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#contents *[[●イラン]] へ続く *0331 イラン:国産新型ミサイルの発射実験に成功 革命防衛隊 [毎日]  【テヘラン春日孝之】イラン革命防衛隊は31日、国産新型ミサイルの発射実験に成功したと発表した。実験は同日、ペルシャ湾岸で1週間の日程で始まった大規模軍事演習の一環だという。国営テレビが伝えた。  革命防衛隊のサラミ航空部隊司令官は「ミサイルはレーダーを回避し、複数の標的を同時に攻撃できる」と述べた。射程は弾頭の重量に左右されるという。  軍事演習は「聖なる預言者」と名付けられ、民兵組織「バシジ」なども含め約1万7000人が参加している。大小500隻の艦船も出動している。演習はイラン核開発問題に絡んで米国内で浮上している対イラン武力行使をけん制する狙いもあるとみられる。 毎日新聞 2006年3月31日 23時31分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/mideast/news/20060401k0000m030143000c.html *0331 6か国が外相級会合、イラン核問題の外交解決で一致 [読売]  【ベルリン=佐々木良寿】国連安全保障理事会常任理事国(米英仏露中)とドイツの6か国は30日、ベルリンで外相級の会合を開き、イラン核問題について協議した。  終了後の記者会見でシュタインマイヤー独外相は、安保理議長声明に沿って、ウラン濃縮活動の停止と交渉再開に応じるようイランに求める声明を発表した。  しかし、今後の対イラン戦略については、米欧と中露の隔たりが大きく、明確な方向性は打ち出せなかった模様だ。  記者会見でシュタインマイヤー外相は、6か国が外交解決を求めていくことで一致したことを明らかにした。ライス米国務長官は、「30日という期限が、今、刻まれ始めた」と述べ、イランの出方が問題の行方を左右するとの考えを示した。  今回の会合は、「長期的戦略」(ライス長官)の検討を狙いとしていた。しかし、ストロー英外相が、「イランが議長声明に従わなかった場合、安保理は拘束力のある決議により、イランに対する将来の措置に道を開く可能性もある」と警告したのに対して、ラブロフ露外相は、「唯一の解決策は国際原子力機関(IAEA)の活動に基づくべきだ」と強調するなど立場の違いが改めて浮き彫りになった。 (2006年3月31日1時28分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060330id23.htm *0330 イラン核問題:採択難航の背景に露と中国 先行きも不透明 [毎日]  【ニューヨーク高橋弘司】イランの核開発問題で、国連安保理は2週間以上にわたる交渉の末、ようやく議長声明案の採択にこぎつけた。今回の声明採択が難航した背景には、特にイランとつながりの深いロシアと中国が将来の制裁や軍事攻撃を強く懸念、声明の文言の細部にまでこだわったことが大きい。米英仏はイラク戦争で安保理が分裂した教訓を踏まえ、「全会一致」で国際社会の意思を示すことを優先し、譲歩を重ねた。だが、イランは依然、挑戦的な姿勢を崩しておらず、先行きは不透明だ。  中国の王光亜・国連大使は採択後、制裁につながる文言が声明から削除されたことを評価しながらも、国際原子力機関(IAEA)が依然、イランの核問題では「主たるプレーヤーだ」と強調、安保理はIAEAにとって代われないと以前からの立場を繰り返した。  ロシアのデニソフ国連大使も「IAEAが(この問題で)中心的な役割を果たす」と述べるとともに、声明案協議の過程でイランの核問題が国際社会の「平和と安全保障」にとっての脅威となるとの文言について削除を要求したことに関連し「そう明示するなら、はっきりとした裏づけのある証拠を示す必要がある」と強調した。  米英仏は中露の抵抗を切り崩すため、常任理事国5カ国のみの協議を頻繁に開き、最終段階ではライス米国務長官がラブロフ露外相と電話会談するなど水面下でギリギリの交渉が続いた。  だが、イランのザリフ国連大使はこの日の会見で、「わが国はこれまでIAEAに協力し続けてきている」などと強調するとともに「米国は今回の決定を脅迫の手段として使いたいのだ」と批判し、相変わらずの反米姿勢が目立った。  常任理事国5カ国とドイツは30日、ベルリンで外相会談を開くが、今後1カ月の間にイランが今回の安保理決定に応じない場合の対応策をめぐっては暗中模索の状態だ。 毎日新聞 2006年3月30日 12時25分 (最終更新時間 3月30日 12時59分) URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060330k0000e030060000c.html *0330 30日以内のウラン濃縮停止要求 安保理が議長声明を採択 [朝日] 2006年03月30日10時24分  国連安保理は29日、核関連活動の30日以内の全面停止をイランに求める議長声明を全会一致で採択した。この問題に関する安保理初の意思決定で、イランの核兵器開発疑惑に対する国際圧力となるのは確実だ。ただ、イランへの厳しい内容を嫌うロシアと中国に配慮したため、欧米は当初の声明案から譲歩を重ね、大幅に緩やかな内容となった。  声明は、イランの状況を30日以内に報告するよう国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長に要求した。安保理決議とは異なって法的拘束力がない。4月下旬の期限までにイランが従わない場合にどのような対応を取るかが、次の焦点となる。  欧米は声明を「段階的に対応する最初の一歩」(フランスのドラサブリエール国連大使)と位置づけており、イランへの制裁を視野に入れたさらに厳しい決議の採択を今後も目指す。一方、中国の王光亜国連大使は「この問題を主要に扱うのはあくまでIAEAだ」と述べて、安保理が制裁を含む決定に進むことへの警戒感を表明した。  IAEAから舞台が移って以来3週間に及んだ安保理での協議で、欧米は当初、IAEA事務局長の報告の期限を「14日間」とするよう要求。「6月以降」を主張するロシアと激しく対立した。当初案にあった「イランが濃縮関連活動を続けることが国際的な懸念を増加させる」などの表現も、ロシアの強い反対で声明から削除された。  ベルリンでは30日、常任理事国とドイツの6カ国外相級会合が開かれる予定。米欧などは今後の具体的な対応を詰める。安保理は外相級会合前の声明採択を急いでいた。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0330/004.html *0329 「イラン、2009年にも核爆弾」米専門家が論文発表 [読売]  【ワシントン=坂元隆】米国の民間研究機関・科学国際安全保障研究所のデビッド・オルブライト所長は27日、「イランが2009年にも最初の核兵器を完成させる可能性がある」との見解を論文で発表した。  この中で、イランが中部ナタンツのウラン濃縮施設で今年開始した遠心分離器の連結運転は早ければ08年までに3000基連結運転に進展し、その後、半年から1年の間で核爆弾1個分に必要な兵器級高濃縮ウラン20キロを生産できる、と指摘。  ただ、09年までに弾道ミサイル搭載が可能なほどに爆弾を小型化する技術を取得することは無理と予測している。  同所長は米国有数の核問題専門家で、国際原子力機関(IAEA)の査察官も務めた。 (2006年3月29日23時29分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060329i217.htm *0325 ウラン濃縮装置1基分の遠心分離器、イランが設置完了 [読売]  【ウィーン=石黒穣】イランは中部ナタンツのウラン濃縮施設で、濃縮度を段階的に高めるための装置である「カスケード」1基分に当たる164個の遠心分離器の設置をほぼ完了した。  外交筋が25日明らかにした。  個々の遠心分離器を連結する配管作業は終わっておらず、カスケードとしての運転には至っていない。遠心分離器164個のカスケードでは、約15年間で、核兵器1個分の高濃縮ウランが生産できる。  イランの採用している設計では、遠心分離器164個のカスケードが基礎単位で、同様のカスケードを多数設けることで、濃縮ウランの大量生産に移行できる。  このため、米欧は、イランがこのカスケードを運転し、濃縮の基礎となる技術を習得することを警戒している。 (2006年3月25日20時36分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060325i312.htm *0325 米国務長官と露外相、「イラン核」声明交渉継続を確認 [読売]  【ワシントン=坂元隆】ライス米国務長官は24日、イランの核問題についてロシアのラブロフ外相と電話会談し、国連安全保障理事会の議長声明作りで交渉を続けることを確認した。  議長声明をめぐっては、米国の支持を得て英仏両国が作成した文案にロシアと中国が難色を示している。ライス長官は24日の会見で、米露双方の交渉担当者にさらに2日間程度、週末返上で交渉にあたらせることでラブロフ外相と合意したと述べた。  一方、ライス長官はイラン側が呼びかけているイラク問題をめぐる米国とイランの直接対話について、「そのような会合は適切な時期に必ず実施されると思う」と述べ、断交状態にあるイランとの対話の実現に楽観的な見方を示した。 (2006年3月25日11時33分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060325id05.htm *0321 中ロ首脳、イラン核問題での協調で一致 [朝日] 2006年03月21日22時10分  中国の胡錦涛(フー・チンタオ)国家主席は21日、2日間の日程で中国を公式訪問したロシアのプーチン大統領と北京の人民大会堂で会談し、中ロの戦略的パートナーシップの強化で一致した。両首脳は、イランの核問題解決に向けて協調することやエネルギー分野での協力を定めた共同宣言に調印した。  共同宣言は、イランの核問題について「政治・外交的解決に向け今後一層緊密に協調していく」と両国が共同歩調をとることを確認し、国連安保理での経済制裁に傾く欧米諸国を牽制(けんせい)した。  また、共同宣言では、北朝鮮の核問題をめぐる6者協議が問題解決に有効であることを指摘したうえで、協議の早期開催に向けて協力することでも一致。エネルギー分野でも、ロシアから中国への石油・天然ガス供給のためのパイプライン建設に向けて努力を続けることを確認した。  両首脳は昨年11月にも、韓国・釜山でのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の際に会談した。プーチン大統領は6月、中ロと中央アジア4カ国で構成する上海協力機構の首脳会議に出席するため、今年2回目の訪中を予定している。  両首脳は同日夜、中国での「ロシア年」開幕式典に参加した。「中国・ロシアの関係はいまや、かつてないほどの高いレベルに達した」(中国の李輝・外務次官補)との指摘もある。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0321/014.html *0319 イラン:改革派編集者を6年ぶりに釈放 [毎日]  イランの司法当局者は18日、虚偽報道の罪に問われ収監されていた改革派編集者アクバル・ガンジー氏が17日夜、約6年ぶりに釈放されたことを明らかにした。AP通信によると、同氏は46歳。  米国は、同氏の釈放を強く求めていた。イランは近く米国とイラク情勢をめぐって協議する予定で、釈放は米国への信頼醸成措置としての狙いがあるとの見方が出ている。  ガンジー氏は新聞記事や著書で、改革派ハタミ大統領時代の98年末に起きた反体制派言論人や作家に対する連続殺人事件について、保守強硬派の謀略だと主張。