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■野党 #contents *[[■野党]] へ続く *0530 小沢チルドレン膨張 浪人組・新顔予定者加え80人 [朝日] 2006年05月30日08時21分  民主党の小沢代表を支持する「小沢チルドレン」が膨張している。旧自由党時代からの「元祖チルドレン」は少ないが、若手衆院議員による「一新会」がメンバーを増やし、衆参の浪人組や新顔立候補予定者も「一新会倶楽部(くらぶ)」を結成、2グループで総勢80人に上る。共に「政策勉強会」を自称するが、他グループより帰属意識が強く、選挙互助会の側面もある。小沢氏は来年の参院選や衆院選を見越して党内基盤を固めつつあるが、昨秋総選挙で小泉首相の改革路線を支えたような「チルドレン」となるか。  「本当は一議員だけの会に来られないような小沢代表が来てくれた。非常に情けの厚い人だ」  29日夕、北海道釧路市内のホテルで開かれた衆院北海道7区選出の仲野博子氏の政経セミナー。仲野氏は冒頭、感激して小沢氏を紹介した。仲野氏は小沢氏の政治理念を学ぶ「一新会」のメンバー。小沢氏はこのためだけに日帰りで北海道入りし、「政権交代に再挑戦」と題して講演。集まった850人に「仲野さんへの支援に感謝します」と頭を下げた。  「小沢さんと会って話がしたいなら、ルートはある」。一新会と一新会倶楽部との合同懇親会が10日開かれ、事務局を担当する岡島一正前衆院議員が新顔の立候補予定者に話しかけた。彼らの当選には、小沢氏の直接支援は貴重だ。  一新会メンバーは、中核を担う小沢氏の秘書出身の議員らが昨秋の衆院選で相次いで落選し、53人から27人に半減した。小沢氏周辺によると、経験不足の現職議員を補佐するため、小沢氏のそばにいて支える必要があったが、「現職と同じグループでは申し訳ないという遠慮」から、一新会と別組織の一新会倶楽部を作った。  昨年9月、党代表は43歳の前原誠司氏になって世代交代が進み、一時は党内で「小沢氏は一丁上がり」(ベテラン議員)と見られた。その頃は「チルドレン」たちは「党内の不満分子」とみなされたり、「小沢の怖さを知らないだけ。そのうち離れる」と冷ややかな視線もあった。  しかし、半年で小沢代表に代わり、求心力が急速にアップ。一新会倶楽部も、別組織にしたことで、かえって小沢氏と関係の薄い新顔の立候補予定者も入会しやすくなるという「意図せざる効果」(小沢氏周辺)を生んだという。  10日の合同懇親会には代表就任後に入った4人が出席。「当選して小沢氏を支えたい」と話す人もいた。前議員の一人は「全員当選したらすごい数だ」と気勢を上げた。  10日の懇親会に先だって開いた一新会倶楽部の総会では、全員が得意な政策を持ち寄り、党の政策に反映するよう働きかけることを決めた。一新会も11日に定例会を開き、弁護士を招いて金融行政を勉強、代表選や衆院補選で中断していた「政策勉強会」としての活動を再開した。  ●派閥的側面に賛否  昨秋総選挙では、小泉首相が主導して新人候補を発掘し、「小泉チルドレン」と言われた。現在でも「83会」を組織、首相の改革路線を下支えするとともに、ポスト小泉選びでも一定の影響力を持ちつつある。  小沢チルドレンはどんな存在になるのか。一新会倶楽部の幹部は「うちはあくまでも小沢氏の政治理念を軸に、新しい政策論をまとめるのが目的だ」と違いを強調するものの、旧来の派閥的な側面も兼ね備える。  10日の一新会倶楽部の総会では「秋の代表選が無投票になるくらいサポーターを集めて小沢さんを支えたい」と支援を約束する発言が相次いだ。先輩格の前議員が「軽自動車で回ると、小さな車で頑張っていると評判になる」「勲章をもらった人には祝電でなく、自分で祝辞を持っていけば経費が浮く」などの細かいアドバイスをした。  小沢氏周辺は「会に入れば党公認がもらえるという思いで入るなら意味がない」と言う。その一方で、「政治資金パーティーへの出席などを小沢氏に頼もうとする場合、会に入っているかどうかで差がつくのは当然だ」とも漏らす。  そんな動きに、党内では「党の安定や選挙で躍進するために必要なら」と容認する声もあるが、一新会内からも「結局は小沢派の膨張とみられるので、代表就任を機に全党的な組織に衣替えした方がいい」と派閥的活動に否定的な意見もある。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0530/003.html *0529 郵政造反組と連携も 参院選に向け、民主・小沢代表意欲 [朝日] 2006年05月29日00時04分  民主党の小沢代表は28日、徳島市で記者会見し、来夏の参院選について「今の自民党のあり方、やり方がダメだという考えのグループで戦えるなら、大いに結構だ」と述べ、郵政民営化法案に反対して自民党を離れた「造反議員」との連携に意欲を示した。さらに「民主党公認にはこだわらない。自公を過半数割れに追い込むという一点で協力できればいい」と語り、無所属候補や郵政造反組の候補に対する支援に含みを残した。  民主党の菅直人代表代行も28日、富山市での記者会見で「2年前の参院選でも、対自民で無所属候補を幾つかのところで応援した。一般的な言い方ではあり得る」と述べた。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0529/001.html *0523 首長選「与党と相乗りはしない」 統一選向け民主方針 [朝日] 2006年05月23日06時38分  民主党は22日、今後の知事選と政令指定都市の市長選で、与党と同じ候補を推薦・支持することは原則としてしない方針を決めた。この日に党本部であった小沢代表、菅直人代表代行、鳩山由紀夫幹事長の3者会談で確認したもので、来年の統一地方選に向けて地方でも与党との対決色を鮮明にし、参院選につなげる狙いがある。  小沢氏は会談で「基本的に自民党と相乗りはせず、対立軸を打ち立てて戦うことを目指す」と述べた。菅氏は会談後、東京都内で開かれた党所属地方議員の研修会で講演し、「自民党と相乗りという形では、民主党の姿が有権者に見えにくい。民主党中心の候補者を擁立することを目指してほしい」と呼びかけた。鳩山氏もこの研修会で「頑張っている地域には財政的な支援を約束する」と述べた。  鳩山氏はすでに、7月20日告示の長野県知事選で自民党との相乗り候補として地元で名前が挙がった民主党の国会議員2人に対し、立候補しないよう求めた。  知事選は今後、年内に長野や滋賀、香川、沖縄の4県と、来年1月に愛媛、同2月に山梨、愛知両県が任期満了となる。さらに来春の統一地方選では北海道、岩手、東京、神奈川、福井、三重、鳥取、島根、徳島、福岡、佐賀、大分の12道都県で実施される予定。政令指定都市の市長は、12月に福岡市、来年2月に広島市と北九州市がそれぞれ任期満了になるほか、統一選では札幌市と静岡市が対象になる見込みだ。  このうち、前回は愛知、滋賀、香川、愛媛、福井、福岡の6県知事と福岡市長の選挙で自民党と相乗りした。また、今年になって小沢氏の代表就任前に告示された選挙では、横浜市長選や京都府知事選で自公とともに支持・推薦した現職が再選されている。  今回の方針により、民主党は地方での政策で自民、公明両党との違いを示すことや、現職に勝てる候補を探すことが課題となる。ただ、都道府県連からの反発も予想され、「現職に相乗りしたがる勢力との戦いになる」(党幹部)との声も出ている。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0523/003.html *0522 自民牙城にくさび狙う 民主、経団連に実行力訴え [共同]  民主党と日本経団連の政策意見交換会が22日午後、経団連会館で開かれた。小沢一郎代表は特殊法人、独立行政法人の大胆な廃止など抜本的な行政改革を訴え「政権を任せていただければ必ず実現する」と政策実行力を強くアピール。昨秋の衆院選で自民党支持を表明した経団連を引きつけたい思惑をにじませた。  奥田碩会長は「国会で政府、与党と建設的な論議を展開してもらいたい」と注文。その一方で、24日に新会長に就任する御手洗冨士夫氏は意見交換会を継続開催したい意向を示した。民主党としては自民の牙城の財界にくさびを打ち込む「布石」となった格好だ。 URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=poli&NWID=2006052201002505 *0516 参院選 小沢氏、1人区行脚 まず東北 組織票固めを指示 [産経]  民主党の小沢一郎代表は十五日、来夏の参院選で勝敗の鍵を握るとみられる一人区を重点に全国行脚をスタートした。訪問先の第一弾は、平成十六年の選挙で善戦した山形県。同県入りした小沢氏はさっそく、県連幹部らに組織票固めを中心とした選挙準備を指示し、地元密着の候補者擁立に向けげきを飛ばした。  小沢氏は同日夕、山形市内のホテルで記者会見し、訪問先の最初に山形県を選んだ理由について、「(小沢氏の地元の)東北で四つ勝たないと示しがつかない」と語り、与党の過半数割れを目指し、東北から攻め上がっていく考えを示した。東北では山形のほか青森、秋田、岩手の四県が一人区。  山形県の場合、十六年の参院選で落選した民主党候補と、当選した自民党候補との票差はわずか三万票余りだ。惜敗だったのは、労組の「連合山形」の組織票が民主、社民両党に割れ、社民党候補が約四万二千票を獲得したためだと分析。「連合が民主党候補で一本化すれば十分に勝てる」(民主党選対関係者)と“勝利の方程式”を描いている。  山形市入りした小沢氏は旧新進党時代に代表の座を争った鹿野道彦前衆院議員の後援会事務所や地元新聞社を訪問。この後、ホテルで「連合山形」の幹部や無所属の県議会議員らと相次いで会談するなど活発な動きをみせた。小沢氏は今回の一人区訪問にあたり、党選対幹部に「小人数の会談だけを行う。山形を一人区訪問のひな型にする」と指示。「支援・関係団体の幹部とひざを交えて信頼関係を構築する」(県連幹部)という作戦だ。  民主党は、来年の参院選で二十七から二十九に増える一人区のうち、徳島、香川、佐賀、鹿児島の四選挙区で新人候補者を内定しただけ。小沢氏は今後、自民党の有力支持団体などを訪問するなどして、組織をフル活用した参院選の基盤作りを進める考えだ。こうした小沢氏の積極的な動きに、自民党の武部勤幹事長は十五日の会見で「世論目当てで行動することが多々ある」と警戒感を示した。 URL:http://news.goo.ne.jp/news/sankei/seiji/20060516/m20060516004.html *0510 食事後すぐ仕事できぬ…小沢代表、本会議欠席で釈明 [読売]  民主党の小沢代表は9日の記者会見で、衆院本会議の欠席について「十数年前に心臓疾患で入院後、食事後すぐ仕事にかからないよう医者から忠告を受け、守り続けている。理解してほしい」と釈明した。  小沢氏は1991年6月に狭心症で入院した。今年4月の代表就任後、最初の本会議には出席した後、9日を含め7回連続で欠席した。  小沢氏は「(公務の)朝食、昼食会は断っている。重要なものはスケジュールをずらして出席しているが、(午後1時開会の衆院本会議など)昼食時間にぶつかったものは欠席している」と語った。  ただ、自民党は「本会議に出席できないのでは、政治家の職責を果たせない。首相になったら、外交上の昼食会をどうするのか」(幹部)と批判している。 (2006年5月10日1時22分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060509ia24.htm *0510 民主党:国民投票法案など自公との共同提案破棄へ  民主党は9日、国民投票法案をはじめ自民、公明両党との共同提案を目指してきた重要法案について、原則として共同提案に応じない方針を固めた。与党との対決路線を掲げる小沢一郎代表の意向によるもので、小沢氏は既に党幹部にこうした方針を指示した。自公両党が各法案を国会に提出した場合は、党独自の対案提出も辞さない考えだ。  憲法改正の手続きを定める国民投票法案をめぐっては、自民、公明、民主の3党が今国会への共同提案を目指し協議を続けてきた。自公両党はメディア規制の内容を緩和するなど民主党に一部歩み寄っているが、投票権者の年齢について自公両党が「20歳以上」、民主党は「18歳以上」を主張。国民投票の対象を憲法改正以外に広げるかでも、対立が残っている。  小沢氏は9日の記者会見で、同法案について「3党の共同提案にはあまり賛成ではない」と述べ、共同提案に否定的な考えを示した。さらに「手続き法だから、それほど(与党案に)目くじらを立てるものではないが、(投票権者の)年齢など(与党案と違う)党の主張がある。私どもは私どもの考え方で対応すればいい」と述べ、自公両党と民主党がそれぞれの法案を国会に提出する可能性も示唆した。  このほか、3党で今国会提出を目指すことで合意していた緊急事態基本法案に関しても、民主党は単独で今国会に法案を提出する考えだ。【須藤孝、衛藤達生】 毎日新聞 2006年5月10日 3時00分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/news/20060510k0000m010162000c.html *0427 来年参院選「全選挙区で公認」こだわらず…菅代表代行 [読売]  民主党の菅代表代行は27日の記者会見で、来年夏の参院選に「全選挙区で公認候補を擁立する」とした党方針について、「公認でなければだめかと言えば、そこはある程度柔軟であっていい。自公に対抗し得る候補者ということが基準で、(他党候補の)推薦もあり得る」と述べ、社民、国民新党などとの選挙協力を模索する考えを示した。 (2006年4月27日22時30分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060427ia23.htm *0420 不破氏「ガセネタ」と反論 筆坂氏著書に赤旗紙で [共同]  19日付の共産党機関紙「しんぶん赤旗」は、党政策委員長を務めて昨年7月に離党した筆坂秀世氏が党の内情を明かした著書「日本共産党」(新潮社)に反論する不破哲三前議長の寄稿文を掲載した。筆坂氏が宮本顕治・現名誉役員の議長退任の経緯などを記したことについて「小泉純一郎首相の用語法にならえば『ガセネタ』である」と断じている。  不破氏は本を「共産党攻撃の書」とした上で、感想について「ここまで落ちることができるのかという驚きである」と強調した。 URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=poli&NWID=2006041901000768 *0419 小沢・民主代表 「質問には丁寧に」 初の定例会見 [朝日] 2006年04月19日06時05分  民主党の小沢代表は18日の記者会見で、衆院千葉7区補欠選挙について「(選挙で)国民の支持を得ることは今後の民主党の再生、評価に大きく影響を及ぼす」と述べ、送金メール問題で失墜した党の信頼回復につなげる考えを示した。党代表として初めての定例会見。これまでの代表が行っていた冒頭発言はせず、約30分間にわたって質問に応じた。 定例記者会見で質問に答える民主党の小沢代表=18日午後、東京・永田町で  不利とみられた補選で自民党候補と激戦となるなど「小沢効果」で民主党の存在感が増しているとの指摘には「(総選挙で)民主党は大負けしたが、自民党と対抗できる政党だ。世間の目に二大政党的な姿として映っている」と分析。「小泉首相はじめ自民党の偉い方々が折に触れて私の論評をしていただいているので、それがまた(小沢効果に)輪をかけているのではないか」と語った。  小沢氏は、自由党党首時代などは定例会見をしていたが、かつては「記者会見はサービス」と発言し、会見を拒否したこともあった。この日は「できるだけ質問にも丁寧に答えないといけない」と述べ、途中で質問を打ち切ろうとする司会者を「いいですよ」と諭すなど「ニュー小沢」をアピールした。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0419/001.html *0415 民主・小沢氏、秋谷創価学会会長と会談 政界再編視野? [朝日] 2006年04月15日08時28分  民主党の小沢代表が、公明党の支持母体である創価学会の秋谷栄之助会長と11日に会談していたことが分かった。小沢氏と公明党は、細川政権で非自民の連立を組み、小渕政権下では連立したことがある仲。小沢氏が代表就任早々に打った一手は、「小泉後」に向けて民主党の選択肢を広げ、政界再編を視野に入れた動きではないか――。そんな憶測も呼びそうだ。  「お久しぶりです。10年ぶり、とまではいきませんね……」  11日夕。東京・信濃町の創価学会本部。直前に訪問を告げ、こう語りかけた小沢氏を、秋谷会長が迎え入れた。小沢党首時代の自由党が、自民、公明両党と連立した99年以来の顔合わせだった。  会談は20分程度。