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#contents *[[●パレスチナ・イスラエル]] へ続く *0330 ハマス単独政権が発足、一方的国境画定には強く反発 [読売]  【ガザ市(パレスチナ自治区)=長谷川由紀】パレスチナ自治区でイスラム原理主義組織ハマスが単独で作る新内閣が29日、発足した。  対イスラエル強硬派内閣の出現により、中東和平プロセスは対話の糸口さえつかめずに、空中分解する可能性がでてきた。  就任宣誓式は同日夕、自治政府のアッバス議長がガザ市で立ち会い、ヨルダン川西岸ラマッラでも数人の閣僚が参加して同時に行われた。  イスマイル・ハニヤ新首相は「郷土と聖地に忠誠を誓う」と宣誓した。  これに先立ちハマス報道担当者は29日、イスラエル総選挙で勝利したカディマが掲げる一方的な国境画定方針に対し、「宣戦布告だ」と激しく反応。新外相のマフムード・ザハル氏も「勝手に国境を決めることは許されない」と批判した。  しかし、ハマスとしても対イスラエル政策は最重要課題だ。米欧のパレスチナ支援停止の脅しはじわりと効く。  問題は、対イスラエル交渉の主体となってきたパレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハとハマスの関係が悪化しているため、PLOを通じた“間接交渉”という作戦もたてられないことだ。  イスラム大のアドナン・アブアーメル講師は「アラブ諸国や欧州諸国などを説得し、イスラエルに国際的圧力をかける方法しかない」と指摘する。それにも失敗した場合、中東は危機に陥る懸念がある。アーテフ・オドワン難民問題担当相は「政治的努力を尽くすが、それでだめなら、武装闘争の原点に戻るしかない」と警告している。 (2006年3月30日1時44分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060329id22.htm *0330 米、ハマスとの接触禁止 外交官ら対象 [朝日] 2006年03月30日01時46分  エルサレム発のロイター通信によると、米国は自国の外交官や請負業者に対し、パレスチナ自治政府のイスラム過激派ハマスの新政権が正式に発足した29日から、自治政府各省庁との一切の接触を禁止する通達を出した。米国では国務省がテロ組織に指定する団体への支援を禁止する法があり、それに基づく措置。ハマスに圧力をかける一環と見られる。自治政府を指揮する最高権限を持つアッバス議長(ファタハ)らとの接触は認めている。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0330/002.html *0329 イスラエル総選挙、中道カディマが勝利 西岸撤退に信任 [朝日] 2006年03月29日13時45分  28日投票されたイスラエル総選挙は即日開票され、中央選挙管理委員会の29日未明までの暫定集計によると、国会定数120のうち、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸からの撤退と2010年までの「国境」画定を唱える中道新党カディマが28議席を獲得して第1党となった。左派の労働党が20議席で続いている。カディマは勝利宣言をし、連立政権づくりを主導する意向を表明した。  カディマを率いるオルメルト首相代行は29日未明の勝利演説で、「パレスチナ人に譲歩する用意があれば、交渉するが、そうでなければ我々は自分たちの運命を独自に決める」と述べ、西岸から一方的に撤退して「国境」を引く方針を強調した。  パレスチナ自治区ではイスラム過激派ハマスの新自治政府が正式に発足しようとしており、イスラエルの存在を認めるなどの譲歩を示す可能性は低い。イスラエルとの交渉が再開する見通しは立たず、中東和平は不透明な状況が続きそうだ。  オルメルト氏は選挙前、この選挙がシャロン首相のガザ撤退に続くパレスチナとの分離政策の「信任投票だ」と述べていた。同様に占領地からの撤退を支持する労働党が第2党になり、「西岸撤退」は事実上の信任を得たといえる。  ただ、カディマが狙う「一方的撤退」には他党に反対が多く、パレスチナ側と交渉する可能性を探る必要が出てくると見られる。  投票率は過去最低の63.2%で、事前の世論調査で常に第1党だったカディマが予想より数議席減らす原因になったと見られる。  第3党は、ユダヤ教超正統派のシャスが獲得する見通しだ。これまで労働党と政権を争ってきた右派のリクードは11議席と低迷。旧ソ連からの移民を支持基盤とする右派の「イスラエル我が家」は12議席で急浮上している。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0329/005.html *0329 パレスチナ自治評議会がハマス新内閣を信任 [朝日] 2006年03月29日01時01分  パレスチナ自治評議会(国会に相当)は28日、イスラム過激派ハマスのハニヤ次期首相が前日に提出した組閣名簿と施政方針案について、賛成多数で信任した。ハマスの実質的な単独内閣となる新政権は、自治政府を指揮するアッバス議長(大統領に相当)が外遊から戻る予定の29日、議長に対する宣誓式を行って正式に発足する。  閣僚は24人で、外相にガザのハマス最高幹部で強硬派のアッザハール氏、内相にハマス幹部のシアム氏、財務相に米国の大学で学位を取った経済学者でハマスに属するアブドルラゼク氏をあてている。  自治評議会の定数132のうち、賛成は71人、反対は自治政府の旧主流派ファタハを中心に36人、棄権が2人だった。残る23人はイスラエルの刑務所に服役中か外遊中の議員。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0329/001.html *0328 対自治政府財政支援の継続確認へ…アラブ連盟首脳会議 [読売]  【カイロ=柳沢亨之】アラブ連盟(22か国・機構加盟)の首脳会議が28日、スーダンの首都ハルツームで開幕した。  同日中にも採択される共同宣言では、中東和平問題をめぐり、パレスチナ自治政府に対する現状レベルでの財政支援継続を確認する見通し。  ハマス政権発足後の援助停止を示唆する米欧と一線を画すことで自治政府の孤立化を避けると同時に、ハマスの求める大幅増額を拒み、和平路線への転換を促すのが狙いだ。  首脳会議直前に開かれた外相会議は、自治政府への援助額を従来通りの月額5500万ドルとすることで合意した。加盟各国の実際の支援額はこの半額前後とされ、5500万ドルが満額支出されれば実質的には増額となる。  一方、ハマスが要求していた1億7000万ドルには遠く及ばない。  アラブの歯切れが悪いのはイスラエルとハマス双方に強い不信感があるからだ。「イスラエルの全占領地撤退が和平の前提」と主張するアラブは今首脳会議で、イスラエルの一方的な国境画定への反対を表明する見通し。  その一方で和平を拒むハマスにも警戒感は強く、大半の政権にとって、ハマスなど原理主義勢力の台頭は脅威となっている。 (2006年3月28日22時48分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060328id21.htm *0328 ハマス:対話路線は孤立回避図る狙い 米などは懐疑的 [毎日]  【エルサレム樋口直樹】パレスチナ自治政府の首相に指名されたイスラム原理主義組織ハマスの最高幹部ハニヤ氏が27日、米国、ロシア、欧州連合(EU)、国連の「中東和平4者協議」メンバーに対話を呼びかけた背景には国際的孤立を回避する狙いがある。最高幹部自らが「対話による和平」を呼びかけるのは極めて異例だが、米国やイスラエルはハマスの「対話路線」に懐疑的だ。  「我々は地上の他のどの国民よりも平和を必要としている」--。ハニヤ氏は27日、パレスチナ評議会の施政方針演説で占領下に置かれた人々の思いをこう代弁した。演説では「平和」が5回使われたが、ハマスの好む「抵抗」は1回しか聞かれなかった。  ハニヤ氏は国際社会との対話によって「(パレスチナ)民衆に威厳のある人生を送らせるため、民衆と政府への援助の提供を求めたい」と述べた。海外から年間10億ドル以上の援助を必要とするパレスチナにとり、欧米からの支援見直しは死活問題となるからだ。  一方、ハニヤ氏が和平の当事者であるイスラエルの国名を口にすることはなかった。ハマス創設時の綱領で「イスラエルのせん滅」を唱え、一切の交渉を拒否してきた原理主義組織の限界といえる。  「ハマスが対話しようとしている者が誰であれ、それは米国ではない」。ロイター通信によると、在イスラエル米大使館の報道官はハニヤ氏の呼びかけを拒否した。イスラエル外務省報道官もハニヤ氏の発言を真剣な対話の申し入れとは受け止めていない。  ロシアがハマス代表団の訪問を受け入れるなど、4者協議メンバーの中では足並みの乱れがある。だが、ハマスを「テロ組織」に指定している米国やEUはハマスが(1)イスラエルの承認(2)武装解除(3)既存合意の受け入れ--の3条件を満たさない限り、直接交渉に応じられないとの立場を崩していない。 毎日新聞 2006年3月28日 10時33分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060328k0000e030032000c.html *0328 アラブ諸国:パレスチナ財政支援で一致も、困惑隠せず [毎日]  【カイロ高橋宗男】パレスチナ自治政府の首相に指名されたイスラム原理主義組織ハマスの最高幹部ハニヤ氏が27日、パレスチナ評議会に閣僚名簿を提出、ハマス主導の単独内閣が承認される見通しとなったことを受け、アラブ諸国による「ハマス支援態勢」構築に向けた動きが本格化している。28日にスーダンのハルツームで開幕するアラブ連盟(22カ国・機構)の首脳会議では自治政府への財政支援の継続をうたった決議が採択される見通しだ。  アラブ諸国のハマス支援の動きにより、対ハマス圧力を強めるイスラエルや欧米と、アラブ諸国との温度差が一層、鮮明化することになる。だが、アラブ諸国の中には、実際にはハマスの台頭に困惑を隠せない国も少なくないと専門家は指摘している。  エジプトのムバラク大統領は25日、国営スーダン通信とのインタビューで「パレスチナ人の意思を尊重すべきだ。民主的選択は国際支援の停止で罰せられるべきではない」と述べ、対ハマス強硬派のイスラエルや欧米と一線を画した。ハマスの対応を時間をかけて見極めていくべきだとする立場で、アラブ諸国の総意を代弁した「公式見解」ととれる。  しかし、エジプトのアハラム政治戦略研究所のディアー・ラシュワン研究員は「選挙で政権を奪取したハマスに対して(アラブ諸国が)否定的な見解は表明しづらい。だが、公式見解の裏で各国がそれぞれの事情を抱えている」と説明する。  同研究員によると、エジプト政府はハマスについて(1)初めて選挙で勝利したイスラム運動体(2)アラブ諸国で選挙で政権を奪取した初めての例--の2点を重視、国内のイスラム原理主義組織ムスリム同胞団の勢力拡大への影響を懸念している。  ヨルダンは国民の過半数をパレスチナ人が占めており、ハマスの台頭がイスラム勢力を活発化しかねない。また、水面下でイスラエルとの関係改善に向けた動きを模索しているとされるペルシャ湾岸諸国も困惑を隠せないのが実情だという。 毎日新聞 2006年3月28日 10時24分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060328k0000e030029000c.html *0327 ハマス、中東和平へ対話呼びかけ [朝日] 2006年03月27日23時34分  パレスチナ自治政府のハニヤ次期首相は27日の自治評議会(国会に相当)で、イスラム過激派ハマスの実質的な単独内閣となる閣僚名簿と施政方針案を示し、信任を求めた。ハニヤ氏は施政方針案を説明する中で、イスラエルとパレスチナの2国家共存を目指すロードマップ(行程表)をつくった米国、欧州連合(EU)、ロシア、国連の4者協議(カルテット)との対話を呼びかけた。ハマスとしては穏健な姿勢を示す初の試みで、4者側の対応が注目される。  ハニヤ氏は対話の目的として「(イスラエルとの)紛争を終わらせ、地域の安定を実現する」ことを挙げた。4者側はハマスにイスラエルの存在の承認と暴力の停止、過去の和平合意の尊重を要求している。ハニヤ氏はこれらの要求について触れなかったが、対話が実現する際に回答を迫られることを覚悟していると見られる。4者側は、ハマスが要求を拒否した場合の援助の凍結を警告している。  閣僚名簿は24人で、うち20人がハマスのメンバーや支持者、残る4人が独立の専門家。ハマスは自治政府の旧主流派ファタハなどに連立政権への参加を呼びかけたが、各派から拒否された。29日にも投票により信任される見通しだ。  一方、28日に投票があるイスラエルの総選挙に向けて、同国内の有力紙は27日付で世論調査を掲載し、いずれも中道新党カディマ(前進)が第1党の座を維持していると分析した。ただ、創設者のシャロン首相が1月に意識不明の重体に陥った直後に比べると、支持にかげりが見られる。  有力各紙の調査結果にはばらつきがあるが、総じてカディマが34~36議席でトップ。左派の労働党が17~21、右派のリクードが13~14で追っている。定数120議席の単独過半数を取る政党はないのが確実で、選挙直後に連立工作が始まる見通しだ。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0327/011.html *0327 ハマス抜きで開幕へ アラブ首脳会議 [朝日] 2006年03月27日19時54分  アラブ圏22カ国・地域が参加してスーダンの首都ハルツームで28日に始まるアラブ首脳会議に、パレスチナの代表として、間もなく正式に発足する政権を担う過激派ハマスではなく、パレスチナ自治政府のアッバス議長が率いる旧主流派ファタハが参加する。