00年4月に拘束され、その後、禁固6年の判決を言い渡された。  収監中、ハンガーストライキや健康状態悪化が伝えられたこともある。(テヘラン共同) 毎日新聞 2006年3月19日 0時30分 RL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060319k0000m030120000c.html *0318 イラン核開発問題 ロ大統領と欧州委員長が共同歩調確認 [朝日] 2006年03月18日22時52分  ロシアのプーチン大統領は17日、欧州連合(EU)のバローゾ欧州委員長とモスクワ郊外で会談し、イランの核兵器開発阻止でロシアと欧州が今後も共同歩調を取ることを確認した。バローゾ氏は「この問題でロシアと欧州は似た立場にある」とし、イランのためにウラン濃縮をする合弁企業をロシア領に設立する案にも支持を表明した。  会談では23、24両日のEU首脳会議で主要議題となる欧州の統一エネルギー政策も協議、プーチン氏が「ロシアは欧州への信頼の置けるエネルギー供給国であり続ける」との意向を示した。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0318/012.html *0318 イラン核問題:安保理修正案に中国軟化、来週にも採択か [毎日]  【ニューヨーク高橋弘司】イランの核開発問題をめぐる国連安保理協議で、英仏両国は17日、安保理議長声明案の修正案を各国に提示した。イランが国際原子力機関(IAEA)理事会の決定にどれほど協力的かをエルバラダイIAEA事務局長が評価した上、安保理とIAEA理事会の両方に報告するとした点などが特徴だ。  これを受け、報告の期限設定に反対してきた中国が軟化、大半の国が修正案を支持する姿勢を示した模様だ。今後の焦点はロシアの出方だが、早ければ議長声明修正案が来週中にも採択される可能性が出てきた。  原案でエルバラダイ事務局長がイランの順守状況に関して安保理に報告すると記されていた点を修正し、修正案では「安保理とIAEA理事会双方に報告する」とした。これは中国やロシアが核開発問題は安保理よりもむしろ、IAEA理事会で協議すべきものとの主張を続けてきたことを踏まえたものだ。  また、イランがIAEA理事会決定を順守し、ウラン濃縮など核関連活動を停止すれば「外交的解決に向けた交渉が再開される」とし、イランに交渉再開を呼びかけるメッセージを原案よりも鮮明にしている。  これを受け、中国の王光亜・国連大使は一貫して反対してきたエルバラダイ事務局長報告の期限設定に言及し、修正案でも「14日以内」とされていることに「あまりに短すぎる。4週間か6週間ぐらいがいいのでは」と述べ、期限設定自体に反対しない姿勢を初めて示した。ロシアは再度、本国に照会する方針を示しており、明確な態度を明らかにしなかったという。 毎日新聞 2006年3月18日 11時30分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060318k0000e030030000c.html *0317 イラク治安問題「米国と交渉も」 イラン側が表明 [朝日] 2006年03月17日06時36分  イラン最高安全保障委員会のラリジャニ事務局長は16日、宗派対立で急激に悪化するイラクの治安問題について、米国と交渉する用意がある、と表明した。政府内部で交渉開始について合意したという。米国のカリルザード駐イラク大使が10日、イラクのテレビで「イランとの対話の用意がある」と語っており、米国に対する牽制(けんせい)の意図があるとみられる。  イラクで多数派を占めるイスラム教シーア派を国教とするイランは、イラクの治安安定への影響力を見せることで核問題での米国の圧力に対抗する意図があるとされる。  イラク・イスラム革命最高評議会の指導者ハキム師は15日、イラン指導部に対し、米国と協議を開始し、イラクでの双方の相違点を議論することを求めていた。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0317/002.html *0315 イラン核問題、安保理で初の非公式の全体会合 [朝日] 2006年03月15日10時54分  国連安全保障理事会は14日、イランの核開発に関する初の非公式の全体会合をニューヨーク市内のフランス国連代表部で開き、イランに対して「研究開発を含め、すべての濃縮関連と再処理の活動の停止」などを求める議長声明の原案を協議した。米欧は17日にも公式協議に入り、早期に採択することを目指しているが、常任理事国のロシアと中国は原案に合意しておらず、当面は内容をめぐる協議が続くことになりそうだ。  英仏が理事国に配布した原案によると、国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長に対して、イランがIAEAの決定を順守しているかを安保理に報告するよう求めている。報告の期限は「14日以内」としているが、「14」には括弧がついている。関係者によると、中国とロシアが「14日では短すぎる」と主張しており、期限をめぐる対立が常任理事国間に残っているという。  原案はイランに「(IAEAの)追加議定書の早期批准と完全実施」「積極的なIAEAへの協力」などを要求。また、「イランが濃縮関連活動を続けることが、国際的な懸案を増大させることを確信する」としている。  関係者によると、常任理事国間の合意が得られないため、欧米からは、全会一致で採択される議長声明ではなく、安保理15カ国中9カ国の賛成で成立する決議に切り替えを求める声が出ているという。  議長声明は安保理全体としての意思を表すものの強制力は伴わない。これに対し、安保理決議は加盟国を拘束する強制力を持つ。ただ、決議を求める動きは、中ロから早期の妥協を引き出すための牽制(けん・せい)に過ぎないとの見方も強い。  日本の大島賢三・国連大使は記者団に「安保理が一致して臨むことが必要で、議長声明の方がいいという感じが強い」と述べた。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0315/005.html *0311 ホルムズ海峡封鎖を警告 イラン、安保理協議に反発 [共同]  【テヘラン11日共同】イランのプルモハンマディ内相は11日、国連安全保障理事会が核問題の本格協議入りに向けた動きを強めていることについて「われわれは世界最大で最も敏感なエネルギー輸送の航路を抱えている」と述べ、中東の石油輸出の要所であるホルムズ海峡を封鎖して報復する可能性を警告した。国営通信が報じた。  ホルムズ海峡が閉ざされれば、イランだけでなくサウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)なども石油を輸出できない事態になり、世界経済が大混乱に陥るのは必至。内相の発言は欧米のみならず湾岸諸国からも反発を呼びそうだ。 URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=intl&NWID=2006031101004567 *0309 IAEA事務局長、外交での解決訴え イラン核問題 [朝日] 2006年03月09日12時57分  イラン核問題を協議していた国際原子力機関(IAEA)の定例理事会は8日夕(日本時間9日未明)、各国発言の要点をまとめた「議長総括」を了承、この問題の討議を終えて閉会した。理事会後、エルバラダイ事務局長が先月末に出した報告書が国連安全保障理事会に送られた。2月の緊急理事会で安保理に付託されており、今後は来週にも審議が始まる安保理の対応が焦点となる。  エルバラダイ事務局長は閉会後の記者会見で「(付託は)外交的解決を目指す新しい段階。安保理の主たる責務が紛争の平和的解決であることを忘れてはならない」と指摘、制裁論議を急ぐ動きを牽制(けんせい)して外交交渉による解決を訴えた。一方、イランに対しては、「さらなる透明性や信頼醸成の努力が必要だ」と強調した。  一方、この日の理事会や記者会見では、米国とイランが激しい非難の応酬をした。米国は「イランは濃縮すれば核爆弾10発ができる六フッ化ウラン85トンをすでに生産した」と指摘したうえで、「核兵器製造へと着実に進んでいる。交渉はまやかしにすぎない」と批判。「(濃縮活動停止の)責務を果たさないと、重大な結果を招く」と警告した。  これに対し、イランは米国を「戦争屋」と決めつけ、「イランの政権転覆を狙う一方、世界の平和をつくっていると自称している」と非難。「米国は危害と苦痛を与える力を持つが、自らも危害と苦痛を受け得る。米国が望むのなら、そうすればいい」と述べた。  エルバラダイ事務局長は「事態が悪化しないことを望む。われわれには、いま冷静さが必要だ」となだめた。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0309/010.html *0309 イラン核問題、安保理の5常任理事国が協議開始 [朝日] 2006年03月09日12時57分  イラン核問題に関するIAEAの協議終了を受け、国連安全保障理事会は8日、5常任理事国が協議を始めた。安保理はイランに対する経済制裁などの強制力を伴う措置を発動することもできるが、常任理事国の足並みはそろっていない。  同日、国連にはIAEAのエルバラダイ事務局長から、安保理のマヨラル議長にあてた手紙と、イランの核疑惑を解明できなかったとする報告書が到着。安保理のメンバーに配られた。  非公開で行われた常任理事国の会合後、対イラン強硬派として知られる米国のボルトン国連大使は「3年前に来るべきだったが、やっとここ(安保理)に来た」と安保理に協議の場が移ったことを歓迎した。  安保理は13日にも15カ国による全体の公式協議を開始し、イランがIAEAの決議に従い、ウラン濃縮活動を停止するよう求める議長声明の採択に向けて協議する。米国などは、イランが従わない場合、経済制裁を盛り込んだ決議案を準備したい考えだ。  常任理事国の会合に先立ち、イランの核問題についてアナン事務総長と協議したラブロフ・ロシア外相は「近年の歴史で、制裁が問題を解決したためしがない」と米国の姿勢を牽制(けんせい)した。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0309/009.html *0307 ボルトン米国連大使、イラン核開発妥協案に反対姿勢 [朝日] 2006年03月07日12時31分  イランの核開発問題で、米国のボルトン国連大使は6日、研究用の小規模なウラン濃縮活動をイラン国内で継続可能にする妥協案には強く反対する姿勢を示した。この妥協案は、イランとロシアとの交渉で浮上しているとされる。ボルトン氏は「イラン国内での濃縮を認めないことは、欧州、ロシアにとっても中心的な課題だったはずだ」と記者団に語った。  イランの核問題をめぐっては国際原子力機関(IAEA)で6日、定例理事会が始まったが、問題の妥協案は現在訪米中のロシアのラブロフ外相とライス米国務長官との間で7日に予定されている会談などで協議される、とみられている。  ボルトン大使は「いくら小規模で、研究目的といっても、イランが現在直面しているウラン濃縮の技術的な問題点を克服する可能性がある」と話した。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0307/006.html *0307 ウラン小規模濃縮、イランが受け入れに前向き姿勢 [読売]  【テヘラン=工藤武人】イランに小規模なウラン濃縮を認める構想について、イラン政府当局者は7日、「イラン国内での研究開発が公式に認められれば、一定期間、ロシアで濃縮を行うことは受け入れ可能だ」と述べ、前向きな姿勢を示した。イラン学生通信が伝えた。  イランは、先月、10基の遠心分離器を稼働させ濃縮活動を再開。一貫して小規模な濃縮継続を主張してきた。