美浜原発2基の廃炉検討始める 政府も後押しへ

 関西電力は、運転を始めてから40年を超える美浜原子力発電所(福井県美浜町)1、2号機を、廃炉にする検討を始めた。業績が悪化するなか、運転を続けるには巨額の投資が必要になるためだ。九州、中国、四国電力も老朽化した原発の廃炉の是非を検討している。原発依存度を減らすには、円滑な廃炉の仕組みを整えられるかが課題となる。

 美浜原発1号機は運転開始から43年、2号機は42年を超える。関電は年内にも廃炉にするかを最終判断して、地元自治体と協議に入る。九電は玄海1号機(38年)、中国電は島根1号機(40年)、四国電は伊方1号機(36年)を廃炉にするかについて検討中だ。

140827 敦賀原発下は「活断層」、専門家会合見解変えず [読売]

 原子力規制委員会の専門家会合は27日、日本原子力発電敦賀原子力発電所(福井県)の2号機原子炉建屋直下にある断層(破砕帯)について、「活断層」と認定した昨年5月の見解を変えないことで一致した。

 日本原電による追加調査で得られた試料などを検討したが、「結論を覆すデータはない」と判断した。

 次回会合で日本原電の意見を聞いたうえ、最終的な結論である評価書をまとめる。専門家会合の方針が覆る可能性は低く、2号機の運転停止は長引きそうだ。

 昨年5月以降、日本原電は破砕帯の構造の分析結果や火山灰のデータを提出し、「年代が古く、活動しない」と、反論していた。しかし、この日の会合で、島崎邦彦・委員長代理と有識者4人は、日本原電側の新たなデータを考慮しても、活断層との結論は変わらないとの見解でまとまった。

140522 大飯再稼働、差し止め命じる 生存と電気代、同列許さず [朝日]

 関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)をめぐり、住民らが関電に運転の差し止めを求めた訴訟の判決が21日、福井地裁であった。樋口英明裁判長は「大飯原発の安全技術と設備は脆弱(ぜいじゃく)なものと認めざるを得ない」と地震対策の不備を認定し、運転差し止めを命じた。関電は22日にも控訴する方針。

大飯原発に関するトピックスはこちら
 2011年3月の東京電力福島第一原発の事故後、原発の運転差し止めを求めた訴訟の判決は初めて。大飯原発は13年9月に定期検査のため運転を停止し、新規制基準に基づく原子力規制委員会の再稼働に向けた審査を受けている。

 この判決が確定しない限り、基準に適合すれば大飯原発の運転は可能だ。ただ、司法判断を無視しての強行には世論の大きな反発も予想され、安倍政権の再稼働方針に対する足かせとなることは必至だ。

 福島第一原発事故を踏まえ、まず樋口裁判長は「生存を基礎とする人格権は憲法上の権利であり、法分野において最高の価値を持つ」と述べ、差し止めの判断基準として「新規制基準への適否ではなく、福島事故のような事態を招く具体的な危険性があるか」を挙げた。

 そのうえで、大地震が来た時に原発の冷却機能が維持できるかどうかについて検討。05年以降、安全対策の基準となる「基準地震動」を超える大きさの地震が東日本大震災を含めて5回原発を襲ったことを指摘し、大飯原発の基準地震動を700ガル(ガルは揺れの勢いを示す加速度の単位)とした関電の想定を「信頼に値する根拠はない」とした。関電は、基準地震動の1・8倍にあたる1260ガルに達しない限りメルトダウンには至らないと主張したが、判決は「その規模の内陸地殻内地震は大飯原発で起きる危険がある」と退けた。

 次に、使用済み核燃料を貯蔵するプールについても、樋口裁判長は福島第一原発事故で建屋の壁が吹き飛ぶなどして、周辺住民の避難が計画されたことを指摘。「使用済み核燃料も原子炉格納容器と同様に堅固な施設によって囲われてこそ初めて万全の措置と言える」と、関電の対応の不十分さを批判。「関電は、原発の稼働が電力供給の安定性につながるというが、極めて多数の人の生存そのものに関わる権利と電気代の高い低いの問題とを並べた議論の当否を判断すること自体、法的には許されないと考える」と結論づけた。

 裁判は、福井県民ら計189人が原告となっていた。判決は、福島第一原発の使用済み核燃料プールをめぐるトラブルで250キロ圏内の住民の避難が検討されたことを踏まえ、大飯原発から同じ距離圏内に住む原告166人について差し止め請求を認めた。(太田航)

140521 大飯原発3・4号機の再稼働差し止め命じる 福井地裁 [朝日]

 関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)をめぐり、住民らが関西電力に運転の差し止めを求めた訴訟の判決が21日、福井地裁であった。樋口英明裁判長は250キロ圏内に住む住民らは差し止めを求めることができると判断し、運転差し止めを命じる判決を言い渡した。

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 2011年3月の東京電力福島第一原発の事故後、原発の運転差し止めを求めた訴訟の判決は初めて。大飯原発は13年9月に定期検査のため運転を停止し、新規制基準に基づく原子力規制委員会の再稼働審査を受けている。

 差し止めを命じたこの判決が確定しない限り、再稼働審査に適合すれば大飯原発の運転は可能だが、司法判断を無視して再稼働させることには世論の大きな反発が予想される。このため、全国の原発で再稼働に向けた動きが進む中、福井地裁の判決が注目されていた。

 差し止めを求めたのは福井県の住民や、原発事故に伴う福島県からの避難者ら計189人。

 訴訟の最大の争点は、耐震設計など安全対策の基準となる基準地震動を超える大きさの地震が起きる可能性があるかだった。

 住民側は05年以降、原発が基準地震動を超える揺れに襲われた例が、福島第一原発事故を含めて5例あることを指摘。「関電の想定は過小だ」と主張した。

 一方、関電側は訴訟で大飯原発の基準地震動を700ガルと説明。さらに原発周辺の三つの活断層が連動して想定を上回る759ガルの地震が起きたとしても、「安全上重要な施設の機能は維持される」などと反論した。

 訴訟では樋口裁判長の訴訟指揮により、①外部電源が喪失した場合などでも過酷事故を防ぐために原子炉を冷却できるか②使用済み核燃料プールの損傷による放射能漏れの可能性③活断層や地滑りで地盤にずれが生じる可能性、の3点も争点となり、住民側が危険性を指摘した一方、関電側は「福島第一原発事故後を踏まえた安全対策をしている」などと反論していた。

