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#contents *[[■政局]] へ続く *0426 福田元長官:総裁選で沈黙破る 「アジア外交」争点化も [毎日]  自民党の福田康夫元官房長官が25日の講演で、父の故赳夫元首相の「福田ドクトリン」を発展させた対アジア基本政策を発表する考えを表明したことは、政治的アピールを極力控えてきた従来のスタイルから一歩、踏み出したものだ。総裁選をめぐっては同じ森派の安倍晋三官房長官が本命視されているが、衆院千葉7区補選の自民敗北を受け、後ろ盾の小泉純一郎首相の影響力低下が指摘されている。補選直後の発言だけに「アジア外交」を争点に出馬意欲を示したもの、との受け止め方が党内に広がっている。  最近の福田氏は総裁選について沈黙を守りながらも、外交関係では活発に動いている。25日は訪日中のキッシンジャー元米国務長官と会談し、日中関係の改善が必要との認識で一致。3月には訪韓し盧武鉉(ノムヒョン)大統領と会談、大型連休には中東諸国訪問を計画している。  「福田ドクトリン」は77年に福田元首相が表明したもので、軍事大国化の否定--などが柱。この構想の発展をめぐっては02年1月、東南アジアを歴訪した小泉首相も福田氏と同様の考えを示し「東アジア拡大コミュニティー構想」を提唱している。しかし「新ドクトリン」にあえて言及したのは、靖国問題で中国、韓国との関係悪化を招いた小泉政権との違いを際立たせる狙いがのぞく。  事実、福田氏が沈黙を保つ中で「待望論」はじわりと自民党内や財界で広がっている。小沢一郎代表の誕生を受けた民主党の補選勝利などの状況変化も追い風。財界幹部は24日、森派幹部に「日中関係を打開するためにも、次期首相には福田氏が望ましい」と伝えた。各種世論調査でも、福田氏は「次期首相にふさわしい政治家」として安倍氏に次ぐ位置にある。  今回の発言に党内には「安倍氏と争って森派を割ってまで出馬に踏み切ることができるのか」(谷垣派幹部)と依然として、出馬の可能性は低いとみる声も根強い。ただ、ベテラン議員も含め派閥横断的な擁立論が刺激されることは間違いなく、福田氏としてはギリギリまで出馬の是非を見極めたい考えのようだ。【高山祐、田所柳子】 毎日新聞 2006年4月26日 3時00分 (最終更新時間 4月26日 7時01分) URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/news/20060426k0000m010164000c.html *0425 5周年の小泉政権、「よい」46% [朝日] 2006年04月25日23時03分  小泉政権は26日で発足5周年を迎える。懸案の不良債権処理は進み、財政出動に頼らない景気回復に道筋がついた。一方で社会には「格差拡大」や「将来不安」といった意識も広がり始め、外交面では中国や韓国との関係悪化が際だつ。日本は今、戦後3番目の長さとなった政権の功罪と向き合う分岐点にある。 小泉首相の魅力は?  「郵政民営化に象徴されるように、一部の既得権益を擁護するような勢力は、ぶっ壊した」  首相は25日、首相官邸で記者団から「自民党をぶっ壊すという公約は実現したか」と聞かれ、「経世会(旧竹下派)の支援がなくして初めて総裁になった。古い自民党はぶっ壊した」と語った。「ぶっ壊した」を4回繰り返して、改革の成果を強調した。  首相は「公共事業を削減しても、景気は回復している。これは今まで考えられないことだった」とも語った。  小泉政権の歴代政権との大きな違いは財政出動に頼らず、徹底して公共事業費を抑制し続けた点だ。06年度予算の公共事業費は7兆2000億円と、森前政権が編成した01年度予算より2兆円以上少ない。  不良債権比率も02年3月末に8.4%だったが、3年間で2.9%(05年3月末)に。05年5月に正常化を宣言した。  こうした改革は、所得格差や地域格差を広げたとの指摘も根強い。  経営側は正規労働者を減らし、パートなど非正規労働者を増やした。ニートは60万人、フリーターも200万人超で推移。生活保護世帯数も増加し、04年10月には100万世帯を超えた。  ただ、首相は25日、「格差」批判に「改革を進めなければ逆に格差は固定した。今の格差批判というのは、小泉政権批判の裏返し。『反小泉勢力』が一番使いやすい言葉だ」と反論した。  一方、中国や韓国との関係は冷え切ったままだ。25日には韓国の盧武鉉(ノ・ム・ヒョン)大統領が特別談話で、竹島(韓国名・独島)の領有権問題を歴史認識と絡めて批判した。  これに首相は「冷静に対応していくべきだ」としたが、靖国参拝については「(中韓両国は)一つの問題があるから話し合いに応じないと。私は理解できないし、外国の首脳は『小泉さんは正しい、中国、韓国はおかしい』と言ってますよ」と中韓両国を批判した。     ◇  朝日新聞社が22、23の両日実施した全国世論調査(電話)で、小泉内閣5年の実績全体についての評価を聞いたところ、「よい」が46%で、「悪い」の21%を上回った。この5年間の暮らし向きについては、「悪くなった」が42%で、「よくなった」の18%を超えた。「悪くなった」という人では、それが小泉内閣の政策によるものかどうかで見方が二分した。  小泉内閣の実績については、全体に加え▽経済政策▽行政改革▽社会保障政策▽外交――についても評価してもらった。  「よい評価」が最も多かったのは、郵政民営化などの行政改革で52%。次いで経済政策が36%だった。逆に「よい評価」が最も少なかったのは年金などの社会保障政策で16%。外交は27%だった。  暮らし向きでは20代、30代で「よくなった」と答えた人が約30%いる一方で、50代以上では「よくなった」は10%前後しかいない。年代が上がるほど悲観的な見方が強い。  「悪くなった」という人に「小泉内閣の政策によるものと思うか」と聞くと、「思う」43%、「思わない」45%で見方が割れた。ただ年代別でみると、「思う」は年代が上がるほど多く、60代以上では60%前後と高率だ。小泉改革によって生活が苦しくなったと感じる高齢者が少なくない様子がうかがえる。  「よくなった」という人では、それが政策によるものだと「思う」29%、「思わない」64%。経済政策への評価が「よい」人でも、「思う」は42%で、「思わない」の49%に及ばなかった。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0425/010.html *0425 内閣支持率50%、小沢民主に期待50% 本社世論調査 [朝日] 2006年04月24日23時56分  朝日新聞社が22、23の両日に実施した全国世論調査(電話)によると、小泉内閣の支持率は50%で、3月調査の46%より上がった。女性や若者層の支持が増えたことが大きな要因だ。一方で、新しい代表に就いた小沢氏が率いる民主党に期待する人も50%。新代表就任時の期待度としてはこれまでで最も高く、自民に対抗するしっかりした政党が必要との意識が反映しているといえそうだ。  政党支持率は自民38%、民主17%で、自民は横ばい、民主は前回の13%から昨年10月の水準に持ち直した。  小泉内閣の支持率は、昨年10月の55%から2月の43%まで下がり続け、3月に上昇に転じていた。今回は男性では変わらないが、女性では前回の43%から49%に上昇。年代別では、20代が46%から60%になったのが目立つ。  逆に40、50代の支持率は40%台前半で、とくに男性の40、50代では不支持が50%近かった。  一方、小沢民主への期待度は、菅直人氏(40%)や岡田克也氏(33%)が代表になった当時を上回った。「期待する」人は内閣支持とは対照的に40代で55%と高く、男性の40~60代では、ほぼ6割に上る。自民支持層の中にも「期待する」とした人が40%おり、これも菅氏や岡田氏の当時を上回った。  民主が接戦を制した衆院千葉7区の補欠選挙で朝日新聞社が実施した出口調査によると、自民は女性や若者層、民主は40、50代の支持を集めた。今回の調査でも同じような傾向が浮き彫りになった。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0424/015.html *0424 選挙:衆院補選・千葉7区 民主・太田和美氏が競り勝つ [毎日]  衆院千葉7区(松戸市北部、野田市、流山市)補欠選挙は23日投開票され、民主党公認の前千葉県議、太田和美氏(26)が、自民党公認の前埼玉県副知事、斎藤健氏(46)=公明党推薦=ら4氏を破り、初当選した。投票率は49・63%(05年衆院選64・75%)だった。民主党の小沢一郎代表は初陣を勝利で飾り、「偽メール問題」で失墜した党の再生に足がかりを得た。総力戦で臨んだ自民党には痛い敗北で、今秋の総裁選にも微妙な影響が出そうだ。  ◇自民・斎藤氏に955票差  補選は自民党の松本和巳前衆院議員が陣営の公選法違反事件に絡んで辞職したことに伴い実施された。  民主党の補選勝利は03年4月の衆院東京6区以来。政策面では明確な争点がなく、小泉純一郎首相の最後の国政選挙で勝利して「小泉改革の総仕上げ」につなげたい自民党と、小沢新体制の基礎固めを目指す民主党の「政治決戦」となった。両党とも地元企業、各種団体回りを行うとともに、沿線各駅ごとに国会議員団を配置するなど異例の補選となった。  太田氏は26歳7カ月。自民党の杉村太蔵衆院議員より15日誕生日が遅く、現職では最年少国会議員となる。選挙戦では「自民党が勝てば、地域格差が広がる」と主張。小泉改革の負の面とされる「格差社会」に焦点を当て、「負け組ゼロの社会にしよう」と訴えた。自転車で住宅地や農業地域など選挙区内約374キロを支持者とともに走り、「庶民の味方」をアピールした。  小沢氏も農業地域を遊説し、市街地中心の首相との対立軸を鮮明にすることで、無党派層だけでなく一部の保守層にも食い込んだ。  斎藤氏は過去最多の221人の公募から選ばれたが、立候補表明が遅れたことや、知名度不足による出遅れが序盤戦で露呈。党本部は、安倍晋三官房長官ら「ポスト小泉」候補のほか、「小泉チルドレン」を投入した。公明党の全面支援も受けたが、上げ潮ムードの民主党に及ばなかった。  共産党公認の徳増記代子氏(53)は自民、民主両党を批判して、無党派層への支持拡大を目指したが、浸透し切れなかった。無所属2人は力が及ばなかった。【森禎行】  ◇小沢代表、政権批判の表れ  小沢代表は23日夜、党本部で記者会見した。「ほころびを見せ始めている小泉政治、小泉政権に対する直近の国民の評価だ」と指摘、政権批判が選挙結果に影響したとの見方を強調した。同席した鳩山由紀夫幹事長も「格差がこんなに広がったことに対する怒りのメッセージが(小泉政権)5年間の総括だ」と述べた。 ==============  ●衆院千葉7区確定得票数● 当 87,046 太田和美 =民新<1>   86,091 斎藤健  =自新[公]   14,274 徳増記代子=共新     1530 宮岡進一郎=無新      681 小林崇徳 =無新 ============== 太田和美(おおた・かずみ) 26 民 新(1)  [元]県議[歴]教材販売会社員▽不動産会社社長▽沼南高柳高 毎日新聞 2006年4月24日 東京朝刊 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/senkyo/news/20060424ddm001010002000c.html *0422 森前首相:教育基本法改正案など成立へ「会期延長を」 [毎日]  自民党の森喜朗前首相は22日、札幌市内で講演し、教育基本法改正案と国民投票法案について「国会を延長をしてでもしっかりやってこそ小泉改革は立派に成功したことになる。面倒くさがらず、今年の夏も秋も休まず、戦後日本の総決算を小泉さんの手でやりとげてもらいたい」と述べ、両法案成立のため今国会会期の大幅延長も検討すべきだとの考えを示した。「首相があまり(延長を)やりたくないんじゃないかなという雰囲気がにおってくるのは悲しい」とも語った。  同党の片山虎之助参院幹事長も同日夜、千葉県松戸市での街頭演説で、教育基本法改正案について「100点でないという人がいるが、とにかく70点でも80点でも早くこれを国会に出し、この国会の間にできるだけ物にしていく。どうしても会期が足りないならそこでまた相談する」と、会期延長も辞さない姿勢を明らかにした。 毎日新聞 2006年4月22日 19時14分 (最終更新時間 4月22日 20時39分) URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/news/20060423k0000m010043000c.html *0422 谷垣財務相:日本の財政赤字削減に意欲 G7閉幕後に [毎日]  【ワシントン山本明彦】谷垣禎一財務相は21日、G7閉幕後に福井俊彦日銀総裁と共同会見し、「世界的不均衡改善のため日本は財政再建を含めた構造改革にあたる」と述べ、巨額の財政赤字の削減に取り組む姿勢を強調した。  財務相はG7の焦点になった原油高問題について、「日本の技術を使って(環境への影響が少ない)液化天然ガスの利用を中国で促すといった具体的な議論をした」と説明、G7がより実質的な対応策の検討を進めていることを明らかにした。  一方、福井総裁は世界の成長を阻害する要因となるインフレ圧力について「リスクをはらみながら着実な回復をたどっている」と述べ、引き続き注意が必要との認識を示した。 毎日新聞 2006年4月22日 20時07分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/kaigai/news/20060423k0000m020068000c.html *0422 「ポスト小泉」、福田氏と安倍氏が意欲…森前首相 [読売]  自民党の森前首相は22日、札幌市で講演し、「ポスト小泉」について「福田さん(康夫・元官房長官)は正月を過ぎてから『迷惑なことだ』と言わなくなった。外国に行くなど、いろいろ動きを始めている。意欲が出てきたのか」と述べ、福田氏が9月の総裁選への出馬に意欲を見せているとの見方を示した。  同じ森派の安倍官房長官に関しても、「やるという意欲がにじみ出て、前よりも姿勢が強くなってきた」と語った。  その上で、津島、丹羽・古賀派など4派の会長・代表の会談で森派批判が出たことに触れ、「森派だけが何だとなったら、安倍さん、福田さんにも(批判が)行く」と懸念を示した。  また、森氏は、麻生外相周辺から「手を貸してください」と要請され、「うちには嫁入り前が2人いる」と断ったことも明らかにした。 (2006年4月22日23時31分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060422i215.htm *0421 自民4派会長・代表が会談、総裁選に向け連携で一致 [読売]  自民党の津島、丹羽・古賀、伊吹、高村の4派閥の会長、代表が18日夜に都内の料理屋で会談し、9月の自民党総裁選に向けて定期的に会合を開き、連携していくことで一致していたことが21日、明らかになった。  出席したのは、津島雄二・元厚相、丹羽雄哉・元厚相、伊吹文明・元労相、高村正彦・元外相で、津島氏が呼びかけた。関係者によると、「ポスト小泉」を選ぶ総裁選では、アジア外交の立て直しや、格差が拡大したと言われる社会の現状をどう考えるかといった政策が重要だとして、今後、4派間で情報交換を進め、連携していくことを確認した。 (2006年4月21日13時2分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060421ia01.htm *0418 「格差広がった」6割が指摘…小泉内閣5年で世論調査 [読売]  読売新聞社の全国世論調査(面接方式)で、小泉首相や小泉内閣の5年間の実績を「評価する」人は計70%に達した。  昨年、郵政民営化関連法が成立したことや、自民党の派閥政治を打破したことなどが高い評価につながったようだ。  ただ、小泉内閣の構造改革によって「社会の格差が広がった」と思う人は6割近くに上った。外交面では、首相の靖国神社参拝による日中関係の悪化を「深刻だと思う」人が7割を超えた。国民は全体として首相に合格点を与えつつも、小泉政治の負の部分に対する不満が根強いことがうかがえる。  調査は小泉首相が26日で在任5年になるのを前に、全国の有権者3000人を対象に、8、9の両日実施した。回答率は60・8%  小泉首相や小泉内閣の5年間の実績を評価する人は対前年調査比12ポイント増で、この5年間で最高。「評価しない」は計28%だった。内閣の実績を内政と外交に分けて聞いたところ、「評価する」は内政が計67%、外交は計59%で内政の評価の方が高かった。  小泉内閣が特に成果を上げた政策課題(複数回答)を選んでもらったところ、<1>郵政3事業の民営化44%<2>道路4公団の民営化25%<3>北朝鮮問題25%――の順。社会保障制度改革、教育改革はわずか2%だった。  構造改革については、全体として「プラス」と見る人が計60%、「マイナス」と見る人は計30%。ただ、構造改革により、「社会の格差が広がった」という人は計59%で、「そうは思わない」計35%を上回った。  外交面では、首相が北朝鮮を2回訪問し、金正日総書記と会談したことを評価する人が計81%に達した。イラクへの自衛隊派遣は「評価する」計51%が「評価しない」計45%を上回った。  しかし、4年半以上首脳の相互訪問が行われていない日中関係については、「深刻だと思う」人は計72%に上り、靖国参拝を続けてきた小泉首相に「責任がある」が計61%で、「責任はない」は計36%だった。  首相の政治手法・言動については、「評価する」が計63%だった。 (2006年4月18日22時8分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060418it12.htm *0417 小泉首相:来客減少 安倍氏は多忙、「主導」強調の場面も [毎日]  「任期が来たら桜の花のように散りたい」。9月に退任する小泉純一郎首相は最近、引き際を意識した発言を繰り返している。来訪者も減っており、執務室で国会中継を見たり読書をして過ごすことも多いという。23日投開票の衆院千葉7区補選では「ファイティングポーズ」を見せるものの、政権運営では一歩身を引いて「ポスト小泉」最有力の安倍晋三官房長官を「首相見習い」として押し立てているようにも映る。  難航していた沖縄・普天間飛行場の名護市への移設。3月はじめ、政府案修正への難色を示す小泉首相に安倍氏は進言した。「地元の了解を得ないまま強行しない方がいいと思います」。結局、首相は受け入れ、それをベースに地元と最終的に合意する道が開けた。  首相と官房長官の執務室はつながっている。「多い日は1日3回、首相の元に足を運ぶ」(安倍氏周辺)くらい密接だが、最近は拉致被害者のDNA鑑定や格差是正を目指す「再チャレンジ推進会議」の発足など、「安倍氏主導」が強調される場面も多い。多忙で昼食を抜く日もあるという。官邸内で「安倍カラー」が徐々に芽吹いている。  対照的なのが小泉首相だ。4月に入ってからの来客は会議などを除き64件。昨年の100件、一昨年の99件の6割程度にとどまっている。「急な国会日程に備え、できるだけ予定を入れないようにしている」と周辺は説明するが、今月首相に会った自民党幹部は「トゲが抜けたのかなあ」と印象を語った。  15日、首相は東京都内で催した観桜会で「花はぱっと散るからきれいなんだ」と、桜の花に重ねて自らの心境を吐露した。ただ、自分の引退を方々で口にする首相も極めてまれ。今月はじめには与党幹部相手に「政治は怖い。さっと引くのがいい」と戦略めいた発言もしてみせている。  首相は今、何を考えているのか。官邸関係者はこう推し量る。「決して燃え尽きたわけではない。自分がやってきたことを次に引き継いでもらいたい、そのために引き際で何をすべきかが分かっているんだと思う」 【犬飼直幸、大場伸也、渡辺創】 毎日新聞 2006年4月17日 23時11分 (最終更新時間 4月17日 23時16分) URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/20060418k0000m010133000c.html *0416 衆院千葉補選:太田氏先行、追う斎藤氏 毎日世論調査 [毎日]  毎日新聞は14、15の両日、衆院千葉7区補選(23日投開票)の電話世論調査を実施し、取材結果を加味して中盤情勢を探った。民主新人の太田和美氏が先行し、自民新人の斎藤健氏が追う展開で、共産新人の徳増記代子氏は党支持層に浸透している。ただ、5割以上は態度を決めておらず、勝敗の行方は流動的だ。  補選は自民党の前衆院議員が公職選挙法違反事件に絡んで辞職したことに伴い実施される。自民党は小泉純一郎首相で臨む最後の国政選挙で、民主党も小沢一郎代表で臨む最初の選挙。勝敗の行方は後半国会や自民党総裁選など今後の政局に影響を与えるとみられ、両党ともに「譲れない戦い」と位置づけている。  太田氏は民主支持層の8割弱を固めたうえ、自民支持層の2割弱、無党派層の3割強から支持を得ている。斎藤氏は自民支持層の約6割、公明支持層の約5割にしか浸透できておらず、知名度不足の解消が課題。徳増氏は共産支持層の約8割を固めた。  年代別でみると、太田氏は20~60代の男性、20~50代の女性など、幅広い支持を集めている。斎藤氏は70代以上の男性、30、60代の女性で太田氏を上回っているが、30~60代の男性で太田氏に大きく離されている。  昨年9月の衆院選で自民候補に投票した人のうち、斎藤氏に投票すると答えたのは約6割。3割弱は太田氏に投票すると答えており、地元選出県議の太田氏が保守票にも食い込んでいることがうかがえる。  政党支持率は自民24%、民主20%、公明5%、共産3%、無党派層42%などで、自民、民主がきん差となった。【南恵太】  ■調査の方法 14、15の2日間、コンピューターで無作為に選んだ電話番号を使うRDS(ランダム・デジット・サンプリング)法で衆院千葉7区の有権者500人を目標に電話で調査し、633人から回答を得た。 毎日新聞 2006年4月16日 3時00分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060416k0000m010126000c.html *0415 小泉改革路線の修正示唆 谷垣財務相 [朝日] 2006年04月15日22時52分  谷垣財務相は15日、地元選挙区の京都府舞鶴市で講演し、小泉政権が発足5周年を迎えることを踏まえ「今まで何のために改革をやってきて、これからどちらに向かうか、きちんと検証する必要がある。そろそろそういう時期に来ている」と述べた。9月の自民党総裁選への立候補をにらみ、小泉構造改革路線の修正を打ち出す考えを示唆したものだ。  谷垣氏はまた、「この5年で政治の仕組み、ものの考え方はかなり変わってきた」とし、「毎日毎日、改革だ改革だということで、ちょっと改革に疲れている向きもある」と述べた。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0415/012.html *0415 政党政治の現状憂慮、21世紀臨調が説明責任求める [読売]  民間有識者らによる「新しい日本をつくる国民会議」(21世紀臨調)は14日、民主党の「偽メール」問題などを受け、「政党は政治をどう守るのか~マニフェスト(政権公約)『以前』問題を問う~」と題した声明を発表した。  日本の政党政治の現状について、「人気の高い党首がすべてといった『出たとこ勝負』的な、粗雑な政党政治の発想がまかり通るのでは、前途は極めて多難だ」などと分析。「様々な難題に真摯(しんし)にかつ着実に、可能な限り合理的な政策で取り組むのが政治本来の姿だ。政党に求められるべきは、懐の深い政治的英知の蓄積だ」と提起した。その上で、政党や政治家に対し、〈1〉政党の構成員の教育はどう行われているのか〈2〉説明責任をどう果たすのか〈3〉政治を「面白いもの」と印象づける動きに対し、どう対処するのか〈4〉野党は与党以上の創意工夫なしに政権交代は望めない。態勢をどう整備するのか――を問いかけた。 (2006年4月15日0時18分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060414i216.htm *0413 アジア外交、経済成長が目玉 高村派が政策提言 [朝日] 2006年04月13日22時31分  自民党高村派の高村正彦会長は13日、東京都内のホテルで記者会見し、9月の総裁選に向けた同派の政策提言「安心と夢のある日本」を発表した。「アジア各国との良好な関係の維持・発展」「名目4~5%、実質2~3%の成長率の達成」「子供を産み育てやすい社会の実現」を目玉にしている。高村氏が総裁選に立候補する場合には基本政策とし、立候補しない場合はどの候補を推すかの基準とする考えだ。  高村氏は小泉改革について会見で「中央から地方へ、官から民へ、という改革の基本的な方向はいい」と一定の評価をしつつ、「効率一辺倒ではなく安心・安全に配慮した倫理ある改革を進めていかなければならない」と独自色をアピールした。  一方、小泉首相のアジア外交に関しては「必ずしもうまくいっていない」と批判。「最も発展する可能性のある中国・インドに一番近い先進工業国である有利さを生かせる外交をしなければならない」と主張した。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0413/006.html *0411 小泉首相:小沢氏の大連立工作に警戒感 [毎日]  小泉純一郎首相は11日夜、都内のホテルで与党の参院議運委理事らと会食した。出席議員によると、この中で首相は民主党の小沢一郎代表について「9月に再選されたら、首相になれない民主党代表でいるわけがない。自民党に擦り寄って旧社会党を切り、自民党の非主流派と連立を仕掛けてくるだろう」と語り、小沢氏による大連立工作の可能性に強い警戒感を示した。会合には安倍晋三官房長官も同席した。【西田進一郎】 毎日新聞 2006年4月11日 22時21分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/20060412k0000m010142000c.html *0410 小沢代表に「期待」56%、民主支持層では9割 [読売]  読売新聞社が8、9の両日に実施した全国世論調査(面接方式)で、民主党の代表に選ばれた小沢一郎氏に「期待している」人が「どちらかといえば」を含めて計56%に上り、「期待していない」計40%を上回った。  民主支持層では90%の人が期待感を寄せていた。民主党の支持率は、14・0%で、3月の前回調査(11・1%)よりも2・9ポイント上昇した。  小沢代表に期待する人に、その理由を挙げてもらったところ、「政治経験が豊富」58%がトップ。次いで、「小泉首相に対抗できる」32%、「実行力がある」「指導力がある」各28%――などの順だった。偽メール問題への対応で、前原前代表が未熟さを露呈したことから、豊かな政治経験とリーダーシップで「小泉自民党」に対抗してほしいとの期待感がうかがえた。  小沢代表が自民党にとって「脅威になる」と回答した人は、「どちらかといえば」を含め計52%。民主支持層では、計85%に達した。自民支持層でも半数近くが脅威を感じていた。  また、小沢代表が民主党を立て直すことができると思う人は計50%で、「そうは思わない」計43%を上回った。民主支持層では、76%が再生させることができると見ていた。  民主党の政権担当能力については「ない」が61%で、「ある」は30%だった。調査方法が違うため単純に比較はできないが、前原氏が代表の引責辞任を表明した直後の4月初めの電話による緊急調査(「ない」67%「ある」22%)より改善した。民主党が野党第1党として、今後の国会にどのような姿勢で臨むべきかでは、「対案路線」が計77%で、「対決路線」計16%を大幅に上回った。  ■内閣支持率56%に■  一方、小泉内閣の支持率は56・0%で、前回調査に比べ、1・1ポイント増えた。自民党の支持率は42・8%で、前回比0・5ポイントの微増だった。 (2006年4月10日23時16分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060410it14.htm *0403 毎日世論調査:小泉内閣支持は横ばい 民主は合併以来最低 [毎日]  毎日新聞が1、2の両日実施した全国世論調査によると、小泉内閣を「支持する」と答えた人は48%で、2月の前回調査と比べ横ばいとなり「支持しない」は4ポイント減の36%だった。政党別支持率では、自民党は33%と前回より2ポイント上がったが、民主党は12%と8ポイントも下落。03年9月の自由党との合併以来最低の支持率となり、偽メール問題の影響の深刻さを浮き彫りにした。  小泉内閣を支持する理由では「政治のあり方が変わりそうだから」が41%と前回より5ポイント低下したが「自民党の首相だから」は前回より6ポイント上昇した。不支持理由では、「景気回復が遅れているから」が46%と前回から17ポイント増加した。  民主党の支持率は、自由党との合併直後に16%からスタートし、03年11月の衆院選直後の27%が最高。04年7月の参院選直後の24%が2番目に高く、それ以降は15~22%とおおむね20%近くを推移していた。