だが、産業規模の濃縮については、ラリジャニ国家安全保障最高会議書記が5日の記者会見で「期間など条件が整えば、国外での実施も容認できる」と述べるなど柔軟姿勢も示している。  さらに、イランは2004年11月に英仏独と濃縮関連活動の全面停止で合意した際、研究開発用に遠心分離器20基を停止対象から除外するよう求め、拒否された経緯もある。イランにとっては、構想実現は、国内での濃縮実施という目標達成に一歩近づくばかりでなく、事態をこれ以上深刻化させないという点で「前向きな一歩」(エルハム政府報道官)と言える。  ただ、こうした構想が浮上したこと自体、昨年8月のウラン転換再開、先月の小規模な濃縮開始といった強硬姿勢が結果的に奏功したと受け止められる可能性が高く、地元記者は「使用できる遠心分離器の数の増加や、ロシアでの濃縮実施期間の短縮を強く迫る可能性もある」と指摘した。 (2006年3月7日21時35分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060307id22.htm *0306 イランの核開発「手痛い結果に」、米国連大使が警告 [読売]  【ニューヨーク=白川義和】ボルトン米国連大使は5日、ワシントンで開かれた親イスラエル団体の集会で講演し、イランが核開発問題で国際的孤立の道を歩み続ければ、「具体的かつ手痛い結果」が生じると警告した。  6日の国際原子力機関(IAEA)理事会を前に米国の厳しい立場を改めて示した形だ。  ボルトン氏は「イランが与える脅威に立ち向かうのが遅れるほど、解決はより困難になる」と強調。国連安全保障理事会での早期制裁には否定的見解を示す一方、「多くの国が公に制裁を論じ始めた」と述べ、安保理の枠外でも制裁や圧力措置を取れるとの考えを示唆した。  ボルトン氏は米国の大量破壊兵器拡散阻止構想(PSI)の強化にも言及。イランの「包括的脅威」を阻止するため、「すべての手段を行使しなければならない」と訴えた。 (2006年3月6日11時22分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060306i203.htm *0304 イラン核問題でIAEA、新決議を採択せず [読売]  【ウィーン=石黒穣】ウィーンで6日から始まる国際原子力機関(IAEA)定例理事会で、イラン核問題に関する新たな決議のとりまとめは行われない方向となった。  外交筋が3日明らかにした。  2月の緊急理事会で国連安全保障理事会に付託されたイランへの対応は、安保理の政治的判断に委ねられることになる。  イランは、安保理への付託を決めてからの1か月の「猶予期間」に、遠心分離器による濃縮に踏み切ったほか、追加議定書の執行も停止させたことから、米欧などは定例理事会で厳しいイラン批判を展開する見通し。  今回も新たな決議採択で理事会の意思統一が図れれば、イランへの圧力は強まるため、欧州諸国には決議案提出の動きがあった。しかし、緊急理事会で付託決議に賛成した27か国の中にはエジプトなど、イランに同情的な世論を抱え、国内政治上の配慮から難色を示している国がある。  さらに、IAEAのエルバラダイ事務局長が今回の定例理事会に向けて作成した報告では、イランによる濃縮活動拡大の実態や、核計画の全容が解明できないことへの「懸念」を指摘しており、米欧も、新決議をあえて採択する必然性はないとの認識に至った模様だ。 (2006年3月4日14時46分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060304i211.htm *0303 核問題:英仏独がイランと協議も物別れ [毎日]  【ウィーン会川晴之】イランと英仏独3カ国は3日、ウィーンで閣僚会談を開き、核開発問題を協議した。英仏独はイランに研究開発を含めたウラン濃縮活動の全面停止を求めたが、イラン側は活動継続の意向を改めて示し、協議は物別れに終わった。1日のロシアとの協議に続き、欧州との協議も不調に終わったことで、イランへの国際的な圧力がさらに高まった形だ。  会談後の会見でシュタインマイヤー独外相は、「ウラン濃縮活動の停止は、国際原子力機関(IAEA)理事会や国際社会の総意でもある」と述べたうえで、国連安保理での審議入りを求めた。またドストブラジ仏外相は「イランが全面停止に合意しなかったのは大変残念」と表明した。 ただ欧州連合(EU)のソラナ上級代表は「対話継続の道は開かれている」と述べ、イランが態度変更に踏み切った場合は、6日からのIAEA理事会前でも再協議に応じる考えを示し、イラン側の再考を強く促した。  会談はイラン側の要請で開かれ、イランからはラリジャニ最高安全保障委員会事務局長が出席。欧州側は独仏外相らが出席したが、ストロー英外相は発熱で欠席した。 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060304k0000m030078000c.html *0302 イラン核問題:ウラン濃縮委託でロシアと合意に達せず [毎日]  【モスクワ町田幸彦】イランの核問題交渉責任者、ラリジャニ最高安全保障委員会事務局長は1日、モスクワでロシア安全保障会議のイーゴリ・イワノフ書記らと会談したが、ロシアへのウラン濃縮委託案に最終合意できずに終わった。  インタファクス通信などによると、ラリジャニ事務局長は会談後「ウラン濃縮活動は(国家)主権に属する」と述べ、米欧などが要求するウラン濃縮の即時停止に応じない方針を改めて強調した。  イランのウラン濃縮活動をロシアに委託する合弁企業設立案について、キスリャク露外務次官は会談後、「建設的で真剣な話し合いだったが、未解決の問題が少なからず残った」と語り、協議が不調に終わったことを明らかにした。  双方は共同声明で「両国はこの問題の協議継続に同意した」と述べ、ロシア案の検討を続けることを確認した。タス通信によると、イラン代表団は2日午前、ロシア側ともう一度会談する可能性があるが、同日午後には特別機で帰国する予定だという。  消息筋によると、ロシアは自国領内でウラン濃縮活動を受け入れる際、イランの技術者らの参加を認めない考えで、ウラン濃縮の知識を取得したいイランはこの点に強く反発した模様だ。他にも委託期間などに絡む「基本的な見解の相違」があり、両者の歩み寄りは極めて難しい状況だ。  国際原子力機関(IAEA)理事会は6日、イランの核開発問題を審議するが、核兵器開発につながる可能性のあるウラン濃縮の権利を主張するイランの強硬姿勢は大きな反発を呼びそうだ。IAEA理事会は既にイラン問題の国連安全保障理事会への付託を決めており、国連安保理で米国を中心にした対イラン制裁論が勢いを増すのは必至だ。 毎日新聞 2006年3月2日 10時39分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060302k0000e030026000c.html *0228 イランのウラン濃縮活動拡大、IAEAが報告で指摘 [読売]  【ウィーン=石黒穣】国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長は27日、今月4日の緊急理事会で国連安全保障理事会に付託されたイラン核問題に関する最新報告をまとめ、理事国に示した。  報告はイランのIAEA査察協力が不十分なことを「遺憾」とし、イランがウラン濃縮活動を拡大させている点を指摘。安保理での制裁を視野にした審議入りは避けられない内容になっている。  報告は3月6日に始まるIAEA定例理事会で正式に説明される。  本紙が入手した報告によると、イランはナタンツの濃縮施設で2月11日、遠心分離器単体に濃縮ウラン原料の6フッ化ウランを注入したのに続き、15日からは遠心分離器10基を連結した「カスケード」の運転を開始。さらに20基を動かす準備を整えている。  また、IAEAに対し、今年の秋からは遠心分離器3000基体制を整えるための設置作業に着手する計画を通告したという。これは稼働を始めれば1年間で核兵器1個分の高濃縮ウランが作れる台数だ。  一方、イランがこれまで拒んできた研究者の聴取を2月末になって認めたケースもある。だが、核兵器部品の製造手順書の複写提出は依然拒否している。  報告にイランの協力を評価する要素が盛り込まれれば、安保理での制裁審議が回避されるとの見方があったが、この報告はイランにとって厳しい内容となった。 (2006年2月28日12時15分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060228i204.htm *0228 イランが濃縮活動拡大 IAEA報告書 [共同]  【ウィーン27日共同】国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長は27日、イラン核問題に関する報告書をIAEA理事会(35カ国)に提示、同国が遠心分離機20基を連結したウラン濃縮準備を進めるなど、核兵器開発にもつながる濃縮活動を拡大していることを指摘した。  報告書はまた、IAEAの3年間にわたる検証活動にもかかわらず、核兵器開発疑惑が指摘されるイラン核計画の全容が解明されないことを「遺憾」とし、「完全な透明性が不可欠」として一層の情報開示を要求した。  報告書を受けて、3月6日からのIAEA定例理事会はイラン核問題を協議するが、米国や欧州などがイランへの批判を一層強め、国連安全保障理事会に具体的行動を促すことになりそうだ。 URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=main&NWID=2006022801000297 *0227 イランとロシア、ウラン濃縮の合弁企業設立で合意 [朝日] 2006年02月27日00時02分  イランのアガザデ原子力庁長官とロシアのキリエンコ原子力庁長官は26日、イランがロシアの協力で原発を建設中のブシェールで会見し、ウラン濃縮工程を実施する合弁企業の設立に向けて、基本合意に達したと明らかにした。「数日内にモスクワで交渉を再開する」として、対イラン経済制裁回避に向けて両国の交渉継続姿勢を強調した。  25日にテヘラン入りしたキリエンコ長官は26日に建設中のブシェール原発を視察し、アガザデ長官と交渉を続けた。  合弁企業設立について、アガザデ長官は「ロシア提案は合弁企業設立を含む一つのパッケージだ」と説明。しかし、合意の詳細は明らかにせず、「さまざまな角度から議論を詰める必要がある」と述べて、数日内にモスクワで協議することを明らかにした。  中部ナタンズのウラン濃縮施設の封印を解除し、イランが小規模ながらウラン濃縮を再開したことで、米欧は国連安保理での経済制裁に向けた圧力を強めている。イランとロシアは、3月6日に始まる国際原子力機関(IAEA)定例理事会に向けて、ぎりぎりまで協議を続けるとみられる。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0227/001.html *0224 露原子力庁長官:テヘランに到着 ウラン濃縮で協議 [毎日]  【モスクワ支局】タス通信によると、ロシア原子力庁のキリエンコ長官(元首相)は24日未明、テヘランに到着した。26日までの日程でアガザデ副大統領(兼原子力庁長官)らと会談し、ウラン濃縮過程をロシアに移転するロシア案への同意を改めて働きかける。しかし、イラン側は、自前でウラン濃縮を行う権利を主張しており、協議は難航しそうだ。 毎日新聞 2006年2月24日 21時28分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060225k0000m030112000c.html *0223 核問題巡り中国がイランに高官派遣へ 危機回避目指す [朝日] 2006年02月23日22時35分  イランの核問題をめぐり、中国政府は24日、呂国増外務次官(西アジア、北アフリカ担当)をテヘランに派遣する。