複数の関係者によると、あいさつ回りで選挙の話は一切していないというが、公明党議員は不快感を隠さない。「手を突っ込んできた。疑心暗鬼を募らせようとする小沢氏らしいやり方だ」。情報は、首相官邸にも伝えられた。  党の再生を託された代表就任から1週間。「自民党の岩盤を突き崩す」と語る小沢氏は、今週に入って経済団体や日本遺族会、日本医師会など自民党の支持団体を連日、精力的にまわっている。  いずれも短時間のあいさつ回りで、即効性は期待できない。前原誠司前代表が掲げた「しがらみの打破」路線に逆行しかねない動きでもある。小沢氏側には「これまでの代表がまわれなかったところ」(周辺)をまず訪れることで、与党を牽制(けんせい)する狙いがありそうだ。  「小沢民主党」は政権を争える位置までよみがえるのか――。9月の自民党総裁選に勝てば、小沢氏と直接対決することになる「ポスト小泉」候補たちもまた、小沢氏が仕掛ける政策や動向を強く意識し始めている。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0415/003.html *0414 社民幹事長、参院選で民主と候補者調整の可能性示唆 [朝日] 2006年04月14日18時57分  社民党の又市征治幹事長は14日、来年の参院選について「自民党が漁夫の利を得ないよう、この県では社民党が立てるから邪魔をしない、こっちでは民主党が立てるから控えてほしい、という消極的協力は起こりうる」とし、選挙区候補者擁立で民主党との調整はあり得るとの見方を示した。さらに「小沢さんの方が割り切りが早いかもしれない」と述べ、新体制への期待感をにじませた。  ただし、「大きく政策に開きがあるので、(民主党公認候補を)推薦もしないし、運動もしない」として選挙戦での協力は否定した。また、国会での共闘態勢を築くため、民主、共産との3党党首か幹事長同士の会談を呼びかけていく考えも明らかにした。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0414/004.html *0413 元共産幹部・筆坂氏、共産党の「暴露」本 [朝日] 2006年04月13日19時52分  共産党の政策委員長を務めていた03年に「セクハラ事件」で参院議員を辞職、昨夏離党した筆坂秀世氏(58)が「日本共産党」と題した党の内情を「暴露」した本(新潮新書)を出版し、13日記者会見した。  内容の多くは党幹部の実態。在職時、日常の党方針を決定する常任幹部会はたいした議論がなく、志位委員長がまとめようとすると必ず不破議長(当時)が「僕は違うな」と言ってひっくり返す「いじめ」(筆坂氏)が繰り返されたとしている。  また、97年に宮本顕治氏が議長を退いた際に、自らの意思だったとされていることについて、実は「何か間違いを犯したのか」と渋る宮本氏を不破氏が党大会中に自宅で説得を続けて了承してもらったと説明している。  また地方議員が「しんぶん赤旗」の販売拡張を迫られ年何十万円を立て替えて「議員を辞めたい」と疲弊しているとの話や、給与の遅配も珍しくない地方職員の話を書き、「党勢拡大運動がやる気を奪い、組織をむしばむ」として、政党交付金を受け、政党名も変えるべきだとしている。  筆坂氏は会見で「共産党は日本に必要な政党。一方的な批判でも自画自賛でもない、実像の共産党を知ってほしい」と執筆の理由を説明した。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0413/003.html *0410 参院選、反自公なら共産党とも協力…小沢・民主代表 [読売]  民主党の小沢代表は10日、読売新聞のインタビューに応じ、来年夏の参院選について、「私が直接(候補者選定を)やる。私の役割は、候補者選定を含む組織の整備と確立だ」と述べ、自ら陣頭指揮を執る考えを示した。  さらに、「反自公の人を立てる。(民主党)公認候補でない人の方が与党を倒せるなら、誰だっていい。共産党(の支援)もいらないという必要はない」と語り、共産、社民、国民新など野党との選挙協力に意欲を表明した。  民主党は3月28日の常任幹事会で、全選挙区に公認候補を擁立する方針を決めている。小沢氏の発言は、参院選で与党を過半数割れに追い込むことを優先するため、この方針を見直し、一部の選挙区での野党相乗りの無所属候補の擁立を示唆したと見られる。  憲法改正の手続きを定める国民投票法案については「個人的には賛成だ。(通常国会で)作れるなら、作ればいい」と述べた。 (2006年4月10日20時1分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060410it12.htm *0409 前執行部の反旗封じ「表」に菅氏 小沢流「居抜き人事」 [朝日] 2006年04月09日00時50分  菅直人氏には文字通りの代表代行として「表の顔」になってもらい、選挙応援にも飛び回ってもらう。前原前執行部のメンバーは、全員を再任して反旗を翻しにくいようにしておく――。民主党の小沢代表が8日発表した新執行部の「居抜き人事」からは、挙党態勢をこぞって求めた党内の声を逆手に取っての小沢流が浮かび上がる。  「がらっと変えてくるかと思ったが、逆の意味でサプライズ。小沢さんらしく大胆だ」  党の中堅・若手層の議員の一人は、小沢代表の初仕事となる今回の執行部人事をこう評価した。  党内の視線は、一本化調整を拒んで代表選に立った菅氏の処遇に集まっていた。「選挙で2番になった方が幹事長」(渡部恒三国会対策委員長)になるのか否か。ふたを開ければ、「民由合併」後に菅代表の下で小沢氏が務めたこともある代表代行だった。  小沢氏は「僕は口べたで引っ込み思案。菅さんはうまく、分かりやすく国民に説明する」と語っている。来年の参院選に向け、候補者発掘に自ら全国を回る考えだが、応援演説など外向けの顔は菅氏が担うことになる。  もともと小沢氏と菅氏はそりが合わない。周囲の議員も「信頼関係がない」と見る。小沢代表―菅幹事長とならなかったことに首をかしげる議員は、党内でむしろ少数派と言っていい。  その2人のいずれとも話ができるのが、鳩山由紀夫幹事長だ。鳩山氏は送金メール問題への対応をめぐって強い辞意を持っていたため、慰留に成功すれば他の執行部メンバーの再任にも道が開ける――。菅幹事長ではなく鳩山氏再任となった背景には、そんな一石二鳥もあった。  前原誠司前代表が菅氏や小沢氏の取り込みに失敗して挙党態勢を築けなかったのに対し、小沢氏は代表経験者を含む3氏の連携で主導権を強めることになりそうだ。  前原執行部は、松下政経塾出身者ら政策通の若手や中堅が中心で、小沢氏とは交流が薄かった人が多い。小沢氏の代表就任についても「任期切れの9月には候補者を立てて代表選をやる。それまでの代表だから」と消極的な声が多かった。  小沢氏が国会運営や政策のとりまとめで自分流の主張を強めると、前執行部のメンバーから「反小沢」の動きが活発化する可能性もあるが、執行部に取り込んでおけば逆に「小沢色」を浸透させる機会もできる。前原氏に近い若手からは「受けざるを得ない。みんなぼうぜんとしている。(前原氏ら)頭は外に出たけど、手足は取り込まれ、『倒閣運動』はしにくくなる」とため息をつく。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0409/001.html *0408 菅氏は代表代行、鳩山氏ら執行部再任 民主党人事 [朝日] 2006年04月08日21時37分  民主党の小沢一郎代表は8日、党本部で記者会見し、代表選で争った菅直人氏を代表代行に起用する一方、鳩山由紀夫幹事長や松本剛明政調会長、渡部恒三国会対策委員長ら執行部を全員再任する人事を発表した。党内融和を重視するとともに、会期中の国会審議への影響を減らすよう考慮したとしている。11日の党両院議員総会で承認される。  会見に先だち、小沢氏は党本部で菅、鳩山両氏と会談した。席上、菅氏は週1回程度、3人で党の主要課題を話し合うことを提案し、小沢氏も同意した。  会談後、菅氏は「代表が直接やれる問題以外で重要な課題について、鳩山幹事長とも役割分担しながらしっかり取り組んでいきたい」と語った。衆院千葉7区補選が告示される11日には、小沢氏に代わって菅氏が応援に入ることも決まった。演説をはじめ、国民に党をアピールする仕事が中心になる予定だ。  小沢氏は記者会見で、執行部全員の再任を決めた理由について「少なくとも国会終了までは、今の部署をみんな変えてしまうというのはあまり妥当なやり方ではない」と述べ、国会対策を重視しての判断だとした。新代表としての本格的な人事は、今国会の会期末か、9月の代表選の時期となりそうだ。  前原誠司前代表が送金メール問題で執行部総退陣を決めたこととの整合性については「前原氏は自分自身が責任を取るということでお辞めになった。再任することの妨げには一向にならない」と述べた。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0408/007.html *0407 民主党代表に小沢氏選出 菅氏に47票差 [朝日] 2006年04月07日21時56分  民主党は7日、東京都内のホテルで両院議員総会を開き、送金メール問題の混乱で辞任した前原代表の後任に小沢一郎前副代表(63)を選出した。党所属国会議員による投票結果は、小沢氏の119票に対し、菅直人元代表(59)は72票だった。小沢氏は新執行部の骨格を8日に発表する考えで、挙党態勢の観点から菅氏や鳩山由紀夫幹事長を執行部入りさせる方針を表明した。今後は、07年参院選や次の衆院選に向け、政権交代を狙ううえで失墜した党の信頼をどう回復させるかが焦点となる。 新代表が決まり結束を誓い合う(左から)民主党、前原誠司前代表、小沢一郎新代表、菅直人元代表  7日午後、都内で開かれた両院議員総会には党所属の衆参192議員のうち191人が出席。投票に先立つ演説で小沢氏は「私自身を、そして民主党を改革しなければならない」と訴え、菅氏に47票の大差をつけて初めて同党代表に就任した。  小沢代表の任期は前原氏の残り任期である9月末までとなる。代表選出後の記者会見で、小沢氏は「9月の選挙戦では自分の考えをまとめて、党員やサポーターに提示した上で審判を仰ごうと思っている」と述べ、再選を狙う考えを示した。 挙党態勢を築くことができるかどうかが注目される新執行部の態勢について、小沢氏は会見で「菅さんとの関係で言えば二人三脚。また鳩山幹事長も今回非常に挙党態勢の維持のために腐心してくれた」と指摘。8日に菅、鳩山両氏と会い、何らかのポストで新執行部に迎える意向だ。  03年秋の民主、自由両党の合併以来、小沢氏は鳩山氏ら保守系だけでなく、安全保障の政策提言などをテコに旧社会党系グループとの連携を深めてきた。今回の代表選はこの保守系と旧社会党系に旧民社党系グループが加わった形で小沢氏支持の動きが強まり、大勢を決した形になった。  中堅・若手議員からの支持に期待していた菅陣営にも「若い人たちからも小沢さんに期待を込めた票が入ったことは事実」(江田五月参院議員)との声がある。47票差という結果に、野田佳彦前国対委員長に近い議員は「思ったよりも差が開いた。今回の世論は圧倒的に小沢支持だった」と指摘する。  今後の焦点は、同党の基本政策をめぐる党内論議の集約と、後半国会の対応に移る。前原前代表は「中国脅威論」にも言及し、今国会の会期中に外交・安全保障の基本方針を取りまとめる方針を掲げていた。ただ、小沢氏は日米関係を基軸としながらも、日中、日韓関係にも配慮する姿勢だ。  また、小沢氏は会見で「国民にアピールするためには、きちんとした我が方の考え方を分かりやすく出していかなくてはいけない」と指摘。これまでよりも、与党との「対決」をめざす姿勢が強まるのは必至だ。  小沢氏は代表選に際して、改革理念を示すキーワードとして「公正な国」「共生」を掲げ、環境問題への取り組みを強めることや、アジア外交を重視する姿勢を打ち出した。さらに、内政の重要課題として(1)人づくり(2)地方支援のあり方(3)格差社会の是正を挙げた。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0407/006.html *0401 偽メール:民主党が公表した報告書の要旨 [毎日]  民主党が31日公表した永田寿康衆院議員による偽メール問題に関する報告書の要旨は次の通り。 ◆はじめに(略) ◆調査経過(略) ◆事実の経緯 <情報仲介者との関係>  ・05年10月18日、永田氏は党所属議員の秘書の紹介で雑誌「デュモン」の取材として初めて西澤孝氏と会う。秘書は9月に知人の紹介で西澤氏および同誌編集長と初めて会い、前原誠司代表の取材紹介を依頼されたが、前原氏が取材に応ぜず、松本大輔、北神圭朗、馬淵澄夫、藤末健三の各衆参院議員を西澤氏に紹介した。永田氏と石関貴史衆院議員は、西澤氏の依頼で紹介した。  ・10月20日、永田氏は、西澤氏、同誌編集長らとともに都内のスタジオで写真撮影。西澤氏は「かつて大手週刊誌記者をやっていたが、今は発信する立場ではない。記者時代に取材したものがこのまま世に出ないのは悔しいので、永田さんに国会で追及してもらいたい。自分の自己実現でもあり、永田さんの功績にもなる」と述べた。  ・「デュモン」スタッフが永田氏が表紙を飾った第2号を永田氏の国会事務所に持参。12月22日、永田氏の後援会は第2号400冊を単価1000円(定価1500円)で購入し、後援会が総額42万円を支払った。 <予算委における永田議員の2度の質問に至る経緯>  ・1月26日ごろ、永田氏と原口一博衆院議員は西澤氏とライブドアに関し情報交換。  ・2月1日、西澤氏および永田氏と原口氏は議員会館において会談。西澤氏より情報が提供され、その情報源は1月末にライブドア・ファイナンスを退職した元社員であるとのことであったので、原口氏は、元社員に面会したいと要請したが、実現はしなかった。  ・同6日、永田氏は、西澤氏より電話で「ライブドアの元社員が社内メールを持ち出したので国会で使ってほしい」との連絡を受けた。  ・同8日、西澤氏は議員会館で永田氏にメールを提供。西澤氏の説明は「資金の出元は裏口座で、堀江貴文氏個人のさまざまな資金に充当されている。年間20億円程度の出入りがある」「口座の存在を知っている人物は数名にすぎないため、メールの取り扱い次第では『情報提供者』が容易に特定されてしまう。発信者のアドレスは掘江氏のものであるが、堀江氏は複数のメールアドレスを使い分けており、このアドレスが公開されると受信者が数名に絞り込まれてしまうため、黒塗りにした」「資金の振込先口座は武部勤衆院議員の二男の個人口座」など。  ・西澤氏は「このメール以前の送金があったことは確実、このメールを受けて8月29日に3000万円、10月14日に『12月上旬に行われたK1イベントのチケット代金』の名目で1000万円、同31日に『大晦日に行われたK1のチケット代金』の名目で1000万円が送金されている」。  ・2月9日午後、永田氏は野田佳彦国対委員長(当時)に報告。  ・2月11日、永田氏は前原代表にメールを一瞬見せたうえで、公聴会期日決定の直前に取り上げる旨を伝え、代表から「がんばってね」と言われた。14日に前原氏は野田氏から「内密にしてほしい。しっかりとした情報を得ている」と聞いた。  ・2月13日、野田氏に信ぴょう性に確信があると報告。野田氏は16日の予算委の準備に入ること、情報提供者とも詰めを行うこと、同僚議員や専門家と事前に相談して注意するよう指示。  ・2月14日午後、永田氏は西澤氏から「国会質問は予定外であり、情報提供者が難色を示し始めている」との話をされ、西澤氏と最終調整。その際、西澤氏から新たに黒塗りしたメールを渡され、8日に提供されたメールの原本を返却。  ・2月15日、西澤氏から永田氏に対し、電話で「振込元口座はみずほ銀行六本木支店、振込先口座は東京三菱銀行銀座支店である」という情報のみが告げられた。  ・2月16日、永田議員が予算委員会一般質疑でメール問題を取り上げ、終了後、国会内で記者会見。野田氏は永田氏の思い込みの強さと高揚感が原因だったのではないかと思った。永田氏が記者会見後、すぐにテレビ出演したことも誤算であり、すぐに国会内に戻るように指示した。  ・2月16日深夜、永田氏の秘書が西澤氏に口座番号を聞いたところ、後に編集長が電話で口座番号を伝えた。翌日午前、東京三菱銀行の都内全ての有人支店の当座預金、普通預金、貯蓄預金口座に対し、伝えられた口座番号を用いて振込操作を試みるが、該当する口座はなく、永田氏はこの時点では、振込先口座はすでに閉じられているのではないかと推察した。  ・2月17日、原口氏は西澤氏に「メールが示す事実関係をどのようにして証明するのか」と2回にわたり電話で聞いた。西澤氏は「直接振り込んだ人間が言っているのだから大丈夫だ」などと述べた。 <党首討論に至る経緯>  ・永田氏の質疑後、メールの真がん論争が始まったが、有効な反論ができなかった。「対策チーム」を構成し、情報集約と対応協議を開始。  ・西澤氏は「情報提供者は17日、新しい勤務先に出勤したが、朝、ライブドア関係者から『情報提供者はお前だろう』と指摘され、面会を求められたため、やむなく午後から複数のライブドア関係者と面会した。情報提供者はシラを切り通したが、大変おびえ、困惑しているので、メールの提供を説得できる状況にない」などと説明。西澤氏は「ハードディスクを盗んでしまいましょうか。どこにあるか分かっているのでできる」と述べたが、永田氏は「そんな犯罪行為などできるわけがない。絶対にそんなことはするな」と述べた。  さらに永田氏は、西澤氏から、振込元は「三井住友銀行渋谷駅前支店普通預金口座×××××××」であり、16日深夜に永田氏が入手した口座は誤って伝えられたもの。振込先は「東京三菱銀行であるが支店名は不明。普通預金口座×××××××」であり、振込先口座の名義は武部氏二男の個人口座である旨、改めて説明された。そこで永田氏は秘書に、ATMを使って振込操作を試み、口座が実際に存在するか確認するよう指示。秘書は、振込元口座が「ライブドア・ファイナンス」の名義で存在していることを確認し、その振込画面を携帯電話のデジタルカメラに納めた。以前西澤氏が振込先口座は銀座支店ではないかといっていたので、秘書は銀座支店に振込操作を試みたが、口座は存在しなかった。そのため、永田氏は振込先口座はすでに閉じられているのではないかと推測した。  ・2月17日、野田氏は顧問弁護士とともに永田氏の宿舎で永田氏と一緒にいた西澤氏と面会。  ・2月19日、永田氏は野田氏に「場合によっては情報提供者が持っているさまざまな情報が入力されているハードディスクを売ってもいいと言っている。西澤氏を通じて情報提供者と具体的な交渉に入っていいか」と相談。野田氏は金銭の話が出てきたことをいぶかしんだが、「それが情報提供者の存在を確認できる唯一の手段ならば、瀬踏みをかけても交渉の余地は残した方がいい」と考え、「情報提供者との交渉には自分が出向く」と述べた。永田氏は野田氏に「自分で1000万円程度は用意できる」と述べ、野田氏は「必要なら党でそれくらいは何とか用意できる」と述べた。  永田氏は西澤氏にその条件で情報提供者と交渉に入りたい旨を伝えた。これに対し、永田氏によると、西澤氏は「経済的な負担は自分で賄うから心配するな」と述べた。野田氏は原口氏に対し、改めて西澤氏の身辺を徹底的に洗うよう指示。原口氏は野田氏に「西澤氏の評判がすこぶる悪い」と報告。野田氏は永田氏に独自の判断と行動は慎み、西澤氏や情報提供者とのやり取りは逐次報告して判断を仰ぐよう指示。その夜、野田氏は顧問弁護士から「偽情報に金銭を支払うことになれば、相手が詐欺罪を構成するので、情報を買うようなことはすべきでない」との助言を受けた。  ・2月20日夜の報道番組で、平沢勝栄衆院議員が「メール」を公表。  ・2月21日、「メール」の発信元と送信元が同一との情報が流れた。  ・2月22日、前原代表は党首討論で「メール」問題を取り上げた。前原氏は「確証」を得ていると発言したが、終了後「言葉が間違っていた」と述べた。 <党首討論後から処分等の決定に至る経緯>  ・2月22日夜、永田氏は野田氏と会い、「自身の力不足をわび、進退については国対委員長に預ける」と述べた。午後7時ごろ、前原氏らに野田氏は、永田氏の進退伺いを預かっていると報告。前原氏は「本人のためにも党のためにも自発的に辞職すべき」と提案、出席者もこれに同調、野田氏に一任された。野田氏は永田氏に自分の判断で辞職するよう言った。永田氏は「その判断に従いたい」と述べた。  ・2月23日午前2時ごろ、永田氏は海外出張中の実父に電話で説明。実父は「それは筋が違うのでは」と翻意を促した。永田氏は午前5時半ごろ野田氏からの電話に「辞職しません」と伝えた。  ・2月23日、永田氏は鳩山由紀夫幹事長と野田氏に辞職の意思がないことを伝えた。夜、役員懇談会で永田氏の入院、退院してから進退を判断することが了承された。  ・2月28日朝、幹部協議、役員懇談会で、鳩山氏と野田氏が辞意表明。前原氏の慰留に鳩山氏は辞意を撤回。永田氏の党員資格停止、野田氏の辞任、鳩山氏に対する常任幹事会名による厳重注意などの方針を確認。  ・2月28日午前、永田氏が退院、午後2時45分記者会見。  ・2月28日午後、役員会、常任幹事会、両院議員総会で「メール」は本物ではないとの調査結果が報告され、処分等が決定された。 <その後の経緯>(略) ◆事実の経緯から見た問題点  ・なぜ党は「メール」の真偽をチェックできず質疑を許したのか=議員の自主性を確保、情報管理を徹底する必要性から情報の客観化をチェックする仕組みがなかった。  ・なぜ前原氏は党首討論で「口座」を取り上げたか。なぜ「確証」があると発言したか=この時点においても、前原氏は口座情報は情報提供者から提供されたものと認識し、周辺疑惑に関する情報が報告されていた。  ・党の危機管理に問題はなかったのか=国会質疑の重さが十分に理解されず、「疑惑」追及には大きなリスクが伴うとの認識が不足していた。 ◆私たちの反省と教訓 <基本的立場と反省>  責任野党として政権政党への成長・成熟への期待に背いた大失敗を演じてしまったとの自覚をしなければならない。 <自らの力に対する客観的認識>  私たちは野党に身を置いているという自覚を持つべきである。相手方の与党は「権力」を手放さないことにその持てる力すべてを動員しているという冷厳な事実を忘れないことだ。 <マネージメントとリスク管理>  党所属議員一人ひとりが議員の職責の重さ、疑惑追及のリスクなどを改めて再認識するとともに、質問技術の向上を図るなど、自己教育に努めることが必要。政党は議員の自主性と自己責任に委ねつつも、慎重性の原則、配慮の原則、客観化の原則、責任の原則によってリスク管理をすべきだ。リスクを顕在化させないための機構を設置し、議員プロジェクトチームの活動についてリスクの発生を予防する。リスクが顕在化した時の対応について、その責任を明確にしたうえで、危機管理対応の部局を設け、とりわけメディア対応に成熟した専門スタッフを養成することに努める。 <結語>  失敗によって迷惑をかけた人々には心の底から謝罪しながら、失敗の経験から教訓を汲み出し、この教訓を貴重な財産とするよう努めることが「責任野党」への再生の道である。 毎日新聞 2006年4月1日 2時09分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/news/20060401k0000m010179000c.html *0331 民主党:前原執行部が総退陣 後任、小沢氏に一本化の動き [毎日] 民主党の前原誠司代表は31日、偽メール問題の責任を取り執行部の総退陣を決め、同日の常任幹事会と両院議員総会で了承された。後任の代表は7日、党大会に代わる両院議員総会で選出するが、小沢一郎前副代表や菅直人元代表らベテランを軸に調整が進む見通し。党内には小沢氏への一本化の動きが強まっており、小沢氏も31日夕、出馬を促した同氏支持の若手グループ幹部に電話で「ぜひ一緒に頑張っていこう」と述べ、出馬に前向きな姿勢を示した。一方、この問題を国会で取り上げた永田寿康衆院議員(同党員資格停止中)は同日、前原執行部の総退陣を受け、河野洋平衆院議長に議員辞職願を提出した。  前原氏は同日夕、党本部で辞任記者会見を行い「私自身が(メール問題を)党首討論で取り上げ、3月の終わりまで問題を引きずった。対応のまずさはすべて私の責任だ」と陳謝。さらに「国民の信頼を取り戻し、次の総選挙での政権交代を訴えるには、人心一新が必要と考えた。一議員となって出直したい」と語った。  前原氏は記者会見で、進退を考え始めたのは、党首討論2日前の2月20日、野田佳彦国対委員長(当時)から偽メールの可能性を知らされた時だったことを明らかにした。国会会期中であるため、当初は事態収拾を最優先に考えたが「いまだにこの問題にけじめがついていない状況を私なりに判断」し、最終的に辞任を決断したと説明した。  一方、永田氏は議員辞職願の提出後に国会内で会見し「党の執行部が総退陣するような大きな迷惑をかけてしまった。本当に申し訳なく思っている」と陳謝した。  後継代表をめぐる本格的な調整は週明けになるとみられるが、党内各グループは同日夕から夜にかけて相次いで会合を開き、代表選への対応を協議した。このうち、小沢氏に近い若手グループ「一新会」と旧社会党系グループが、小沢氏を支持する考えを打ち出している。  一方の菅氏は同日「個人がどうというレベルで考えると失敗をしかねない。老壮青がまとまり、信頼される政党に持って行くためにどうするかという議論の中で(後継の)方向性が出てほしい」と記者団に語った。同日夜の菅氏を支持するグループの会合では「(党が)まとまらなければ」との意見は出たが、代表選への具体的な対応は打ち出さなかった。 毎日新聞 2006年3月31日 22時01分 (最終更新時間 4月1日 1時29分) URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060401k0000m010117000c.html *0324 永田議員、情報仲介者の氏名明かす [読売] 衆院懲罰委員会(岩國哲人委員長)は24日午前、「偽メール」問題を引き起こした永田寿康衆院議員(民主党の党員資格停止中)の弁明に対し、各党の委員が質疑を行った。  焦点となっていた偽メールを持ち込んだ情報仲介者の元記者の実名について、永田氏は「西沢孝氏」であると公表した。  永田氏は、元記者の氏名を公表した理由について、「情報源の秘匿が大切だということで名前を伏せていたが、偽物の情報をつかまされた情報源との間に、有効な信頼関係はないものと考えた」と述べた。  永田氏は22日の同委員会で行った弁明では、情報仲介者の氏名を明らかにしていなかったが、党内外から公表するよう求める声が強まったことを受け、公表に踏み切ったとみられる。  また、情報提供の見返りとして金銭のやり取りがあったのではないかという指摘に対しては、「金銭のやり取りはない。情報提供の見返り、成功報酬の約束もない。(そうした指摘を受けるのは)私にとって不本意だ」と否定した。ただ、西沢氏が経営する会社の書籍を購入した代金として、自らの後援会資金から42万円を支払ったことを明らかにした。西沢氏に「メール」を提供した作成者については「知らない」と語った。  また、永田氏は、西沢氏が「自分は永田氏への情報仲介者ではない」とする文書を民主党などに送付していることに対し、「私の政治生命にかけて、(西沢氏の主張は)100%ウソだと思う」と断定した。  永田氏は、偽メールでライブドア前社長の堀江貴文被告から武部自民党幹事長の二男が送金を受けたと国会で取り上げたことに関連し、「自分は被害者でもあるが、加害者でもある」と述べた。しかし、自らの議員辞職は重ねて否定した。  岩國委員長と、自民党の平沢勝栄氏、葉梨康弘氏の質問に答えた。  与党側は永田氏の弁明と質疑だけでは、真相解明は出来ないとして、情報仲介者の証人喚問などを求めており、24日の質疑終了後の懲罰委理事会で対応を協議する。民主党側は態度を保留している。 (2006年3月24日11時56分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060324it03.htm?from=top *0323 共・社ひさびさトップ会談 「非公式」な「意見交換」 [朝日] 2006年03月23日00時47分  共産党の志位委員長と社民党の福島党首は22日夜、都内の飲食店で会談した。改憲阻止を訴える両党は、国会で提出の動きが強まる国民投票法案に反対していくことで一致。今後も連携を強めていくことを確認した。  会談は、志位氏が呼びかけた。会談の中で、志位氏は「福島党首から『改憲阻止については両党にこだわりはない』と言われたことに勇気づけられた」。福島氏も「連帯の核として共産党とも意見交換できることをうれしく思う」とエールを交換した。  両党のみのトップが顔を合わせるのは、78年6月に飛鳥田一雄社会党委員長と宮本顕治共産党委員長が会談して以来のこと。ただ、社民党側は「国会外の運動を広げる邪魔をしないようにしたい」(幹部)と、「共社共闘」の突出を警戒し、「様々な人との意見交換の一環」(福島氏)とする。共産党側も「今回は非公式」としている。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0322/007.html *0322 永田議員、送金メール問題で改めて謝罪 衆院懲罰委 [朝日] 2006年03月22日12時43分  永田寿康衆院議員(民主党の党員資格停止中)は22日午前、衆院懲罰委員会で送金メール問題の経緯などを説明し、偽メールをもとに国会で質問したことについて謝罪した。自らの進退については「委員会の議論を謹んで承り、それを踏まえて判断することが私の責任だ」と語るにとどめた。懲罰委で本人による弁明が行われるのは30年ぶり。24日午前には、永田氏に対する質疑を行う。  弁明は、約15分にわたった。永田氏は「送金メールは根拠のない偽物。ライブドアの資金が武部(勤・自民党)幹事長周辺に流れたとする疑惑も全くの事実無根だった」と述べ、改めて謝罪した。メールを提供した仲介者については、氏名を明かさずにやりとりを説明。「情報の対価としての金銭のやりとりは一切ない」と、金銭の授受は改めて否定した。  永田氏は、民主党所属議員の秘書の紹介で、昨年10月18日に初めて、「大手週刊誌の記者をやっていた」と自称する仲介者と会ったと説明。国会の質問に至る経緯については「(仲介者にとって)自己実現にもなるし、永田さんの功績にもなる」と持ちかけられたことや、メールは「ライブドアを最近退社した社員がハードディスクをそのままコピーして持ち出した。仲介者は200通のメールから選別して持ってきたと述べた」などとしたが、情報の真偽をどう確認したかについては全く触れなかった。また、メールをなぜ偽物と判断したかについての説明もなかった。  永田氏は弁明後、記者団に対して「私の立場は、ただ懲罰委決定に従って我が身を処していきたいということだ」と述べ、自発的な辞職は改めて否定した。  民主党は、永田氏が仲介者の氏名を本人の保護を理由に公表していない点について、「(質疑では)明らかにした方がいいと言うつもりだ」(民主党の平野博文・懲罰委筆頭理事)としている。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0322/004.html *0316 衆院懲罰委員会:民主、与党の引き延ばしに対抗できず [毎日]  偽メール問題をめぐる永田寿康衆院議員(民主党の党員資格停止中)の衆院懲罰委員会での弁明が、22日に行われることが決まった。民主党は永田氏の弁明で処分に道筋をつけ、早期に幕引きを図る考えだったが、この日は与党側の要求で、24日に永田氏への質疑を行うことになり、決着は先延ばしされた。与党の引き延ばし戦術に対抗できない民主党の苦しさを浮き彫りにした形だ。  「真実を隠さずに、事実を偽らずに、できるだけ丁寧に説明したい」。永田氏はこの日の衆院本会議後、記者団に弁明への抱負を語った。  与党側は永田氏の弁明に加え、情報提供者とされる元記者の証人喚問を要求。民主党は当初、早期の幕引きにつながるとみて喚問に応じる姿勢を示したが、与党側はさらに永田氏への質疑を要求した。  民主党は「なし崩しでいくらでも(要求を)増やされてはだめだ。弁明と質疑を行うなら、証人喚問は認められない」と主張し、質疑を受け入れた。同党は、依然所在不明とされる元記者が証人喚問を拒否するなどして日程が長引けば、党のイメージダウンが避けられないと判断。与党側に喚問と質疑の「二者択一」を迫り、質疑を優先する形を取った。  しかし、与党側が質疑の後に「十分解明できていない」と主張して改めて喚問を要求する可能性も否定できない。民主党内にも永田氏の議員辞職を求める声があり、同氏の進退問題の決着のめどは依然立たない情勢だ。【衛藤達生】 毎日新聞 2006年3月16日 21時18分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/news/20060317k0000m010100000c.html *0315 メール問題で民主が謝罪広告、15日付の6紙朝刊に [読売]  民主党は14日、「偽メール」問題をめぐる武部自民党幹事長の二男への謝罪広告を、読売新聞など全国紙5紙と武部氏の地元の北海道新聞の15日付朝刊に掲載することを決め、自民党に伝えた。  これを受け、武部幹事長は記者会見で、二男が検討していた、民主党などに対する民事、刑事の訴訟を見送ることを明らかにした。  謝罪広告は、民主党と、問題を取り上げた永田寿康衆院議員(民主党の党員資格停止中)の連名で、「メールは全くの偽物」と認め、「心よりお詫(わ)び申し上げる」と謝罪する内容となっている。  党幹部によると、広告費は全部で約1800万円で、政党助成金を充てず、民主党と永田氏が負担する。 (2006年3月15日0時10分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060314i114.htm *0315 前原発言に批判・異論噴出 民主党幹事会 [朝日] 2006年03月15日06時06分  民主党の前原代表に対し、14日の党常任幹事会で、永田寿康衆院議員の進退をめぐる発言などこのところの言動をめぐって、批判や異論が噴出した。前原氏ら執行部は弁明に追われ、メール問題を機に求心力が低下する前原民主党の窮状を映し出す形になった。  「世論の風向きを見ながら小出しにするのは決着を遅らせる。代表は最初は辞めなくていいと言っていた」。永田氏の進退をめぐっては、前原氏が13日の講演で本人の判断に委ねる考えを示したことに、筒井信隆氏がかみついた。前原氏は「党としての処分は終わったとの意味。発言は変わっていない」と釈明した。  また、15日付全国紙などに掲載される自民党の武部勤幹事長の次男に対する謝罪広告については「選挙が戦えない」「党と永田議員の連名ではなく、前原代表と永田議員の連名で出してほしい」などと異論が出され、前原氏は「党首討論で取り上げたのは国対の判断だった」と説明した。  民主党本部は14日、謝罪広告について「問題を速やかかつ着実に決着させることが必要と考えてのことです」などとする鳩山由紀夫幹事長名の説明文を、全議員と都道府県連あてにメールで送った。だが、平田健二参院国対委員長が同日の記者会見で「一任はしたが、明日広告を出す前の日に『明日やるよ』というのは、考えものではないか」と皮肉るなど、異論は消えていない。  さらに、常任幹事会では、前原氏が13日の講演などで政令指定市の県議について「仕事のない議員」とした発言の撤回を、岩國哲人氏が迫った。前原氏は「撤回はしない。分権の問題から見ておかしいと述べた」と反論。14日の会見でも「重層的な行政機構の中で無駄が多いし、道府県から権限を移譲されているのが政令指定市だ。その分仕事が少なくなるのは当たり前」と語った。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0315/003.html *0314 次の民主党代表、小沢氏トップ・前原氏4位…読売調査 [読売]  読売新聞社が11、12の両日実施した全国世論調査(面接方式)で、次の民主党代表に最もふさわしいと思う人を聞いたところ、小沢一郎・前副代表が18%と最も多く、次いで菅直人・元代表が17%だった。  鳩山幹事長が13%で続き、前原代表は10%と4位だった。  前原氏は、同党が国会で取り上げた「偽メール」問題での対応のまずさなどから、党内で求心力を失いつつあり、国民の間でも再選を望む声は少なかった。  調査では、9月に予定される同党代表選に、立候補の可能性があると見られる9人の中から、1人だけを選んでもらった。  それによると、民主支持層でも、小沢氏は28%、菅氏は25%の支持を集め、前原氏は11%で4位にとどまった。年代別では、60歳代で小沢氏、20歳代で菅氏の支持が目立った。  一方、9月に退陣する小泉首相の後継に最もふさわしいと思う人を、候補者と目される自民党内の9人の中から、1人だけを選んでもらったところ、安倍官房長官が45%と、2月の前回調査に続き、最も多い支持を集めた。以下、福田康夫・元官房長官11%、麻生外相6%、加藤紘一・元幹事長、竹中総務相各3%、谷垣財務相2%――などの順だった。前回に比べ、支持の割合と順位に大きな変動はなかった。  安倍氏を挙げた人は、小泉内閣支持層で58%、自民支持層で60%に上り、他の政党支持層や内閣不支持層でもトップだった。  2位の福田氏は、内閣不支持層で14%、民主支持層で18%と、一定の支持を得た。 (2006年3月14日20時31分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060314i112.htm *0314 七転び八起きのはずが…前原代表の小法師、 転んだまま [読売]  民主党の渡部恒三国会対策委員長は14日、地元の民芸品である「起き上がり小法師(こぼし)」を幹部に配り、奮起を促したが、前原代表の分だけが転んだままになる“珍事”が起きた。  渡部氏は同日朝の役員会で、「みなさんに差し上げたいものがある。雪の深い会津の冬でも春の来ない冬はない。七転び八起きだ」と切り出し、福島県会津若松市の民芸品である小法師を出席者に配った。  鳩山幹事長らは机の上で転がし、起き上がってくる小法師に歓声を上げたが、前原氏が転がすと、小法師は倒れたままに。前原氏は「あっ、起きあがらない」と引きつった笑いを浮かべた後、自分の小法師を手に取ってじっと見つめた。  幹部の1人は、「不良品が当たるのも、運のなさの現れだ」と偽メール問題などで逆風の真っただ中の前原氏に同情しきりだった。 (2006年3月14日19時23分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060314i111.htm *0314 永田氏進退「自ら判断を」前原代表明言…民主方針転換 [読売]  民主党は13日、「偽メール」問題を引き起こした永田寿康衆院議員(党員資格停止中)の進退について、永田氏自身の判断にゆだねる方針を固めた。  前原代表は同日、都内の帝国ホテルで開かれた内外情勢調査会で講演し、「衆院(懲罰委員会)での処分がある。その時にご自身がどう判断するかになると思う」と述べた。  前原氏ら党執行部はこれまで、永田氏は議員辞職する必要はないとの立場だった。世論調査などで永田氏辞職を求める声が多いことを受けて、渡部恒三国会対策委員長らから自発的な議員辞職を促す意見が相次いでいるため、方針を転換したと見られる。  前原氏は講演で、民主党のメール問題検証チームの調査について「情報源の問題も含めて、発表する時には、すべてを明らかにすることが原則でなければいけない。調査が済み次第、明らかにしたい」と述べた。 (2006年3月14日3時1分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060314i301.htm *0306 民主「4点セット」攻めず 参院予算委、弱腰質疑開始 [朝日] 2006年03月06日12時09分  参院予算委員会で6日午前、小泉首相と全閣僚が出席して基本的質疑が始まった。「送金メール」問題で混乱した民主党が、06年度政府予算案の参院審議で態勢を立て直すことができるか。注目を浴びて輿石東参院幹事長が質問に立ったが、耐震強度偽装問題や官製談合事件などの「4点セット」は取り上げず、論戦は盛り上がらなかった。空洞化の懸念が現実となりそうな予感を抱かせる幕開けとなった。  輿石氏は冒頭、政府・与党が後半国会の柱と位置付ける行政改革を取り上げ、「行革国会に臨む総理の決意をうかがいたい」と問いかけた。これに対し小泉首相は「政府の役割を民間、地方に任せて簡素で効率的な政府を作ろうということだ」と淡々と答弁した。  「小泉改革のひずみ、4点セット、光と影といった問題を議論する」(前原代表)というのが後半国会に臨む民主党執行部の方針。しかし、ライブドア問題を含め4点セット問題は取り上げなかった。  輿石氏は、産業再生機構が04年12月にミサワホームの支援を決めるにあたり、竹中総務相がミサワホームと、同社と業務提携したトヨタとの間を仲介した事実があるか尋ねた。竹中氏が「そういう事実は全くない」と否定すると、輿石氏は深くは掘り下げなかった。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0306/001.html *0305 鳩山氏「小沢氏と連携」 民主、「ポスト前原」動き鮮明 [朝日] 2006年03月05日21時06分  民主党の鳩山由紀夫幹事長は5日、北海道紋別市で講演し、9月に予定される代表選に向け、小沢一郎前副代表と連携する考えを示した。渡部恒三国会対策委員長も同日のテレビ番組で次期代表に鳩山氏を有力視する発言をしたり、代表選が前倒しされる可能性に触れたりした。「送金メール」問題で前原代表が求心力を失うなか、「ポスト前原」に向けての動きが公然と始まった。  鳩山氏は講演で、「代表選は面白い舞台を作る。小沢氏という党最大の人物の去就が極めて注目される。しっかりと連携していくことが大切だと思っている」と述べた。  また、渡部氏はフジテレビの報道番組で、メール問題の収拾に当たった鳩山氏を「最有力」とした。ただ、小沢氏についても「9月までじっとしていれば、やっぱり小沢さんという声が出てくる」、前原代表の続投についても「しっかりやっているな、となればあり得る」などと述べた。  さらに渡部氏は、前原氏が任期を全うするのが基本としながらも、同番組で「場合によっては、通常国会が終わった後、(代表選を)ちょっと前倒しということもある」と述べた。4日の全国幹事長・選挙責任者会議で、前原代表の辞任を求める意見も出るなど、党内には代表選を前倒しして早期出直しを図るべきだとの声もあり、こうした状況を踏まえた発言とみられる。  これに対し、鳩山氏は「代表選前倒しはない。しっかりと9月に行いたい。(同時期に行う自民党)総裁選を食ってしまう勢いでないと、次のステップに進めない」と講演で発言。前原氏も5日、鳥取県米子市で記者団に「(前倒しのための)党規約改正をすることなく日程を議論する方向に変わりはない。9月の任期まで、一生懸命がんばる」と否定した。  しかし、前原氏は党の「内政、外交・安全保障ビジョン」を国会会期中にまとめられなければ、退任する考えを示唆している一方、メール問題の影響で前原氏の求心力は低下していることなどから、前倒し論は今後もくすぶり続けそうだ。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0305/005.html *0305 送金メール:前原民主代表に容赦ない批判 地方から噴出 [毎日]  「送金指示メール」問題による混乱のさなかで4日開かれた民主党の全国幹事長・選挙責任者会議では、ひたすら「おわび」を連発する前原誠司代表にも容赦ない批判が浴びせられ、前原体制が置かれた状況の厳しさを物語った。渡部恒三国対委員長の起用でとりあえず執行部はながらえたが、再選戦略はおろか、秋の代表選までの続投すら不透明な党内状況を浮き彫りにした。  「前原氏が『確証を持っている』などと発言したことは(質問した)永田寿康衆院議員以上に問題だ」(岩手県)  「組織の問題ではなく、前原代表の判断ミスだ」(福岡県)  冒頭に謝罪した前原氏は壇上から一歩下がって腰を90度近く曲げ、7秒間、頭を上げなかった。しかし、会場の雰囲気が和らぐことはなく、前原氏は発言のたびに謝罪を繰り返した。  もともとは来年の参院選や統一地方選への取り組みを協議する会合だったが、3時間近い会議のうち2時間をメール問題に費やした。  「9月まではとても待てない。体制の一新を」(山梨県)と直接辞任を求めたのは1県連だけだったが、「代表は自ら適切に判断してくれると思う」(三重県)「辞めればいいという問題ではないが、しかるべき時期にきちんと説明してもらいたい」(北海道)などと一定期間後の「けじめ」に言及する県連も少なくなかった。今回の問題が前原氏の資質への疑問にまで発展している状況を反映したと言える。  ただ、地方組織には、執行部への不満と同時に、来年に統一地方選と参院選を控え、民主党が完敗したこの問題では事態を早急に収束してほしい、との思いもある。「批判の電話で通常業務が出来ない」(大阪府)状況にもかかわらず、あからさまな退陣要求が抑制されたのは、さらなる混乱を嫌気したため。2、3日に実施した毎日新聞のアンケートに「前原氏は辞任すべきだ」と答えたある県連の幹事長は会場では辞任論を展開せず「そういうことを言うべき場ではない」と語った。  前原氏はあいさつで「9月までの(代表)任期の残りの間、地域を出来るだけ歩かせていただく」と地方へのおわび行脚を表明した。  渡部国対委員長が閉会前に「おかあちゃんから『県連幹事長なんて辞めちまえ』と言われるだろうが、歯を食いしばって一緒にがんばろう」と結束を呼びかけたが、党が危機的状況に直面している現実に変わりはない。【須藤孝】 毎日新聞 2006年3月4日 20時20分 (最終更新時間 3月5日 0時46分) URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/news/20060305k0000m010079000c.html *0304 メール問題:影落とす 民主、次期衆院選の公募延期 [毎日]  民主党は1日から実施予定だった次期衆院選の公認候補者の公募を延期した。「送金メール」問題で党のイメージが悪化していると判断したため。先の衆院選で惨敗した後「次の選挙では、選挙区に空きがない自民党より優秀な候補者を集められる」(選対幹部)と意気込んでいた同党だったが、メール問題が影を落としている。  民主党は当初、来月28日までの2カ月間で公認候補者を公募、5月末までに書類審査や面接などで選考する予定だった。ところが、メール問題が発生し、「こんな状態で候補者を募集するのはふさわしくない」と判断した。公募開始は来月以降にずれ込む見通し。【山田夢留】 毎日新聞 2006年3月4日 3時00分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/news/20060304k0000m010144000c.html *0303 武部氏二男、民主党と永田議員に謝罪広告掲載求める [読売]  自民党の武部幹事長の二男は3日、民主党と永田寿康衆院議員に対し、「送金指示メール」問題で誤った情報に基づいて送金先として名指しされたことについて、連名で全国紙などに謝罪広告を掲載するよう求める文書を送った。  文書では、「著しい名誉棄損を受け、経営する飲食店や会社は業務上、甚大な被害を受けた。国会の場で謝罪されても被害は回復しない」と強調し、「社会的評価を回復するため」として謝罪広告掲載を求めた。  一方で、民主党と永田氏が誤りを全面的に認めたことを受け、「謝罪の意思があることは了とする」とし、謝罪広告を掲載すれば損害賠償は請求しない意向を示した。 (2006年3月3日20時43分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060303i113.htm *0303 メールは「偽物」…民主の再回答書を自民了承、決着へ [読売]  民主党は3日午前、「送金指示メール」問題に関連し、自民党が提出した再度の公開質問状に対し、再回答書を提出した。  自民党側の意向に沿った内容で、武部幹事長は3日午前の記者会見で、「端的に事実無根と認めていただいた。民主党の回答を評価したい」と語った。小泉首相も、武部氏から回答内容の報告を受け、了承した。自民、民主両党の間で、この問題は最終決着する見通しとなった。  永田寿康氏個人については、近く開く衆院懲罰委員会で、処分の内容を検討する。  再回答書の中で、民主党は永田氏が衆院予算委員会で取り上げたメールについて「根拠のない偽物である」と初めて明記。さらに、1回目の回答書で「メールに基づく武部氏の二男への送金疑惑は、論拠が消滅した」と主張したことを修正し、「疑惑は全くの事実無根であった」と答えた。  民主党は、自民党及び武部氏と二男に対して「名誉を著しく毀損(きそん)した」と改めて陳謝した上で、国会での正式な陳謝や、永田氏らの発言の国会の会議録からの削除などにも応じる考えを示した。 (2006年3月3日13時33分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060303it03.htm *0302 民主:渡部氏の国対委員長就任 「苦肉の消去法」 [毎日]  迷走を続ける民主党が2日に出した結論は、前原誠司代表より30歳年上の「超ベテラン世代」頼りだった。野田佳彦前国対委員長の後任に就任するのは73歳の渡部恒三元衆院副議長。渡部氏の突如の浮上は、意中の人物にことごとく断られた末の「苦肉の消去法」だった。女房役の鳩山由紀夫幹事長の進退問題もまだくすぶったままだ。「送金メール」問題で「白旗」を揚げた民主党は今や完全に無力化した。  後任人事3日目に入った2日午後1時半過ぎ、前原氏は衆院議員会館事務所の渡部氏に電話で「どうしても引き受けて下さい」と2度繰り返した。ほぼ同時に事務所には鳩山氏が訪れていた。  鳩山氏「先生が引き受けてくれなければ、私は幹事長を辞めます」  渡部氏「川端(達夫前幹事長)君がいい」  しかし、川端氏も鳩山氏の要請を固辞。観念した渡部氏が就任の条件に挙げたのが「鳩山氏が辞任しないこと」だった。  「今鳩山を辞めさせたら、この党はガラガラポンになる。国会から野党がなくなると大政翼賛会になる」  受諾を決めた後、渡部氏は記者団に強調した。  細野豪志役員室長は前原氏の「盟友」の枝野幸男憲法調査会長に後任の人選について助言を求めた。「まず菅(直人元代表)さん。だめなら高木(義明副代表)さん」。