民主党支持率の低下に伴い、無党派が43%と前回より7ポイント増加した。【犬飼直幸】 毎日新聞 2006年4月3日 3時00分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/20060403k0000m010095000c.html *0402 中韓両国との関係改善を きずな重視、谷垣派提言 [共同]  自民党谷垣派(会長・谷垣禎一財務相)が9月の総裁選に向け作成した「政策提言」案の概要が1日、判明した。家族や地域の「きずな」の強化や中国、韓国との関係改善、財政再建の推進などを盛り込み、14分野で約60項目の具体的政策を掲げた。「谷垣政権構想」と位置付け、5月の派閥パーティーで発表する予定だ。  小泉純一郎首相の5年間の構造改革路線を評価する一方、行き過ぎた部分があるとして、修正も提起しているのが特徴で、小泉改革との相違をアピールした形だ。  提言は、小泉改革を「不寛容」「優勝劣敗」に走りがちと総括した上で、歴史や伝統の尊重、日本文化を守り続ける考えを強調。家族や地域のきずなを社会の基盤と位置付け、その強化に向け育児支援やボランティア活動の積極的な展開を訴えている。 URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=poli&NWID=2006040101003829 *0329 内閣情報官:三谷氏抜擢 官邸は人事でも「安倍色」 [毎日]  政府は28日、内閣情報官に三谷秀史・警察庁外事情報部長を充てる人事(4月1日付)を決定し、1月の2人の官房副長官補の交代と合わせ、首相官邸の内政・外政・情報部門トップが新体制に変わる。内閣情報官は、国内外の機密情報を収集、分析する官邸内の元締め。三谷氏の起用には、「ポスト小泉」の本命とされる安倍晋三官房長官の後押しもあった模様で、官邸は小泉純一郎首相の退任後もにらんだ体制へシフトしつつある。  「安全保障、有効な外交の展開のためにも、情報官は極めて重要だ。短期間でなく、ある程度の期間務めていただく。海外の情報コミュニティー(関係部局)と付き合う役割も果たしていただけると期待している」  安倍氏は記者会見で、慣例より年次の若い三谷氏抜てきの理由を、こう説明した。安倍氏は以前から、政府の対外インテリジェンス(情報収集・分析)力に不満だった。自ら関心の高い外交・安保への貢献に言及しただけでなく、就任前に在任の長期化を明言したのは異例だ。三谷氏は国際情報畑のエキスパート。拉致事件などで対北朝鮮への「圧力」を強める安倍氏の期待の程をうかがわせる。  内閣情報官は警察庁出身者の「指定ポスト」。官邸内には昨年末、経済産業省など他省庁からの起用を探る動きもあったが、「国際的な情報コミュニティーで活躍するには、警察庁出身者でないと無理」(政府筋)との判断で結局見送られた。  警察庁OBでは、1月に勇退した奥村萬寿雄・前警視総監や金重凱之元警備局長らが候補に挙がったが、3月半ばに「官邸の意向」(同)として三谷氏の名前が急浮上。テロ対策や対北朝鮮などの情報収集の実績から、起用が決まった。  一連の調整は、小泉首相や首相周辺の意向も取り付けた安倍氏の判断で進められたとされ、人事でも影響力を増しているようだ。【犬飼直幸】 毎日新聞 2006年3月29日 3時00分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/20060329k0000m010155000c.html *0328 予算成立:「ポスト小泉」本番 森派、候補一本化が焦点 [毎日]  小泉政権最後の予算となる06年度予算(一般会計総額79兆6860億円)が27日、参院本会議で可決、成立した。これを受け自民党内では、小泉純一郎首相の後継を決める9月総裁選に向けた動きが本格化する。安倍晋三官房長官、福田康夫元官房長官の有力2氏を擁する森派が候補を一本化できるかが、最大の焦点となる。一方、麻生太郎外相や谷垣禎一財務相も政権構想の取りまとめを急ぐなど、出馬を念頭に準備を進める。 ●揺れる最大派閥  「政治家としてたいへん光栄だ」  安倍氏は27日の記者会見で「ポスト小泉」を問う各種世論調査で安倍氏の支持が突出している点を聞かれ、後継総裁への意欲をにじませた。しかし、森派幹部は最近、安倍氏に「ゴルフで言うとパー狙いでいい。無理に自分の色を出そうとすれば空回りする」とアドバイスをした。若手・中堅議員に派閥を超え待望論が強い安倍氏だけに、出過ぎれば世代交代を嫌うベテランの反発を招き、足をすくわれかねない、との忠告だった。  ◇「安倍・福田」分裂恐れ  若手主導で安倍氏が出馬し、ベテラン勢が対抗し福田氏を担ぐ動きが強まり、派閥分裂と世代間対立に波及することを同派会長の森喜朗前首相は強く警戒している。「仮に安倍氏で一本化すれば森派を福田派に衣替えし、派閥分裂と世代間対立を封じ込める」(同派幹部)ことも検討、候補一本化を視野に置く。  事実、安倍氏の出馬をにらみ「包囲網」を敷こうとする動きはある。山崎拓前副総裁、加藤紘一元幹事長らは福田氏への共感を口にし、森派幹部の一人は「古賀(誠元幹事長)さんも伊吹(文明元労相)さんも福田さんだ」と語るなど、有力2氏を取り巻く状況は複雑化している。 ●「格差」「アジア」  安倍、福田両氏で違いが際立つのはアジア外交だ。首相の靖国神社参拝を支持し、対中強硬論で足並みをそろえる安倍氏。これに対し福田氏は「戦争加害者の視点」も踏まえ、小泉外交の修正を説く。  ◇麻生・谷垣両氏は独自色を強調  一方、麻生、谷垣両氏も6月と5月にそれぞれ政権構想を発表する予定で、出馬準備を本格化する。各種世論調査で安倍、福田氏に人気では水をあけられているだけに、政策面で独自色を打ち出すことを迫られている。麻生、谷垣両氏とも社会格差の拡大を重視し「小泉改革」路線から一線を引こうとしている。  麻生氏は外交、谷垣氏は財政再建でも独自色を出そうとしている。ただ、格差問題で谷垣氏が積極的に語り始めると安倍氏が関係省庁による対策会議の設置を打ち上げるなど、現時点で存在感発揮はもうひとつだ。【三岡昭博】 毎日新聞 2006年3月28日 3時00分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060328k0000m010168000c.html *0327 小泉首相:在任期間中に靖国参拝示唆 首相官邸で記者会見 [毎日] 小泉純一郎首相は27日夜、06年度予算成立を受け、首相官邸で記者会見した。首相は、9月の自民党総裁選の争点に浮上しているアジア外交と自らの靖国神社参拝について「私の靖国参拝を批判する中国、韓国の政府がいまだに理解できない。中国の言うとおりすればアジア外交が展開されるものではない」と強調。両国の対応を改めて批判、今年も「年1回」参拝の前例に沿い、首相在任期間中に参拝を行うことを示唆した。  首相は靖国参拝について「適切に判断する」としながら「これは心の問題だ。靖国参拝をやめれば中国、韓国との関係がうまくいくというのは、突き詰めれば中国や韓国の言うとおりしなさいということにつながる」と強調した。  また、ポスト小泉の条件を記者団から問われ、首相は「小泉内閣が進めた改革路線をしっかり進めてほしい」と注文、「指導者の3条件と言われている使命感、洞察力、情熱を十分胸に秘めた方を期待している」と語った。イラク自衛隊の撤退時期に関しては「今の時点で申し上げる段階にはない」と述べるにとどめた。【宮下正己】 毎日新聞 2006年3月27日 20時42分 (最終更新時間 3月27日 21時46分) URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/20060328k0000m010087000c.html *0327 06年度予算、参院本会議で可決・成立 [朝日] 2006年03月27日17時27分  政府の06年度予算が27日夕、参院本会議で与党の自民、公明両党の賛成多数で可決・成立した。当初予算の年度内成立は8年連続。予算成立を受け、後半国会の焦点は、政府・与党が「小泉構造改革の集大成」と位置づける行政改革推進法案をはじめとする重要法案に移る。会期は6月18日までで、教育基本法改正案など、国会提出・成立に至るかどうか、まだわからない法案も少なくない。  参院予算委員会は27日午前、小泉首相が出席して「安全」に関する集中審議を行い、耐震強度偽装問題や米国産牛肉の輸入問題などについて質疑を行った。  予算は午後の締めくくり質疑を経て委員会で採決された後、夕方の参院本会議に緊急上程され、与党などの賛成多数で可決・成立した。  06年度政府予算の一般会計総額は79兆6860億円で、前年度当初予算比3.0%減。新規国債発行額は5年ぶりに30兆円未満となっている。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0327/004.html *0321 ポスト小泉は? 安倍氏47%、福田氏20% 本社調査 [朝日] 2006年03月21日00時43分  「ポスト小泉」の人気トップは安倍晋三官房長官の47%で、次いで福田康夫元官房長官が20%で続いていることが、朝日新聞社が18、19の両日に実施した全国世論調査で明らかになった。  次の首相にだれがふさわしいかを、有力とされる自民党の4人と「そのほかの人」の五つの選択肢から選んでもらった。安倍、福田両氏には大きく水をあけられて、麻生太郎外相5%、谷垣禎一財務相4%という結果だった。  昨年10月の内閣改造直後の調査では、候補を絞らずに小泉首相以外の国会議員の中から自由回答で選んでもらったところ、安倍氏33%、麻生氏5%、民主党の前原誠司代表が3%で、福田氏と谷垣氏は2%だった。同様の聞き方をした今年1月は、安倍氏28%、福田氏5%、麻生氏2%、前原氏1%、谷垣氏1%で、福田氏が2位に上がっていた。  今回は、候補者を絞って選択肢の中から選んでもらったところ、トップは安倍氏で変わらないものの全体の半数には届かず、伸び率では福田氏が最も大きかった。国民的な人気では安倍氏が圧倒的との見方も強い中で、福田氏の存在感が浮かび上がってきた形だ。  ただ、自民党の総裁選との関連が深い自民支持層だけでみると、安倍氏への支持は61%と高く、福田氏は15%にとどまっている DATE:2006/03/21 14:07 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0321/002.html *0314 小泉首相:6月下旬に公式訪米へ ブッシュ大統領と会談 [毎日]  小泉純一郎首相が、今国会閉幕後の6月下旬にワシントンを公式訪問し、ブッシュ大統領と会談することが、13日までの日米両政府の調整で固まった。複数の政府筋が明らかにした。  首相は9月退陣を表明していることから、任期中、最後の訪米になる見通し。中国、北朝鮮など東アジア、中東情勢、在日米軍再編、米国産牛肉の輸入再開問題、国連改革について協議するほか、7月15~17日のサンクトペテルブルク・サミットに向けた意見交換が行われるとみられる。 毎日新聞 2006年3月14日 3時00分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060314k0000m010149000c.html *1313 内閣支持54・9%、民主は前原体制で最低11・1% [読売]  読売新聞社が11、12の両日に実施した全国世論調査(面接方式)によると、小泉内閣の支持率は54・9%で、2月の前回調査に比べ、1・4ポイント増えた。  内閣支持率は昨年12月から微減傾向が続いてきたが、4か月ぶりの増加となった。不支持率は、前回比0・3ポイント減の35・9%だった。  政党支持率は、自民党が42・3%で前回(39・3%)に比べて3・0ポイント増えた。  民主党は11・1%で前回(13・3%)より2・2ポイント低下。前原代表が就任した昨年9月以降最低で、同党が国会で取り上げた「偽メール問題」により、大きな打撃を受けたためと見られる。 (2006年3月13日23時50分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060313it14.htm *0313 猪口大臣、予算委に遅刻…「気抜けている」身内も批判 [読売]  猪口少子化相が13日の参院予算委員会に遅刻し、到着を待つ間、審議が約5分間中断した。“身内”の自民党からも「気が抜けている」と批判が出ている。  猪口氏は、民主党の小林正夫氏に答弁する予定だったが、小林氏の質問になっても姿を見せなかった。  内閣府で待機していたが、質疑が約10分早く進んでいることに、猪口氏周辺が気づかなかったのが原因だという。猪口氏はその後、小林氏や小野清子委員長らに謝罪。  自民党内では、「昔なら国会が空転しかねない失態だ」との声も出た。  猪口氏の秘書官が2月15日に交代していたことも13日、明らかになった。  内閣府は「猪口氏の就任以前から秘書官を務めており、それ自体が異例だった」と理由を説明しているが、国会開会中の交代は珍しく、「猪口氏とそりが合わなかったのではないか」などと憶測を呼んでいる。 (2006年3月13日21時50分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060313i314.htm *0313 小泉首相、「延長は考えない」 国会会期延長論を否定 [朝日] 2006年03月13日13時10分  小泉首相は13日昼の政府・与党連絡会議で、通常国会の会期について「できるだけ延長は考えない。会期内に法案を成立させてほしい」と語った。国会の会期については、細田博之国会対策委員長が11日に重要法案の成立を念頭に会期延長を示唆したが、それを打ち消した格好だ。  一方、チリを訪問中の自民党の中川秀直政調会長も12日午後(日本時間13日未明)、行政改革推進法案と医療制度改革関連法案、教育基本法改正案、憲法改正の手続きを定める国民投票法案の4法案について「国会の会期を延長しないで、会期内の成立に向けて政府・与党が全力であたるべきだ」と述べた。サンティアゴ市内で記者団に語った。  中川氏は、4法案について「5月中旬までに参院に送付すれば成立は不可能ではない」と指摘。「政策課題が山積し、サミットなどの外交案件、次期臨時国会・通常国会、参院選に向けた準備などもある。(会期延長をしないことが)全体の流れとしては望ましい」と語った。  また、行革推進法案に関して「各省庁の骨抜きや先送りを監視しなきゃいけない」と述べた。