3月初めの国際原子力機関(IAEA)定例理事会を前に、ウラン濃縮に着手して国際社会との対立を深めているイランに対し、中国は自国の石油戦略なども背景に危機の回避を目指す構えだ。  中国外務省の劉建超副報道局長が23日、定例会見で明らかにした。呂次官は26日までテヘランに滞在し、「危機を緩和して問題をこれ以上深刻化させないための適切な措置」についてイラン側と意見を交わす。  急速な経済発展を支えるエネルギーの確保が必要な中国は、イランの核問題をめぐる制裁論議にも慎重な姿勢をとってきた。今回の高官派遣は、エルバラダイIAEA事務局長が定例理事会に示す報告書で国際社会の対イラン批判が強まる前に、影響力を駆使して緊張の緩和に努めたいとの狙いがうかがえる。  中国はイランにとって日本に次ぐ2番目の原油輸出先。さらに、北京のイラン大使館によると、中国の国有石油大手の中国石油化工は、イラン国営石油会社と油田の開発契約を結ぶ方向で最終調整に入っている。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0223/019.html *0221 イラン核問題、ロシア委託案で合意ならず [朝日] 2006年02月21日21時19分  イランの核問題をめぐるロシアとイランの交渉は21日までモスクワで行われた。イランがロシアと合弁企業を設立し、核兵器開発にもつながるウラン濃縮をロシアに委託する案について協議継続では一致したものの、合意には至らなかった模様だ。23日には、ロシアのキリエンコ原子力庁長官がイランを訪れ、土壇場の協議が行われるが、交渉に大きな進展は難しいとの見方が強い。  国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長は27日ごろにイランに関する報告書を理事国に配布する予定。イラン側の協力が不十分で、核計画に対する疑念は払拭(ふっしょく)できないとの内容になるとみられている。国連安全保障理事会は3月6日に始まるIAEA定例理事会までは行動を起こさないとしているが、それまでに何らかの進展がなければ、経済制裁を含めた強制措置を安保理に求める圧力が高まるのは確実だ。  委託案をめぐる交渉では、委託期間やイランによる濃縮工程参加などについて話し合われた模様だ。ロシア紙によると、イラン側は委託期間を2年に限定した場合は受け入れる姿勢を示したという。しかし、イラン側は「ウラン濃縮は自国内で行う」との従来の主張を繰り返し、濃縮活動の停止を求めるロシア側との隔たりはなお大きい。  交渉終了後、イラン代表のホセイニタシュ最高安全保障委員会事務局次長は「前向きで建設的だった」と述べ、妥協による合意の可能性も示唆しており、エルバラダイ事務局長の報告書を前に、キリエンコ原子力庁長官はテヘラン訪問でイランの説得に全力を挙げる構えだ。  一方、欧米側もロシア委託案を支持し、核問題解決に向けた「唯一の打開策」とみている。進展があれば、イランと英独仏との交渉の再開にも道が開かれる。交渉継続中は安保理による強制措置の発動も難しいとの見方が強い。  ただし、欧米側には「イランの交渉継続の姿勢は、時間かせぎにすぎない」との批判も根強い。イラン側は濃縮活動は中止しない姿勢を崩しておらず、委託案をめぐる交渉が続いている状況でも、制裁論議が活発に行われるのは避けられない見通しだ。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0221/015.html *0218 イランへの武力行使「対応可能」と米統合参謀本部議長 [読売]  【ワシントン=五十嵐文】ピーター・ペース米統合参謀本部議長は17日、ワシントン市内で講演し、ウラン濃縮活動に着手したイランへの対応について、「(イランに対する)軍事的な選択肢が必要になるまでには、まだ長い道のりがある」としながらも、「米軍は米国が必要とする、いかなる事態にも即応できる」と述べ、武力行使が必要となった場合でも十分対応できるとの見解を示した。  同議長は、州兵・予備役を合わせた米軍兵力計240万人のうち、イラクでは約13万5000人、湾岸地域全体では計20万人が展開しているに過ぎない、と指摘した。 (2006年2月18日10時49分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060218i102.htm *イラン、ウラン濃縮の準備活動を開始 [朝日] 2006年02月14日01時19分  イランはウラン濃縮活動に必要な気体の六フッ化ウラン(UF6)を遠心分離器に注入した、と西側外交筋が13日、明らかにした。ウラン濃縮に向けた準備活動とみられ、中部の都市ナタンツの核施設で実施したとみられる。  また、イランのエルハム報道官は13日、ウラン濃縮活動を3月6日までに開始する、と述べた。国際原子力機関(IAEA)理事会は同日からイランの核問題を議論するので、それを意識した模様だ。核問題が国連安全保障理事会に付託されたことへの反発とみられる。本格的なウラン濃縮に着手すれば、安保理での経済制裁などの可能性が高まる。  ウランを濃縮するには、遠心分離器に六フッ化ウランを注入し、高速回転させる。IAEA筋などによると、今回の注入はウラン濃縮を始める準備の一つ。遠心分離器の調整など、工程管理のための作業の可能性が高い。遠心分離器2~3基を使って調整作業をして、その後に10基前後に増やすとみられる。  それぞれ試験的な濃縮に成功すれば、連結させた遠心分離器164基で小規模の濃縮作業を始める予定で、本格的な濃縮作業を始めるまでには数カ月かかるとみられている。  また、ウラン濃縮をロシアに移管させる案を検討する同国との協議も延期されたという。エルハム報道官は「日程が決まらなかっただけで、中止されたわけではない」と含みを持たせたが、「イランの平和目的のウラン濃縮の権利に基づくべきだ」と述べ、イラン領内での濃縮工程が温存されなければ合意は難しいとの見通しを示した。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0213/010.html *「米がイラン攻撃すれば死者数千人」 英シンクタンク分析  [産経]  英シンクタンク、オックスフォード・リサーチ・グループは13日、米国がイランの核関連施設などを攻撃した場合、イラン側死者が当初の段階で数千人に達するとの見通しを示した報告書を発表した。同日付の英紙ガーディアンなどが報じた。  報告書はイランを攻撃すれば長期化するとし、結果として(1)イランの核拡散防止条約(NPT)脱退(2)原油輸送の要衝、ペルシャ湾入り口のホルムズ海峡封鎖(3)国際テロ組織アルカーイダの活動助長―などを招くと警告した。  攻撃する場合、20以上の核関連施設や軍事施設を急襲する同時空爆が含まれるとみられると指摘し、攻撃対象の施設の多くが人口密集地域にあるため、数百人の民間人犠牲者も出ると予測。イランが反撃した場合、死者数は飛躍的に増えるとしている。(共同) (02/13 11:50) URL:http://www.sankei.co.jp/news/060213/kok021.htm *「米がイラン核施設の攻撃を準備」と英紙報道 [産経]  12日付英紙サンデー・テレグラフは、米国がイランの核兵器保有を防ぐため、同国の核関連施設への軍事攻撃に向けて準備を進めていると報じた。外交交渉が失敗した場合に備えた"最後の手段"として、国防総省が空爆を中心とした具体的な計画を立案しているという。  同紙によると、国防総省の専門家が攻撃対象や使用兵器、後方支援作戦などを検討中で、ラムズフェルド国防長官にも報告された。同省高官は「この数カ月間、非常な緊急性を持って準備が進んだ」と指摘した。  最も考えられる戦略の1つは、地下施設破壊を目的とした特殊貫通弾(バンカーバスター)も登載するB2ステルス爆撃機による攻撃。空中給油機とともに米ミズーリ州の基地を出発した爆撃機がイラン上空を目指す。開発が間に合えば、潜水艦から通常型弾道ミサイルが発射される可能性もある。  米政府はイラン核問題について外交手段による解決を目指すとしているが、ブッシュ大統領は軍事行動を解決のための手段から排除することを拒否、イランの核兵器保有への野心はいずれ許容できなくなると述べたという。(共同) (02/12 15:52) URL:http://www.sankei.co.jp/news/060212/kok050.htm *イラン核問題、安保理に正式付託 当面本格論議入りせず [朝日] 2006年02月08日10時07分  国連安全保障理事会のボルトン議長(米国連大使)は7日、国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長から、イランの核問題を安保理に付託する書簡と資料を受け取り、全理事国に配った。これで安保理への付託手続きが完了した。  米国連外交筋は「イラン核問題をめぐる安保理でのプロセスが始まった」と述べたが、米英仏ロ中の常任理事国5カ国とドイツの外相は3月のIAEA理事会までは経済制裁の本格論議に入らないことを申し合わせている。ボルトン氏も記者団の質問に対し、その方針を確認した。  安保理は当面、常任理事国を中心に非公式の会合を重ねる見通し。特に、ウラン濃縮委託をめぐるイランとロシアの16日の交渉の行方について情報交換を進めることになりそうだ。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0208/006.html *イラン国民の85%、ウラン濃縮再開支持 世論調査 [朝日] 2006年02月06日23時00分  イラン国民の約85%が自国によるウラン濃縮活動再開を支持――。国営イラン通信は5日、このような世論調査の結果を報じた。  「イラン学生世論調査機関」が1月29日と30日の2日間、全国各地で実施したという。18歳以上の1019人が回答した。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0206/015.html *イラン:IAEAに濃縮再開通告 国際社会と対立決定的か [毎日]  イランの核交渉責任者を務める最高安全保障委員会のラリジャニ事務局長は6日、ウラン濃縮の再開を通告する書簡を国際原子力機関(IAEA)に送ったことを明らかにした。イラン学生通信が伝えた。  イランが核兵器開発につながる濃縮に着手すれば、欧米のほか濃縮をロシアで実施するとの妥協案を提示したロシアが反発するのは確実で、国際社会との決定的な対立に発展する可能性がある。  事務局長は書簡に再開時期を明記したとし「濃縮再開のため、IAEAの査察官が数日中にイランを訪問するだろう」と語った。  イランは、国際原子力機関(IAEA)緊急理事会が同国の核問題を国連安全保障理事会に付託する決議を採択したことに強く反発している。(テヘラン共同) 毎日新聞 2006年2月7日 1時33分 (最終更新時間 2月7日 1時46分) URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060207k0000m030175000c.html *イラン大統領、ウラン濃縮再開を命令 [朝日] 2006年02月05日21時51分  イランのアフマディネジャド大統領は4日、国際原子力機関(IAEA)がイラン核問題の国連安保理付託を決議したのを受けて、同国の原子力庁に対し、ウラン濃縮の本格的再開と、IAEAの抜き打ち査察への協力を打ち切る「査察制限法」の執行を命じた。  同大統領は国営イラン通信に対し5日、「どれほど多くの決議を出しても、イランの進歩は止められない」と語った。  査察制限法は安保理付託に備えて、昨年12月に成立した。イランは中部ナタンズの濃縮施設で「工業規模」の濃縮を開始する構えだが、IAEAによると、遠心分離器の修復などが続いており、いつ濃縮に着手するかは不透明だ。  