これに沿って前原氏側は2月28日夜から次々と打診を始めたが、結果は「惨敗」だった。  最初に声をかけた菅氏は、グループに前原氏に批判的な議員が多く、連携強化で批判を抑える狙いがあったようだが、菅氏は「向いていない」と固辞。旧民社党系で国対経験が豊富な高木氏も「他に適任者がいる」。鳩山グループの大畠章宏組織総局長らの名も浮上したが、実現しなかった。  反前原色の強いグループには「今引き受けて、9月の代表選で前原氏を支えることになるのは避けたい」(中堅幹部)との思いが共通している。このため、仙谷由人前政調会長ら前原氏に近い議員の名も出たが、今度は「余計に反前原の動きを刺激する」(前原氏側近)との声が上がり、行き詰まった。  前原氏は1日夜、鳩山氏に「お任せします」と協力を依頼。その結果、浮上したのが渡部氏の起用だった。  渡部氏は以前から前原、野田両氏らを「民主党七奉行」と呼び、定期的に食事会を開くなど中堅・若手に人望が厚い。渡部氏が2日午前の常任幹事会で鳩山氏に「君が幹事長と国対委員長を兼務しろ。おれが代理をやる」と語りかけたことを受け、鳩山氏は「代理をやるというくらいなら……」と判断し、本格的な打診に踏み切った。  鳩山氏が国対委員長人事にかかわったことで、党内には「これで幹事長辞任もなくなった」(中堅)と、党内の混乱が収束に向かうとの声が目立つ。渡部氏も記者団に「私より先に鳩山君が辞めることは絶対ない」と語った。ただ、当の鳩山氏は周辺に「9月まで支えるとは言っていない」とも漏らしており、国対委員長が決まったからといって、党の危機はなお回避されていない。  渡部氏が自民党国対委員長の当時、筆頭副委員長だった小泉純一郎首相は、2日の衆院本会議で前原氏に「渡部さんが国対委員長になるなら、おれが筆頭副委員長で支えないといけないね」と軽口をたたいてみせたが、それは与党の冷ややかな受け止め方を象徴しているかのようだった。【尾中香尚里】 毎日新聞 2006年3月2日 20時51分 (最終更新時間 3月2日 22時18分) URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/news/20060303k0000m010087000c.html *0302 民主、党内立て直し進まず 求心力弱まる執行部 [朝日] 2006年03月02日03時01分  2月28日の記者会見と処分で「メール問題」に決着をつけようとしていた民主党執行部だが、党内の立て直しが進まない。野田佳彦国会対策委員長の後任は決まらず、事態収拾後に辞任する考えを変えていない鳩山由紀夫幹事長は、幹事長代理、副幹事長にも同調を呼びかけるなど、前原執行部の求心力は、弱まるばかりだ。  前原代表と鳩山幹事長は1日夜、そろって都内の所属参院議員の結婚パーティーであいさつした。前原氏は「晴れやかな気分になるのは久しぶり」と幕引きを強調したが、その後に立った鳩山氏は「まだ終わってないよ」と語り、執行部内の温度差があらわになった。  国対委員長人事では、1日朝に「できれば今日中に(決定を)」と話していた鳩山氏は、前原氏から1時間置きに選考経過について電話で報告を受けているとしていたが、午後には「(今日は)難しいのではないか」との見方に変わった。2日には衆院本会議で新年度予算案が通過予定で、こうした国会の山場目前に国会運営の司令塔が決まらないのは異常事態だ。  さらに鳩山氏が1日、幹事長代理や11人の副幹事長らに「一連の問題にめどがついたら辞める。幹事長に指名された副幹事長の皆さんにも辞めて頂くことになる」と述べたことも、新たな波乱要因になりそうだ。  玄葉光一郎幹事長代理は同調するとみられ、副幹事長には「仕方がない」との受け止め方がある一方、「いつになったら(辞任の)めどがつくのか」と、「メール問題」の事態収拾の先行きを案じる声も出ている。  混乱が長引く背景には、28日の永田氏の発言が党声明と食い違ったこともある。幹部らによると、永田氏のために用意した記者会見の想定問答と党声明は、いずれもメールの真贋(しんがん)について「信憑(しんぴょう)性を立証できなかった」としていた。しかし、永田氏が会見で、事実である可能性にも言及し、「引き続き調べる」と付け加えてしまった。これをテレビで見ていた幹部が、声明に「本物ではない」と急きょ書き込んでしのごうとしたが、与党は永田発言を見逃さなかった。     ◇  民主党の永田寿康議員が衆院会派「民主党・無所属クラブ」を離脱したことに伴う衆院の新勢力分野は次の通り。  自民党294▽民主党・無所属クラブ111▽公明党31▽共産党9▽社民党・市民連合7▽国民新党・日本・無所属の会6▽無所属21▽欠員1 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0302/001.html *0302 送金疑惑「追求せぬ」 民主が質問状に回答 メール問題 [朝日] 2006年03月02日12時15分  「送金メール」問題で民主党は2日、公開質問状に対する回答を自民党に提出した。メールについて党声明通り「本物ではない」とし、3000万円の送金についても「疑惑として追及しない」という趣旨を盛り込んでいる。また、永田寿康衆院議員の懲罰については、2日夕の衆院本会議で懲罰委員会への付託が決まる予定。  公開質問状では、党声明と永田氏の会見内容の食い違いをただし、武部勤自民党幹事長の周辺に送金があったとされる疑惑が事実でないことの確認を求めている。民主党は2日朝の役員会で対応を協議し、回答は党声明に沿い、武部氏らに謝罪するとした内容とすることを確認した。党幹部によると、永田氏は1日夜、党の声明に従うことに同意したという。  永田氏の懲罰については2日午前、衆院議院運営委員会の自民・民主両党筆頭理事協議で、懲罰委員会に付託することで合意した。付託には、共産党も同意している。永田氏は2日夕の衆院本会議に出席する。  辞任表明した野田佳彦国会対策委員長の後任は、委員長経験者やベテラン議員を中心に打診しているが、なお調整が続いている。鳩山由紀夫幹事長は2日午前、自宅前で記者団に対し、打診している候補がいることを明らかにしたうえで「厳しい状況なので、かなり逡巡(しゅんじゅん)していて(昨日は)一晩考えさせてくれということだった。まだ決まっていない」と述べた。  また、2日午前の衆院予算委員会でメール問題が取り上げられ、小泉首相は「永田議員は、まだ偽物と断定的に言えないとか、問題が残っているような会見をしていた。民主党は過ちを認めて反省すべきは反省し、国民の信頼を勝ち得るよう期待している」と述べた。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0302/006.html *0302 堀江メール:偽物との民主党声明に従う考え 永田議員 [毎日] 民主党常任幹事会で「送金指示メール」問題への対応について陳謝し頭を下げる前原誠司代表(中央)。右は鳩山由紀夫幹事長=国会内で2日午前10時48分、川田雅浩写す 民主党は2日午前の役員会で、ライブドア事件をめぐる「送金メール」問題について自民党から出されていた公開質問状への回答案をまとめた。メールの真偽について、国会で質問した永田寿康衆院議員と党の声明の内容が食い違ったことについては、メールは本物ではないと判断した党声明に永田氏が従うことを明らかにする。自民党の武部勤幹事長と二男に対しても謝罪する考えを明らかにする。  メール問題をめぐっては、永田氏が28日の記者会見で、「一定程度の事実を含んだ可能性」に触れ、自民党から批判が出ていた。  自民党が1日に出した公開質問状は(1)党声明と永田氏の会見の食い違いにどう対応するのか(2)「メール」に書かれた3000万円の送金について事実でなかったことを認めるか(3)武部氏と二男に対する名誉回復措置を図る意思があるか--の3点。  民主党の野田佳彦前国対委員長と永田氏が同日、対応を協議し、野田氏が永田氏に党声明に従うよう求め、永田氏もこれに応じた。これにより同党は、3000万円の送金問題についても「疑惑として追及しない」考えを示す。  前原誠司代表はこの後の党常任幹事会でのあいさつで「このような事態に至ったことを代表としておわびする」と陳謝。「永田議員にも(党声明に従うとの)態度表明をしてもらうようお願いしている」と語った。【須藤孝】 毎日新聞 2006年3月2日 11時36分 (最終更新時間 3月2日 12時15分) URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060302k0000e010050000c.html *0301 共産「前原代表に責任」、社民「責任ない」 対応割れる [朝日] 2006年03月01日22時14分  民主党の「送金メール」問題をめぐる前原代表の責任や永田寿康衆院議員の懲罰委員会への付託について、同じ野党ながら共産、社民両党の幹部は1日、異なる見解を示した。  共産党の市田忠義書記局長は国会内で記者団に対し、メールに信頼性がないことを「最初から謙虚に認めるべきだった」と指摘した。特に前原氏自身が党首討論で確証があると言ったことに「党首としての責任は重いものがある」と批判。さらに「野党は不確かな情報で指摘してもかまわないという人がいるが、それは間違いだ」と強調し、永田氏の懲罰委への付託は「妥当だ」と述べた。  一方、社民党の福島党首は記者会見で、「百%確実でないと質問できなければ、野党の質問が非常に弱くなる」と指摘し、「国会質問のフォローが不十分で代表の即責任になるとは思わない」と前原氏をかばった。永田氏についても「懲罰すべきでない」と語った。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0301/005.html *0301 メール問題で民主都議、党本部に怒りの声 [朝日] 2006年03月01日23時11分  「送金メール」問題を巡る民主党の対応に対し、身内の東京都議会民主党議員らが1日、党本部に怒りの声を上げた。永田寿康・衆院議員に対する事実上の「辞職要求」で、「国会議員は有権者の厳しい声が分かっていない」と地方議員の切実な思いを訴えた。ただ、この日は都議会開会中。他会派からは「議会活動より身内を優先するとは」と皮肉の声も上がった。  永田氏の謝罪会見から一夜明けたこの日、民主党都議の間からは、「党員資格停止なんて党費を払わなくてすむだけ。処分になっていない」「議会でうそをついた永田氏は、当然辞めるべきだ」など批判が噴出した。  2月26日の町田市長選では、推薦候補が大差で敗れるという「影響」もあり、「身内をかばうばかりでは、今後の地方選挙を戦えない」と、緊急総会を開いた。  党本部への申し入れでは、永田氏の処分について「国民の理解は到底得られない」と指摘。「事態を真摯(しんし)に受け止め、自ら出処進退を明らかにすべきだ」と事実上の辞職を求め、党執行部にも国民への説明責任を果たすよう求めた。  ただ、この日午後は都議会一般質問の真っ最中。10人ほどの議員が約1時間、控室で申入書の文案を練り、その後、中村明彦幹事長ら2人は党本部へ急行し、計3時間、都議会を空けた。  このため、都議会自民党の幹部からは、「党本部への申し入れで本会議を抜けるとは本末転倒」と冷ややかな意見も出た。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0301/007.html *0301 送金メール:前原民主、再起険しく 野田氏引責辞任 [毎日]  ライブドア事件をめぐる送金指示メール問題で民主党は28日党見解で偽メールと断定、前原誠司代表の右腕、野田佳彦国対委員長も辞任に追い込まれ、執行部は大きな打撃を被った。永田寿康衆院議員の謝罪会見で収拾しようとしたが肝心のメールの「真偽判定」が党と食い違ったうえ、メールの情報提供者の存在など、真相に不透明さが残った。鳩山由紀夫幹事長の進退問題もなおくすぶり、傷だらけの前原執行部の再起の道は険しい。【尾中香尚里、須藤孝】  ◇「右腕」守りきれず ◆寝耳に水  前原氏 「幹事長が辞めるというなら、私も辞める。一心同体じゃないですか」  鳩山氏 「それは異体同心と言うんですよ」  鳩山氏が前原氏に辞意を漏らしたのは、28日午前7時、党本部で2人だけでいる時だった。前原氏と鳩山氏は別室に入り、平野博文総合調整局長が行き来し両者を調整するはめに。玄葉光一郎幹事長代理らは「この党はどうなるのか。思いとどまってください」と鳩山氏に懇願した。  前原氏は永田氏の議員辞職を封じることで野田氏への「辞任ドミノ」を食い止めようとしたが、逆にそれが傷口を広げ、裏目に出た。秋の代表選の続投戦略は大きく揺らいでいる。  野田氏は中堅・若手グループで前原氏を支える中心であり、役員を退けば外交・安全保障政策などで厳しい調整を迫られる中、前原体制は事実上の「死に体」になりかねない。このため、28日午前の役員懇談会で野田氏が「ずっと責任をとりたいと思っていた」と辞意を表明すると、前原氏は強く慰留した。  しかし、鳩山、野田両氏の二重の辞意表明で、「無傷」の収拾は不可能となった。もともと鳩山氏を幹事長としたのは、前原体制にとって脅威となりうる小沢一郎前副代表から切り離し、取り込むため。鳩山氏が辞任すれば、前原氏の代表の地位は一層、危うくなる。午後の役員会で前原氏は野田氏辞任を一転了承、一応慰留に応じた鳩山氏は辞意にふれなかった。 ◆「辞任ドミノ」なお  これまで「前原氏を支える」と繰り返してきた鳩山氏が急に距離を取ったことに、前原氏やその周辺には「党を混乱させ、小沢氏を(代表や幹事長に)引き出そうとしたのでは」(中堅議員)との疑念が広がった。しかも鳩山氏は28日夕の記者会見で「収拾されたあかつきに責任の取り方を考えていきたい」と留任は当面と強調、自らの「辞任カード」をちらつかせた。「辞任ドミノ」が封じられたとはとても言えない状況が続く。  しかも、前原氏側は孤立気味だ。鳩山氏の対応が小沢氏への疑心暗鬼を強めているだけでなく、菅直人元代表も国対委員長起用を固辞。有力グループに「派閥均衡」で助けを求める動きは空振りに終わった。  永田氏の会見を受けた両院議員総会では「(代表発言が)傷を深めた」(末松義規衆院議員)など、前原代表の対応の誤りを問う声が激しく噴出した。「総ざんげ」で幹部責任を棚上げする戦略自体が、世論の反発を読み損ねた結果だ。党内力学だけでなく、看板の「清新さ」のイメージも損ねた前原体制の前途は危うい。  ◇真偽で「全面降伏」  民主党の鳩山由紀夫幹事長が28日、記者会見で発表した党声明は、「堀江メール」を事実上偽物と認める「全面降伏」の内容だ。ただ、これに先立って行われた永田寿康氏の会見では、メールの内容について信ぴょう性になお期待をかける場面もあり、メールの真偽をめぐる党内の混乱ぶりをかえって露呈した。  同日午後の会見に臨んだ永田氏は、メール自体の信ぴょう性を確認できないとして陳謝しながらも「内容が全くの事実無根なのか、一定程度の事実を含んだものか。現時点では話を控えたい」と語り、送金の内容自体については、解明になお未練を見せた。  永田氏の会見を受け、玄葉光一郎幹事長代理は既に内容が固まっていた党声明にメールは偽物とする内容を書き加えた。「永田氏とは違うとはっきりさせなければ。けじめをつけないと」(幹部)。前原誠司代表は同日夕の会見で「何を謝罪するか明確でなかった。永田氏が(国会で)取り上げたメールは本物ではない」と述べ、永田氏の会見内容を事実上修正した。  もっとも、永田氏の会見だけ見ても、メールの信ぴょう性は皆無に近い印象だ。永田氏はメールについて「間違いなく真正のものと『個人的な確信』を持った」と繰り返したが、「確証」の理由は(1)仲介者に全幅の信頼を寄せていた(2)仲介者が「情報提供者はライブドア関係者」と説明(3)仲介者から銀行口座の情報を示された--の三つだけ。すべて仲介者情報に寄りかかり、他の裏付けを取らなかった実情が浮かぶからだ。  例えば、メールの入手時点で差出人と受取人の欄が黒く塗りつぶされていた問題では、永田氏は仲介者から「差出人は堀江氏、受取人は情報提供者。差出人のアドレスは堀江氏が使い分けているアドレスの一つで、メールの出所が容易に特定でき、情報提供者の身辺に危害が及ぶ可能性も否定できない」と説明を受け、「それ以上(アドレス開示を)要求しなかった」という。そもそも、情報提供者の存在自体が疑われているのだ。  永田氏の会見は政府・自民党から「何のためにおわびするのかよくわからない」(小泉純一郎首相)と批判されている。永田氏の会見を受けて党声明が修正されたことで、執行部は結果的に永田氏1人を「悪者」にした形だ。「幕引き」を狙ったはずの会見での発言のズレは、危機的状況でも前原執行部がいかに一枚岩でないかを印象づけた。  ◇永田氏 過激なヤジ、ミスター懲罰  過激なヤジと派手なパフォーマンスで、「トラブル男」「ミスター懲罰」と呼ばれた永田寿康氏。東大を卒業後、大蔵省を経て、00年の衆院選で初当選したが、議員歴6年弱の永田氏に対する懲罰動議は今回の国会質問で5回に上った。  