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#contents *0702 バグダッドで爆発、死者68人 女性議員が拉致される [朝日] 2006年07月02日00時40分  イラクのバグダッド北東部で1日、大規模な爆発が起き、保健省によると、イラク人68人が死亡、98人が負傷した。5月に正式政府が発足して以降では最悪のテロになった。また同日、国民議会の議員が武装組織に拉致されたほか、各地で市民や警察などを狙った攻撃が相次いだ。  6月にイラク・アルカイダ機構のザルカウィ容疑者が殺害された後も、マリキ政権は武装組織との対話を進めるなど治安の改善をめざしている。しかし、今回の爆破テロも宗派対立の激化を狙う犯行と見られ、暴力の応酬は収まる気配がない。  爆発の現場はイスラム教シーア派地域で、反米強硬派サドル師の民兵組織が支配するサドルシティー。午前10時ごろ、市場近くの路上に止まっていた車が爆発した。その後、イスラム系ウェブサイトにスンニ派組織による犯行声明が流されたが、真偽は不明。  爆発とほぼ同時刻に市内東部で、スンニ派女性議員が護衛7人とともに拉致された、と同僚議員らが明らかにした。アルカイダ系組織は、スンニ派の政治参加を許さない方針を示している。  さらに同日、バグダッド南東部と西部でも道路脇などで爆発が起き、警官3人とイラク兵3人が死亡。北部のモスルでも車の自爆テロにより、警官2人が死亡した。  一方、マリキ首相は1日、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、クウェートの歴訪に出発した。就任後初の外遊で、国民融和策への支援を求めるという。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0701/014.html *0628 イラクの避難民15万人 国民分裂、深刻化 [朝日] 2006年06月28日10時57分  イラクの宗派対立による国内避難民が過去4カ月で15万人以上に達したと、国連イラク支援団(UNAMI)が27日明らかにした。イラク国内の混乱と分裂ぶりを示していると受け止められている。  報告によると、イラク移民難民省に2月末以降登録された避難民は13万386人。実際には「過去4カ月の避難民が15万人以上」とUNAMIはみる。UNAMIによると、イラン・イラク戦争の混乱が続いた80年代以降の避難民の総数は約130万人と推定される。その1割以上が06年のわずかな期間だけで発生したことになる。  避難民の急増と内戦状態の進展で、宗派のすみ分けも急速に進んでいる。首都の一部では、チグリス川を国境のように挟み、スンニ派とシーア派の居住地が分かれつつある。  拉致や爆弾テロも連日続き、現地メディアの報道だけで20~30人が殺害されている。実際にはこれを大きく上回る犠牲者がいるとみられるが、被害の実態はほとんどわかっていない。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0628/011.html *0626 イラク首相が「国民和解計画」発表 身内から反発 [朝日] 2006年06月26日11時01分  イラクのマリキ首相は25日の国民議会(国会)で、「和解と国民対話計画」を発表し、泥沼の宗派対立に初めて解決の道筋を示した。ただ、スンニ派武装勢力の釈放や旧バース党員追放政策の見直し、シーア派民兵組織解体を示唆する内容に対して、首相の身内であるシーア派内部から激しい反発の声があがっている。  計画では、▽政府内に「国民委員会」を設置。政治、宗教各派や部族から代表が参加し、和解案の実現に向けて話し合う▽治安機関による捜査・拘束、米軍の作戦行動中での人権尊重▽軍増強を急ぎ多国籍軍撤退に道筋をつける、などが柱。  首相の狙いは「武装勢力の分断」だ。現在、スンニ派武装勢力は、外国勢を主力とするアルカイダ系過激派と、旧バース党や旧軍の幹部らを柱とする地元勢力に分けられる。このうち、政治参加に前向きな地元勢力との和解を進め、過激派を孤立させる作戦で、米軍の強い意向も働いている。  首相はまずシーア派に譲歩を求め、スンニ派の求めに応じてシーア派主体の治安部隊に拘束されたスンニ派2500人の釈放を発表。一部が実施されている。  スンニ派やクルド勢力は計画を歓迎している。しかし、首相が所属するシーア派の統一イラク連合は、渋々受け入れたものの、反発は強い。計画の発表を10日間遅らせたほか、25日の議会では、スンニ派と衝突するサドル師派議員が「旧バース党やフセイン元大統領を支持するテロリストとの和解はありえない」と演説。和解の難しさを見せつけた。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0626/003.html *0626 ロシア外交官4人殺害声明 イラクで過激派組織 [朝日] 2006年06月26日00時32分  ロイター通信によると、インターネットのイスラム系サイトが25日、イラクで3日に誘拐されたロシア大使館職員を「復讐(ふくしゅう)のため処刑した」との声明と、3人の殺害場面の映像を掲載した。残る1人の安否は不明。同サイトは先に「イラク・アルカイダ機構」などで作る過激派組織「イラク聖戦士評議会」による拉致声明を掲載。ロシア・チェチェン共和国からのロシア軍撤退などを求めていた。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0626/001.html *0621 行方不明の米兵2人、遺体で発見 イラク [朝日] 2006年06月21日02時20分  イラク駐留米軍は20日、バグダッド南方ユスフィヤで16日に襲撃を受けて行方不明となり、その後過激派組織「イラク聖戦士評議会」を名乗る武装勢力の拉致声明が出ていた米兵2人を遺体で発見した、と発表した。  イラク国防省報道官はAP通信に、遺体はユスフィヤで見つかり、拷問を受けたとみられる傷がある、と語った。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0621/002.html *0619 フセインに死刑求刑、イラク住民殺害で人道に対する罪 [読売] 【カイロ=長谷川由紀】イラク中部ドゥジャイルの住民148人を殺害し、人道に対する罪に問われている同国元大統領サダム・フセインら8被告に対する論告求刑公判が19日、バグダッドの高等法廷で開かれ、検察側は、フセインに死刑を求刑した。  