アガザデ原子力庁長官は、大統領の命令を5日にもIAEAに伝えるとしている。ただ、核不拡散条約(NPT)保障措置協定に基づく通常査察受け入れは継続し、「NPTやIAEAへの基本姿勢の変更は意味しない」と述べた。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0205/007.html *イラン核問題、日本に外相招き濃縮活動停止を説得へ [読売]  国際原子力機関(IAEA)緊急理事会がイランの核問題の国連安全保障理事会付託決議案を採択したことを受け、政府は4日、同国のモッタキ外相を2月末にも日本に招き、ウラン濃縮関連活動の早期停止に同意するよう、直接、働きかける方針を固めた。  日本は原油輸入の15%をイランに頼り、世界最大級のアザデガン油田をイランと共同開発中であるため、「イランがこれ以上、国際社会で孤立し、制裁発動の事態になれば、日本もオイルショックの再来になりかねない」(政府筋)と判断したためだ。  モッタキ外相が駐日大使経験者で「親日家」として知られることもあり、日・イラン外相会談を国内で開催する方向で最終調整に入っている。日・イラン外相会談で麻生外相は、英仏独の3か国との再協議や、IAEAによる査察への協力を呼びかける。  また、イランが濃縮関連活動を今後も続けた場合、「制裁が実施され、イランは一層、窮地に追い込まれる」との懸念を伝える見通しだ。ただ、麻生外相は1月18日、モッタキ外相と電話で会談し、濃縮関連活動の停止を求めたが、不調に終わっている。 (2006年2月5日3時1分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060205i201.htm *核兵器獲得許さない 米大統領が声明 [共同]  【ワシントン4日共同】ブッシュ米大統領は4日、イラン核問題が国連安全保障理事会に付託されたことについて「世界はイランの核兵器獲得を許さないという明快なメッセージを送った」と歓迎、今後も問題解決のため「集中的な外交努力」を続ける決意を示す声明を発表した。  ライス国務長官も声明で、「イランがこの明快なメッセージに耳を傾けることを望む」と、付託に反発してウラン濃縮再開などの構えを見せるイランをけん制。濃縮関連活動の停止と国際原子力機関(IAEA)への全面協力、核交渉への復帰を、イランにあらためて要求した。 URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=intl&NWID=2006020501000151 *抜き打ち査察拒否を命令 イラン大統領 [共同]  【テヘラン5日共同】イランのアハマディネジャド大統領は4日、アガザデ原子力庁長官に対し、国際原子力機関(IAEA)追加議定書に定められた抜き打ち査察などを5日から拒否するよう命じる書簡を送った。国営テレビが伝えた。  4日のIAEA緊急理事会がイラン核問題の国連安全保障理事会付託の決議を採択したことへの対抗措置。核査察の制限はイランの核開発の意図に対する国際社会の懸念を呼び、緊張をさらに高める恐れがある。  大統領は書簡で、決議はイラン国民の権利を侵害しており正当化できないと強調。核拡散防止条約(NPT)上の義務などは順守した上で「核燃料生産の研究開発や基礎的作業を実施しなければならない」とした。 URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=main&NWID=2006020501000097 *イラン核問題:IAEA理事会、投票結果を分析 [毎日]  【ウィーン澤田克己】4日のIAEA緊急理事会でイランと経済的なつながりの強い中露が賛成したのは欧米との事前合意に基づく投票行動だった。「時期尚早」と付託に反対していた非同盟諸国(16カ国)も半数が賛成に回り、賛成票はイランの保障措置(核査察)協定違反を断定した昨年9月の決議(賛成22)を上回った。  反対は反米感情の強いキューバ、ベネズエラと、イランと緊密な関係を持つシリアの3カ国にとどまった。リビア、アルジェリア、インドネシアのイスラム諸国と、イランと関係が深い南アフリカなど5カ国が棄権した。  エジプトはイラン核問題の解決が「中東非大量破壊兵器構想」に寄与するとの表現が最終段階で決議に盛り込まれたことを評価し賛成に回ったとみられる。アラブ側は「非核地帯構想」を要求したが、イスラエル、米国が抵抗。結局、アラブ諸国のミサイルなども含む「大量破壊兵器」との表現で決着した。  「原子力の平和利用」も焦点だった。非同盟諸国は「平和利用の権利はNPT(核拡散防止条約)に認められている」と主張、安保理付託先送りを求めた。欧米側は決議に「イランは特別なケース」と書き込むことで「平和利用の権利」の大前提を確認、非同盟諸国だけでなくブラジル、アルゼンチンなどの理解を求めた。 毎日新聞 2006年2月4日 21時22分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060205k0000m030083000c.html *イラン核問題:米国、中露の働きかけ強化に期待 [毎日]  【ワシントン笠原敏彦】イラン核問題の国連安保理付託を水面下で誘導してきた米国は4日の付託決定を「忍耐が報われた」(ラドメーカー国務次官補)と歓迎している。米国は当面、イラン包囲網の強化と維持に全力を挙げるとともに、中露がイランへの働きかけを強めることに危機回避への望みを託すことになりそうだ。  米国はイランの「民生目的を隠れみのにした核兵器開発」をいち早く警告し、03年秋から問題の安保理付託を訴えてきた。しかし、各国の支持は得られず、05年3月に英仏独3カ国の対イラン交渉の支持へ方針転換し、「交渉が行き詰まる」まで見守ってきた。  付託の流れは先月30日の安保理常任理事国を中心にした「6カ国外相会議」での合意で決定。ラドメーカー国務次官補(国際安全保障・不拡散担当)は2月2日、ワシントン市内での講演で「中露を含む国際社会の支持拡大により、我々の忍耐は報われた。イラン問題(での外交)を効果的な多国間主義の模範にしたい」と期待感を語った。  しかし、協議が安保理に移った場合、米国が中露を陣営につなぎ留められるかは不透明だ。米国は3月のIAEA理事会までの猶予期間中、ウラン濃縮工程をロシアに移転するロシア案を軸にロシアや中国がイラン説得に本腰を入れることを期待している。  ◇対イラン経済制裁論議に拍車  【テヘラン春日孝之】国際原子力機関(IAEA)の緊急理事会で4日、イランの核開発問題を国連安保理に付託する決議案が採択されたのを受け、イランは厳しい状況に立たされた。イランが強硬姿勢を貫けば、対イラン経済制裁論議に拍車をかけ、国際社会で孤立化を深めることになる。  決議は、イラン核問題の安保理での審議を次回IAEA定例理事会まで待つとしており、それまでの1カ月間、イランは「最後の猶予」を与えられた。だが、イラン国家安全保障委員会のバイディ事務局次長は3日、採択後の4日には「本格的なウラン濃縮を再開せざるを得ない」と語った。  イランがIAEAに突き付けたウラン濃縮活動の本格再開という「最後通告」を実施すれば、国際社会との対決構図は鮮明になる。イランと経済・軍事面で緊密な関係を持ち、対イラン経済制裁に消極的なロシアや中国、さらにイランが主張する「原子力の平和利用の権利」について一定の理解を示していた非同盟諸国の離反を招きかねないからだ。  逆に、実施しなければ国際社会では「脅しの外交」と見透かされ、国家の威信を損ないかねない。国内世論への説明もつかず、政権への求心力低下を招く恐れもある。  ただ、イランでは保守派、改革派を問わず「核の平和利用」は、イランを含めた核拡散防止条約(NPT)加盟国の当然の権利とみている。この点から、今回の安保理付託を「違法措置」と反発し、ナショナリズムが高揚する可能性を指摘する声が少なくない。  今後のイランの行方について、国内の見方は二つに大別できる。発禁処分になった改革派系パヤメ・アザディ紙のメラド・カディル元編集局長(40)は「今回の危機で国民の結束はむしろ強まり、行き着くところまで行くのでは」と指摘。一方、改革派系シャーク紙のアフマディ・ザイディアバディ記者(40)は「イランは革命(79年)以来、土壇場で譲歩してきた経過があり、政府はさまざまな理由をつけて査察制限などには踏み切らず、ロシア案を受け入れ落着する」とみる。 毎日新聞 2006年2月4日 20時15分 (最終更新時間 2月5日 0時53分) URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060205k0000m030071000c.html *イラン核問題:国際的な包囲網 より強固に [毎日]  【ウィーン会川晴之】国際原子力機関(IAEA)緊急理事会が4日、イラン核問題の安保理付託を決めたことで今後は安保理とIAEAが問題に共同対処する態勢になり、国際的な包囲網がより強固になった。イランはIAEAの抜き打ち査察を拒否する姿勢だが、北朝鮮のような査察官追放や核拡散防止条約(NPT)脱退にまで踏み切る可能性は少ない。中露はウラン濃縮のロシア委託案の受諾をイランに促し続ける方針だが、核兵器開発につながる計画をイランに断念させられるかは不透明だ。  理事会筋によると、3月以後に始まる安保理の審議では当面、制裁につながる議論を避け、イランに対して「IAEA理事会の決議順守」を求める議長総括や決議を採択し、ウラン濃縮活動の即時停止や追加議定書の即時批准などを求める公算が大きい。  イランが「原子力の平和利用の権利」を盾にウラン濃縮活動を継続した場合、安保理はIAEAに無制限の査察権限を付与するなどの一段強い決議を採択する可能性が高い。湾岸戦争後のイラクに対する核査察でも採用された手法で、イラン側が拒否すれば経済制裁などを求める議論に発展しそうだ。  NPTは「平和利用の権利」を全加盟国に認めており、IAEAはイランにウラン濃縮活動停止を求める法的権限はない。これまでの理事会決議は「自主的な協力」の形でイランに活動停止を求めてきた。安保理決議は法的拘束力を持つため、イランが決議順守を拒否すれば国際的な「違法」状態になる。  イランは安保理付託を機にIAEAの抜き打ち査察などを拒否する方針だ。核兵器開発につながる計画などの疑問点解明は「事実上、難しくなる」(IAEA幹部)。イラン中部ナタンツのウラン濃縮施設には20台の監視カメラが設置されているが、「イラン側が取り外しを要求する可能性が高い」(理事会筋)とされ、軍事施設やウラン鉱山などの査察も困難になる。 毎日新聞 2006年2月4日 20時12分 (最終更新時間 2月4日 23時35分) URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060205k0000m030070000c.html *安保理付託決議を採択 イラン核問題でIAEA [朝日] 2006年02月04日23時26分  イランの核問題への対応策を協議してきた国際原子力機関(IAEA)緊急理事会は4日、国連安全保障理事会に問題を付託する決議を採択した。決議はイランに対して、核兵器開発につながるウラン濃縮関連活動の中止やIAEAへの協力を要求した。イランは決議に強く反発している。  決議は、イランが保障措置(核査察)協定を守らない活動を繰り返していることを再確認した上で、イランの核計画に「深刻な懸念」を表明した。決議はさらに、外交解決への理事会の決意を改めて表明した。  理事会(35カ国で構成)の投票では日本をはじめ、中国、ロシアを含む安保理常任理事国5カ国すべてが賛成した。投票結果は、賛成が27カ国、反対はベネズエラ、キューバ、シリアの3カ国、棄権はアルジェリア、ベラルーシ、インドネシア、リビア、南アフリカの5カ国だった。全会一致とはならなかったが、イランに対する国際包囲網作りを進めてきた米欧側は「イランに対して、国際社会の強いメッセージとなる」としている。  