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0313/004.html *0311 国会会期延長の可能性を示唆 自民・細田国対委員長 [朝日] 2006年03月11日18時45分  自民党の細田博之国会対策委員長は11日、島根県雲南市で記者団に対し、「野党がいろいろなことを言って(重要法案が)会期内に成立しないということであれば、断固、会期延長してでも成立を期していく」と語った。6月18日までの今国会の会期が延長される可能性を示したもので、「行政改革推進法案、医療制度改革関連法案は絶対(成立)だ」とも述べた。  また、細田氏は同市で開かれた自民党支部の会合で、消費税率の引き上げについて「財政赤字の増大を何とかしなくてはならない。次の総裁候補を中心に議論を戦わせているが、人気の高い小泉政権のうちにある程度の今後の方向は示し、道筋をつけておくべきだ」と述べ、小泉首相が引き上げの時期や率を示すべきだとの考えを示した。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0311/001.html *0310 「経験豊富な人を」加藤、山崎両氏が「福田待望論」 [朝日] 2006年03月10日20時07分  「ポスト小泉」は経験豊富な人がいい――自民党の山崎拓前副総裁と加藤紘一・元幹事長は10日のTBS番組の収録で、小泉首相の後継には、靖国神社参拝で意見の異なる安倍官房長官より、福田康夫元官房長官の方が望ましいとの考えをそろって強調した。  山崎氏は「私は経験重視派。経験則に基づいて判断することはたくさんある。経験豊富な方がいいと思っている」。さらに「小泉首相は信念を通したが、アジア外交に複雑な影を投げかけた。(次の首相は)新しい路線を出せる人がいい」とアジア外交を転換すべきだとの考えを強調した。  加藤氏も「アジア外交についての意見は福田さんと近い」と語った。  安倍官房長官について、山崎氏は「自民党の一部の右寄りの方から強い支持があるのも、思想的な意味で単純明快なので」と語った。  2人から「エール」を送られた福田氏だが、この日の名古屋市での講演で「小泉改革は大きな理念に支えられている。基本的な方向はその方向しかない」と語るだけで、総裁選への自らの立場については相変わらず明確にしなかった。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0310/006.html *0309 自民・津島派「小泉後」へ政策立案 格差是正など提示へ [朝日] 2006年03月09日21時52分  自民党津島派の津島雄二会長は9日、党本部での講演で、「小さな政府」を掲げる小泉改革路線を基本的に踏襲しつつも、格差是正やアジア諸国との連携に焦点をあてた派閥の基本政策を9月の総裁選に向けてまとめる方針を示した。同様の政策立案の動きは他派閥にもあり、小泉首相の政策との距離感が「ポスト小泉候補」を巡る各派閥の連携の構図を決める情勢になってきた。  津島派は、安倍官房長官や福田康夫元官房長官がいる森派に次ぐ党内第2勢力だが、明確なポスト小泉候補がいない。今後、久間章生総務会長が外交・安保政策について、片山虎之助参院幹事長が行政改革・地方分権について基本的な考え方を講演で示し、その内容に沿って政策立案を本格化させる。5月半ばごろに中間とりまとめをする予定で、幹部の一人は「総裁選ではこの政策に近い候補者を推すことになる」と話す。  基本政策を派閥連携の結集軸にしたい思惑が透けるが、津島氏はこの日の講演で、同派出身の小渕元首相らがとった財政出動による景気刺激策については「景気対策としては効力が極めて限定されている」と明確に否定した。  その上で今後の課題として、「格差の固定は避けねばならない。特に高齢者については社会的セーフティーネットを考えなければならない」と主張。少子高齢化についても「日本だけが直面しているのではなく、アジアでもものすごい勢いで進んでいる。アジア諸国との繁栄のための連携を大事にしてほしい」と述べ、格差の拡大やアジア外交の行き詰まりなど小泉改革の「影」を是正する必要性を強調した。  自民党では、谷垣財務相を擁する谷垣派が財政再建やアジア外交の再構築に力点を置いた政策を準備中。派内からの総裁候補擁立を決めていない丹羽・古賀、山崎、伊吹、高村の各派や二階グループも政策づくりを始めており、その中身が総裁選の政策論争に影響を与えそうだ。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0309/011.html *0306 「メール問題」の余波?自民補選公募に240人 千葉7区 [朝日] 2006年03月06日21時50分  4月23日投開票の衆院千葉7区補欠選挙の候補者を、自民党が公募したところ、約240人が応募した。同党県連が6日、党本部に応募書類を届けた。同党が候補者を公募した選挙では、04年の衆院埼玉8区補欠選挙で81人が応募したのが最多だった。同党関係者は、民主党の「送金メール問題」が追い風になったとみている。  今回の補選は、自民党の松本和巳氏(41)が陣営の選挙違反事件で議員辞職したことに伴うもの。  公募開始は2月20日で、書類の提出先となった党千葉県連に初日に届いた応募は3通だけ。2月28日までの応募総数は52通だった。  ところが、民主党の永田寿康・衆院議員が国会質問で取り上げた「送金メール」が偽物だったとして、同議員と民主党が28日に謝罪してから応募が殺到。今月3日の締め切りまでにさらに172通が届いた。党本部にも一部届けられた。  自民党千葉県連の金子和夫幹事長は「自民党から立候補すれば楽に勝てると踏んだ人が多かったのだろう」とみる。同党本部の武部勤幹事長は「多くの人がチャレンジャーとして立ち上がってくれた。心強さを感じた」と話した。  同党は書類審査を経て、今月中旬までに候補を決める予定だ。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0306/011.html *0306 参院予算委:行革法案成立へ、小泉首相が意欲示す [毎日]  参院予算委員会は6日午前、小泉純一郎首相と全閣僚が出席し、06年度予算案の審議に入った。首相は政府が後半国会の最重要法案と位置づける行政改革推進法案について「今の政府は少し複雑。効率から考えればもっと整理して人員が少なくても機能を発揮できるようにすべきだ」と述べ、成立に意欲を示した。首相はさらに「公務員の数が多すぎる。同時に特別会計を統廃合して複雑な構図を分かりやすく整理する」と語った。【須藤孝】 毎日新聞 2006年3月6日 12時29分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/kokkai/news/20060306k0000e010047000c.html *0305 中韓重視姿勢を強調、福田元官房長官が講演 [朝日] 2006年03月05日22時22分  自民党の福田康夫元官房長官は5日、福島県内で開かれた同党参院議員の会合で講演し、「日本も中国、韓国など北東アジア地域に重点を置いてやっていかないといけない。日本の景気回復のきっかけは、中国との貿易量が増えたことだ。今後、経済成長をしていくのは北東アジア地域だ」と述べ、日本の経済力回復のためにも、中国、韓国などとの関係を重視すべきだとの考えを示した。  また民主党の「送金メール」問題について福田氏は「経験不足というかみっともなかった」と批判しながらも、「このことで与党の緊張感がなくなってはいけない」と強調した。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0305/007.html *0302 06予算案衆院通過:「ポスト小泉」前哨戦へ [毎日]  ライブドア事件をめぐる「送金メール」問題で、民主党の大混乱が続くなか、06年度予算案が2日、与党ペースで衆院を通過した。同予算案の年度内成立が確定し、民主党の「自壊」で余裕の出てきた政府・自民党の関心も、国会対策から9月の党総裁選へと軸足を移しつつある。前半国会では「ポスト小泉」候補と目される閣僚に質問が集まっており、今後も総裁選ムードはますます高まりそうだ。【谷川貴史、犬飼直幸、高山祐】  ◇有力3氏 答弁に独自色も  「50年、100年後の日本がどういう人口構成になるのか。次の首相候補といわれる安倍晋三官房長官、谷垣禎一財務相、麻生太郎外相にお考えを伺いたい」  2日の衆院予算委員会で、自民党の尾身幸次氏は少子化対策について、「ポスト小泉」候補と目される安倍氏ら3氏の見解をただした。3氏にとって、テレビ中継もされる予算委は絶好のアピールの場。ただし、対応次第では答弁能力に疑問符がつけられる「両刃の剣」でもある。野党からも3氏を試す質問が相次いでおり、今国会は総裁選の「前哨戦」になってきた。  安倍氏は2月6日の予算委で「我々が進める改革路線は間違っていない」と答弁、小泉純一郎首相の掲げる構造改革路線の継承を訴えた。一方で、女性・女系天皇を容認する皇室典範改正については「男系継承が維持されてきたことを認識し、その重みを受け止めつつ、皇位継承制度の在り方を検討すべきだ」と慎重姿勢を示した。  麻生氏は同月14日の予算委で、首相の靖国神社参拝に対する中国、韓国の批判に関して「アジアの中で首脳会談ができないのは中国と韓国だけ」と述べ、首相を擁護した。ただ、同19日のテレビ出演では、自らの靖国参拝について「個人の利益よりは、国益が優先する」と補足するなど、首相と一線を画する姿勢も示す。  安倍、麻生両氏とも原則、小泉路線を共有しつつも、答弁での独自性の発揮に腐心している様子がうかがえる。谷垣氏も1月27日の予算委で「自由な競争の中で、格差が生じてくることはありうるが、固定化されていくのは望ましくない」との懸念を表明してみせた。もう一人の候補・福田康夫元官房長官は依然、総裁選に関する表立った発言を控えている。  「民主党が強いなら、自民党総裁は選挙に強い安倍さんがいい。しかし、民主党が弱いと、総裁候補の選択の幅が広がってくる」。公明党幹部は予算案の衆院通過を踏まえ、民主党の党勢が自民党総裁選にも影響するとの認識を示した。「送金メール」問題で与野党の攻守が逆転するなか、各候補にとって、第2ラウンドとなる参院予算審議は6日から始まる。【谷川貴史】  ◇活発化する多数派工作  自民党内では総裁選をにらんだ派閥などの多数派工作が活発化している。草刈り場の一つが82人の新人議員で、無派閥の勧めを説く小泉純一郎首相らを横目にすでに半数近くが派閥入り。さらに旧宮沢派(宏池会)系3派が再結集の動きを見せたり、会長不在だった旧堀内派が2人代表体制に移行するなど、膨張と組織防衛が入り交じった複雑な展開になっている。  「小泉チルドレン」と呼ばれた新人議員には、当選直後のような結束感はない。派閥への流入が止まらないためで、危機感を抱いた無派閥貫徹組が「無派閥サロン」を結成したものの、ベテラン議員は「いずればらばらになる」と派閥の勧誘合戦の激化を予想する。  例えば、昨年の衆院選直後は31人だった山崎派はすでに37人に拡大、「今国会が終わるまでには40人を超える」(山崎派幹部)という勢いだ。このほか大宏池会構想や、丹羽・古賀派の古賀誠代表による津島派への秋波など、古典的な合従連衡を含むさまざまな動きや兆候が出ている。  ただ、最有力の安倍氏と他の福田康夫元官房長官を含む3人とは「世代交代」の要素が絡むため、派閥が総裁選びでかつてのような決定力を持つ状況ではない。「中堅・若手は派を超えて安倍氏に流れる」とも見られるなか、各派とも総裁選用の政策づくりを通した結束強化に努めているが、どこまで組織防衛になるか分からない。【高山祐】  ◇首相の求心力 支持率がポイント  06年度予算案の衆院通過を受け、小泉首相が任期切れの9月までどう求心力を維持するかも焦点だ。首相は行政改革推進法案を今国会での最重要法案と位置付けており、改革路線の継承がポスト小泉候補には「縛り」となる。ライブドア事件などの「4点セット」で「政権は死に体」と一時ささやかれたが、民主党の大失態で首相は完全に息を吹き返した。  2日夜、記者団に「ポスト小泉と予想されている方々は閣僚としての職務に専念しないとならない」とけん制。「総裁候補の緊張感は大変だ。いい修練の場だと思う」と余裕も見せた。  行革推進法案にとどまらず、首相は07年度予算編成の指針となる「骨太の方針」を6月に閣議決定する方針。消費税増税問題も絡めた歳出歳入の一体改革をめぐる攻防の激化が予想され、ポスト小泉候補にとって大きな争点となるのは確実だ。首相はそれを演出することで、自らの求心力の維持を目指すと見られる。  2月の毎日新聞の世論調査で内閣支持率は前回より4ポイント減の48%と下降気味だが、首相は同月中旬、自民党新人議員に「2月はいつも支持率が低い。心配いらない」と強気な姿勢を見せている。ただ、内政に関しては国民から注目を集める課題に乏しく、外交も対北朝鮮などで行き詰まっているのが実態だ。  党幹部は「今後は支持率が下がるばかりだろう」と指摘。一方で、「得意のサプライズを仕掛けてくる可能性はある」との見方もあり、党内は「次の一手」を注目している。【犬飼直幸】 毎日新聞 2006年3月2日 23時05分 (最終更新時間 3月3日 1時31分) URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/news/20060303k0000m010110000c.html *0302 民主平謝りの中、予算案衆院通過 小泉改革固め直しへ [朝日] 2006年03月02日21時31分  攻守は逆転した。06年度予算案が通過した2日夕の衆院本会議場。小泉改革の負の側面をたたく野党にとって格好の見せ場のはずが、討論に立った民主党議員はまず頭を下げるほかなかった。メール問題で野党第1党が自滅した結果、小泉政権の政策を検証する政治の追及力が鈍り、国会は空洞化の危機にある。ライブドアショック以降、求心力が低下したかに見えた小泉首相はこれを機に改革路線を固め直そうとする。皇室典範改正問題などを機に距離を置いたポスト小泉候補はどう反応するか、それが今秋の自民党総裁選への焦点となってきた。  通常国会前半の最大の節目の日、民主党が忙しかったのは政権与党に頭を下げることと、国対委員長の引き受け手を探すことだった。衆院予算委員会で質問した原口一博氏、反対討論に立った松野頼久氏とも謝罪を余儀なくされ、「これを機に党を再生し、品位ある国会の論議を進めたい」と語った。  小泉首相「気を落とさずに頑張って下さい」。  前原民主党代表「ご迷惑をおかけしました」。  衆院本会議場では、首相が前原氏の肩をポンとたたき、こんなやりとりを交わしたという。  その首相の目は、すでにこの先の展開に向いている。今後の国会について「今回は行革推進国会であると位置づけておりましたからね。その本筋に戻っていくと思います」、ポスト小泉についても「閣内の大臣としての職務に専念しなければならない時期ですからね」と記者団に語った。  