ファタハはこの会議で、従来通りのパレスチナへの支援を訴えるとともに、今後の自陣営の基盤固めを狙っているが、排除された形のハマスは反発している。  パレスチナ自治政府から首脳会議に参加するのは、アッバス議長のほか、間もなく政権から去ることになるキドワ外相ら。いずれもファタハ系の旧政権幹部だ。  ハマスのラシュク政治局員によると、代表団を決める権限があるアッバス議長に対し、ハマスが自派のメンバーを加えるよう求めたが、「まだ新政権が承認されていないから制度上無理だ」と断られたという。アッバス議長は「ハマスによる組閣が首脳会議に間に合わなかった」と説明。ハマス最高幹部のメシャール氏は「我々は排除された」と語った。  アッバス議長はハマス新政権発足に備え、資金の掌握や議長直属機関の新設など自分の権力基盤の強化を急いでいるとされる。今回ハマス抜きで首脳会議に参加することで、今後の自治政府の外交の枠組みも固めようとしているとみられる。  関係筋によると、首脳会議に先立って25、26日にハルツームで開かれた外相会議で、キドワ外相が「今後も自治政府の外交は議長が責任を持つ」と発言。ハマスの主導権に枠をはめようとする姿勢を鮮明にした。  ロイター通信などによると、この外相会議は、同首脳会議が過去採択した「イスラエルが占領地から撤退すれば国家として承認する」との和平案への支持を再確認。イスラエルの承認を前提に「土地と平和の交換」を求める立場を強調し、イスラエルの存在を認めないハマスの立場とは一線を画した。  アラブ諸国にはハマスの孤立化を避けたい気持ちが強いものの、欧米との協力関係を維持する必要もあり、中東和平への従来の方針を変えるわけにはいかない事情があるとみられる。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0327/005.html *0323 パレスチナ:ハマス、組閣承認強行へ [毎日]  【エルサレム樋口直樹】パレスチナのイスラム原理主義組織ハマスは22日、自治政府の首相に指名された最高幹部ハニヤ氏が27日にも評議会(国会に相当)へ組閣名簿を提出すると発表した。ロイター通信が伝えた。これに先立ちパレスチナ解放機構(PLO)の執行委員会は22日、ハマスの政治方針を拒否。ハマスはPLOに組閣を拒否する権限はないとして、自派が単独過半数を握る評議会で承認を強行する構えだ。  ハマス当局者は組閣の承認が28日のイスラエル総選挙以降になる見通しだと語った。  パレスチナ人を代表する機関として国際的に認められているPLOにハマスは加盟していない。PLOは88年にイスラエルの生存権を事実上承認したが、ハマスはこれを認めていない。自治政府がPLOとイスラエルの合意に基づき設立されたことから、PLOはハマスに自らの正統性を認めるよう迫ってきた。  これに対してハマスは、PLOの正統性を認めることがイスラエルの承認につながるとして、新政府の政治方針にPLO側の要求を盛り込まなかった。22日の執行委はこれを不服としてハマスの政治方針を拒否した。 毎日新聞 2006年3月23日 9時39分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060323k0000e030011000c.html *0320 パレスチナ ハマス、実質単独政権へ 中東和平滞る恐れ [朝日] 2006年03月20日01時26分  パレスチナ自治評議会(国会に相当)の1月の選挙で大勝したイスラム過激派ハマスは19日、パレスチナ自治政府の閣僚名簿をアッバス自治政府議長に渡し、承認を求める。これまで多数を占めていた旧主流派のファタハは連立政権への参加を拒んでおり、ハマスが主要閣僚を占める実質的な単独内閣になる見通しだ。ハマスはイスラエルへの武装攻撃を放棄しておらず、停滞中の中東和平はさらに足踏みが続く可能性がある。  ロイター通信によると、24人の閣僚のうち外務や内務、財務などの主要ポストを含む約半数をハマス幹部が握り、残りは各分野の専門家をあてる見通しだ。アッバス議長は19日の記者会見で閣僚名簿を拒否しない意向を示しており、20日以降に開かれる自治評議会で、過半数を握るハマスの賛成で新内閣が正式に承認される見通しだ。米国や欧州連合(EU)はパレスチナ自治政府への援助を削減することを警告しており、厳しい政権運営が続くと見られる。  次期首相候補のハニヤ氏らハマス指導部は、すでにアッバス議長と施政方針を協議している。19日までに明らかになった施政方針案は、イスラエルの占領に対する抵抗手段として暴力を容認し、オスロ合意など過去のイスラエルとの合意を認めるかどうかには「パレスチナ人の利益、権利、原則を守れば」という条件をつけている。  そのため、ハマスが連立参加を求めていたファタハは参加を拒否。イスラエルが施政方針を拒むのはほぼ確実で、ハマスをテロ組織に指定している欧米も受け入れは困難と見られる。  イスラエルは今月から、パレスチナ自治政府に代わって徴収している毎月約5000万ドルの関税・消費税の送金を停止した。パレスチナ人の4人に1人を支えるといわれる自治政府職員約15万人の給与の大半がなくなることになる。EUや世界銀行による緊急援助で埋め合わせをしているが、4月以降のめどはたっていない。  世銀の試算によると、イスラエルによる制限が続き、欧米の援助も一部削減されると、パレスチナ人の所得は1人あたり3割減るという。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0320/001.html *0315 イスラエル軍、テロ容疑者を拘束 拘置所攻撃収束へ [朝日] 2006年03月15日12時51分  パレスチナ自治区のヨルダン川西岸エリコで14日、テロ容疑者の身柄引き渡しを求めて拘置所に突入したイスラエル軍は同夜(日本時間15日未明)、パレスチナ解放人民戦線(PFLP)のサダト議長ら計6人を拘束した。一方、この事件をきっかけに西岸やガザではイスラム過激派が計9人の外国人を拉致。うち6人は間もなく解放されたが、韓国やフランスのジャーナリスト3人が行方不明のままだ。  イスラエル軍は拘置所に立てこもったサダト議長らに対し、銃撃に加えて戦車や武装ヘリコプターを使った攻撃と、ブルドーザーによる建物の破壊で追いつめ、約10時間後に投降させた。殺害が避けられたことで事態は収束に向かう可能性が大きい。ただ、PFLPが報復を宣言しているため、イスラエル側は警戒を強めている。  イスラエルはサダト議長について、01年の同国の観光相暗殺事件を指揮したと見ているが、パレスチナ側ではイスラム過激派ハマスが1月末の選挙に勝ってから釈放の機運が高まっていた。PFLPはハマスとの連立政権づくりに同意しており、今回のイスラエルの攻撃はハマスに打撃を与えることを狙ったと見られている。  一方、拘置所攻撃は、自治政府とイスラエルの合意のもとでサダト議長らを監視していた米英両国の要員が撤退した直後に起きたため、ガザなどで「米英も関係している」との非難がわき起こった。米英両政府は「以前から監視要員の安全対策に不備があるため、撤退を検討していた」と説明し、イスラエルの攻撃に備えた撤退ではないと強調した。  それでも過激派は西岸とガザで、仏、米、スイス、豪州、韓国の援助スタッフや教師、ジャーナリストを拉致した。解放された人々に危害はなかった模様だ。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0315/009.html *0315 イスラエル軍が拘置所に突入、テロ容疑者の身柄要求 [朝日] 2006年03月15日00時49分  イスラエル軍は14日、パレスチナ自治区のヨルダン川西岸エリコの拘置所に突入し、テロ容疑者と見ているパレスチナ解放人民戦線(PFLP)のサダト議長らの身柄引き渡しを要求した。パレスチナ自治政府の治安要員や収容者との間で銃撃戦となり、パレスチナ側の2人が死亡、数十人が負傷した。  軍は戦車や武装ヘリコプターで攻撃を続け、ブルドーザーで拘置所の破壊を進めた。サダト氏ら十数人は立てこもって抵抗を続けている。  この事件を受けて自治区ガザや西岸の他都市では、拘置所攻撃に反発するイスラム過激派が米欧系の建物を襲撃し、外国人を拉致した。イスラエル側の軍事行動はパレスチナ自治政府の新政権づくりを進める過激派ハマスを意識したものと見られ、1月末の選挙後のパレスチナ情勢が再び緊迫している。  イスラエルはサダト氏が01年に同国の観光相暗殺事件を指揮したと見ている。パレスチナ側が同氏を釈放する動きを見せたため、身柄の確保に乗り出したとしている。  イスラエル軍が拘置所に突入した後、収容者のうちサダト氏らを除く約180人が投降した。  14日朝、イスラエルとパレスチナ側の合意のもとでサダト氏の拘束を監視してきた米英両国の監視要員が撤退していた。米英側は要員の安全対策の不備を撤退の理由に挙げて自治政府を批判したが、パレスチナ側からは軍の攻撃に備えた動きと見られて反発を受けるきっかけとなった。  この混乱を受けてガザでは、PFLPのほか自治政府の旧主流派ファタハの軍事部門「アルアクサー殉教者軍団」などの過激派が米英人の退去を要求。ガザや西岸でフランス、スイス、米国などの援助スタッフや教師ら数人が拉致された模様だ。米英系の文化交流施設なども襲撃され、一部が放火された。  サダト氏は1月末のパレスチナ自治評議会選挙で当選。同氏は02年、イスラエル軍の攻撃で自治政府本部に軟禁されていた故アラファト議長を解放することを交換条件として、自治政府に拘束された。交換を仲介した米英両国の監視下でエリコの拘置所にいたが、パレスチナ側の裁判所は同氏に暗殺事件への関与はなかったと認定し、釈放を命じていた。  自治政府のアッバス議長は最近、サダト氏の釈放に「反対しない」と述べていた。ただイスラエルが反対しているため「身の安全は保証できない」と懸念を示していた。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0314/017.html *0308 パレスチナ首相候補も暗殺対象、イスラエル国防相明言 [読売]  【エルサレム=三井美奈】イスラエルのモファズ国防相は7日、イスラム原理主義組織ハマスがテロ組織としてイスラエル政府と対決し続けるならば、パレスチナ自治政府の首相に指名されたハマス幹部のイスマイル・ハニヤ氏も暗殺対象の「例外ではない」と述べた。国軍ラジオに対し語った。  国軍は、ガザ地区を中心に「イスラム聖戦」などの武装組織幹部を狙った空爆作戦を続けている。2004年には、ハマス創始者のヤシン師や後継者のランティシ氏を相次いで殺害した。  モファズ国防相の発言は、今月末の総選挙を控え、右派勢力がハマスへの強硬姿勢を訴えて人気をのばしていることを意識したものとみられる。国防相は、オルメルト首相代理が率いる政党カディマから立候補している。 (2006年3月8日12時9分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060308id01.htm *0307 ハマスが旧議会の決議を廃止 ファタハと連立困難か [朝日] 2006年03月07日10時12分  イスラム過激派ハマスが過半数を握るパレスチナ自治評議会(国会に相当)は6日、前議会が最後に駆け込み採決したアッバス自治政府議長の権限強化策などの決議を廃止した。旧主流派ファタハが新議会に制約をかけることを狙った決議だったため、ハマスは無効を主張していた。ファタハ議員たちは廃止の採決前に抗議の退席をし、ハマスが目指すファタハとの連立政権の実現が困難になるとの見通しが強まっている。  ファタハがほぼ独占していた前議会は最後の審議となった先月13日、新議会を通過する法の適否を判断する憲法裁判所の判事任命権について、議会の承認を必要とせず全面的にアッバス議長に与えるという改正法案を可決した。ハマスがイスラム色の強い法案を可決した場合でも、ファタハに属するアッバス議長の息のかかった憲法裁で最終的に拒否することを狙っていた。  ハマスは6日の審議で、この議長権限強化法に加えて、ファタハがすでに採決していた議会や自治政府の人事なども廃止した。  ハマスは先月21日、新議会の比例代表名簿1位のハニヤ氏がアッバス議長から次期首相として組閣の要請を受け、ファタハなどに連立参加を求めている。  ファタハは、アッバス議長がハマスに要請しているイスラエルとの和平合意の尊重などを連立参加の条件としている。ハマスはこれらの要請を拒否する姿勢を示しており、ファタハの議員団は連立参加の拒否を決定。上部機関のファタハ革命評議会が7日にも対応を最終決定する予定だ。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0307/003.html *0307 イスラエル軍が過激派にミサイル攻撃、少年3人巻き添え [朝日] 2006年03月07日09時25分  イスラエル軍は6日、パレスチナ自治区ガザの住宅密集地で車をミサイル攻撃し、乗っていた過激派「イスラム聖戦」の活動家2人を殺害した。近くにいた8歳から15歳までの少年3人も爆発に巻き込まれて死亡、ほかに数人がけがをした。イスラム聖戦がイスラエル領へロケット弾攻撃などをしたことへの報復と見られる。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0307/001.html *0306 選挙参加批判のザワヒリ容疑者にハマスが反論 [読売]  【エルサレム=三井美奈】1月末のパレスチナ評議会選に初めて参加して勝利したイスラム原理主義組織ハマスの最高幹部メシャル氏は5日、滞在先のモスクワで、国際テロ組織アル・カーイダのナンバー2、ザワヒリ容疑者がハマスの選挙参加を非難したことについて、「我々は常にパレスチナ人のために行動している」と反論した。  