約30年にわたり、独裁政治を敷いてきたフセインに対する求刑はこれが初めて。  弁護側は7月10日に最終弁論を行い、早ければ同月中にも判決が下される見通し。  フセインらが問われていたのは、1982年にドゥジャイルで起きたフセイン暗殺未遂事件を受けて住民を報復殺害した罪。死刑を求刑されたのは、8被告のうち、フセインと、フセインの異父弟で情報機関トップだったバルザン・イブラヒム被告、元副大統領タハ・ヤシン・ラマダン被告。  ドゥジャイル事件を巡る裁判は、2005年10月に始まり、この日を含め35回の公判が行われてきた。公判でフセインは、暗殺未遂事件に関与した住民に対する処刑を命令したことを認めたものの、「裁判で提示された証拠は十分だった」などと述べ、正当な司法判断に基づく行為だったと主張していた。 (2006年6月19日22時8分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060619i214.htm *0614 イラク首相、治安対策を強化 検問増・夜間外出を禁止 [朝日] 2006年06月14日23時10分  イラクのマリキ首相は14日、記者会見し、バグダッドの治安対策を同日から強化すると発表した。米軍や治安部隊を大量に動員し、各地で検問を増設。連日、午後8時半以降の外出を禁止する。ザルカウィ容疑者の殺害や13日のブッシュ米大統領との会談で支援の確約を得たことを背景に大がかりな治安対策を取り、政権基盤の強化につなげようとしているとみられる。  マリキ首相は14日の会見で動員規模を明らかにしなかったが、AFP通信などは内務省筋の話として「イラク治安部隊、米軍あわせて4万人」としている。バグダッド市内では同日朝から各地で検問所が増え、渋滞が続いたという。  金曜礼拝でモスクに多くの人が集まる金曜日には車の通行を禁止する。同首相はまた、各地で自警活動をしている民兵を排除し、メディアの取材・報道にも何らかの制限を加える考えを示した。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0614/017.html *0613 イラク:死亡したザルカウィ容疑者の後継者を発表 [毎日]  【カイロ高橋宗男】「イラクの聖戦アルカイダ組織」を名乗る組織は12日、イラク駐留米軍による攻撃で死亡したザルカウィ容疑者に代わる新指導者として、アブハムザ・ムハジルという人物を選出したとする声明をウェブ上で発表した。  声明はこの人物について「経験と知識に富む」と強調しているが、経歴などは不明。AP通信は、「ムハジル」がアラビア語で移民を意味することから、イラク人ではない可能性があると報じている。  イラク駐留米軍報道官のコールドウェル少将は8日の記者会見で、「エジプト生まれのアブ・マスリ」という人物が後継の新指導者に就く可能性を示唆したが、今回発表された「アブハムザ・ムハジル」と同一人物かどうかは分かっていない。  同組織を名乗るグループは11日に「敵を眠らせない大規模攻撃を準備している」との声明を発表し、ザルカウィ容疑者殺害への大規模報復行動を予告している。 毎日新聞 2006年6月13日 0時34分 (最終更新時間 6月13日 2時30分) URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060613k0000m030150000c.html *0613 少なくとも34人死亡、イラク各地でテロ相次ぐ [朝日] 2006年06月13日10時03分  イラク各地で12日、自動車爆弾などによるテロが相次ぎ、ロイター通信のまとめでは少なくとも34人が死亡した。  バグダッド西部の住宅街マンスール地区では、道路脇の仕掛け爆弾が爆発して10人が死亡。東部のシーア派地区サドルシティーでは、市場で自動車爆弾が爆発して5人が死亡した。南部では、迫撃砲弾が3発着弾し、4人が死亡した。  また、中部バラドでは市場近くで自動車爆弾が2発相次いで爆発し、5人が死亡。ティクリートでは警官1人が武装した男たちに射殺された。  いずれも犯行声明は出ておらず、詳しい背景は明らかになっていない。イラクでは5月、バグダッドだけで少なくとも約1400人の死亡が確認されるなど、正式政府の発足や米軍によるザルカウィ容疑者の殺害にかかわらず、テロや攻撃が衰えを見せていない。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0613/002.html *0612 ザルカウィ派?ウェブサイトで大規模テロを予告 [読売]  【カイロ=柳沢亨之】米軍に殺害されたヨルダン人テロリスト、アブムサブ・ザルカウィ容疑者(7日死亡)配下の武装組織「イラクの聖戦アル・カーイダ組織」を名乗る集団が11日、「敵を揺るがす大規模攻撃を計画している」とする声明をウェブサイト上に掲載し、米軍などに対する大規模テロを予告した。  AP通信が伝えた。  同容疑者が死亡した直後に幹部会議を開き、決定したという。後継者については明らかにされていない。 (2006年6月12日1時10分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060611i215.htm *0609 テロ相次ぎ46人死亡 アルカイダ「聖戦継続」 [朝日] 2006年06月09日11時06分  ザルカウィ容疑者の殺害が発表された8日、バグダッドでは爆弾テロが相次ぎ、少なくとも46人が死亡した。同容疑者の死亡に、イラクのシーア派市民の間では「祝賀ムード」も広まったが、イラク政府は報復テロに対する警戒態勢に入った。  現地からの報道によると、バグダッドでは8日、少なくとも5件の爆弾テロが相次いだ。多くはシーア派地域で、スンニ派武装勢力によるテロとみられる。  イラク政府はイラク・アルカイダ機構などの報復テロを警戒し、殺害現場に近いバクバ周辺に同日午後4時から外出禁止令を発令。バグダッドなどでは9日、モスク周辺での車の通行を禁止する。イスラム教の休日にあたる金曜日の礼拝で、多くの人がモスクに集まるためだ。  一方、多国籍軍のコールドウェル報道官(米軍少将)はザルカウィ容疑者殺害に関する記者会見で、「アブ・マスリ」と呼ばれる同容疑者の側近が後継者となる可能性が高いと述べた。