 原発訴訟をめぐって過去に住民側が勝訴したのは、高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の設置許可を無効とした名古屋高裁金沢支部判決(03年)と、志賀原発(石川県志賀町)の運転差し止めを命じた金沢地裁判決(06年)の2例。ただ、いずれも上級審で住民側の敗訴が確定している。(太田航)

140521 発表要請「絶対にだめだ」 原子炉危機、周知に壁 [朝日]

 住民が知らないうちに大量被曝(ひばく)の恐れのあるドライベントが実施されていたかもしれない――。東京電力福島第一原発で事故直後に実際に起きたことは、原発再稼働の前提となる住民の避難計画づくりの重要な教訓となるはずだ。

特集「『吉田調書』福島原発事故、吉田昌郎所長の語ったもの」
ドライベント、3号機準備 震災3日後、大量被曝の恐れ
 東電がドライベントを検討していたのは、情報規制の最中だった。

 「いまプレスをとめてるそうです」

 2011年3月14日午前7時49分。福島第一原発には東電のテレビ会議システムを通して本店の官庁連絡班からそんな報告が届いた。3号機の原子炉圧力が急上昇している事態について、当時の原子力安全・保安院が報道機関に発表してはならないという情報統制を敷いているというのだ。

 政府事故調の報告書などによると、その数分後、原子炉の圧力が設計上の最高使用圧力を超えたとの連絡があった。原子炉の危機が高まっていた。

 東電は報道発表について首相官邸の了解を得るため、官邸に派遣されていた本店社員が保安院の担当者を探し回り、手間取っていた。また、福島県も住民へ周知するため報道発表をしたいと要請していたが、保安院は「絶対にだめだ」と返事をした。

 保安院は圧力が下がり原子炉に冷却水が注入できるようになることを期待していた。住民に危機を知らせるより、原子炉の暴走を止めることを優先したのだ。

 原子炉の状況が自治体や住民に的確に伝わらないなかで、住民が安全に避難することは難しい。

 企業統治に詳しい久保利英明弁護士は「ドライベントのような重大な決断は検討段階から住民に知らされるべきだ。深刻な事態では、企業は住民に対する安全保護義務を負っている。3年以上たっても東電も国も責任を明確にしない中で再稼働の議論には入れない」と語った。(木村英昭、関根慎一)

■ベント判断は各社任せ

 原発事故当時、国にはどのような状況でベントの実施が許されるのかというルールがなく、電力会社に任せていた。

 東電の事故時操作手順書では「格納容器圧力が最高使用圧力の2倍」または「温度200度」に達した場合に、緊急時対策本部長(発電所長)の最終判断でベントをすることになっていた。福島第一原発で最終判断をする吉田昌郎(まさお)所長は、圧力が2倍に達しなくてもドライベントをするべきだという趣旨の発言をテレビ会議でしていた。

 ベントの際には周辺住民の避難情報を確認することが必要で、東電は「国や自治体等の関係機関と最大限に情報を共有しながら、実施について調整していく」としていた。しかし東電の資料によると、実際には1、2、3号機のウエットベント実施の際に「通信手段の不調」で連絡できなかった自治体もあった。

 原発事故を受け、原子力規制委員会は13年、原発を運転する前提となる新しい規制基準を作った。新たにフィルター付きベント設備の設置が義務づけられるなど設備面の強化策は打ち出された。

 しかし、どのような状況でベントの実施が許されるかという運用については相変わらず、自治体と電力会社が結ぶ「安全協定」という法律に基づかない協定に委ねられたままだ。このため、福島第一原発の事故のように一刻を争う中で緊急避難的に実施される場合は、住民が避難する時間的余裕がなくなってしまうことが今後も起きうる。

 東電柏崎刈羽原発の再稼働に慎重な新潟県の泉田裕彦知事は「(ベントに)どういう性能を持たせるかは避難計画とセット」として、ベントは避難する地元住民に影響がないことを保証しない限り実施しないこと、避難について自治体と協議することを東電に求めている。(堀内京子)

140517 汚染水 外洋流出続く 首相の「完全ブロック」破綻 [東京]

 東京電力福島第一原発から漏れた汚染水が、沖合の海にまで拡散し続けている可能性の高いことが、原子力規制委員会が公開している海水データの分析から分かった。安倍晋三首相は昨年九月、国際社会に向かって「汚染の影響は専用港内で完全にブロックされている」と強調したが、現実には放射性セシウムはブロックされず、海を汚し続けている。 (山川剛史、清水祐樹)
 かつて海外の核実験により放射性物質が日本にも降り注いだため、国は財団法人海洋生物環境研究所などに委託し海水中の放射性セシウム137濃度などを高精度で分析してきた。原子力規制委員会は一九八四年以降のデータを公開、福島第一の沖合三十キロ付近も調査地点に含まれていた。
 二〇一一年の福島事故で、福島沖の同地点の濃度は直前の値から一挙に最大二十万倍近い一リットル当たり一九〇ベクレル(法定の放出基準は九〇ベクレル)に急上昇した。それでも半年後には一万分の一程度にまで急減した。
 一九四〇年代から世界各地で行われた核実験の影響は、海の強い拡散力で徐々に小さくなり、八六年の旧ソ連・チェルノブイリ原発事故で濃度は一時的に上がったが、二年ほどでかつての低下ペースとなった。このため専門家らは、福島事故でも二年程度で濃度低下が元のペースに戻ると期待していた。
 ところが、現実には二〇一二年夏ごろから下がり具合が鈍くなり、事故前の水準の二倍以上の〇・〇〇二~〇・〇〇七ベクレルで一進一退が続いている。
 福島沖の濃度を調べてきた東京海洋大の神田穣太(じょうた)教授は「低下しないのは、福島第一から外洋への継続的なセシウムの供給があるということ」と指摘する。
 海水が一ベクレル程度まで汚染されていないと、食品基準(一キログラム当たり一〇〇ベクレル)を超える魚は出ないとされる。現在の海水レベルは数百分の一の汚染状況のため、「大きな環境影響が出るレベルではない」(神田教授)。ただし福島第一の専用港内では、一二年初夏ごろから一リットル当たり二〇ベクレル前後のセシウム137が検出され続けている。沖合の濃度推移と非常に似ている。
 神田教授は「溶けた核燃料の状態がよく分からない現状で、沖への汚染がどう変わるか分からない。海への汚染が続いていることを前提に、不測の事態が起きないように監視していく必要がある」と話している。
(東京新聞)