公務員の総定数削減などを含む行政改革推進法案の早期成立を目指し、改革論争を通じた政権の求心力維持を図る。6月にとりまとめる「骨太の方針」にそれを明記すれば、改革路線で事実上、ポスト小泉の政策を縛ることが出来る――。首相の狙いは明白だ。  だが、「デフレ脱却宣言」を最後の仕事に見据えているとはいえ、ライブドア事件を機に生じた所得格差の問題に世論がどんな視線を注ぐかは分からない。  外交に目を転じても、在日米軍再編やイラクに派遣している自衛隊の撤退、米国産牛肉の輸入再開といった日米間の問題は見通しが利きにくい。靖国神社参拝問題で滞ったアジア外交をどうするのかは、重い課題であり続けている。「敵失」で取り戻した主導権を背景に、今後どうこなしていくか。  さらに、安倍官房長官はじめ谷垣財務相、麻生外相、福田康夫元官房長官らポスト小泉候補が、政権を取り巻く環境の変化を受けて改革路線の立て直しにどう絡んでいくのか。そこがカギとなる。    ◇  06年度政府予算案は2日、衆院本会議で自民、公明両党などの賛成多数で原案通り可決され、参院に送られた。民主党・無所属クラブの田中真紀子元外相は、政府案に賛成した。予算案は憲法の規定により参院が可決しなくても30日以内に自然成立するため、予算の年度内成立が確定した。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0302/010.html *0227 衆院反郵政組の復党は「無理」 首相が方針確認 [朝日] 2006年02月27日21時06分  小泉首相は27日、自民党本部で武部勤幹事長と会い、昨年の通常国会で郵政民営化法案に反対して自民党を離れた衆院議員について、救済措置はとらない方針を確認した。山崎拓・前副総裁が復党などの措置を求めているが、首相は「山崎さんの意見だとは聞いているが、来年の参院選もあり、当分は無理でしょう」と語った。  武部幹事長は27日の党役員会後の記者会見で、衆院の造反組について「郵政法案に反対した事実と、その後の衆院選で党公認候補を妨害する重大な党紀違反があった」と語り、法案に反対しただけの参院造反組との違いを強調した。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0227/004.html *0224 「逆境に入ると、いい風が吹く」首相、情勢一変で語る [朝日] 2006年02月24日20時06分  「何かピンチになると、逆境に入ると、なんかいい風が吹いてくるんですねえ」。小泉首相は24日、福田赳夫元首相の次男・故横手征夫さんを偲(しの)ぶ会に出席。耐震偽装問題などの「4点セット」で野党側から追及されていたが、民主党の「送金メール騒動」で情勢が一変したことを念頭に、こう語った。  首相は「『あんた小泉は運がいいな』。そう言われるが実は運じゃなくて、私には福がついている。福田家のご縁が、ピンチに陥ると福の神が支えてくれる」と余裕の弁。ポスト小泉の1人にあがる福田康夫元官房長官についても「官房長官として懸命に私を支えて頂いた」と持ち上げた。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0224/006.html *0224 前原・民主代表、永田議員を当面慰留 [読売]  民主党の前原代表は24日朝、ライブドア前社長の堀江貴文被告が武部自民党幹事長の二男への送金を電子メールで指示したと指摘した永田寿康衆院議員(比例南関東ブロック)の進退について、「(永田氏はメールが)100%確かだと立証されていないことで責任を感じているようだが、私はニセ物だと思っていない。今の時点で、その(辞職の)必要はないと考える」と述べ、当面、永田氏を慰留する考えを示した。  党執行部の責任論に関しては、「マスコミからしか出ていない。党内には『頑張れ』『我々は悪いことはしていない』との声もある」と語った。都内で記者団の質問に答えた。  鳩山幹事長は同日午前、記者団に対し、党執行部の責任について「職にとどまるかどうかは、適切に処理したい。1週間で判断材料をととのえることができるのではないか」とし、野田佳彦国会対策委員長は「私の責任が一番大きい。それ以上はない。すべての国会での対応の責任は私にある」と述べた。  一方、自民党の武部幹事長は24日午前の党役員連絡会で、民主党の対応について「メールがガセ情報と明らかになりつつあるのに、謝罪も説明もしないまま責任回避しようとしており、強い憤りを感じる。民主党は執行部への波及を恐れ、永田氏の入院という前代未聞の対応を取った」と厳しく批判した。さらに、その後の記者会見で「国会の品位と権威にかかわるプロジェクトチーム」(座長・逢沢一郎幹事長代理)を設置する考えを明らかにした。 (2006年2月24日13時43分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060224i306.htm *0224 堀江メール:民主党の窮状、深刻 永田議員の進退先送り [毎日]  「ライブドア」事件をめぐる送金メール問題は23日、国会で問題を取り上げた民主党の永田寿康(ひさやす)衆院議員が議員辞職の意向を党側に伝えた末、党は永田氏の休養を宣言する混乱ぶりだった。党首討論での追及が不発に終わったことを境に民主党内の傷口が広がる一方だ。野田佳彦国対委員長は同日、前原誠司代表や自身の責任論を否定したが、執行部の危機管理能力の欠如が混乱を拡大し続けているだけに、窮状は深刻だ。【尾中香尚理、衛藤達生】  ◇傷口、急速に拡大 責任論に執行部苦悩  「自分の思い込みがあった」。永田氏は23日夕、国会近くのホテルを訪ねた同党の鳩山由紀夫幹事長と野田氏に、情報が不確かなまま国会でメール問題を質問したことの誤りを認めた。一方「国民の批判を正面から受けて努力したい」と議員活動に意欲を示す場面も。前夜「身分について国対委員長に委ねたい」と野田氏に辞意を漏らしたが、発言は大きく揺れた。  同党はこの日午前の緊急役員会で、永田氏の辞意を前提に今後の対応を協議。平野博文総合調整局長が「今日一日の批判は想定内。いくら批判されても受ければいい」と言うと、鳩山氏も「(永田氏の進退を)あわてて考えるのはよくない」。進退の対応はその場で鳩山氏に一任された。鳩山氏は永田氏と面談後の役員懇談会で「より正しい判断ができる状況を待とう」と発案。永田氏を当面入院させ、進退の結論を先送りした。  永田氏の辞意が執行部に衝撃だったのは、非を認める形で辞職すれば「確度の高い情報」として国会追及を支持した前原、野田両氏ら執行部の責任論に波及しかねないためだ。しかし、問題に決着をつけなければ傷口は広がるばかり。責任論を食い止めるため辞職を思いとどまらせるか、反転攻勢に向け辞職で「幕引き」を図るか--。鳩山氏は最終的に辞職を容認するにしても、早まった決断は避ける考えに傾いた。  永田氏が辞職すれば、同氏に近い野田氏の辞任論が高まるのも必至。野田氏は記者団に自らの辞意を否定したが「持ちこたえられないのでは」(周辺)との見方も出ている。  この日の結論先送りには党内からも「同僚でも納得できない。国民にはなおのこと理解されないだろう」(参院中堅議員)との批判が早くも出始めた。あげくの果てに鳩山氏自身が同日深夜のテレビ番組で、メールの信ぴょう性の高さを指摘した党幹部の責任論に言及。党内は大混乱の様相を呈してきた。  メール問題が過熱した結果、民主党の見せ場だったこの日の衆院政治倫理審査会がかすんでしまうなど、「4点セット」での攻勢にも急ブレーキがかかった。前原氏は代議士会で「問題を起こしているのは政府であり、自民党だ」と、ライブドアと同党の武部勤幹事長の関係をさらに追及する考えを強調したが、その機運を再び盛り上げるのは容易ではない。  ◇攻勢強める自民  自民党は各派が23日開いた派閥総会で「送金メール」に関する民主党批判が相次ぐなど、「攻勢」を強めている。山崎派の山崎拓会長は「民主党に大失策が起こっている。政治不信を非常に増しており、甚だ遺憾だ」と強調。高村派の高村正彦会長も「責任を取るべき人が早く責任を取ることが大切」と述べ、党執行部の責任論に言及した。  小泉純一郎首相は同日、民主党の永田寿康衆院議員が議員辞職の意向を示したことについて「あれだけ個人名を挙げて非難するのだから、事実に基づいた根拠ある資料を基にして話さないと。慎重にしてもらいたい」と述べた。一方、自民党の久間章生総務会長は「『ガセネタに踊らされてすみません』と謝ればいい。まだ若いのだから。謙虚にやらないと」と述べ、辞職の必要はないとの認識を示した。  ◇論文 危機管理能力欠如を露呈  「堀江メール」問題は23日、永田寿康(ひさやす)氏が「自分の思い込みがあり、おわびしたい」と民主党幹部に陳謝したことで、信ぴょう性のなさが決定づけられた。衆院予算委での永田氏の「爆弾質問」から1週間、お粗末な幕引きとなりそうだ。  当初からメールの内容を検証すればするほど疑問点が噴出した。永田氏自身が情報提供者とされる人物と直接面会しておらず、友人のフリーの記者の「情報」だけが頼りだったことも詰めの甘さに拍車をかけた。政府関係者によると、小泉純一郎首相も確度の高い情報をもとに「ガセネタ」と決めつけたようだ。  メール問題を事前に把握していたのは永田氏と前原誠司代表、野田佳彦国対委員長らごくわずかの党幹部で、鳩山由紀夫幹事長すら知らなかったという。追及を了承した野田氏は質問前から永田氏への期待を示し、前原氏は質問に疑問点が出始めた後も、「信頼性は高い」とかばい続けたため、党へのダメージを広げた。何より情報の不確かさをチェックできなかった前原執行部は、危機管理能力の欠如と国会対応の未熟さを露呈した。  1983年に当時、社民連の楢崎弥之助衆院議員が偽の「自衛隊クーデター計画」を衆院予算委で質問し、混乱を招いたケースはあるが、今回も国会史に残る「お騒がせ質問」で終わりそうだ。  民主党は昨年9月の衆院選で惨敗した末、43歳の前原代表に党再建を託した。93年の「自社55年体制崩壊」以降の野党第1党は内紛と分裂を繰り返した。「政権」という求心力をもつ自民党は、小泉首相が党内の抵抗勢力との対立をテコに窮地を乗り切ってきたが、野党は対立が起きるたびに「遠心力」が大きくなってしまう。  永田氏が党幹部に陳謝したとはいえ、執行部を含め国民への直接の釈明は一切ない。責任問題も棚上げ状態で、党参院幹部が「永田も混乱しているけど、党も混乱している。何が問題なのか分からない」と漏らしたように、混乱ぶりは目を覆うばかりだ。  質問前まで逆風続きだった小泉政権が反転攻勢を強める分、再び党内対立が深刻化しそうな民主党。「メール問題は永田氏一人の問題ではない」(幹部)だけに、「全責任は自分にある」と公言した前原氏には、党内、国会を本来の姿に戻すためのけじめと人事管理能力が問われている。【徳増信哉】 毎日新聞 2006年2月24日 2時31分 (最終更新時間 2月24日 2時36分) URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/news/20060224k0000m010190000c.html *0223 旧堀内派、丹羽・古賀両氏の共同代表制に [朝日] 2006年02月23日22時52分  自民党の旧堀内派は23日、堀内光雄元党総務会長の辞任で空席となっていた後継会長をめぐり、会長代行の丹羽雄哉元厚相と事務総長の古賀誠元幹事長がともに新設の「代表」に就任することを決めた。会長ポストは空席のままとなる。  昨年7月から空席だった会長ポストについて、同派内には党幹事長も経験した古賀氏を推す声と、小泉首相の構造改革路線に理解を示す丹羽氏を推す声があった。9月の党総裁選が近づくなか、会長不在のままでは求心力が弱まると判断し、丹羽、古賀両氏が直接話し合い、当面は共同代表として協力することで落ち着いた。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0223/009.html *0223 施設庁長官の更迭や辞任を否定…額賀防衛長官 [読売]  額賀防衛長官は22日午前、衆院予算委員会の防衛施設庁談合事件に関する集中審議で、同庁の元技術審議官らが再逮捕されたことに関し、「北原巌男防衛施設庁長官を委員長とする調査委員会を設け、徹底的に調査させている。防衛庁の新しい出発をするのが北原長官の使命であり、私の責任だ」と述べ、自らの辞任や北原氏の更迭に否定的な考えを示した。  民主党の小川淳也氏の質問に答えた。 (2006年2月22日13時46分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060222ia01.htm *0223 堀江メール:国政調査権発動に応じぬ方針 自・公が確認  自民、公明両党は23日午前、東京都内で幹事長・国対委員長会談を開き、ライブドア前社長の堀江貴文被告から武部勤・自民党幹事長の二男への「送金」メール問題をめぐり、民主党が求めている国政調査権の発動には応じない方針を確認した。また、民主党に対し、引き続き口座名や口座番号などの公表を求めていくことで一致した。  武部氏は会談で「民主党は立証責任を果たしていない。国政調査権発動の必要性は全くない」と強調。同氏は会談後「(疑惑を指摘した)永田寿康衆院議員一人の問題じゃなくなってきている」と記者団に述べ、民主党執行部の責任問題にも言及した。【田中成之】 毎日新聞 2006年2月23日 12時44分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060223k0000e010085000c.html *0222 民主・前原代表、党首討論で新証拠示さず メール問題 [朝日] 2006年02月22日22時18分  民主党の前原代表は22日の党首討論で、ライブドアの堀江貴文前社長が自民党の武部勤幹事長の次男に送金するようメールで指示したと民主党が指摘した問題を取り上げ、「(武部氏らへの)資金提供が次男を通じてなされたのではないかという確証を得ている」と明言した。ただ、党内で提示を模索してきたメールを裏付ける証拠は示せなかった。前原氏が国政調査権を行使して資金の流れを明らかにするよう求めたのに対し、小泉首相は「(メールが)本物だという証拠を出せばあえて国政調査権を行使するまでもなく分かる」と述べ、改めて内容の開示を求めた。  米国産牛肉の輸入再開問題など「4点セット」で攻勢に立ちながら、メールの真偽問題で窮地に立った民主党だが、党首討論で状況を好転させることはできなかった。  前原氏は「現状ではメールが本物だとの証明は難しい」(国対幹部)と判断。堀江前社長から武部氏への資金の流れに焦点を移した。今後、証拠を示せない同党の対応に世論の批判が強まれば、執行部の求心力が大きく低下することは必至だ。  