メシャル氏はさらに「戦略転換をする際は、いつも事前に十分考慮している」と話し、武装闘争に専念するよう求めるザワヒリ容疑者の“お説教”をはねつけた。  ハマスはアル・カーイダと同様、欧米から「テロ組織」と位置づけられているが、アル・カーイダが親米諸国やキリスト教圏全体を敵視し無差別テロを行ってきたのに対し、ハマスはテロ標的をイスラエルに絞り、世俗勢力や欧米諸国との連携も排除しない点で、大きく路線が異なる。  ザワヒリ容疑者は4日の声明で、「パレスチナを売り渡した者どもと一緒に一つの議会に加わることは(イスラム教の聖典)コーランの道に反する」とハマスを批判していた。 (2006年3月6日11時10分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060306i202.htm *0303 支援金35億円を米国に返還 パレスチナ自治政府 [共同]  【ワシントン2日共同】ウェルチ米国務次官補(中東担当)は2日の下院外交委員会で、イスラム原理主義組織ハマス主導のパレスチナ自治政府発足を前に、自治政府が支援金3000万ドル(約35億円)を米国に返還したことを明らかにした。  ハマスをテロ組織に指定している米政府は、ハマスに圧力をかけ路線転換を促すため、ガザ地区のインフラ整備支援などに拠出した約5000万ドルを返すよう自治政府に求めていた。自治政府は残りについても、新政権発足までに返還するという。  次官補は「ハマスが政権の中にいようと外にいようと、われわれは支援してこなかったし、(今後も)支援しない」として「米国納税者のドルは彼らの手に渡らない」と強調した。 URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=intl&NWID=2006030301000500 *0227 イスラエル承認に条件付きで言及…ハニヤ氏が単独会見 [読売]  【エルサレム=三井美奈】パレスチナ自治政府の首相に指名されたイスラム原理主義組織ハマス幹部のイスマイル・ハニヤ氏(42)は26日、読売新聞との単独会見に応じ、「イスラエルが(将来の)パレスチナ国家の主権を尊重すると宣言すれば、共存に向けて話し合う用意がある」と言明した。  ハマスが設立憲章で掲げる「イスラエル殲滅(せんめつ)」の基本方針転換の用意があることを示したものだ。  ハニヤ氏は、イスラエル承認の条件として、同国による〈1〉1967年の第3次中東戦争で占領したヨルダン川西岸からの撤退〈2〉エルサレムを首都とするパレスチナ国家樹立の容認〈3〉収監中の政治犯釈放――をあげた。  ただ、イスラエルは現時点で、併合した東部を含むエルサレム全域を「不可分の首都」と位置づけており、ハニヤ氏の提案はイスラエル側の拒絶を見越した上で、政治的揺さぶりを狙った可能性もある。  また、日本について、米欧と異なり援助停止に慎重なことに謝意を示した上で、「中東和平に向けたどんな提案にも感謝する」と、和平プロセスへの貢献に期待感を表明。さらに、「第2次大戦後の占領から経済的復興を遂げた国。見習いたい」と述べ、社会基盤整備で日本政府の協力を得たいとの考えを示した。  ◆イスラエル承認=パレスチナ解放機構(PLO)は1988年、限定的な形でのパレスチナ国家の独立を宣言するとともに、イスラエルの生存権(国家の存在権)を容認。これが93年の暫定自治宣言(オスロ合意)に結びついた。一方、PLOに属さないハマスは、生存権を認めず、「パレスチナ全土の解放」を唱えている。 (2006年2月27日23時37分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060227i113.htm *0223 イラン、ハマスに財政支援約束 「米の抑圧に対抗」 [朝日] 2006年02月23日11時38分  イランのラリジャニ最高安全保障委員会(SNSC)事務局長は22日、同国を訪れているパレスチナのイスラム過激派ハマス政治部門幹部のメシャール氏と会談し、ハマスに財政支援をすることを約束した。イラン学生通信が伝えた。イスラエルの存在を認めないイランがハマスを支える意図が濃厚となった。  ラリジャニ氏は核交渉の最高責任者で、外交など国家意思の最高決定機関SNSCの仕切り役。1月のパレスチナ自治評議会(国会に相当)選挙で勝利し、組閣の検討を進めているハマスのメシャール氏に、「米国の抑圧に抵抗できるよう、間違いなく財政的支援をするだろう」と述べた。  ハマスがイスラエルを認めないまま政権を発足させれば、米欧はパレスチナ援助をやめる姿勢を見せている。その中でメシャール氏がイランを訪れたのは支援確保の意図が明らかだ。  同氏と20日夜に会談したアフマディネジャド・イラン大統領も「財政問題は気にするな」と話している。米欧は、停滞する中東和平プロセスに対し、イランがハマスを通じて影響力を及ぼすことを懸念している。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0223/012.html *0222 ハマスのハニヤ氏に組閣を要請 自治政府アッバス議長 [朝日] 2006年02月22日19時57分  パレスチナ自治政府のアッバス議長は21日、自治評議会(国会に相当)の過半数を握るイスラム過激派ハマスが首相候補に指名したイスマイル・ハニヤ氏に対し、正式に組閣を要請した。記者会見で同氏は、自治政府の旧主流派ファタハと連立協議を始める方針を確認したうえで、「ハマス指導部で組閣について検討し、できるだけ早く回答する」と述べた。  アッバス議長は21日夜(日本時間22日未明)、ハニヤ氏と会談して組閣要請の書簡を手渡した。議長は書簡の中でハマスに組閣を認める条件として、イスラエルとの過去の和平合意を尊重し、テロ行為など暴力をやめるよう求めた。  ハニヤ氏と議長との会談には、ファタハの議員団長アフメド氏も同席した。ハニヤ氏は記者団に「ファタハを含むできるだけ多くの党派を加えた連立政権を目指す」と明言した。ハマスとファタハの連立協議は22日に正式に始まった。  規定によれば、組閣要請を受けたハニヤ氏は今後、最高5週間以内の組閣を目指す。ただ、議長が示した条件や、連立のやり方などをめぐりハマス指導部がどう判断するかは依然不透明で、新政権発足に向けてはなお曲折する可能性がある。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0222/009.html *0221 ハマスがファタハ幹部と連立協議へ [朝日] 2006年02月21日19時40分  パレスチナ自治政府のアッバス議長は20日、ガザ市でイスラム過激派ハマスの幹部らと会談し、自治評議会(国会に相当)で過半数を握るハマスが首相候補に指名したハニヤ氏に対し組閣を要請することで合意した。イスラエルメディアによると、議長は同日、旧主流派ファタハの新政権参加について「まだ参加しないと決めていない」と含みのある発言をした。新政権への要求に応じればファタハが参加する可能性を示唆した発言とみられ、ファタハ参加の動向次第で情勢は大きく変わりそうだ。  これまで消極的な立場だったファタハが一転して参加するとすれば、ハマスはイスラエルとの過去の和平合意の尊重や暴力の停止を求められる。  アッバス議長が新評議会の招集日に演説で表明したもので、イスラエルや米国、欧州連合(EU)が援助継続の条件の一つとするイスラエルの存在の承認は含まれていない。過去の合意の尊重が間接的にイスラエルの存在を認めることになると解釈できるためだ。  ハマスはイスラエルの存在については認めない方針を繰り返している。しかし、対イスラエル交渉をファタハが担うような形で組閣し、ハマスが過去の合意尊重や暴力の停止を事実上認めたと解釈できるような対応をとれば、西側援助国の中でハマスを評価するところが出てくるだろう。  その場合、イスラエルと米が孤立する可能性がある。とくにイスラエルは、新内閣の行方を待たずに「ハマスが一部加わるだけでもテロ体制になり、いっさいの接触を断つ」(オルメルト首相代行)と、本来は自治政府のものである関税などの送金を停止した。  国連幹部やカーター元米大統領が批判しているが、イスラエルは3月末の総選挙に向けて国民に「弱腰」と映る対応をとりにくく、ジレンマに直面しそうだ。  ファタハが参加しなければ、ハマスは孤立する。西側援助国は過去の和平合意を尊重しないハマス中心の新内閣ができれば、援助継続の見直しをせざるを得ない。自治政府の財政は窮乏し、日々の暮らしに困る民衆がさらに増える。  また、イスラエルに対するテロが増加する恐れがある。イスラエル側は報復攻撃を強化すると同時に、大規模入植地を除くヨルダン川西岸から一方的な撤退を行い、独自の境界線を引くだろう。それは将来のパレスチナ国家に想定されている領土をかなり侵食するものになりそうだ。  境界画定後はパレスチナ側との交流を極度に制限し、パレスチナ経済はいっそう疲弊する。  アッバス議長はこんな状況を防ぐため、ハマス中心の組閣を認めないだろう。ハマスが再検討を拒否した場合、議長は暫定憲法にあたる基本法に基づいて評議会を解散し、やり直し選挙を強行する可能性がある。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0221/013.html *0220 ハマス首相候補、穏健派のハニヤ氏を擁立 [読売]  【エルサレム=三井美奈】先月末のパレスチナ評議会(国会に相当、132議席)選で74議席を獲得したイスラム原理主義組織ハマスは19日、穏健派の政治部門幹部イスマイル・ハニヤ氏を首相候補に擁立すると発表した。  アッバス自治政府議長による首相指名を経て、組閣に入る。  アッバス議長は19日、ガザ地区でハニヤ氏らハマス幹部と会談し、組閣に向けた協議を行う予定。議長は18日の評議会で、ハマスに組閣要請する方針を表明していた。  ハニヤ氏は40歳代前半で、ガザ市の難民キャンプ在住。元大学職員で弁舌に定評がある。穏健派の代表格で、オスロ合意(1993年のパレスチナ暫定自治宣言)に基づく選挙を拒否してきたハマスが一転して評議会選参加を決めたのは、ハニヤ氏の強い勧めがあったためとされる。  ハマスは穏健派中心の人事で各派参加の連立政府を樹立し、援助継続の条件として対イスラエル強硬路線の転換を迫る欧米の圧力を回避したい構えだ。  パレスチナ基本法によると、首相は議長による指名後、最大5週間以内に組閣し、内閣は評議会で過半数の賛成を得て承認される。 (2006年2月19日20時41分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060219i512.htm *0219 イスラエル軍が活動家ら4人殺害 [朝日] 2006年02月19日21時27分  イスラエル軍は19日早朝、パレスチナ自治区ガザ南部のイスラエルとの境界付近で空からミサイル攻撃し、イスラム過激派「民衆抵抗委員会」の活動家とされる2人を殺害した。  ロイター通信によると、ヨルダン川西岸北部のナブルス近郊の難民キャンプでは同日、投石してきた10代のパレスチナ人2人をイスラエル軍が射殺した。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0219/004.html *0219 イスラエル、自治政府への送金停止 ハマス主導に制裁 [朝日] 2006年02月19日21時41分  イスラエル政府は19日の閣議で、パレスチナ自治政府に対する制裁措置の発動を決めた。自治政府が事実上、イスラム過激派ハマスの主導する「テロ体制」に変わった、との理由。イスラエルが自治政府の代わりに徴収してきた毎月約5000万ドルの関税や消費税の送金を停止する。イスラエル国防省はガザからのパレスチナ人労働者の受け入れも禁止するよう提言していたが、これは見送られ、検問の強化にとどめられた。  オルメルト首相代行は「ハマスが一部でもかかわる自治政府とはいっさいの接触を断つ」と表明した。  本来パレスチナ自治政府のものである関税は、約15万人の自治政府職員の給与にあてられてきた。ハマスはアラブ諸国などに支援を求めている。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0219/009.html *0218 パレスチナ評議会招集、ハマスに組閣要請へ [読売]  【ラマッラ(ヨルダン川西岸)=三井美奈】先月末のパレスチナ評議会(国会に相当、定数132)選挙で、イスラム原理主義組織ハマスが大勝して以降、最初の評議会が18日、ラマッラで招集された。  アッバス自治政府議長は開幕演説で「ハマスは評議会の多数派であり、組閣を求められる」と述べ、ハマスに組閣を要請する方針を表明した。  この日は、初めに新議員の就任宣誓が行われ、ハマスが多数派を占める評議会がスタートした。  議長は組閣要請に加え、「オスロ合意(1993年のパレスチナ暫定自治宣言)の正統性に疑問の余地はない」とした上、「数十年にわたる闘争の果実は、和平交渉によって摘み取ることができる」と訴え、「イスラエルせん滅」を掲げるハマスに現実路線をとるよう求めた。  ただし、ハマスは評議会開会を迎えても従来の方針変更に動いていない。ハマスのアルル・マフムード議員は、「我々は政治、武力の両面でイスラエルと戦う。オスロ合意以降の10年以上何も変わらなかった」と語り、闘争路線の維持を訴えた。  評議会はこの日、地理学者でハマス穏健派の1人、アブデルアジズ・ドゥエイク議員を評議会議長に選出した。  首相候補には、ハマス政治部門幹部イスマイル・ハニヤ氏が最有力だ。ハマス報道担当は「数日内に我々の首相候補を発表する。腐敗の一掃と弱者重視の経済政策を目指す」と話した。  パレスチナ基本法によると、議長の指名を受けた首相は、最大5週間以内に組閣する。  