140508 原発ゼロへ一般社団法人設立 小泉・細川元首相 [東京]

 小泉純一郎、細川護熙両元首相は7日、原発ゼロに向けて自然エネルギーの普及を目指す一般社団法人「自然エネルギー推進会議」の設立総会を東京都内で開いた。原発再稼働を進める方針の安倍晋三首相を批判し、今年秋の福島県知事選や来年春の統一地方選で、原発ゼロを訴える候補への支援も検討する。両氏は共闘して2月の都知事選に臨んだが落選した。どこまで世論に浸透できるかが課題となる。
 代表理事には細川氏が就任。設立総会で「原発ゼロへの戦いは今日がスタートだ。再稼働に反対し、放射能の心配のない社会にしないといけない」と強調した。
(共同)

140509 大飯原発、再稼働差し止め認めず 住民側申し立て却下、大阪高裁 [東京]

 福井県おおい町の関西電力大飯原発3、4号機は、地震で深刻な事故が起きる可能性があるとして、近畿の住民らが再稼働させないよう求めた仮処分の決定で、大阪高裁(林圭介裁判長)は9日、住民側の申し立てを却下した。大阪地裁で却下された住民側が即時抗告していた。
 3、4号機は昨年9月に定期検査入りで停止。関電は再稼働に向け、原子力規制委員会に審査を申請し、昨年7月に施行された新しい基準に適合しているか審査が続いている。
 高裁決定は「原子力規制委員会が結論を出す前に、裁判所が差し止める判断を出すことは相当ではない」と指摘した。
(共同)

140305 原発ADR:避難区域外5000人、仲介を申し立て [毎日]

 東京電力福島第1原発事故の避難区域外の住民への精神的賠償が大人1人12万円にとどまっているのは避難区域内住民に比べ著しく不平等だとして、福島県福島、いわき、郡山3市の住民約5000人が5日、東電に賠償増額を求めて原子力損害賠償紛争解決センター(原発ADR)に和解仲介手続きを申し立てた。

 社民党福島県連などで作る市民団体「東電原発事故損害賠償を求める会」(いわき市)が申し立ての委任を受けた。申し立て書によると、事故から2年間の精神的賠償を大人約100万円、子供と妊婦は約200万円に増額、放射線量が事故前のレベルに戻るまで賠償を継続するよう求めた。

 東電の基準では、双葉郡8町村など避難区域住民には1人毎月10万円が支払われるのに対し、放射性物質の「汚染状況重点調査地域」である3市の住民への補償は1回限り12万円(子供と妊婦は最大72万円)になっている。【中尾卓英】


140226 40年迎える島根原発1号機、規制委が維持認可 [読売]

 原子力規制委員会は26日、来月28日で運転開始から40年がたつ中国電力島根原子力発電所1号機について、原子炉を冷温停止した状態で引き続き維持することを認可した。

 運転開始から30年以上がたつ原発は、10年ごとに老朽化の影響評価が必要で、40年を迎える原発の認可は昨年7月の新規制基準施行後で初めて。

 島根1号機は2010年3月以降、停止している。新基準では、原発の運転期間は原則40年と制限され、最長20年間の運転延長が可能だが、原子炉の強度や劣化に問題がないかを調べる「特別点検」も受ける必要がある。

140225 原発事故、がんへの影響小さい 住民被ばく分析、京大 [東京]

 東京電力福島第1原発事故の約1年半後に約2カ月間実施した周辺住民約460人の被ばく調査データを分析したところ、生涯にがんにかかる確率が最も増えたのは福島県相馬市の1歳女児で、1・06ポイント上がったとの推計結果が出たと、京都大や福島大などのチームが24日付の米科学アカデミー紀要電子版に発表した。京大の小泉昭夫教授(環境衛生)は「被ばくで確率はわずかに増えたが、健康への影響は小さい」と話している。
 チームによると、食事や粉じんに含まれる放射性物質を体内に取り込む内部被ばくと、環境から受ける外部被ばくの線量を実測し、がんにかかる確率を推計したのは初めて。
(共同)

140225 原発は「重要なベースロード電源」 エネ基本計画政府案 [朝日]

 安倍政権は25日、原発を「重要なベースロード電源」と位置づけるエネルギー基本計画の政府案を決めた。安全が確認された原発は活用していく姿勢を改めて示した。与党での議論を経て、来月中の閣議決定を目指す。

 この日の原子力関係閣僚会議で了承された。基本計画は国の中長期のエネルギー政策の方向性を定めるもので、経済産業省が昨年末に原案を固めた。「原発偏重だ」との与党内の批判を受けて表現を微修正したが、原発を活用する基本姿勢は維持した。

 茂木敏充経済産業相は記者会見で「方向性が変わったとは認識していない」と述べた。

 経産省案は原発を「基盤となる重要なベース電源」と位置づけていたが、政府案は「基盤となる」の表現を削った。発電時のコストが低く、昼夜問わず一定量を発電し続ける電源を「ベースロード」と表現。これには原発のほか石炭火力や水力、地熱も当てはまるとし、原発偏重の印象を薄めようとした。

 将来の原発割合について経産省案は「必要とされる規模を十分見極めて、その規模を確保する」としていたが、「確保していく規模を見極める」と弱めた。

 ただ、エネルギーの安定供給やコスト、環境負荷などの観点から、原発を重要電源として使い続ける姿勢は堅持。高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)を含む核燃料サイクル政策の推進も盛り込んだ。

 一方、再生可能エネルギーは、「今後3年程度、導入を最大限加速」とした経産省案に「その後も積極的に推進する」と加えた。

 自民党内の一部や公明党内にはなお、「原発偏重で党の公約と反する」との意見も残る。閣議決定までにさらに表現が修正される可能性もある。(鈴木友里子)

140131 自民、原発ゼロ主張は50人 エネルギー政策で全議員調査 [東京]

 自民党が所属国会議員(会派離脱中の衆参両院議長を除く407人)を対象に実施したエネルギー政策に関するアンケートで、将来的な原発ゼロを主張した議員が約50人に上り、原発の新増設への賛同は4人にとどまったことが31日、分かった。アンケートに回答したのは約320人で、このうちの8割強が原発を維持しつつ再生可能エネルギーの活用を求めた。党幹部が明らかにした。
 安倍晋三首相は原発への依存度を減らす意向を示す一方で、脱原発の主張は「無責任」と批判している。党幹部は政権の方針とは異なる脱原発派議員が「予想以上に多い」と指摘した。
(共同)

