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[[◎文化・出版08Ⅲ]]から [[◎文化・出版10]]へ 最新の情報は、[[◎文化・出版]] へ #contents *1221 第36回大佛次郎賞、石川九楊氏の評論「近代書史」に [朝日] 2009年12月21日5時9分  ジャンルを問わず優れた散文作品を対象とする第36回大佛次郎賞は、日本の近代の書表現の歴史を、大きなスケールと具体的な作品分析で解説する石川九楊氏の評論『近代書史』(名古屋大学出版会・1万8900円)に贈られる。公募推薦も踏まえた予備審査を経て、有識者4氏の協議で選んだ(井上ひさし氏は欠席)。贈呈式は来年1月28日午後4時半から東京・日比谷の帝国ホテルで、朝日賞・大佛次郎論壇賞とともに行われる。 *1209 司馬遼太郎賞に宮本輝氏「骸骨ビルの庭」 [朝日] 2009年12月9日18時50分  第13回司馬遼太郎賞(司馬遼太郎記念財団主催)が9日発表され、作家・宮本輝氏の「骸骨(がいこつ)ビルの庭」(講談社)が選ばれた。賞金は100万円。司馬遼太郎フェローシップには、東大大学院工学系研究科生の川本悠紀子さんが選ばれた。贈賞式は来年2月13日に東京都千代田区の日比谷公会堂で。 *1214 ノーベル賞経済学者ポール・サミュエルソン氏が死去 [朝日] 2009年12月14日3時7分  【ニューヨーク=丸石伸一】20世紀を代表する経済学者の一人で、ノーベル経済学賞受賞者のポール・サミュエルソンさんが13日、米マサチューセッツ州の自宅で死去した。94歳だった。名誉教授を務めていた米マサチューセッツ工科大学が発表した。  1915年、米インディアナ州生まれ。シカゴ大を卒業後、ハーバード大で博士号を取得し、マサチューセッツ工科大などで教えた。  自由な経済活動を重視する伝統的な新古典派経済学と、市場経済の失敗を財政政策で補うケインズ経済学を融合した「新古典派総合」を提唱。失業が少ない安定期には市場の特性を生かす政策が有効だが、バブル期や不況期には公共投資の増減など政府の関与が必要だと説いた。数式を用いて厳密に分析する手法を経済学に持ち込み、近代経済学の発展に寄与。70年に第2回ノーベル経済学賞を受賞した。  48年に初版が発行された著書「経済学」は半世紀近くにわたって、経済を学ぶ学生の教科書の定番だった。日本語をはじめ約40の言語に翻訳され、これまでに約400万部が売れる世界的なベストセラーとなっている。  60年代の米ケネディ政権などで経済顧問を務め、所得税減税など当時の米民主党政権の経済政策運営にも影響を与えた。ベトナム戦争などでインフレが深刻化した70年代以降は、市場を重視するマネタリストの台頭に押されて存在感が薄れた。だが、昨秋の金融危機の際には、ブッシュ政権下での規制緩和の行き過ぎを批判し、不況脱却のために財政出動の必要性を説く理論が再び脚光を浴びた。 *1204 2009年、年間ベストセラーは「1Q84」 [朝日] 2009年12月4日23時17分  出版取り次ぎ大手の日販とトーハンは4日、2009年の年間ベストセラーを発表した。1位は、5月末の発売直後から記録的なヒットとなった村上春樹の長編小説「1Q84」(新潮社、1・2巻)だった。文芸部門の作品が総合1位になるのは、トーハンでは年間総合集計を始めた90年以来初、日販では97年の渡辺淳一著「失楽園」以来。新潮社によると、2巻合計の発行部数は223万部に達しているという。  2位は出口宗和著「読めそうで読めない間違いやすい漢字」(二見書房)、3位はゲーム攻略本で「ドラゴンクエストIX 星空の守り人 大冒険プレイヤーズガイド」(集英社)だった。 *1104 構造主義確立、レビストロース氏死去 [読売]  【ロンドン=鶴原徹也】20世紀を代表する文化人類学者でフランス現代思想の「最後の巨人」だった、クロード・レビストロース氏が10月30日、仏東部リニュロール村の別荘で死去した。100歳だった。  親族による密葬を経て、同氏の著作の出版社などが3日、公表した。  1908年、ユダヤ系フランス人を両親にベルギーで生まれる。パリ大学で哲学を学ぶ。アマゾンをはじめ、南米やアジアなど世界各国でフィールドワークを重ね、数多くの民族を研究。原初の時代は自然状態にあった人間だが、結婚が氏族間で行われるようになって社会が形成されたとし、見えない「構造」が社会や文化を決定すると説き、「構造主義の祖」と呼ばれた。  文明論的紀行文「悲しき熱帯」や、実存主義から構造主義へ戦後思想の転換を決定づけた「野生の思考」など数多くの著書を発表し、世界的名声を確立した。  西欧が「未開」と見下す社会にも、文明社会同様の構造があり、人間は社会に則した論理に基づいて行動していると主張し、西欧の人間主義を批判した。実存主義哲学者サルトルとの論争は特に有名。59年、仏最高の研究教育機関コレージュ・ド・フランス教授就任。73年、仏学士院会員。  フランスのサルコジ大統領は3日、「あらゆる時代を通じ、最も偉大な人類学者で、新たな知を探究し続けた」などと弔意を表明した。 (2009年11月4日12時43分 読売新聞) *0923 歴史家、大江志乃夫さん死去 「凩の時」で大佛次郎賞 [朝日] 2009年9月23日3時2分  日露戦争史や近代軍事史に詳しい茨城大学名誉教授で歴史家の大江志乃夫(おおえ・しのぶ)さんが、20日に急性肺炎で死去していたことが分かった。81歳だった。葬儀は近親者で営んだ。  大江さんは東京教育大学助教授や茨城大学教授を歴任。日本近現代史が専門で、明治維新から戦後まで幅広く研究した。「日本の参謀本部」や「靖国神社」など多数の著書があり、85年には日露戦争後の兵士脱営事件を小説風に描いた「凩(こがらし)の時」で大佛次郎賞を受賞した。  陸軍予科士官学校から陸軍航空士官学校に進んで敗戦を迎えた。そうした経験や長年の研究から、戦前回帰や軍事大国化の動きに警鐘を鳴らした。自衛隊の海外派遣や靖国神社への公式参拝などには批判的な論陣を張った。 *0922 芥川賞作家、「第三の新人」 庄野潤三さん死去 [朝日] 2009年9月22日15時10分  「静物」「夕べの雲」など家族小説を息長く書き続けた芥川賞作家で「第三の新人」の一人、庄野潤三(しょうの・じゅんぞう)さんが21日、老衰のため死去した。88歳だった。葬儀は28日午後1時から川崎市多摩区南生田8の1の1の春秋苑で。喪主は妻千寿子(ちずこ)さん。  大阪市(当時は大阪府東成郡住吉村)生まれ。父・貞一は帝塚山学院を創設した教育者。児童文学者の故・庄野英二は実兄。中学時代に詩人の伊東静雄に国語を教わり、以来、師事した。九大法文学部卒。海軍に入り、伊豆半島の基地で終戦を迎えた。  教職を経て朝日放送に勤めるかたわら小説を発表し、「愛撫」で注目される。55年、会社を辞めさせられたサラリーマンの夫婦の心理を描いた「プールサイド小景」で芥川賞を受賞。吉行淳之介、安岡章太郎氏らとともに、戦後派に続く世代として「第三の新人」と呼ばれた。  平穏な日常生活に潜む危うさをとらえる作風に定評があり、とりわけ中編「静物」(60年)は「平凡な現実を淡々とながめて、そこにちゃんと地獄を発見している」(三島由紀夫)などと高く評価され、新潮社文学賞を受賞した。  自らの家族をモデルに、子供の成長に寄り添いながら生活の細部を描出する家族小説を続けて発表。長編「夕べの雲」(65年)で読売文学賞、短編集「絵合せ」(71年)で野間文芸賞、「明夫と良二」(72年)で毎日出版文化賞、赤い鳥文学賞を受けた。  聞き書きの形で労働の現場を描く作品も手がけ、「紺野機業場」(69年)で芸術選奨文部大臣賞を受賞した。他の著書に、米国オハイオ州で暮らした体験に基づく「ガンビア滞在記」、脳内出血による闘病の記録「世をへだてて」などがある。96年の「貝がらと海の音」から、子供が独立した後の老年夫婦の喜びを描く長編シリーズを文芸誌などに連載。07年に自伝風小説「ワシントンのうた」を刊行した。 *0917 「ピーター、ポール&マリー」のマリーさん死去 [朝日] 2009年9月17日13時51分  【ニューヨーク=田中光】1960年代に活躍した米国のフォークグループ「ピーター、ポール&マリー(PPM)」のマリー・トラバースさんが16日、がんのため、コネティカット州の病院で死去した。72歳だった。元メンバーが発表した。  マリーさんは、ケンタッキー州出身。グループは61年にニューヨークのグリニッジ・ビレッジで結成され、ボブ・ディラン作の「風に吹かれて」を始め、「花はどこへ行った」「我が祖国」「パフ」などのヒット作を出した。ベトナム反戦運動や、黒人差別撤廃を求めた公民権運動の集会などで好んで歌われた。 *0822 モデルは地元の普通の子 無料誌「美少女図鑑」が大人気 [朝日] 2009年8月22日20時1分  「美少女図鑑」という写真集スタイルのフリーペーパーが全国各地で相次いで発行されている。地元の「普通の女の子」をモデルに起用し、街並みとともに紹介する無料誌。各地ですぐになくなり、「幻のフリーペーパー」とも呼ばれる人気ぶりだ。「地方を元気に」と、ファッション・美容業界などが地域ごとに手を携え、それぞれの「地元の魅力」を発信している。  「手はテーブルの上に置こうか」「レストランだと思って楽にして」  23日に創刊される「福岡美少女図鑑」(A5判、カラー64ページ)の撮影が行われた福岡市博多区のスタジオ。カメラマンから次々と指示が飛び、フラッシュがたかれた。  ポーズをきめるモデルは、福岡県内の高校生や専門学校生たち。10~20代の200人以上が応募した中から10人ほどが選ばれた。その一人、福岡市の専門学校生(19)は「髪形も変わり、普段とは違う自分が見えた」と撮影を楽しんだ。  美少女図鑑は02年、新潟市の広告・デザイン会社「テクスファーム」が「流行の東京一極集中を避け、地元の若者が自信を持てるメディアをつくろう」と創刊した。原則として、東京を除く各道府県で1社だけが発行するフランチャイズ方式で昨年から全国展開し、各地のデザイン会社などと契約。すでに全道府県で発行済みか、発行が決まっている。年2回、各2万部ほど出し、商業施設や飲食店に置くケースが多い。  鹿児島では「鹿児島美少女図鑑」(A5判、カラー84ページ)が6月に創刊された。手に取った女子大生(22)は、誌面やモデルの女性のおしゃれさに驚いた様子。「ロケ地も見たことがある場所だけど、きれい、かわいい」  誌面には、モデルが着た衣装の販売店やヘアメークを担当した美容室の案内も。