この日の評議会は、イスラエルがハマス議員のヨルダン川西岸―ガザ地区間の移動を禁止しているため、ガザ市にある議場と中継ビデオで結んで行われた。議員のうち、ハマス幹部ら12人がイスラエルで収監されたままだ。  イスラエル政府はハマスに対して圧力をかけるため、19日に閣議を招集し、対応策を検討する。 (2006年2月18日23時45分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060218i313.htm *0218 米政府、ハマスに支援金5千万ドル返還を要求 [読売]  【ワシントン=坂元隆】米政府は17日、イスラム原理主義組織ハマスがパレスチナ自治政府の実権を握ることになったのを理由に、同政府に提供した5000万ドルの支援金を返還するよう要求していることを公表した。  マコーマック国務省報道官によると、返還を要求した支援金はイスラエル軍撤退後のガザ地区における社会基盤整備にあてる目的で2005年に供与。同報道官は返還要求の理由について、「支援金がイスラエルの生存権を認めないような(ハマス主導の)新パレスチナ政府の金庫に入りかねない」と述べた。パレスチナ側は返還に同意しているという。  ライス米国務長官は20日から中東を歴訪する予定だが、17日のアラブ系報道機関との会見で、「ハマスやハマス主導の政府への支援を検討している国は、そのような支援が中東にとってどのような意味合いを持つのか考えてほしい」と述べ、中東の国々に対してもハマス支援を取りやめるよう要請した。 (2006年2月18日10時55分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060218id02.htm *0218 米国:ブッシュの中東政策に懐疑心 ハマス台頭で危機感 [毎日]  【ワシントン笠原敏彦】ブッシュ米政権の中東民主化政策への懐疑心が米国内で強まっている。選挙によるパレスチナでのイスラム原理主義組織ハマスの台頭などに危機感が広がっているもので、下院外交委のハイド委員長(共和党)は16日、「世界を米国のイメージで作り変える」という超大国の「おごり」に言及し、警告を発した。  ハイド委員長はライス国務長官が出席した公聴会で、「米国の巨大なパワーは机上の外交アプローチを可能にしている」とした上で、「一部の人たちには、民主化が多くの問題で容易な解決を約束しているかのようだが、慎重さが必要だ。世界を米国のイメージで作り変えられると見るべきではない」と訴えた。  米国は先月末のパレスチナ評議会選挙で予定通りの実施を強く求めた。しかし、その結果は予想外であり、ライス長官は「パレスチナ住民の動向をつかむ十分な感覚がなかった」と率直に認めている。「ハマス・ショック」が露呈したのは、ブッシュ政権の民主化路線がどれだけの中東情勢の把握の上に成り立っているのかという疑問だ。  中東政策に詳しい米議会筋は「ハマスの勝利は米国の中東民主化への強い逆風になった。選挙の実施で各国に圧力をかける前に、民主化を支える市民社会の基盤強化を目指すことが優先課題だ」と問題点を指摘する。 毎日新聞 2006年2月18日 9時40分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060218k0000e030017000c.html *0217 イスラエル、強硬策検討 ハマス主導、議会に備え [朝日] 2006年02月17日21時36分  イスラエル政府は17日、イスラム過激派ハマスが過半数を握るパレスチナ自治評議会(国会に相当)が18日に初招集されるのに備え、対抗策の検討を始めた。国防省などから送金停止や労働者の受け入れ禁止などが提言されており、実施されればパレスチナの経済に大きな打撃を与える恐れが強い。  イスラエルはハマスが同国の存在を認めるとともに、武装組織を解体し、過去の和平合意を尊重するよう求めている。オルメルト首相代行は17日の会議で、最終決定を19日まで先送りした。影響に対する国内外の批判に配慮したとみられる。  ハマス側がイスラエルの条件を受け入れる可能性は低いが、イスラエル政府は「受け入れなければ、議会の発足と同時にパレスチナ自治区全体がテロリストの支配地域になる」として、いっさいの関係を断つという強硬な姿勢を示している。  国防省は16日、パレスチナを占領するイスラエルが代理で徴収している関税や消費税などの送金停止▽イスラエルに働きにくるパレスチナ人労働者の受け入れ禁止▽ガザの空港、港湾の建設禁止――などをオルメルト首相代行に提言した。  このうち送金停止は、自治政府の年間予算の3分の1近くを占める5億ドルがなくなることになり、最も影響が大きい。この資金は約15万人の自治政府職員の給与に使われている。労働者の受け入れはすでに制限が強められているが、それでも毎月数千人の職を奪うことになる。  イスラエル政府は「国際機関や非政府組織(NGO)を通じた人道援助は妨害しない」としている。同国の報道によると、バイスグラス首相府特別顧問は「パレスチナ人を飢えさせはせず、やせさせることにとどめるダイエット策だ」と述べた。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0217/012.html *パレスチナ:ファタハとの連立に自信 ハマス最高幹部 [毎日]  パレスチナ評議会選で圧勝したイスラム原理主義組織ハマスの最高幹部マシャル氏は7日、カイロでアラブ連盟のムーサ事務局長らと会談、対イスラエル強硬姿勢を維持したまま、パレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハなどとの連立政権樹立にあらためて自信を示した。  AP通信によると、マシャル氏は記者団に対し、イスラエルに対する抵抗運動を継続するとした上で、組閣に向け「パレスチナ各派と対話し、柔軟性を示すつもりだ」と述べた。  マシャル氏はムバラク大統領の側近とも会談。ハマスの対イスラエル姿勢について「エジプト側から何の条件も付けられなかった」と強調した。(カイロ共同) 毎日新聞 2006年2月8日 22時18分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060209k0000m030122000c.html *3入植地の存続、イスラエル首相代行が表明 [朝日] 2006年02月08日23時18分  イスラエルのオルメルト首相代行は7日夜の民間テレビのインタビュー番組で、将来のパレスチナ国家の領土に想定されているヨルダン川西岸から撤退する場合、三つの大規模入植地をイスラエル領として存続させる意向を表明した。マーレアドミムとアリエル、細かな入植地群でつくるグッシュ・エツィオンで、人口は計8万人を超える。西岸全域には100カ所を超す入植地があるが、小さなものは撤退する方針と見られる。  また、エルサレムについては67年の第3次中東戦争で占領した東側を含めてイスラエル領とする意向も示した。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0208/017.html *「イスラエルを承認せず」ハマス幹部、強硬姿勢崩さず [朝日] 2006年02月08日22時03分  パレスチナ評議会選挙に圧勝し、政権協議のためエジプトを訪問中のイスラム過激派ハマス政治部門の最高幹部の一人メシャール氏は8日、カイロ市内で会見し、「イスラエルを承認しない」と述べ、イスラエルに対する強硬姿勢を崩さない方針を示した。  メシャール氏は「権力の座にあることと、占領に抵抗することは矛盾しない」と語り、イスラエルの「占領地からの撤退」を改めて求めた。政権協議については、ファタハなど各派との連立を探っているとして「アッバス議長に協力する用意がある」と述べた。  同氏は「占領地」の範囲については明言しなかった。ハマスはイスラエル全土を「占領地」と見なしているが、最近、ガザ地区とヨルダン川西岸地区から撤退すれば「長期停戦」もある、との態度も示している。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0208/016.html *ハマスへの圧力強化で一致 米イスラエル外相会談 [共同]  【ワシントン8日共同】ライス米国務長官は8日、訪米したイスラエルのリブニ外相と会談、先のパレスチナ評議会選で圧勝したイスラム原理主義組織ハマスに対し、イスラエルの生存権を認め、暴力を放棄するよう圧力を強化することで一致した。  同選挙後、初めて行われた外相会談で、両国はハマスに対する強硬姿勢を堅持、現状のままではハマス主導のパレスチナ内閣ができた場合でも、交渉相手として認めないことも再確認した。  会談後の共同記者会見で、リブニ外相はハマスという「テロ組織」がパレスチナ自治政府を率いることになれば、「自治政府はテロ政府になってしまう」と強調。テロ政府に対しては、制裁など国際社会の厳しい措置が待ち受けていると述べ、ハマスを孤立化に追い込む決意を示した。 URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=intl&NWID=2006020901000365 *イスラエル軍、ガザに3日連続のミサイル攻撃 [朝日] 2006年02月08日10時23分  イスラエル軍は7日、パレスチナ自治区ガザで空からミサイル攻撃し、車に乗っていた自治政府の旧主流派ファタハの軍事部門活動家2人を殺害した。いずれもイスラエル領へのロケット攻撃に加わっていたとしている。同軍によるガザへのミサイル攻撃は3日連続で、計9人が死亡した。  イスラエル人女性が5日にテルアビブ郊外で乗り合いタクシーの中でパレスチナ人に刺殺され、3日にはガザ北部との境界にあるイスラエルの町にロケット砲弾が撃たれて数人が負傷したことへの報復だという。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0208/008.html *ハマス幹部「日本、援助継続を保証」 日本側は否定 [朝日] 2006年02月06日22時38分  パレスチナ自治評議会(国会に相当)選挙でイスラム過激派ハマスが圧勝し、欧米各国がパレスチナへの援助凍結を検討するなかで、ハマスが「日本は援助の継続を保証した」としきりに繰り返している。日本側は「保証したことはない」と否定するが、発言は独り歩き。パレスチナの民衆の間で「日本株」が上がる一方となっている。  パレスチナでは、欧米の態度について「自由で公正な民主的選挙を実現したのに、勝者が気に入らないからといって援助を凍結するのは不当だ」との反発が広がっている。  ハマスのスポークスマンのアブズフリ氏は2日、ガザで朝日新聞記者と会見し、「日本政府から第三者を通じて、援助を続けるとの保証を受けた」と言明した。  3日にはガザで開かれた選挙勝利祝賀会で、比例名簿1位のハニヤ氏が「アジアや欧州の国の中で援助継続を伝えてきているところがある」と述べ、具体例として日本の名だけを挙げた。会場の空き地に集まった約4万人の支持者からは盛大な拍手がわき起こった。  在イスラエル日本大使館の水内龍太公使は「(ハマス勝利後の新たな事態への)対応は検討中であり、何も決まっていない」としている。欧米に次ぐ規模の援助をしている日本の名を利用して、ハマスが欧米を牽制(けんせい)するための「情報戦」を仕掛けているのではないか、との見方も出ている。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0206/014.html *イスラエル軍が選挙後初のミサイル攻撃 活動家3人殺害 [朝日] 2006年02月05日21時36分  イスラエル軍は5日未明、パレスチナ自治区ガザで車や建物に対し空からミサイル攻撃を行い、自治政府旧主流派ファタハの軍事部門「アルアクサー殉教者軍団」の活動家だとするパレスチナ人3人を殺害した。ミサイル攻撃は先月25日の自治評議会の選挙後初めて。  3日にガザ北部からイスラエル領にロケット攻撃があり、イスラエル人数人が負傷したことへの報復と見られる。過激派イスラム聖戦が犯行声明を出している。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0205/005.html *16日評議会開催で合意 議長とハマス幹部が初会談 [共同]  【ガザ市5日共同】パレスチナ自治政府のアッバス議長は4日、ガザ市の議長府で、1月の評議会(議会)選挙で第1党となったイスラム原理主義組織ハマスの最高幹部ザハル氏、有力指導者ハニヤ氏らと会談。ハニヤ氏によると、選挙後初の評議会を16日に開催することで合意した。  選挙後、議長とハマス幹部が会談するのは初めて。議長はハマスに対し組閣要請する方針を明らかにしているが、この日の会談では要請に至らなかった。  ハニヤ氏は会談後の記者会見で、評議会後に首相候補を指名すると言明、「政治的空白を生まないために組閣を急ぐ」と述べた。ザハル氏はロイター通信に対し、今月中に組閣できるとの見通しを示した。 URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=intl&NWID=2006020501000129 *イスラエル:違法入植地撤去 ハマス勝利後も変わらず [毎日] 【アモナ(ヨルダン川西岸)樋口直樹】中道系新党カディマ率いるイスラエル政府が、占領地ヨルダン川西岸で政府未承認入植地の撤去に乗り出した。パレスチナ評議会選挙で対イスラエル最強硬派のイスラム原理主義組織ハマスが大勝した後も、米欧主導の新中東和平案ロードマップに基づく和平努力に変化のないことをアピールしつつ、有利な国境策定に結びつける狙いがあるとみられる。  違法入植地の撤去は1日、西岸中部アモナで始まった。パレスチナ人居住地近くの丘の上で暮らす宗教右派のユダヤ人家族数世帯は、政府の退去命令を無視し、応援に駆けつけた若者中心の入植者ら数千人と建物などに立てこもった。