この決議によって、イラン核問題の取り扱いは一応安保理に移ることになる。ただ、米欧側は、付託に慎重なロシアと中国の支持を取り付けるため、安保理が当面、経済制裁などの強制措置には踏み切らないことで合意している。IAEAは、イランが必要とするウラン濃縮の生産、供給を提案しているロシアとイランとの交渉の進展を見守りながら、3月の定例理事会で次の判断を行う予定だ。    ◇  イラン最高安全保障委員会のバイディ事務局次長は4日、国営テレビに対し、「国会が可決した法に基づき、ウラン濃縮を含む核活動を再開し、(抜き打ち査察を認めた)IAEA追加議定書の自発的適用を中止することになる」と述べた。  安保理付託の場合に抜き打ち査察への協力停止ができる「査察制限法」が成立しており、アフマディネジャド大統領が近く法を執行するとみられる。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0204/010.html *英外相:イラン外相に国際社会の姿勢変える「最後の機会」 [毎日]  【ロンドン小松浩】ストロー英外相は1日、アフガニスタン復興支援国際会議出席のためロンドン入りしているイランのモッタキ外相と1時間あまり会談した。ストロー外相は、イランの核問題で国連安保理が3月まで行動を起こさないことで常任理事国が合意したのを踏まえ、これはイランに対する脅しではなく、国際社会の姿勢を変える「最後の機会」であるとの考えを伝えた。 毎日新聞 2006年2月2日 0時27分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060202k0000m030170000c.html *英仏独、イラン核の安保理付託決議案をIAEA提出 [読売]  【ウィーン=石黒穣】イラン核問題をめぐってウィーンで2日から開かれる国際原子力機関(IAEA)緊急理事会を前に、英国、フランス、ドイツの3か国は1日、国連安全保障理事会への付託決議案をIAEAに提出した。  ロシアと中国は付託に賛成の立場を示しており、決議案採択は確実だ。  決議案は、イランの核開発に「重大な懸念」を表明した上で、イランに対し、1月上旬に始動させた「研究開発」を含む濃縮関連活動を再び完全停止させ、疑惑究明のためIAEA査察に全面協力することを改めて要求。また、これらの措置を安保理に報告するようエルバラダイ事務局長に勧告している。  決議案はさらに、2005年9月の理事会決議で、イランが保障措置(査察)協定に違反、「国際社会の平和と安全を脅かす問題」を引き起こしたことから、安保理付託の必要性を認定したことを確認。同決議をはじめとした過去の決議の安保理への報告も勧告している。  ただ、決議案は、保障措置協定違反の具体的中身や、制裁に即座につながる「平和と安全を脅かす問題」の明示を避けている。  これは安保理付託に慎重だった中露に配慮したものだ。これにより、中露にとっては、制裁に向けた安保理での本格論議を開始するためには、「新たな決議が必要」と主張できる余地を残したことになる。 (2006年2月2日1時16分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060201i417.htm *イラン、「核兵器資料」提供せず IAEA報告書が指摘 [朝日] 2006年02月01日10時49分  国際原子力機関(IAEA)は31日、イランの核問題に関する非公開の報告書を理事国(35カ国)に配布した。イランが核関連の資料の一部を提供せず、濃縮開始の準備を本格化させているとの内容で、国連安全保障理事会への付託を話し合う2日の緊急理事会を前に、イランはさらに苦しい立場に追い込まれそうだ。  問題の資料は、イランが「核の闇市場」から入手したもので、11月のIAEA報告書で存在が明らかになった。高濃縮ウランを半球状に加工する手順を示す内容だ。  朝日新聞が入手した報告書では、この15ページの資料について「核兵器製造に関係する」情報と明記。イラン側はIAEAに資料の提供を拒否し、閲覧とメモを許しただけだったという。核専門家は「資料は核弾頭をつくる説明書にあたる」と指摘する。イラン側は闇市場関係者から自発的に提供された資料で、核開発にも利用していないと説明している。  1月10日に再開された研究活動については、30日現在でウラン濃縮そのものはまだ実施していないことを確認したが、中部ナタンズのガス設備を大幅に改修するなど、濃縮開始へ準備を本格化させていると報告した。  一方、報告書はイラン側がテヘラン近郊のラビザン研究所関連の調査に部分的に協力したことに言及。ウラン濃縮に必要な六フッ化ウラン容器が29日にIAEA監視下に再び置かれたことにも触れた。  今回の報告書について、イラン高官は「IAEAに十分協力していることを示す内容だ。安保理付託は意味がない」とロイター通信に語った。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0201/005.html *「人権語る資格ない」イラン大統領、ブッシュ発言批判 [朝日] 2006年02月01日21時46分  イランのアフマディネジャド大統領は1日、南部ブシェールで演説し、イランの体制が国民を抑圧しているとしたブッシュ大統領の発言に反発し、「戦争を起こして世界の人々の血にまみれた者が自由や人権を語る資格はない」「近い将来、世界の民衆による法廷で裁かれるだろう」と述べた。国営テレビが実況中継した。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0201/011.html *核の闇市場から製造書類 イラン問題でIAEA報告 [共同]  【ウィーン31日共同】国際原子力機関(IAEA)は31日、イランがパキスタンのカーン博士を中心とする「核の闇市場」から得ていた書類が「核兵器の一部の製造に関係する」などと明記した調査報告書をまとめ、理事会メンバー国に配布した。  書類は、核弾頭の中核部分となる濃縮ウランを半球形にする技術に関する内容。国連安全保障理事会へのイラン核問題付託を協議する2日からのIAEA緊急理事会を前に、「核開発は平和利用目的」と主張するイランは一層苦しい立場に追い込まれそうだ。  報告書はIAEAの保障措置(査察)部門の最高責任者、ハイノネン事務次長が先週イランを訪問した際の調査内容などをまとめた。 URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=intl&NWID=2006020101000181 *イラン核問題、安保理付託で合意 6カ国外相会合 [朝日] 2006年01月31日11時17分  米国、英国、フランス、ロシア、中国の国連安保理常任理事国とドイツの6カ国は30日、イランの核問題をめぐってロンドンで外相会合を開き、問題を国連安保理に付託することで合意した。これにより、2月2日から始まる国際原子力機関(IAEA)の緊急理事会では賛成多数で付託が決まる見通しとなった。ただ、イランの査察などに関する報告がまとまる3月のIAEA理事会までは安保理が経済制裁などの措置に踏み切らない、とも申し合わせた。  ウラン濃縮関連活動をイラン国外で実施するというロシア提案をめぐっては、イラン、ロシア両国の会談が2月中旬に予定されているため、関係国の駆け引きが今後も続くと予想される。  欧州連合(EU)のソラナ共通外交・安全保障上級代表は30日、イランのロシア提案受け入れが「危機脱出の可能性」とみて期待したが、ライス米国務長官は外相会合直前の記者会見で「イランはロシア提案受け入れを真剣に検討していない」との見方を示していた。  6カ国外相会合に先立ち、英独仏3カ国はブリュッセルでイラン側と妥協案を探った。だが、英外交筋はロイター通信に対し「イラン側は新たな提案をしなかった」と表明。独仏両国も安保理付託がやむを得ないとの認識を示し、付託に慎重な中ロへの外相会合での説得が焦点となっていた。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0131/003.html *イラン核問題:中ロ高官が現地訪問、妥協案で3者協議へ [毎日]  インタファクス通信などによると、イランの核問題でロシアのキスリャク外務次官が1日、中国高官とともにテヘランを訪れ、ウラン濃縮は合弁企業がロシアで行うとのロシアの妥協案などを、イランのラリジャニ最高安全保障委員会事務局長と協議する。  在イラン・ロシア大使館が1月31日明らかにした。中露とイランが3者で高官協議を行うのは異例。詳しい会談日程などは分かっていない。  米中露など6カ国外相会合が同問題の国連安全保障理事会への付託で一致したことを受け、中露はイランに対し、ウラン濃縮関連活動を停止して国際原子力機関(IAEA)と協力するよう説得を強めるとともに、ロシアはイラン側が関心を示す妥協案の受け入れを求めるとみられる。  妥協案でロシア外務省はこれまで、協議への中国の参加も可能との立場を示してきた。同通信はテヘラン入りする中国高官について、次官級としている。核交渉責任者を務めるラリジャニ事務局長は妥協案を「肯定的に評価する」としていた。(モスクワ共同) 毎日新聞 2006年2月1日 9時37分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060201k0000e030013000c.html *IAEA査察、「イラン容認」…NY・タイムズが報道 [読売]  【ニューヨーク=白川義和】米紙ニューヨーク・タイムズは30日、パリ発で、イランが国際原子力機関(IAEA)に対し、ウラン濃縮活動疑惑が指摘されていたラビザン軍事施設への査察を受け入れたと報じた。  複数の外交筋が明らかにしたもので、イラン核問題の国連安保理付託を目指す米国や英仏独などを揺さぶる狙いと見られる。  ラビザンはテヘラン近郊にあり、施設が廃棄されて数か月後の2004年6月以来、IAEAが査察を要求してきた。イランは今回、ウランの環境サンプル調査を認めたが、同施設で働いていた核研究者への調査は受け入れないなど、協力は限定的という。  同紙はこうしたイランの動きは米国や欧州には「不適切なジェスチャー」と映る一方、安保理付託に消極的なロシアや中国の立場は強まりうるとしている。 (2006年1月30日22時26分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060130i116.htm *核問題の露提案、イラン・中国が一定評価 [読売]  【北京=末続哲也】イランのアリ・ラリジャニ国家安全保障最高会議書記は26日、北京を訪問し、中国の唐家セン・国務委員、李肇星・外相らとイラン核問題について協議した。(センは王へんに「旋」)  会談後に北京で記者会見したラリジャニ書記らによると、双方は、ウラン濃縮をロシアで行うとの妥協案に一定の評価を与えた上で、外交努力を通じ、核問題の国連安全保障理事会付託の回避を模索することで一致した。  また、新華社電によると、唐国務委員は会談で、イラン核問題の展開に懸念を表明したうえで、「各国が2月の国際原子力機関(IAEA)の緊急理事会前に外交努力を強め、協議を再開するのに有利な条件を整えるよう望む」と語った。その上で、イランに対し、安保理付託回避に向けた努力を促した模様だ。 (2006年1月26日23時21分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060126id25.htm *核開発続行ならイラン攻撃も…イスラエル国防相警告 [読売]  【エルサレム=佐藤秀憲】イスラエルのモファズ国防相は21日、同国西部ヘルツリヤで開かれた会議で、イランの核問題について、「イランの核武装は認められない。イスラエルは自国を防衛する能力を維持しなければならず、その準備をしている」と言明、イランが核開発計画をやめなければ、軍事行動発動もあり得ると警告した。  