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#contents *0623 インサイダー取引事件、村上容疑者が全面自供 [読売]  ニッポン放送株を巡るインサイダー取引事件で、村上ファンド元代表・村上世彰(よしあき)容疑者(46)が東京地検特捜部の調べに対し、ライブドアからインサイダー情報を得た後、利益を得る目的で同放送株を買い進めたなどと供述していたことが分かった。  これで犯行目的も含め、容疑を全面的に認めたことになる。  特捜部は23日、村上容疑者と同ファンドの中核投資顧問会社だった「MACアセットマネジメント」を証券取引法違反の罪で起訴する。  村上容疑者は2004年11月8日、ライブドア前社長・堀江貴文被告(33)らから、同放送株を大量に買い占めるという情報を得て、その公表前に約193万株を購入したとして逮捕された。村上容疑者はこの株を高値で売り抜けて約30億円の利益を上げたとされている。  関係者によると、村上容疑者は、これまでの調べに対し、「11月8日の時点で、ライブドア側から少なくとも5%以上の同放送株を買うという重要事実は聞いていた」と犯意は認めていたものの、「ライブドアを利用して利益を得ようと思っていたわけではない」などと、犯行目的については争う姿勢を見せていた。  しかし、最近になって村上容疑者は、「インサイダー情報を聞いて、自分たちも同放送株を買い増して、最終的にはライブドアに売りつけてもうけようと思った」などと、利益目的の計画的犯行だったことを認める供述を始めたという。  一方、証券取引等監視委員会は22日、村上容疑者と法人としてのMAC社を証取法違反容疑で同地検に告発した。MAC社元役員3人については、関与の度合いが低かったことなどから告発を見送った。  特捜部も元役員3人の立件は見送る方針。 (2006年6月23日3時6分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060623i301.htm *0608 25万株一気に購入、ライブドアから連絡あった日に [読売]  「村上ファンド」のインサイダー取引事件で、元代表の村上世彰容疑者(46)が2004年10月、ライブドア側からニッポン放送株の買い占め資金200億円を調達する準備が整ったことを伝えられたその日のうちに、約25万株もの同放送株を買い占めていたことが分かった。  東京地検特捜部は、村上容疑者がライブドアの資金調達のめどが立ったと確信し、高値売り抜けを狙って同放送株の大量購入を始めたとみて調べている。  これまでの調べで、村上容疑者がライブドア前社長の堀江貴文被告(33)らに同放送株の購入を持ちかけた04年9月15日の直後から、ライブドア側が資金調達に向けて動き始め、進行状況を村上ファンド側の女性担当者にメールで報告していたことが分かっている。  関係者によると、ライブドア側の担当者は同年10月20日のメールで、「購入資金として200億円を用意する準備ができたので、会合の場を持ちたい」などと伝えていた。女性担当者は、この内容を村上容疑者に報告したという。ライブドアが用意しようとした200億円はこの当時、5000円前後で株価が推移していた同放送株の発行済み株数の約12%、400万株の購入資金に当たる。  ライブドア側の報告を受け、村上ファンドの投資顧問会社だった「MACアセットマネジメント」はこの日のうちに、同放送株を約25万株購入していた。MAC社の大量保有報告書によると、同ファンドは少なくとも同年8月以降は、10万株台の大量購入はしていなかった。  村上ファンドは、この日以降、11月4日に約17万株、同12日に約15万株などと断続的に大量購入を続けた。ところが、12月に入っても、ライブドア側が同放送株をほとんど買い進めておらず、0・5%程度しか保有していないことを知った村上容疑者は、ライブドア幹部に「全然、買ってないじゃないか」と怒ったという。  特捜部は、インサイダー取引の開始時期について、村上容疑者の逮捕容疑では、ライブドアが会議で200億円の資金調達を確実に出来ると同容疑者に伝えた04年11月8日としたが、実際にはさらに早い時期だった可能性があるとみて調べている。 (2006年6月8日14時36分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060608it06.htm *0608 村上容疑者、ライブドアの資金計画を04年9月に把握 [読売]  「村上ファンド」によるインサイダー取引事件で、元代表の村上世彰容疑者(46)が2004年9月、ライブドア前社長の堀江貴文被告(33)らから直接、ニッポン放送株の買い占め資金を準備すると伝えられていたことが分かった。  同事件では、ライブドアによる同放送株大量取得という未公表の重要情報を村上容疑者が把握した時期が焦点となっている。東京地検特捜部は、このやり取りを村上容疑者が内部情報を知った最初の場面として重視しており、インサイダー取引の不正利益は実際には逮捕容疑で認定した約30億円より多い約50億円に上るとみている。  関係者によると、村上容疑者は04年9月15日に堀江被告らと面会し、ニッポン放送株について、「3分の1を買えば、自分の分と合わせてニッポン放送の経営権をとれる。ライブドアが議決権を行使する際には協力する」などと買い占めを提案した。堀江被告らは「部下に指示し、買い占めのための資金調達の準備をする」と応じ、子会社のライブドアファイナンス前社長・中村長也被告(38)の名前を挙げて資金調達させることを約束。実際の資金調達は、中村被告とは別のグループ幹部らが担当したという。  村上容疑者は04年11月8日、堀江被告らから資金調達の準備が整ったことを正式に伝えられ、翌9日~05年1月26日までに193万株を買い集め、高値で売り抜けて約30億円の利益を上げた疑いが持たれている。  特捜部は、村上容疑者が、堀江被告らが株買い占め資金の調達を決めたことを知った時点で、ライブドアの内部情報を入手したとみている。村上容疑者が04年9月15日以降、05年1月26日までに買い集めた同放送株は計251万株あり、これを合わせると不正利益は約50億円に上る。  村上容疑者は遅くとも03年ごろから、同放送株の購入を進めており、04年9月より前の購入分を含めると、100億円前後の利益を上げたとみられている。 (2006年6月8日3時2分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060608i101.htm *0607 村上容疑者、ライブドアに高値売却…フジTOBを利用 [読売]  ニッポン放送株を巡る「村上ファンド」のインサイダー取引事件で、元代表の村上世彰(よしあき)容疑者(46)が、2005年1月にフジテレビジョンが同放送株の株式公開買い付け(TOB)を発表した直後、ライブドア側に対し、TOBに応じない代わりに、同放送株の発行済み株式数の10%分を同ファンドから買い取るよう求めていたことが分かった。  同放送の経営権取得計画が大詰めだったライブドアは要求をのみ、約10%にあたる約320万株を買い取っていた。フジテレビのTOBを利用し、高値売り抜けを図った「村上流投資術」の一端が浮かび上がった。  関係者によると、村上ファンドは、幹部が2004年11月10日、フジテレビ幹部と会った際、「TOBを実施したら協力してもらえるか」と打診を受け、フジテレビがTOBをするとの確証を得た。村上容疑者もフジテレビ幹部と面談した際に、「TOBをするなら協力する」と話していたという。  その一方で、村上容疑者は、フジテレビが05年1月17日、ニッポン放送の完全子会社化を目指すTOBの実施を発表した直後、ライブドア側に「自分がフジテレビにニッポン放送株のTOBを勧めたので、フジテレビに株を売らなければならない。もしライブドアが、ニッポン放送の発行済み株式の10%分をウチから買うなら、TOBには応じない」と持ちかけたという。既にフジテレビのTOB実施が決まっていたため、ライブドアへの売却価格は、フジテレビのTOB価格より高くなるのは確実だった。  ライブドア側が2月3日、「時間外取引で買う場合、売ってもらえるか」と打診すると、村上容疑者は「値段次第で考えておく」と応じた。村上ファンドは同8日、時間外取引などでライブドアに約320万株を売却。価格はフジテレビのTOB価格を100円上回る6050円だった。同ファンドは、ライブドアによる同放送株買い占めの公表で株価が高騰した後の数日間も含め、短期間で約500万株を売り抜けていた。 (2006年6月7日14時50分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060607i106.htm *0605 インサイダー取引、村上容疑者を逮捕 [読売] 「村上ファンド」によるニッポン放送株の不正売買を巡り、東京地検特捜部は5日、同ファンド代表の村上世彰(よしあき)容疑者(46)を証券取引法違反(インサイダー取引)の容疑で逮捕し、証券取引等監視委員会と合同で東京・六本木ヒルズのファンド関係会社、村上容疑者や幹部3人の自宅などを捜索した。  村上容疑者は容疑を認めている。  特捜部と監視委の調べでは、村上容疑者は、同ファンドの投資顧問会社だった「MACアセットマネジメント」の元役員らと共謀し、2004年11月8日、ライブドア前社長の堀江貴文被告(33)らから、ニッポン放送の発行済み株式数の5%以上を買い集めるとの情報を入手した上で、翌9日~05年1月26日までに、同放送株約193万株を計約99億5000万円で買い付けた疑い。  特捜部などでは、村上容疑者がこの株を高値で売り抜け、約30億円の利益を上げたとみている。  MAC社は、ライブドアが同放送株の大量取得という重要事実を公表する05年2月8日以前では、大量保有報告書の上で最後の購入日となっている05年1月5日以降も、同26日まで小口の取引を繰り返して約30万株を買い増し、最大約640万株を保有。2月中に売り抜けた約500万株のうち多くは、2月8日に時間外取引でライブドア側に売却していた。 (2006年6月5日21時56分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060605it11.htm *0605 ライブドア株暴落で損害、株主1621人ら提訴 [読売]  ライブドアと関連会社の株主ら1621人と企業6社が、株価の暴落で損害を受けたとして、ライブドア前社長・堀江貴文被告(33)ら旧経営陣や公認会計士など23人と3法人を相手取り、計約102億円の賠償を求める集団訴訟を5日、東京地裁に起こした。  訴状などによると、原告は、ライブドアの関連会社が企業買収を巡って虚偽発表をしたとされる2004年10月以降、株を購入した一般投資家ら。損害額は1人当たり1170円~約5億8500万円に上っている。  原告側弁護団は、今後も第2次、第3次の集団提訴を予定しており、請求額は総額で200億円を超す見通し。  ライブドアグループを巡っては、今年4月以降、個人株主ら約200人が約30億円の賠償を求める別の集団訴訟を起こしている。 (2006年6月5日20時19分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060605i112.htm *0605 村上氏、インサイダー取引容疑認める 阪神株売却を表明 [朝日] 2006年06月05日11時28分  村上ファンドを率いる村上世彰氏が5日午前、東京証券取引所で記者会見を開き、ニッポン放送株の売買を巡るインサイダー取引疑惑について、ライブドアが同放送株の大量取得を目指す方針を公表前に聞いたことを認め、「認識が甘かったと判断した」と自らの容疑を認め、謝罪した。取引は自分主導だったと強調し、今後は投資ファンドの運営から手を引く考えも明らかにした。また、47%を保有する阪神電鉄株については、阪急ホールディングスによる株式公開買い付け(TOB)に応じて売却を検討する方針を正式に表明した。  村上氏はニッポン放送株の大量取得をめぐり、「今回の件で多大な迷惑をおかけしたことを心からおわび申し上げたい」と陳謝。ライブドアによる同放送株の取得方針については「罪を犯すつもりはなかったが、聞いてしまった」と述べた。容疑を認める理由については「裁判で争い続けることは、ファンドへの投資家や仕事の仲間に対して迷惑がかかる」と述べた。4日夜に容疑を認める検事調書に署名した。  阪神株問題では、阪急が設定した1株930円の買い付け価格が低いとして難色を示していたが、売却に方針転換した理由について、「私どもが提案した選択肢の一つ」と説明した。ファンド関係者を阪神役員に送り込む株主提案については撤回する方針も示した。 URL:http://www.asahi.com/national/update/0605/TKY200606050149.html *0603 村上ファンド、証取法違反で立件へ…検察が最終協議 [読売]  「村上ファンド」によるニッポン放送株の不正売買疑惑で、東京地検特捜部は、村上世彰氏(46)ら同ファンド幹部を証券取引法違反(インサイダー取引)容疑で立件する方向で検討に入った。  特捜部は、「ライブドアがニッポン放送株を買い占める」という情報を村上ファンド側が事前に得た上で、同株を買い進めていた可能性が高いと判断しており、週明けにも最高検など上級庁と最終協議する見通しだ。  ライブドアは2005年2月8日までに、ニッポン放送株の買い占めを行い、同日、発行済み株式の35%超を取得したと発表。これに対し、村上ファンドは04年10月から05年1月までの間に同株を集中的に買い進め、同株の大半を2月末までに売却した。  証券取引法167条などは、発行済み株式の5%以上を買い占める行為者から、その発表前に情報を入手した者が、株を購入することをインサイダー取引として禁止している。特捜部はこの規定に注目。村上ファンドがライブドア側から情報を得て株を買った事実がないかどうか、ライブドア前取締役・宮内亮治被告(38)ら同社元幹部の事情聴取を行ってきた。  その結果、村上氏が前社長の堀江貴文被告(33)に対し、ニッポン放送株を買い集めたらどうかと提案していた、などとする供述をライブドア元幹部から得たという。