警官隊と激しく衝突し、双方に200人近い負傷者を出した末に、すべての違法建築物が取り壊された。  違法入植地の撤去は昨年夏のガザ地区撤退以来初めて。政府未承認の小規模入植地は他にも20カ所以上あり、ロードマップはイスラエルにすべての撤去を求めている。  小規模入植地の撤去を前提とする西岸からの撤退には、宗教右派を中心に反対論もある。しかし、世論の大半は治安維持のためには占領地から撤退し、分離壁の建設によってパレスチナ人居住地を分離する政策が必要だと考えている。  占領地からの撤退と引き換えに有利な国境策定を目指すことが、脳卒中に倒れたシャロン首相の考え方であり、オルメルト首相代行にも引き継がれた。2日付のイスラエル紙ハーレツによると、ハマス大勝後も、カディマ支持の世論に変化はなく、同党は3月に予定される総選挙(定数120)で43議席を得て第1党に躍進する勢いをみせている。 毎日新聞 2006年2月2日 19時39分 (最終更新時間 2月2日 23時19分) URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060203k0000m030080000c.html *シャロン首相、政界引退 総選挙候補者名簿から除外 [共同]  【エルサレム1日共同】イスラエルのシャロン首相が昨年11月に結成した新党、カディマは1月31日、3月に予定されている総選挙の候補者名簿を発表、重体が続くシャロン首相は登録されず、政界からの引退が事実上決定的となった。  首相は脳出血で緊急手術を受け、差し迫った生命の危険は脱したものの、昏睡(こんすい)状態のまま。立候補に必要な文書への署名が不可能なため、カディマの党首代行を務めるオルメルト首相代行が比例名簿から除外することを決めた。  カディマはこれまで、病状の回復状況によっては、国民的人気の高いシャロン氏を党の候補者名簿の第1位に据えることを検討していた。 URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=intl&NWID=2006020101000372 *ハマスの非暴力を条件に パレスチナ援助巡り4者協議 [朝日] 2006年01月31日11時36分  パレスチナ自治評議会の選挙でイスラム過激派ハマスが大勝したのを受けて、米国、欧州連合(EU)、ロシア、国連でつくる中東和平4者協議(カルテット)が30日、ロンドンで会合を開いた。4者はハマスに対し、非暴力への路線転換などを要求。これがない場合に今後の対パレスチナ援助を削減する可能性を表明した。  アナン国連事務総長は同日の記者会見で「新しいパレスチナ自治政府が非暴力の原則を実行し、イスラエルを容認し、中東和平構想ロードマップ(行程表)を含むこれまでの合意や義務を果たさなければ、4者は今後の援助を見直すことが不可避だと結論づけた」との声明を読み上げた。  声明では、ハマスに対する「武装解除」ではなく「非暴力の実行」との表現を使用。対イスラエル武装組織から政治組織への転換を促す姿勢を示した。また、イスラエルの容認も「即時」という条件は設けず、ハマス側に検討の余地を与える配慮がうかがえる。  会見に同席したライス米国務長官は「パレスチナの人々の健康を深く憂慮する」と語り、4者の合意が民衆ではなくハマスに向けられていることを強調。EUのソラナ共通外交・安全保障上級代表は「(声明で提示した)条件を満たせば、EUはパレスチナ経済と民主的な国家建設を支援し続ける」と語った。  これに対してハマス側は「要求はパレスチナ人のためでなく、イスラエルの利益になる」として、拒否する姿勢を表明した。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0131/002.html *米国務長官、パレスチナへの援助認めない [朝日] 2006年01月30日23時41分  ライス米国務長官は29日、パレスチナの自治評議会議員選挙でイスラム過激派ハマスが大勝したことを受けて、自治政府に対する援助は認められないとの考えを明確に示した。  AP通信によると、同長官は英国に向かう機中で「米国は、イスラエルの破壊や暴力的手段を提唱し、義務を拒絶するような組織を財政支援する用意はない」と述べた。人道的支援の必要性については「あらゆる側面を見直ししなければならないが、基本線としては、政権に就いただけでこうした組織を支援はできない」と述べ、緊急性のあるものだけを継続する見通しを示した。  米国のパレスチナ支援の大半はすでに条件付きで、国際機関や非政府組織(NGO)を通じて実施されている。  同長官は「ハマスが政権を運営したいのなら、自分たちの約束が何を意味するのか、直面させることが重要だ」と述べ、ハマスが武装闘争路線を放棄し、イスラエルの存在を容認するまで米国は接触せず、圧力をかける方針を強調した。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0130/014.html *国際社会と協調も ハマス最高指導者が表明 [赤旗]  【カイロ=小泉大介】パレスチナ評議会選挙で圧勝した武装抵抗組織ハマスの最高指導者、ハリド・マシャール氏は二十八日、活動拠点にしているシリアのダマスカスで記者会見し、武装解除を拒否する一方で、国際社会と協調する姿勢も示しました。  同氏は、イスラエルや米国などが要求している武装解除に関し、「占領下にある限り、抵抗は正当な権利だ」とし、これを拒否する意思を明確にしました。さらに「各国が持つのと同様な、攻撃から人民を守る軍隊を組織したい」とし、ハマスの軍事部門を含む「パレスチナ軍」創設の意向に言及しました。  一方で同氏は「われわれはイスラエルを認めていないが、それは現実を無視するとか、イスラエルとの平穏状態(停戦)がないことを意味しない」と述べ、対イスラエル政策での現実的対応姿勢を表明。また「早急に(腐敗撲滅などの)改革を実行する。もし欧州諸国や米国が望むなら、彼らとともに働く用意がある」と述べ、国際社会との協調にも前向きな立場を明らかにしました。  焦点となっている自治政府の組閣に関し同氏は先に、選挙で大幅後退したパレスチナ解放機構(PLO)主流派組織ファタハとの連立を希望。しかしファタハ幹部から連立を否定する見解が相次ぎ出るなか、二十八日の会見では、組閣に数週間から数カ月かかるとし、容易ではないとの認識を示しました。 URL:http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-01-30/2006013007_01_0.html *エジプト仲介で会談か アッバス議長とハマス幹部 [共同]  【エルサレム31日共同】イスラエル紙エルサレム・ポスト(電子版)は30日、パレスチナ自治政府のアッバス議長が近くカイロで、エジプトの仲介によりシリア在住のイスラム原理主義組織ハマス最高幹部マシャル氏と会談する見通しだと伝えた。  議長は30日の記者会見で、ハマス指導部と2週間以内に組閣をめぐり協議すると述べた。議長は31日、ヨルダンでアブドラ国王と会談後にエジプトを訪れる予定で、この機会を利用してマシャル氏と会談する可能性がある。  25日のパレスチナ評議会選挙でハマスが圧勝した後、アッバス議長がハマス幹部と会談するのは初めて。AP通信によると、イスラエルのリブニ外相も2月1日、カイロを訪問しエジプト政府当局者との会談を予定している。 URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=intl&NWID=2006013101000365 *アッバス議長、独首相にハマスとの組閣協議入りを表明 [読売]  【エルサレム=三井美奈】パレスチナ自治政府のアッバス議長は30日、ヨルダン川西岸ラマッラで中東歴訪中のメルケル独首相と会談した。  会談後の記者会見で、アッバス議長は、イスラム原理主義組織ハマス指導部と2週間以内に組閣協議に入ることを明らかにした。  議長が率いるパレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハ内部では、指導部に対し、25日のパレスチナ評議会選で敗北した責任を問う声が高まっているが、議長は辞任の考えはないことを強調した。  一方、メルケル首相は、「暴力を支持する政府は認められない」と述べ、評議会選で勝利したハマスが武装放棄しない限り、ハマス主導の自治政府とは接触しない考えを示した。首相は、評議会選後、欧米首脳として初めてパレスチナを訪問した。 (2006年1月31日1時33分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060130id21.htm *アッバス議長:国際社会の支援継続を要請 独首相と会談 [毎日]  【ラマラ(ヨルダン川西岸)樋口直樹】アッバス・パレスチナ自治政府議長は30日、ヨルダン川西岸ラマラでメルケル独首相と会談した。会談後の記者会見で議長は自治政府としての対イスラエル和平方針は変わらない点を強調し、国際社会からの支援継続を要請した。  アッバス議長は「我々には今でもイスラエルと和平のテーブルにつく用意がある。パレスチナ独立国家の建設によるイスラエルとの2国平和共存を目指す立場に変わりはない」と表明した。また、議長は2週間以内にハマス指導部と組閣について話し合うと述べた。  25日のパレスチナ評議会選挙でハマスが大勝して以降、アッバス議長が外国首脳と会談したのは初めて。 毎日新聞 2006年1月31日 0時54分 (最終更新時間 1月31日 0時57分) URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060131k0000m030157000c.html *ハマス74議席、ファタハ45議席 パレスチナ選確定 [朝日] 2006年01月30日22時08分  パレスチナ自治区の選挙管理委員会は29日、自治評議会(国会に相当、定数132)の選挙の最終確定結果を発表し、イスラム過激派ハマスは74議席、自治政府の主流派だったファタハは45議席となった。26日の中間集計からハマスが2議席減り、ファタハがその分増えた。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0130/012.html *パレスチナ:73%がハマスの方針転換望む 世論調査 [毎日]  中東の衛星テレビ、アルジャジーラ(電子版)によると、パレスチナの世論調査機関は30日、世論調査結果を公表し、評議会選で圧勝したイスラム原理主義組織ハマスに対し、イスラエル破壊の基本方針を変えるべきだと考えている住民が73%に上ることが分かった。  調査はヨルダン川西岸とガザ地区の1200人を対象に行われたという。(エルサレム共同) 毎日新聞 2006年1月30日 23時44分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060131k0000m030141000c.html *独首相:ハマスとの対話拒否 イスラエル訪問 [毎日]  【エルサレム樋口直樹】ドイツのメルケル首相は29日、イスラエルを訪問、オルメルト首相代行と会談した。メルケル首相は先のパレスチナ評議会選挙で大勝したイスラム原理主義組織ハマスについて、「イスラエルの生存権を認めない限り対話を行わない」と言明した。首相は30日にヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ラマラでアッバス議長と会談するが、ハマス関係者とは会わない方針。  25日の評議会選挙以降、イスラエルを訪問した外国要人はメルケル首相が初めて。会談後の共同会見でオルメルト首相代行は「テロを行い、イスラエルの存在を受け入れない組織から成る政府と交渉すべきではない、との点で合意した」と語った。メルケル首相はドイツや欧州連合(EU)にとってハマス主導のパレスチナ自治政府への財政支援は「考えられない」と述べた。  また、メルケル首相はイランの核開発問題について、「イスラエルだけでなく、民主主義世界全体に対する脅威だ」と指摘、「ドイツは国際的な反対強化を促進する」と述べた。 毎日新聞 2006年1月30日 10時01分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060130k0000e030014000c.html *ハマス勝利:柔軟対応を求める声…周辺アラブ諸国 [毎日]  【エルサレム高橋宗男】アラブ連盟(22カ国・機構)のムーサ事務局長は27日、スイスのダボスで行われている世界経済フォーラム年次会合で、「パレスチナ新政府は(条件つきで対イスラエル和平を認めた)ベイルート宣言を受け入れなければならない」と述べた。AFP通信が伝えた。同宣言は02年3月にアラブ首脳会議が採択。イスラエルの占領地からの撤退や、東エルサレムを首都とするパレスチナ国家の樹立などを条件に、アラブ諸国がイスラエルと正常な関係を結ぶ和平案を盛り込んでいる。  また27日付エジプト紙アルアハラムによると、同国のムバラク大統領はアッバス自治政府議長に電話し、パレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハとハマスが和平実現に向けて協力する必要性を強調した。ヨルダンのアブドラ国王も和平交渉の早期再開を求めたという。  ハマスの勝利で周辺アラブ諸国の指導者が、今後の和平交渉への懸念からハマスに柔軟な対応を求める声を上げ始めたようだ。 