エジプト人で02年にイラク入りし、同容疑者と行動をともにしてきたという。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0609/003.html *0607 バグダッド:5月の死者1400人、イラク戦争開戦後最悪 [毎日]  イラクの首都バグダッドで、5月中に遺体安置所に運び込まれた死者数が、月間の死者数として2003年のイラク戦争開戦後最悪の約1400人に上り、今年になって計6000人を突破したことが6日、保健省のまとめで分かった。英BBCなどが報じた。  大多数が攻撃やイスラム教シーア派とスンニ派の宗派対立などの犠牲者とみられる。憲法に基づく新政府が発足し、米政府が主導した民主化プロセスは完了したものの、治安の泥沼化が進むイラクの現状があらためて浮き彫りになった。  米CNNによると、遺体のほとんどが頭部などを撃ち抜かれ、放置されていた。うち約400人は身元が不明のまま。  保健省のまとめには、武装勢力の爆弾テロによる死者数は含まれておらず、BBCは「実際の死者数はさらに多い」との見方を伝えた。  マリキ首相は治安改善の鍵を握る内相、国防相の選定を急いでいるが、各派の対立が続き合意のめどはたっていない。  イラクでは6日もテロが続き、首都北方のバクバ近郊では男性9人の頭部が箱に詰められて放置されているのを警察が発見。AP通信によると、自動車爆弾テロや学校の襲撃などで、全土で少なくとも計30人の死亡が確認された。(カイロ共同) 毎日新聞 2006年6月7日 8時26分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060607k0000e030006000c.html *0606 イラク、武装勢力2500人釈放…スンニ派が多数 [読売]  【カイロ=柳沢亨之】イラクのマリキ首相(イスラム教シーア派)は6日、バグダッドで記者会見し、国内の刑務所に収容されている武装勢力ら計2500人を釈放すると発表した。  その多くはスンニ派の武装勢力で、シーア、スンニ両派の宗派対立を緩和する狙いとみられる。一度にこれだけの数の釈放発表があるのは異例で、5月にマリキ首相率いる本格政府が発足してからは初めて。  マリキ首相は、2500人について「武装闘争を放棄する」との誓約書に署名したか、または証拠不十分のため、釈放を決めたと説明。今回の釈放が「国民融和に役立つ」と語った。 (2006年6月6日22時0分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060606i516.htm *0605 イラク:武装集団が輸送会社襲撃、従業員ら50人拉致 [毎日]  【カイロ高橋宗男】イラクからの報道によると、バグダッドで5日、警察の制服を着た武装集団が複数の輸送会社に押し入り、従業員やバスの乗客ら約50人を拉致した。  地元通信社アスワット・イラクが伝えた目撃者情報によると、武装集団は内務省の車に酷似したピックアップトラック5台で現場に乗り付け、輸送会社を包囲。経営者や従業員、シリア人を含むバス乗客らを拉致した。  現場は複数の輸送会社が集中するバグダッド中心部のサルヒヤ通り。輸送会社は、イラクの治安悪化を受けシリアやヨルダンに避難する住民向けに長距離バスを手配している。  イスラム教スンニ派住民はシーア派主体の警察組織がスンニ派住民を無差別拘束し、虐待や殺害を繰り返していると批判している。一方、内務省は「制服は闇市場で容易に入手できる」と反論、武装集団が警察を装っていると強調している。 毎日新聞 2006年6月5日 23時38分 (最終更新時間 6月6日 0時41分) URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060606k0000m030145000c.html *0603 「虐殺疑惑解明、米に任せるな」イラク独自捜査へ [読売] イラク情勢  【カイロ=岡本道郎】イラク西部ハディーサなどで明るみに出た駐留米軍によるイラク民間人虐殺疑惑は、2003年4月のフセイン政権崩壊以降、度重なる米兵の暴力や囚人虐待などで高まってきたイラク国民の反米感情をさらに増幅させた。  5月20日に発足したばかりのマリキ新政権は、苦しい立場に追い込まれている。  宗派対立がくすぶり、自前の治安体制構築を指揮する治安閣僚ポストもいまだ決まらない中、マリキ首相は米軍即時撤退を求める訳にもいかず、「完全主権を持つ本格政府」の表看板とは裏腹に、その無力ぶりを改めて印象づけた。  虐殺疑惑を見るイラク国民の目には、アブグレイブ刑務所での囚人虐待など過去の疑惑に向けたのとは違う視点がある。自らが選んだ本格政府の存在だ。  「本当に国民統一政府だと言うなら、イラク国民に対する米軍の暴力をやめさせろ。できないなら不信任だ」。バグダッドの旅行会社勤務サイド・ラジャブさん(46)(イスラム教スンニ派)は米軍非難だけでなく、イラク政府の「責任」を明確に指摘した。  シーア派の商店主ハイダル・ムハンマドさん(32)も、「米軍捜査では、アブグレイブの際のように米兵の処罰が軽くなる。イラク政府が捜査するべきだ」と主権国家としてのイラクが直接法の裁きを下すべきだと要求する。  マリキ首相もこうした世論を意識し、2日、ハディーサでの虐殺疑惑を「嫌悪すべき犯罪」と非難、米軍側に捜査結果の開示を求めた。ロイター通信によると、首相側近のアドナン・カジミ氏は3日、バグダッド北方のイスハキで3月に起きた住民殺害事件について問題はなかったとする声明を米軍が発表したことを「不公正」と批判、独自捜査への意向を示すとともに、米側に謝罪と補償を求める考えを明らかにした。  ただ、現政権としての対応が限られていることは明らか。  宗派対立がくすぶる中、現段階での米軍撤退要求は、内戦の危険性を一気に高めるだけに、選択肢となり得ないことは衆目の一致するところだ。イラク政府による疑惑の独自捜査が実質的に可能かどうかも、極めて疑問だ。  マリキ首相は、治安を依存する米軍と国民感情との板挟みの中で、困難なかじ取りを迫られそうだ。 (2006年6月3日22時36分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060603id27.htm *0601 バスラに非常事態宣言、シーア派の内部対立で情勢緊迫 [朝日] 2006年06月01日15時21分  イラクのマリキ首相は31日、治安が悪化している南部の都市バスラに非常事態宣言を発令した。