140128 核のゴミ、国内処分可能と専門家 自民会合で地層安定地域示す [東京]

 自民党資源・エネルギー戦略調査会(山本拓会長)は28日、原発から出る「核のゴミ」の最終処分を議論する小委員会の初会合を開いた。講師として招かれた高橋正樹日本大教授(火山学)は、北海道東部や東北地方の太平洋側の一部など地層が安定している地域を示し、国内に最終処分に適した場所があると説明した。
 政府は高レベル放射性廃棄物の処分地が見つからないことから、政府主導で選定する方針を示しており、2013年度中にも選定方法を見直す。自民党は小委員会で早期に提言をまとめ、政府方針に反映させたい考えだ。
(共同)

131221 福島の子のがん、被曝との関連は結論出ず 専門家会議 [朝日]

 【野瀬輝彦、大岩ゆり】福島県の子ども59人で甲状腺がんやその疑いが見つかったことについて、環境省と福島県は21日、専門家の意見交換会を開いた。東京電力福島第一原発事故による被曝(ひばく)の影響が現時点で現れていることを否定する意見が多く出た一方で、「被曝による多発」を疑う指摘も出された。県などは今後の検査結果も分析して、被曝との関係を詳しく調べる方針だ。

 甲状腺検査は事故当時18歳以下を対象に行われ、9月30日現在で約23万9千人のうち59人ががんやがんの疑いと診断された。うち1人は良性だった。

 検査を行っている県立医大の鈴木真一教授(甲状腺外科)は、これまでに見つかったがんやがん疑い例について「被曝の影響とは考えられない」と話した。その根拠について「がんが見つかった子どもの年齢分布も10代後半が多く、若年齢が多いチェルノブイリとは異なる」などと説明した。

 これに対し、岡山大の津田敏秀教授(疫学)は、国内のがん登録の結果から、10代後半~20代前半の甲状腺がんの年間推計発生率は、「平均(1975~08年)は100万人当たり5~11人」と指摘。その上で「福島の子どもの甲状腺がんの発生は数倍~数十倍高く、多発と言える。今後さらに増える可能性もあり、今のうちに対策をとるべきだ」と主張した。

 津田さんの指摘に対して、県立医大の大平哲也教授(疫学)らから、福島の検査と「がん登録」と比較をするのは、科学的に不適切などと批判が出た。がん登録で集計されるがんは主に、症状が出てから受診して見つかったものだが、福島の検査は、無症状の子どもを網羅的に調べており、より早期に多く見つかる傾向があるからだ。

 郡山市医師会理事で小児科医の太神和広医師は「県外の子どもに大規模な甲状腺の検査をして比較すべきだ。そうすれば1年以内に科学的な結論が出る」と訴えた。環境省は、長崎や青森の子どもの甲状腺検査を行ったが、対象は4500人だけで、これまで、がんは見つかっていない。

131221 原発事故、東電負担は最大6兆円…政府支援決定 [読売]

 政府が東京電力への追加支援の枠組みを決定し、福島第一原子力発電所事故による東電の費用負担は最大6兆円余りになる見通しとなった。

 上限が決まったことで、東電再建への最大の不安要因が取り除かれたことになる。東電は月内にまとめる新しい経営再建計画に、柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)の再稼働などを前提として、電気料金を10年後に値下げする方針を明記する。

 ◆見直し

 政府の原子力災害対策本部が20日に決めた福島復興の新指針は、これまで東電が負担することになっていた費用の一部を国が追加で負担することを正式に決めた。

 もともと東電が負担することになっていた計画済みの放射性物質の除染費用を2・5兆円と見積もり、政府が保有する東電株を将来売却したときに得られる利益で穴埋めする。除染費用は作業が増えれば膨らむ可能性があるが、追加分も政府が負担する。

 汚染土などを一時的に保管する中間貯蔵施設の建設費の1・1兆円も政府が負担する。財源は原発立地自治体への交付金などに使う電源開発促進税から約30年間、毎年300億~400億円を支払う。

 東電が負担する、事故で避難を余儀なくされた住民への賠償費は5・4兆円と見積もった。廃炉・汚染水対策の費用の1兆円超と合わせて、東電が負担するお金は合計で6・4兆円余りとなる見込みだ。

 新指針は、国と東電の費用負担を大きく見直した。東電の負担上限が見えないままでは、復興も滞りかねないと判断したためだ。

 ◆再稼働が条件

 東電は新指針の決定を受けて、再建計画で電気料金を引き下げる方針を明記する。柏崎刈羽原発の再稼働や、価格が安いシェールガスの活用拡大などが条件で、発電コストが下がった分の利益を料金値下げに充てる。10年後に約1兆円の値下げ原資を確保したい考えだ。原発の運転停止が続くなか、東電は昨年、4月に企業向けの料金を平均14・9%、9月に家庭向けの料金を平均8・46%値上げした。東電幹部は「計画が実現すれば、震災前の料金水準になる」と話す。

 東電は柏崎刈羽原発6、7号機について、再稼働の前提となる安全審査を国の原子力規制委員会に申請した。ただ、審査はまだ本格化しておらず、福島第一原発の汚染水問題の行方によっては中断の可能性もある。

 再建計画は、2基が来年7月に再稼働することを前提とする方針だ。料金値下げを実現するためにも、早期の再稼働をアピールする内容となる。(有光裕、丸谷一郎)

131113 電力改革、改正電気事業法が成立 発送電分離の工程を明記 [東京]

 電力システム改革に向けた改正電気事業法が13日の参院本会議で自民、公明、民主各党などの賛成多数により可決、成立した。3段階で進める改革の第1弾で、2015年をめどに全国規模で電力需給を調整する「広域系統運用機関」を設立するのが柱。付則に電力小売りの全面自由化と、大手電力会社の発電と送配電部門を別会社にする「発送電分離」を実現する工程を明記した。
 戦後約60年続く大手電力の地域独占体制に風穴をあける抜本改革となる。サービスの選択肢を広げ、電気料金をできるだけ安くするのが狙い。
(共同)

140119 「脱原発」の意見書、455地方議会で 原発事故後 [朝日]