00年11月、当時の保守党の松浪健四郎衆院議員が、国会壇上から野党席に向かって水を掛けた騒動も、永田氏のヤジに激怒したためとされる。  04年6月の年金改革関連法の参院本会議採決をめぐって、永田氏は参院議長の議場入りを妨害したとして懲罰動議が出された。国対副委員長など国対畑を歩んできたが、党内では「永田の質問は危なっかしい」(幹部)と不安視もされていた。  ◇解説 「裏取り・執念」言論に込めよ   一つの軽率な行為が、二つの修復不能なダメージと一つの重い教訓を残した。  第一に、国会質問の権威を失墜させた。「送金メール」問題でこの日行われた民主党側の釈明は、つまるところ、質問者の永田寿康衆院議員が、情報提供者との間を仲介した、とされる元記者を全面的に信用した、の1点につきる。  信用するのはいい。情報の間口が広いことも大切だ。が、この手の情報は裏取りが重要だ。まして、展開によっては小泉政権に大きな影響を与える爆弾質問になる。慎重に慎重を重ね、最低限でも大元の情報提供者への接触と存在の確認、協力要請が必要だった。仲介者のみを頼りに「メールの電磁的記録を依頼したがもらえなかった」と泣き言を言っても、「人を見る目がなかった」(渡部恒三前衆院副議長)と片付けられるだけだ。  国会での質問は、野党にとって時の政権を追及する大事な手段だ。鳩山由紀夫幹事長の「野党の立場で常に100%保証が取れたものしか質問できないでは難しい」との反論はわかる。しかし、そこは政治家としての質問のテクニックと事実解明への執念で埋め合わせてきたのが、国会の歴史だ。今後このメール事件が尾を引き、国会質疑の権威と信頼感が失われることを恐れる。  第二に、野党第一党・民主党と前原誠司代表に大きな傷を与えた。  永田氏によるとメールについて、前原氏は一度、テレビスタジオで永田氏から説明を受けただけだった。にもかかわらず「信ぴょう性が高い」と主張、印象論としての「巨大な闇」を言い続けた前原氏ら執行部の発言の軽さが事態を深刻にしたのではないか。これでは、民主党がいくら「政権を奪取する」と主張しても、本当にその覚悟があるのか疑われる。  処分問題でも民主党は、永田氏の半年間の党員資格停止と永田質問を許した野田佳彦国対委員長の辞任で幕引きを図った。野田氏は早くから辞意を示し、永田氏が立証を断念したのも「先週半ば」だったのに、前原氏ら執行部への責任波及を食い止めることばかりに気をとられ、数日間いたずらに決着を先延ばししたという格好だ。前原氏が求心力を取り戻すのは容易ではない。  今回の一件では、ネット情報社会における政治のあり方についても考えさせられた。  最近は、ネット上の匿名情報が国会質問の有力な情報源になっている。耐震データ偽造事件で、民主党はこうした情報を端緒に調査を進め、国会で質問することでさらに情報が集まる、という好循環で成果を上げてきた。匿名情報では、告発者は影に隠れているので、信用性をこれまで以上に慎重に確認する必要がある。  ネットの活用が焦点になった昨年9月の総選挙以来、政治がネット時代にうまく追いついていない印象を受ける。自民党は、ネット時代の主役の一人であるライブドア・堀江貴文被告の選挙応援に走り、虚偽情報で株価つり上げを図った同社に対し「政府保証を与えた」と批判された。だが、その追及をした民主党も実態のないメールに国会質問で「保証」を与えようとした。  だが、保証は、別のところに求めたい。健全な国会論戦の復活と、自民に取って代わりうる野党第一党の立て直しとして。【政治部編集委員・丸山昌宏】 毎日新聞 2006年3月1日 3時00分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/news/20060301k0000m010152000c.html *0228 前原代表が謝罪 「メールは本物ではない」  2006年02月28日23時46分  民主党の前原代表は28日、「送金メール」問題で記者会見し、真偽が焦点になっていたメールについて「(メールが)本物ではないという認識を下した。国会で取り上げたことを心からおわび申し上げる」と謝罪し、信憑(しんぴょう)性は高いとして始めた追及をめぐる説明を全面的に撤回した。前原氏は一時、代表辞任も検討したが、結局は見送った。同党は野田佳彦国会対策委員長と藤村修国対委員長代理の辞表を受理、永田寿康衆院議員は党員資格停止6カ月の処分とした。前原氏は執行部の責任問題に区切りをつけたい考えだが、鳩山由紀夫幹事長は時機を見て辞任する意向で、求心力の低下は確実だ。  前原代表は28日夜、党本部の会見で「メールは(ライブドア前社長の)堀江(貴文)容疑者の発信したものではない、本物ではないという認識を下した」と指摘。22日の党首討論でメール問題を取り上げたことについて「本物ではない情報で質問したことは深く反省し、おわびしなくてはいけない」と謝罪した。  これに先立ち、永田氏は国会内での会見で「私人の名前を挙げて質問、追及したことは大変申し訳ない」と述べ、自民党の武部勤幹事長の次男を名指ししたことを謝罪した。一方で、送金メールの真偽については「全く事実無根なのか、一定程度の事実を含んだものなのかは現在も様々な調べが残っている」と述べたが、前原氏の発言はこれを修正し、党としてメールが偽物と最終判断したことを強調したものだ。  また、前原代表は会見で、自らの進退について「職を辞することも真剣に考えたが、辞することが党のためにならないと思い、あとは真摯(しんし)に民主党を応援してくださっている皆さんに説明責任を果たしたい」と語った。  堀江前社長が送金を指示したと民主党が指摘した武部幹事長の次男名義の銀行口座を調べる国政調査権の発動を党首討論で要求したことについても、「いったん取り下げる」と表明。今後は党内に調査委員会を立ち上げ、党員や支持者の理解を求める考えを示した。  民主党は28日の常任幹事会で、永田氏の進退について「党の名誉を傷つけ、品位を汚す行為に該当する」との理由で党員資格を半年間停止する処分を決定。同時に、野田国対委員長の辞任を認める一方、鳩山幹事長は厳重注意にとどめた。2人はこの日午前の役員懇談会で辞意を示していた。  鳩山幹事長は同日夜、党本部で会見し、「この問題が収拾されたあかつきに自分なりの責任の取り方を考えていきたい」と語った。  小泉首相は同日夜、永田氏の会見について「何のために会見したのか、おわびしたのか、わかりませんね」と指摘。また、武部幹事長も同日、記者団に対して「民主党も永田氏も何を謝り、何を反省し、誰に謝罪すべきか全くわかっていないのではないか」と述べた上で、今後の対応について「次男は司法の場で民事、刑事の両面で準備をしている」と指摘した。  自民党は衆院予算委員会でメール問題が取り上げられた翌17日、永田氏の懲罰動議を提出。28日の衆院議院運営委員会理事会で民主党は懲罰委員会への付託を受け入れる姿勢を示しており、与党側は懲罰委で「除名」から「戒告」まで4段階ある懲罰内容に向けた手続きに踏み込む方向だ。  民主党は28日夜、送金メール問題についての「党声明」を発表した。メールは「ホンモノではないと判断する状況に至った」としたうえで、「大きな判断の間違いを犯した」と認めた。今後の疑惑解明については「教訓をかみしめつつ慎重な吟味、チェックに万全を期し、国会運営にあたる」としている。  党声明は、鳩山由紀夫幹事長が党本部での記者会見で明らかにした。メールについては(1)永田議員が真偽などを慎重に吟味せず、情報仲介者の提供情報をそのまま質問素材として使用した(2)党の対応も永田氏の説明と資料を十分に吟味することなく組み立てられた――として、永田氏にも、党にも不手際があったと説明。メールにかかわる銀行口座についても「同じ情報仲介者からの提供に基づくものであり、信頼に足りる裏付けがとれなかった」としている。  この状況を踏まえ、党として「遺憾の意」を表明するとともに、永田氏と担当役員を処分し、永田氏の懲罰動議については「院議に従う」と述べている。また、国民や支持者に対し、「真摯(しんし)におわびする」としている。  鳩山幹事長は会見の中で「メールソフトのバージョンが堀江(貴文ライブドア前社長)氏使用のものとは異なること、(堀江氏の通常の署名の書き方と異なり)アットマークが署名の前についていることなどの点で、堀江氏が発したものではないと評価せざるを得なかった」と説明した。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0228/012.html *0228 野田氏、国対委員長を辞任 永田氏は党員資格停止半年 [朝日] 2006年02月28日18時56分  民主党は28日の常任幹事会で、メール問題に関連し、不確かな証拠に基づいて衆院予算委員会で質問したことを記者会見で謝罪した永田寿康衆院議員を、党の名誉を傷つけ、品位を汚したとして「党員資格停止6カ月」の処分とすることを決めた。  また、野田佳彦国会対策委員長は本人の申し出に基づき辞表を受理。辞任の意向を示していた鳩山由紀夫幹事長は慰留に応じ、厳重注意の処分となった。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0228/009.html *0228 民主・永田議員、送金メール問題で「おわび」会見 [朝日] 2006年02月28日15時59分  民主党の永田寿康衆院議員は28日、国会内で記者会見し、ライブドアの堀江貴文前社長から自民党の武部勤幹事長の次男に3000万円を送金するよう指示する内容のメールをもとに、不確かな裏取りで追及したことについて「誠に申し訳ありませんでした。国会を混乱させたことをおわび申し上げます」と深々と頭を下げた。  自らの処分については衆院の懲罰動議には「真摯(しんし)に従わせていただく」とする一方で、議員の身分は「鳩山由紀夫幹事長と、衆議院にお任せする」と述べた。  会見で、永田氏は「仲介者に全幅の信頼を置いていた」とし、元のメールの提供者はライブドアの関係者で送金にもかかわっているとしていることや、銀行口座を示していることなどから信用したと説明した。  しかし、現在は、「メールの信憑(しんぴょう)性を立証できない」とし、先週半ばから立証を断念していることを明らかにした。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0228/007.html *0226 民主・鳩山氏「軽率だった」 「自民党議員関与」発言 [朝日] 2006年02月26日21時28分  民主党の鳩山由紀夫幹事長は26日のフジテレビの報道番組で、自身が講演などで、ライブドアが実質支配していたとされる投資事業組合と自民党議員の関与の可能性を指摘していたことについて、「100%裏(付け)が取れていないことに対して申し上げたことは軽率だった」と、根拠が不十分だったことを認めた。  鳩山氏は講演やテレビ番組で「(事業組合と)自民党の国会議員がかかわっていた可能性が極めて濃くなっている」などと発言。根拠などを問う自民党からの質問状に対し、「可能性の問題は私の心証の問題。情報の裏付けや確認には相当期間がかかる場合がほとんどだ」などと回答していた。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0226/005.html *0226 民主メール問題「謝罪収拾」に批判拡大、行方は不透明 [読売]  民主党執行部が25日、「送金指示メール」問題について、永田寿康衆院議員の謝罪による収拾を目指す方向で検討に入ったのは、永田氏が議員辞職すれば、前原代表や野田佳彦国会対策委員長らの進退問題に発展しかねないためだ。  しかし、一連の執行部の対応に対する批判は、党外ばかりか、党の地方組織にも広がっている。前原氏らの思惑通り、事態が収束できるかどうかは不透明だ。  前原氏は25日、静岡県連大会や京都市内の集会で、「メールの信憑(しんぴょう)性を実証できていないことは率直に認めて、おわびする」と謝罪した。一方で、堀江被告と武部氏周辺をめぐる疑惑について「闇の部分を徹底的に追及していく」と語り、強気の姿勢を崩さなかった。  さらに、「野田氏には引き続き先頭に立って頑張ってもらいたい」と野田氏の責任論を否定し、現執行部の体制を維持する考えを強調した。  だが、党内には、「誰も首を差し出さないままでは、責任をあいまいにした印象を残す。最低でも永田氏の議員辞職は避けられない」(ベテラン議員)といった意見が根強い。  25日も、全国各地で執行部批判が上がり、前原氏らを取り巻く環境は厳しさを増している。  静岡県連大会では、来賓の平野哲司・連合静岡会長が「責任が取れなかったら、国民から『やっぱり駄目だ』と思われるだけだ」と苦言。岡本護県議も「攻めているつもりが、オウンゴールになっていた。地方議員にも大変な風当たりだ。改めるべきは改めてほしい」と公然と注文した。  岐阜県連も同日の大会で、メール問題の事実関係を早期に明確にするよう求める要請文を採択し、党本部に送った。県連代表の園田康博衆院議員は「党本部は説明責任を果たしていない」と執行部を非難した。  前原体制に批判的な党内勢力の発言も相次いだ。  小沢一郎・前副代表は兵庫県尼崎市の集会で、メール問題への言及は避けながら、「政府・与党の敵失の中、大いにアピールしようと始まった国会だが、最近、立場が逆転したかのような状況になっている」と執行部に不満を唱えた。  小沢氏に近い達増拓也衆院議員は盛岡市内で記者会見し、「(メールの確証が得られなければ)体制の立て直しをしないと政党として立ちゆかなくなる。前原氏は自分に責任があると言っている」とし、前原氏の責任を問う考えを示した。  赤松広隆副代表も高知県連総会で、「爆弾を投げる時は、戻ってきて自爆しないようにしないといけなかった。態勢が整わない間に突っ込んでしまった」と述べ、永田氏と、質問を許可した執行部を批判した。さらに、「メールの真相ははっきりさせ、責任を取らなければならないなら、そうなる」と執行部の責任問題に言及した。 (2006年2月26日0時55分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060225ia21.htm *0225 小沢、菅氏「代表責任」触れず 前原体制維持で収拾図る [朝日] 2006年02月25日21時07分 町田市長選候補者の応援に駆けつけた菅直人元代表。演説で「送金メール」問題には一言も触れなかった。=25日午後0時48分、町田市のJR町田駅前で  民主党の前原代表は25日、「送金メール」問題に関連して、「我々が闇の部分を解明していくために引き続き頑張っていく」と語り、代表を引責辞任する考えのないことを改めて強調した。前原氏と距離を置く小沢一郎前副代表と昨秋の代表選で惜敗した菅直人元代表も、同日の講演で前原氏の責任問題に言及しなかった。前原氏は、最悪の場合でも、永田寿康衆院議員の議員辞職にとどめ、現執行部体制で事態を収拾する考えだ。  前原氏の発言は、京都市内で党所属議員が開いたパーティーでのもの。前原氏は永田氏にメール問題で質問をさせた責任を問われている野田佳彦国会対策委員長については「徹底的に先頭にたって引き続きがんばっていただきたい」と語った。  一方、小沢氏は兵庫県尼崎市での講演で、「民主党も、もう少しピリッとしっかりとして、若い人たちもきちんとした考え方を持って(ほしい)」と、若手・中堅中心の執行部に苦言を呈したが、前原氏の責任論には言及しなかった。菅氏も東京都町田市内で街頭演説したが、メール問題には一切触れなかった。  前原氏側は、政府・与党内から執行部責任を追及する動きが出ていないことに加え、9月に代表選を控えて小沢、菅両氏らもここで性急に代表交代を求めてこないと判断している。  鳩山由紀夫幹事長は25日、北海道壮瞥町で支持者にあいさつし、「国民に素直な心で謝る機会を週明けの遅くない時期に作ることが重要だと思う」と述べた。06年度予算案が衆院を通過する3月上旬までに、党としての謝罪と一連の経過の説明を柱にした対応策を決める考えだ。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0225/005.html *0224 「メール問題」で苦境深まる民主 責任論の拡大阻止懸命 [朝日] 2006年02月24日23時46分  真偽が問われた「送金メール」問題を取り上げた永田寿康衆院議員の進退判断を先送りした民主党執行部は、責任論がドミノ式に広がることを避けるのに懸命だ。前原代表は強気の発言を続けるが、党に向けられる国民の視線は厳しい。自民党は迷走する野党第一党をあえて追い込まずに、国会運営を優位に進める戦術も視野に入れ始めた。  「私は偽物だと思っていません」  永田氏の辞職騒動から一夜明けた24日朝も、前原氏は強気だった。  永田氏の処遇を一任されている鳩山由紀夫幹事長は同日の記者会見で、「永田氏が休養している間に調査を進めて、国民に信頼していただける情報を提供したい。あと数日間、猶予の時間をいただきたい」と理解を求めた。党執行部は永田氏の進退問題を棚上げし、国会対応の現場責任者である野田佳彦国対委員長、さらには前原代表へと責任論が波及することは避けたい考えだ。  