また、堀江被告はニッポン放送株の買い占めに乗り出す前に、村上氏と接触を重ねていた。こうしたことから、特捜部は、ニッポン放送株の買い占めに関するライブドアの内部情報を、村上ファンドが事前に知りうる立場にあったとの見方を強め、インサイダー取引にあたると判断している。  特捜部はこれまでに、村上氏の側近である同ファンド幹部からも事情聴取をして、同株売買の経緯を調べている。また、近く村上氏本人からも聴取を行い、一連の取引について、説明を求めていく方針だ。 (2006年6月3日3時1分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060603it01.htm?from=top *0602 インサイダー取引:村上氏を捜査 東京地検特捜部 [毎日] 村上世彰代表 「村上ファンド」を率いる村上世彰代表(46)に証券取引法違反の疑いがあるとして、東京地検特捜部が捜査を進めていることが分かった。05年のライブドアによるニッポン放送株買い占めが公開買い付け(TOB)に準じる行為に当たり、村上代表は買い付け情報を事前に知りながら同社株を売買したとされ、TOBに関して禁じられたインサイダー取引の疑いがあるという。特捜部は証券取引等監視委員会とも連携し、既に関係者から聴取した模様だ。  村上代表が率いる「M&Aコンサルティング」は03年からニッポン放送株を買い進め、05年1月5日時点で609万株(発行済み株式総数の18.57%)を保有。一方、フジテレビは同17日、ニッポン放送の親会社になるため同社株の50%超の取得を目指してTOBを公表し、翌2月8日にはライブドアがニッポン放送株の35%を取得したと発表した。村上代表は2月末までに同社株466万株余を売却し、保有比率を3.44%(112万7800株)まで低下させた。  関係者によると、この時にライブドアが時間外取引で5%以上のニッポン放送株を買い集めた行為は、証取法上の「TOBに準じる行為」に当たるという。村上代表は、ライブドアによる株取得情報を公表前に得てニッポン放送株を売買したとされ、特捜部はこうした行為が証取法の「公開買い付け者等関係者等が禁止される行為」としてのインサイダー取引に当たる可能性があるとみている模様だ。  当時、村上代表が株を売却した相手はライブドアだったとされ、同社前社長、堀江貴文被告(33)=証取法違反で起訴=は「株取得前に村上氏と会談し、売却の意向を尋ねた」などと事前交渉を認める発言をしていた。  村上ファンドは今年3月にシンガポールに現地法人を設立して国内の投資顧問業の廃業届を関東財務局に提出。M&Aコンサルティングは国内でコンサルティング業務を続けている。  【TOBでのインサイダー取引】 証券取引法は第166条で会社関係者のインサイダー取引を禁じているほか、第167条で公開買い付け(TOB)やそれに準じる行為での関係者のインサイダー取引を規制している。違反すれば3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金。 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060602k0000m040185000c.html *0527 堀江被告の指示を再現 ライブドア事件公判で検察 [朝日] 2006年05月27日00時24分  ライブドア(LD)グループの証券取引法違反事件で、LD前取締役の宮内亮治被告(38)ら6人とLDなど2法人の初公判が26日、東京地裁で開かれた。宮内前取締役は大筋で起訴事実を認めた。検察側は冒頭陳述で、分離して公判が進められるLD前社長堀江貴文被告(33)の指示のもと、ナンバー2だった宮内被告ら4幹部が不正取引や粉飾決算に至った具体的な経緯を立証する方針を明らかにした。  検察側は冒頭陳述で、公判が分離された堀江前社長の事件当時の発言を、詳細に再現してみせた――。  「そんなもうかっちゃうの」  宮内前取締役は、「04年9月期の連結経常利益は最低でも20億円」と堀江前社長から指示された。宮内前取締役が企てたのは、携帯電話販売会社を子会社化する取引にからみ、LD株の売却収入を違法に売り上げ計上することだった。  03年10月下旬、この方法で利益が約10億円程度だと宮内前取締役から報告された堀江前社長はうなずいた。  「そんなもうかっちゃうの。じゃあ、予算にも乗せなきゃ。上方修正だねえ。それで20億いくねえ。その金額、乗せといて」  「強気、強気」  堀江前社長は04年5月、宮内前取締役に対し、LDが増収増益を達成し続けているように強調するため、予想をさらに30億円から50億円に上方修正するよう迫った。達成がむずかしいと堀江前社長に答えたが、堀江前社長の考えは変わらなかった。  「いいんだよ。強気、強気。ケイツネ(経常利益)50(億円)のがかっこいいじゃない。50のが、大台乗ったって感じでいいじゃん」  「やるしかない」  「50億円の達成まで、14、15億円足りない」。04年8月下旬、目標を成し遂げるため、宮内前取締役はそうことわったうえ、堀江前社長にある提案をする。買収済みの子会社2社に対する架空売り上げを計上することだった。堀江前社長は、「やるしかないだろう。やりきるしかないよね」。  「頑張って」  子会社2社の架空売り上げを計上していることに気づいた久野公認会計士は04年11月、宮内前取締役にやめるよう求めたが、宮内前取締役は拒否。小林公認会計士も、架空売り上げが発覚しないよう虚偽の証拠を整えさせた方がいいと久野公認会計士に指導した。  熊谷前代表取締役からこれを報告された堀江前社長は言った。  「頭痛いなあ。まあ、頑張って」  異例とも言うべき詳細な冒頭陳述には、全面無罪を主張している堀江前社長の有罪立証に照準を絞った東京地検の狙いがうかがえる。この日は元側近たちの公判だったにもかかわらず、検察側は関係者の供述から得られた堀江前社長の肉声を詳しく紹介し、前社長の主導的な役割を強調した。  検察側は、起訴事実以外に、02、03、05の各年度の決算粉飾も立証する方針を明らかにした。  冒頭陳述によると、宮内前取締役らは堀江前社長の指示を受け、LDの業績が伸びているように見せかけるため、02年9月ごろ、ライブドアファイナンス(LDF)がダミーの投資事業組合から約2億4000万円の投資収益を得られたように偽り、同年9月期の連結決算に計上。03年同期も2億円余を計上した。  検察側は、05年度も粉飾を続けていたと主張。具体的には05年6月、LDFがスイスのダミー会社にLD株を売却したように仮装し、約27億5000万円の投資収益を得たように見せかけたとした。    ◇  初公判が開かれたのは、LDの宮内亮治前取締役(38)▽熊谷史人前代表取締役(28)▽関連会社「ライブドアマーケティング」(LDM)の岡本文人前社長(38)▽金融子会社「ライブドアファイナンス」の中村長也前社長(38)▽LDの監査担当だった久野太辰(たいしん)公認会計士(41)、小林元(もとし)公認会計士(51)の6被告と、両罰規定で起訴された法人としてのLDとLDM。  このうち、宮内前取締役は起訴事実をおおむね認め、「このような罪を犯したことについては、深く反省しております」と述べた。ほかの被告たちの認否はわかれた。    ◇  堀江貴文前社長の弁護人は26日、冒頭陳述が取り上げた前社長の発言内容について、「(違法行為を)了承も指示もしていない。そんなことは言わない」と全面的に否定した。 URL:http://www.asahi.com/national/update/0527/TKY200605260363.html *0428 堀江被告94日ぶり保釈、検察側の準抗告棄却 [読売] ライブドアグループの証券取引法違反事件で、同法違反の罪で起訴され、拘置中だったライブドア前社長・堀江貴文被告(33)が27日、保釈された。  東京拘置所から出るのは、1月23日の逮捕以来、94日ぶり。  堀江被告は保釈直後、報道陣に向かって「世間をお騒がせし、申し訳ございませんでした。株主、従業員、関係者の皆様、ご心配をお掛けしました」「大勢の方に励ましをいただき、ありがとうございました」と述べ、頭を下げた。  東京地裁は26日にいったん保釈を認める決定をし、堀江被告は保釈保証金3億円を納付。検察側の準抗告を受け、同地裁の別の裁判部が審理していたが、27日、準抗告を棄却し、改めて保釈を認める決定をした。  堀江被告は、起訴事実を否認していることなどから過去2回の保釈申請は却下され、今月10日、3回目の保釈申請が出ていた。  東京地裁は、同事件で堀江被告についてのみ、初公判前に争点を絞り込む公判前整理手続きを適用。25日には、検察側が公判で証明する予定の事実を記載した書面、弁護側はこれに対する認否を示す書面を、それぞれ同地裁に提出。このため同地裁は、保釈しても証拠隠滅の恐れが小さいと判断したとみられる。 (2006年4月28日1時11分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060427it12.htm *0327 堀江被告の公判、迅速化で地裁が「整理手続き」適用 [読売]  ライブドアグループの証券取引法違反事件で、東京地裁(小坂敏幸裁判長)は27日、同法違反の罪(風説の流布、有価証券報告書の虚偽記載)で起訴されたライブドア前社長・堀江貴文被告(33)の公判について、共犯として起訴された同社前取締役・宮内亮治被告(38)ら4人と分離したうえで、公判前整理手続きを適用することを決めた。  公判迅速化のために導入された同手続きの適用で、堀江被告の公判は速いペースで進む見通しとなった。  昨年11月施行の改正刑事訴訟法で導入された同手続きは、初公判前に裁判所、検察官、弁護人の3者が協議を重ね、争点を整理したうえで審理計画を定めるもの。同地裁は適用の理由について、「企業買収に関連する事件で事案が複雑。証拠も膨大になると予想され、争点を整理する必要がある」と説明している。 (2006年3月27日21時16分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060327i114.htm *0317 USEN、ライブドアと包括提携 フジ保有株は社長が買収 [朝日] 2006年03月17日03時10分  有線放送・無料インターネット動画配信のUSENは16日、ライブドアと資本・業務提携すると正式発表した。フジテレビジョン保有のライブドア株12.7%はUSEN側がすべてを買い取った。ライブドアと広範な業務提携を結び、ライブドア証券もUSENへの譲渡を検討する。フジは株売却に伴い345億円の損失が確定した。  ライブドアとUSENの業務提携は、ポータル(玄関)サイトなどのインターネット関連事業のほか、金融事業、ソフトウエア事業などに及ぶ見通し。USENは今年6月開催予定のライブドアの臨時株主総会で最大2人の取締役を派遣する。  ライブドアはライブドア証券のUSENへの譲渡も検討する。親会社が法人として証券取引法違反で罰金刑を受けると、証券会社への出資比率を20%未満に引き下げる必要があるためだ。  フジが持つライブドア株はいったん宇野康秀社長個人が買い取った。資産査定したうえでUSENが引き取る見込み。この段階でUSENが堀江貴文被告に次ぐライブドアの第2位株主となる。宇野社長が買った値段は16日の終値より16円安い1株71円で、計約94億9000万円になる。  フジは同日、今年3月期連結決算の当期利益予想を、当初の238億円から100億円に下方修正した。フジはニッポン放送を巡る抗争の和解でライブドア株を440億円で取得しており、今回の売却で345億円の差損が出る。だが、銀行株の売却などで穴埋めし、開局以来の赤字決算は回避する。  フジは近く、損失分をライブドアに損害賠償請求する方針。宇野USEN社長は「ライブドア株の買い取り額は、こうした訴訟で将来新たな損失が生じることも織り込んでいる」と説明 URL:http://www.asahi.com/business/update/0316/142.html *0317 ライブドア事件、岡本被告を保釈 [読売]  ライブドアグループによる証券取引法違反事件で、関連会社「ライブドアマーケティング」前社長・岡本文人被告(38)が16日、保釈され、東京拘置所を出た。  ライブドア前取締役・宮内亮治(38)、金融子会社「ライブドアファイナンス」前社長・中村長也(38)両被告については、東京地検が、保釈を認めた東京地裁の決定を不服として準抗告したため、この日は保釈されなかった。  一方、同地裁はライブドア前社長・堀江貴文(33)、同社前代表取締役・熊谷史人(28)両被告の保釈申請を却下しており、熊谷被告の弁護人は同日、決定を不服として準抗告した。           ◇  岡本被告は午後4時すぎ、迎えの車の後部座席に深々と座り、やつれた表情で東京拘置所を出た。「株主への説明はないんですか」などという報道陣からの問いかけにも、うつむいたままで一切答えなかった。 (2006年3月17日0時48分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060316i116.htm *0314 堀江前社長らとライブドアを追起訴 粉飾決算事件 [朝日] 2006年03月14日20時13分  ライブドア(LD)の粉飾決算事件で、東京地検特捜部は14日、証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の罪で、LD前社長の堀江貴文容疑者(33)ら4人と法人としてのLDを追起訴し、LD前代表取締役の熊谷史人容疑者(28)を起訴した。前社長は調べに対し容疑を全面否認しているとされるが、特捜部は関係者の供述などから、前社長が違法行為を了承するなど粉飾を主導したと位置づけている。  特捜部は、粉飾決算に適正意見を付けた公認会計士の関与を含め、さらに捜査を進める方針だ。  ほかに追起訴されたのは、LDのナンバー2で企業合併・買収を担当していた前取締役の宮内亮治容疑者(38)▽関連会社「ライブドアマーケティング」(LDM)前社長でLD前取締役の岡本文人容疑者(38)▽金融子会社「ライブドアファイナンス」前社長の中村長也容疑者(38)。   