 東京電力福島第一原発の事故後の3年間で、全国の455の県や市町村議会が、原発に頼らず電力供給する「脱原発」を求める意見書を可決したことがわかった。都道府県を含めた全自治体の3割近くに達し、大半の意見書が、原発に代わって太陽光や風力など自然エネルギーを大幅に増やすよう求めている。

脱原発めぐる動き
 「脱原発」は23日告示の東京都知事選で争点になっているが、全国各地の地方選挙でも重要テーマとなる可能性がある。

 国会に提出された地方議会の意見書を、朝日新聞が独自に集計した。参院事務局によると、原発・エネルギー問題の意見書は、事故後の3年間で計1475件あった。このうち、賠償や汚染水対策などの意見書を除き、「脱原発」を求めているものを調べた。

 都道府県別では、泊原発がある北海道が54自治体と最も多かった。原発事故の起きた福島と隣り合う山形は25、栃木は22、茨城は19。伊方原発のある愛媛のとなりの高知は23あり、県内の自治体の過半数に達した。原発が多く立地する福井のとなりの京都も17あった。原発の立地県に隣り合う府県で「脱原発」の意見書が多いのが特徴だ。

 「安全性の未確立な原発依存の見直し」(高知市議会)、「原発に依存しない社会への転換」(東京都国立市)、「原発ゼロをただちに求める」(埼玉県深谷市)など、提出された意見書はエネルギー政策の大幅な転換を訴える。原発からの「撤退」や「脱却」などと、わかりやすい言葉を掲げる意見書も目立つ。

 意見書は、地方議会の議員が提案し、議会内で討論して可決される。平和・非核団体などが議員に呼びかけることもあり、可決された文書の数や内容は、地域によってばらつきがある。

 事故前まで、自治体はエネルギー政策を国に任せてきたが、事故後は住民の安全を守る立場から国に意見する事例が増えている。(中川透)

     ◇

 〈地方議会の意見書〉 地方自治体の意見を国の政策に反映させるため、政府や国会に提出する文書。地域住民を代表する議会の意思を示す手段として、地方自治法で定められている。地方議員が提案し、賛成多数や全会一致の手続きを経て可決する。内容に拘束力はないが、国会には年間7千件程度の意見書が提出されている。

 ■「脱原発」を求める意見書を出した主な地方議会

 ●北海道

 函館市、芦別市、深川市、石狩市、帯広市、新得町、釧路町、長万部町、上川町、七飯町、黒松内町、白老町、斜里町、上砂川町、標茶町、上富良野町

 ●東北

 【岩手県】遠野市、奥州市、一関市、滝沢村【宮城県】大崎市、岩沼市、栗原市、気仙沼市、美里町、南三陸町【山形県】尾花沢市、長井市、村山市、東根市、遊佐町、飯豊町、最上町【福島県】郡山市、喜多方市、川俣町、桑折町、浅川町、只見町、大熊町

 ●関東

 【茨城県】笠間市、牛久市、取手市、五霞町、境町【栃木県】宇都宮市、佐野市、日光市、小山市、那須塩原市、鹿沼市、那須町【群馬県】沼田市、明和町、南牧村【埼玉県】吉川市、さいたま市、深谷市、志木市、上尾市、鳩山町【千葉県】流山市、市川市【東京都】清瀬市、西東京市、八王子市、国立市、国分寺市、武蔵野市【神奈川県】大和市、逗子市、伊勢原市、葉山町

 ●中部

 【新潟県】新発田市、加茂市、胎内市、五泉市、見附市、津南町【石川県】白山市、かほく市、内灘町【山梨県】笛吹市【長野県】中野市、小諸市、須坂市、坂城町、佐久穂町、南牧村、豊丘村【愛知県】新城市、あま市、弥富市、美浜町、蟹江町【岐阜県】米原市、下呂市【静岡県】静岡市、沼津市、裾野市、三島市、御殿場市、東伊豆町、函南町【三重県】伊賀市、松阪市、菰野町

 ●近畿

 【滋賀県】彦根市、守山市、東近江市、草津市、甲良町【京都府】京田辺市、宇治市、木津川市、向日市、京丹後市、井手町、大山崎町、与謝野町【大阪府】茨木市、吹田市【兵庫県】尼崎市、南あわじ市、三田市、篠山市、高砂市、加古川市、丹波市、三木市、香美町、新温泉町【奈良県】橿原市、生駒市、平群町、三郷町

 ●中国

 【鳥取県】境港市、倉吉市、伯耆町、日野町、湯梨浜町、大山町【岡山県】新見市、備前市、赤磐市【広島県】尾道市

 ●四国

 【徳島県】吉野川市、阿波市、板野町、石井町、上板町【愛媛県】東温市、愛南町、内子町【高知県】高知市、土佐市、南国市、四万十市、越知町、日高村、大川村、奈半利町

 ●九州

 【福岡県】大牟田市、飯塚市、嘉麻市、八女市、川崎町、遠賀町、大木町、香春町、広川町、岡垣町【長崎県】長崎県、長崎市、南島原市、諫早市、長与町、五島市【熊本県】水俣市、山鹿市、阿蘇市、小国町【大分県】宇佐市、日田市、玖珠町【宮崎県】宮崎市、都城市、延岡市、三股町

131113 原発「即ゼロに」 小泉氏、首相に決断促す [東京]

 小泉純一郎元首相は十二日、東京・内幸町の日本記者クラブで記者会見し、原発の再稼働や輸出を進める安倍晋三首相の姿勢に関して「首相の権力は絶大だ。原発ゼロの方向に権力を使ってほしい」と政策転換を促した。転換の時期では「即ゼロがいい。首相は在任中に方向性を出した方がいい」と訴えた。現在、国内で稼働している原発はない。小泉氏の発言は、安倍首相の再稼働方針に反対する姿勢を明確にしたものだ。
 小泉氏は首相の権力と世論の力を示す事例として、自らが首相時代に衆院を解散し、いったん廃案になった郵政民営化法を成立させた経緯を紹介。「全政党が反対で(民営化法案は)参院で否決された。国民が支持してくれ、参院の(自民党)反対派議員も賛成に回った」と述べた。
 安倍首相が原発ゼロを決断する必要性では「(原発ゼロを望む)世論は軽視できない。首相も国民の声を聞かざるを得ない時期が来る」と主張。「野党は全部、原発ゼロに賛成。反対は自民党だけだ。こんなに恵まれた環境はない」とも指摘し「首相が決断すれば(自民党内の反対派も)従う。自然を資源にする国家をつくろうという方針を決めれば、もう反対できない」と指導力発揮を求めた。
 原発を稼働しながら依存度を減らしていく方法には「再稼働すれば核のごみが増える。最終処分場も見つからない。すぐゼロにした方がいい」と反対論を唱えた。
 自らの役割に関しては「国民が原発ゼロを望んで運動すれば、必ず政権に届く」と、引き続き世論を喚起していく考えを示した。ただ、新党結成や脱原発勢力との連携は「それぞれの立場でやった方がいい。一人でもやるという気持ちでやらないとだめだ」と重ねて否定した。
(東京新聞)