毎日新聞 2006年1月28日 11時24分 (最終更新時間 1月28日 11時26分) URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060128k0000e030035000c.html *パレスチナへ援助:ハマスが新政権樹立なら見直し 米国 [毎日]  【ワシントン笠原敏彦】米国務省のマコーマック報道官は27日、パレスチナ評議会選挙で第1党になったイスラム原理主義組織ハマスが新政権を樹立した場合、パレスチナへの援助を全面的に見直す方針を表明した。米国は「援助見直し」を圧力に、ハマスに対イスラエル武装闘争の放棄を促したいが、援助削減はパレスチナ住民の困窮と反米感情を強めかねないだけに、難しい選択を迫られそうだ。  同報道官は会見で「ハマス政権が誕生すれば、すべての援助計画を我々の政策と法律に基づいて見直さねばならなくなる。パレスチナ住民が貧しく人道的な必要性があることは理解しているが、我々はテロ組織に資金を提供しない」と説明した。しかし具体的な削減の見通しには触れなかった。  米国がテロ組織に指定するハマスが政権を握れば、法的に自治政府への直接支援には規制がかかる。しかし、現地で人道援助活動を行う非政府組織(NGO)への支援など、法的な「抜け道」は存在する。  米国が援助削減に踏み切れば、代わりにイランが支援を強化し、パレスチナへの影響力を強めることも懸念される。また民主的な選挙でハマスを選んだパレスチナ住民への「制裁」とも解釈されかねないだけに、米国の戦略的判断が問われる。  国務省によると、06年度の米国の対パレスチナ援助は計2億3400万ドルが計上されている。 毎日新聞 2006年1月28日 11時15分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060128k0000e030033000c.html *ハマス「連立」へ意欲、ファタハ取り込み狙う [読売]  【エルサレム=三井美奈】パレスチナ評議会(国会に相当、定数132)選で、イスラム原理主義組織ハマスが過半数議席を獲得したのを受け、自治政府のアッバス議長は27日、ハマスに組閣を命じる意向を明らかにした。  ハマスは、他党との連立政権樹立に意欲を見せており、連立をめぐる駆け引きが本格化した。  ハマスでは、政治部門指導者ハレド・メシャル氏も26日、連立を組みたいとの意向を表明。ハマス幹部で有力首相候補のイスマイル・ハニヤ氏は同日、ロイター通信に対し、「2日以内にアッバス議長とガザで(組閣について)話し合う予定だ」と述べた。  ハマスが連立に意欲的な背景には、欧米諸国がハマスをテロ組織と見なし接触を制限する姿勢を示していることなどから、ハマス単独での政権運営は困難との判断があると見られる。  実際、閣僚ポストについて、ハマスの得意とする民生部門は自らが握り、外交はファタハに任せるのではないか、といった観測も浮上している。  一方、ファタハは、「野党として党を再建する」(自治政府交渉責任者のサエブ・エレカト氏)と現段階では政権参加を否定している。ただ、政権離脱によって利権を喪失したくないと考えるグループもいると伝えられる。 (2006年1月27日22時53分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060127id23.htm *ハマス、武装解除拒否 連立呼び掛け、統一軍も [共同]  【エルサレム28日共同】パレスチナ評議会選で圧勝したイスラム原理主義組織ハマスの幹部ハニヤ氏は28日、ロイター通信に「国際社会の脅迫に屈しない」と述べ、米国などが求める武装解除を拒否する姿勢を強調。最高幹部マシャル氏はダマスカスで会見し、パレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハなど各派を「パートナー」として、連立政権づくりを目指すほか、治安機関や各武装組織を束ねた「軍」を設立したいとの考えを示した。  最高幹部の発言で、連立への流れが加速しそうだが、ハマス、ファタハとも組織内に連立賛成、反対の両派がおり、組閣の行方はまだ不透明。ハマス幹部があくまでも武器を捨てない姿勢を明確にしたことで、米国やイスラエルとの緊張が一層高まるのは必至だ。 URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=intl&NWID=2006012801003148 *米・EU・露・国連、武闘路線放棄を促す [読売]  【ワシントン=坂元隆】イスラム原理主義組織ハマスが圧勝したパレスチナ評議会選の結果を受け、中東和平案「ロードマップ(行程表)」を推進する米国、欧州連合(EU)、ロシア、国連の4者は声明を出し、選挙は「自由で公正だった」と評価した。  しかし、「武装闘争と民主主義国家建設の間には根本的な矛盾」があると指摘し、名指しを避けながらも、ハマスが対イスラエル武装闘争路線を放棄し、イスラエルの生存権を認めるよう促した。 (2006年1月27日12時23分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060127id01.htm *自治政府のアッバス議長、和平交渉に意欲を表明 [読売]  【ラマッラ=佐藤秀憲】パレスチナ自治政府のアッバス議長は26日夜、テレビ演説を行い、「(昨年の)議長選で掲げた公約を実行する決意だ」と述べ、イスラエルとの和平交渉に意欲を表明した。  一方、イスラエル政府は同夜、声明を出し、ハマス内閣との接触を拒否する姿勢を改めて示した。 (2006年1月27日12時23分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060127id02.htm *パレスチナ評議会選、ハマス過半数…闘争継続を表明 [読売] 【ラマッラ(ヨルダン川西岸パレスチナ自治区)=佐藤秀憲】25日投票が行われたパレスチナ評議会(国会に相当、定数132)議員選は、26日夜までの開票(開票率95%)の結果、初参加のイスラム原理主義組織ハマスが過半数の76議席を獲得し圧勝、第1党の座を確保した。  過去10年にわたり自治政府のかじ取りを担ってきたパレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハは43議席にとどまり、第2党に後退した。対イスラエル武装闘争路線を掲げるハマス政権の誕生が確実となり、和平プロセスの再開は当面絶望的となった。  イスラエルは、ハマスが武装闘争を放棄しない以上、和平交渉には応じない姿勢を明確にしている。  今選挙でハマスは、西岸ヘブロン(定数9)やガザ北部(定数5)で全議席を独占するなど、中選挙区枠(定数66)のうち46議席を獲得する圧倒的強さを発揮。ファタハは比例代表枠(同)で27議席と健闘したものの、中選挙区枠で大きく伸び悩んだ。第3党にはパレスチナ解放人民戦線(PFLP)3議席が続いた。投票率(暫定)は74・64%。  ハマスの幹部イスマイル・ハニヤ氏(比例選名簿1位)は26日夜、ガザ市内で記者会見し、「パレスチナ人の勝利だ。イスラム抵抗運動が認められた結果」と正式に勝利宣言。次期政権構想について、「ただちにアッバス自治政府議長、ファタハなどパレスチナ各派と、政権の構成について協議を始める」と、各派の参加を求める方針を示した。  選挙結果を受け、ファタハ中央委員会は同日、ハマス内閣が樹立された場合、政権には参加しないことを決めた。  ハニヤ氏は、今後の対イスラエル政策については「我々の地はまだ、占領されている。パレスチナ解放や難民帰還などの課題に全力で取り組む」と、対イスラエル闘争継続の意思を改めて表明した。  ハマスは、1987年に創設。PLOにも加わらず、93年のパレスチナ暫定自治宣言(オスロ合意)に反対の立場から、96年に行われた前回の選挙をボイコットした。 (2006年1月27日12時29分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060127it02.htm *米大統領:ハマスは「和平のパートナー」にはならず [毎日]  【ワシントン笠原敏彦】ブッシュ米大統領は26日、ホワイトハウスで記者会見し、ハマスが勝利を確実にしたパレスチナ評議会選挙の結果について、「和平は決して死なない」と述べる一方で、ハマスは「和平のパートナー」にはならないと語った。中東和平への関与継続を表明しながらも、米国がテロ組織に指定するハマスとは交渉しない原則を確認したものだ。  ハマス主導の政権ができた場合、米国は極めて困難な対パレスチナ政策を強いられる。ハマスがイスラエルの生存権を認め、暴力を放棄しない限り、米国と交渉することは事実上不可能だ。米国は当面、アッバス議長との窓口を維持し、ハマスの出方を見守るとみられる。  またライス国務長官は同日、アッバス議長に電話し、選挙を実施した民主主義をたたえ「議長と(和平を追求する)議長の政策」への支援継続を約束した。選挙延期の機運が高まる中でも民主化促進の立場から「選挙は予定通り実施すべきだ」と表明してきただけに、選挙を評価することで原則を貫いた格好だ。しかし、ハマス勝利の選挙結果は民意を反映したものだけに、中東での民主主義の拡大政策が米国にとって「両刃の剣」であることを示した。 毎日新聞 2006年1月27日 1時36分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060127k0000m030156000c.html *パレスチナ評議会選:ハマス大躍進 和平プロセス危機に [毎日] 【ガザ市(パレスチナ自治区)樋口直樹】パレスチナ評議会選挙でイスラエルの存在を認めないイスラム原理主義組織ハマスが大躍進したことで、当事者間の相互承認に基づく現行の和平プロセスは最大の危機を迎えた。ハマスが新政権を主導し、これまでの強硬路線を維持しようとすれば国際社会からの孤立化は必至で、停滞する和平プロセスは一層の混迷に陥ることになる。  選管の公式発表を前にハマスが過半数の獲得を宣言すると、ヨルダン川西岸ラマラの自治政府議長府にファタハ幹部を乗せた車が続々と集まった。エラカトPLO交渉局長は「パレスチナの政治はこれまでとは全く違う局面に入ろうとしている」と述べ、ハマスの大躍進でパレスチナの政治地図が大きく塗り替えられ、従来の和平プロセスの枠組みが根本的に変化するとの見方を示した。  ハマス自身にも、評議会の過半数を単独で制するつもりはなかった。「ファタハに次ぐ第2勢力として、新政権に隠然たる影響力を行使するのが狙いだった」と地元ジャーナリストは分析する。綱領でイスラエルの存在自体を認めていないハマスが新政権を主導した場合、イスラエルや国際社会との間で避けることのできない交渉を前に、自らが抱える矛盾に直面することになるからだ。  「私たちはこれからどうなるのか。国際社会から『テロ国家』と呼ばれることになるのか……」。ガザ市の教師ヤヒヤさん(29)は、ハマス主導の新政権が誕生する可能性に戸惑いを隠さない。ファタハの支持者だったが、「腐敗したファタハに警告を与えるため」、今回の選挙ではハマスを支援した。「過半数を制するなんて考えもしなかった」という。  ◇国際社会の意向、無視はできず  ▽立山良司・防衛大学校教授の話 イスラム原理主義組織ハマスが過半数を占める議席を獲得する見通しとなった背景には、パレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハの腐敗体質や、ファタハを支持母体とするアッバス自治政府議長の指導力不足に対する批判の表れがある。パレスチナ住民の多くは、ハマスが掲げる「イスラエルせん滅」や和平交渉に応じない姿勢を支持してはいない。  ハマスが政権を握れば当面、和平の動きは中断するだろう。一定の現実路線を示したとしても、従来の方針を180度転換することはハマス自身にとっても容易でない。そうである以上、イスラエルも米国、欧州連合もハマス政権と公式に接触するわけにはいかない。  パレスチナは財政的に国際社会の支援に依存している。ハマスが政権をとっても国際社会の意向を無視するわけにはいかないだけに、極端な政策を取ることはできず、イスラエルとパレスチナが決定的に衝突する事態にはならないだろう。和平交渉が停滞する中、イスラエルは今後、「交渉相手がいない」としてヨルダン川西岸での分離壁建設を進め、一部入植地からの一方的な撤退を進めるのではないだろうか。【聞き手・前田英司】 毎日新聞 2006年1月26日 21時53分 (最終更新時間 1月27日 2時22分) URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060127k0000m030113000c.html *硬軟両様の選挙戦略 ハマス、民衆心理に訴え [共同]  【エルサレム24日共同】パレスチナ和平の今後を占う25日の評議会(議会)選を前に、初参加のイスラム原理主義組織ハマスが対イスラエルで硬軟両様の姿勢を見せている。占領への抵抗は強いが、停滞する和平交渉に活路を見出したい民衆の心理に訴えかける戦略だ。  カリスマ的な指導者、アラファト前自治政府議長の時代から政治を主導してきたパレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハに世論調査で互角の戦いを展開している背景には、ハマスのこうした選挙戦略もあるとみられる。  ハマス最高幹部の1人、ザハル氏は23日、イスラエルと将来、第三者を通じ交渉を行う可能性について言及した。 URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=KCH&PG=STORY&NGID=intl&NWID=2006012401000272 *ハマス入閣なら接触制限 米国務長官 [共同]  【ワシントン23日共同】ライス米国務長官は23日、記者団に、パレスチナ評議会(議会)選でイスラム原理主義組織ハマスが躍進し、パレスチナ自治政府に入閣した場合、米政府と自治政府との接触は大幅に制限せざるを得ないとの認識を示した。  