起訴状によると、堀江前社長らはLDの04年9月期の連結決算で約53億4700万円の粉飾をしたとされる。約3億1300万円の経常損失が発生していたのに、(1)売り上げ計上が認められていない自社株の売却収入約37億6700万円を売上高に含め(2)子会社2社に対する架空売り上げ計15億8000万円を計上する――などの手口で、約50億3400万円の経常利益が出たように装った有価証券報告書を提出した。 URL:http://www.asahi.com/national/update/0314/TKY200603140306.html *0314 堀江被告らを告発、ライブドアは4月14日に上場廃止 [読売] ライブドア株の上場廃止が決まり、会見に臨む西室泰三・東証代表取締社長兼会長 ライブドアの粉飾決算事件で、証券取引等監視委員会は13日午後、法人としての同社と前社長の堀江貴文被告(33)ら5人を証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の容疑で東京地検特捜部に告発した。  これを受けて東京証券取引所は13日夜、新興企業向けの東証マザーズに上場しているライブドアと、事件に関与していた関連会社のライブドアマーケティングの株式を4月14日に上場廃止することを決定した。特捜部は14日、法人と堀江被告らを追起訴・起訴する見通しだ。  監視委などの調べでは、堀江被告らはライブドアの2004年9月期連結決算で、自社株の売却益を還流させたり、買収予定の2社の預金を移し替えたりして、架空の売り上げを計上。同年12月、約3億1300万円の経常赤字だった実態を隠し、約50億3400万円の経常黒字と偽った有価証券報告書を作成して関東財務局長に提出した疑い。  監視委では、ライブドアが04年5月、同年9月期連結決算の業績予想について、経常利益を30億円から50億円に上方修正したが、自社株売却益の還流だけでは50億円に達しないため、堀江被告の了承で預金付け替えを実行するなど、堀江被告が粉飾に深く関与したとみている。  一方、東証が上場廃止を決めたライブドアとライブドアマーケティングの株式は、3月14日から、投資家に上場廃止を周知させるため「整理ポスト」に割り当てられ、1か月後の4月14日に上場廃止される。  東証は、上場廃止基準の一つとして有価証券報告書の虚偽記載を挙げている。通常は、企業から報告書の訂正を受けて上場廃止を決めることが多いため、監視委の告発を理由に廃止を決定したのは異例だ。  上場廃止後は、株主は手持ちの株式を市場で売却することはできなくなるが、証券会社を通じ売却は可能だ。ライブドアは現預金が潤沢で収益の高い子会社も抱えているため、株式が無価値になる可能性は低い。  ライブドアの平松庚三社長は13日夜、東証で記者会見し、現在の3人の取締役が6月中旬に開く臨時株主総会までに辞任し、平松社長と清水幸裕上級副社長、落合紀貴副社長の3執行役員の取締役選任を総会に提案すると発表した。           ◇  告発されたのは堀江被告のほか、前代表取締役の熊谷史人容疑者(28)と、前取締役の宮内亮治(38)、関連会社「ライブドアマーケティング」前社長の岡本文人(38)、子会社「ライブドアファイナンス」前社長の中村長也(38)の各被告。 (2006年3月14日1時52分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060313it12.htm *0223 ライブドア、熊谷代表取締役も逮捕…堀江被告ら再逮捕 [読売]  インターネット関連企業「ライブドア」の粉飾決算事件で、東京地検特捜部は22日、証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で、前社長の堀江貴文被告(33)ら4人を再逮捕、前代表取締役の熊谷史人容疑者(28)を逮捕した。  粉飾額は、連結ベースで約53億4700万円に上った。  ほかに再逮捕されたのは、前取締役・宮内亮治(38)、子会社「ライブドアファイナンス」前社長・中村長也(38)、関連会社「ライブドアマーケティング」前社長・岡本文人(38)の3被告。堀江被告は容疑を否認、宮内被告や熊谷容疑者らは認めている。  調べによると、堀江被告らはライブドアの2004年9月期連結決算で、売り上げへの計上が認められず、資本に組み入れなければならなかった自社株売却益約37億6700万円を売り上げに計上したほか、子会社にする予定だった結婚仲介サイト運営「キューズ・ネット」、消費者金融「ロイヤル信販」の預金計15億8000万円をライブドア本体などの売り上げに付け替え。実際は約3億円余の経常赤字だったのに、約50億3400万円の黒字と偽った有価証券報告書を同年12月に提出した疑い。  堀江、宮内両被告らは、ライブドアの株価を上げるため、自社株の売却益を還流させて業績をよく見せかける仕組みを考案。04年3月、携帯電話販売会社「クラサワコミュニケーションズ」など2社を株式交換で買収した際、新規発行した自社株を投資事業組合を通じて売却し、売却益を連結売り上げに組み込んだ。  同年5月にライブドアが発表した業績予想では、連結経常利益を50億円としていたが、予想を達成できない見込みとなったため、キューズ社などの預金を付け替え、達成したように装っていたという。  ライブドアは同年秋、プロ野球への新規参入を巡って楽天と争っており、10月の日本プロフェッショナル野球組織による審査でも、「経常利益は50億円と見込んでいる」と説明していた。 (2006年2月23日1時18分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060222it11.htm *0222 ライブドア個人株主、賠償提訴へ被害弁護団結成 [読売]  ライブドアの証券取引法違反事件で、消費者問題などに取り組む弁護士が21日、「ライブドア株主被害弁護団」(団長・米川長平弁護士)を発足させたと発表した。前社長の堀江貴文被告(33)らに損害賠償を求める株主を募り、9月以降に提訴するという。  これとは別に、株主自身がインターネットで「被害者の会」結成を呼びかける動きも出ている。同社の粉飾決算が明確になれば上場廃止は免れず、株主らは「虚偽の決算情報のため、株を不当に高い価格で買わされた」と訴えている。  ライブドアは2003年ごろから株式の大幅な分割を繰り返した結果、1株の価格が数百円まで値下がりし、個人株主の数が急増した。昨年9月末時点で約22万人に上り、筆頭株主の堀江被告を除いても、個人の持ち株数は発行済み株式の38・2%を占めている。  これらの株主は事件発覚後の株価急落で損失を抱えたとみられ、弁護士らが1月28日、都内で開いた金融商品被害の電話相談では、ライブドア株に関する相談が全体の8割を占めた。年金生活者や主婦も多く、約6億円の損失を被ったと訴える相談者もいたという。  21日に会見した米川弁護士は、「粉飾決算などの不正行為で、株主は不当な高値で株を購入させられた」と主張、3月5日に都内で株主への説明会を開き、堀江被告ら旧経営陣やライブドアを相手取って集団提訴する。問い合わせは、事務局(03・3504・1955。平日の午前10時~午後5時)。 (2006年2月22日3時11分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060222ic03.htm *0220 ライブドアの決算粉飾、熊谷代表取締役が関与認める [読売]  インターネット関連企業「ライブドア」の2004年9月期決算の粉飾について、同社の熊谷史人代表取締役(28)が、東京地検特捜部の事情聴取に関与を認める供述をしていることが、関係者の話で分かった。  特捜部は、関連会社の虚偽発表で起訴した前社長の堀江貴文被告(33)ら4人とともに、熊谷取締役についても、証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑での立件に向け、詰めの捜査を進めている。  関係者によると、ライブドアは04年9月期決算で、子会社にする予定だったサイト運営「キューズ・ネット」など2社の預金など14億数千万円を自社の売り上げに付け替え、赤字だった単独の決算を黒字に装ったほか、本来、売り上げに計上できない自社株売却益約30億円も連結決算の売り上げに計上。四十数億円を粉飾した疑いが持たれている。  熊谷取締役は当時、決算などを担当する経営企画管理本部を統括する副社長。同本部はキューズ社などの預金付け替えの際、ライブドアがキューズ社から仕事を受注したように仮装する工作を指示しており、熊谷取締役は事情聴取に、こうした粉飾工作への関与を認めているという。  熊谷取締役は逮捕された堀江被告に代わり、1月24日、代表取締役に就任した。 (2006年2月20日3時9分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060220i201.htm *0220 ライブドア事件、監視委がスイスに調査官を派遣 [読売]  ライブドアグループの証券取引法違反事件で、証券取引等監視委員会がスイスに調査官を派遣していたことが分かった。  投資事業組合を使ったグループの株の売却経緯や売却益の流れなどを確認するためで、監視委は海外の金融当局とも連絡を取って調べを進めている。  ライブドア前社長・堀江貴文被告(33)らの起訴事実となった関連会社「バリュークリックジャパン」(現ライブドアマーケティング)の出版社買収では、バリュー社株が投資組合を通じ、スイス系金融機関などを経て売却されたことが判明している。ライブドアグループの資金の流れには、実態の乏しい外国法人を介在させるなどして複雑化させたものもあり、監視委では東京地検特捜部と連携して解明を進めている。 (2006年2月18日1時18分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060217i317.htm *0218 ライブドアグループ、上場全6社離脱も [朝日] 2006年02月18日00時10分  ライブドアは17日、データセンター運営子会社のメディアエクスチェンジ(MEX)と中古車販売子会社ライブドアオートについて、資本・業務提携の見直しについて検討を始めたと発表した。提携解消を求める両社を傘下に収め続けるのは困難と判断し、グループからの離脱を実質的に容認した模様だ。  ライブドアは、マンション販売のダイナシティについてすでに同様の発表をしている。また、セシールを傘下にもつネット広告会社ライブドアマーケティングと、ターボリナックスも、提携見直しをライブドアに求めており、すべての上場子会社がライブドアグループから離脱する可能性が強まった。  上場グループ各社の株価は、ライブドアへの1月の東京地検の強制捜査以来低迷。新規受注が難しくなるなど事業面でも影響が出始めている。さらにライブドアは法人として東京地検に起訴され、上場廃止の可能性が高まっている。  新経営戦略を策定中のライブドアは、ネット関連事業と金融事業を核事業と位置づけ、MEXやターボリナックスはグループ内にとどめたい考えだった。しかし、資本の力だけで傘下に持ち続けても子会社の企業価値を棄損しかねないため、「上場グループ会社株の売却はやむを得ない」(ライブドア幹部)との判断に傾いたとみられる。  平松庚三ライブドア社長と吉村伸MEX社長は17日に電話で会談し、出資比率の引き下げを検討することで合意。今後、両社はライブドアが保有するMEX株の譲渡先を共同で選定し、ライブドアのMEXへの出資比率を20%未満に下げることになりそうだ。 URL:http://www.asahi.com/business/update/0218/001.html *ライブドア:前例なき悪質粉飾 目的は株価 [毎日]  ライブドア事件は13日、前社長の堀江貴文容疑者(33)らが1度目の起訴を迎え、事件解明の焦点は粉飾決算に移った。有価証券報告書に虚偽記載したとされ、同社株の上場廃止にもつながる。検察当局は、経営破たん回避のため債務超過を隠す従来型の粉飾ではなく、業績好調を装って株価をつり上げる極めて特異な動機とみる。公認会計士と一体となった手口も発覚し、事件は巨額の利益獲得を狙った「プロの犯罪集団」の様相を見せ始めた。【小林直、川辺康広】  「株価をつり上げ、高値で売り抜けるのが目的。動機は積極的で悪質だ」。過去の粉飾事件と比較して、法務・検察幹部は語る。  これまでの大型事件をみると、99年の日本長期信用銀行と日本債券信用銀行(いずれも当時)、昨年8月のカネボウの各事件は、巨額の不良債権を明らかにすると破たんに直結するため、粉飾決算に走った--という構図だった。「負の遺産」を作ったのは旧経営陣たちで、摘発当時、社内からは「最後の経営陣だけに責任を取らせるのは不公平」という不満も聞こえた。  このほか、山一証券は長年に及ぶ不良債権の「飛ばし」で生じた巨額の簿外債務隠し、運送会社のフットワークエクスプレスも銀行融資の継続が動機とされ、表面化すれば企業が存続の危機に立たされるという点で、動機は共通している。  今回の粉飾決算疑惑は、これらの事件とは対照的だ。関係者によると、堀江前社長らは03年11月~04年10月、立て続けに6件の企業買収を公表。実際は現金買収だったのに「新株発行による株式交換」などと虚偽公表し、計1403万株のライブドア株と、16万株の関連会社株を新たに発行した。  この際「買収によるシナジー(相乗)効果」をアピール。さらに、粉飾決算で立件対象とみられる04年9月期の有価証券報告書の利益を大幅にかさ上げして好業績を装った。関連会社株の100分割という奇策まで絡ませて、株価を高騰させた後、新株を売り抜けて約90億円を還流させた。  前取締役、宮内亮治被告(38)らが発案し、堀江前社長が了承して作り上げたスキームは捜査関係者も驚くほど巧妙だ。  ◇公認会計士も一体…プロの犯罪  一連の不正経理では、グループと深い関係のある会計・法律事務所「ゼネラル・コンサルティング・ファーム」(横浜市)の公認会計士が、架空取引や預金の付け替えで、ライブドア側に約16億5000万円もの不正送金を行ったことが判明している。なれ合い監査が問題となった過去の粉飾決算に比べ、会計士の関与が極めて強く、金融庁幹部も「癒着と言うより、ライブドアと一体化している。