野田氏は24日、国会内で記者団に「現場で発言をする議員ではなく、その上の者の責任が重い」と強調する一方、「それ以上はない。私の責任が一番重い」と述べて前原氏の責任を否定した。  鳩山氏は「責任はみんなで取らなきゃならない」としつつも、方法については「役職は辞するかどうかは分からない。いろんな取り方がある」と執行部の辞任論が広がるのを牽制(けんせい)する。  与党内では「厳しく徹底追及する」(自民党の武部勤幹事長)という意見の一方で、墓穴を掘り続ける前原執行部に「続投してもらった方が国会で戦いやすい」との見方が広がり始めている。「追及の手も鈍るし、追及しても説得力がない」(自民党の国対副委員長の一人)との計算だ。  自民党の細田博之国対委員長は24日、「今後の対応を、週末の新聞、テレビでの論調を見守りたい。幹部に責任があるだろうと今言う必要はない」と記者団に語った。国会対策の経験が豊富な川崎厚生労働相も24日の会見で「こういうときは黙って見ているのが鉄則だ」と述べた。  「送金メールが偽物だったなら、まずは謝るべきだ」  24日夜、川崎市内であった民主党の若手衆院議員、笠浩史氏の地元の会合。集まった約30人の関心はメール問題に集中した。笠氏は「1週間だけ時間を下さい」と返すのが精いっぱいだった。  この週末、地元に戻る民主党の国会議員を迎える視線は厳しい。あるベテランは「帰ったら大変だよ」。地元事務所には「上り調子で来ていたのに何をやっているんだ」などと批判の電話が相次いでいる。妻でさえ「民主党は二度とはい上がれないんじゃないの」。  国対幹部は「追及ネタは集まりつつある」と言うが、「この状況ではよほどしっかりした話でないと質問できない」と悲観的な空気が漂う。  前原氏は24日、執行部への責任論は「マスコミからしか出てきてない」と語った。しかし、民主党が常設している「国民電話」には24日、この件に関してだけで114件の電話があり、永田氏の辞職を求める意見が20件、執行部の責任を問う声も10件あった。  4月の衆院千葉7区補選の様相も一変しかねない。自民党議員が陣営の公職選挙法違反(買収)事件で辞職したことを受けた選挙で、「4点セット」に乗じて議席を奪い返す好機のはずだった。「先週実施した千葉7区の世論調査の(支持率の)数字は悪くなかった。でも、今週末は下がるかもしれない」(民主党幹部)。民主党の「責任ドミノ」は、世論に押され始めている。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0224/007.html *0223 「永田騒動」で自滅の民主党、抗議電話も殺到 [読売]  「ガセネタ」とまで批判されたライブドア前社長の堀江貴文被告(33)の「送金指示メール」問題。メールの存在を指摘した民主党の永田寿康議員(36)が突如、議員辞職の意向を示し、同党に23日、激震が走った。  前原代表ら執行部は国会内の控室で協議を重ね、党本部にも抗議電話が殺到。同僚議員も、いらだちを隠せない様子だった。  民主党の野田佳彦国会対策委員長が、午前10時から国会内で会見を予定していたため、100人近い報道陣が詰めかけたが、野田国対委員長が姿を見せたのは2時間近くたった午前11時50分ごろ。永田議員の進退問題について、「昨日、話を聞いた」と厳しい表情で永田議員が辞職の意向を示していることを認めた。また、鳩山由紀夫幹事長は「メールの真偽について(本物だと)補強する材料がそろっていない事態を深刻に考えている」と述べた。  同党議員の一人は「メールの真偽に焦点がぼやかされている。本来なら金の流れがあるかどうか調べれば分かることなのに」と不満そうだった。  永田議員が16日の衆院予算委員会で、堀江被告が自民党の武部幹事長の二男への送金を電子メールで指示したと指摘した際、民主党内でも事前に把握していたのは前原代表、野田国対委員長ら一部の幹部だけ。党内では、前原代表らの責任に言及する声も出ていた。  東京・永田町の民主党本部にはこの日朝から、「民主党はうそつき」「22日の党首討論にはがっかりした」などの電話がひっきりなしにかかり、最も電話が多い選挙期間中と同じぐらいあったという。  一方、国会の「爆弾男」として知られた元衆院議員の楢崎弥之助さん(85)は、今回の事態を「大変残念」と語った。  ◆「民主が間違いで自民が正しいという風潮になるのは避けるべき」◆  楢崎さんは、2000年6月に永田議員が初当選した際、祝賀の席で、永田議員から「私も国会で爆弾質問をしたい」と話しかけられたことが忘れられない。  「そんな生やさしいものじゃない。十分に裏を取らないと自分がやられるぞ、と忠告したのだが……」と楢崎さん。今回の質問についても「ネタ元を『場合によっては表に出てもらう』と説得し、質問に臨まなければならなかったのに、あまりに幼稚。騒ぎになることは想定できた。執行部が若い永田君を指導しなければならなかった」と話した。  また、ジャーナリストの櫻井よしこさんは、「永田議員のやる気は分かるが、民主党はこのメールのあやふやさを分かっていたはず。それでも強気に徹した前原代表の政治手法は未熟と言わざるを得ない。ただ、この問題は、武部幹事長らが堀江被告を選挙で公認並みの応援をしたことへの批判でもあった。一連の騒動で、民主が間違いで自民が正しいという風潮になることは避けるべきだ」と語った。 (2006年2月23日14時59分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060223it05.htm *[[■野党06Ⅰ]] から続く
[[■野党06Ⅰ]]から [[■野党06Ⅱ②]]へ #contents *0301 送金メール:前原民主、再起険しく 野田氏引責辞任 [毎日]  ライブドア事件をめぐる送金指示メール問題で民主党は28日党見解で偽メールと断定、前原誠司代表の右腕、野田佳彦国対委員長も辞任に追い込まれ、執行部は大きな打撃を被った。永田寿康衆院議員の謝罪会見で収拾しようとしたが肝心のメールの「真偽判定」が党と食い違ったうえ、メールの情報提供者の存在など、真相に不透明さが残った。鳩山由紀夫幹事長の進退問題もなおくすぶり、傷だらけの前原執行部の再起の道は険しい。【尾中香尚里、須藤孝】  ◇「右腕」守りきれず ◆寝耳に水  前原氏 「幹事長が辞めるというなら、私も辞める。一心同体じゃないですか」  鳩山氏 「それは異体同心と言うんですよ」  鳩山氏が前原氏に辞意を漏らしたのは、28日午前7時、党本部で2人だけでいる時だった。前原氏と鳩山氏は別室に入り、平野博文総合調整局長が行き来し両者を調整するはめに。玄葉光一郎幹事長代理らは「この党はどうなるのか。思いとどまってください」と鳩山氏に懇願した。  前原氏は永田氏の議員辞職を封じることで野田氏への「辞任ドミノ」を食い止めようとしたが、逆にそれが傷口を広げ、裏目に出た。秋の代表選の続投戦略は大きく揺らいでいる。  野田氏は中堅・若手グループで前原氏を支える中心であり、役員を退けば外交・安全保障政策などで厳しい調整を迫られる中、前原体制は事実上の「死に体」になりかねない。このため、28日午前の役員懇談会で野田氏が「ずっと責任をとりたいと思っていた」と辞意を表明すると、前原氏は強く慰留した。  しかし、鳩山、野田両氏の二重の辞意表明で、「無傷」の収拾は不可能となった。もともと鳩山氏を幹事長としたのは、前原体制にとって脅威となりうる小沢一郎前副代表から切り離し、取り込むため。鳩山氏が辞任すれば、前原氏の代表の地位は一層、危うくなる。午後の役員会で前原氏は野田氏辞任を一転了承、一応慰留に応じた鳩山氏は辞意にふれなかった。 ◆「辞任ドミノ」なお  これまで「前原氏を支える」と繰り返してきた鳩山氏が急に距離を取ったことに、前原氏やその周辺には「党を混乱させ、小沢氏を(代表や幹事長に)引き出そうとしたのでは」(中堅議員)との疑念が広がった。しかも鳩山氏は28日夕の記者会見で「収拾されたあかつきに責任の取り方を考えていきたい」と留任は当面と強調、自らの「辞任カード」をちらつかせた。「辞任ドミノ」が封じられたとはとても言えない状況が続く。  しかも、前原氏側は孤立気味だ。鳩山氏の対応が小沢氏への疑心暗鬼を強めているだけでなく、菅直人元代表も国対委員長起用を固辞。有力グループに「派閥均衡」で助けを求める動きは空振りに終わった。  永田氏の会見を受けた両院議員総会では「(代表発言が)傷を深めた」(末松義規衆院議員)など、前原代表の対応の誤りを問う声が激しく噴出した。「総ざんげ」で幹部責任を棚上げする戦略自体が、世論の反発を読み損ねた結果だ。党内力学だけでなく、看板の「清新さ」のイメージも損ねた前原体制の前途は危うい。  ◇真偽で「全面降伏」  民主党の鳩山由紀夫幹事長が28日、記者会見で発表した党声明は、「堀江メール」を事実上偽物と認める「全面降伏」の内容だ。ただ、これに先立って行われた永田寿康氏の会見では、メールの内容について信ぴょう性になお期待をかける場面もあり、メールの真偽をめぐる党内の混乱ぶりをかえって露呈した。  同日午後の会見に臨んだ永田氏は、メール自体の信ぴょう性を確認できないとして陳謝しながらも「内容が全くの事実無根なのか、一定程度の事実を含んだものか。現時点では話を控えたい」と語り、送金の内容自体については、解明になお未練を見せた。  永田氏の会見を受け、玄葉光一郎幹事長代理は既に内容が固まっていた党声明にメールは偽物とする内容を書き加えた。「永田氏とは違うとはっきりさせなければ。けじめをつけないと」(幹部)。前原誠司代表は同日夕の会見で「何を謝罪するか明確でなかった。永田氏が(国会で)取り上げたメールは本物ではない」と述べ、永田氏の会見内容を事実上修正した。  もっとも、永田氏の会見だけ見ても、メールの信ぴょう性は皆無に近い印象だ。永田氏はメールについて「間違いなく真正のものと『個人的な確信』を持った」と繰り返したが、「確証」の理由は(1)仲介者に全幅の信頼を寄せていた(2)仲介者が「情報提供者はライブドア関係者」と説明(3)仲介者から銀行口座の情報を示された--の三つだけ。すべて仲介者情報に寄りかかり、他の裏付けを取らなかった実情が浮かぶからだ。  例えば、メールの入手時点で差出人と受取人の欄が黒く塗りつぶされていた問題では、永田氏は仲介者から「差出人は堀江氏、受取人は情報提供者。差出人のアドレスは堀江氏が使い分けているアドレスの一つで、メールの出所が容易に特定でき、情報提供者の身辺に危害が及ぶ可能性も否定できない」と説明を受け、「それ以上(アドレス開示を)要求しなかった」という。そもそも、情報提供者の存在自体が疑われているのだ。  永田氏の会見は政府・自民党から「何のためにおわびするのかよくわからない」(小泉純一郎首相)と批判されている。永田氏の会見を受けて党声明が修正されたことで、執行部は結果的に永田氏1人を「悪者」にした形だ。「幕引き」を狙ったはずの会見での発言のズレは、危機的状況でも前原執行部がいかに一枚岩でないかを印象づけた。  ◇永田氏 過激なヤジ、ミスター懲罰  過激なヤジと派手なパフォーマンスで、「トラブル男」「ミスター懲罰」と呼ばれた永田寿康氏。東大を卒業後、大蔵省を経て、00年の衆院選で初当選したが、議員歴6年弱の永田氏に対する懲罰動議は今回の国会質問で5回に上った。  00年11月、当時の保守党の松浪健四郎衆院議員が、国会壇上から野党席に向かって水を掛けた騒動も、永田氏のヤジに激怒したためとされる。  04年6月の年金改革関連法の参院本会議採決をめぐって、永田氏は参院議長の議場入りを妨害したとして懲罰動議が出された。国対副委員長など国対畑を歩んできたが、党内では「永田の質問は危なっかしい」(幹部)と不安視もされていた。  ◇解説 「裏取り・執念」言論に込めよ   一つの軽率な行為が、二つの修復不能なダメージと一つの重い教訓を残した。  第一に、国会質問の権威を失墜させた。「送金メール」問題でこの日行われた民主党側の釈明は、つまるところ、質問者の永田寿康衆院議員が、情報提供者との間を仲介した、とされる元記者を全面的に信用した、の1点につきる。  信用するのはいい。情報の間口が広いことも大切だ。が、この手の情報は裏取りが重要だ。まして、展開によっては小泉政権に大きな影響を与える爆弾質問になる。慎重に慎重を重ね、最低限でも大元の情報提供者への接触と存在の確認、協力要請が必要だった。仲介者のみを頼りに「メールの電磁的記録を依頼したがもらえなかった」と泣き言を言っても、「人を見る目がなかった」(渡部恒三前衆院副議長)と片付けられるだけだ。  国会での質問は、野党にとって時の政権を追及する大事な手段だ。鳩山由紀夫幹事長の「野党の立場で常に100%保証が取れたものしか質問できないでは難しい」との反論はわかる。しかし、そこは政治家としての質問のテクニックと事実解明への執念で埋め合わせてきたのが、国会の歴史だ。今後このメール事件が尾を引き、国会質疑の権威と信頼感が失われることを恐れる。  第二に、野党第一党・民主党と前原誠司代表に大きな傷を与えた。  永田氏によるとメールについて、前原氏は一度、テレビスタジオで永田氏から説明を受けただけだった。にもかかわらず「信ぴょう性が高い」と主張、印象論としての「巨大な闇」を言い続けた前原氏ら執行部の発言の軽さが事態を深刻にしたのではないか。これでは、民主党がいくら「政権を奪取する」と主張しても、本当にその覚悟があるのか疑われる。  処分問題でも民主党は、永田氏の半年間の党員資格停止と永田質問を許した野田佳彦国対委員長の辞任で幕引きを図った。野田氏は早くから辞意を示し、永田氏が立証を断念したのも「先週半ば」だったのに、前原氏ら執行部への責任波及を食い止めることばかりに気をとられ、数日間いたずらに決着を先延ばししたという格好だ。前原氏が求心力を取り戻すのは容易ではない。  今回の一件では、ネット情報社会における政治のあり方についても考えさせられた。  最近は、ネット上の匿名情報が国会質問の有力な情報源になっている。耐震データ偽造事件で、民主党はこうした情報を端緒に調査を進め、国会で質問することでさらに情報が集まる、という好循環で成果を上げてきた。匿名情報では、告発者は影に隠れているので、信用性をこれまで以上に慎重に確認する必要がある。  ネットの活用が焦点になった昨年9月の総選挙以来、政治がネット時代にうまく追いついていない印象を受ける。自民党は、ネット時代の主役の一人であるライブドア・堀江貴文被告の選挙応援に走り、虚偽情報で株価つり上げを図った同社に対し「政府保証を与えた」と批判された。だが、その追及をした民主党も実態のないメールに国会質問で「保証」を与えようとした。  だが、保証は、別のところに求めたい。健全な国会論戦の復活と、自民に取って代わりうる野党第一党の立て直しとして。【政治部編集委員・丸山昌宏】 毎日新聞 2006年3月1日 3時00分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/news/20060301k0000m010152000c.html *0228 前原代表が謝罪 「メールは本物ではない」  2006年02月28日23時46分  民主党の前原代表は28日、「送金メール」問題で記者会見し、真偽が焦点になっていたメールについて「(メールが)本物ではないという認識を下した。国会で取り上げたことを心からおわび申し上げる」と謝罪し、信憑(しんぴょう)性は高いとして始めた追及をめぐる説明を全面的に撤回した。前原氏は一時、代表辞任も検討したが、結局は見送った。同党は野田佳彦国会対策委員長と藤村修国対委員長代理の辞表を受理、永田寿康衆院議員は党員資格停止6カ月の処分とした。前原氏は執行部の責任問題に区切りをつけたい考えだが、鳩山由紀夫幹事長は時機を見て辞任する意向で、求心力の低下は確実だ。  前原代表は28日夜、党本部の会見で「メールは(ライブドア前社長の)堀江(貴文)容疑者の発信したものではない、本物ではないという認識を下した」と指摘。22日の党首討論でメール問題を取り上げたことについて「本物ではない情報で質問したことは深く反省し、おわびしなくてはいけない」と謝罪した。  これに先立ち、永田氏は国会内での会見で「私人の名前を挙げて質問、追及したことは大変申し訳ない」と述べ、自民党の武部勤幹事長の次男を名指ししたことを謝罪した。一方で、送金メールの真偽については「全く事実無根なのか、一定程度の事実を含んだものなのかは現在も様々な調べが残っている」と述べたが、前原氏の発言はこれを修正し、党としてメールが偽物と最終判断したことを強調したものだ。  また、前原代表は会見で、自らの進退について「職を辞することも真剣に考えたが、辞することが党のためにならないと思い、あとは真摯(しんし)に民主党を応援してくださっている皆さんに説明責任を果たしたい」と語った。  堀江前社長が送金を指示したと民主党が指摘した武部幹事長の次男名義の銀行口座を調べる国政調査権の発動を党首討論で要求したことについても、「いったん取り下げる」と表明。