前原氏が新たな証拠を示さなかったことを受け、安倍官房長官は同日夜、都内の会合でのあいさつで「民主党がしっかりと証明できないのであれば、誰かがやはり責任を取らなければ駄目なのではないか」と語った。  党首討論で前原氏は、45分の持ち時間が残り10分となったところでメール問題を切り出し、「口座名や口座番号を提示する。元帳を出してほしい。後ろめたくないなら国政調査権に応じて、白日の下に明らかにすればいい」と求めた。  これに対して小泉首相は「本物か偽物か分からない情報を元に、具体的な個人を非難中傷している。(具体的な証拠を)出す出す出すといっていまだに出していない」と批判。「確かな証拠があれば(国政調査権を)行使することにやぶさかではないが、その前に本物だという証拠を出せば分かる」と述べ、国政調査権の行使は必要ないとの考えを示した。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0222/006.html *0221 堀江メール:新証拠なしで「泥仕合」のまま幕引きか? [毎日] ライブドア前社長の堀江貴文被告が武部勤・自民党幹事長の二男に3000万円を振り込むようメールで指示した、と民主党議員が暴露した問題は20日も新証拠の提示はなく、自民党からも疑惑を否定する資料は示されずこう着状態が続いた。民主党はあくまで国政調査権の発動を求めているが、過去の事例からは調査権も疑惑解明の伝家の宝刀とはなりえない。結局、どちらかが「次のアクション」を起こさない限り、「泥仕合」のまま幕引きとなりかねない。【田中成之、平元英治、衛藤達生】  ◇民主党は国政調査権の発動を要求しているが…  「民主党は何を調査しようとしているのか。過去の例から見てもおかしい」。自民党の細田博之国対委員長は20日の与党国対委員長会談で、国会法104条を根拠とした民主党の国政調査権発動要求を強く批判した。  自民党が「過去の例」を持ち出すのは、同法を適用した事例37件(35件は昭和20年代)のうち、今回のように民間を対象にしたケースは1954年の2件しかないためだ。衆院事務局も「国政調査権は立法府による行政監視の一環と位置づけられ、学説上も民間には抑制的に用いるべきだと解釈されている」と話す。  今回、民主党が想定しているのは武部氏の二男の口座がある金融機関への資料要求だ。細田氏が「民主党が(問題の)口座を特定すれば自民党は(二男の)通帳を自発的に公開すると言っている」と必要性を否定するのに対し、民主党の野田佳彦国対委員長は「自力で金融機関への調査はできない」と真っ向から反論している。  さらに、国会法104条に基づく調査権を発動したとしても、どこまで実効性があるかという問題もある。最近では94年に細川護煕首相(当時)が東京佐川急便から1億円を借入した疑惑をめぐり、法務省や国税庁などに資料を要求した例があるが、「国家公務員の守秘義務」などを理由に拒否され、それ以上の追及はできなかった。要求を拒否しても、同法には罰則規定もない。  さらに実態を解明する手段として、議院証言法による証人喚問や資料要求もある。ただし、実現へのハードルは一層高くなり、現段階では現実味がないのが実情だ。  自民、民主両党は20日の衆院予算委員会理事会で、「送金メール」問題をめぐり、対応を協議した。与党側は民主党にメールの信ぴょう性を裏付ける証拠を開示するよう要求。これに対し、民主党は国政調査権を発動して、事実関係を解明すべきだと重ねて求め、結論を持ち越した。  これに先立ち、政府・自民党は安倍晋三官房長官や武部勤幹事長らが会談し、「送金メール」問題について、民主党が求める国政調査権の発動には応じない方針を確認。武部氏は20日の役員会後の記者会見で、メール問題を質問した民主党の永田寿康衆院議員を名誉棄損で訴える可能性にも言及した。  一方、民主党の前原誠司代表は20日、三重県津市での記者会見で、メールについて「信ぴょう性が高いものと確信している」と重ねて強調。その上で「国政調査権の発動を前提に、持てる情報を提供し、国民への説明責任を果たしていきたい」と述べ、与党側に国政調査権の発動を確約するよう求めた。  ◇ことば…国政調査権  憲法62条が定める衆参両院の権利。国会法104条に基づく資料要求と議院証言法に基づく証人喚問などがある。発動には各院、委員会での決議が必要で、議院証言法のみに罰則規定がある。国会法では、行政機関が資料提出を拒む場合は理由の提示を求めていることば、民間に対してはその規定はない。 毎日新聞 2006年2月20日 21時28分 (最終更新時間 2月20日 23時27分) URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/news/20060221k0000m010099000c.html *0221 内閣支持率は下降43%、不支持41% 本社世論調査 [朝日] 2006年02月21日05時59分  朝日新聞社が18、19の両日に実施した全国世論調査(電話)で、小泉内閣の支持率は43%、不支持率は41%で、1月調査の45%対37%からさらに接近した。「格差社会」が国会などで指摘されるなか、所得などの格差が拡大したと見る人の半数は、格差拡大は首相の政策に関係があると答え、首相の政策運営に不満が表れた形だ。  内閣支持率は昨年9月の総選挙直後に55%あったが、11月以降低下が続き、今回もその流れは変わっていない。年代別では40代~60代で不支持が支持を上回った。  所得などの格差が拡大したと見る人は全体の71%で、そのうち49%(全体では35%)の人が格差拡大は首相の政策に「関係がある」と答えた。この層での内閣支持は24%、不支持は66%で不支持の高さが際立つ。  首相は行政サービスをできるだけ民間などに任せる「小さな政府」路線を進めてきたが、次の首相にも続けてほしいかどうかを聞くと、「このまま続けてほしい」は28%で、「路線はいいが、やり方を見直してほしい」が47%と最多、「路線そのものを転換してほしい」は14%だった。内閣支持層でも「このまま続けて」47%に対し、「見直して」が40%あった。  ライブドア事件や米国産牛肉輸入問題などを巡る小泉首相の対応については、「評価しない」が60%で、「評価する」22%を大きく上回った。       ◇  《調査方法》18、19の両日、全国の有権者を対象に「朝日RDD」方式で電話調査をした。対象者の選び方は無作為3段抽出法。有効回答は1979人。回答率は59%。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0221/001.html *民主、黒塗りコピー公表 双方が懲罰動議も メール疑惑 [朝日] 2006年02月17日23時42分  衆院予算委員会は17日、ライブドア問題で集中審議を行った。堀江貴文前社長=証券取引法違反の罪で起訴=が社内の関係者に武部勤・自民党幹事長の次男あてに3000万円送金するようメールで指示したとの民主党の永田寿康氏の指摘について、自民党は証拠に基づく立証を求めた。民主党は同日夜、メールのコピーを公表したが、本物と認定するに足る根拠は示さなかった。  自民、公明の与党は同日、永田氏への懲罰動議を衆院に提出。民主党は対抗し、この日予算委で質問した自民党の逢沢一郎幹事長代理が「メールの送信事実がない」など根拠のない発言を繰り返したとして、逢沢氏への懲罰動議を出した。  民主党は、この日3回開かれた予算委の理事会で、振り込みの有無を明らかにするよう銀行に求める国政調査権を発動すれば、出入金の口座情報を明らかにし、印字したメールを理事会で回覧させる意向も示した。だが、国政調査権の発動についての調整はつかなかった。  しかし、予算委後、民主党は国対幹部らが対応を協議。自民党がメールの存在自体に疑いを持っているため、情報提供者に了解を取り、印字したメールを公表した。  公表されたメールは、16日に永田氏が公表した内容と同じ文面で、差出人や受取人、本文中の人名の一部が黒く塗りつぶされている。野田佳彦国対委員長によると、大半は永田氏が塗りつぶし、一部は当初から情報提供者が塗りつぶした状態で渡したという。差出人の欄も塗りつぶしたことについては「書き方によって受取人が特定される可能性がある」と説明した。  この日の質疑で、小泉首相は永田氏の指摘について「ガセネタをもとにした情報で人の名誉を傷つけるのは厳に慎むべきではないか」と改めて批判。自民党の逢沢氏は、武部氏の次男が関係する銀行口座に「3000万円の入金記録はなかった」と主張した。また、杉浦法相も逢沢氏の質問に答える形で「検察当局はメールや指摘された事実関係について全く把握していない」と答えた。  民主党の永田氏は16日に続き質問に立ったが、「(情報の)ネタ元になっている方が身の危険を感じながらおびえている」として、新たな根拠は明らかにはしなかった。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0217/006.html *自民党員、郵政総選挙で大幅減 新人議員らにノルマへ [朝日] 2006年02月17日18時51分  自民党は17日、05年末時点での党員数が122万2618人だったと発表した。前年同期に比べて約18万人、13%減少した。郵政解散・総選挙では大勝したものの、「造反」議員の支持者や支持団体が離党したことが影響したと見られる。  都道府県別に見ると、最も大幅に減少したのは山梨県で、04年末の1万4000人余りに比べて4割減の8646人となった。先の総選挙では、堀内光雄氏(2区)、保坂武氏(3区)が郵政民営化法案に反対し、無所属での立候補を余儀なくされた。県連幹部によると、「総選挙後に堀内王国と言われる2区を中心に離党者が相次いだ」という。  しかし、来年の参院選を前に、自民党も手をこまぬいているわけではない。  青木幹雄参院議員会長は17日の参院執行部会で、参院選の立候補予定者に対し、党員1000人の確保を目標とする考えを明らかにした。谷津義男党組織本部長も同日の党役員連絡会で、党員獲得の実績がほとんどない新人衆院議員82人に対し、一定のノルマを課す方針を示した。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0217/003.html *首相「根拠なく遺憾」 ライブドア集中審議 [共同]  小泉純一郎首相は17日午後、衆院予算委員会で行われたライブドア事件など金融問題に関する集中審議で、同社前社長の堀江貴文被告が武部勤自民党幹事長の二男への金銭振り込みをメールで指示したとの民主党の指摘について「根拠のない情報を基にして人を傷つける行為だ。極めて遺憾で、法律以前の問題だ」と述べ、民主党の対応を厳しく批判した。  これに関連し与党は同日夜、16日にこの疑惑を取り上げた民主党の永田寿康氏に対する懲罰動議を衆院に提出。民主党も逢沢一郎自民党幹事長代理に対し、集中審議で民主党を批判した発言が不適切だとして、懲罰動議を出した。20日の衆院議院運営委員会の理事会で取り扱いを協議する。  また民主党は17日午後の予算委理事会で国政調査権の発動を求めた。 URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=poli&NWID=2006021701003561 *戦争責任論、ポスト小泉の有力3閣僚は慎重答弁 [朝日] 2006年02月14日21時37分  「60年前の戦争責任はだれが負うべきなのか」。14日の衆院予算委員会で民主党の岡田克也前代表は、こんな問いを「ポスト小泉」有力候補の麻生外相、安倍官房長官、谷垣財務相の3人に投げかけた。「次のリーダーの歴史認識を問う」狙いだったが、3氏は閣僚の立場ということを理由に踏み込んだ答弁は慎重に避けた。  戦争責任について麻生氏は、「当時は軍国主義者が悪かったという話になった。日本の場合は決めるときは何となく『みんなで』というところがある。『大東亜戦争に突入せよ』という文書が残っていないのも実態だ。そういう意味では、特定の人というよりも軍国主義、というのが経緯だろう」との論を展開した。  安倍氏は「連合国との関係では、極東国際軍事法廷(東京裁判)でそれぞれA級、B級、C級(戦犯)の方々が裁かれ、責任をとった。それは明確だ」と語った。  また、岡田氏の「同じ過ちを繰り返さないために、政府としての検証が必要だ」との主張に対しては、3氏とも「政府としては考えていない」と答弁。安倍氏は「アカデミックな観点から識者が議論することではないか」。谷垣氏も「学問と健全な国民の判断に任せることと思っている」と答えた。  岡田氏は、外交を担当する麻生氏と、東京裁判に批判的とされる安倍氏に質問を集中。第2次世界大戦の位置づけについて麻生氏は「歴史が判断するところだと思うが、(自分は)やむを得ない自衛のための戦争だったと言ったことはない」と強調。安倍氏は、サンフランシスコ条約で東京裁判を受諾したことについて「その結果、冤罪の人もいたかもしれないが、B、C級で獄中でなくなった方もいた。しかし、受け入れなければ独立を果たせなかった。苦渋の判断のうえに我々の現在がある」と語った。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0214/006.html *武部氏があらためて疑惑否定 自民、民主側に立証求める [朝日] 2006年02月17日11時52分  自民党の武部勤幹事長は17日午前の自民党役員連絡会で、ライブドアの堀江貴文前社長=証券取引法違反の罪で起訴=が武部氏の次男に3000万円を送金するよう電子メールで指示していたと民主党が指摘したことについて、「次男と会社のすべての銀行口座、通帳を本人が明らかにし、第三者によって確認したが、指摘の事実は見つからなかった」と疑惑を否定。その後の記者会見で「民主党は根拠が不明確なことをしばしば発言しているが、こうしたことは許されない」と語り、疑惑を指摘した永田寿康氏への懲罰動議を検討する考えを示した。  また、安倍官房長官も会見で「永田議員も国会の場で発言した以上、責任は重たい。メールが本当に存在するのか立証しなければいけない」と語った。  一方、民主党の野田佳彦国会対策委員長は17日、小泉首相が16日夜に「ガセネタ」と語ったことについて、「行政のトップが国会審議についてガセネタとは何事か」と反発。自民党に抗議した。  この問題は、ライブドア事件についての集中審議が行われた17日の衆院予算委員会でも取り上げられた。民主党の馬淵澄夫氏の質問に対し、谷垣財務相は「資料を出す方に立証責任があるのは当然のことだ」と語り、民主党側に立証を求めた。  質疑に先立つ予算委理事会で自民党は、民主党に対し、どのように銀行口座への振り込みを確認したのか、メールにあった名前だけでどうして武部氏の次男だと確認できたのかについての説明と、メールの実物を示すことを要求。民主党は、武部氏と次男らの参考人招致を重ねて求めた。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0217/002.html *「武部氏二男に3千万」堀江氏が指示と民主議員 [読売]  民主党の永田寿康氏は16日の衆院予算委員会で、証券取引法違反事件で起訴された堀江貴文被告が昨年8月26日付のライブドアの社内メールで、昨年の衆院選の自らの出馬に関連して、「自民党の武部幹事長の二男に対し、選挙コンサルタント費として3000万円を振り込む」よう指示していたと指摘した。  永田氏は16日昼、国会内で記者会見し、情報の入手先に関し、「関係者からある記者を通じて入手した。その後の調査で、少なくともメールのやり取りが行われたことが明らかになった」と説明した。  永田氏は、武部氏と二男、堀江被告らの参考人招致を要求した。  これについて、武部氏は16日、国会内で記者団に、「(衆院)予算委の理事が私の息子と連絡をとり、そういう事実は全くないということなので、そのことを明確にしたい。永田君への対応については、予算委に任せたい」と述べ、永田氏の指摘した事実はないと反論した。  また、昨年の衆院選当時に自民党総務局長を務めた二階経産相は、予算委員会で、「自民党は、そうした問題に一切関知していない」と答えた。  ◆公表メールの全文◆  民主党の永田寿康衆院議員が、関係者から入手したとして公表したメールの全文は次の通り。  シークレット・至急扱いで処理して欲しいんだけど、おそくても31日できれば29日までに△さん宛てに3000万円を振り込むように手配してください(前回、振り込んだ口座と同じでOK) 項目は、選挙コンサルティング費で処理してね。 ○○○○、宮内の指示を仰いで。○○には、こちらからも伝えておくので心配しないで。堀江  (△は武部氏の二男名。○○部分は永田氏が伏せた) (2006年2月16日13時59分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060216it05.htm *[[■政局06Ⅰ]] から続く