過去に例がない」と指摘する。  疑惑の04年9月期決算を担当した「港陽監査法人」(横浜市)にも厳しい目が向けられている。  「監査業務に問題があれば処分する」。日本公認会計士協会の藤沼亜起(つぐおき)会長は今月2日、記者団にこう話した。協会は、会計士を処分する権限を持つが、処分前に個別ケースに言及するのは異例のことだ。  協会の厳しい対応の背景には、有効な再発防止策を打ち出せない焦りがある。  4人の会計士が逮捕されたカネボウ事件では、同じ会計士が12年にわたり会計監査を担当していたことが判明し、監査先との癒着が問題になった。同協会は、会計士が同一企業を継続して監査できる期間を法律の規定より2年短縮した5年にする自主ルールを決め、4大監査法人に実行を要請するなど、大手に重点を置いた対策を講じた。しかし、港陽は会計士が十数人しかいない小規模監査法人で、対策の対象外だった。  ■疑惑のポイント■  粉飾に加え、インサイダー取引や脱税など、今後捜査対象になる疑惑のポイントをまとめた。 ◆粉飾  粉飾疑惑で東京地検特捜部は、関連会社「ライブドアマーケティング」(LDM)前社長、岡本文人被告(38)を除く3人を再逮捕する方針を固め、熊谷史人・代表取締役(28)も立件する方針だ。  ライブドアは04年9月期決算で、子会社のロイヤル信販とキューズ・ネットの利益計14億円余を本体の経常利益に付け替え、本来赤字だった決算を黒字と装ったことが判明。また、03~04年に別の4社(1社はLDM分)を加えた計6社の偽装買収に伴い、新規発行した自社株の売却益を還流させ、企業会計上の原則に反して「利益」として計上し、決算を粉飾したとされる。還流分のうち、粉飾に充てられた金額について調べが進められ、立件対象は数十億円となる見通しだ。 ◆インサイダー取引  堀江前社長らは昨年12月、グループ幹部が特捜部に事情聴取されたとの報告を受け、保有する自社株600万株を売却、約40億円の利益を得たとされる。投資家の判断に影響を及ぼす情報を把握しながら取引に踏み切った行為が、証取法で禁止されたインサイダー取引に当たる可能性があるとして、特捜部は、証券取引等監視委員会と合同で捜査している。 ◆脱税  堀江前社長らは、租税回避地(タックスヘイブン)の英領バージン諸島に本拠地を置く海外ファンドに自社株を売却して得た数十億円を、スイスなどの金融機関に開設した複数の借名口座にプールしていたことが判明。資金は税務申告されずに簿外で処理されており、脱税の疑いが浮上している。こうした蓄財のうち、違法行為に基づく収益については資金洗浄(マネーロンダリング)の疑いもある。  特捜部は国税当局と協議を始め、当面、この蓄財がライブドアと堀江前社長個人のどちらに帰属するかを調べる方針。 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/wadai/news/20060214k0000m040163000c.html *証券監視委、ライブドアなど2社も地検に告発 [読売]  ライブドアグループの証券取引法違反事件で、証券取引等監視委員会は10日、逮捕されたライブドア前社長の堀江貴文容疑者(33)ら4人とともに、法人としての同社、関連会社ライブドアマーケティング(旧バリュークリックジャパン)の2社も同法違反(偽計、風説の流布)の容疑で東京地検に告発した。  監視委の調べでは、バリュー社が出版社買収時に利用した「VLMA2号投資事業組合」は、手持ち資金約12億円の大半が、ライブドアグループから他の投資事業組合を通じて拠出されていた。監視委では、こうした工作は、バリュー社の株価つり上げを表面化させないための偽装だったと認定した。 (2006年2月11日1時44分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060210i417.htm *野口副社長の他殺説、国家公安委員長が否定…衆院委 [読売]  沓掛哲男・国家公安委員長は7日の衆院予算委員会で、ライブドアグループの証券取引法違反事件に絡み、東京地検の強制捜査から2日後に遺体で発見されたエイチ・エス証券の野口英昭副社長(当時38歳)について、「(死因は)犯罪に起因するものではないと承知している」と述べた。細川律夫議員(民主)の質問に答えた。  野口副社長は1月18日、那覇市内のホテルの一室で倒れているのが発見され、搬送先の病院で死亡が確認された。原因は失血死だったが、関係者から自殺を疑問視する声も上がっていた。  沓掛委員長は「沖縄県警は、現場の状況、行政解剖の結果や、関係者からの事情聴取など様々な角度から判断した」と述べた。 (2006年2月7日23時16分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060207i415.htm *ライブドア、子会社離反 資本提携、見直し要請へ [朝日] 2006年02月07日06時27分  ライブドアの子会社でデータセンター運営のメディアエクスチェンジ(MEX)と、中古車販売のライブドアオート(旧ジャック・ホールディングス)が、ライブドアに資本関係の見直しを求めることが6日、分かった。ライブドアが拒否すれば、現経営陣らと外部資本が会社を買い取る「マネジメント・バイアウト」(MBO)に発展する可能性もある。グループ離脱の動きが表面化するのは初めてで、子会社が親会社に資本関係の見直しを求めるのは、国内では異例だ。  企業合併・買収(M&A)を繰り返して拡大したライブドアグループの再建には、収益力がある傘下企業との連携が欠かせない。平松庚三社長も「事業の切り売りはしない」と明言している。半面、グループ各社の事業には事件の影響が出始めており、企業価値が損なわれないうちに離脱したいと考えるグループ会社が出てきた。  東証マザーズに上場するMEXは、ライブドアが昨年12月に約52%の株式を取得したばかりで、直近の05年3月期決算は売上高が21億円、当期利益は1億9000万円。今回の事件で株価が下落したほか、新規の顧客開拓など営業面でも支障をきたしている模様だ。同社の吉村伸社長は7日、平松ライブドア社長と初面談し、第三者へのMEX株式の売却など資本提携の見直しを求める。  親会社は子会社の経営陣の選任権などを持つが、子会社が親会社に資本政策の変更などを強制する法的な根拠はない。このため、話し合いが物別れに終われば、経営陣が友好的な第三者とともに株式公開買い付け(TOB)を実施するMBOなど、敵対的な手法しか選択肢がなくなる。  同社にはすでに複数の企業や投資ファンドから資金提供の申し出が寄せられている。有利な株価でTOBが実施されれば、親会社は株式を売却しないと自社の株主に提訴される可能性もある。  一方、東証2部に上場するライブドアオートは、昨年9月にライブドアが約51%の株式を取得した。直近の05年3月期連結決算は、売上高が430億円で当期損失が19億円だった。同11月には羽田寛ライブドア取締役が社長に就任し、今年1月に旧社名の「ジャック・ホールディングス」から商号も変えた。  しかし、今回の事件の影響で、主に中古車販売店から取引停止の通告が相次ぎ、06年3月期の連結予想売上高は大幅な下方修正を避けられない情勢という。  羽田社長は6日の投資家向けの決算説明会で「業務提携の見直しだけでなく、資本関係も見直したい」と述べた。社名も変更する方針だ。羽田社長はライブドア取締役も続けており、子会社の企業価値維持とグループ政策の間で難しい判断を迫られている。  また、ライブドアが約66%の株を保有するソフト開発子会社ターボリナックス(大証ヘラクレス上場)は、堀江貴文容疑者らが逮捕された1月23日以降、六本木ヒルズから本社機能を移転しつつある。2月下旬には渋谷区の新オフィスで業務を開始するという。 URL:http://www.asahi.com/business/update/0207/045.html *ライブドア:堀江前社長にインサイダー取引容疑 [毎日] 堀江貴文容疑者 証券取引法違反容疑で逮捕されたライブドア前社長の堀江貴文容疑者(33)らが昨年12月、元グループ幹部から「東京地検特捜部の事情聴取を受けた」との報告を受けた直後、保有する自社株約600万株を売却し、約40億円の利益を得ていたことが関係者の話で分かった。同社株は家宅捜索後に急落しており、堀江前社長らは売却によって大幅な損失を回避したことになる。投資家の判断に重大な影響を及ぼす情報を把握しながら隠ぺいしたまま株取引に踏み切っており、特捜部と証券取引等監視委員会は、同法違反(インサイダー取引)容疑で捜査する方針を固めた模様だ。  堀江前社長らを巡っては▽企業買収に絡む6件の虚偽公表▽粉飾決算▽株売却益を還流させた資金洗浄▽海外の隠し口座に数十億円を不正蓄財した脱税--の疑惑が判明している。インサイダー取引容疑が加わったことで、ライブドア事件の捜査は、長期化する見通しになった。  関係者によると、堀江前社長や前取締役、宮内亮治容疑者(38)らは昨年12月上旬、元グループ幹部から「特捜部の事情聴取を受けた」と報告を受けた。内偵捜査が進んでいることを察知した堀江前社長らは数日後、金融子会社「ライブドアファイナンス」前社長、中村長也容疑者(38)に命じ、スイス系の証券会社に保管していた事実上個人保有の自社株約600万株を1株700円前後で売却。総額約40億円を手にしたという。  自社株は、企業買収の際に発行されたもので、グループが出資・支配する「JMAMサルベージ1号投資事業組合」や「M&Aチャレンジャー1号投資事業組合」を介し、海外の証券会社などに売却されていた。  さらにこれとは別に、堀江前社長らグループ幹部が国内で保有していた株式も同時期に売却していた可能性もあり、特捜部と証券監視委が解明を進めている模様だ。  売却時700円前後だったライブドア株の株価は、1月16日の家宅捜索後に急落。2月2日には年初来最安値の84円を記録した。  堀江前社長のように発行株式総数(ライブドアは約10億株)の5%以上を保有する大株主は、証券取引法の規定により1%(同約1000万株)以上の株を売買した場合、報告義務が生じる。しかし、12月の売却数は基準を下回っており、報告書は提出されていない。  ◇ことば…インサイダー取引  上場会社や子会社の運営や業務、財産に関する重要な事実で、かつ投資判断に影響を及ぼすような未公開情報を知る役員らが株式を売買すること。証券市場の公正性・健全性が損なわれる恐れがあるとして証券取引法で規制され、違反した場合3年以下の懲役または300万円以下の罰金。 毎日新聞 2006年2月7日 3時00分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060207k0000m040161000c.html *ライブドア:蓄財隠しに借名口座 脱税容疑強まる [毎日]  ライブドアグループの証券取引法違反事件で、自社株の売却先となっていた海外ファンドの名義口座が、スイスに加えて複数の国の金融機関に開設され、これらの国から金融庁に対し、前社長、堀江貴文容疑者(33)個人の借名口座だったとの通報が寄せられたことが分かった。堀江前社長が蓄財の発覚を防ぐため、このファンド名を使ったという。東京地検特捜部は、脱税の疑いが一層強まったとみて、国税当局と連携して、数十億円に上る海外資金の実態解明を進めるとみられる。  この海外ファンドは、租税回避地(タックスヘイブン)のイギリス領バージン諸島に本拠地を置く。これまでの調べで、04年の情報誌出版「マネーライフ社」買収を巡り、同社株を持つライブドア傘下の投資事業組合と、ライブドアの関連会社が株式交換し、同組合は関連会社株を約8億円で海外に売却したことが分かっているが、その受け皿が同ファンドだった。  売却益は、スイスの銀行の同ファンド名義の口座などを通じて、最終的に約6億6000万円がライブドア本体に還流したが、一部はこの口座に残った。同様の構図で、ファンド名義の口座の残高は数十億円に上っているという。  海外からの通報は、スイス周辺国の金融当局から、テロ資金やマネーロンダリング(資金洗浄)の情報を一元的に集約・分析している金融庁の「特定金融情報室」に寄せられた。特捜部は、堀江前社長向けに簿外資金を送ったとされる金融子会社「ライブドアファイナンス」前社長、中村長也容疑者(38)の供述に加え、金融庁への通報内容から、ファンド名義の口座が堀江前社長の不正蓄財の舞台と判断している模様だ。  特捜部と国税当局は既に、ライブドア関連の不正蓄財解明について協議を始めており、今後、海外口座の資金が、法人としてのライブドアと堀江前社長個人のどちらに帰属するかなどについて、共同で調べを進める方針とみられる。 毎日新聞 2006年2月5日 3時00分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060205k0000m040108000c.html *ライブドア:連結決算書に46億円超す誤り [毎日]  ライブドアは3日、昨年11月に発表した05年9月期連結決算書の資金計上項目の一部に46億円を超す誤りがあり、訂正したと発表した。同12月27日に公表した有価証券報告書では同じ項目が既に訂正されており、1カ月以上経過しての決算書訂正だ。同社は今年に入り、株式大量保有報告書の提出遅れや訂正が相次いでおり、改めて財務処理のずさんさが浮き彫りになった。  今回、誤りが見つかったのは、現金の動き(キャッシュフロー)を記した個所。営業活動での黒字を20億4700万円から67億2300万円に、投資活動での赤字を663億9300万円から710億7300万円にと、それぞれ修正した。  修正の公表が遅れたことについて、同社は「財務担当の部署が、公表が必要だとの認識を持っていなかった」と説明している。  同社は社長が交代した今年1月24日、05年3月期の中間連結決算(昨年5月公表)でのキャッシュフローで、営業活動での現金収支を実際の10倍以上に当たる112億8800万円と記していたと発表した。同27日には「メディアエクスチェンジ」の子会社化に伴う株式大量保有報告書を提出期限から1カ月以上遅れて政府に提出するなど、不適正な財務処理が次々と明るみに出た。  同社は「財務部門のルール認識や監査体制に問題があった。