今後は党内に調査委員会を立ち上げ、党員や支持者の理解を求める考えを示した。  民主党は28日の常任幹事会で、永田氏の進退について「党の名誉を傷つけ、品位を汚す行為に該当する」との理由で党員資格を半年間停止する処分を決定。同時に、野田国対委員長の辞任を認める一方、鳩山幹事長は厳重注意にとどめた。2人はこの日午前の役員懇談会で辞意を示していた。  鳩山幹事長は同日夜、党本部で会見し、「この問題が収拾されたあかつきに自分なりの責任の取り方を考えていきたい」と語った。  小泉首相は同日夜、永田氏の会見について「何のために会見したのか、おわびしたのか、わかりませんね」と指摘。また、武部幹事長も同日、記者団に対して「民主党も永田氏も何を謝り、何を反省し、誰に謝罪すべきか全くわかっていないのではないか」と述べた上で、今後の対応について「次男は司法の場で民事、刑事の両面で準備をしている」と指摘した。  自民党は衆院予算委員会でメール問題が取り上げられた翌17日、永田氏の懲罰動議を提出。28日の衆院議院運営委員会理事会で民主党は懲罰委員会への付託を受け入れる姿勢を示しており、与党側は懲罰委で「除名」から「戒告」まで4段階ある懲罰内容に向けた手続きに踏み込む方向だ。  民主党は28日夜、送金メール問題についての「党声明」を発表した。メールは「ホンモノではないと判断する状況に至った」としたうえで、「大きな判断の間違いを犯した」と認めた。今後の疑惑解明については「教訓をかみしめつつ慎重な吟味、チェックに万全を期し、国会運営にあたる」としている。  党声明は、鳩山由紀夫幹事長が党本部での記者会見で明らかにした。メールについては(1)永田議員が真偽などを慎重に吟味せず、情報仲介者の提供情報をそのまま質問素材として使用した(2)党の対応も永田氏の説明と資料を十分に吟味することなく組み立てられた――として、永田氏にも、党にも不手際があったと説明。メールにかかわる銀行口座についても「同じ情報仲介者からの提供に基づくものであり、信頼に足りる裏付けがとれなかった」としている。  この状況を踏まえ、党として「遺憾の意」を表明するとともに、永田氏と担当役員を処分し、永田氏の懲罰動議については「院議に従う」と述べている。また、国民や支持者に対し、「真摯(しんし)におわびする」としている。  鳩山幹事長は会見の中で「メールソフトのバージョンが堀江(貴文ライブドア前社長)氏使用のものとは異なること、(堀江氏の通常の署名の書き方と異なり)アットマークが署名の前についていることなどの点で、堀江氏が発したものではないと評価せざるを得なかった」と説明した。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0228/012.html *0228 野田氏、国対委員長を辞任 永田氏は党員資格停止半年 [朝日] 2006年02月28日18時56分  民主党は28日の常任幹事会で、メール問題に関連し、不確かな証拠に基づいて衆院予算委員会で質問したことを記者会見で謝罪した永田寿康衆院議員を、党の名誉を傷つけ、品位を汚したとして「党員資格停止6カ月」の処分とすることを決めた。  また、野田佳彦国会対策委員長は本人の申し出に基づき辞表を受理。辞任の意向を示していた鳩山由紀夫幹事長は慰留に応じ、厳重注意の処分となった。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0228/009.html *0228 民主・永田議員、送金メール問題で「おわび」会見 [朝日] 2006年02月28日15時59分  民主党の永田寿康衆院議員は28日、国会内で記者会見し、ライブドアの堀江貴文前社長から自民党の武部勤幹事長の次男に3000万円を送金するよう指示する内容のメールをもとに、不確かな裏取りで追及したことについて「誠に申し訳ありませんでした。国会を混乱させたことをおわび申し上げます」と深々と頭を下げた。  自らの処分については衆院の懲罰動議には「真摯(しんし)に従わせていただく」とする一方で、議員の身分は「鳩山由紀夫幹事長と、衆議院にお任せする」と述べた。  会見で、永田氏は「仲介者に全幅の信頼を置いていた」とし、元のメールの提供者はライブドアの関係者で送金にもかかわっているとしていることや、銀行口座を示していることなどから信用したと説明した。  しかし、現在は、「メールの信憑(しんぴょう)性を立証できない」とし、先週半ばから立証を断念していることを明らかにした。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0228/007.html *0226 民主・鳩山氏「軽率だった」 「自民党議員関与」発言 [朝日] 2006年02月26日21時28分  民主党の鳩山由紀夫幹事長は26日のフジテレビの報道番組で、自身が講演などで、ライブドアが実質支配していたとされる投資事業組合と自民党議員の関与の可能性を指摘していたことについて、「100%裏(付け)が取れていないことに対して申し上げたことは軽率だった」と、根拠が不十分だったことを認めた。  鳩山氏は講演やテレビ番組で「(事業組合と)自民党の国会議員がかかわっていた可能性が極めて濃くなっている」などと発言。根拠などを問う自民党からの質問状に対し、「可能性の問題は私の心証の問題。情報の裏付けや確認には相当期間がかかる場合がほとんどだ」などと回答していた。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0226/005.html *0226 民主メール問題「謝罪収拾」に批判拡大、行方は不透明 [読売]  民主党執行部が25日、「送金指示メール」問題について、永田寿康衆院議員の謝罪による収拾を目指す方向で検討に入ったのは、永田氏が議員辞職すれば、前原代表や野田佳彦国会対策委員長らの進退問題に発展しかねないためだ。  しかし、一連の執行部の対応に対する批判は、党外ばかりか、党の地方組織にも広がっている。前原氏らの思惑通り、事態が収束できるかどうかは不透明だ。  前原氏は25日、静岡県連大会や京都市内の集会で、「メールの信憑(しんぴょう)性を実証できていないことは率直に認めて、おわびする」と謝罪した。一方で、堀江被告と武部氏周辺をめぐる疑惑について「闇の部分を徹底的に追及していく」と語り、強気の姿勢を崩さなかった。  さらに、「野田氏には引き続き先頭に立って頑張ってもらいたい」と野田氏の責任論を否定し、現執行部の体制を維持する考えを強調した。  だが、党内には、「誰も首を差し出さないままでは、責任をあいまいにした印象を残す。最低でも永田氏の議員辞職は避けられない」(ベテラン議員)といった意見が根強い。  25日も、全国各地で執行部批判が上がり、前原氏らを取り巻く環境は厳しさを増している。  静岡県連大会では、来賓の平野哲司・連合静岡会長が「責任が取れなかったら、国民から『やっぱり駄目だ』と思われるだけだ」と苦言。岡本護県議も「攻めているつもりが、オウンゴールになっていた。地方議員にも大変な風当たりだ。改めるべきは改めてほしい」と公然と注文した。  岐阜県連も同日の大会で、メール問題の事実関係を早期に明確にするよう求める要請文を採択し、党本部に送った。県連代表の園田康博衆院議員は「党本部は説明責任を果たしていない」と執行部を非難した。  前原体制に批判的な党内勢力の発言も相次いだ。  小沢一郎・前副代表は兵庫県尼崎市の集会で、メール問題への言及は避けながら、「政府・与党の敵失の中、大いにアピールしようと始まった国会だが、最近、立場が逆転したかのような状況になっている」と執行部に不満を唱えた。  小沢氏に近い達増拓也衆院議員は盛岡市内で記者会見し、「(メールの確証が得られなければ)体制の立て直しをしないと政党として立ちゆかなくなる。前原氏は自分に責任があると言っている」とし、前原氏の責任を問う考えを示した。  赤松広隆副代表も高知県連総会で、「爆弾を投げる時は、戻ってきて自爆しないようにしないといけなかった。態勢が整わない間に突っ込んでしまった」と述べ、永田氏と、質問を許可した執行部を批判した。さらに、「メールの真相ははっきりさせ、責任を取らなければならないなら、そうなる」と執行部の責任問題に言及した。 (2006年2月26日0時55分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060225ia21.htm *0225 小沢、菅氏「代表責任」触れず 前原体制維持で収拾図る [朝日] 2006年02月25日21時07分 町田市長選候補者の応援に駆けつけた菅直人元代表。演説で「送金メール」問題には一言も触れなかった。=25日午後0時48分、町田市のJR町田駅前で  民主党の前原代表は25日、「送金メール」問題に関連して、「我々が闇の部分を解明していくために引き続き頑張っていく」と語り、代表を引責辞任する考えのないことを改めて強調した。前原氏と距離を置く小沢一郎前副代表と昨秋の代表選で惜敗した菅直人元代表も、同日の講演で前原氏の責任問題に言及しなかった。前原氏は、最悪の場合でも、永田寿康衆院議員の議員辞職にとどめ、現執行部体制で事態を収拾する考えだ。  前原氏の発言は、京都市内で党所属議員が開いたパーティーでのもの。前原氏は永田氏にメール問題で質問をさせた責任を問われている野田佳彦国会対策委員長については「徹底的に先頭にたって引き続きがんばっていただきたい」と語った。  一方、小沢氏は兵庫県尼崎市での講演で、「民主党も、もう少しピリッとしっかりとして、若い人たちもきちんとした考え方を持って(ほしい)」と、若手・中堅中心の執行部に苦言を呈したが、前原氏の責任論には言及しなかった。菅氏も東京都町田市内で街頭演説したが、メール問題には一切触れなかった。  前原氏側は、政府・与党内から執行部責任を追及する動きが出ていないことに加え、9月に代表選を控えて小沢、菅両氏らもここで性急に代表交代を求めてこないと判断している。  鳩山由紀夫幹事長は25日、北海道壮瞥町で支持者にあいさつし、「国民に素直な心で謝る機会を週明けの遅くない時期に作ることが重要だと思う」と述べた。06年度予算案が衆院を通過する3月上旬までに、党としての謝罪と一連の経過の説明を柱にした対応策を決める考えだ。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0225/005.html *0224 「メール問題」で苦境深まる民主 責任論の拡大阻止懸命 [朝日] 2006年02月24日23時46分  真偽が問われた「送金メール」問題を取り上げた永田寿康衆院議員の進退判断を先送りした民主党執行部は、責任論がドミノ式に広がることを避けるのに懸命だ。前原代表は強気の発言を続けるが、党に向けられる国民の視線は厳しい。自民党は迷走する野党第一党をあえて追い込まずに、国会運営を優位に進める戦術も視野に入れ始めた。  「私は偽物だと思っていません」  永田氏の辞職騒動から一夜明けた24日朝も、前原氏は強気だった。  永田氏の処遇を一任されている鳩山由紀夫幹事長は同日の記者会見で、「永田氏が休養している間に調査を進めて、国民に信頼していただける情報を提供したい。あと数日間、猶予の時間をいただきたい」と理解を求めた。党執行部は永田氏の進退問題を棚上げし、国会対応の現場責任者である野田佳彦国対委員長、さらには前原代表へと責任論が波及することは避けたい考えだ。  野田氏は24日、国会内で記者団に「現場で発言をする議員ではなく、その上の者の責任が重い」と強調する一方、「それ以上はない。私の責任が一番重い」と述べて前原氏の責任を否定した。  鳩山氏は「責任はみんなで取らなきゃならない」としつつも、方法については「役職は辞するかどうかは分からない。いろんな取り方がある」と執行部の辞任論が広がるのを牽制(けんせい)する。  与党内では「厳しく徹底追及する」(自民党の武部勤幹事長)という意見の一方で、墓穴を掘り続ける前原執行部に「続投してもらった方が国会で戦いやすい」との見方が広がり始めている。「追及の手も鈍るし、追及しても説得力がない」(自民党の国対副委員長の一人)との計算だ。  自民党の細田博之国対委員長は24日、「今後の対応を、週末の新聞、テレビでの論調を見守りたい。幹部に責任があるだろうと今言う必要はない」と記者団に語った。国会対策の経験が豊富な川崎厚生労働相も24日の会見で「こういうときは黙って見ているのが鉄則だ」と述べた。  「送金メールが偽物だったなら、まずは謝るべきだ」  24日夜、川崎市内であった民主党の若手衆院議員、笠浩史氏の地元の会合。集まった約30人の関心はメール問題に集中した。笠氏は「1週間だけ時間を下さい」と返すのが精いっぱいだった。  この週末、地元に戻る民主党の国会議員を迎える視線は厳しい。あるベテランは「帰ったら大変だよ」。地元事務所には「上り調子で来ていたのに何をやっているんだ」などと批判の電話が相次いでいる。妻でさえ「民主党は二度とはい上がれないんじゃないの」。  国対幹部は「追及ネタは集まりつつある」と言うが、「この状況ではよほどしっかりした話でないと質問できない」と悲観的な空気が漂う。  前原氏は24日、執行部への責任論は「マスコミからしか出てきてない」と語った。しかし、民主党が常設している「国民電話」には24日、この件に関してだけで114件の電話があり、永田氏の辞職を求める意見が20件、執行部の責任を問う声も10件あった。  4月の衆院千葉7区補選の様相も一変しかねない。自民党議員が陣営の公職選挙法違反(買収)事件で辞職したことを受けた選挙で、「4点セット」に乗じて議席を奪い返す好機のはずだった。「先週実施した千葉7区の世論調査の(支持率の)数字は悪くなかった。でも、今週末は下がるかもしれない」(民主党幹部)。民主党の「責任ドミノ」は、世論に押され始めている。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0224/007.html *0223 「永田騒動」で自滅の民主党、抗議電話も殺到 [読売]  「ガセネタ」とまで批判されたライブドア前社長の堀江貴文被告(33)の「送金指示メール」問題。メールの存在を指摘した民主党の永田寿康議員(36)が突如、議員辞職の意向を示し、同党に23日、激震が走った。  前原代表ら執行部は国会内の控室で協議を重ね、党本部にも抗議電話が殺到。同僚議員も、いらだちを隠せない様子だった。  民主党の野田佳彦国会対策委員長が、午前10時から国会内で会見を予定していたため、100人近い報道陣が詰めかけたが、野田国対委員長が姿を見せたのは2時間近くたった午前11時50分ごろ。永田議員の進退問題について、「昨日、話を聞いた」と厳しい表情で永田議員が辞職の意向を示していることを認めた。また、鳩山由紀夫幹事長は「メールの真偽について(本物だと)補強する材料がそろっていない事態を深刻に考えている」と述べた。  同党議員の一人は「メールの真偽に焦点がぼやかされている。本来なら金の流れがあるかどうか調べれば分かることなのに」と不満そうだった。  永田議員が16日の衆院予算委員会で、堀江被告が自民党の武部幹事長の二男への送金を電子メールで指示したと指摘した際、民主党内でも事前に把握していたのは前原代表、野田国対委員長ら一部の幹部だけ。党内では、前原代表らの責任に言及する声も出ていた。  東京・永田町の民主党本部にはこの日朝から、「民主党はうそつき」「22日の党首討論にはがっかりした」などの電話がひっきりなしにかかり、最も電話が多い選挙期間中と同じぐらいあったという。  一方、国会の「爆弾男」として知られた元衆院議員の楢崎弥之助さん(85)は、今回の事態を「大変残念」と語った。  ◆「民主が間違いで自民が正しいという風潮になるのは避けるべき」◆  楢崎さんは、2000年6月に永田議員が初当選した際、祝賀の席で、永田議員から「私も国会で爆弾質問をしたい」と話しかけられたことが忘れられない。  「そんな生やさしいものじゃない。十分に裏を取らないと自分がやられるぞ、と忠告したのだが……」と楢崎さん。今回の質問についても「ネタ元を『場合によっては表に出てもらう』と説得し、質問に臨まなければならなかったのに、あまりに幼稚。騒ぎになることは想定できた。執行部が若い永田君を指導しなければならなかった」と話した。  また、ジャーナリストの櫻井よしこさんは、「永田議員のやる気は分かるが、民主党はこのメールのあやふやさを分かっていたはず。それでも強気に徹した前原代表の政治手法は未熟と言わざるを得ない。ただ、この問題は、武部幹事長らが堀江被告を選挙で公認並みの応援をしたことへの批判でもあった。一連の騒動で、民主が間違いで自民が正しいという風潮になることは避けるべきだ」と語った。 (2006年2月23日14時59分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060223it05.htm

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