[[■政局06Ⅰ]] から [[■政局06Ⅲ]] へ #contents *政界にも衝撃…自民苦しい釈明、野党は責任追及へ [読売]  ライブドアの堀江貴文社長の逮捕は、政界にも大きな衝撃を与えた。自民党は昨年9月の衆院選で堀江社長を支援しただけに、歯切れの悪い反応が目立った。野党は自民党の道義的責任を追及する姿勢を見せた。  自民党の武部幹事長は23日夜、「容疑が事実であれば、自由経済の根幹を揺るがしかねない重大な事件であり、市場と投資家を欺いた罪は大きい。新時代の経営者として期待していただけに残念だが、捜査当局には厳正な捜査を望みたい」とのコメントを発表した。  自民党内には、堀江社長を衆院選で支援したことに対する批判もくすぶっている。伊吹文明・元労相(伊吹派会長)は記者団に対し、「堀江社長は結果を追求する余り、プロセスを無視したのだから、司直の手に任さないといけない。自民党も、そういう流れに首をかしげなかったのは反省しないといけない」と述べた。  加藤紘一・元幹事長も「(武部幹事長は)応援したのは事実だから、判断を間違えたと率直に認めた方がいい。小泉内閣の経済、財政の中心にいた竹中総務相が深くつき合っていた人が逮捕された意味は、国際的に大きい」と語った。  ただ、中馬行革相は「法の問題とは別に、時代を変えたことは評価したい」と述べた。  公明党の神崎代表は「事件の背景には、悪(あ)しき拝金主義が蔓延(まんえん)している。倫理観を欠くマネーゲームを排除するため、政治が真正面から取り組む必要がある。(自民党が)堀江社長を衆院選に担ぎ出したのは結果的に良くなかった。公認しなくてよかったなという印象だ」と語った。  一方、民主党の前原代表は「日本経済を大混乱に陥れた責任は非常に重い」とした上で、「衆院選では(堀江社長を)票集めの目玉にした。『堀江人気』で自民党に集まった票は多い。自民党の責任は重い」と強調した。社民党の福島党首も「虚飾の勝ち組政治だった小泉政治の化けの皮がはがれている。普通の人が働き、生きられる社会を作る政治であるべきだ」と述べた。 (2006年1月24日8時57分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060123ia24.htm *衆院代表質問:攻める前原民主、防戦の小泉首相 [毎日] 手前右から小泉首相、谷垣財相、麻生外相=国会内で23日午後2時6分、川田雅浩写す 衆院で23日始まった各党の代表質問は、民主党の前原誠司代表がライブドア事件、耐震データ偽造問題、米国産牛肉輸入再禁止問題の「3点セット」をテコに、小泉改革の「陰の部分」を追及したのに対し、小泉純一郎首相は原稿に目を落としたまま、従来の主張を棒読みするなど防戦一方だった。自民党の衆院選圧勝を受け首相が余裕の答弁に終始していた昨年9月の特別国会とは、攻守が逆転した格好だ。  「小泉改革には多くの『陰』の部分がある。5年間の『陰』を率直に語ってほしい」。前原氏は「改革の陰」について「社会の格差を拡大した」「(社会保障など)セーフティーネットを壊した」など5点を挙げ、首相を追及した。  これに対し、首相は「明確な格差の拡大は確認されていない。小泉改革の陰に対しても、かなり細かく答弁している」と反論したが、いら立ちは隠せなかった。前原氏は終了後「『陰はない』と言い切る(首相の)傲慢(ごうまん)さに怒りを感じた」と、記者団に語った。  国会開会直前に吹いた3点セットという「風」に、民主党は勢いづいている。野田佳彦国対委員長は同日の代議士会で「今年は(自民党に)『激辛』をお返しする。激辛の論戦のスタートだ」と気勢を上げた。これに応えるように、前原氏の質問も米国産牛肉の問題で「国民の生命と安全をないがしろにした。言語道断だ」と断罪した。  「対案・提案路線」を掲げる前原氏は、この日の代表質問でも「重要な政策には対案路線を貫く決意だ」と強調した。民主党としてもこの路線は堅持する方針だが、鳩山由紀夫幹事長は20日の記者会見で「国会前半は対案型から追及型にシフトさせたい」と語った。  安全保障政策で前原氏と距離のある党内の批判勢力や、共産、社民両党なども「3点セット批判」では足並みがそろう。社民党の福島瑞穂党首はこの日、前原氏の質問について「牛肉問題や伊藤氏の証人喚問については、前原氏の言う通り」と語った。「3点セット」は期せずして、ばらばらだった野党に求心力を与えたようだ。【須藤孝】 毎日新聞 2006年1月23日 20時50分 (最終更新時間 1月23日 22時32分) URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/kokkai/news/20060124k0000m010124000c.html *自民支持率:7ポイントも減少28%に 毎日新聞調査 [毎日]  毎日新聞が21、22の両日実施した世論調査によると、支持政党で自民党を挙げた人は28%で、昨年11月の前回調査より7ポイントも減少した。さきの衆院選でライブドアの堀江貴文社長を自民党が実質支援したことや、耐震データ偽造問題で同党議員の関係が追及されていることが影響した、との見方が与野党から出ている。  自民党の支持率は「郵政政局」が本格化した昨年8月以来、一貫して3割を超える水準を保っており、20%台は昨年7月の調査以来。年代別では20代を除くすべての年代で低下。とりわけ高齢層での支持離れが顕著で、60代は前回の52%から36%に、70代以上も47%から29%へと18ポイントも支持を落とした。この調査結果に武部勤幹事長は「厳粛に受け止め、国民の負託に応えるべく努力したい」とコメント。一方、民主党の鳩山由紀夫幹事長は「小泉政権の本質が見えてきたということだろう。ライブドア問題では、人気があればいいじゃないかということで堀江社長を応援した。国民の皆さんも『けしからん』と嫌気が差したのではないか」と指摘した。  ただ、民主党の支持率も20%から3ポイント減らし、支持政党なしが10ポイント増の41%に急増。自民支持層が無党派層となり、必ずしも民主党が受け皿となっていない実態をうかがわせた。  ◇首相候補は安倍氏が圧倒、38%の支持率  一方、首相にふさわしいと思う政治家を「この中にはいない」も含め10の選択肢を挙げ聞いたところ、安倍晋三官房長官が38%と他のポスト小泉候補を圧倒。これに、自民党では福田康夫元官房長官が10%で続き、麻生太郎外相は3%、谷垣禎一財務相は2%と大きく水をあけられた。  安倍氏は20代から70代以上の全年代で30~40%台の支持を獲得。小泉内閣支持層では55%、不支持層でも最多の18%が安倍氏がふさわしいと答えた。政党支持との関係では自民支持層の63%、民主党支持層でも設問に挙げた同党議員を上回る28%が安倍氏の名前を挙げた。  消費税引き上げとの関係を見ても、容認派、反対派とも安倍氏がトップ。引き上げに積極姿勢を見せることで活路を見いだそうとする谷垣氏は「財政再建のためならやむを得ない」とする容認派からも2%の支持しか得られなかった。  また、首相の靖国神社参拝に賛成と答えた人で安倍氏を挙げたのは50%だったのに対し、反対派は28%にとどまった。アジアとの関係を重視し参拝にも慎重姿勢を見せる福田氏は14%に達し、この問題が対立軸になる可能性をうかがわせた。  首相にふさわしい政治家として民主党議員を挙げた人のうち、菅直人元代表と小沢一郎前副代表は6%、前原誠司代表は2%にとどまり「党の顔」として十分浸透していないことが浮き彫りになった。【三岡昭博、山田夢留】 毎日新聞 2006年1月23日 3時00分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/news/20060123k0000m010121000c.html *「階級社会つくらぬ」安倍長官、小泉改革路線の懸念否定 [朝日] 2006年01月21日11時53分  安倍官房長官は21日午前、山口県宇部市で講演し、「勝ち組、負け組がはっきりする殺伐とした弱肉強食の日本をつくっていくのか。決してそんな道を歩みたいとは思っていない。勝ち組、負け組を決して固定化させてはならないし、階級社会をつくっていくことになってもいけない」と述べた。小泉首相が掲げる「改革路線」に対し、格差の拡大を懸念する声が与党内に広がっており、これを打ち消す狙いがあるとみられる。  安倍氏は「谷底に落ちるようなことのないセーフティーネットをちゃんとつくっていく。みんなが助け合っていくというのが日本の伝統だ。これはしっかり守っていく。私たちは改革のための改革を行っているわけではない」と述べた。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0121/002.html *片山参院幹事長「勝ち組だけがいいのは間違い」 [朝日] 2006年01月22日19時54分  自民党の片山虎之助参院幹事長は22日、岡山県新見市で講演し、小泉構造改革路線について「勝ち組だけがいいという風潮は間違いだ。そろそろ大きくかじを切ることを考えていくべき時に来つつある。思いやりのある協調社会が日本のめざすところだ」と指摘し、ポスト小泉候補は路線の修正が必要だとの認識を示した。  片山氏は競争の必要性について「ある程度は弱肉強食じゃなければできない」と認めつつも、「競争に負けた人にも再チャレンジする機会を与え、それでもダメな人には救済をすること考えるべきだ」と語った。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0122/002.html *首相、施政方針で「改革続行」 課題は次政権へ先送り  [朝日] 2006年01月20日14時21分  小泉首相は20日に召集された第164通常国会で、最後となる施政方針演説を行った。首相は昨年の総選挙での自民党大勝で「改革」路線が信任を受けたとして、「改革続行」を宣言。ただ、停滞するアジア外交や財政再建などには明確な解決の道筋は示さず、次の政権に課題を先送りする形となった。  首相の施政方針演説は5度目。首相は自民党総裁としての任期が切れる9月に退陣する意向を示しており、最後の通常国会になる。演説の冒頭で「不良債権の処理目標を達成し、政府の財政出動に頼ることなく、民間主導の景気回復の道を歩んでいる」と改革の成果を強調。「ここで改革の手を緩めてはならない」と、次の政権でも改革路線を続行するよう求める姿勢をにじませた。  一方、6月をめどに財政構造の歳出・歳入一体改革に向けた選択肢と工程を示すとしたが、財源策の焦点となる税制改正では「消費税、所得税など税体系全体にわたって、あらゆる角度から見直す」とするにとどまった。  また、自らの靖国参拝で冷え込む中韓両国との関係では「一部の問題で意見の相違や対立があっても我が国にとって大事な隣国であり、大局的な視点から協力を強化し、相互理解と信頼に基づいた未来志向の関係を築く」と、これまでの主張を繰り返すにとどめ、具体策には踏み込まなかった。  耐震強度の偽装事件については「書類の偽造を見抜けなかった検査制度を点検し、再発防止と耐震化の促進に全力を挙げる」と訴えた。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0120/003.html *通常国会:20日召集 審議日程めぐり与野党に溝 [毎日]  第164通常国会が20日召集される。会期は6月18日までの150日間。政府・与党は小泉純一郎首相の9月退任をにらみ、小泉改革の総仕上げを行う「行革国会」と位置づけている。これに対し、民主党は「安全国会」と位置づけ、耐震データ偽造問題などを突破口に攻勢を強める構えだ。  与党はアスベストや耐震偽造問題への対策費などを盛り込んだ補正予算案を冒頭に処理し、3月までに06年度予算案を成立させ、行政改革推進法案などの審議に入るスケジュールを描いている。しかし、19日になっても与野党の対立から召集日以外の日程を決められない異例の事態となっている。  召集日の20日は衆参両院で、首相の施政方針演説など政府4演説が行われる。【平元英治】 毎日新聞 2006年1月19日 18時31分 (最終更新時間 1月19日 23時57分) URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/kokkai/news/20060120k0000m010046000c.html *通常国会の流れ [日経]1/19 (趣意) 通常国会は、毎年一回、一月中に招集される。最大の目的は予算案や関連法案の審議だ。会期は国会法で150日と定められており、延長は一回しか認められない。 