市内に検問を設け、治安部隊を増強するという。ロイター通信によると、バスラを訪問した同首相は「治安対策を1カ月間強化して違法な武器を押収し、その間に事態を打開するよう求める」と語った。  バスラの治安悪化の原因は、シーア派内の勢力争い。イラクでは宗派や民族間の対立だけでなく、同じ宗派の中での抗争も激しくなっていることが浮き彫りとなった。  バスラ周辺は油田地帯で、イラク唯一の石油積み出し港もあり、イラク経済の生命線といえる地域だ。シーア派が多数を占め、スンニ派武装勢力の侵入を防いできたことから、これまで治安は比較的安定していた。  だが、石油の利権などを巡り、シーア派のイスラム革命最高評議会(SCIRI)やサドル師派、ファディーラ党などの間の対立が深刻化。大規模なテロや攻撃はまだないものの、石油の密輸が横行し、殺害や拉致、治安維持を担当する英軍への攻撃も起きている。  イラク政府は、バスラの石油・港湾施設が機能不全に陥るとイラク経済全体に影響する、と恐れている。マリキ首相は同日「ギャングには鉄拳を下す」と強い調子で語った。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0601/012.html *0531 1日に50人以上死亡 イラク各地で衝突やまず [朝日] 2006年05月31日10時19分  イラク各地で30日、テロや衝突が相次ぎ、AFP通信のまとめで少なくとも53人が死亡した。バグダッド北方のフセイニヤでは同日夕、市場で自動車爆弾が爆発し、買い物客ら22人が死亡。中部ヒッラでも駐車場で自動車爆弾が爆発し、12人が死亡するなど、市民を狙った無差別テロが続いた。  イラクの治安状況は一向に改善しないが、発足したばかりの正式政府では各派の対立から、治安を担当する内務相と国防相が決まらない状態が続いている。マリキ首相は30日、「6月4日の議会までに各派が候補者を決められなければ、私が推薦する人物の承認を議会に求める」と、ロイター通信に述べた。  さらに、昨年11月に西部ハディサで米海兵隊員らが無抵抗の市民24人を殺害したとされる問題について「意図的なものとは思わないが、間違いにも限度がある」と批判。「間違いはハディサだけではない。(米軍が)事件の責任を明らかにすることを求める」と語った。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0531/005.html *0529 イラク:短パンは反イスラム 過激勢力が警告 [毎日]  【カイロ高橋宗男】短パン姿の男は殺される--。バグダッドで、こんなうわさが急速に広がっている。イスラム教スンニ派の過激な勢力が肌を露出する短パンを「反イスラム」とみなし、「不信心者に死を」と呼びかけているためだ。イラクはかつて中東で最も世俗的な国の一つとされたが、イラク戦争後、急速に進行する社会のイスラム化に市民の懸念が強まっている。  「この地域はすでにイスラム国家の一部となった」。バグダッド西部アメリヤ地区で今月上旬、「イラクの聖戦アルカイダ組織」に関係するとみられる武装集団がイスラム国家の建設を宣言するビラをまいた。  それによると、武装集団は、▽住民に対し、イスラムの原理の順守▽女性に対し、外出時にヘジャブ(頭髪を隠すスカーフ)着用▽男性に対し短パン姿での外出や、西洋風の髪形の禁止--を命じている。  地元テレビによると、バグダッド西部マンスール地区で24日、男性2人が走行中の車から銃撃を受けて死亡。英BBC放送は25日に同西部サイディヤ地区でテニスコーチと選手2人が射殺されたと伝えた。殺害された5人がいずれも短パン姿だったことから、市民の間に不安が広がった。  バグダッドではこれまでもポップ音楽を流すCD店や酒屋の襲撃など、過激なイスラム主義者によるとみられる事件が発生してきた。アメリヤ地区の運転手、タハ・ハディさん(32)は毎日新聞助手に「我々はいまやイスラム主義者に占領された」と語った。 毎日新聞 2006年5月29日 10時13分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060529k0000e030016000c.html *0526 イラン:外相がイラク訪問、新政府支持と復興支援表明 [毎日]  【テヘラン春日孝之】イランのモッタキ外相は26日、隣国イラクを訪問した。マリキ首相やタラバニ大統領と会談し、20日に発足した新政府への支持と復興支援を表明し、両国関係の一層の緊密化をアピールするものとみられる。  両国はイラン・イラク戦争(80~88年)などで敵対してきたが、03年のフセイン政権崩壊により関係改善が進んでいる。イラン閣僚のイラク訪問は、昨年8月のアフマディネジャド政権発足以来初めて。モッタキ外相は、27日にはイラク南部のイスラム教シーア派の聖地ナジャフやカルバラを訪問する予定だ。 毎日新聞 2006年5月26日 22時37分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060527k0000m030136000c.html *0524 イラクで爆弾テロや銃撃が連続、41人死亡 [朝日] 2006年05月24日10時22分  イラクの混乱が拡大している。23日もバグダッドを中心に爆弾テロ6件や銃撃事件が連続し、AP通信などによると死者41人、負傷者100人近くにのぼった。同日夜に首都のシーア派モスクへの爆弾テロで11人が死亡したほか、繊維工場の労働者や農場の日雇い作業員が乗ったバス、たばこ店や自宅前で立ち話をしていた市民への銃撃など、テロの無差別化がますます進行している。  AFP通信はイラク国防省高官の話として、正式政府が樹立された20日からの3日間でテロが増え、計607件の襲撃事件により市民だけで98人が死亡、280人が負傷したと伝えた。この間、武装勢力85人が米軍とイラク治安部隊に殺害されたという。  また、23日に発表された国連報告によると、イラクでの死者は3~4月だけで約2500人、住む家を追われたり逃げ出したりした人は約8万5000人に達したという。  カリルザード米大使は同日、米CNNで「アンバル州の一部がテロリストと武装勢力の制圧下にある」と認めた。