その創刊号2万部は、わずか4日間でなくなった。 *0709 評論家の平岡正明さん死去 「山口百恵は菩薩である」 [朝日] 2009年7月9日13時0分  革命や犯罪を論じる一方、ジャズや映画、歌謡曲、落語などを批評した評論家の平岡正明(ひらおか・まさあき)さんが、9日午前2時50分、脳梗塞(こうそく)のため、横浜市内の病院で死去した。68歳だった。通夜は12日午後6時、葬儀は13日午前11時から横浜市西区元久保町3の13の一休庵久保山式場で。喪主は妻秀子(ひでこ)さん。  64年に評論家デビュー。70年ごろからは太田竜や竹中労らと世界革命浪人(ゲバリスタ)を名乗り、新左翼系文化人として注目を集めた。  70年代後半以降は文学や音楽、芸能などに領域を広げ、79年、著書「山口百恵は菩(ぼ)薩(さつ)である」が話題になった。90年に「大歌謡論」で大衆文学研究賞、93年に「浪曲的」で斎藤緑雨賞を受賞。近年は落語論も手がけた。横浜・野毛を活動の拠点に、大道芸や寄席の企画にもかかわった。  著書に「ジャズより他に神はなし」「日本人は中国で何をしたか」「あらゆる犯罪は革命的である」「野毛的」「大落語」「志ん生的、文楽的」など。 *0716 講談社ノンフィクション賞に佐野眞一さん作品 [朝日] 2009年7月17日1時12分  第31回講談社ノンフィクション賞が16日、佐野眞一さんの「甘粕正彦 乱心の曠野(こうや)」(新潮社)に決まった。第25回講談社エッセイ賞には青柳いづみこさんの「六本指のゴルトベルク」(岩波書店)と向井万起男さんの「謎の1セント硬貨 真実は細部に宿る in USA」(講談社)が、同科学出版賞は大河内直彦さんの「チェンジング・ブルー 気候変動の謎に迫る」(岩波書店)が選ばれた。賞金は各100万円。 *0715 芥川賞は磯崎憲一郎さん、直木賞は北村薫さんに決まる [朝日] 2009年7月15日20時38分  第141回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が15日、東京・築地の新喜楽で開かれ、芥川賞に磯崎憲一郎さん(44)の「終(つい)の住処(すみか)」(新潮6月号)、直木賞に北村薫さん(59)の「鷺(さぎ)と雪」(文芸春秋)が選ばれた。副賞は各100万円。授賞式は8月21日午後6時から、東京・丸の内の東京会館で開かれる。  磯崎さんは千葉県生まれ。早稲田大卒。07年、「肝心の子供」で文芸賞を受け、作家デビュー。三井物産に勤務しながら小説を執筆、08年「眼(め)と太陽」が芥川賞候補に。著書に「世紀の発見」など。東京都世田谷区在住。  受賞作は、ともに30歳を過ぎてなりゆきで結婚した感のある夫婦の上に流れた20年という時間を描いた。娘も生まれ家も建てたが、常に不機嫌な妻は夫にとり不可解な存在であり続け、夫も浮気を繰り返す。細やかな描写が、相愛の情を欠きながら長い時間を共有したのちに得た、夫婦の関係を浮き彫りにする。  磯崎さんは「小説だけがとらえどころのない時間というものを表現できると信じて書いてきた。その試みが認められ本当にうれしい。受賞は書く場が広がることを意味する。小説、芸術という大きな肯定的な力に奉仕する存在でありたい」と喜びを語った。  選考委員の山田詠美さんは「圧倒的な支持で決まった。言葉を深く考えて選び、時間軸を考えながらブロックを積み重ねるような実験的な方法で小説を描き出した。文学に対する確かな信頼と誠実な態度を感じさせた」と述べた。  北村さんは埼玉県生まれ。早稲田大卒業後、県立高校の国語教師となり、89年に「空飛ぶ馬」でデビュー。91年に「夜の蝉(せみ)」で日本推理作家協会賞、06年に「ニッポン硬貨の謎」で本格ミステリ大賞を受賞。「ターン」や朝日新聞に連載した「ひとがた流し」などで直木賞候補に。埼玉県杉戸町在住。  受賞作は、昭和初期を舞台に上流家庭の令嬢と女性運転手が活躍する短編集。当時の世相を描きながら、子爵の突然の家出やいないはずの男性が写真に写る謎などを解いていく。「街の灯」「玻璃(はり)の天」に続くシリーズの完結編。  北村さんは「7年がかりのシリーズで、長い道を歩いて行き着くべきところにいけた。呼び寄せられるように史料に出会うなど不思議さも感じた。非日常の極に日常がある、そういう不思議さを描きたかった」と話した。  直木賞選考委員の浅田次郎さんは「難しい時代を取り上げているが、女学生のキャラクターもいきいきと描かれ、後半にいくにつれ盛り上がる。文章も美しく、余分なことが書かれていないので読者の想像力を喚起する。プロの仕事」と講評を述べた。 *0709 「KJ法」の川喜田二郎さん死去 [読売] ユニークな発想法「KJ法」の創始者で、ヒマラヤなどの学術調査で知られる文化人類学者の川喜田二郎(かわきた・じろう)氏が8日、死去した。  89歳だった。告別式は親族のみで行い、後日お別れ会を開く予定。  三重県生まれ。京大に進み、山岳部に籍を置く。人類学者の今西錦司の薫陶を受け、野外調査に取り組んだ。卒業後は東工大などの教授を歴任した。  専門は文化人類学、民族地理学。1953年にマナスル登山隊に参加して以来、ネパール、ヒマラヤの現地調査を続け、「鳥葬の国」などのノンフィクションから「素朴と文明」といった独自の文明論まで、幅広く手がけた。その一方で、環境保護や、ネパールにふさわしい形の技術協力を進め、アジアのノーベル賞といわれるマグサイサイ賞なども受けている。  また、ユニークな発想・情報整理法で、世界で高く評価されている「KJ法」を考案、自ら普及につとめた。他の著書に「発想法」「チームワーク」など。 (2009年7月9日14時52分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20090709-OYT1T00663.htm *0708 「ポップの帝王」追悼式に2万人 米主要テレビが生中継 [朝日]  2009年7月8日10時40分  【ロサンゼルス=堀内隆】6月25日に急死した米歌手マイケル・ジャクソンさんの追悼式が7日、米ロサンゼルス中心部で開かれた。ファンや友人ら約2万人が、一時代を築いた「ポップの帝王」に別れを告げた。  7日朝にロサンゼルスで親族による葬儀を終えたジャクソンさんの棺(ひつぎ)は、総立ちのファンの拍手に包まれて会場に入ってきた。  マライア・キャリーさんやスティービー・ワンダーさんら一流アーティストが次々にステージに上がり、会場は「感謝祭」のようなムード。スポーツ界や政界の著名人もそれぞれに思い出話を披露した。ジャクソンさんが85年、アフリカの飢餓救援のためにライオネル・リッチーさんと共作した「ウィ・アー・ザ・ワールド」が演奏されると、会場も声を合わせた。ジャクソンさんの遺児が初めて公の場で話す様も、会場の涙を誘った。  追悼式のチケットは抽選で1万7500人分が無料配布され、160万人以上が応募した。式の模様は米主要テレビ局がそろって中継した。 URL:http://www.asahi.com/culture/update/0708/TKY200907080095.html *0704 減る出版社…昨年度末4000社割れ、創業わずか9社 [朝日] 2009年7月4日15時2分  国内の出版社数が、08年度(09年3月)末現在で、30年ぶりに4千社を割ったことが、出版年鑑などを発行する出版ニュース社(本社・東京都千代田区)の調べで分かった。創業した出版社の数も戦後はじめてのひとけた台に減り、出版不況を裏付ける現状が明らかになった。  出版社数は、08年度末で3979社。79年度の4092社からずっと4千社台を維持し、97年度には4612社まで増えたが、その後は倒産・廃業が増え、低落傾向が続いていた。  また、08年度に創業した出版社は9社にとどまった。戦後は、まだ混乱期だった48年度の95社が最も多く、78年度まで毎年32~83社で推移してきた。それ以後は減少傾向が続き、07年度は19社にまで落ち込んでいた。  出版ニュース社の清田義昭代表は「先の見えない出版業界の現状が数字からも分かる。低落傾向はしばらく続くかもしれない。多様な出版、多様な言論が衰退していく危機感を感じている」と話している。(西秀治) URL:http://www.asahi.com/culture/update/0704/TKY200907040126.html *0703 幻のオバQ復活 藤子・F・不二雄大全集24日に [朝日] 2009年7月3日15時6分  長く出版が途絶えて「幻のマンガ」と呼ばれていた「オバケのQ太郎」が復活する。小学館が24日から刊行する「藤子・F・不二雄大全集」に収録されることになった。総額5万610円の第1期刊行分に、すでに2千セットの予約が入っている。  藤子不二雄名で描かれたマンガのうち、ほとんどは藤子不二雄(A)さんと故藤子・F・不二雄さんが単独で描いていた。しかし完全な合作だった初期の「Q太郎」は80年代に中央公論社(当時)が出した全集に収録されたが、90年代以降絶版状態で、古書市場では1冊数千円の高値で取引されていた。  小学館は今回の全集で、藤子不二雄(A)さんとの合作を含め、藤子・F・不二雄さんの全作網羅を目指し、「Q太郎」の収録が実現した。「Q太郎」と同様に出版が途絶えていた「ジャングル黒べえ」も収録される。  藤子プロと小学館は「マーケティング戦略の中で復刊の機会を探っていた。今回の全集刊行を好機ととらえた」としている。  全集には、雑誌に掲載された「ドラえもん」約1300話のうち単行本化されていなかった約100話も初めて収録される。第1期刊行分は「パーマン」「エスパー魔美」などを加えた8作品33巻。A5判で各巻220~770ページ。来年8月に刊行開始の第2期(巻数未定)で完結の予定だ。(小原篤) URL:http://www.asahi.com/culture/update/0703/TKY200907030058.html *0630 ドイツの振付家兼演出家、ピナ・バウシュさん死去 [朝日] 2009年6月30日23時21分  【ベルリン=金井和之】ドイツの著名な振付家兼演出家のピナ・バウシュさんが6月30日、ドイツ西部ブッパタール市内の病院でがんのため死去した。68歳だった。バウシュさんが所属するブッパタール舞踊団が明らかにした。  40年、ドイツ西部のゾーリンゲン生まれ。4歳でバレエを始め、ニューヨーク留学などを経て73年にブッパタール舞踊団の芸術監督に就任。