131030 トルコへの原発輸出推進 首相「安全向上が責務」 [東京]

 【イスタンブール共同】安倍首相は29日夜(日本時間30日未明)、トルコのエルドアン首相とイスタンブールで会談した。会談後の共同記者会見で安倍首相は、三菱重工業などの企業連合体がトルコ政府と原発建設受注で合意したことを歓迎した。「原発事故の経験と教訓を共有することで、世界の原子力安全の向上を図ることは日本の責務だ」と述べ、安全確保に取り組みながら輸出を推進する姿勢を鮮明にした。
 日本の原発輸出が実現するのは東京電力福島第1原発事故後、初めて。
 エルドアン首相は来年1月にも訪日する意向を示した。

131030 福島4号機の燃料取り出し認可 東電、来月8日にも開始

 [東京]
 原子力規制委員会は30日、福島第1原発4号機の使用済み核燃料プールからの燃料取り出しについて、東京電力の安全対策は妥当と判断し、認可した。東電は規制委の使用前検査などを経て、早ければ11月8日にも取り出しを始める。
 更田豊志委員は「第1原発の廃炉を進める上で大きなステップ。東電は慎重な対策をとっている」と述べた。規制委は、使用済み燃料が十分冷却されており、仮に取り出し過程で破損しても周辺への影響は十分小さいと判断した。
(共同)

131027 シェールガス購入5割増、年百億円節約へ…東電 [読売]

 東京電力は、火力発電の燃料として2017年から使う米国産のシェールガスの購入計画を1・5倍に上積みし、年間120万トンに増やす。

 コスト削減策の目玉として、12月にもまとめる新たな経営再建計画に盛り込む。シェールガスは、現在使っている液化天然ガス(LNG)よりも3割安い。120万トンを切り替えると、年間100億円以上の燃料費を節約できる見込みで、電気料金の値上げ回避につなげたい考えだ。

 東電はシェールガスの調達を増やす方針で、10年後の23年には1000万トンを購入し、年間の燃料費の約5%にあたる1300億円を削減する。10年後には年間調達量の4割をシェールガスに置き換える。

 東電は、17年から米国産シェールガスを輸入する三井物産、三菱商事の両社と、20年間にわたり年間80万トンを購入することで今年2月に基本合意しているが、購入量をさらに40万トン増やす。年内にも両社と合意する見通しだ。

131021 せき6カ所で排出基準超え 福島第1原発 [東京]

 東京電力は21日、福島第1原発で20日の大雨に伴い地上タンク群を囲む漏えい防止用のせきから雨水があふれた問題で、6カ所の水にせき外への排出基準(1リットル当たり10ベクレル)を超えるストロンチウム90が含まれていたと発表した。最高値は「H2南」タンク群で、排出基準の約70倍に当たる710ベクレルだった。
 東電は「一部は地中に染み込んだが、せきの外側の盛り土で排水溝への流れ込みは防いでおり、海への流出の可能性は低い」と説明。
 降雨量がポンプ容量を上回り、タンクへの移送が間に合わなかったのが原因。
(共同)

131018 地下水から過去最高のトリチウム…福島第一原発 [読売]

 福島第一原子力発電所のタンクから汚染水300トンが漏れた問題で、東京電力は18日、近くの井戸で17日に採取した地下水から、放射性物質のトリチウムを過去最高の1リットルあたり79万ベクレル(国の放出限度は同6万ベクレル)検出したと発表した。

 同じ地下水からは、ストロンチウムなど別の放射性物質も同40万ベクレル(放出限度は同30ベクレル)検出されていた。

 東電は、汚染水漏れの後、周辺の土壌を撤去したが、一部は取り切れていない。そこに染みこんでいた放射性物質が、台風26号の大雨の影響で地中に広がった可能性が高いとみており、「できるだけ早く土壌を撤去し、地下水をくみ上げるための井戸も設置したい」と説明している。

131014 原発の港湾外の海水でセシウム 福島第1沖1キロ [東京]

 東京電力は10日、福島第1原発の港湾外の海水で、放射性セシウム137が1リットル当たり1・4ベクレル検出されたと発表した。陸側から漏れた汚染水の影響の可能性がある。東電は国に通報した。
 セシウムが検出された場所は「港湾口東側」と呼ばれる調査地点で、第1原発の沖合約1キロ。8日採取の海水から検出された。この場所を含め港湾外の3地点で今年8月から海水の調査を始めたが、これまでセシウムは検出されていなかった。
 安倍晋三首相は東京五輪招致を決めた国際オリンピック委員会総会で「汚染水の影響は港湾内0・3平方キロの範囲内で完全にブロックされている」と説明していた。
(共同)

131013 稼働ゼロ後、最大デモ=こだまする脱原発の声-「首相発言はうそ」・東京 [時事]

 脱原発を求める市民らが13日、各省庁の集まる東京・霞が関や国会議事堂前などで大規模なデモや集会を行った。主催者発表によると、参加者数は延べ4万人で、9月15日に全国で稼働する原発がゼロになって以降、最大規模とみられる。集まった人々は「原発反対」「再稼働反対」と声を響かせながら、都内を行進した。
 デモに先立ち日比谷公会堂で行われた集会では、2000人収容の会場が満員となり、入れない人が屋外にあふれた。主催団体「首都圏反原発連合」のミサオ・レッドウルフさんは、安倍晋三首相が東京電力福島第1原発事故の汚染水問題で「状況はコントロールされている」と発言したことに触れ、「うそがまかり通り、本当に腹立たしい。誰もどうすれば良いか分からない中で、原発を再稼働するのは許せない」と語気を強めた。