ミスの再発防止を徹底したい」としているが、具体的な改善策は明らかにされず、信頼回復への道は厳しそうだ。【望月靖祥】 毎日新聞 2006年2月3日 19時48分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060204k0000m020080000c.html *堀江前社長はなお否認、検察側は立証に自信 勾留延長 [朝日] 2006年02月04日06時20分  東京地検特捜部が摘発したライブドアグループの証券取引法違反事件で、東京・小菅の東京拘置所で取り調べを受けている前社長の堀江貴文容疑者(33)は逮捕容疑について否認を続けている。東京地裁は3日、堀江前社長と前取締役の宮内亮治容疑者(38)ら同容疑で逮捕された4人の勾留(こうりゅう)を13日まで10日間延長することを認める決定をした。  堀江前社長らが逮捕されたのは1月23日。関係者によると、04年10月に関連会社による企業買収をめぐって虚偽の事実を公表したなどとされる逮捕容疑について、前社長は「詳しいことは知らない」という説明を変えていない。逮捕の際、容疑に対する弁明を聞く「弁解録取書」への署名を拒んだ姿勢を崩しておらず、供述調書はまだ1通もできていないという。  関係者によると、堀江前社長の健康状態に変化はなく、取り調べ担当の特捜部副部長に対して「話すつもりはない」と言い、本格的な取り調べには至っていないという。ある法曹関係者は「否認は前社長本人の強い意思。このまま変わらないだろう」と話す。  一方、宮内前取締役ら堀江前社長を除く3人は容疑を認めており、特捜部は立証に自信をみせている。時間をかけて前社長に説明を求めていく方針とみられる。  関係者の事情聴取や押収した約10万通に及ぶ電子メールの分析も急ピッチで進んでいるとされ、検察幹部は堀江前社長について「否認が続いたとしても、立件に問題はないだろう」と話す。 URL:http://www.asahi.com/national/update/0204/TKY200602030407.html *ライブドア:海外で蓄財、数十億円 堀江容疑者の口座も [毎日]  ライブドア(東京都港区)グループによる証券取引法違反事件で、同社が自社株の売却などで得た数十億円を、スイスの銀行に開設した複数の口座にプールしていることが、関係者の話で分かった。口座の名義は仮名だが、ライブドアの法人口座に加えて前社長、堀江貴文容疑者(33)個人のものもあるという。こうした資金は税務申告せずに簿外で処理されており、東京地検特捜部は脱税の疑いもあるとみて、国税当局との連携も視野に、不正蓄財の実態解明を進めるとみられる。  ◇自社株売却益、脱税の疑い…東京地検、国税当局と連携  関係者によると、簿外資金がプールされているのは「プライベートバンク」と呼ばれる富裕層の資産を運用・管理するための口座。いずれも架空の企業や海外ファンドなどの名義になっていたが、実際には、ライブドアや堀江前社長のもので、一度に10億円単位で入金されていたこともあったという。  口座の開設や入金などは、金融子会社「ライブドアファイナンス」(同区)前社長、中村長也容疑者(38)=ライブドア前執行役員=やライブドアのファイナンス事業部が行っていたとされる。特捜部の調べに対し、中村前執行役員は、堀江前社長の指示で、簿外の資金を送金した事実を認めているという。  プールされた資金は、携帯電話販売「クラサワコミュニケーションズ」など04年3月~05年1月に偽装買収した6社側との株式交換のため、ライブドア側が新規に発行した株の売却益の一部とみられる。この際、株はライブドアが実質支配する投資事業組合を通じて、海外のファンドなどに売却され、売却益の大半はライブドアに還流していたが、一部がこの口座に送金されたという。  また、貸金業「ABS」買収(04年3月)のために発行した新株70万株は、直接海外の投資会社に売却されたが、この売却益の一部も別のファンドなどを通じ、同じ口座に入ったとみられる。  いずれの場合も、株の売却は、市場を通さない相対取引で行われるうえ、売却益は複数のファンドなどを経由して、顧客の秘密を最重要視するスイスの銀行の仮名口座に入っており、口座の資金がライブドア関連とは発覚しにくい形だった。 毎日新聞 2006年2月1日 3時00分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060201k0000m040124000c.html *担当は特捜副部長、堀江容疑者は否認 検察100人態勢 [朝日] 2006年01月28日16時05分  ライブドアの関連会社をめぐる証券取引法違反(偽計取引、風説の流布)容疑で、ライブドア前社長の堀江貴文容疑者(33)が逮捕されてから5日。関係者によると、堀江前社長は引き続き逮捕容疑を否認しているとされる。東京地検特捜部は副部長を前社長の取り調べにあて、証券取引等監視委員会とともに100人態勢で捜査を進めている。一方、前社長らの弁護活動には検察OBの弁護士らがあたり、精力的な動きを見せている。  関係者によると、堀江前社長は23日の逮捕の際、検事が容疑に対する弁明を聞く「弁解録取書」への署名を拒み、逮捕容疑を否認。一方、ライブドア前取締役の宮内亮治容疑者(38)ら、ほかに逮捕された3人は容疑を認めているとされる。  堀江前社長の取り調べを担当しているのは、特捜部で脱税事件などを捜査する財政経済事件係の中原亮一副部長。副部長が取り調べを行う例は少ないが、グループ全体の頂点に立つ前社長の取り調べが全容解明のカギを握ると判断したとみられる。検察幹部は「経済事件に強く、知識量で容疑者に負けない人選をしたんだろう」と解説する。  大人数による捜査の中心になっているのは、西武鉄道の堤義明前会長による証券取引法違反事件や、カネボウ旧経営陣の粉飾決算事件など主に企業による大型経済事件を捜査してきた特殊2班の検事たちだ。  指揮をとる大鶴基成・特捜部長は副部長時代に日本歯科医師連盟をめぐる一連の事件の捜査を担当し、自民党旧橋本派の1億円ヤミ献金事件に切り込んだ。昨年4月の部長就任時、「違反をすればもうかるとわかっていても、法律を順守している企業の人が憤慨するような事案を摘発したい」と語っている。現場をまとめる北島孝久副部長も特捜経験が長く、西武鉄道事件では自ら堤前会長を取り調べた。  今回の事件では押収した約10万件に及ぶ電子メールの分析が重要な課題。捜査には証券監視委に所属する公認会計士らも加わり、東京高検管内のほかの地検の検事や他部の検察事務官の応援も得て解明を進めている。  一方の弁護側。  28日朝。堀江前社長の弁護人ら4人が午前9時半過ぎから、相次いで東京・小菅の東京拘置所を訪れ、各容疑者と約1時間の面会(接見)を終えた。  連日、朝一番に面会、堀江前社長らから前日の取り調べの様子などを聞き、アドバイスをしているとみられる。  逮捕された4人の弁護人は計8人。約半数が検察OBで、その中には裁判官を経験した人もいる。弁護側をまとめているのは、東京都内の私大で法科大学院の教授を務める元東京高検検事。メンバーには、旧経営陣の一部が無罪を主張している三菱欠陥車事件の公判で、弁護団の中心的な役割を担う弁護士も含まれている。  4人の中で唯一否認を続けているとされる堀江前社長について弁護側は、面会を重ねて前社長の説明をよく聴き、弁護方針を固めるとみられる。 URL:http://www.asahi.com/national/update/0128/TKY200601280212.html *背景に「経営モラルの欠如」73%…読売世論調査ライブドア [読売]  読売新聞社はライブドアの証券取引法違反事件を受け、27日から29日にかけて緊急全国世論調査(電話方式)を実施した。  それによると、事件の原因を「経営者や企業幹部のモラルの欠如」と見る人が73%に達し、逮捕された前社長の堀江貴文容疑者らの倫理観や経営手法に、国民が厳しい目を向けていることが分かった。  株式市場に対する規制や監視を「強化すべきだ」と思う人は71%に上った。また、自民党が昨年の衆院選で無所属で立候補した堀江容疑者を応援したことについて計57%が「不適切」と答え、小泉内閣の支持率も低下した。  事件が起きた原因(複数回答)については、経営者らのモラルの欠如に次いで、「金さえあればという風潮」67%、「株式市場や企業を監視する機能の不足」64%、「株取引のルールの不備」57%などを指摘する人が多かった。  金融庁や証券取引等監視委員会などが「市場の番人」としての役割を十分に果たさなかったこと、および、ライブドアが法律・制度の抜け穴を突いた株取引で急成長したことを受け、株式市場の規制や監視を強める必要があると思う人は計71%、そう思わない人は計19%だった。  堀江容疑者について聞いたところ、「人の心はお金で買える」との堀江容疑者の考えに「共感できない」人は計90%に達し、「共感できる」は計7%だった。ただ、堀江容疑者のこれまでの発言や行動が日本社会にとって「プラス面の方が大きかった」と思う人は計43%で、「マイナス面の方が大きかった」計39%と意見が分かれた。  市場経済優先の「小泉改革」によって日本社会が「勝ち組」に象徴されるような格差社会になりつつあるとの指摘について、「そう思う」人は計74%で、「そうは思わない」計19%を大きく上回った。  一方、小泉内閣の支持率は52・0%、不支持率は36・1%だった。調査方法が異なるため単純に比較はできないが、堀江容疑者逮捕前の21、22日に実施した調査(面接方式)に比べ、支持率は4・1ポイント減少した。政党支持率は、自民が38・9%で同2・0ポイント減少し、民主は17・2%で同4・6ポイント増加した。 (2006年1月30日3時12分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060130i101.htm *ライブドア:十数億円「資金洗浄」 堀江前社長に疑い [毎日]  ライブドア(東京都港区)が04年に休眠会社を株式交換で買収した際、自社株70万株を新規発行して売却し、売却益十数億円が前社長、堀江貴文容疑者(33)=証券取引法違反容疑で逮捕=の管理下とみられる海外の口座に入金されていたことが分かった。東京地検特捜部もこうした経緯を把握しており、海外口座を利用したマネーロンダリング(資金洗浄)だった疑いを強めている。今後、資金の流れを追及するとともに、堀江前社長に対して組織犯罪処罰法適用の検討を始めた模様だ。  ライブドアは04年2月、大阪府の消費者金融会社の子会社で貸金業の「ABS」(港区)を株式交換で買収すると発表。翌3月、ライブドアは新たに発行した自社株70万株をABS株2万株と交換した。関係者によると、ライブドアの新株はその後、海外の投資会社に売却され、十数億円の売却益は海外の金融機関の口座に入ったとされる。この口座は、堀江前社長個人が事実上管理している疑いが強いという。  株式交換の際、ABSは社長1人、従業員ゼロで、04年1月期の売上高もゼロの休眠会社だったにもかかわらず、ライブドアはABSの企業価値を不当に過大評価した。さらに株式交換の直前、ABSはそれまで1000万円だった資本金を10億円に増資し、発行済み株を200株から2万株まで増やしていた。ABSの資本を見かけ上良くすることで、ライブドアの発行する新株を積み増しし、その後の売却益を増やす狙いがあったとみられる。  堀江前社長らの逮捕容疑でも同様に、関連会社が発行する新株の売却益を得る目的を隠して、会社買収による相乗効果が見込めないのに、虚偽の事実を買収の際に公表した証取法違反(偽計など)の疑いが持たれている。  特捜部は、法律に違反して不正に得たこうした株の売却益が、把握しにくい海外の口座に入金されていたことで、犯罪収益の隠匿や収受を禁じた組織犯罪処罰法に抵触する疑いがあるとみて捜査を進めている模様だ。  【ことば】組織犯罪処罰法 不正な取引で得た資金の出所や流れが分からないようにするために、預金口座を替えたり海外に移すなどの「マネーロンダリング」の処罰を柱として、99年8月、通信傍受法などとともに「組織犯罪対策3法」の一つとして成立した。犯罪収益を隠匿した者は5年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、事情を知りながら犯罪収益を収受した者は3年以下の懲役または100万円以下の罰金。指定暴力団山口組旧五菱会のヤミ金融事件や、西村真悟衆院議員の弁護士法違反事件で適用された。今国会に犯罪収益を丸ごと没収・追徴できるようにする同法改正案提出が予定されている。 毎日新聞 2006年1月29日 3時00分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/wadai/news/20060129k0000m040086000c.html *ライブドアの堀江社長が辞任 新社長は平松氏 [朝日] 2006年01月25日01時02分  ライブドアは24日、証券取引法違反容疑で逮捕された堀江貴文社長(33)が辞任し、会計ソフト子会社「弥生」社長の平松庚三(こうぞう)・ライブドア執行役員上級副社長(60)が、取締役ではない新社長に就く人事を発表した。一方、熊谷史人(ふみと)取締役(28)が堀江前社長に代わって代表権を持つ。いずれも24日付。株価がストップ安を続けるなか、経営刷新色を打ち出すため、法律上の代表者と社長が別という変則的な体制で立て直しを急ぐ。  ライブドアの取締役は6人で、3人が逮捕された。残る3人では、商法で取締役会の議決に必要とされる過半数に届かない。平松氏は株主総会で選ばれないと取締役になれない。3人で議決するには、取締役の数を減らすしかなかった。  このため、逮捕された宮内亮治取締役(38)から辞任届を受理。同日午後1時から3人で取締役会を開いた。ここで堀江前社長が弁護士を通じて伝えてきた意向を踏まえ、代表権を外し、社長から退くことを決議。ただ、「堀江前社長から取締役辞任届は受理しておらず、今後の進退についても意思を確認できていない」として、堀江前社長は取締役にとどまることになった。  株式会社は代表取締役を1人以上置く必要があるが、ライブドアでは堀江前社長だけだった。その代表権が外され、早急に別の取締役が代表権を持つ必要があり、熊谷氏が選ばれた。  「平松社長、熊谷代表取締役」が固まったのは、この半日前。