演劇、音楽、ダンスなど舞台芸術の垣根を越えて表現する「タンツテアター」(舞踊演劇)で、世界のダンス界に衝撃を与えた。  主な作品に「春の祭典」「三文オペラ」など。6月21日に新作を発表したが、その後、体調不良を訴えていた。日本でも数々の公演をし、昨年3月が最後の来日公演となった。 URL:http://www.asahi.com/obituaries/update/0630/TKY200906300343.html *0626 マイケル・ジャクソンさん急死 「スリラー」1億枚 [朝日] 2009年6月26日12時4分  【ロサンゼルス=堀内隆】82年のアルバム「スリラー」で売り上げの世界記録を打ち立て、「ポップの帝王」と称された米歌手マイケル・ジャクソンさんが25日午後2時半(日本時間26日午前6時半)ごろ、米ロサンゼルスのカリフォルニア大ロサンゼルス校(UCLA)医療センターで死去した。50歳。兄の歌手ジャーメインさんが同センターで発表した。  少年時代にデビュー、80年代を中心にスーパースターとして世界中で絶大な人気を誇ったが、音楽活動は近年、低調で、少年への性的虐待疑惑をめぐる訴訟や金銭トラブルなど本業以外での話題に事欠かなかった。歌手としての再起をかけて7月13日からロンドンでの連続公演に臨む矢先の急死だった。  米メディアによると、25日午後0時20分ごろ、ロサンゼルス西部の高級住宅地ベルエアにあるジャクソンさんの自宅から、消防局に救急出動の要請があった。救急隊員が到着した際には自発呼吸がなく、救急車内で心肺蘇生措置を受けながら3.5キロ離れた同センターに搬送された。郡検視局は「突然の心停止が起きた」としているが、詳しい状況は分かっていない。  ロサンゼルス市警(LAPD)殺人課は25日午後、ジャクソンさんの自宅で捜査を始めた。だが、LAPD捜査官は自宅前で報道陣に「有名人の死亡事案ゆえの捜査だ」と語り、LAPDは米メディアに「事件性を示す証拠はない」と述べた。遺体は25日夕、同センターからロサンゼルスの南カリフォルニア大医療センターに移された。ロサンゼルス郡検視局が26日に検視を行って死因を調べる。  ジャクソンさんは58年8月、米インディアナ州ゲーリー生まれ。66年にジャーメインさんら4人の兄と結成したボーカルグループ「ジャクソン・ファイブ」が数々のコンテストで優勝し、11歳のときにリードボーカルをつとめたシングル「帰ってほしいの」(69年)で天才児としての評判を不動にした。  ソロデビューは71年。アルバム「スリラー」(82年)が全世界で推定1億枚を売り上げるなど80年代が絶頂期だった。シングル「バッド」「今夜はビート・イット」は日本でも大ヒット。ダンスステップ「ムーンウオーク」も流行させた。85年にアフリカの貧困、飢餓救援のためにライオネル・リッチーと共作した「ウイ・アー・ザ・ワールド」にはスティービー・ワンダーら米音楽界のスーパースターが参加した。  94年にエルビス・プレスリーの娘、リサ・マリー・プレスリーさんと結婚したが2年後に離婚した。音楽活動も徐々に低調になり、ロサンゼルス・タイムズ紙によると、最後のツアーは97年で新作アルバムも01年以来、出ていない。かわって、度重なる整形のうわさや、奇行など、スキャンダルで世間をにぎわせるようになった。  04年には12歳の少年に性的虐待をした疑いなどでカリフォルニア州大陪審に起訴されたが、05年に無罪評決を受けた。今年初めから住んでいたベルエアの邸宅は家賃が月額10万ドル(約960万円)と言われ、ぜいたくな暮らしを維持する生活費に法廷闘争の費用も加わり、多額の負債を抱えていた。 URL:http://www.asahi.com/culture/update/0626/TKY200906260005.html *0605 「反抗の精神」熱く NYでウッドストック40周年行事 [朝日] 2009年6月5日12時3分  ベトナム戦争中に「愛と平和」をテーマに約50万人の若者を集めた伝説のロックコンサート「ウッドストック」開催40周年の記念イベントが4日、ニューヨーク・タイムズスクエアのレストラン「ハードロック・カフェ」で開かれた。当時の出演者が演奏し、1960年代の「反抗の精神」を熱く訴えた。  ウッドストックは、ニューヨーク郊外のベセルで69年8月15日から3日間にわたり開催され、ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョプリン、ザ・フーなど当時のスーパースターが競演、反戦や人種差別撤廃を歌で呼び掛けた。  この日演奏した人気バンド、サンタナのメンバー、マイケル・カラベロさんは「自分たちは戦争を止めるために何でもやった。今の若い人も勇気を出してほしい」と若者の奮起を求めた。ウッドストックを主催したマイケル・ラング氏は「60年代の努力がオバマ政権の誕生につながった」と話し、「変革」に期待を込めた。  40周年を記念して映画制作大手ワーナー・ブラザーズはウッドストックの記録映画をDVDで発売するほか、8月15日にはベセルで記念コンサートが開かれる予定。(時事) URL:http://www.asahi.com/culture/update/0605/JJT200906050001.html *0527 評論家の中島梓さん死去 作家「栗本薫」でも活躍 [朝日] 2009年5月27日11時45分  栗本薫の名でファンタジーの大河小説「グイン・サーガ」を著した作家で、評論家の中島梓(なかじま・あずさ、本名今岡純代=いまおか・すみよ)さんが26日、膵臓(すいぞう)がんで死去した。56歳だった。葬儀は近親者のみで行い、後日、お別れの会を開く。喪主は夫今岡清さん。  77年に中島名の「文学の輪郭」で群像新人文学賞(評論部門)を受賞。栗本薫名では78年に「ぼくらの時代」で江戸川乱歩賞を受賞、81年に「絃の聖域」で吉川英治文学新人賞を受賞した。  「グイン・サーガ」は、計150巻近いベストセラーシリーズ。4月に最新刊を出したばかりだった。SF、ミステリー、ホラー、時代小説と幅広く多作だった。  中島名では「コミュニケーション不全症候群」などの評論のほか、作曲やピアノ演奏の音楽活動、ミュージカルの脚本や演出も手がけた。79年からテレビ朝日系列のクイズ番組「ヒントでピント」のレギュラー解答者となり女性軍のキャプテンもつとめた。93年4月から3年間、朝日新聞の書評委員。  90年に乳がんで手術、闘病記「アマゾネスのように」を刊行。07年の膵臓がんの手術後も、闘病エッセーを出すなど創作活動や演奏活動などを続けた。 URL:http://www.asahi.com/obituaries/update/0527/TKY200905270111.html *0520 評論家の太田竜さん死去2009年5月20日 [朝日] 10時35分  太田  竜さん(おおた・りゅう=評論家、本名栗原登一〈くりはら・とういち〉)が19日、腹膜炎で死去、78歳。葬儀はせず、後日しのぶ会を開く予定。喪主は妻千鶴子さん。  60年代以降の新左翼運動に理論的影響を与え、その後エコロジー運動にも取り組んだ。著書に「辺境最深部に向って退却せよ!」「アイヌモシリから出撃せよ!」など。 URL:http://www.asahi.com/obituaries/update/0520/TKY200905200052.html *0511 三木たかし氏(作曲家)死去  「津軽海峡・冬景色」「つぐない」などで知られる作曲家の三木たかしさん(みき・たかし、本名=渡辺匡=わたなべ・ただし)が11日早朝、岡山県内の病院で亡くなった。64歳だった。  東京都出身。独学で作曲を始め、1960年代に作曲家としてデビュー。77年には石川さゆりさんの「津軽海峡・冬景色」が大ヒット。その後もテレサ・テンさんの「つぐない」「愛人」「時の流れに身をまかせ」などを作曲。映画や舞台の音楽も多数担当した。05年に紫綬褒章受章。日本作曲家協会理事長を務めていた。歌手の黛ジュンさんは妹。 (2009年5月11日14時33分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/obit/news/20090511-OYT1T00563.htm *0409 川端康成文学賞に青山七恵氏「かけら」 26歳最年少 [朝日] 2009年4月9日18時55分  優れた短編に贈られる第35回川端康成文学賞(川端康成記念会主催)の選考会が9日、東京都内で開かれ、青山七恵氏の「かけら」(「新潮」08年11月号)に決まった。青山氏は26歳で、同賞の最年少受賞となる。賞金100万円。授賞式は6月26日午後5時から、東京・虎ノ門のホテルオークラで。 URL:http://www.asahi.com/culture/update/0409/TKY200904090223.html *0407 大江健三郎賞に安藤礼二氏「光の曼陀羅 日本文学論」 [朝日] 2009年4月7日5時1分  ノーベル賞作家の大江健三郎さんが1人で選考する第3回大江健三郎賞(講談社主催)に、文芸評論家・安藤礼二さんの「光の曼陀羅(まんだら) 日本文学論」(講談社)が選ばれた。賞金はなく、外国語への翻訳・刊行を賞とする。 URL:http://www.asahi.com/culture/update/0406/TKY200904060290.html *0314 H氏賞に中島悦子さん「マッチ売りの偽書」 [朝日] 2009年3月14日20時22分  日本現代詩人会は14日、第59回H氏賞に中島悦子さん(47)=横浜市旭区在住=の詩集「マッチ売りの偽書」(思潮社)を、第27回現代詩人賞に辻井喬さん(81)=東京都港区在住=の詩集「自伝詩のためのエスキース」(思潮社)を選んだ。賞金は各50万円。授賞式は6月28日、東京・飯田橋のホテルメトロポリタンエドモントで。 URL:http://www.asahi.com/culture/update/0314/TKY200903140211.html *中谷巌氏「転向」の波紋 行き過ぎた市場経済を批判 [朝日] 2009年3月14日12時23分  小渕内閣の経済戦略会議議長代理として構造改革の旗振り役だった中谷巌・三菱UFJリサーチ&コンサルティング理事長が市場経済の行き過ぎ批判への「転向」を表明した『資本主義はなぜ自壊したのか』(集英社インターナショナル)が、経済学者らの間で賛否両論の波紋を広げている。主張変更は是か非か、責任をどうとるべきか。