 ノーベル文学賞作家の大江健三郎さんは「私たちが、将来の子どもの生きていける世界を取り返すことが必要」と述べ、脱原発の早期実現を訴えた。ルポライターの鎌田慧さんも「原発はうそとカネと脅しで造られてきた。事故後も全く変わらない」と政府の姿勢を批判した。
 集会後、参加者らは外務省や経済産業省の前を歩きながら、原発ゼロを求めて唱和。その声は官庁街にこだました。13日夕には国会議事堂前に多くの人が集結。「海を汚すな」「子どもを守れ」とボルテージを上げた。

130919 首相が福島5、6号機の廃炉要請 「年内判断」と東電社長 [東京]

 安倍晋三首相は19日、東京電力福島第1原発を視察し、事故後に廃炉が決まった1~4号機と同じ敷地内にある5、6号機について「事故対処に集中するために廃炉を決定してほしい」と東電側に要請した。視察に立ち会った東電の広瀬直己社長は「年内に判断する」と回答し、原発の汚染水漏れに関し「2014年度中に汚染水浄化を完了する」との意向を首相に伝えた。視察後に首相が記者団に明らかにした。
 首相は、20年東京五輪の招致に際し汚染水問題について「状況はコントロールされている」と国際社会に約束した経緯を踏まえ、自らの責任で解決に全力を挙げる姿勢を国内外にアピールする狙いとみられる。


130917 福島原発、排出水量1130トン 台風18号でタンクせきから [東京]

 東京電力は17日、台風18号による大雨の影響で、福島第1原発の地上タンク群に設けた漏水防止用のせきから16日に排出した水の総量は約1130トンだったと発表した。
 東電は16日、雨水がせきからあふれる恐れがあるとして、たまった水の放射性物質濃度が法定基準を下回る7カ所で、せきの弁を開けるなどして排水した。
 排出した水の放射性物質濃度は、ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質で1リットル当たり最大24ベクレルだった。ストロンチウム90の法定基準は30ベクレル。
(共同)

130911 汚染水の遮断「完全ではない」…菅官房長官 [読売]

 菅官房長官は10日の記者会見で、東京電力福島第一原子力発電所の汚染水漏れについて「全部、水をストップしているということではない」と述べ、周辺海域への拡散を完全には遮断できていないことを認めた。

 汚染水を巡っては、安倍首相が7日の国際オリンピック委員会(IOC)総会で「汚染水による影響は原発の港湾内で完全にブロックされている」と述べていた。これについて、菅氏は「港湾の中も基準値以下だ。汚染水の影響について、完全にブロックされているという表現を使った」と説明した。

130908 汚染水「現在も将来も問題ない」 プレゼンで安倍首相 [朝日]

 【ブエノスアイレス=田伏潤】安倍晋三首相は7日午前(日本時間同日夜)、2020年夏季五輪の招致演説で、東京電力福島第一原発の汚染水漏れについて「状況はコントロールされている。決して東京にダメージを与えることを許さない」と強調した。

特集:2020夏季五輪招致
 その後の質疑で国際オリンピック委員会(IOC)委員から根拠を問われ、「汚染水の影響は原発の港湾内の0・3平方キロメートル範囲内で、完全にブロックされている」と説明。食品や水からの被曝(ひばく)量も厳しい基準を大幅に下回るとし、「健康問題については今までも現在も将来も全く問題ない」と訴え、「抜本解決に向けたプログラムを私が責任を持って決定し、実行していく」と約束した。

 首相は演説後、記者団に「誤解は解けた。世界で最も安全な都市だという理解はいただいた」と自信を見せた。

130907 8県水産物、韓国が全面禁輸…対応迫る声強く [読売]

 【ソウル=吉田敏行】東京電力福島第一原子力発電所の汚染水問題を受け、韓国政府は6日、福島県など8県の水産物の輸入を9日から全面的に禁止すると発表した。

 対象となるのは、福島に加え、青森、岩手、宮城、茨城、栃木、群馬、千葉の8県。これ以外の地域の水産物についても、放射性物質の検査を強化する方針を示している。

 韓国では、これまでも8県の水産物50品目の輸入を禁止していた。ただ、今回の汚染水問題では日本産だけでなく、韓国産の水産物にまで風評被害が広がっており、政府に厳しい対応を迫る声が高まっていた。

 日本の農林水産省によると、福島第一原発の事故を受けて、中国が福島県など10都県、台湾が5県の日本産食品について輸入禁止措置を取っている。

130906 福島第一 タンク漏水 地下水到達 井戸から放射性物質 [東京]

 [東京]
 東京電力福島第一原発の地上タンクからの水漏れ事故で、東電は五日、漏れた水が地下水まで達していたと発表した。問題のタンク近くの観測用井戸で四日に採取した地下水から、高い値の放射性ストロンチウムなどを検出したことから判明した。タンクからの水漏れで、地下水汚染のデータが確認されたのは初めて。
 タンクからの水漏れは先月十九日に発覚し、東電は漏出量を約三百トンと推定。タンクの処理水は放射性セシウムなどガンマ線を発する物質を除去しているが、ストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質を高濃度に含んでいた。
 タンクから漏れた水のほとんどは地面に染み込んだり、近くの排水溝を通じて外洋に流れ出したとみられており、東電は周辺に井戸を掘るなどして汚染の広がりを調べていた。
 地下水を採取した井戸は、タンクから十メートル南側にあり、深さは七メートル。くみ上げた水からは、一リットルあたり六五〇ベクレルの濃度のストロンチウムなど、ベータ線を出す放射性物質が検出された。処理水に比べると濃度は十万~百万分の一と低いが、別の場所の井戸よりは明らかに高濃度だった。
 このため東電は「ストロンチウムを含むタンクの水が雨水と混ざって薄まり、地下水に到達した可能性がある」と判断した。今後は追加で井戸を掘るなどし、さらに詳しく調査する。
<ベータ線> 放射線の一種で放射性ストロンチウムなどが発する。福島第一原発の原子炉に注がれた冷却水には、ベータ線を発する放射性物質が外部放出できる濃度の数百万倍も含まれている。放射性セシウムが発するガンマ線とは違い、体を突き抜ける力が弱く、汚染源から数十センチ離れれば線量は急減。直接触れなければ被ばくの影響は少ない。ただ、ストロンチウムは骨にたまりやすく、体内に取り込むと健康への影響が大きいとされる。
(東京新聞)