スンニ派住民が多い同州では、米軍が多大な犠牲を払って掃討作戦を続け、いったんは武装勢力の弱体化に成功していた。しかし最近、再び武装勢力が攻勢を強めているという。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0524/003.html *0523 イラクのキリスト教徒 国外へ [赤旗]  【カイロ=松本眞志】イラク戦争後の宗教的理由による暴力の広がりで、イラクのキリスト教徒コミュニティーやキリスト教を信仰する少数民族が危機にさらされていると伝えられています。  カタールの衛星テレビ・アルジャジーラの電子版十四日付によると、国際宗教的自由米国委員会(USCIRF)は今月初め、「宗教的理由を口実とした迫害による(民族の)移動に伴い、二千年来イラクに住み続けてきたキリスト教徒のコミュニティーは消滅するかもしれない」と報告しました。 古くから居住  キリスト教徒は、イスラム教が広まるはるか以前から、イラクで生活を営んできました。一九八〇年代初め、イラクのキリスト教徒の人口は百四十万人を数えていたとされます。しかし八〇―八八年のイラン・イラク戦争や、九〇年の湾岸危機と九一年の湾岸戦争後の経済制裁がもたらした困窮により、キリスト教徒の一部が国外に移住する状況が生まれました。  それでもフセイン政権の時代にはキリスト教徒は信仰の自由が広く認められていました。ところが二〇〇三年のイラク戦争後、キリスト教徒たちが宗教的迫害を恐れ、数万人規模で国外に逃れるケースが増えているといわれています。  ローマ法王庁から派遣されて中東地域で勤務しているミカエル・シビタ氏は、「イラク戦争でフセイン政権が崩壊して以降、キリスト教徒に対する社会的差別が存在するようになり、過激派グループの標的となっている」と指摘します。  〇四年八月、首都バグダッドやモスルの北方にあるアルメニア人、アッシリア人、カルデア人の五つの教会が襲撃され、十数人が殺害されました。この年、ほかにも九カ所の教会が襲撃され、キリスト教徒が住む家に、イスラム法を順守し、女性にイスラム教徒の服装をするよう警告するリーフレットが配布されるなどの事態も起きています。 商店にも放火  狙われたのは教会だけではありません。アルコール類や音楽テープ、コンパクトディスクを販売する店の経営者は、ほとんどがキリスト教徒です。イスラム法を強要するグループによって、これらの店が放火される事件も発生しました。事件直後、四万人のキリスト教徒がシリアに、数千人がトルコに逃れたといわれています。  シビタ氏は、現在イラクにとどまっているカルデア人、古代シリア人、アルメニア人からなるカトリック・キリスト教徒は三十万人以下になったと語っています。 URL:http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-05-23/2006052306_01_0.html *0522 イラク政権発足後もテロやまず 死者30人超す [朝日] 2006年05月22日22時11分  イラクでは、新政権発足後も治安に改善の兆しはみられず、各地で続く爆弾テロや銃撃により、21、22両日の死者は30人を超え、負傷者も80人以上に達した。  現地からの報道によると、22日朝、バグダッドの市場で道路に仕掛けられた爆弾が爆発し、少なくとも3人が死亡、12人が負傷した。  21日昼には、警察幹部が集まる首都のレストランに入ってきた男が自爆。警察官ら13人が死亡、18人以上が負傷した。アルカイダ関連組織とされる「聖戦士評議会」が同日、犯行声明をネット上で出した。  また南部ナジャフでは、首を切断された女性の2遺体が見つかった。  両日の爆弾テロは計6件にのぼり、検問所や石油関連施設を武装勢力が襲撃する事件も連続した。いずれもスンニ派武装勢力の攻撃の特徴を示している。一方、マリキ首相が、組織解体と正式な治安部隊への編入方針を打ち出しているシーア派民兵によるとみられるテロは、ここ数日、影をひそめている。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0522/010.html *0521 市民4万人前後が犠牲に 正式政府発足の日もテロ [朝日] 2006年05月21日01時08分  イラクの正式政府が発足した20日、バグダッドなど各地で爆弾テロが相次ぎ、少なくとも24人が死亡した。射殺体などの遺体19体も見つかり、治安改善の兆しは一向に見えていない。米英の非政府組織イラク・ボディーカウントは、市民の犠牲を4万人前後と推計。ロイター通信などによると、03年以降米兵2454人、英軍など米軍以外の多国籍軍222人が死亡。イラク治安部隊でも03年6月以降、4671人が命を落としている。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0520/011.html *0520 イラク正式政府が発足 フセイン政権崩壊から3年ぶり [朝日] 2006年05月20日21時39分  イラクに20日、正式政府が誕生した。首相に指名されていたイスラム教シーア派のマリキ氏が提出した閣僚名簿を国民議会が賛成多数で承認した。憲法制定と選挙実施を主な任務とした移行政府に代わり、03年春のイラク戦争でフセイン政権が崩壊してから3年1カ月ぶりに、イラクは独自の憲法に基づく議会と政府を持つ国家として再出発した。  最大の課題である治安を担う内務、国防などのポストは最後まで決まらず、首相と副首相が兼務した。閣僚ポストをめぐる各政治勢力の対立解消は先送りして、政権発足の形を整えた。  米軍を中心とする多国籍軍のイラク駐留期限は、国連安保理決議により06年末までと決められている。イラク側の要請で期限を短縮できるが、多国籍軍に代わって治安を担うはずのイラク治安部隊が、宗派の利害から抜け出すめどは立っていない。  日本政府は、南部サマワに展開する陸上自衛隊の撤退について4条件を設けていた。正式政府の発足は前進だが、すべての条件がクリアされたわけではなく、撤退の判断にはなお時間がかかる可能性がある。  承認直後の演説でマリキ新首相は、まず「治安問題に断固たる決意で対処する」と強調。また「政治プロセスに進展があるまで、多国籍軍については国連安保理決議に従う」と述べ、当面は駐留継続を求める姿勢を示した。  正式政府の閣僚ポストは首相、副首相を含め40。