議論は経済論壇のありかたにまで及んでいる。 ■「正直」「責任は」賛否両論  同書は昨年末の発売。部数は経済書では異例の13万部に達し、ベストセラーを更新中だ。アメリカ主導のグローバル資本主義、新自由主義的政策は貧困や格差拡大を生み社会の絆(きずな)を破壊したから、日本の伝統や文化をふまえ、北欧などもモデルに方向転換せよ――。明快な趣旨が、自伝風、社会論風に述べられる。  「日本人の気質に合った日本にふさわしい経済構造の構築を訴えかけている」と好意的に論評したのは慶大准教授の土居丈朗氏(1月11日付読売新聞)。京大名誉教授の伊東光晴氏も、自らの非を認めた「著者は正直である」と皮肉を交えて評価した(2月8日付毎日新聞)。  しかし東大教授の松原隆一郎氏は「経済情勢が変わるくらいで、立場を簡単に変えるべきではない」と憤る。中谷氏は、これまでも日本的経営をめぐり自説を修正してきた。「時流を意識したとしか思えない。彼らの政策で首をつった人もいるかもしれない。倫理的・道義的責任を自覚しているのか」  経済は水物だけに、主張の変更自体を否定する意見は少数派だ。だが「根本的な一貫性がみえること、変える以上は大きな世界観で、独自の理論を示してほしい」とくぎをさすのは慶大教授の金子勝氏。その点、専門家から得た知識を援用し、欧米の一神教思想との比較論などを持ち出す中谷氏の手法に批判は多い。早大教授の若田部昌澄氏は「経済学者なら、経済学的知見をもって語るべきだ。格差の原因も、経済学的に精査すべきだろう」と話す。 URL:http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY200903140104.html *0303 創刊40年「諸君!」休刊へ 部数低迷 [朝日] 2009年3月3日8時36分  保守系の代表的なオピニオン誌である月刊「諸君!」の休刊を、発行元の文芸春秋が決めた。5月1日発売の6月号が最終号になる。  同誌は69年5月の創刊。看板雑誌である月刊「文芸春秋」の兄弟誌的な位置づけで、右派論壇を支える存在だった。福田恒存、山本七平、江藤淳、林健太郎の各氏らが論陣を張り、巻頭の「紳士と淑女」、巻末に置かれた山本夏彦氏の「笑わぬでもなし」の両コラムも評判になった。  日本雑誌協会によると、08年9月30日までの1年間の平均発行部数は約6万5千部。だが関係者の話では、実売は4万部を割る状況が続いていたという。  同社全体の広告収入が減っており、新年度の好転も見込めないことから、「選択と集中を進める」(同社幹部)との意味合いと、創刊から40年という区切りもあって休刊を決めた。 URL:http://www.asahi.com/culture/update/0302/TKY200903020297.html *0216 村上春樹さん、エルサレム賞記念講演でガザ攻撃を批判 [朝日] 2009年2月16日8時27分  【エルサレム=平田篤央】イスラエル最高の文学賞、エルサレム賞が15日、作家の村上春樹さん(60)に贈られた。エルサレムで開かれた授賞式の記念講演で、村上さんはイスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの攻撃に触れ、人間を壊れやすい卵に例えたうえで「私は卵の側に立つ」と述べ、軍事力に訴えるやり方を批判した。  ガザ攻撃では1300人以上が死亡し、大半が一般市民で、子どもや女性も多かった。このため日本国内で市民団体などが「イスラエルの政策を擁護することになる」として賞の返上を求めていた。  村上さんは、授賞式への出席について迷ったと述べ、エルサレムに来たのは「メッセージを伝えるためだ」と説明。体制を壁に、個人を卵に例えて、「高い壁に挟まれ、壁にぶつかって壊れる卵」を思い浮かべた時、「どんなに壁が正しく、どんなに卵が間違っていても、私は卵の側に立つ」と強調した。  また「壁は私たちを守ってくれると思われるが、私たちを殺し、また他人を冷淡に効率よく殺す理由にもなる」と述べた。イスラエルが進めるパレスチナとの分離壁の建設を意識した発言とみられる。  村上さんの「海辺のカフカ」「ノルウェイの森」など複数の作品はヘブライ語に翻訳され、イスラエルでもベストセラーになった。  エルサレム賞は63年に始まり、「社会における個人の自由」に貢献した文学者に隔年で贈られる。受賞者には、英国の哲学者バートランド・ラッセル、アルゼンチンの作家ホルヘ・ルイス・ボルヘス、チェコの作家ミラン・クンデラ各氏ら、著名な名前が並ぶ。欧米言語以外の作家の受賞は初めて。  ただ中東紛争のただ中にある国の文学賞だけに、政治的論争と無縁ではない。01年には記念講演でスーザン・ソンタグ氏が、03年の受賞者アーサー・ミラー氏は授賞式に出席する代わりにビデオスピーチで、それぞれイスラエルのパレスチナ政策を批判した。 URL:http://www.asahi.com/culture/update/0216/TKY200902160022.html *0208 「雨ニモマケズ」を踊りながら読む 花巻で全国大会 [朝日] 2009年2月8日9時45分  宮沢賢治の「雨ニモマケズ」朗読全国大会が7日、岩手県花巻市内で開かれ、参加者は中国語で朗読したり、仮装して朗読したり、思い思いの表現方法で賢治の詩の世界に浸った。  大会はNPO法人花巻文化村協議会が主催し、今年で2回目。全国から40団体、約120人が参加した。  大阪府枚方市から参加した河辺ゆき子さんは「雨ニモマケズ」の中国語訳を示しながら朗読。また、盛岡市の藤原久さんはダンスを交えて朗読した。賢治の母校、花巻小学校1年の児童48人は群読するなど、多彩な「雨ニモマケズ」が披露された。 URL:http://www.asahi.com/culture/update/0208/TKY200902080044.html *0127 岸田国士戯曲賞に2作 [朝日] 2009年1月27日1時32分  第53回岸田国士戯曲賞(白水社主催)の選考会が26日開かれ、蓬莱(ほうらい)竜太さん(33)の「まほろば」と本谷有希子さん(29)の「幸せ最高ありがとうマジで!」に決まった。  蓬莱さんは兵庫県出身。「モダンスイマーズ」の座付き作家を務める。本谷さんは石川県出身。「劇団、本谷有希子」を主宰し、小説でも活躍する。  選考委員の井上ひさしさんは「『まほろば』は社会や家庭などにまぎれこんでいる男性的なものをみごとに撃った。『幸せ~』は家族や社会に内蔵されている『なれあい』『こずるさ』『お体裁』などを痛快に狙い打った」と評した URL:http://www.asahi.com/culture/update/0127/TKY200901260300.html *0124 18歳になったら新聞読んで、仏政府が1年間無料で配達 [読売]  【パリ支局】フランスのサルコジ大統領は23日、18歳になった成人全員に新聞を1年間無料で配達することなどを柱とした活字メディア支援策を発表した。  景気後退で広告減収に苦しむ活字メディア産業へのてこ入れと同時に、若者の活字離れを防ぐことを目的とする。  仏政府の発表によると、支援策により、同国で成人とみなされる18歳の誕生日から好きな新聞を1年間無料で配達してもらうことができるようになる。新聞社が新聞の購読料を、政府が配達料を、それぞれ負担する。サルコジ大統領は記者会見で、「新聞を読む習慣は、若い時につけるべきものだ」と述べた。  フランスでは新聞販売網が西欧諸国に比べ未整備とされ、経済危機の影響などで、フィガロなどの有力紙でも経営が悪化した。支援策には無料配達のほか、業界への税制優遇や政府広告の増加などが含まれ、3年間で総額6億ユーロ(約700億円)相当に上るという。 (2009年1月24日14時53分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090124-OYT1T00538.htm #comment(vsize=2,nsize=20,size=40)   ↑ご自由にコメントをお書き下さい。 *0115 直木賞は天童荒太氏・山本兼一氏、芥川賞は津村記久子氏 [朝日] 2009年1月15日21時28分  第140回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が15日、東京・築地の新喜楽で開かれ、芥川賞に津村記久子さん(30)の「ポトスライムの舟」(群像11月号)、直木賞に天童荒太さん(48)の「悼む人」(文芸春秋)と山本兼一さん(52)の「利休にたずねよ」(PHP研究所)が選ばれた。副賞は各100万円。授賞式は2月20日午後6時から、東京・丸の内の東京会館で開かれる。  津村さんは大阪府生まれ。大谷大卒。会社員。05年、太宰治賞受賞。08年に「カソウスキの行方」などで2度芥川賞候補に。同年、「ミュージック・ブレス・ユー!!」で野間文芸新人賞受賞。大阪市在住。  受賞作は、工場で働きながら母親と暮らす29歳の独身女性が主人公。世界一周の旅の代金が年収とほぼ同額と気付き、貯金しようとする。友人ら、前向きに生きる女性の日常を細やかに描き出した。  選考委員の宮本輝さんは「ポトスライムはただの観葉植物だが、荒波に揺られている船のような、今の寄る辺ない日本のメタファーでもある」と語った。  天童さんは愛媛県生まれ。明治大卒。86年に「白の家族」で野性時代新人文学賞を受賞。「家族狩り」で95年に山本周五郎賞、「永遠の仔」で00年に日本推理作家協会賞を受賞。東京都在住。  受賞作は、事件や事故死の現場で死者を悼む放浪の旅を続ける男性の物語。反発しながらも共感していく雑誌記者、彼と歩もうとする女性、死を前に彼の帰りを待ち続ける母などの視点で描いた。  山本さんは京都市生まれ。同志社大卒。04年に「火天(かてん)の城」で松本清張賞を受賞。直木賞候補は今回が3度目。  受賞作は、千利休の生涯を、過去にさかのぼりながら描き出す時代小説。緑釉(りょくゆう)の壺(つぼ)に秘められた、少年時代の命を懸けた恋が明かされる。  直木賞選考委員の井上ひさしさんは「『悼む人』は、文学は世界に対して何ができるかという問題にぶつかっている力作。『利休』は構造が巧みで、1点に読者を導く筆力は顕彰すべきだ」と語った。 URL:http://www.asahi.com/culture/update/0115/TKY200901150253.html