130905 汚染水対策、政府が工程表…首相「完全解決する [読売]

 東京電力福島第一原子力発電所の汚染水問題で、政府は4日、総合的な汚染水対策の実施時期を工程表としてまとめた。

 自民党の資源・エネルギー戦略調査会と経済産業部会の合同会議で示した。国費を投入して、建屋内への地下水流入を防ぐ「凍土壁」や汚染水を浄化する新型装置を作り、来年度の運用開始を目指す。

 建屋内の汚染水処理の完了時期について、政府は6月に改訂した廃炉工程表で「2020年内」の目標を掲げている。相次ぐ汚染水トラブルで工程の遅れが懸念される中、安倍首相は4日、首相官邸で記者団に「政府が前面に出て完全に解決する。(夏季五輪が開催される)7年後の2020年には全く問題ないと説明したい」と述べた。

130813 菅元首相、原発事故で地検聴取応じず…告発否認 [読売]

 東京電力福島第一原発事故の対応を巡り、業務上過失致傷などの容疑で刑事告発されている事故当時の首相で民主党の菅直人・衆院議員(66)に対し、東京地検が12日に任意の事情聴取を要請したことが関係者への取材でわかった。

 菅氏側は聴取に応じず、週内にも「事故対応に問題はなかった」などと告発容疑を否認する意見書を提出する意向を伝えた。

 関係者によると、聴取に応じない理由は、政府首脳としての災害対応で捜査機関の聴取に応じる前例を作れば、今後の危機対応に悪影響を及ぼす恐れがあるためだという。

 地検は、同様の容疑で告発されている元経済産業相の海江田万里・民主党代表(64)と元官房長官の枝野幸男・衆院議員(49)にも同日までに聴取を要請した。2人も容疑を否認するとみられる。

 同事故では、原子炉建屋で水素爆発が起こり、建屋周辺で作業にあたっていた東電社員や自衛隊員ら10人以上が重軽傷を負ったほか、周辺住民も被曝ひばくした。告発では、2011年3月11日の東日本大震災直後から、事故対応の指揮を執った菅氏ら3人が対応を誤ったことが事故を招いたと指摘。特に、菅氏が事故翌日に同原発を視察したことが、放射性物質を含む蒸気を放出する「ベント」の作業の遅れにつながった疑いがあるとしている。検察当局は、当時の官邸内部の状況や3人の認識について確認するため、聴取を要請した。

 菅氏は自著で、視察前に東電がベントを行うことを了承しており、視察の際もベントを急ぐよう指示したと主張している。意見書でも同様の説明をするとみられる。

130807 原発汚染水、1日300トン海へ 福島第1原発、

政府試算 [東京]
 東京電力福島第1原発から汚染水が海に流出している問題で、政府の原子力災害対策本部は7日、流出量は1日約300トンに上るとの試算を初めて明らかにした。地下水が敷地内で汚染されて流出しているのが原因で完全に防ぐのは困難とみられる。
 政府と東電は護岸付近で地下水をくみ上げて流出量を減らす対策を急ぐ。くみ上げ量は来年9月までに計約4万トンに達し、「当面、敷地内に増設するタンクにためる」と説明した。
 一方、東電は「海への汚染水流出の可能性は否定しない」としながらも「300トン流出していると考えているわけではない」と主張した。
(共同)

130708 5原発10基、再稼働を申請…新基準が施行 [読売]

 福島第一原子力発電所事故を教訓に、全国50基の原発に抜本的な安全強化策を義務づける新規制基準が8日、施行された。

 午前中、原子力規制委員会は再稼働に必要な安全審査の受け付けを始め、北海道、関西、四国、九州の電力4社が5原発の審査を申請した。審査は少なくとも半年程度かかるが、合格した原発は高い安全性が保証され、早ければ今冬、再稼働にこぎつける。日本の原子力規制は、信頼回復に向けて本格的に動き出す。

 申請されたのは、北海道電力泊原発1~3号機(北海道)、関西電力の大飯原発3、4号機(福井県)と高浜原発3、4号機(同)、四国電力伊方原発3号機(愛媛県)、九州電力川内せんだい原発1、2号機(鹿児島県)の計10基。いずれも福島第一原発と異なる「加圧水型」の原子炉で、大規模工事の必要な「フィルター付き排気設備」の新設が5年間猶予されるなど、新基準を満たすうえで有利だった。

130705 新潟知事、再稼働に同意せず 東電、8日の申請延期 [朝日]

 東京電力の広瀬直己社長は5日午後、新潟県庁に泉田裕彦知事を訪ね、柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市、刈羽村)の再稼働審査を原子力規制委員会に申請する方針に理解を求めた。泉田知事は地元に説明なく決めたことを「(地元の)事前了解なしにあり得ない」と批判し、申請を了承しなかった。東電は新しい規制基準がスタートする8日にも申請する構えだったが、知事の理解を得られないため先送りする。
 広瀬社長は会談後、記者団に「リターンマッチをさせていただきたい」と話し、改めて知事に説明する意向を示した。そのうえで、再面談前に申請に踏み切るのは「難しい」と語った。泉田知事は東電の対応に不信感を強めており、申請は遅れる可能性がある。
 東電は2日、地元に説明しないまま柏崎刈羽6、7号機の再稼働申請を決めた。新しい規制基準では、過酷事故の時に原子炉格納容器から蒸気を逃がす「フィルター付きベント」の設置が義務づけられており、設置工事も進めている。
 泉田知事は会談で、県、柏崎市、刈羽村と東電が結ぶ原子力安全協定に基づき、フィルター付きベントの設置は地元の事前了承が必要だと指摘した。そのうえで「地元と東電の約束であり、事前了解なしに申請することはありえない。なぜ急ぐのか」と批判した。
 広瀬社長は「規制委の審査と同時並行で県の技術委員会がチェックすることは可能ではないか」と述べ、申請したうえで地元と協議する考えを示した。これに対し、泉田知事は「それでは事前了解とはみなせない。約束を守る、うそをつかないことがスタートラインだ」と強く批判し、約30分の会談は終わった。
 広瀬社長はこの日、柏崎市の会田洋市長、刈羽村の品田宏夫村長とも相次いで面会した。両氏はフィルター付きベント設置に関する事前了解の要望書を受け取ったが、泉田知事はこの受け取りも拒否した。
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