兼務があるため37人(うち女性4人)となった。シーア派の「統一イラク連合(UIC)」18人、「クルド同盟」6人、スンニ派「イラク合意戦線」5人、アラウィ元首相の「国民イラクリスト」から5人。不明3人。  このうち、少数派からはキリスト教徒2人、トルクメン人が1人いる。多数派のシーア派による独占ではなく、議会勢力に応じた「挙国一致」の態勢がとられた。  ただ、国民議会ではスンニ派2派が相次いで組閣に異議を唱え、一部議員が議場を出る場面もあった。  イラクでは宗派対立による国内避難民は10万人に達し、国を脱出する国民は後を絶たない。民兵や治安組織による「私刑」が続き、警察や治安部隊を信用できない住民は、街区を封鎖し自警団を組織している。また、電気の供給は首都でも1日1時間ほどに減り、ガソリンなど燃料の不足も深刻化している。       ◇  〈新生イラクの政治体制〉 議会制民主主義をとる共和国体制で、大統領、内閣、国民議会(定数275)で構成する。いずれも任期4年。議会の権限が非常に強いのが特徴で、議会解散権、首相罷免、大統領解任の権限も議会が握る。解散は、議員の3分の1または首相の要請、首相罷免は議員の5分の1または大統領の要請、大統領の解任は、最高裁による大統領の憲法違反などの確定判決に基づき、いずれも議会の絶対多数の賛成のうえで認められる。大統領は象徴的な存在で、行政の実質的な権限は首相に集中している。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0520/010.html *0517 イラク:パレスチナ難民が国境地帯の砂漠で立ち往生 [毎日]  【ジュネーブ澤田克己】宗派・民族対立が激しさを増し、治安悪化に歯止めのかからないイラクから逃れようとしたパレスチナ難民が隣国シリアへの入国を拒まれ、国境地帯の砂漠で立ち往生している。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)がシリア政府に受け入れを働き掛けているが、事態打開のめどはたっていない。  UNHCRによると、13日に67人、14日に54人が入国を拒否された。難民数はその後も増え続け、17日現在、230人余が国境地帯で行き場を失っている。イラクにはバグダッドだけで約2万3000人のパレスチナ難民が暮らしており、多数がシリア国境へ向け移動しているとの情報があるという。  パレスチナ難民はフセイン政権から保護されていたとしてイラク人から恨みを買い、03年4月の同政権崩壊後は迫害の対象になった。特に今年2月にイラク中部サマラで起きたイスラム教シーア派聖廟(せいびょう)爆破事件以降、バグダッドに住んでいた100世帯以上に殺害予告の手紙が届くなど、パレスチナ人に対する攻撃や中傷が激しくなった。  身の危険を感じ、イラク脱出を目指す一部の難民が3月からシリアへの入国を求めて国境近くに集まり、テント生活を続けていた。シリアは今月9日に約250人の入国を認めたが、その後、理由の説明もなく、「これ以上の難民は受け入れない」と表明、UNHCRの働きかけにもかたくなな姿勢を崩していない。  UNHCRなどが国境地帯のイラク側に支援物資を届けるのは困難で、難民たちは極めて厳しい状況に置かれているという。UNHCR関係者は「シリアは大量のパレスチナ難民が殺到するのを懸念しているようだが、受け入れてくれるようなんとか説得したい」と話している。 毎日新聞 2006年5月17日 21時38分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060518k0000m030132000c.html *0517 2日間で94人死亡 イラク各地で襲撃相次ぐ [朝日] 2006年05月17日11時10分  イラクで15日から16日にかけて各地でテロや襲撃が続発し、AFP通信によるとイラク人計94人が死亡。また米軍によると14、15両日の交戦で武装勢力41人を殺害した一方、米兵9人が死亡した。治安が比較的落ち着いていた中部アンバルやモスルなどスンニ派の多い州で、再び攻撃が活発化している。  現地の報道によると16日、バグダッドのシャアブ地区の市場で、ミニバスから降りた男が突然、銃撃を始め5人を射殺。人が集まったところで車が爆発した。さらに近くにあった石油タンク車に引火して大爆発を起こし、女性や子供など18人が死亡した。これを含め計56人が死亡した。  15日には、北部モスルで家に押し入った男たちに一家6人が射殺されたほか、バグダッド東方の町では教師4人が虐殺されるなど、各地で計38人が死亡した。  米軍は、イラク・アルカイダ機構のザルカウィ幹部が潜むとみられる首都南方で掃討作戦を展開しており、武装勢力の反撃も激化している。14日にはユスフィヤで米軍ヘリが撃墜され米兵2人が死亡、アンバル州や首都でも米兵4人が爆弾などで殺害され、15日も米兵3人が死亡した。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0517/003.html *0514 イラクで爆弾テロ続発、41人死亡 [朝日] 2006年05月14日21時39分  イラク各地で13日深夜から14日にかけ、爆弾攻撃や襲撃が相次いで発生し、現地報道や米英軍によると英兵2人を含む計41人が死亡した。正式政府の組閣作業はこの日、内務、国防、石油などの重要ポストを巡って各派の対立がますます鮮明になり、内閣発足のめどは立っていない。  14日、バグダッド国際空港に向かう道路の検問所で自動車2台が爆発、米軍によるとイラク人14人が死亡した。自爆とみられるという。また、シーア派強硬派サドル師派と英軍との衝突が続く南部バスラで13日夜、道路脇の仕掛け爆弾により英兵2人が死亡した。  また首都北方80キロの町ウダイムでは14日、移行政府のゼバリ外相の護衛2人が車で移動中、道路脇の仕掛け爆弾で死亡した。外相は車に乗っておらず、無事だった。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0514/010.html *0513 イラク避難民10万人 身元不明遺体、首都で毎日50体 [朝日] 2006年05月13日03時05分  バグダッドで見つかる身元不明の遺体が、シーア派聖廟(せいびょう)爆破事件のあった2月末以降、1日平均50体近くに上ることが12日わかった。