召集日は天皇を迎えての開会式に続き、首相が「施政方針演説」を行う。 施政方針演説に対して衆参両院で各党代表質問が行われる。これが終わると、衆院予算委員会(定数50人)に舞台が移る。首相と全閣僚が出席する基本的質疑、主要閣僚だけが出る一般的質疑を経て、集中審議、公聴会、分科会、締めくくり基本的質疑と進み、採決を迎える。衆院本会議でそれが報告され、可決後、参院に移り、予算委員会(45人)が同様に行われる、本会議で採決となり、予算が成立する。この時期は通常、三月下旬頃である。 その後重要法案の審議が本格化する。 【永田町インサイド 国会の「秘密」】 *通常国会:冒頭から与野党激突か ライブドア事件などあり [毎日] 小泉首相 20日召集される通常国会は、政府・与党が行革推進法案、教育基本法改正案など「国のかたち」に直結する法案を多数提出予定で、冒頭から与野党が激しく攻防する展開になりそうだ。さらに、耐震データ偽造問題に加え、「ライブドアショック」の激震もあり、先行きの不透明感がさらに増すことになった。与党は19日、幹事長、国対委員長らが会談し、結束して臨むことを確認。一方の野党は「小泉内閣5年間の総決算を迫る」と厳しく追及する構えを鮮明にした。【高山祐、平元英治、衛藤達生】  ◇「しっかり対応していきたい」小泉首相  「私の最後の通常国会になるから、今まで通り、しっかり対応していきたい」。9月退陣を表明している小泉純一郎首相は19日夜、記者団に通常国会への思いを語った。  自民、公明両党はこれに先立つ幹事長・政調会長・国対委員長会談で、05年度補正予算案の早期成立、06年度予算案の年度内成立をはかることを確認。重要法案の審議を精力的に進めることでも一致した。  与党が最重要法案と位置づけるのは、10分野の改革方針を盛り込む行政改革推進法案。首相退陣をにらみ、同法案で今後の行革路線の大枠を定め、「ポスト小泉」にも改革路線を継承させるのが狙い。与党は同法案のための特別委を設置、集中的に審議する構えだ。  一方で、与党内の足並みがそろわない重要法案も多い。女性・女系天皇容認が柱の皇室典範改正案は、首相や安倍晋三官房長官が党議拘束をかけるよう求めており、自民党の中川秀直政調会長は19日の与党協議で「国会に出せる状況ができれば、今国会で粛々と処理したい」と強調。ただ、自民党内の反対を受けて久間章生総務会長が提出先送りに言及するなど、意思統一はこれからだ。  また、防衛省設置法案、教育基本法改正案は、前向きに取り組むことでは一致したが、公明党にはなお慎重論が残る。こうした情勢を受け、与党内からは「難問山積の中、大幅延長もある」(自民党国対幹部)などの声が早くも漏れている。  耐震偽造問題などで野党が自民党追及の姿勢を強める中、建築主との不透明な関係が浮上している伊藤公介元国土庁長官が19日、急きょ記者会見を開き「口利き疑惑」を否定した。18日には松本和巳衆院議員も選挙違反事件の責任を取って辞職しており、国会召集直前に自民党が「火の粉」払いに躍起になる姿が浮き彫りになった形だ。  伊藤氏は会見で「国会審議が遅滞しないことが大事」と述べ、自ら説明することで予算案などへの波及を可能な限り回避したいとの思いをにじませた。党幹部も「きちんと経緯を説明しており、疑念を晴らすことができた」と評価した。  しかし、民主党は偽造問題やライブドア事件を「小泉改革の負の側面」と位置づけて徹底追及する構え。前原誠司代表は19日、記者団に「率先して真相究明に応じるのが与党の責務」と強調、伊藤氏の喚問を改めて求めた。ただ、自民党関係者は「明確な違法行為がない中で喚問する前例を作れば、野党にも跳ね返ってくる」と指摘しており、野党の追及姿勢も問われることになりそうだ。 ◆通常国会に提出が予定されている主な法案◆ <政府提出法案> 行政改革推進法案 皇室典範改正案 教育基本法改正案 アスベスト(石綿)健康被害者救済法案 医療制度改革関連法案 建築基準法改正案 米軍再編推進法案 防衛省設置法案 <議員立法法案> 国民投票法案 国会議員互助年金(議員年金)廃止法案 官製談合防止法改正案 毎日新聞 2006年1月19日 21時41分 (最終更新時間 1月20日 0時46分) URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/kokkai/news/20060120k0000m010127000c.html *自民党森派:新人議員入会で87人 新人争奪戦収まらず  [毎日]  自民党森派は19日夜、東京都内のホテルで総会を開き、新たに新人議員9人の入会を了承した。同派出身の小泉純一郎首相が「脱派閥」を掲げる中、森派は87人とさらに膨れ上がった。一方、無所属の新人も派閥からの勧誘を結束して防御しようと、有志が「無派閥サロン」を20日結成するなど、新人の争奪戦は収まる気配がない。  森派会長の森喜朗前首相は総会で「9人は選挙前から関係があったり、選挙後早くに申し入れがあった方々。総理も(派閥入りを)慌てるなと言っているが、入るなとは言っていない」とあいさつし、やみくもな「膨張主義」は取っていないことを強調した。  だが、森派は昨年の衆院選で第1派閥に躍進。首相や武部勤幹事長が新人に「無派閥の勧め」を説くのを尻目に、昨年中に6人、今回、さらに9人が加わった。他派閥への入会者は山崎派6人、二階派5人などで、大きく引き離している。  入会動機の多くは「選挙の支援」。新人の半数近くが派閥入りした事態に「小泉チルドレン」の中心メンバーは危機感を強め、無派閥サロンを作ることになった。首相秘書官から転身した小野次郎氏や、幹事長室長だった近江屋信広氏らが呼びかけ人で、「無派閥でも充実した政治活動を行うことができるよう、助け合っていきたい」と訴えている。【高山祐、堀井恵里子】 毎日新聞 2006年1月19日 22時04分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/news/20060120k0000m010137000c.html *「勝手に支持表明なら、派閥クビ」総裁選で森前首相 [朝日] 2006年01月19日21時01分  自民党森派会長の森前首相は19日、都内で開かれた同派の総会で、9月の総裁選で派内の安倍官房長官、福田康夫元官房長官の名前が候補に挙がっていることについて、「総裁選まで、グループの中で『私は福田だ』とか『私は安倍だ』とか断じて言うべきではない。そういうことを言う人は退会してもらうこともあり得る」と述べ、現段階で個別に特定候補を支援する動きを強く戒めた。  森氏の発言は、2人のポスト小泉候補を抱える派内の混乱を避ける狙いがありそうだ。森氏はあいさつで、安倍氏支持を公言している山本一太参院議員を名指しし、「君は少しやりすぎだ。今後そういうことを言うなら退会してもらうから、そのつもりで」と厳しい言葉を浴びせた。  山本氏は総会後、記者団に「今の姿勢を変えるつもりはない。安倍総裁の実現に向けて今までと変わらずやる。退会もしない」。安倍氏は「森前首相の話は『総裁選はまだ先の話だし、みんなで議論しながら』ということではないか。冷静に少し熱を冷まそうということだと思う」と語った。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0119/006.html *中川農水相、北朝鮮と中国を「軍事的な脅威」と指摘 [朝日] 2006年01月18日20時46分  中川農水相は18日、日本外国特派員協会での質疑で日米同盟に関連し、「軍事的な脅威は日本にはあるわけで、日米同盟を我々は選択している以上、日本が日米同盟に基づいて米国と対等の関係で防衛をしていく」と述べた。その上で、脅威の具体例として「北朝鮮と中国だ」と指摘した。  出席者が「日本が米国に防衛や外交面についてノーと言えないのは理由があるのか」と質問したのに答えた。  また中川氏は自民党総裁選に関連して「安倍官房長官とは昔からの友人で、国民や国際的な評価が高いなら、このまま(首相に)なってほしい」と述べた。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0118/006.html *高村元外相、首相の靖国参拝を批判 [朝日] 2006年01月18日23時22分  自民党の高村正彦元外相は18日、CS放送「朝日ニュースター」の収録で、小泉首相の靖国神社参拝について、「戦争美化の気持ちがないことはわかるが、外国の誤解を解くことが大変。なぜ反対するかわからない、ではすまない話だ。日本の政治家として配慮して頂きたい」と批判した。加藤紘一元幹事長も同番組で、「靖国問題と、それに端を発する日中問題は単に『心の中の問題』で片づけられない」と批判した。  高村氏は「靖国参拝を総裁選のテーマにしたのは元々、小泉総理。橋本氏と争ったとき、橋本氏が争点にするのを避けて言葉を濁したのに対し、小泉さんは参拝の姿勢を明確にし、票が小泉さんに大きく流れる要素になった。心の問題を政治の問題にしたのは小泉総理だった」と指摘した。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0118/007.html *首相「改革加速が責務」と演説 自民党大会 [朝日] 2006年01月18日12時03分  自民党は18日午前、第73回定期党大会を東京都内のホテルで開いた。党総裁として最後の大会となる小泉首相は演説で「昨年の総選挙での国民の審判を大事にしてさらに改革を加速させるのが今年の責務だ」と語り、9月末の任期切れまで「小さな政府」の実現などの改革路線を進める姿勢を強調した。一方、来賓としてあいさつした公明党の神崎代表は、富裕、貧困層の二極化問題への取り組みとアジア外交の立て直しを今後の課題として挙げた。  演説で首相は「今年も公明党との信頼関係を大事にする」としたうえで、「(経済)回復の道を歩み始めた軌道を本格的なレールに乗せたい。『保守したくば革新せよ』との言葉を銘記して、新しい時代に対応できる態勢を築き上げたい」と語った。  あいさつで神崎氏は「富裕層と貧困層の二極化が拡大しつつある。外交でもアジアの国々とどう向きあうのかなど、さまざまな課題がある。真剣に取り組んでいかなくてはいけない」と語った。日本経団連の奥田碩会長は「自民党には改革の流れを加速していただきたい。政治寄付(献金)は企業の重要な社会貢献であると位置づけ、本年も大いにがんばりたい」とした。  党運動方針は改革路線とともに、憲法改正の実現や靖国神社参拝の継承など保守色の強い施策を前面に掲げた。重点政策として、民需主導の新たな成長と財政健全化、省庁再再編などを明記する一方、新憲法に向けた国民投票法制定、教育基本法の改正、防衛庁の省昇格など「自民党らしさ」も強調した。  武部幹事長はこの日の運動方針の説明で「総裁選を党勢拡大に結びつける運動を展開する」と強調。総裁選の投票に効力をもたない形で一般国民が参加できる討論会や模擬投票の実施などを検討する。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0118/005.html *ライブドア問題 小泉改革、イメージ悪影響も [朝日] 2006年01月18日08時10分  ライブドアに司直の手が入ったことで、昨秋の総選挙で堀江貴文社長を支援した自民党は、火の粉を払うのに懸命だ。堀江社長は「民でできることは民で」を合言葉とする小泉改革の「勝ち組」のシンボルだっただけに、政権にもダメージを与えかねない。一方、野党は、耐震偽装問題に続く「切り札」として、20日からの通常国会で攻勢をかける構えだ。 ◇首相周辺、警戒の声  「郵政法案のように与野党が真っ向から対決する法案はない。国会運営に支障が出るとすればスキャンダルだけだ」。通常国会を前に、自民党の国対幹部は余裕の表情を見せていた。  そこに降ってわいたライブドアの家宅捜索。「想定外」(小池環境相)の事態に、総選挙で支援の旗振り役を担った武部勤幹事長は「極めて残念だ」。堀江氏の応援演説に駆けつけたことを記者会見で問われたが、「個人的に応援した」と「個人」を強調した。  武部氏だけでない。かつて「君のような若者が政治に入ってくるのは素晴らしいよ」と堀江氏に語りかけた小泉首相も17日夜、記者団に「全部ね、人間を調査することはできない。堀江さんは無所属で立候補した。自民党も支援したが、今回の問題とは別だ」。  ただ、小泉政権や武部氏に距離を置く勢力からは、冷ややかな声も漏れる。  「堀江さんは白日の下でああいう商売をしていた。それを承知の上で、改革の旗手として送り込んだのは小泉さん。そういう意味で小泉さんにも責任がある」。総選挙で堀江氏と戦った亀井静香氏はこう強調した。  小泉構造改革路線に批判的なベテラン議員の一人も「自民党への影響はないだろう。党というよりは、武部幹事長など一部には影響はあるんだろう」と語った。  堀江氏は六本木ヒルズに陣取る「勝ち組」の象徴。一方で、日本には「格差拡大社会」「下流社会」が忍び寄る。「堀江氏が小泉選挙の応援団的役割を果たしたのは事実」(公明党幹部)だけに、小泉自民党としては、堀江氏のイメージ悪化が政権のイメージに重なることを警戒している。 ◇民主、反攻への一歩狙う  「国会で、自民党のポピュリスト的な体質を厳しく問わなければならない。有名人ならだれでもいいという形で候補者を募るやり方で、この国が良くなるはずもない」  民主党の鳩山由紀夫幹事長は17日、記者団にこう語った。「『勝ち組』をチヤホヤすることではなく、『負け組』に入れられた人たちに立ち直ってもらい、人生の喜びを感じてもらえるような道を提示することが政治の役割だ」とも力説し、小泉自民党との対立軸として打ち出していく考えを示した。  昨秋の総選挙を前に、民主党も堀江氏の公認の可能性を探ったことがあった。当時の岡田克也代表は、面会を求めてきた堀江氏に「政権を交代し、日本を変えるという信念を持った人を求めている」と呼びかけた。  堀江氏は郵政民営化法案に賛意を示し、「強い者をより強くしていく政策が必要だ」。同席者によると、堀江氏はその場で「国民は馬鹿だから」という言葉を5回言ったという。この会談を最後に、民主党は堀江氏と距離を置いた経緯がある。  前原代表も自民党との対立軸として「人に温かい政治」を掲げて、セーフティーネットの必要性を強調している。この日は、名古屋市内で記者団に「自民党も公認扱いで堀江さんを全面支援し、その効果で自民党も得をした。道義的責任を免れない」と批判した。亀裂ばかり目立っていた民主党だが、「偽装問題」に続く「ライブドア」カードは、結束・反転攻勢に向けた切り札となるか。 URL:http://www.asahi.com/politics/update/0118/003.html

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