強制捜査で弁護士から「万が一に備えた方がいい」と助言された幹部が、後継体制を検討していた。  ただ「誰が逮捕されるのかわからず、複数の案を並行して考えた」(関係者)。宮内前取締役は捜査後すぐに辞意を固め、19日ごろには周辺に「万が一の時は熊谷(取締役)らに任せたい」と伝えた。その後数日で、後継候補は経営経験が豊かな平松氏、旧三和銀行出身の羽田寛取締役、そして熊谷氏に絞られた。  そのころには、堀江前社長も「万が一の時は頑張ってほしい」と話すようになっていたが、最後まで「何が起きているのか理解できない」と繰り返していたという。  23日、堀江前社長らの逮捕で、残る幹部は六本木ヒルズ38階の会議室で徹夜の協議に入った。羽田氏は有力子会社「ライブドアオート」社長も兼ねているため外れ、平松氏と熊谷氏の二人三脚が固まった。  ライブドア入りが比較的最近で、事件と直接関係ないとされる平松氏を表の看板にすえ、熊谷氏が支える。「経営の刷新」を打ち出すことが最優先だった。  平松氏は米アメリカン大を卒業し、ソニーを経てAOLジャパン(現イー・アクセス)社長などを務めた。03年4月から弥生社長。弥生が04年12月にライブドア子会社になり、05年3月からライブドア執行役員上級副社長を兼ねる。  熊谷氏は横浜市立大卒業後、未来証券に入り、01年ライブドア入社。04年12月から取締役。経営企画担当で、ニッポン放送を巡るフジテレビジョンとの攻防で交渉役を担った。04年に話題を呼んだ「株式100分割」も発案した。  24日夜の会見で、熊谷氏は「関係者にご迷惑をかけ、大変申し訳ない」と、涙声で約300人の報道陣に頭を下げた。平松氏は「失われた信頼を一日も早く回復できるように努力したい」と語った。  新トップの事件への関与を尋ねられると、東京地検特捜部の事情聴取も受けた熊谷氏は「捜査中なのでコメントできない」と繰り返したが、逮捕容疑については「疑わしいところはあったと認識している」。さらに、熊谷氏は「(逮捕された幹部を)もう一度迎えるつもりはない」と「返り咲き」を否定した。 URL:http://www.asahi.com/business/update/0124/152.html *ライブドア本体粉飾決算、宮内容疑者認める [朝日] 2006年01月25日03時06分  ライブドアの関連会社をめぐる証券取引法違反(偽計取引、風説の流布)の疑いで逮捕されたライブドア前取締役の宮内亮治容疑者(38)が東京地検特捜部の調べに対し、ライブドア本体の決算の粉飾についても事実関係を大筋で認め、前社長の堀江貴文容疑者(33)の了承を得ていたと供述していることが関係者の話でわかった。特捜部は、堀江前社長や宮内前取締役によるライブドア本体の経理操作について同法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で立件するとみられる。  ライブドアの経理をめぐっては、04年9月期の決算で複数の関連会社の利益など計24億円を自社の利益に仮装し、約10億円の赤字を約14億円の黒字と粉飾した疑いがもたれている。この決算期は、事件の舞台となり連結決算の対象だった関連会社の第3四半期と重なっていた。関連会社は赤字だったが、ライブドアは、堀江社長らの逮捕容疑となった決算の虚偽公表で黒字にする経理操作も主導していた。  ライブドアグループは03年秋以降、株式交換による企業買収を使った資金還流システムで計6社を買収した。ライブドアが実質支配する投資事業組合に同社株を買い取らせ、値上がり後に売却。その収入は子会社との架空取引を通じ、ライブドア本体に還流させるなどの方法で決算の粉飾に使われ、粉飾総額は90億円に上るとされる。  特捜部の調べでは、こうした一連の工作の結果、有価証券報告書の記載内容の中で、資本に計上すべき自社株売却の収入を、売り上げに見せかけて計上し、事実と異なる会計情報を記載していた疑いが持たれている。自社株売却の収入を、会社の事業で売り上げをあげたかのように装うことにより、赤字を黒字に粉飾することが可能になったという。  関係者によると、宮内前取締役は特捜部の調べに対し、逮捕容疑となった関連会社による出版社買収をめぐる不正な資金還流工作について事実関係を認め、堀江前社長に報告して了承を得たと供述。さらに、ライブドア本体の決算粉飾についても認める供述を始め、堀江前社長の関与も認めているとされる。 URL:http://www.asahi.com/national/update/0125/TKY200601240444.html *利益還流、堀江容疑者ら役割分担 発案・赤字隠し・了承 [朝日] 2006年01月25日07時00分  ライブドアグループが虚偽の情報を公表した事件で、証券取引法違反の疑いで逮捕されたライブドア前社長の堀江貴文容疑者(33)ら4人は役割分担しながら一連の工作を実行したことが東京地検特捜部の調べでわかった。前取締役の宮内亮治容疑者(38)が還流工作を発案し、堀江前社長に報告し了承を得て、買収交渉や資産査定を進めていた。  逮捕容疑となった関連会社ライブドアマーケティング(旧バリュークリックジャパン)による出版社「マネーライフ」の買収工作では、交渉段階の04年3月に宮内前取締役とライブドアファイナンス社長の中村長也容疑者(38)が資産査定に入った。  調べによると、マネー社の企業価値は7000万円程度だった。しかし、ライブドアファイナンスの従業員に指示して4億円と過大評価させた。バリュー社はこの評価によって「1対1」とする交換比率を決め、組合側に4億2000万円分の株式が渡った。しかし、04年10月25日、「交換比率は第三者機関の算出結果を踏まえて決めた」と虚偽の事実を公表したとされる。  04年11月にバリュー社の社長についたライブドア取締役の岡本文人容疑者(38)は同月12日、実際には赤字なのに経常利益を7200万円などとした決算短信を公表したという。  これまでの調べでは、03年11月以降、ライブドア本体でこうした利益還流工作を始め、繰り返したことがわかっている。宮内前取締役は同時期にあたる03年7月から12月にかけてコンサルタント会社(横浜市)の社長を務めた。この会社も特捜部の家宅捜索を受けて多数の契約書類などを押収された。 URL:http://www.asahi.com/national/update/0125/TKY200601240412.html *日本版「エンロン事件」の様相 問われる監査体制 [朝日] 2006年01月24日10時11分  ライブドアの証券取引法違反事件で、堀江貴文社長が逮捕された。今回の事件では企業買収に伴う株価操作や粉飾決算疑惑、経営トップの関与などが取りざたされ、「エンロン事件」など急成長した新興企業を舞台に米国で繰り返された会計不祥事との類似点を指摘する声が多い。深刻な会計不信を招いた米国では規制強化に動いており、経営トップの逮捕という異例の事態を受けて日本でも監査のあり方など企業社会のルールが改めて厳しく問われそうだ。  米国では、急成長した新興企業が株価操作を図った不祥事として、01~02年のエネルギー大手エンロンと通信大手ワールドコムの会計不正が記憶に新しい。  ともに株価上昇をてこにした買収攻勢で急成長した企業で、株価下落を防ぐための利益水増しが発覚して経営破綻(はたん)した。市場では企業会計全体への不信感が広がり、情報開示を強化する02年7月の米企業改革法(サーベンス・オクスレー法)施行につながった。  一連の会計不祥事は、米IT(情報技術)バブルの崩壊と同時多発テロ後の株価下落に時期が重なり、投資家の市場離れを加速させた。破綻による貸し倒れ損失などが発生した金融機関の株も急落した。  米国の株式市場は当初、全面安の展開が続く「ライブドアショック」と同様の展開をたどった。ニューヨーク証券取引所に上場する大企業で構成するダウ工業株平均は02年5月に1万ドルの大台を割り込んだ後、同年10月には5年ぶり安値の7100ドル台まで転落。翌03年12月になり、ようやく1万ドルを回復した。  85年に発足したエンロンは、90年代後半にインターネット上のエネルギー取引などの新事業により、売上高が12兆円規模という米エネルギー卸事業の最大手まで急成長していた。急成長の源泉となった企業買収を可能にしたのが株価上昇による時価総額の拡大で、会計不正を招く温床にもなった。  エンロンは海外に設立した複数の投資組合(特別目的会社)を活用した帳簿外の金融取引によって、本体の利益水増しや損失隠しをしていたとされる。取引の実態がつかみにくい投資組合の利用という点もライブドア事件との共通点にあたる。  米5大会計事務所のひとつで、エンロンの監査を担当したアーサー・アンダーセンは実質破綻に追い込まれた。  83年創業のワールドコムも株価上昇を背景に巨大電話会社を買収し、破綻時には長距離通信で米2位まで浮上していた。  ワールドコムは企業買収に必要な株式交換のため自社の株価をつり上げようと会計操作を繰り返しており、今回のライブドア事件との共通点を指摘する専門家もいる。  米国では事件後、両社の経営陣は相次いで逮捕、起訴され、ワールドコム創業者のバーナード・エバース元最高経営責任者(CEO)は05年、一審で禁固25年の実刑判決を言い渡された。エンロンのケネス・レイ元会長の審理も近く始まる。両社への投資を推奨した金融機関に対する訴訟も相次いだ。  一連の不祥事が生んだ企業改革法では、監査法人が監査対象の企業からコンサルタント業務を請け負うなどの利害関係が生じることを制限したほか、インサイダー取引への規制強化などを盛り込んでいる。経営トップが財務諸表の作成手続きを自ら点検し、監査法人が二重チェックする内部統制の仕組みも導入された。  西武鉄道の有価証券報告書虚偽記載事件やカネボウの粉飾決算事件など日本でも会計不祥事は繰り返され、内部統制が将来的に義務づけられる契機になった。だがライブドア事件の衝撃は、多くの個人投資家を巻き込み、東証の脆弱(ぜいじゃく)なシステムを改めて浮き彫りにするなどその影響は西武鉄道事件などを上回る。  会計不信を深刻化させかねない事態を重く見た日本公認会計士協会は、ライブドアに対する監査が適正に行われていたか、同社の監査をしていた中小の港陽監査法人(横浜市)に対する事情聴取など調査に乗り出した。  企業会計に詳しい青山学院大大学院の八田進二教授は「粉飾決算などの疑惑が本当なら、なぜ外部監査で見抜けなかったのか監査法人の責任は重い。監査の『質』を外部から定期的に点検する仕組みを設けるなど新たな手だてが必要だ」と話している。 URL:http://www.asahi.com/business/update/0124/087.html *ライブドアの堀江社長ら4人を逮捕 東京地検特捜部 [朝日] 2006年01月24日06時06分  ライブドアの関連会社が虚偽の企業買収情報を公表したなどとされる事件で、東京地検特捜部は23日夜、ライブドア社長の堀江貴文容疑者(33)ら4人を証券取引法違反(偽計取引、風説の流布)の疑いで逮捕した。堀江社長は逮捕容疑を否認しているという。ライブドアをめぐっては、ライブドア本体が粉飾総額90億円に上る巨額の経理操作をした疑いも浮上している。特捜部は堀江社長が一連の不正工作に深くかかわったとみて、疑惑の全容を解明する方針だ。  逮捕されたのは堀江社長のほか、ライブドアのナンバー2で企業合併・買収(M&A)を担当する取締役の宮内亮治容疑者(38)▽ライブドアマーケティング(旧バリュークリックジャパン)社長でライブドア取締役の岡本文人容疑者(38)▽ライブドアファイナンス社長の中村長也容疑者(38)。  捜査はグループの頂点に立つ堀江社長の逮捕で一気に全面展開の事態となった。一連の仕組みは宮内取締役が考案、実行したとされ、今後の捜査ではこうした不正な流れを堀江社長がどこまで認識していたかが焦点となる。特捜部は、電子メールを中心とする押収資料の分析もあわせ、グループの経理実態の解明を目指す方針だ。  特捜部の調べでは、堀江社長ら4人は、バリュー社株を高値で売却して利益を得る目的で、株式交換によって出版社「マネーライフ」を子会社化しようと計画した。マネー社の株主はライブドアが実質支配している投資事業組合で、ライブドアの子会社役員がマネー社の役員も兼務するなどの人的関係もあった。また、株式の交換比率は、できる限り大量のバリュー社株を組合に渡すため、マネー社の企業価値を過大評価して決めたものだった。  ところが、東証の情報閲覧サービスで子会社化を公表する際にはこうした事情をすべて隠し、(1)バリュー社のインターネット事業に大きな相乗効果が見込めるため子会社化を決めた(2)1対1の株式交換比率は第三者機関の算出結果を踏まえて決めた(3)両者間に資本や人的な関係はない――などと虚偽の事実を公表した疑い(偽計取引)。  さらに4人は同年11月に出した決算短信で、本当は赤字だったのに、架空売り上げを計上する方法で経常利益7200万円などと公表し、株価を上げるために市場を欺いた疑い(風説の流布)。  バリュー社は買収発表から間もなく1株を100株にする株式分割を発表し、株価は高騰。組合はバリュー社株を高値で転売し、約7億円の利益の大半をライブドアに還流させた。ライブドアも自らバリュー社株を売却し、40億円余りの利益を上げたとされる。  ライブドア本体については、04年9月期の決算で計24億円を自社の利益に仮装するなど、粉飾総額90億円の経理操作があった疑いが出ている。  東京地検はこの日、東京高検や最高検と捜査方針を協議。午後4時前に始めた堀江社長の任意聴取を取り調べに切り替え、逮捕に踏み切った。  一連の不正工作は、ライブドアが自社株の高値を利用してM&Aを繰り返す「時価総額経営」を続けるため、宮内取締役が考案した利益還流システムの中で実行された。  ライブドアグループは03年秋以降、株式交換による企業買収と株式分割を組み合わせて株価をつり上げ、自社株の売却益を還流させるこのシステムで計6社を買収。特捜部はこうした買収工作をめぐって不正が繰り返されたとみている。 