米政府は、イスラエルの生存権を認めず武装闘争を続けるハマスを「テログループ」に指定、交渉を認めていない。  長官は、指定が当面変更されることはないとした上で、パレスチナ新和平案(ロードマップ)に基づくパレスチナ側の交渉相手は「平和の道」を約束する自治政府でなければならないと言明。ハマスが暴力を放棄しない限り、ハマスのメンバーが入閣する自治政府との交渉は困難になるとの見解を示した。 URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=KCH&PG=STORY&NGID=intl&NWID=2006012401000360 *イスラエル:カディマ、オルメルト首相代行が党首代行に [毎日]  イスラエルの中道系新党カディマは16日、脳卒中で入院している党首のシャロン首相の代わりに、オルメルト首相代行を党首代行に指名した。右派政党リクードが連立政権を離脱、同党所属の4閣僚が辞任したことを受け、オルメルト首相代行は近く欠員状態の外相職などをカディマ内から指名する。【エルサレム支局】 毎日新聞 2006年1月16日 21時04分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060117k0000m030092000c.html *イスラエル:東エルサレムでの投票承認 評議会選挙 [毎日]  【エルサレム樋口直樹】今月25日のパレスチナ評議会(国会に相当)選挙を前に、イスラエル政府は15日の閣議で、占領地・東エルサレムでのパレスチナ住民の投票を正式承認した。これにより、評議会選挙が延期される可能性はほぼなくなった。だが、パレスチナ内部の権力争いを背景に治安情勢が悪化することも予想され、自由で公正な選挙の実現にはなお予断を許さない状況だ。  イスラエルは67年に東エルサレムを占領後、自国領に併合。東西エルサレムを「永遠不可分の首都」と定め、パレスチナ人の政治活動を拒否してきた。96年1月の前回の評議会選挙では東エルサレムでの投票を認めたが、今回の選挙に対イスラエル最強硬派のイスラム原理主義組織ハマスが参加したため、投票を認めない方針を示していた。  これに対し、東エルサレムを首都とする国家建設を目指すパレスチナ自治政府は、同地での投票実現を評議会選挙実施の条件に挙げている。  イスラエルは「中東の民主化」を標ぼうする米国の圧力などで、最終的に方針変更を余儀なくされたとみられるが、東エルサレムでのハマスの政治活動は認めない方針。評議会選挙は比例代表制と中選挙区制の組み合わせで行われるが、東エルサレムの住民がハマスの政党や候補者に投票できるかどうかは明確にされていない。  占領地ヨルダン川西岸のビルゼイト大学が先に行った世論調査によると、穏健派アッバス自治政府議長の支持母体であるパレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハの支持率は35%。ハマスは31%に追い上げている。このため、ハマスの躍進を恐れるファタハの一部勢力が武力行使によって選挙の延期を企てる可能性も予測されている。 毎日新聞 2006年1月15日 19時30分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060116k0000m030065000c.html *イスラエル:ポスト・シャロンで水面下の攻防始まる [毎日]  【エルサレム澤田克己】重度の脳卒中で深刻な容体にあるシャロン・イスラエル首相(77)の職務復帰が「不可能」との医師団の見解が示されたことを受けて、イスラエル政界ではポスト・シャロンへ向けた水面下の攻防が始まった。  首相代行を務めるオルメルト副首相(60)やモファズ国防相(57)、シャローム外相(47)、労働党のペレツ党首(53)らが新しい主役に躍り出る可能性もあるが、労働党を離党して新党カディマ支持に回っていたペレス元首相(82)や右派リクードを率いるネタニヤフ元首相(56)らも有力視されており、情勢は混とんとしている。  6日のイスラエル紙イディオト・アハロノトは、オルメルト氏やペレス氏がカディマを率いることになっても、同党が3月の総選挙(定数120)で40議席前後を獲得して第1党になり、労働党とリクードは10議席台にとどまるという緊急世論調査の結果を報じた。  95年に暗殺されたラビン元首相と並ぶ旧世代の代表格だったシャロン首相の退場で世代交代が一気に進むかと思われたが、カディマの指導者としてはペレス元首相の人気がもっとも高かった。  ただ、調査結果はシャロン首相に対する同情票という意味合いも強く、3月までこうした傾向が続くという見方は少ない。リクードや労働党は、カディマに移籍した離党組に対して復党するよう働き掛けを始めており、こうした切り崩し工作がどこまで奏功するかも焦点となっている。  一方、イスラエルのメディアによると、首相代行のオルメルト氏は5日、モファズ国防相らカディマ幹部と相次いで会談し、自身に対する支持を取り付けた。オルメルト氏は6日、カディマ支持を明言しつつも入党はしていないペレス元首相とも会談したが、ペレス氏は会談後、記者団に、オルメルト氏支持に回るかなど「政治的決断はまだ何もしていない」と語った。  政界の一部では、シャロン首相の退場でリクードのネタニヤフ元首相が漁夫の利を得ることになるとの観測も出ている。ただ、強硬派の元首相を嫌ってリクードからカディマへ流れた有権者が多いとして、リクードの党勢回復は難しいと見る専門家もいる。  労働党非主流派ながら昨年の党首選でペレス氏に勝ったペレツ氏は、富裕層中心だった党の支持層拡大を期待されているが、今のところ大幅な拡大には結び付いていない。 毎日新聞 2006年1月6日 22時25分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060107k0000m030121000c.html *シャロン首相重体 中東和平、不透明に [朝日] 2006年01月05日22時59分  4日夜に大量の脳出血を起こして入院したイスラエルのシャロン首相(77)は、5日朝まで2度にわたる手術を受けた。出血は止まったが、重体とみられるという。イスラエル放送は「首相は生命の危機にある」と報じた。中東情勢をほぼ独断で動かしてきたシャロン氏が倒れたことで、和平プロセスの行方はさらに不透明になった。  エルサレムのハダッサ病院で手術を終えたシャロン首相は5日朝、集中治療室に移された。血圧や脈拍の数値は平常だという。モルヨセフ病院長によると、シャロン首相は同日午後も麻酔がかかった状態で、病院長は「脳圧を低く保つため、今後24時間はそのままの状態で人工呼吸を施す」と説明した。  イスラエル政府からは、内政の混乱を避けるためのメッセージが次々と出された。オルメルト首相代行は5日朝に緊急閣議を開き、「我々は国政を担い続ける」と述べた。首相と対立していた右派与党リクードの閣僚が近く辞任する予定だったが、リクードのネタニヤフ党首は同日朝「辞任を延期し、オルメルト首相代行を支える」と声明を出した。  AP通信によると、マズーズ検事総長は、3月28日に予定されている総選挙を「予定通り実施する」と言明した。  シャロン氏が昨年11月に結成した新党カディマは3月の総選挙に向けて優位を保っているが、首相個人の政党の色彩が強いため、首相の復帰が実現しない場合に支持が急速に落ち込む可能性がある。今後主導権を握るのが強硬派の右派リクードか、左派労働党かで、中東和平への取り組みは大きく変わると予想される。  ブッシュ米大統領は4日夜、「私と妻ローラは、シャロン首相の健康を気遣うイスラエル国民の思いを共有している」との声明を出した。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0105/002.html *[[●パレスチナ・イスラエル05]] から続く
#contents *[[●パレスチナ・イスラエル]] へ続く *0331 カディマ、29議席確定…イスラエル総選挙最終結果 [読売] 中東情勢  【エルサレム=三井美奈】イスラエル中央選挙委員会は30日、28日投票のイスラエル総選挙(国会、定数120)の最終結果を発表した。  オルメルト首相代理が率いる中道政党カディマは29議席となり、29日未明に発表された獲得予想議席より1議席増やした。  このほかの各党議席は、労働党20、右派リクード12、ユダヤ教政党「シャス」12、強硬右派「我が家イスラエル」11、国家統一・国家宗教党9、年金者党7、ユダヤ教連合6、中道左派メレツ5、アラブ系9。 (2006年3月31日23時41分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060331id21.htm *0330 ハマス単独政権が発足、一方的国境画定には強く反発 [読売]  【ガザ市(パレスチナ自治区)=長谷川由紀】パレスチナ自治区でイスラム原理主義組織ハマスが単独で作る新内閣が29日、発足した。  対イスラエル強硬派内閣の出現により、中東和平プロセスは対話の糸口さえつかめずに、空中分解する可能性がでてきた。  就任宣誓式は同日夕、自治政府のアッバス議長がガザ市で立ち会い、ヨルダン川西岸ラマッラでも数人の閣僚が参加して同時に行われた。  イスマイル・ハニヤ新首相は「郷土と聖地に忠誠を誓う」と宣誓した。  これに先立ちハマス報道担当者は29日、イスラエル総選挙で勝利したカディマが掲げる一方的な国境画定方針に対し、「宣戦布告だ」と激しく反応。新外相のマフムード・ザハル氏も「勝手に国境を決めることは許されない」と批判した。  しかし、ハマスとしても対イスラエル政策は最重要課題だ。米欧のパレスチナ支援停止の脅しはじわりと効く。  問題は、対イスラエル交渉の主体となってきたパレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハとハマスの関係が悪化しているため、PLOを通じた“間接交渉”という作戦もたてられないことだ。  イスラム大のアドナン・アブアーメル講師は「アラブ諸国や欧州諸国などを説得し、イスラエルに国際的圧力をかける方法しかない」と指摘する。それにも失敗した場合、中東は危機に陥る懸念がある。アーテフ・オドワン難民問題担当相は「政治的努力を尽くすが、それでだめなら、武装闘争の原点に戻るしかない」と警告している。 (2006年3月30日1時44分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060329id22.htm *0330 米、ハマスとの接触禁止 外交官ら対象 [朝日] 2006年03月30日01時46分  エルサレム発のロイター通信によると、米国は自国の外交官や請負業者に対し、パレスチナ自治政府のイスラム過激派ハマスの新政権が正式に発足した29日から、自治政府各省庁との一切の接触を禁止する通達を出した。米国では国務省がテロ組織に指定する団体への支援を禁止する法があり、それに基づく措置。ハマスに圧力をかける一環と見られる。自治政府を指揮する最高権限を持つアッバス議長(ファタハ)らとの接触は認めている。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0330/002.html *0329 イスラエル総選挙、中道カディマが勝利 西岸撤退に信任 [朝日] 2006年03月29日13時45分  28日投票されたイスラエル総選挙は即日開票され、中央選挙管理委員会の29日未明までの暫定集計によると、国会定数120のうち、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸からの撤退と2010年までの「国境」画定を唱える中道新党カディマが28議席を獲得して第1党となった。左派の労働党が20議席で続いている。カディマは勝利宣言をし、連立政権づくりを主導する意向を表明した。  カディマを率いるオルメルト首相代行は29日未明の勝利演説で、「パレスチナ人に譲歩する用意があれば、交渉するが、そうでなければ我々は自分たちの運命を独自に決める」と述べ、西岸から一方的に撤退して「国境」を引く方針を強調した。  パレスチナ自治区ではイスラム過激派ハマスの新自治政府が正式に発足しようとしており、イスラエルの存在を認めるなどの譲歩を示す可能性は低い。イスラエルとの交渉が再開する見通しは立たず、中東和平は不透明な状況が続きそうだ。  オルメルト氏は選挙前、この選挙がシャロン首相のガザ撤退に続くパレスチナとの分離政策の「信任投票だ」と述べていた。同様に占領地からの撤退を支持する労働党が第2党になり、「西岸撤退」は事実上の信任を得たといえる。  ただ、カディマが狙う「一方的撤退」には他党に反対が多く、パレスチナ側と交渉する可能性を探る必要が出てくると見られる。  投票率は過去最低の63.2%で、事前の世論調査で常に第1党だったカディマが予想より数議席減らす原因になったと見られる。  第3党は、ユダヤ教超正統派のシャスが獲得する見通しだ。これまで労働党と政権を争ってきた右派のリクードは11議席と低迷。旧ソ連からの移民を支持基盤とする右派の「イスラエル我が家」は12議席で急浮上している。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0329/005.html *0329 パレスチナ自治評議会がハマス新内閣を信任 [朝日] 2006年03月29日01時01分  パレスチナ自治評議会(国会に相当)は28日、イスラム過激派ハマスのハニヤ次期首相が前日に提出した組閣名簿と施政方針案について、賛成多数で信任した。ハマスの実質的な単独内閣となる新政権は、自治政府を指揮するアッバス議長(大統領に相当)が外遊から戻る予定の29日、議長に対する宣誓式を行って正式に発足する。  