イスラエルは1981年、イラクのオシラク原子炉を空爆し、同国の核開発計画を実力で阻止したことがある。国防相は「歴史を見れば、ユダヤ人を抹殺しようとした者が破滅に行き着くことは明らかだ」と述べ、イラクの例を念頭に、イランに核計画の放棄を促した。 (2006年1月22日23時50分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060122id22.htm *イラン:爆弾テロで8人死亡、46人負傷 [毎日]  【テヘラン春日孝之】イラン南西部アフワズで24日午前、銀行と政府機関の前で相次ぎ爆弾が爆発した。イラン学生通信などによると、市民8人が死亡、46人の負傷が確認されたという。反政府テロとみられる。  AFP通信によると、イランのアフマディネジャド大統領は24日、現地を訪問して演説する予定だったが、23日夜、悪天候を理由に訪問をキャンセルしたという。 毎日新聞 2006年1月25日 0時12分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060125k0000m030135000c.html *イランと交渉余地なし 付託「絶対必要」と米長官 [共同]  【ワシントン23日共同】ライス米国務長官は23日、イランが再開した核燃料製造の研究をやめない限り「どんな形式であれ、交渉の余地はほとんどない」と述べ、来月2日の国際原子力機関(IAEA)緊急理事会でイラン核問題の「国連安全保障理事会への付託が絶対になされるべきだ」と強調した。  イランの核交渉責任者、ラリジャニ最高安全保障委員会事務局長が24日にモスクワを訪問、ウラン濃縮をめぐる妥協案を提示しているロシア側と協議する予定だが、ライス長官は協議を前に、現状のままではいかなる交渉も認められないとの米国の立場をあらためて明確にした。訪米したイタリアのフィーニ副首相兼外相との会談後、記者団に語った。  ブッシュ大統領も23日の演説で、核保有したイランに世界が脅されるようなことがあってはならないとして、付託が「次の合理的なステップ」と強調。フィーニ氏も付託を全面的に支持すると明言した。 URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=KCH&PG=STORY&NGID=intl&NWID=2006012401000310 *秘密の核関連施設を指摘 イラン反体制組織 [共同]  【ロンドン20日共同】イランの反体制組織「国民抵抗評議会」英国支部のノールージ代表が20日、ロンドンで記者会見し、イラン内部からの情報で、テヘラン西方のカラジ付近に秘密の核兵器関連施設が存在することが明らかになったと指摘した。  同組織は既に国際原子力機関(IAEA)に情報提供したとしているが、確認されていない。施設名は「材料・エネルギー研究所」。核兵器製造に直結する技術で、濃縮ウランを球形に加熱、加圧する装置の開発が進んでいるという。  ノールージ代表によると、イランは約30年前に入手した米国製の同装置の修復を終了。米国製品を模倣して5台の装置を現在製造中という。  IAEAは昨年11月の報告書で、イランが核の闇市場で濃縮ウランを球形にする技術を入手したと指摘した。  国民抵抗評議会は2002年、中部ナタンツなどの秘密の核施設を暴露した。 URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=intl&NWID=2006012001005277 *イラン核問題:IAEA緊急理事会開催を要請 6カ国会合 [毎日]  ロンドンで開かれていたイラン核問題を協議する米国、英国、フランス、ロシア、中国、ドイツの6カ国による会合は16日、国連安全保障理事会に問題を付託するための国際原子力機関(IAEA)緊急理事会を2月2、3の両日に開催するよう要請することで一致した。英外務省スポークスマンが明らかにした。  緊急理事会(35カ国)で採決が行われた場合、過半数の賛成で付託が決まる。米政府は既に「十分な賛成票を確保した」との認識を示しており、反体制派の暴露で2002年に発覚したイランの核問題は来月初めに、経済制裁などが可能な安保理へ舞台を移し、新たな局面入りすることになった。  6カ国会合では、イランに対し、ウラン濃縮関連活動の完全中止と、核交渉への復帰をあらためて要求。再開した核燃料研究をやめ、IAEAに全面協力するよう強く求めた。(ロンドン共同) 毎日新聞 2006年1月17日 8時10分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060117k0000e030004000c.html *安保理付託なら濃縮開始も イラン、6カ国をけん制 [共同]  【テヘラン16日共同】イラン最高安全保障委員会のスポークスマン、エンテザミ氏は16日までに共同通信のインタビューに応じ、同国の核問題が国連安全保障理事会に付託された場合は「(抜き打ち査察を可能とする)国際原子力機関(IAEA)追加議定書の自主的な順守を中止し、自発的に停止している核関連活動も再開する」と述べ、ウラン濃縮を開始する可能性を示唆した。  英国など欧州3カ国と米国、ロシア、中国はロンドンで16日、イラン核問題の安保理付託について協議予定。エンテザミ氏の発言は、付託に向けた動きをけん制する狙いがあるとみられる。 URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=intl&NWID=2006011601000126 *核保有阻止で軍事攻撃も イラン核問題で米与野党 [共同]  【ワシントン15日共同】イランが核研究再開を発表したことについて、米共和党のマケイン、民主党のバイ両上院議員ら与野党の有力議員が15日、米テレビとの会見で、イランの核保有阻止のため最終的には軍事攻撃の選択肢も排除すべきでないと相次いで主張した。  両議員ともに「軍事攻撃は最後の手段」としているものの、米議会がイランの核武装を決して容認しないことで一致していることを示している。  マケイン氏はCBSテレビとの会見で「イランの核問題は対テロ戦争を除けば冷戦終結後にわれわれが直面した最も深刻な問題だ。どのような状況でも軍事攻撃の選択肢がないとの考えはばかげている」と述べた。 URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=intl&NWID=2006011601000156 *イラン大統領:核継続発言 欧米との対決姿勢鮮明に [毎日]  【テヘラン春日孝之】イランのアフマディネジャド大統領は14日の記者会見で、国際圧力に屈せずに「研究目的」の核関連活動を継続すると表明、欧米との対決姿勢を鮮明にした。一方、英独仏などとの交渉復活の余地も残すしたたかさを見せつけた。イランは「交渉に関心を示している」(アナン国連事務総長)とされ、国際社会が即座に石油大国イランへの経済制裁には動き出せない情勢を読んだ上で、瀬戸際の交渉戦術を繰り広げているとの見方もある。  英独仏が12日、イランとの交渉中断を決めたことを受け、国際原子力機関(IAEA)緊急理事会で核問題の国連安保理付託が決まる可能性が高まっている。しかし、大統領は記者会見で「対話を恐れていない」と交渉継続の意思を表明した。  イランの核交渉責任者であるラリジャニ最高安全保障委員会事務局長は13日、米CNNテレビで、核関連活動の再開と核交渉は「別次元の問題だ」との認識を示し、ウラン濃縮工程のロシア移転案についても「検討の余地がある」と述べた。  アフマディネジャド政権は昨年8月の発足以来、核交渉で強硬姿勢を取りながら、常に交渉の余地は残しておく戦術を採用しており、今回の動きもその延長線上とみることができる。背景にはイランが「国益を守る必要な手段」として豊かな石油資源を持ち、「イランを脅す国の中には対イラン関係を必要としている国がある」(アフマディネジャド大統領)との自信がある。  改革派のハタミ前大統領を支持する政党メンバーでテヘラン大講師のジャライプール氏(48)は現政権の交渉スタイルを「瀬戸際外交の北朝鮮と同じ」と位置付け、土壇場で妥協する可能性が高いと分析する。「強硬姿勢を最後まで貫かない限り、交渉の果実は得られない」との見方がアフマディネジャド大統領ら保守派の間にあるからだという。だが、ジャライプール氏は「こうした交渉は国際社会では通用しない。極めて危険な賭けだ」として、イラン指導部が国際世論の動向を読み違える危険性に懸念を表明している。 毎日新聞 2006年1月15日 0時08分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060115k0000m030124000c.html *イラン核問題:安保理付託へ国際包囲網 中露の動向カギ [毎日]  イランの核開発問題は、個別交渉による解決を目指してきた英仏独が交渉を打ち切り、国際原子力機関(IAEA)の緊急理事会の招集を求めたことで、国連安保理に付託される見通しが強まった。米国主導による国際社会の対イラン包囲網が狭まった形だが、国際石油事情に深刻な影響を及ぼす経済制裁には慎重意見も多い。石油を武器に強気のイランと「次の一手」を探る欧米のにらみ合い続く中、来週初めにロンドンで開かれる6カ国協議に加わったロシア、中国の出方が注目されている。  「堪忍袋の緒が切れた」。これまで一貫して交渉による問題解決を主張してきたエルバラダイIAEA事務局長が英テレビのインタビューに答えた発言が国際社会の雰囲気を象徴している。  IAEA理事会では南アフリカなど非同盟諸国の多くが安保理付託に反対または慎重姿勢を示してきたが、エルバラダイ事務局長がイラン非難に踏み切ったことで「多くの非同盟諸国が賛成に転じる可能性が出てきた」(理事会筋)とみられている。  外交上の得点を挙げたのは米国だ。ライス米国務長官は12日の記者会見で「安保理に付託されればさまざまな選択肢と手段が取れるようになる」と英仏独の方針を歓迎した。米国は当初から安保理付託は不可避とみながらも、昨年3月以来、国際協調を優先させ欧州の交渉を支持してきた。イラク戦争と異なり、突出を避けながら、対イラン包囲網を強化できたことになる。  IAEA理事会は過去6回、北朝鮮やイラクの核査察協定違反で安保理付託を決めたことがあるが、これまでは最低でも理事会を構成する35カ国中25カ国の賛成を得てきた。欧米は安保理審議を有利に進めるためにも、「賛成票を1票でも積み増し、圧力を高めたい」と考えている。  焦点となるのは常任理事国のロシアと中国の動向だ。12日付ワシントン・ポスト紙によると、ライス国務長官は10日のラブロフ露外相との電話協議で安保理付託に反対しないとの約束を取り付けた。米国はロシアに全力を挙げた後、本格的に中国説得に乗り出す模様だ。  しかし、世界的にエネルギー需給がひっ迫する中、産油国イランにどれだけ厳しい経済制裁を実施できるかを疑問視する声も強い。米ジョージタウン大学のダニエル・バイマン助教授は「イランの石油輸出を減らすような経済制裁が発動されれば、国際石油市場に相当な影響が出るだろう。主要国が同意するとは思えない」と指摘する。  このため、「有志連合」制裁という考えも急浮上している。安保理付託がイランへの圧力とならず、経済制裁発動にも失敗した場合、米国はアジアや欧州などの同盟国と「有志連合」を組み、対イラン制裁を目指すという観測だ。その場合、イランにアザデガン油田などの権益を持つ日本は厳しい対応を迫られることになりそうだ。【ウィーン会川晴之、ワシントン笠原敏彦】  ◇「攻撃は最大の防御」と攻勢?  イランは昨年8月のアフマディネジャド政権発足をきっかけに強硬姿勢を前面に打ち出し、半年足らずでウラン転換から濃縮へと核関連活動をエスカレートさせた。  注目されるのは最高指導者ハメネイ師に次ぐナンバー2で欧米協調派のラフサンジャニ最高評議会議長の態度変化だ。