大半がシーア派とスンニ派の宗派衝突の犠牲とみられる。脅迫や襲撃で家を追われた避難民は全国で10万人規模に。首都の住民は、街区をバリケード封鎖し、武器を手に自衛を始めた。  正式政府の樹立をにらみ、米軍など多国籍軍の削減や撤退、治安権限のイラク側移管が議論されているが、その受け皿となる治安機関への国民の信頼は地に落ちている。  バグダッド中央遺体安置所によると、2月22日から5月11日までに収容された身元不明の遺体は3863体。4月は1550体と特に多かった。大半が路上やゴミ捨て場、砂漠で見つかった。5月11日だけで56体が運び込まれ、2体は頭部を切断されていたが、警察は一切発表していない。  遺体は、スンニ派武装勢力、内務省の秘密組織「死の部隊」やシーア派民兵が拉致・拷問の末殺害した暗殺と、仕掛け爆弾や銃撃戦に巻き込まれた被害者に大別される。タラバニ大統領は5月10日、4月に1091体と発表したが、これは暗殺に限った数字だという。  一方、イラク移民難民省によると、居住地から追い出された国内避難民は、5月上旬現在で1万4750世帯に達した。4月中旬の6500世帯に比べ2倍以上だ。  同省は、人数を約9万5000人と推定。これはテントや食糧の支援を求めて登録した世帯だけで、親類や知人を頼って移住した世帯を含めると、実数は10万人を大きく超えると同省幹部はみる。  宗派の混住地域から、シーア派は南部、スンニ派は中西部のそれぞれの宗派が多く住む地域に移動しており、宗派のすみ分けが進んでいる。  バグダッドの多くの街区にはコンクリートブロックのバリケードが築かれ、「警官立ち入り禁止」の表示も多い。  西部アミル地区は2月末以後、3、4軒で1人を出すシフト制を敷き、午後10時以降、地区の入り口に近寄るすべての車に警告のうえ銃撃する。  5月4日夜、進入を図った車2台と銃撃戦になり、住民が片足を失った。自警団長の元石油省職員(63)は「外出禁止令下の深夜に堂々と車で襲撃できるのは警官以外にない。米軍のほうがまし。捕まっても殺されはしない」と話した。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0513/003.html *0512 イラク本格政権、来週以降に…枢要ポスト争奪戦激化 [読売]  【カイロ=柳沢亨之】イラクの本格政府樹立に向けた組閣作業は土壇場に来て各派間の交渉が難航、マリキ次期首相が目指していた11日中の交渉妥結は絶望的で、来週以降にずれ込むとの見方が強まってきた。  内務、国防など枢要ポストの争奪戦が一層激化していることが背景にあるが、各派は新政府発足後の任期4年間を見据えた権益確保を狙っているだけに、交渉は激烈を極めている。  クルド同盟の国民議会議員は11日、本紙に「15日の組閣を目指している」と語った。各派はこれまでに、〈1〉閣僚数は35前後〈2〉議席数にほぼ比例したポスト配分――の2点で合意。閣僚名簿の作成もほぼ終了したが、内務相、国防相の両治安関係ポストと石油相の計3ポストが最大の争点になっている。  中でも内相人事は、現内務省のイスラム教シーア派部隊がスンニ派虐殺に関与しているとされるだけに混乱している。シーア派会派「統一イラク同盟」出身のマリキ次期首相は、スンニ派を納得させるため、実務者の起用を公言、党派色が薄いカシム・ダウド氏の起用が一時有力視された。  だが、統一同盟内の強硬派サドル師派が「ダウド氏は2004年の同師派掃討作戦に関与した人物」と猛反発するなど、組織内で候補が絞り切れていない。サドル師派はジャビル現内相の続投を求めているが、今度はこれにスンニ派が反発するという悪循環だ。 (2006年5月12日0時17分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060511id24.htm *0510 4月だけで遺体1091体、暗殺の犠牲者 イラク [朝日] 2006年05月10日23時35分  イラクのタラバニ大統領は10日、首都バグダッドで見つかった「身元不明遺体や、その属する宗派を理由に殺害された遺体」が、4月だけで1091体にのぼったとする声明を発表した。  声明によると、検視当局の報告で、遺体は死ぬ前に激しい拷問を受けたり、死後に損壊されたりしている。犯人はほとんど捕まっておらず、現在も同じ犯罪が続けられていると指摘している。  大統領は、こうした治安上の危機を指摘することによって、新政府の内務相ポストを巡って難航する各派を強く牽制(けんせい)、早期の決着を促す意図があるとみられる。  遺体の多くは、首都の路上やゴミ捨て場で、身元不明で発見されるが、後にスンニ派と判明することが多い。シーア派が支配下におく内務省の秘密組織「死の部隊」や、シーア派民兵組織に拉致された後、虐殺されているとみられる。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0510/014.html *0510 イランの駐イラク大使、26年ぶりに復活 [読売]  【テヘラン=工藤武人】イラン国営テレビによると、イランのハサン・カゼミコミ駐イラク大使が9日、イラクのタラバニ大統領に信任状を提出した。  イランは、イラクとの関係が悪化した1980年から大使を置いていなかったが、カゼミコミ氏の着任で26年ぶりに駐イラク大使が復活した。  カゼミコミ新大使は駐イラク代理公使から昇格した。両国は2003年のフセイン政権崩壊後、急速に関係改善を進めており、イラク南部バスラの領事館も、近く26年ぶりに業務を再開する予定だ。 (2006年5月10日12時36分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060510id02.htm *0509 イラク:爆弾事件や殺害で遺体発見相次ぐ、34人が死亡 [毎日]  イラクで8日、爆弾事件や、殺害されたとみられる遺体の発見が相次ぎ、AP通信によると、少なくとも34人の死亡が確認された。  首都バグダッドなどでは、テレビ局に勤めるジャーナリスト2人を含め、21人の遺体が見つかった。  ジャーナリスト2人は首都の南西で7日に警官の制服を着た男たちに拉致されたという。  このほかにも、首都の裁判所近くで車爆弾が爆発し、5人が死亡したり、高等教育省職員の乗ったバスが武装勢力に襲われて運転手が殺害されるなどした。