[[◎文化・出版08Ⅲ]]から [[◎文化・出版10]]へ 最新の情報は、[[◎文化・出版]] へ #contents *1221 第36回大佛次郎賞、石川九楊氏の評論「近代書史」に [朝日] 2009年12月21日5時9分  ジャンルを問わず優れた散文作品を対象とする第36回大佛次郎賞は、日本の近代の書表現の歴史を、大きなスケールと具体的な作品分析で解説する石川九楊氏の評論『近代書史』(名古屋大学出版会・1万8900円)に贈られる。公募推薦も踏まえた予備審査を経て、有識者4氏の協議で選んだ(井上ひさし氏は欠席)。贈呈式は来年1月28日午後4時半から東京・日比谷の帝国ホテルで、朝日賞・大佛次郎論壇賞とともに行われる。 *1209 司馬遼太郎賞に宮本輝氏「骸骨ビルの庭」 [朝日] 2009年12月9日18時50分  第13回司馬遼太郎賞(司馬遼太郎記念財団主催)が9日発表され、作家・宮本輝氏の「骸骨(がいこつ)ビルの庭」(講談社)が選ばれた。賞金は100万円。司馬遼太郎フェローシップには、東大大学院工学系研究科生の川本悠紀子さんが選ばれた。贈賞式は来年2月13日に東京都千代田区の日比谷公会堂で。 *1214 ノーベル賞経済学者ポール・サミュエルソン氏が死去 [朝日] 2009年12月14日3時7分  【ニューヨーク=丸石伸一】20世紀を代表する経済学者の一人で、ノーベル経済学賞受賞者のポール・サミュエルソンさんが13日、米マサチューセッツ州の自宅で死去した。94歳だった。名誉教授を務めていた米マサチューセッツ工科大学が発表した。  1915年、米インディアナ州生まれ。シカゴ大を卒業後、ハーバード大で博士号を取得し、マサチューセッツ工科大などで教えた。  自由な経済活動を重視する伝統的な新古典派経済学と、市場経済の失敗を財政政策で補うケインズ経済学を融合した「新古典派総合」を提唱。失業が少ない安定期には市場の特性を生かす政策が有効だが、バブル期や不況期には公共投資の増減など政府の関与が必要だと説いた。数式を用いて厳密に分析する手法を経済学に持ち込み、近代経済学の発展に寄与。70年に第2回ノーベル経済学賞を受賞した。  48年に初版が発行された著書「経済学」は半世紀近くにわたって、経済を学ぶ学生の教科書の定番だった。日本語をはじめ約40の言語に翻訳され、これまでに約400万部が売れる世界的なベストセラーとなっている。  60年代の米ケネディ政権などで経済顧問を務め、所得税減税など当時の米民主党政権の経済政策運営にも影響を与えた。ベトナム戦争などでインフレが深刻化した70年代以降は、市場を重視するマネタリストの台頭に押されて存在感が薄れた。だが、昨秋の金融危機の際には、ブッシュ政権下での規制緩和の行き過ぎを批判し、不況脱却のために財政出動の必要性を説く理論が再び脚光を浴びた。 *1204 2009年、年間ベストセラーは「1Q84」 [朝日] 2009年12月4日23時17分  出版取り次ぎ大手の日販とトーハンは4日、2009年の年間ベストセラーを発表した。1位は、5月末の発売直後から記録的なヒットとなった村上春樹の長編小説「1Q84」(新潮社、1・2巻)だった。文芸部門の作品が総合1位になるのは、トーハンでは年間総合集計を始めた90年以来初、日販では97年の渡辺淳一著「失楽園」以来。新潮社によると、2巻合計の発行部数は223万部に達しているという。  2位は出口宗和著「読めそうで読めない間違いやすい漢字」(二見書房)、3位はゲーム攻略本で「ドラゴンクエストIX 星空の守り人 大冒険プレイヤーズガイド」(集英社)だった。 *1104 構造主義確立、レビストロース氏死去 [読売]  【ロンドン=鶴原徹也】20世紀を代表する文化人類学者でフランス現代思想の「最後の巨人」だった、クロード・レビストロース氏が10月30日、仏東部リニュロール村の別荘で死去した。100歳だった。  親族による密葬を経て、同氏の著作の出版社などが3日、公表した。  1908年、ユダヤ系フランス人を両親にベルギーで生まれる。パリ大学で哲学を学ぶ。アマゾンをはじめ、南米やアジアなど世界各国でフィールドワークを重ね、数多くの民族を研究。原初の時代は自然状態にあった人間だが、結婚が氏族間で行われるようになって社会が形成されたとし、見えない「構造」が社会や文化を決定すると説き、「構造主義の祖」と呼ばれた。  文明論的紀行文「悲しき熱帯」や、実存主義から構造主義へ戦後思想の転換を決定づけた「野生の思考」など数多くの著書を発表し、世界的名声を確立した。  西欧が「未開」と見下す社会にも、文明社会同様の構造があり、人間は社会に則した論理に基づいて行動していると主張し、西欧の人間主義を批判した。実存主義哲学者サルトルとの論争は特に有名。59年、仏最高の研究教育機関コレージュ・ド・フランス教授就任。73年、仏学士院会員。  フランスのサルコジ大統領は3日、「あらゆる時代を通じ、最も偉大な人類学者で、新たな知を探究し続けた」などと弔意を表明した。 (2009年11月4日12時43分 読売新聞) *0923 歴史家、大江志乃夫さん死去 「凩の時」で大佛次郎賞 [朝日] 2009年9月23日3時2分  日露戦争史や近代軍事史に詳しい茨城大学名誉教授で歴史家の大江志乃夫(おおえ・しのぶ)さんが、20日に急性肺炎で死去していたことが分かった。81歳だった。葬儀は近親者で営んだ。  大江さんは東京教育大学助教授や茨城大学教授を歴任。日本近現代史が専門で、明治維新から戦後まで幅広く研究した。「日本の参謀本部」や「靖国神社」など多数の著書があり、85年には日露戦争後の兵士脱営事件を小説風に描いた「凩(こがらし)の時」で大佛次郎賞を受賞した。  陸軍予科士官学校から陸軍航空士官学校に進んで敗戦を迎えた。そうした経験や長年の研究から、戦前回帰や軍事大国化の動きに警鐘を鳴らした。自衛隊の海外派遣や靖国神社への公式参拝などには批判的な論陣を張った。 *0922 芥川賞作家、「第三の新人」 庄野潤三さん死去 [朝日] 2009年9月22日15時10分  「静物」「夕べの雲」など家族小説を息長く書き続けた芥川賞作家で「第三の新人」の一人、庄野潤三(しょうの・じゅんぞう)さんが21日、老衰のため死去した。88歳だった。葬儀は28日午後1時から川崎市多摩区南生田8の1の1の春秋苑で。喪主は妻千寿子(ちずこ)さん。  大阪市(当時は大阪府東成郡住吉村)生まれ。父・貞一は帝塚山学院を創設した教育者。児童文学者の故・庄野英二は実兄。中学時代に詩人の伊東静雄に国語を教わり、以来、師事した。九大法文学部卒。海軍に入り、伊豆半島の基地で終戦を迎えた。  教職を経て朝日放送に勤めるかたわら小説を発表し、「愛撫」で注目される。55年、会社を辞めさせられたサラリーマンの夫婦の心理を描いた「プールサイド小景」で芥川賞を受賞。吉行淳之介、安岡章太郎氏らとともに、戦後派に続く世代として「第三の新人」と呼ばれた。  平穏な日常生活に潜む危うさをとらえる作風に定評があり、とりわけ中編「静物」(60年)は「平凡な現実を淡々とながめて、そこにちゃんと地獄を発見している」(三島由紀夫)などと高く評価され、新潮社文学賞を受賞した。  自らの家族をモデルに、子供の成長に寄り添いながら生活の細部を描出する家族小説を続けて発表。長編「夕べの雲」(65年)で読売文学賞、短編集「絵合せ」(71年)で野間文芸賞、「明夫と良二」(72年)で毎日出版文化賞、赤い鳥文学賞を受けた。  聞き書きの形で労働の現場を描く作品も手がけ、「紺野機業場」(69年)で芸術選奨文部大臣賞を受賞した。他の著書に、米国オハイオ州で暮らした体験に基づく「ガンビア滞在記」、脳内出血による闘病の記録「世をへだてて」などがある。96年の「貝がらと海の音」から、子供が独立した後の老年夫婦の喜びを描く長編シリーズを文芸誌などに連載。07年に自伝風小説「ワシントンのうた」を刊行した。 *0917 「ピーター、ポール&マリー」のマリーさん死去 [朝日] 2009年9月17日13時51分  【ニューヨーク=田中光】1960年代に活躍した米国のフォークグループ「ピーター、ポール&マリー(PPM)」のマリー・トラバースさんが16日、がんのため、コネティカット州の病院で死去した。72歳だった。元メンバーが発表した。  マリーさんは、ケンタッキー州出身。グループは61年にニューヨークのグリニッジ・ビレッジで結成され、ボブ・ディラン作の「風に吹かれて」を始め、「花はどこへ行った」「我が祖国」「パフ」などのヒット作を出した。ベトナム反戦運動や、黒人差別撤廃を求めた公民権運動の集会などで好んで歌われた。 *0822 モデルは地元の普通の子 無料誌「美少女図鑑」が大人気 [朝日] 2009年8月22日20時1分  「美少女図鑑」という写真集スタイルのフリーペーパーが全国各地で相次いで発行されている。地元の「普通の女の子」をモデルに起用し、街並みとともに紹介する無料誌。各地ですぐになくなり、「幻のフリーペーパー」とも呼ばれる人気ぶりだ。「地方を元気に」と、ファッション・美容業界などが地域ごとに手を携え、それぞれの「地元の魅力」を発信している。  「手はテーブルの上に置こうか」「レストランだと思って楽にして」  23日に創刊される「福岡美少女図鑑」(A5判、カラー64ページ)の撮影が行われた福岡市博多区のスタジオ。カメラマンから次々と指示が飛び、フラッシュがたかれた。  ポーズをきめるモデルは、福岡県内の高校生や専門学校生たち。10~20代の200人以上が応募した中から10人ほどが選ばれた。その一人、福岡市の専門学校生(19)は「髪形も変わり、普段とは違う自分が見えた」と撮影を楽しんだ。  美少女図鑑は02年、新潟市の広告・デザイン会社「テクスファーム」が「流行の東京一極集中を避け、地元の若者が自信を持てるメディアをつくろう」と創刊した。原則として、東京を除く各道府県で1社だけが発行するフランチャイズ方式で昨年から全国展開し、各地のデザイン会社などと契約。すでに全道府県で発行済みか、発行が決まっている。年2回、各2万部ほど出し、商業施設や飲食店に置くケースが多い。  鹿児島では「鹿児島美少女図鑑」(A5判、カラー84ページ)が6月に創刊された。手に取った女子大生(22)は、誌面やモデルの女性のおしゃれさに驚いた様子。「ロケ地も見たことがある場所だけど、きれい、かわいい」  誌面には、モデルが着た衣装の販売店やヘアメークを担当した美容室の案内も。その創刊号2万部は、わずか4日間でなくなった。 *0709 評論家の平岡正明さん死去 「山口百恵は菩薩である」 [朝日] 2009年7月9日13時0分  革命や犯罪を論じる一方、ジャズや映画、歌謡曲、落語などを批評した評論家の平岡正明(ひらおか・まさあき)さんが、9日午前2時50分、脳梗塞(こうそく)のため、横浜市内の病院で死去した。68歳だった。通夜は12日午後6時、葬儀は13日午前11時から横浜市西区元久保町3の13の一休庵久保山式場で。喪主は妻秀子(ひでこ)さん。  64年に評論家デビュー。70年ごろからは太田竜や竹中労らと世界革命浪人(ゲバリスタ)を名乗り、新左翼系文化人として注目を集めた。  70年代後半以降は文学や音楽、芸能などに領域を広げ、79年、著書「山口百恵は菩(ぼ)薩(さつ)である」が話題になった。90年に「大歌謡論」で大衆文学研究賞、93年に「浪曲的」で斎藤緑雨賞を受賞。近年は落語論も手がけた。横浜・野毛を活動の拠点に、大道芸や寄席の企画にもかかわった。  著書に「ジャズより他に神はなし」「日本人は中国で何をしたか」「あらゆる犯罪は革命的である」「野毛的」「大落語」「志ん生的、文楽的」など。 *0716 講談社ノンフィクション賞に佐野眞一さん作品 [朝日] 2009年7月17日1時12分  第31回講談社ノンフィクション賞が16日、佐野眞一さんの「甘粕正彦 乱心の曠野(こうや)」(新潮社)に決まった。第25回講談社エッセイ賞には青柳いづみこさんの「六本指のゴルトベルク」(岩波書店)と向井万起男さんの「謎の1セント硬貨 真実は細部に宿る in USA」(講談社)が、同科学出版賞は大河内直彦さんの「チェンジング・ブルー 気候変動の謎に迫る」(岩波書店)が選ばれた。賞金は各100万円。 *0715 芥川賞は磯崎憲一郎さん、直木賞は北村薫さんに決まる [朝日] 2009年7月15日20時38分  第141回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が15日、東京・築地の新喜楽で開かれ、芥川賞に磯崎憲一郎さん(44)の「終(つい)の住処(すみか)」(新潮6月号)、直木賞に北村薫さん(59)の「鷺(さぎ)と雪」(文芸春秋)が選ばれた。副賞は各100万円。授賞式は8月21日午後6時から、東京・丸の内の東京会館で開かれる。  磯崎さんは千葉県生まれ。早稲田大卒。07年、「肝心の子供」で文芸賞を受け、作家デビュー。三井物産に勤務しながら小説を執筆、08年「眼(め)と太陽」が芥川賞候補に。著書に「世紀の発見」など。東京都世田谷区在住。  受賞作は、ともに30歳を過ぎてなりゆきで結婚した感のある夫婦の上に流れた20年という時間を描いた。娘も生まれ家も建てたが、常に不機嫌な妻は夫にとり不可解な存在であり続け、夫も浮気を繰り返す。細やかな描写が、相愛の情を欠きながら長い時間を共有したのちに得た、夫婦の関係を浮き彫りにする。  磯崎さんは「小説だけがとらえどころのない時間というものを表現できると信じて書いてきた。その試みが認められ本当にうれしい。受賞は書く場が広がることを意味する。小説、芸術という大きな肯定的な力に奉仕する存在でありたい」と喜びを語った。  選考委員の山田詠美さんは「圧倒的な支持で決まった。言葉を深く考えて選び、時間軸を考えながらブロックを積み重ねるような実験的な方法で小説を描き出した。文学に対する確かな信頼と誠実な態度を感じさせた」と述べた。  北村さんは埼玉県生まれ。早稲田大卒業後、県立高校の国語教師となり、89年に「空飛ぶ馬」でデビュー。91年に「夜の蝉(せみ)」で日本推理作家協会賞、06年に「ニッポン硬貨の謎」で本格ミステリ大賞を受賞。「ターン」や朝日新聞に連載した「ひとがた流し」などで直木賞候補に。埼玉県杉戸町在住。  受賞作は、昭和初期を舞台に上流家庭の令嬢と女性運転手が活躍する短編集。当時の世相を描きながら、子爵の突然の家出やいないはずの男性が写真に写る謎などを解いていく。「街の灯」「玻璃(はり)の天」に続くシリーズの完結編。  北村さんは「7年がかりのシリーズで、長い道を歩いて行き着くべきところにいけた。呼び寄せられるように史料に出会うなど不思議さも感じた。非日常の極に日常がある、そういう不思議さを描きたかった」と話した。  直木賞選考委員の浅田次郎さんは「難しい時代を取り上げているが、女学生のキャラクターもいきいきと描かれ、後半にいくにつれ盛り上がる。文章も美しく、余分なことが書かれていないので読者の想像力を喚起する。プロの仕事」と講評を述べた。 *0709 「KJ法」の川喜田二郎さん死去 [読売] ユニークな発想法「KJ法」の創始者で、ヒマラヤなどの学術調査で知られる文化人類学者の川喜田二郎(かわきた・じろう)氏が8日、死去した。  89歳だった。告別式は親族のみで行い、後日お別れ会を開く予定。  三重県生まれ。京大に進み、山岳部に籍を置く。人類学者の今西錦司の薫陶を受け、野外調査に取り組んだ。卒業後は東工大などの教授を歴任した。  専門は文化人類学、民族地理学。1953年にマナスル登山隊に参加して以来、ネパール、ヒマラヤの現地調査を続け、「鳥葬の国」などのノンフィクションから「素朴と文明」といった独自の文明論まで、幅広く手がけた。その一方で、環境保護や、ネパールにふさわしい形の技術協力を進め、アジアのノーベル賞といわれるマグサイサイ賞なども受けている。  また、ユニークな発想・情報整理法で、世界で高く評価されている「KJ法」を考案、自ら普及につとめた。他の著書に「発想法」「チームワーク」など。 (2009年7月9日14時52分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20090709-OYT1T00663.htm *0708 「ポップの帝王」追悼式に2万人 米主要テレビが生中継 [朝日]  2009年7月8日10時40分  【ロサンゼルス=堀内隆】6月25日に急死した米歌手マイケル・ジャクソンさんの追悼式が7日、米ロサンゼルス中心部で開かれた。ファンや友人ら約2万人が、一時代を築いた「ポップの帝王」に別れを告げた。  7日朝にロサンゼルスで親族による葬儀を終えたジャクソンさんの棺(ひつぎ)は、総立ちのファンの拍手に包まれて会場に入ってきた。  マライア・キャリーさんやスティービー・ワンダーさんら一流アーティストが次々にステージに上がり、会場は「感謝祭」のようなムード。スポーツ界や政界の著名人もそれぞれに思い出話を披露した。ジャクソンさんが85年、アフリカの飢餓救援のためにライオネル・リッチーさんと共作した「ウィ・アー・ザ・ワールド」が演奏されると、会場も声を合わせた。ジャクソンさんの遺児が初めて公の場で話す様も、会場の涙を誘った。  追悼式のチケットは抽選で1万7500人分が無料配布され、160万人以上が応募した。式の模様は米主要テレビ局がそろって中継した。 URL:http://www.asahi.com/culture/update/0708/TKY200907080095.html *0704 減る出版社…昨年度末4000社割れ、創業わずか9社 [朝日] 2009年7月4日15時2分  国内の出版社数が、08年度(09年3月)末現在で、30年ぶりに4千社を割ったことが、出版年鑑などを発行する出版ニュース社(本社・東京都千代田区)の調べで分かった。創業した出版社の数も戦後はじめてのひとけた台に減り、出版不況を裏付ける現状が明らかになった。  出版社数は、08年度末で3979社。79年度の4092社からずっと4千社台を維持し、97年度には4612社まで増えたが、その後は倒産・廃業が増え、低落傾向が続いていた。  また、08年度に創業した出版社は9社にとどまった。戦後は、まだ混乱期だった48年度の95社が最も多く、78年度まで毎年32~83社で推移してきた。それ以後は減少傾向が続き、07年度は19社にまで落ち込んでいた。  出版ニュース社の清田義昭代表は「先の見えない出版業界の現状が数字からも分かる。低落傾向はしばらく続くかもしれない。多様な出版、多様な言論が衰退していく危機感を感じている」と話している。(西秀治) URL:http://www.asahi.com/culture/update/0704/TKY200907040126.html *0703 幻のオバQ復活 藤子・F・不二雄大全集24日に [朝日] 2009年7月3日15時6分  長く出版が途絶えて「幻のマンガ」と呼ばれていた「オバケのQ太郎」が復活する。小学館が24日から刊行する「藤子・F・不二雄大全集」に収録されることになった。総額5万610円の第1期刊行分に、すでに2千セットの予約が入っている。  藤子不二雄名で描かれたマンガのうち、ほとんどは藤子不二雄(A)さんと故藤子・F・不二雄さんが単独で描いていた。しかし完全な合作だった初期の「Q太郎」は80年代に中央公論社(当時)が出した全集に収録されたが、90年代以降絶版状態で、古書市場では1冊数千円の高値で取引されていた。  小学館は今回の全集で、藤子不二雄(A)さんとの合作を含め、藤子・F・不二雄さんの全作網羅を目指し、「Q太郎」の収録が実現した。「Q太郎」と同様に出版が途絶えていた「ジャングル黒べえ」も収録される。  藤子プロと小学館は「マーケティング戦略の中で復刊の機会を探っていた。今回の全集刊行を好機ととらえた」としている。  全集には、雑誌に掲載された「ドラえもん」約1300話のうち単行本化されていなかった約100話も初めて収録される。第1期刊行分は「パーマン」「エスパー魔美」などを加えた8作品33巻。A5判で各巻220~770ページ。来年8月に刊行開始の第2期(巻数未定)で完結の予定だ。(小原篤) URL:http://www.asahi.com/culture/update/0703/TKY200907030058.html *0630 ドイツの振付家兼演出家、ピナ・バウシュさん死去 [朝日] 2009年6月30日23時21分  【ベルリン=金井和之】ドイツの著名な振付家兼演出家のピナ・バウシュさんが6月30日、ドイツ西部ブッパタール市内の病院でがんのため死去した。68歳だった。バウシュさんが所属するブッパタール舞踊団が明らかにした。  40年、ドイツ西部のゾーリンゲン生まれ。4歳でバレエを始め、ニューヨーク留学などを経て73年にブッパタール舞踊団の芸術監督に就任。演劇、音楽、ダンスなど舞台芸術の垣根を越えて表現する「タンツテアター」(舞踊演劇)で、世界のダンス界に衝撃を与えた。  主な作品に「春の祭典」「三文オペラ」など。6月21日に新作を発表したが、その後、体調不良を訴えていた。