当初は保守強硬派の大統領を批判することもあったが、今は「国家統合」を訴え、大統領と一枚岩の印象を与えている。  議長は欧米の対イラン非難を「他国を(最新核技術から遠ざけ)後進のままとどめようとする西欧帝国主義者の本性に根ざしたものだ」と批判した。モッタキ外相は12日、「欧州が協力を絶てば当然の権利への一歩を踏み出す」と述べ、安保理に付託されれば、査察強化のためのIAEA追加議定書の適用中止などの対抗措置を取る構えを示した。  「(改革派のハタミ前政権時代の)柔軟姿勢では核協議は進展せず、人権やテロ支援で非難を浴びてきた。指導部は『攻撃は最大の防御』と攻勢に転じたのだろう」。前大統領支持のテヘラン大学講師のジャライプール氏(48)は政権中枢の変化をそう読む。  安保理に付託されたとしても、イランの石油・天然ガスに関心を抱く中露がいる限り、経済制裁への足並みはそろわないとの楽観論もイランの強気を下支えしている。西側外交筋は「安保理付託は織り込み済みではないか」と分析している。【テヘラン春日孝之】  ◇中露とも制裁には慎重  イランのブシェール原発建設などで技術支援を続けてきたロシアの外務省は12日、「安保理付託の可能性を排除しない」と表明した。今年7月、サンクトペテルブルクで開かれる主要8カ国首脳会議(サミット)でイラン核問題が重要議題になるのは必至。議長国のロシアには米欧日の路線からかけ離れた動きを取りにくい事情がある。  中国もロンドンで開かれる6カ国協議への参加を決め、国際協調を優先する姿勢を示している。李肇星外相はイランの核関連活動再開前日の9日、同国のサファリ外務次官を北京に招いた。再開回避を働きかけたのは間違いない。安保理付託自体は事実上、容認する可能性が高い。  ただ、両国とも制裁には慎重だ。ロシア下院のコサチョフ外交委員長は「制裁を含む実力行使」には反対を表明、制裁がイランの核問題を「北朝鮮と同様に長期化させる」と警告した。中国も輸入原油の15%(04年)をイランに依存する。中国外務省の孔泉報道局長は12日、「関係各方面の抑制的な態度が問題解決につながる」と対立をエスカレートさせないように求めた。【モスクワ町田幸彦、北京・飯田和郎】  ▽イラン核開発 イランは中部ナタンツに試験用、商業用のウラン濃縮施設を保有する。前者にはウラン濃縮に使う遠心分離機が1000台収容可能で164台が設置済み。後者は5万台設置できるが、03年以降、建設が中断されている。99~02年にテヘランの「カライ電気」で、03年にナタンツで遠心分離機に六フッ化ウランを注入し、ウラン濃縮実験を行ったことがある。試験用施設で核爆弾1発分の高濃縮ウランを製造するには「最低1~2年、場合によっては数年必要」(核専門家)とされる。 毎日新聞 2006年1月13日 23時59分 (最終更新時間 1月14日 0時01分) URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060114k0000m030160000c.html *安保理付託、確実に 米も支持、イラン核問題 [共同]  【ワシントン12日共同】ライス米国務長官は12日、記者会見し、イラン核問題を国連安全保障理事会に付託するべきだとした英国、フランス、ドイツの欧州3カ国外相協議の結果を「全面的に支持する」と述べ、経済制裁などが発動可能な安保理への早期付託を図る方針を明らかにした。長官は、イランとつながりの深いロシア、中国も付託に反対していないとの認識を表明、イラン核問題は早ければ今月中にも、安保理に付託されることが確実になった。  長官によると、安保理付託を決める国際原子力機関(IAEA)緊急理事会の開催日程などを調整する欧州3カ国と米国、ロシア、中国による6カ国協議は、局長級で16日にロンドンで開かれる。米政府からはバーンズ国務次官(政治担当)が出席、国際社会の結束を確認し、安保理で取り得る措置についても意見を交わすとみられる。 URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=intl&NWID=2006011301000351 *「核の研究、当然の権利」イラン元大統領が強硬姿勢 [朝日] 2006年01月11日23時42分  イランのラフサンジャニ最高評議会議長(元大統領)は11日、「核についての科学的な研究活動をするのはすべての国の権利だ」と演説した。同国政府は10日、核研究施設の活動を停止していた国際原子力機関(IAEA)の封印を解除し、それがウラン濃縮活動につながることへの懸念が強まっている。議長の発言は、批判を強める欧米などの国際的な圧力に屈しないとの姿勢を示したものだ。  イラン原子力庁は10日、核関連の研究再開は「核燃料の製造ではない」「研究活動と核燃料製造は区別されるべきだ。燃料製造はなお停止したままだ」と発表した。しかし、ロイター通信などによると、IAEAは研究活動について「小規模ながらウラン濃縮を含む可能性」もあるとして、将来の核兵器開発につながる懸念を指摘しているという。  IAEAは同日、イラン中部ナタンズのウラン濃縮施設など3カ所の核施設で、イラン側が封印解除を始めたことを確認した。IAEAによると、研究活動は「ウラン濃縮に必要な小規模な遠心分離器を設置し、六フッ化ウランを注入する」過程が含まれる、とイラン側は説明しているという。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0111/014.html *核研究再開、英独仏がイランを非難 安保理付託を協議へ [朝日] 2006年01月11日19時03分  イランが核施設の封印を解除して研究を再開したことについて、英国のストロー外相は10日、独仏両国の外相らと国連安全保障理事会に付託するかどうかを12日に協議することを明らかにした。西側外交筋は「核兵器開発につながるウラン濃縮を行うのは確実」と指摘しており、イランに対する経済制裁を視野に入れた安保理付託への動きが一気に加速しそうだ。  ストロー外相は「国際社会に深刻な事態をもたらした」とイランを非難。12日の協議では安保理付託が「最優先課題」になるとの見方を示す一方で、軍事行動を取る予定はないと強調した。  英国などは、ウラン濃縮に踏み切れば国際原子力機関(IAEA)に安保理付託のための緊急理事会招集を求める、と繰り返しイランに警告してきた。「緊急理事会は早ければ来週開かれる可能性がある」という声が出ている。  一方、英独仏は先月21日、昨年8月から暗礁に乗り上げていた交渉の本格的な再開に向け、イランと話し合った。今月18日には2回目の協議が予定されているが、複数の西側外交筋は「開催は極めて難しくなった」としている。  今回の動きについて、イランはIAEAに、「小規模の研究・開発が目的」と説明している。だが、遠心分離器を配列し、濃縮ウランの原料の六フッ化ウランを注入するとの計画で、IAEA筋も「ウラン濃縮以外に考えられない」と指摘している。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0111/010.html *IAEA、深刻な懸念表明 イラン核施設封印解除 [朝日] 2006年01月11日01時22分  国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長は10日、イランが「研究開発」という名目で、中部ナタンズなどの核施設の封印解除について理事国(35カ国)に報告するとともに、ウラン濃縮関連活動の再開決定に深刻な懸念を表明した。  複数の西側外交筋は「イランは越えてはいけない一線を越えた」と指摘、「核問題を国連安全保障理事会に付託するための緊急理事会を開く可能性が高くなった」と述べた。米ホワイトハウスのマクレラン報道官は10日、「イランが現状のまま国際的義務を果たさなければ、安保理付託以外の選択肢はない」と語った。  ロイター通信によると、欧州連合(EU)が「(濃縮中止の)合意に反し、明らかに濃縮に関連した活動だ。誤った方向への大きな一歩だ」と非難した。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0111/001.html *イラン、核研究活動再開を表明 核施設3カ所の封印解除 [朝日] 2006年01月11日01時02分  ウラン濃縮をめぐって欧米諸国と対立している問題で、イラン政府は10日、「核研究施設の封印を解除し、研究活動を再開した」との声明を発表した。国際原子力機関(IAEA)は、イラン中部ナタンズなど3カ所の核施設での封印解除を確認した。昨年8月のウラン転換活動再開に続くイランの挑発的行動によって、国連安全保障理事会付託への国際的な圧力が高まりそうだ。  イラン原子力庁のサイディ次官が同日、「封印解除はIAEAの査察官の立ち会いの下で実施された」と語った。イラン側は医療、農業、産業研究が目的で、封印の解除はウラン濃縮と無関係と強調している。今後、研究活動はIAEAの監視下で行われるという。  これに対してIAEAは同日、イラン側の説明として、「ウラン濃縮に必要な小規模な遠心分離器を設置し、六フッ化ウランを注入する予定」とした。  イランの核開発問題は、ハタミ前大統領時代の04年11月、イランは英独仏など欧州側との交渉で、ウラン濃縮関連活動の全面停止に合意し、IAEAが施設を封印するなど、いったん沈静化の兆しが見られた。  だが保守強硬派のアフマディネジャド大統領が昨年8月に就任した直後、イランは中部イスファハンでのウラン転換活動を再開させた。  仲介に入った形のロシアが、同国内でのウラン濃縮実施を提案。欧州側もこれを支持し、核兵器開発につながる濃縮作業本体は認めないものの、限定的な活動に制限させる方針で、中断していたイランとの交渉が昨年12月に再開されたばかりだった。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0110/009.html *イランが核研究活動再開へ IAEAに通告 [朝日] 2006年01月08日19時41分  イラン外務省のアセフィ報道官は8日記者会見し、同国中部ナタンズにある核施設などで、研究目的の核関連活動が9日にも再開されると述べた。英独仏との合意で全面停止した核関連活動のうち昨年8月のウラン転換作業再開に続くもので、イランの核封じ込めを狙う英独仏に揺さぶりをかける狙いがあるとみられる。  イラン国内での報道によると、再開される活動は、医療、産業、農業などの用途での核利用研究分野で、イラン側は国際原子力機関(IAEA)に対し、再開を通告。IAEAの査察官がすでに到着しており、9日中にも研究目的の施設の封印を解除するという。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0108/005.html *重体のシャロン首相の「死を望む」 イラン大統領が発言 [朝日] 2006年01月06日20時08分  イランのアフマディネジャド大統領は5日、イスラエルのシャロン首相が危篤状態との報を受け、同首相の死を望むと語った。イラン学生通信が伝えた。首相の過去のパレスチナ人殺害への関与を指摘した発言だが、国際社会の批判が強まりそうだ。  大統領は、82年のイスラエルによるレバノン侵攻時に発生した難民キャンプでのパレスチナ人大量殺害に関連し、「願うならば、犯罪者が祖先の列に加わりますように」と述べた。  イスラム教徒の土地を奪ったとしてイスラエルの建国と存在を認めないのが、79年のイスラム革命以降のイランの国是。革命原理への回帰を掲げる大統領は、国際社会からの反発を承知のうえで反イスラエル発言を続け、国内の支持強化を狙っているとみられる。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0106/011.html *[[●イラン05]] から続く

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