(カイロ共同) 毎日新聞 2006年5月9日 8時30分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060509k0000e030005000c.html *0507 イラク:連続車爆弾で30人死亡 42人の拷問遺体も [毎日]  イラク中部のイスラム教シーア派聖地カルバラと首都バグダッドで7日、車爆弾が相次いで爆発、ロイター通信によると計30人が死亡した。  イラクでは新首相に指名されたマリキ氏が進める連立協議が大詰めを迎えており、シーア派とスンニ派の宗派対立をあおって政治プロセスの進展を妨害しようとする勢力の犯行とみられる。  また内務省によると、首都では6日から7日にかけ、拷問の末に銃殺されるなどした42人の遺体が見つかった。  カルバラでは中心部のバスターミナル付近で7日午前、車爆弾の爆発で21人が死亡。首都のスンニ派地区でも、イラク軍の車列を狙った車爆弾攻撃でイラク兵ら8人が死亡し、首都北部でも同様の爆発でイラク人1人が死んだ。負傷者も3件で70人以上に達した。  一方、南部バスラで6日に英軍のヘリコプターが墜落した事件で、現場で発生した英軍と武装勢力との銃撃戦によるイラク人の死者は5人になった。(カイロ共同) 毎日新聞 2006年5月7日 19時51分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/mideast/news/20060508k0000m030067000c.html *0507 イラクでテロ相次ぐ、計83人死亡 新閣僚発表に反発か [朝日] 2006年05月07日21時13分  イラク各地で6日から7日にかけ、自動車爆弾が4件連続して計13人が死亡するなどテロが相次ぎ、暗殺を含め、2日間で計83人の遺体が見つかった。米軍が首都周辺でイラク・アルカイダ機構のザルカウィ幹部拘束作戦を強化する一方、正式政府の新閣僚が9日にも発表される予定で、これらに反発するスンニ派武装勢力が反攻を強めているとみられている。  衛星テレビ局アルジャジーラによると、7日朝、中部のシーア派聖地カルバラとバグダッドで4件の爆弾テロが発生。市民や警官ら13人が死亡した。また、7日昼までの24時間で見つかった暗殺遺体は51体にのぼったという。  AP通信によると、南部バスラで6日に起きた英軍ヘリ墜落では、乗員の死者が5人になった。その後、救出に向かった英軍と、現場に集まったシーア派強硬派サドル師派とみられる約250人の群衆との間で銃撃戦が発生。子ども1人を含むイラク人5人が死亡、30人以上が負傷し、英軍装甲車3両が放火された。この事件を含む6日の死者は、イラク全土で19人とみられている。  一方、米軍広報官のリンチ少将は5日のバグダッドでの会見で、4月末に初めてインターネット上で姿をみせたザルカウィ幹部のビデオの未編集素材や文書を、首都南方ユスフィヤで見つけたと発表。「(同幹部の)確保は時間の問題だ」と述べた。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0507/011.html *0503 駐イラク米軍、武装勢力100人殺害 混乱続く [朝日] 2006年05月03日20時14分  新政府の組閣に向けた交渉が難航するイラクで、再び衝突が激化している。自爆テロや襲撃、暗殺が続き、アラブメディアや米軍によると、2、3両日で計80人が死亡した。一方、米軍とイラク治安部隊は中部ラマディで、100人超の武装勢力を殺害。武装勢力側も南部のポーランド軍基地を砲撃するなど、混乱が続いている。  特に、バグダッドとイスラム教スンニ派が多いアンバル州が荒れた。3日朝、同州のファルージャの警察署で警官募集の群衆に紛れた男が自爆。18人が死亡、20人が負傷した。  2日にも西隣のラマディで、同州のアルワニ知事の車列を狙った自爆テロがあり、市民10人が死亡、護衛ら5人が負傷した。知事は難を逃れた。同知事への暗殺未遂はこれで9回目といい、過去の知事の多くも殺されたり脅迫されたりして交代している。  また、初のスンニ派だけからなるイラク兵養成クラスを卒業したばかりの新兵4人が2日、殺された。  3日朝にはバグダッド北部で、拷問の末銃殺されたとみられる20~30代の男性14人が遺体で見つかるなど、イラク全土で計48遺体が見つかった。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0503/013.html *0502 イラク市民の犠牲 2万人 50万人が避難生活 [赤旗]  【カイロ=松本眞志】イラクでは、正式首相候補の選出などの問題をめぐる政治空白の四カ月間で暴力事件が増大し、暴力を避けるために約五十万人が避難民化しているとされています。  汎アラブ紙アルハヤト四月三十日付は、昨年十二月の国民議会選挙後、爆弾テロや宗派間の暴力などが原因で一万九千五百四十八人が死亡し、一万五千四百六十人が負傷したと報じました。イラクの民間調査機関「暴力のないイラク・ネット」の報告書によるもの。  「自由の対価」と題するこの報告書は、二千三百五十五人の子ども、四千九百五十六人の女性が殺害され、二千七百三十八人の子ども、三千九百七十一人の女性が傷ついたとしています。死者、負傷者とも約四割が子どもと女性です。  同調査機関の責任者シェイク・ジャラル・ハサナウィ氏は、四カ月間で三千五百四十七件の事件が目撃され、このなかには、殺害、誘拐、宗派間の暴力、モスクなどを標的とした軍事攻撃、爆弾テロなどが含まれるとしています。  同機関の報告によると、死者、負傷者ともに一番多いのが首都バグダッドで、それぞれ九千九百三十四人と九千五人。死亡者の数では、ディヤラ州の二千百八十一人、アンバル州の千七百六十二人がこれに続きます。  こうした状況のなか、イラクのアディル・アブデルマハディ副大統領は二十八日、約十万家族、五十万のイラク人が、宗派間の暴力を避けるために避難民として生活していると発言。難民はシーア派にもスンニ派にもいる。われわれはこの状況を受け入れることはできない」と語りました。 URL:http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-05-02/2006050207_02_0.html *[[●イラク06Ⅰ]] から続く

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