日本でも数々の公演をし、昨年3月が最後の来日公演となった。 URL:http://www.asahi.com/obituaries/update/0630/TKY200906300343.html *0626 マイケル・ジャクソンさん急死 「スリラー」1億枚 [朝日] 2009年6月26日12時4分  【ロサンゼルス=堀内隆】82年のアルバム「スリラー」で売り上げの世界記録を打ち立て、「ポップの帝王」と称された米歌手マイケル・ジャクソンさんが25日午後2時半(日本時間26日午前6時半)ごろ、米ロサンゼルスのカリフォルニア大ロサンゼルス校(UCLA)医療センターで死去した。50歳。兄の歌手ジャーメインさんが同センターで発表した。  少年時代にデビュー、80年代を中心にスーパースターとして世界中で絶大な人気を誇ったが、音楽活動は近年、低調で、少年への性的虐待疑惑をめぐる訴訟や金銭トラブルなど本業以外での話題に事欠かなかった。歌手としての再起をかけて7月13日からロンドンでの連続公演に臨む矢先の急死だった。  米メディアによると、25日午後0時20分ごろ、ロサンゼルス西部の高級住宅地ベルエアにあるジャクソンさんの自宅から、消防局に救急出動の要請があった。救急隊員が到着した際には自発呼吸がなく、救急車内で心肺蘇生措置を受けながら3.5キロ離れた同センターに搬送された。郡検視局は「突然の心停止が起きた」としているが、詳しい状況は分かっていない。  ロサンゼルス市警(LAPD)殺人課は25日午後、ジャクソンさんの自宅で捜査を始めた。だが、LAPD捜査官は自宅前で報道陣に「有名人の死亡事案ゆえの捜査だ」と語り、LAPDは米メディアに「事件性を示す証拠はない」と述べた。遺体は25日夕、同センターからロサンゼルスの南カリフォルニア大医療センターに移された。ロサンゼルス郡検視局が26日に検視を行って死因を調べる。  ジャクソンさんは58年8月、米インディアナ州ゲーリー生まれ。66年にジャーメインさんら4人の兄と結成したボーカルグループ「ジャクソン・ファイブ」が数々のコンテストで優勝し、11歳のときにリードボーカルをつとめたシングル「帰ってほしいの」(69年)で天才児としての評判を不動にした。  ソロデビューは71年。アルバム「スリラー」(82年)が全世界で推定1億枚を売り上げるなど80年代が絶頂期だった。シングル「バッド」「今夜はビート・イット」は日本でも大ヒット。ダンスステップ「ムーンウオーク」も流行させた。85年にアフリカの貧困、飢餓救援のためにライオネル・リッチーと共作した「ウイ・アー・ザ・ワールド」にはスティービー・ワンダーら米音楽界のスーパースターが参加した。  94年にエルビス・プレスリーの娘、リサ・マリー・プレスリーさんと結婚したが2年後に離婚した。音楽活動も徐々に低調になり、ロサンゼルス・タイムズ紙によると、最後のツアーは97年で新作アルバムも01年以来、出ていない。かわって、度重なる整形のうわさや、奇行など、スキャンダルで世間をにぎわせるようになった。  04年には12歳の少年に性的虐待をした疑いなどでカリフォルニア州大陪審に起訴されたが、05年に無罪評決を受けた。今年初めから住んでいたベルエアの邸宅は家賃が月額10万ドル(約960万円)と言われ、ぜいたくな暮らしを維持する生活費に法廷闘争の費用も加わり、多額の負債を抱えていた。 URL:http://www.asahi.com/culture/update/0626/TKY200906260005.html *0605 「反抗の精神」熱く NYでウッドストック40周年行事 [朝日] 2009年6月5日12時3分  ベトナム戦争中に「愛と平和」をテーマに約50万人の若者を集めた伝説のロックコンサート「ウッドストック」開催40周年の記念イベントが4日、ニューヨーク・タイムズスクエアのレストラン「ハードロック・カフェ」で開かれた。当時の出演者が演奏し、1960年代の「反抗の精神」を熱く訴えた。  ウッドストックは、ニューヨーク郊外のベセルで69年8月15日から3日間にわたり開催され、ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョプリン、ザ・フーなど当時のスーパースターが競演、反戦や人種差別撤廃を歌で呼び掛けた。  この日演奏した人気バンド、サンタナのメンバー、マイケル・カラベロさんは「自分たちは戦争を止めるために何でもやった。今の若い人も勇気を出してほしい」と若者の奮起を求めた。ウッドストックを主催したマイケル・ラング氏は「60年代の努力がオバマ政権の誕生につながった」と話し、「変革」に期待を込めた。  40周年を記念して映画制作大手ワーナー・ブラザーズはウッドストックの記録映画をDVDで発売するほか、8月15日にはベセルで記念コンサートが開かれる予定。(時事) URL:http://www.asahi.com/culture/update/0605/JJT200906050001.html *0527 評論家の中島梓さん死去 作家「栗本薫」でも活躍 [朝日] 2009年5月27日11時45分  栗本薫の名でファンタジーの大河小説「グイン・サーガ」を著した作家で、評論家の中島梓(なかじま・あずさ、本名今岡純代=いまおか・すみよ)さんが26日、膵臓(すいぞう)がんで死去した。56歳だった。葬儀は近親者のみで行い、後日、お別れの会を開く。喪主は夫今岡清さん。  77年に中島名の「文学の輪郭」で群像新人文学賞(評論部門)を受賞。栗本薫名では78年に「ぼくらの時代」で江戸川乱歩賞を受賞、81年に「絃の聖域」で吉川英治文学新人賞を受賞した。  「グイン・サーガ」は、計150巻近いベストセラーシリーズ。4月に最新刊を出したばかりだった。SF、ミステリー、ホラー、時代小説と幅広く多作だった。  中島名では「コミュニケーション不全症候群」などの評論のほか、作曲やピアノ演奏の音楽活動、ミュージカルの脚本や演出も手がけた。79年からテレビ朝日系列のクイズ番組「ヒントでピント」のレギュラー解答者となり女性軍のキャプテンもつとめた。93年4月から3年間、朝日新聞の書評委員。  90年に乳がんで手術、闘病記「アマゾネスのように」を刊行。07年の膵臓がんの手術後も、闘病エッセーを出すなど創作活動や演奏活動などを続けた。 URL:http://www.asahi.com/obituaries/update/0527/TKY200905270111.html *0520 評論家の太田竜さん死去2009年5月20日 [朝日] 10時35分  太田  竜さん(おおた・りゅう=評論家、本名栗原登一〈くりはら・とういち〉)が19日、腹膜炎で死去、78歳。葬儀はせず、後日しのぶ会を開く予定。喪主は妻千鶴子さん。  60年代以降の新左翼運動に理論的影響を与え、その後エコロジー運動にも取り組んだ。著書に「辺境最深部に向って退却せよ!」「アイヌモシリから出撃せよ!」など。 URL:http://www.asahi.com/obituaries/update/0520/TKY200905200052.html *0511 三木たかし氏(作曲家)死去  「津軽海峡・冬景色」「つぐない」などで知られる作曲家の三木たかしさん(みき・たかし、本名=渡辺匡=わたなべ・ただし)が11日早朝、岡山県内の病院で亡くなった。64歳だった。  東京都出身。独学で作曲を始め、1960年代に作曲家としてデビュー。77年には石川さゆりさんの「津軽海峡・冬景色」が大ヒット。その後もテレサ・テンさんの「つぐない」「愛人」「時の流れに身をまかせ」などを作曲。映画や舞台の音楽も多数担当した。05年に紫綬褒章受章。日本作曲家協会理事長を務めていた。歌手の黛ジュンさんは妹。 (2009年5月11日14時33分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/obit/news/20090511-OYT1T00563.htm *0409 川端康成文学賞に青山七恵氏「かけら」 26歳最年少 [朝日] 2009年4月9日18時55分  優れた短編に贈られる第35回川端康成文学賞(川端康成記念会主催)の選考会が9日、東京都内で開かれ、青山七恵氏の「かけら」(「新潮」08年11月号)に決まった。青山氏は26歳で、同賞の最年少受賞となる。賞金100万円。授賞式は6月26日午後5時から、東京・虎ノ門のホテルオークラで。 URL:http://www.asahi.com/culture/update/0409/TKY200904090223.html *0407 大江健三郎賞に安藤礼二氏「光の曼陀羅 日本文学論」 [朝日] 2009年4月7日5時1分  ノーベル賞作家の大江健三郎さんが1人で選考する第3回大江健三郎賞(講談社主催)に、文芸評論家・安藤礼二さんの「光の曼陀羅(まんだら) 日本文学論」(講談社)が選ばれた。賞金はなく、外国語への翻訳・刊行を賞とする。 URL:http://www.asahi.com/culture/update/0406/TKY200904060290.html *0314 H氏賞に中島悦子さん「マッチ売りの偽書」 [朝日] 2009年3月14日20時22分  日本現代詩人会は14日、第59回H氏賞に中島悦子さん(47)=横浜市旭区在住=の詩集「マッチ売りの偽書」(思潮社)を、第27回現代詩人賞に辻井喬さん(81)=東京都港区在住=の詩集「自伝詩のためのエスキース」(思潮社)を選んだ。賞金は各50万円。授賞式は6月28日、東京・飯田橋のホテルメトロポリタンエドモントで。 URL:http://www.asahi.com/culture/update/0314/TKY200903140211.html *中谷巌氏「転向」の波紋 行き過ぎた市場経済を批判 [朝日] 2009年3月14日12時23分  小渕内閣の経済戦略会議議長代理として構造改革の旗振り役だった中谷巌・三菱UFJリサーチ&コンサルティング理事長が市場経済の行き過ぎ批判への「転向」を表明した『資本主義はなぜ自壊したのか』(集英社インターナショナル)が、経済学者らの間で賛否両論の波紋を広げている。主張変更は是か非か、責任をどうとるべきか。議論は経済論壇のありかたにまで及んでいる。 ■「正直」「責任は」賛否両論  同書は昨年末の発売。部数は経済書では異例の13万部に達し、ベストセラーを更新中だ。