URL:http://www.asahi.com/national/update/0123/TKY200601230190.html *不正工作、堀江氏が具体的指示 粉飾総額は約90億円 [朝日] 2006年01月23日06時28分  ライブドアの関連会社が虚偽の企業買収情報などを公表したとされる事件で、家宅捜索の容疑となった出版社「マネーライフ」の買収をめぐる不正工作についてグループ関係者が、東京地検特捜部の調べに、堀江貴文社長(33)から具体的な指示があったと供述していることがわかった。特捜部は堀江社長が積極的に関与したとみて、週内にも事情聴取して詳しい説明を求める方針だ。関係者によると、ライブドアグループが03年秋以降に行った還流工作で得られた利益は、子会社との架空の取引を装うなどの手口でライブドア本体の決算粉飾に使われ、粉飾総額は約90億円に上るという。  企業買収と株式分割を組み合わせた利益還流システムは、堀江社長の側近の宮内亮治取締役(38)が考案したとされる。特捜部は22日も宮内取締役ら幹部の事情聴取を続けている。  調べでは、03年秋以降、株式交換を使った子会社化のシステムでライブドア本体は5社、関連会社の「ライブドアマーケティング」(旧バリュークリックジャパン)は1社を買収した。  家宅捜索の容疑となったのは一番最後に行われたバリュー社によるマネー社の買収。04年10月に株式交換による買収を発表した際、マネー社の企業価値をかさ上げして交換比率を公表したなどとして偽計取引の疑いが持たれている。この工作では交換相手の投資事業組合が上げた利益約7億円の大半が還流されるとともに、ライブドア本体も保有するバリュー社株を売却し、40億円余りの収入を得たとされる。  バリュー社をめぐる工作について、ライブドアグループの関係者は調べに、宮内取締役が発案し、複数の幹部らが協議したと供述。堀江社長から具体的な指示があったことも認めているという。特捜部はこうした状況を裏付ける資料も入手しているとされる。  また、堀江社長が04年7月、バリュー社幹部に対し、同年6月期の中間決算を実際は赤字なのに黒字とするよう求めていたことも関係者の話でわかった。バリュー社は04年11月に発表した決算短信で実際は赤字だったのに7200万円の経常黒字と偽り、この事実も証券取引法違反(風説の流布)の疑いがあるとして捜索容疑となった。  こうしたことから特捜部は、バリュー社をめぐるさまざまな工作は、ライブドアグループとして不正な利益を上げるために行われたもので、堀江社長本人が積極関与したとの疑いを強めている。  関係者によると、計6社の買収と株価つり上げ工作で得られた利益は、子会社との架空取引を通じ、ライブドア本体に還流させるなどの方法で決算の粉飾に使われた。粉飾総額は90億円に上り、自社株の売却益などは本来、資産計上すべきところを売り上げにみせかけていたという。  特捜部の事情聴取に、宮内取締役は利益還流システムを考案し繰り返し実行してきたことを認めたうえで、問題はないと思っていたと供述。堀江社長の関与は否定しているという。 URL:http://www.asahi.com/national/update/0123/TKY200601220175.html *ライブドア宮内取締役ら任意聴取 近く堀江社長も [朝日] 2006年01月21日03時12分  「ライブドア」の関連会社が株価をつり上げるため、虚偽の企業買収情報などを公表したとされる事件で、東京地検特捜部は20日、ライブドアのナンバー2で企業合併・買収(M&A)を担当する宮内亮治取締役(38)や財務を担当する熊谷史人取締役(28)らから任意で事情を聴いた。同社幹部らの聴取は初めて。特捜部は近く堀江貴文社長(33)からも事情を聴き、経営トップの聴取でライブドアグループの不正な経理操作の解明を目指す方針だ。  宮内、熊谷両取締役はライブドアの投資、財務戦略をつかさどり、ともに堀江社長の側近とされる。特捜部は、問題の企業買収などについて説明を求め、焦点となっている堀江社長の関与を調べるとみられる。  調べによると、ライブドア幹部らは、関連会社のライブドアマーケティング(旧バリュークリックジャパン)が04年10月25日、出版社を完全子会社化すると発表した際、株式交換をめぐって虚偽の発表をした証券取引法違反(偽計取引)と、同年11月に出した決算短信で利益を水増しした同法違反(風説の流布)の疑いがもたれている。宮内取締役は株式交換の発表前の同年6月から出版社の取締役に就任しており、偽計取引などに深く関与していたとされる。 URL:http://www.asahi.com/national/update/0120/TKY200601200283.html *堀江社長名で指示メール 容疑の関連会社取引で [朝日] 2006年01月20日06時02分  ライブドアの関連会社が04年秋に虚偽の企業買収情報などを公表したとされる事件で、証券取引法違反(偽計取引)容疑がもたれている関連会社の株式交換など一連の取引を指示する電子メールが、ライブドアの堀江貴文社長名を発信元として送られていたことが分かった。また、同法違反(風説の流布)容疑の関連会社決算の虚偽公表は、9月期決算が重なったライブドア本体が、連結対象の関連会社を黒字化させようとして行っていた疑いが強いことも判明した。  この時期、プロ野球への参入をめぐって、ライブドアは経営の安定性が問われていた。東京地検特捜部は堀江社長の指示メールの内容を把握しており、堀江社長らが決算内容をよく見せるため関連会社の違法行為を主導していた疑いがあるとみて追及する方針。  ライブドアの関連会社「ライブドアマーケティング」(旧バリュークリックジャパン)は04年10月25日、出版社を株式交換で子会社化すると公表。実際には出版社の株はその4カ月前、ライブドアが実質支配する投資事業組合が全株を取得しており、バリュー社がその事実を隠して新事業に見せかけていた偽計取引の疑いがもたれている。  この公表から2週間後、バリュー社は1株を100株にする株式分割を発表。投資事業組合は分割後に高騰したバリュー社株を売却し、利益7億円の大半がライブドアに還流していた。  関係者によると、こうした一連の取引が始まる前の時期に、ライブドアグループ関係者に対し、堀江社長名でバリュー社の取引を指示するメールが送信されていた。過去の手法をまねて取引するように指示した内容で、それに従った結果、証取法違反の疑いがあるバリュー社の取引が実行されたという。  容疑対象となったバリュー社の取引の2カ月前、ライブドアによる投資事業組合を使った企業買収の手法の問題点が指摘されていた。  これまでの調べでは、バリュー社は同年11月に出した第3四半期の決算短信で、実際には赤字だったのに売上高などを水増しし、虚偽を公表(風説の流布)した疑いも持たれている。  関係者によると、バリュー社の第3四半期末である同年9月は、親会社のライブドアの9月期決算と重なっていた。このため、ライブドア側が主導して、連結決算対象のバリュー社の赤字を表面化させないよう、黒字化させる経理操作を図ったという。  ライブドアの同年9月期の連結決算は約35億円の黒字で、過去最高を更新した。 URL:http://www.asahi.com/national/update/0120/TKY200601190408.html *エイチ・エス証券副社長は自殺か、M&Aに関与 [読売]  沖縄県内で遺体で発見されたエイチ・エス証券副社長とみられる男性は、野口英昭副社長(38)だったことが19日、沖縄県警那覇署の調べで確認された。同証券も同日、発表した。遺書はなかったが、死亡していたホテルの部屋に荒らされた様子がなかったことなどから、同署では自殺とみている。  調べによると、野口副社長は18日午前11時20分ごろ、那覇市内のホテルに1人でチェックイン。午後2時35分ごろ、室内の非常ブザーが鳴り、ホテル従業員が合鍵で入ったところ、ベッドの上であおむけに倒れていた。手首などに切り傷があり、そばに小型の包丁(刃渡り約10センチ)が落ちていた。病院に運ばれたが、午後3時45分に死亡が確認された。死因は失血死。  関係者によると、ライブドアグループの子会社社長も務めた野口副社長は、ライブドアの堀江貴文社長、宮内亮治取締役と親交があり、エイチ・エス証券入社後も、ライブドアが手掛ける企業の合併・買収(M&A)について、主に宮内取締役と連絡を取り合っていたという。  ライブドアが消費者金融会社などの買収に使った投資事業組合の運営にも関与し、ライブドア側の指示を受け、担当者に契約書の作成などを行わせていたとされる。  東京地検は野口副社長から事情聴取は行っていないとした上で、伊藤鉄男次席検事が「誠に悲しいことで、ご冥福(めいふく)をお祈りします。ただ、状況や理由などは分からないので、コメントのしようがない」との談話を出した。  同証券は沢田秀雄社長が会見し、野口副社長の死亡について「当社も捜査に協力している最中の出来事で、大変残念で痛恨の思い」と述べた。ライブドア側との取引については「問題はなかった」とした。 (2006年1月19日13時57分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060119i208.htm *ライブドア、捜索容疑に公式に反論 [読売]  ライブドアグループの証券取引法違反事件で、ライブドアとライブドアマーケティング(旧バリュークリックジャパン)は19日、社内調査の結果を発表し、東京地検特捜部の捜索容疑と一連の報道に反論した。  事件では、旧バリュー社が、グループが実質支配する投資事業組合を利用し、既に支配下にあった出版社を新たに子会社化すると発表したことが、虚偽だった疑いが出ている。  これに対し、ライブドアなどは、同組合に別の複数の組合を介して出資したことは認めたが、各組合の責任者が違う点などを挙げ、「出版社を連結決算に組み入れるのは妥当ではないと判断した」と説明。  当時、情報開示しなかったことも東京証券取引所の規則に照らせば、「開示した可能性は非常に低い」としている。 (2006年1月19日12時16分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060119i104.htm *ライブドア本体も偽計取引か 買収2社、新規事業装う [朝日] 2006年01月19日07時30分  「ライブドア」の関連会社が虚偽の企業買収情報を公表したとされる事件で、ライブドア本体が04年8月と9月に、同社が実質的に支配する投資事業組合を通じて買収済みだった2社を新たに株式交換で子会社化したと発表し、新事業に見せかけていたことが分かった。証券取引法違反(偽計取引)容疑がもたれている関連会社の取引と同じ手法で、実態が見えにくい投資事業組合を利用した取引がライブドアの主導で繰り返されていた疑いが強まった。  東京地検特捜部は、預金つけかえによる決算の粉飾が判明した関連会社に加え、ライブドア本体に対しても粉飾など同法違反の疑いがあるとみており、焦点となっている堀江貴文社長の関与など実態解明を進めている。  ライブドアは04年8月30日に消費者金融会社の「ロイヤル信販」(現ライブドアクレジット)、9月3日には結婚仲介サイト運営会社「キューズ・ネット」をそれぞれ完全子会社化した、と公表した。この子会社化は、ライブドアが同年10月に新株を発行し、ロイヤル社と762万6000株、キューズ社と497万4000株の株式交換をすることによって行うとしていた。  ロイヤル社は当時、3期連続で減収減益が続くなど業績が低迷していた。キューズ社は、インターネットを駆使した結婚情報提供システムで多くの会員数を獲得するなど安定的に成長していたという。  関係者によると、ロイヤル社とキューズ社の株式は、いずれも投資ファンド「JMAMサルベージ1号投資事業組合」が100%保有していた。同組合はライブドアが実質支配しており、ライブドアは子会社化の公表前の段階で2社を事実上買収している状態だった。  投資事業組合は、民法による任意組合で、登記や情報開示の義務が無く、出資者の名前や出資額などは分からない仕組みになっている。子会社化公表の時点では、ライブドアが同組合を実質支配していたことは一切明らかにされていなかった。  株式交換は現金なしで買収できる方法で、今回の子会社化で発行されたライブドアの新株は1260万株。この新株は発行時の時価総額が約49億円にのぼり、ライブドアは実質支配する同組合を通じて、新株売却による利益を得た疑いも出ている。  特捜部が証券取引法違反容疑で強制捜査の対象としたのは、ライブドアによるロイヤル社などの子会社化公表直後の10月25日にあった株式交換の発表だった。「ライブドアマーケティング」(旧バリュークリックジャパン)が出版社を株式交換の形で子会社化すると発表したが、実際にはその4カ月前にライブドアが実質支配する投資事業組合が出版社の全株を取得しており、バリュー社がその事実を隠して新事業に見せかけていた疑いがもたれている。 URL:http://www.asahi.com/national/update/0119/TKY200601180471.html *ライブドア株の売買停止 東証、「粉飾」疑惑浮上で [共同]  東京証券取引所は18日、マザーズ市場に上場しているライブドア株の売買を同日の取引開始から一時停止した。ライブドアが2004年9月期の単独決算を粉飾したとの疑いが浮上したためで、同社が「関係事実の調査に全力を尽くす」とのコメントを発表したことを受け、東証は午前の通常取引が終了した後の時間外取引から売買を再開した。  東京地検特捜部の家宅捜索を受けた証券取引法違反事件の舞台になったライブドアマーケティングなどグループ上場6社の取引は継続しているが、いずれもストップ安水準の売り気配で売買が成立していない。粉飾決算の疑いでライブドア経営に対する市場の不信感が強まるのは必至で、急成長を支えてきた株式時価総額がグループ全体でさらに減少しそうだ。 URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=econ&NWID=2006011801001054 *急騰株の売却益、ライブドアが投資組合から数億還流 [読売]  ライブドア(東京都港区)の関連会社「旧バリュークリックジャパン」(現ライブドアマーケティング、同区)の証券取引法違反事件で、ライブドアが実質支配する投資事業組合が、保有する出版社株との交換で得たバリュー社株を売り抜けて数億円の利益を上げたうえ、その大部分をライブドア側に還流させていたことが、関係者の話で分かった。  