アメリカ主導のグローバル資本主義、新自由主義的政策は貧困や格差拡大を生み社会の絆(きずな)を破壊したから、日本の伝統や文化をふまえ、北欧などもモデルに方向転換せよ――。明快な趣旨が、自伝風、社会論風に述べられる。  「日本人の気質に合った日本にふさわしい経済構造の構築を訴えかけている」と好意的に論評したのは慶大准教授の土居丈朗氏(1月11日付読売新聞)。京大名誉教授の伊東光晴氏も、自らの非を認めた「著者は正直である」と皮肉を交えて評価した(2月8日付毎日新聞)。  しかし東大教授の松原隆一郎氏は「経済情勢が変わるくらいで、立場を簡単に変えるべきではない」と憤る。中谷氏は、これまでも日本的経営をめぐり自説を修正してきた。「時流を意識したとしか思えない。彼らの政策で首をつった人もいるかもしれない。倫理的・道義的責任を自覚しているのか」  経済は水物だけに、主張の変更自体を否定する意見は少数派だ。だが「根本的な一貫性がみえること、変える以上は大きな世界観で、独自の理論を示してほしい」とくぎをさすのは慶大教授の金子勝氏。その点、専門家から得た知識を援用し、欧米の一神教思想との比較論などを持ち出す中谷氏の手法に批判は多い。早大教授の若田部昌澄氏は「経済学者なら、経済学的知見をもって語るべきだ。格差の原因も、経済学的に精査すべきだろう」と話す。 URL:http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY200903140104.html *0303 創刊40年「諸君!」休刊へ 部数低迷 [朝日] 2009年3月3日8時36分  保守系の代表的なオピニオン誌である月刊「諸君!」の休刊を、発行元の文芸春秋が決めた。5月1日発売の6月号が最終号になる。  同誌は69年5月の創刊。看板雑誌である月刊「文芸春秋」の兄弟誌的な位置づけで、右派論壇を支える存在だった。福田恒存、山本七平、江藤淳、林健太郎の各氏らが論陣を張り、巻頭の「紳士と淑女」、巻末に置かれた山本夏彦氏の「笑わぬでもなし」の両コラムも評判になった。  日本雑誌協会によると、08年9月30日までの1年間の平均発行部数は約6万5千部。だが関係者の話では、実売は4万部を割る状況が続いていたという。  同社全体の広告収入が減っており、新年度の好転も見込めないことから、「選択と集中を進める」(同社幹部)との意味合いと、創刊から40年という区切りもあって休刊を決めた。 URL:http://www.asahi.com/culture/update/0302/TKY200903020297.html *0216 村上春樹さん、エルサレム賞記念講演でガザ攻撃を批判 [朝日] 2009年2月16日8時27分  【エルサレム=平田篤央】イスラエル最高の文学賞、エルサレム賞が15日、作家の村上春樹さん(60)に贈られた。エルサレムで開かれた授賞式の記念講演で、村上さんはイスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの攻撃に触れ、人間を壊れやすい卵に例えたうえで「私は卵の側に立つ」と述べ、軍事力に訴えるやり方を批判した。  ガザ攻撃では1300人以上が死亡し、大半が一般市民で、子どもや女性も多かった。このため日本国内で市民団体などが「イスラエルの政策を擁護することになる」として賞の返上を求めていた。  村上さんは、授賞式への出席について迷ったと述べ、エルサレムに来たのは「メッセージを伝えるためだ」と説明。体制を壁に、個人を卵に例えて、「高い壁に挟まれ、壁にぶつかって壊れる卵」を思い浮かべた時、「どんなに壁が正しく、どんなに卵が間違っていても、私は卵の側に立つ」と強調した。  また「壁は私たちを守ってくれると思われるが、私たちを殺し、また他人を冷淡に効率よく殺す理由にもなる」と述べた。イスラエルが進めるパレスチナとの分離壁の建設を意識した発言とみられる。  村上さんの「海辺のカフカ」「ノルウェイの森」など複数の作品はヘブライ語に翻訳され、イスラエルでもベストセラーになった。  エルサレム賞は63年に始まり、「社会における個人の自由」に貢献した文学者に隔年で贈られる。受賞者には、英国の哲学者バートランド・ラッセル、アルゼンチンの作家ホルヘ・ルイス・ボルヘス、チェコの作家ミラン・クンデラ各氏ら、著名な名前が並ぶ。欧米言語以外の作家の受賞は初めて。  ただ中東紛争のただ中にある国の文学賞だけに、政治的論争と無縁ではない。01年には記念講演でスーザン・ソンタグ氏が、03年の受賞者アーサー・ミラー氏は授賞式に出席する代わりにビデオスピーチで、それぞれイスラエルのパレスチナ政策を批判した。 URL:http://www.asahi.com/culture/update/0216/TKY200902160022.html *0208 「雨ニモマケズ」を踊りながら読む 花巻で全国大会 [朝日] 2009年2月8日9時45分  宮沢賢治の「雨ニモマケズ」朗読全国大会が7日、岩手県花巻市内で開かれ、参加者は中国語で朗読したり、仮装して朗読したり、思い思いの表現方法で賢治の詩の世界に浸った。  大会はNPO法人花巻文化村協議会が主催し、今年で2回目。全国から40団体、約120人が参加した。  大阪府枚方市から参加した河辺ゆき子さんは「雨ニモマケズ」の中国語訳を示しながら朗読。また、盛岡市の藤原久さんはダンスを交えて朗読した。賢治の母校、花巻小学校1年の児童48人は群読するなど、多彩な「雨ニモマケズ」が披露された。 URL:http://www.asahi.com/culture/update/0208/TKY200902080044.html *0127 岸田国士戯曲賞に2作 [朝日] 2009年1月27日1時32分  第53回岸田国士戯曲賞(白水社主催)の選考会が26日開かれ、蓬莱(ほうらい)竜太さん(33)の「まほろば」と本谷有希子さん(29)の「幸せ最高ありがとうマジで!」に決まった。  蓬莱さんは兵庫県出身。「モダンスイマーズ」の座付き作家を務める。本谷さんは石川県出身。「劇団、本谷有希子」を主宰し、小説でも活躍する。  選考委員の井上ひさしさんは「『まほろば』は社会や家庭などにまぎれこんでいる男性的なものをみごとに撃った。『幸せ~』は家族や社会に内蔵されている『なれあい』『こずるさ』『お体裁』などを痛快に狙い打った」と評した URL:http://www.asahi.com/culture/update/0127/TKY200901260300.html *0124 18歳になったら新聞読んで、仏政府が1年間無料で配達 [読売]  【パリ支局】フランスのサルコジ大統領は23日、18歳になった成人全員に新聞を1年間無料で配達することなどを柱とした活字メディア支援策を発表した。  景気後退で広告減収に苦しむ活字メディア産業へのてこ入れと同時に、若者の活字離れを防ぐことを目的とする。  仏政府の発表によると、支援策により、同国で成人とみなされる18歳の誕生日から好きな新聞を1年間無料で配達してもらうことができるようになる。新聞社が新聞の購読料を、政府が配達料を、それぞれ負担する。サルコジ大統領は記者会見で、「新聞を読む習慣は、若い時につけるべきものだ」と述べた。  フランスでは新聞販売網が西欧諸国に比べ未整備とされ、経済危機の影響などで、フィガロなどの有力紙でも経営が悪化した。支援策には無料配達のほか、業界への税制優遇や政府広告の増加などが含まれ、3年間で総額6億ユーロ(約700億円)相当に上るという。 (2009年1月24日14時53分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090124-OYT1T00538.htm - 今日も男レンタル♪(´-ω-)★ http://gffz.biz/index.html -- 素人です (2011-11-21 16:36:53) #comment(vsize=2,nsize=20,size=40)   ↑ご自由にコメントをお書き下さい。 *0115 直木賞は天童荒太氏・山本兼一氏、芥川賞は津村記久子氏 [朝日] 2009年1月15日21時28分  第140回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が15日、東京・築地の新喜楽で開かれ、芥川賞に津村記久子さん(30)の「ポトスライムの舟」(群像11月号)、直木賞に天童荒太さん(48)の「悼む人」(文芸春秋)と山本兼一さん(52)の「利休にたずねよ」(PHP研究所)が選ばれた。副賞は各100万円。授賞式は2月20日午後6時から、東京・丸の内の東京会館で開かれる。  津村さんは大阪府生まれ。大谷大卒。会社員。05年、太宰治賞受賞。08年に「カソウスキの行方」などで2度芥川賞候補に。同年、「ミュージック・ブレス・ユー!!」で野間文芸新人賞受賞。大阪市在住。  受賞作は、工場で働きながら母親と暮らす29歳の独身女性が主人公。世界一周の旅の代金が年収とほぼ同額と気付き、貯金しようとする。友人ら、前向きに生きる女性の日常を細やかに描き出した。  選考委員の宮本輝さんは「ポトスライムはただの観葉植物だが、荒波に揺られている船のような、今の寄る辺ない日本のメタファーでもある」と語った。  天童さんは愛媛県生まれ。明治大卒。86年に「白の家族」で野性時代新人文学賞を受賞。「家族狩り」で95年に山本周五郎賞、「永遠の仔」で00年に日本推理作家協会賞を受賞。東京都在住。  受賞作は、事件や事故死の現場で死者を悼む放浪の旅を続ける男性の物語。反発しながらも共感していく雑誌記者、彼と歩もうとする女性、死を前に彼の帰りを待ち続ける母などの視点で描いた。  山本さんは京都市生まれ。同志社大卒。04年に「火天(かてん)の城」で松本清張賞を受賞。直木賞候補は今回が3度目。  受賞作は、千利休の生涯を、過去にさかのぼりながら描き出す時代小説。緑釉(りょくゆう)の壺(つぼ)に秘められた、少年時代の命を懸けた恋が明かされる。  直木賞選考委員の井上ひさしさんは「『悼む人』は、文学は世界に対して何ができるかという問題にぶつかっている力作。『利休』は構造が巧みで、1点に読者を導く筆力は顕彰すべきだ」と語った。 URL:http://www.asahi.com/culture/update/0115/TKY200901150253.html

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