東京地検特捜部と証券取引等監視委員会は、ライブドアグループが投資事業組合を利用した経緯や、利益還流の実態について調べている。  この組合は、ライブドアが実質支配し、民法に基づいて設立された「VLMA2号投資事業組合」。同組合は2004年6月にまず、マネー情報誌出版「マネーライフ」(港区)の全株式を4千数百万円で買収した。  同年10月25日、マネー社株とバリュー社株を1対1で交換する契約を、バリュー社との間で締結した。この時点のバリュー社株の時価で計算すると、株式の交換で同組合に割り当てられるバリュー社株は、総額約2億8600万円だった。  ところが、その2週間後にバリュー社が、自社株を100分割することを発表したことで、同社株は高騰。翌年1月20日に株式の交換で同組合が取得したバリュー社株の時価総額は、計約44億6000万円に膨らんだことになる。  その後、バリュー社株は下落したが、関係者によると、同組合は10億円に近い額でバリュー社株を売却。売却利益の大部分は同組合から、複数の口座を経由してライブドア側に流れていたという。  企業買収に詳しい専門家は、「マネー社の買収に投資事業組合が介在したのは、組合への出資者が巨額の利益を上げることが目的だった可能性がある」と指摘している。 (2006年1月17日3時2分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060117i101.htm *ライブドア関連会社が決算粉飾 ライブドア本体も疑い [朝日] 2006年01月18日11時26分  「ライブドア」の関連会社「ライブドアマーケティング」が株価つり上げのため虚偽の企業買収情報などを公表したとされる事件で、04年11月に出された同社の決算短信は別の会社の預金をつけかえるなどの方法で粉飾されていたことが東京地検特捜部の調べでわかった。ライブドア本体を含む関係会社などの間ではこうした利益のつけかえなどが幅広く行われていたとされ、同様の手口でライブドア本体が決算を粉飾していた疑いも浮上。特捜部は近く堀江貴文社長から事情聴取し、詳しく説明を求める方針だ。  特捜部は、ライブドアマーケティングが株価をつり上げるため、虚偽の事実を公表した証券取引法違反(偽計取引、風説の流布)の疑いで16日から関係先を一斉に家宅捜索し、強制捜査に踏み切った。容疑には、04年11月に出した決算短信で実際には赤字だったのに、第3四半期の売上高を約12億5500万円、経常利益を2億3400万円、当期純利益1億2800万円と水増しして虚偽を公表した疑いが含まれる。  調べでは、この水増しは結婚仲介サイトを運営している「キューズ・ネット」の預金をライブドアマーケティングの決算につけかえるなどしたものだったとされる。  関係者によると、ライブドア本体を含む同社グループなどの間では、会社同士の利益のつけかえがほかにも多数みられるという。こうしたなかで、ライブドア本体が04年9月期の決算で複数の関連会社の利益など計24億円を自社の利益とし、約10億円の赤字を約14億円の黒字と装った疑いが出ているという。  利益のつけかえは複雑な方法で行われ、もともとはどの会社の利益だったのかがわかりにくいものが多いとされる。特捜部は関係先の一斉捜索で押収した資料を分析するなどして、こうした経理操作の実態解明を進めているとみられる。 URL:http://www.asahi.com/national/update/0118/TKY200601180214.html *ライブドア:堀江流、錬金術にメス 企業買収の裏には [毎日]  創業からわずか10年間で連結売上高784億円余、経常利益112億円余(いずれも05年7月期)の企業グループに急成長したIT(情報技術)の旗手「ライブドア」(東京都港区)。16日、家宅捜索に乗り出した東京地検特捜部は、同社が市場を駆使して行った“練金術”の解明に乗り出した。疑惑の焦点は、堀江貴文社長(33)が主導した株式交換による企業買収にある。秘匿性の高い「投資事業組合」まで組み合わせた手法の裏に何があったのか--。  ◇投資組合を駆使  「現金がなくてもM&Aはできる」。堀江社長は著書「僕が伝えたかったこと」(マガジンハウス)で、株式交換による買収をこう評している。  M&Aは株式交換のほか(1)会社と株主全体を取り込む合併(2)事業の一部を買い取る営業譲渡(3)不特定多数の株主から株式を買い集める株式公開買い付け(TOB)(4)現金による株式の買い取り--の手法があり、株式交換は堀江社長の指摘通り、巨額の資金を要しないのが特徴だ。  99年の商法改正で導入され、ライブドアグループが多用したが▽アサヒビールがニッカウヰスキーを子会社化(01年2月)▽阪急電鉄が阪急不動産を子会社化(02年4月)--などの例もあり、株式交換自体に違法性はない。  特捜部が問題視しているのは、グループが04年10月25日の月曜日に行った「マネーライフ社(港区)の100%株主であるVLMA2号投資事業組合に、グループ株1600株を発行する」という発表だ。グループは「新たに発行する1600株のグループ株と、マネーライフ社の全株式を握る同組合との間の株式交換による企業買収」と説明したが、特捜部は同組合とグループを出資形態などから「一体」と位置づけ、同組合がマネーライフ社の総株式を握った04年6月の時点で買収は終了していた--と判断。同10月25日の発表を「買収済みなのに、今後新たに買収するかのように装った」と見ている。  この結果、グループはどんな利益を得たのかが、今後の捜査の焦点だ。  前週の金曜に340円で引けたライブドアの株価は、同25日には終値ベースで20円も上がり、翌週には400円台に乗せた。「架空の情報で株価をアップさせ、高値で売り抜けたり、次の企業買収への準備を進めたのではないか」。特捜部はそう見ている模様だ。  舞台に使われた「投資事業組合」も最近多用される新しい出資形態だ。  企業はさまざまな活動を展開しており、出資者は通常、企業全体を評価して出資するかどうかを決める。しかし、特定事業への投資目的で設立される投資事業組合は、その事業に魅力さえあれば、出資金を容易に集めることが可能で、市場の円滑化に貢献してきた。  ところが、この投資事業組合には問題点もある。東京商工リサーチ情報事業統括本部の友田信男部長は「組合の内部情報が公開されないため、詳細が外部から分かりくい」と指摘する。  今回もライブドアグループとVLMA2号投資事業組合は表面上は「別モノ」に見えるため、当時は問題にもならなかった。しかし実態は「一体」だったとされ、秘匿性を逆手に取った手法が暴かれようとしている。【小林直、高島博之】  ◇株式交換の手法、企業買収繰り返す  ライブドア(旧名オン・ザ・エッヂ)は00年4月にベンチャー企業向け株式市場の「東証マザーズ」に上場して以来、自社株と対象企業の株を交換する株式交換という手法で企業買収を繰り返してきた。この手法を支えてきたのは、株価上昇をもたらす株式分割という“錬金術”。より少ない自社株での買収を可能にしてきた。今回の事件は、株式交換や株式分割という同社の成長戦略の根幹にかかわるものといえる。  株式分割は本来、株価の単価を引き下げ、個人投資家にすそ野を広げるものだ。ただ、ライブドアの突出した株式分割には「一時的な株券不足を利用した錬金術」との批判がくすぶり、証券取引所が株式分割の規制強化に乗り出す発端ともなった。  同社は01年7月から04年8月まで計4回にわたり株式分割を実施。それぞれ株数を3倍、10倍、100倍、10倍に増やし、上場時に比べ株数は3万倍に達した。05年3月末現在、ライブドアの株は、議決権ベースでみると日本の証券市場全体の30.15%を占め、同社の株式分割の異常さが浮かび上がる。  株式分割は理論上、株を10分割すれば株価は10分の1になるはずだが、新株が市場に出回るのに時間がかかるため株価が急騰する例が多かった。ライブドアはこの効果を巧みに利用し、時価総額を膨らませてきた。16日現在の時価総額は7302億円に達する。  ライブドアは膨らんだ時価総額を利用、少ない自社株で買収先企業の株を取得する株式交換の方法で企業買収を繰り返してきた。相次ぐ買収で金融業にも進出し、大型買収をする前の03年9月期は108億円だった連結売上高は、05年9月期には784億円と7倍以上になった。  ただ、昨年2月のニッポン放送株争奪戦では、買収資金800億円を自社株の新規発行で返済する手法を活用。ライブドアの発行済み株式総数は6億4600万株から9億1500万株に増えたため、「既存株主の利益を損なう」という批判も招いた。さらに、同放送株の買収で時間外取引を活用した手法は「証券取引法逃れ」との指摘を受け、同法の改正にもつながった。  堀江社長は昨年3月、外国特派員協会の講演で「投資家は勉強しなければいけない。そうしないと、ずる賢い人にだまされちゃいますね」と発言していた。【竹島一登、上田宏明】  ◇「社長頼みの企業」大打撃は必至  今回の事件が、拡大戦略を続けてきたライブドアに大打撃となるのは必至だ。「ライブドアは堀江社長頼みの企業」(大手証券)だけに、堀江社長自身が刑事責任を問われる事態に発展すれば深刻な影響も予想される。  ライブドアは一昨年、堀江社長がプロ野球への新規参入をぶち上げ、一気に知名度を上げた。フジテレビジョンと昨春繰り広げたニッポン放送争奪戦では「インターネットと放送の融合」を掲げ、既存のメディアに対抗する姿勢を打ち出した。堀江社長の「想定の範囲内」というセリフが流行語になるなど、お茶の間に「ライブドア」を浸透させることに成功。昨夏の衆院選でも堀江社長が出馬して話題をさらい、堀江社長の“個人技”が拡大戦略を支えていた。  ライブドアはフジとの和解で得た440億円を元手に昨年から企業買収をさらに活発化。通信販売大手のセシールや不動産会社、中古車販売会社を次々と買収し、昨年12月には日本経団連に入会が認められるなど、実業を拡大しようとしていた矢先だった。  一方、ライブドアと提携で合意し、同社に440億円を出資したフジテレビは「ライブドアの問題でコメントすることはない」(広報部)としている。ライブドア株は昨年後半から高騰を続けているため、ライブドア株の16日の終値は696円でフジの持ち株の時価は約930億円に膨らんでいるが、07年9月までは保有し続ける契約。捜査の展開次第で株価が急落すれば含み損を抱えかねず、ショックは隠しきれない。  業務提携ではライブドアの無線LAN(構内情報通信網)をフジの番組制作で利用したり、ミュージカルの共催などで合意。フジの山田良明常務がライブドアの社外取締役に就任しているが、捜査の進展によっては提携が白紙に戻ることもあり得る。  <投資事業組合>  組合員(出資者)から集めた資金を株式未公開のベンチャー企業などに投資し、株式を公開した際などに収益を得ることを目的とした組合。損失が出た際、出資分だけ責任を負う有限責任組合員と、上限なく債務の全額の責任を負う無限責任組合員がいる。 毎日新聞 2006年1月17日 3時00分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/entertainment/tv/horiemon/news/20060117k0000m040153000c.html *ライブドアを強制捜査、関連会社が虚偽公表で株価操作か [朝日] 2006年01月17日01時02分  インターネット関連企業「ライブドア」の関連会社が株価をつり上げるために虚偽の事実を公表した疑いがあるとして、東京地検特捜部は16日、証券取引等監視委員会と合同で、証券取引法違反(偽計取引、風説の流布)容疑で東京都港区の六本木ヒルズにあるライブドア本社や堀江貴文社長の自宅など関係先数カ所を家宅捜索した。  虚偽の事実を公表した疑いが持たれているのはライブドアマーケティング(東京都港区、岡本文人社長)=東証マザーズ上場。  調べでは、同社は「バリュークリックジャパン」という社名だった04年10月25日、出版社「マネーライフ」社を株式交換の形で完全子会社にすると発表した。しかし、マネー社はライブドア本体が同年6月、別の投資ファンドに買収資金を出す形で事実上買収済みだったという。  バリュー社はこうした事実を隠し、ライブドアグループとして新たにマネー社を買収したかのように装った疑いが持たれている。特捜部は新事業などでバリュー社の企業価値を高め、同社株の価格をつり上げるための偽計取引だったとみている。  さらに、バリュー社は株価を上げるため、同年11月に出した決算短信で第3四半期の売上高、経常利益、当期純利益を水増しして虚偽を公表(風説の流布)した疑い。この際、インターネット上の広告事業が好調で、売り上げを伸ばしたなどと説明していた。  ライブドアは04年の発表当時、バリュー社の株の約75%を持つ大株主。堀江社長はバリュー社の取締役も務めていた。特捜部は、親会社のライブドアや堀江社長の関与があったかどうかなどを含めて、事実関係を詳しく調べている。  バリュー社がマネー社を完全子会社化することを発表した後、バリュー社とライブドアの株価は急騰。バリュー社は04年10月26日に1株16万円(終値)だったのが10日後の11月5日には1株24万1000円まで値上がりした。ライブドアも04年10月26日に1株353円(終値)だったのが11月5日に474円に値上がりしている。  ライブドアは堀江社長が96年に設立した会社が基盤。00年に株式上場し、04年に現在の社名に変更した。ソフトウエアの開発やIP電話、ポータルサイトの運営などのサービスを展開している。  株式取得などの企業買収や増資を繰り返し、証券会社やクレジットカード会社、自動車流通会社など国内外で30社以上を傘下に収めて急成長した。  04年6月、堀江社長がプロ野球の大阪近鉄バファローズ買収に名乗りを上げたことから、ライブドアの名前が一気に全国に広まり、注目を集め始めた。昨年はニッポン放送とフジテレビに買収攻勢をかけたり、落選はしたが堀江社長が昨秋の衆院選に出馬したりして大きな話題となった。 URL:http://www.asahi.com/national/update/0116/TKY200601160226.html

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