閣僚は24人で、外相にガザのハマス最高幹部で強硬派のアッザハール氏、内相にハマス幹部のシアム氏、財務相に米国の大学で学位を取った経済学者でハマスに属するアブドルラゼク氏をあてている。  自治評議会の定数132のうち、賛成は71人、反対は自治政府の旧主流派ファタハを中心に36人、棄権が2人だった。残る23人はイスラエルの刑務所に服役中か外遊中の議員。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0329/001.html *0328 対自治政府財政支援の継続確認へ…アラブ連盟首脳会議 [読売]  【カイロ=柳沢亨之】アラブ連盟(22か国・機構加盟)の首脳会議が28日、スーダンの首都ハルツームで開幕した。  同日中にも採択される共同宣言では、中東和平問題をめぐり、パレスチナ自治政府に対する現状レベルでの財政支援継続を確認する見通し。  ハマス政権発足後の援助停止を示唆する米欧と一線を画すことで自治政府の孤立化を避けると同時に、ハマスの求める大幅増額を拒み、和平路線への転換を促すのが狙いだ。  首脳会議直前に開かれた外相会議は、自治政府への援助額を従来通りの月額5500万ドルとすることで合意した。加盟各国の実際の支援額はこの半額前後とされ、5500万ドルが満額支出されれば実質的には増額となる。  一方、ハマスが要求していた1億7000万ドルには遠く及ばない。  アラブの歯切れが悪いのはイスラエルとハマス双方に強い不信感があるからだ。「イスラエルの全占領地撤退が和平の前提」と主張するアラブは今首脳会議で、イスラエルの一方的な国境画定への反対を表明する見通し。  その一方で和平を拒むハマスにも警戒感は強く、大半の政権にとって、ハマスなど原理主義勢力の台頭は脅威となっている。 (2006年3月28日22時48分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060328id21.htm *0328 ハマス:対話路線は孤立回避図る狙い 米などは懐疑的 [毎日]  【エルサレム樋口直樹】パレスチナ自治政府の首相に指名されたイスラム原理主義組織ハマスの最高幹部ハニヤ氏が27日、米国、ロシア、欧州連合(EU)、国連の「中東和平4者協議」メンバーに対話を呼びかけた背景には国際的孤立を回避する狙いがある。最高幹部自らが「対話による和平」を呼びかけるのは極めて異例だが、米国やイスラエルはハマスの「対話路線」に懐疑的だ。  「我々は地上の他のどの国民よりも平和を必要としている」--。ハニヤ氏は27日、パレスチナ評議会の施政方針演説で占領下に置かれた人々の思いをこう代弁した。演説では「平和」が5回使われたが、ハマスの好む「抵抗」は1回しか聞かれなかった。  ハニヤ氏は国際社会との対話によって「(パレスチナ)民衆に威厳のある人生を送らせるため、民衆と政府への援助の提供を求めたい」と述べた。海外から年間10億ドル以上の援助を必要とするパレスチナにとり、欧米からの支援見直しは死活問題となるからだ。  一方、ハニヤ氏が和平の当事者であるイスラエルの国名を口にすることはなかった。ハマス創設時の綱領で「イスラエルのせん滅」を唱え、一切の交渉を拒否してきた原理主義組織の限界といえる。  「ハマスが対話しようとしている者が誰であれ、それは米国ではない」。ロイター通信によると、在イスラエル米大使館の報道官はハニヤ氏の呼びかけを拒否した。イスラエル外務省報道官もハニヤ氏の発言を真剣な対話の申し入れとは受け止めていない。  ロシアがハマス代表団の訪問を受け入れるなど、4者協議メンバーの中では足並みの乱れがある。だが、ハマスを「テロ組織」に指定している米国やEUはハマスが(1)イスラエルの承認(2)武装解除(3)既存合意の受け入れ--の3条件を満たさない限り、直接交渉に応じられないとの立場を崩していない。 毎日新聞 2006年3月28日 10時33分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060328k0000e030032000c.html *0328 アラブ諸国:パレスチナ財政支援で一致も、困惑隠せず [毎日]  【カイロ高橋宗男】パレスチナ自治政府の首相に指名されたイスラム原理主義組織ハマスの最高幹部ハニヤ氏が27日、パレスチナ評議会に閣僚名簿を提出、ハマス主導の単独内閣が承認される見通しとなったことを受け、アラブ諸国による「ハマス支援態勢」構築に向けた動きが本格化している。28日にスーダンのハルツームで開幕するアラブ連盟(22カ国・機構)の首脳会議では自治政府への財政支援の継続をうたった決議が採択される見通しだ。  アラブ諸国のハマス支援の動きにより、対ハマス圧力を強めるイスラエルや欧米と、アラブ諸国との温度差が一層、鮮明化することになる。だが、アラブ諸国の中には、実際にはハマスの台頭に困惑を隠せない国も少なくないと専門家は指摘している。  エジプトのムバラク大統領は25日、国営スーダン通信とのインタビューで「パレスチナ人の意思を尊重すべきだ。民主的選択は国際支援の停止で罰せられるべきではない」と述べ、対ハマス強硬派のイスラエルや欧米と一線を画した。ハマスの対応を時間をかけて見極めていくべきだとする立場で、アラブ諸国の総意を代弁した「公式見解」ととれる。  しかし、エジプトのアハラム政治戦略研究所のディアー・ラシュワン研究員は「選挙で政権を奪取したハマスに対して(アラブ諸国が)否定的な見解は表明しづらい。だが、公式見解の裏で各国がそれぞれの事情を抱えている」と説明する。  同研究員によると、エジプト政府はハマスについて(1)初めて選挙で勝利したイスラム運動体(2)アラブ諸国で選挙で政権を奪取した初めての例--の2点を重視、国内のイスラム原理主義組織ムスリム同胞団の勢力拡大への影響を懸念している。  ヨルダンは国民の過半数をパレスチナ人が占めており、ハマスの台頭がイスラム勢力を活発化しかねない。また、水面下でイスラエルとの関係改善に向けた動きを模索しているとされるペルシャ湾岸諸国も困惑を隠せないのが実情だという。 毎日新聞 2006年3月28日 10時24分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060328k0000e030029000c.html *0327 ハマス、中東和平へ対話呼びかけ [朝日] 2006年03月27日23時34分  パレスチナ自治政府のハニヤ次期首相は27日の自治評議会(国会に相当)で、イスラム過激派ハマスの実質的な単独内閣となる閣僚名簿と施政方針案を示し、信任を求めた。ハニヤ氏は施政方針案を説明する中で、イスラエルとパレスチナの2国家共存を目指すロードマップ(行程表)をつくった米国、欧州連合(EU)、ロシア、国連の4者協議(カルテット)との対話を呼びかけた。ハマスとしては穏健な姿勢を示す初の試みで、4者側の対応が注目される。  ハニヤ氏は対話の目的として「(イスラエルとの)紛争を終わらせ、地域の安定を実現する」ことを挙げた。4者側はハマスにイスラエルの存在の承認と暴力の停止、過去の和平合意の尊重を要求している。ハニヤ氏はこれらの要求について触れなかったが、対話が実現する際に回答を迫られることを覚悟していると見られる。4者側は、ハマスが要求を拒否した場合の援助の凍結を警告している。  閣僚名簿は24人で、うち20人がハマスのメンバーや支持者、残る4人が独立の専門家。ハマスは自治政府の旧主流派ファタハなどに連立政権への参加を呼びかけたが、各派から拒否された。29日にも投票により信任される見通しだ。  一方、28日に投票があるイスラエルの総選挙に向けて、同国内の有力紙は27日付で世論調査を掲載し、いずれも中道新党カディマ(前進)が第1党の座を維持していると分析した。ただ、創設者のシャロン首相が1月に意識不明の重体に陥った直後に比べると、支持にかげりが見られる。  有力各紙の調査結果にはばらつきがあるが、総じてカディマが34~36議席でトップ。左派の労働党が17~21、右派のリクードが13~14で追っている。定数120議席の単独過半数を取る政党はないのが確実で、選挙直後に連立工作が始まる見通しだ。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0327/011.html *0327 ハマス抜きで開幕へ アラブ首脳会議 [朝日] 2006年03月27日19時54分  アラブ圏22カ国・地域が参加してスーダンの首都ハルツームで28日に始まるアラブ首脳会議に、パレスチナの代表として、間もなく正式に発足する政権を担う過激派ハマスではなく、パレスチナ自治政府のアッバス議長が率いる旧主流派ファタハが参加する。ファタハはこの会議で、従来通りのパレスチナへの支援を訴えるとともに、今後の自陣営の基盤固めを狙っているが、排除された形のハマスは反発している。  パレスチナ自治政府から首脳会議に参加するのは、アッバス議長のほか、間もなく政権から去ることになるキドワ外相ら。いずれもファタハ系の旧政権幹部だ。  ハマスのラシュク政治局員によると、代表団を決める権限があるアッバス議長に対し、ハマスが自派のメンバーを加えるよう求めたが、「まだ新政権が承認されていないから制度上無理だ」と断られたという。アッバス議長は「ハマスによる組閣が首脳会議に間に合わなかった」と説明。ハマス最高幹部のメシャール氏は「我々は排除された」と語った。  アッバス議長はハマス新政権発足に備え、資金の掌握や議長直属機関の新設など自分の権力基盤の強化を急いでいるとされる。今回ハマス抜きで首脳会議に参加することで、今後の自治政府の外交の枠組みも固めようとしているとみられる。  関係筋によると、首脳会議に先立って25、26日にハルツームで開かれた外相会議で、キドワ外相が「今後も自治政府の外交は議長が責任を持つ」と発言。ハマスの主導権に枠をはめようとする姿勢を鮮明にした。  ロイター通信などによると、この外相会議は、同首脳会議が過去採択した「イスラエルが占領地から撤退すれば国家として承認する」との和平案への支持を再確認。イスラエルの承認を前提に「土地と平和の交換」を求める立場を強調し、イスラエルの存在を認めないハマスの立場とは一線を画した。  アラブ諸国にはハマスの孤立化を避けたい気持ちが強いものの、欧米との協力関係を維持する必要もあり、中東和平への従来の方針を変えるわけにはいかない事情があるとみられる。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0327/005.html *0323 パレスチナ:ハマス、組閣承認強行へ [毎日]  【エルサレム樋口直樹】パレスチナのイスラム原理主義組織ハマスは22日、自治政府の首相に指名された最高幹部ハニヤ氏が27日にも評議会(国会に相当)へ組閣名簿を提出すると発表した。ロイター通信が伝えた。これに先立ちパレスチナ解放機構(PLO)の執行委員会は22日、ハマスの政治方針を拒否。ハマスはPLOに組閣を拒否する権限はないとして、自派が単独過半数を握る評議会で承認を強行する構えだ。  ハマス当局者は組閣の承認が28日のイスラエル総選挙以降になる見通しだと語った。  パレスチナ人を代表する機関として国際的に認められているPLOにハマスは加盟していない。PLOは88年にイスラエルの生存権を事実上承認したが、ハマスはこれを認めていない。自治政府がPLOとイスラエルの合意に基づき設立されたことから、PLOはハマスに自らの正統性を認めるよう迫ってきた。  これに対してハマスは、PLOの正統性を認めることがイスラエルの承認につながるとして、新政府の政治方針にPLO側の要求を盛り込まなかった。22日の執行委はこれを不服としてハマスの政治方針を拒否した。 毎日新聞 2006年3月23日 9時39分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060323k0000e030011000c.html *0320 パレスチナ ハマス、実質単独政権へ 中東和平滞る恐れ [朝日] 2006年03月20日01時26分  パレスチナ自治評議会(国会に相当)の1月の選挙で大勝したイスラム過激派ハマスは19日、パレスチナ自治政府の閣僚名簿をアッバス自治政府議長に渡し、承認を求める。これまで多数を占めていた旧主流派のファタハは連立政権への参加を拒んでおり、ハマスが主要閣僚を占める実質的な単独内閣になる見通しだ。ハマスはイスラエルへの武装攻撃を放棄しておらず、停滞中の中東和平はさらに足踏みが続く可能性がある。  ロイター通信によると、24人の閣僚のうち外務や内務、財務などの主要ポストを含む約半数をハマス幹部が握り、残りは各分野の専門家をあてる見通しだ。アッバス議長は19日の記者会見で閣僚名簿を拒否しない意向を示しており、20日以降に開かれる自治評議会で、過半数を握るハマスの賛成で新内閣が正式に承認される見通しだ。米国や欧州連合(EU)はパレスチナ自治政府への援助を削減することを警告しており、厳しい政権運営が続くと見られる。  次期首相候補のハニヤ氏らハマス指導部は、すでにアッバス議長と施政方針を協議している。19日までに明らかになった施政方針案は、イスラエルの占領に対する抵抗手段として暴力を容認し、オスロ合意など過去のイスラエルとの合意を認めるかどうかには「パレスチナ人の利益、権利、原則を守れば」という条件をつけている。  そのため、ハマスが連立参加を求めていたファタハは参加を拒否。イスラエルが施政方針を拒むのはほぼ確実で、ハマスをテロ組織に指定している欧米も受け入れは困難と見られる。  イスラエルは今月から、パレスチナ自治政府に代わって徴収している毎月約5000万ドルの関税・消費税の送金を停止した。パレスチナ人の4人に1人を支えるといわれる自治政府職員約15万人の給与の大半がなくなることになる。EUや世界銀行による緊急援助で埋め合わせをしているが、4月以降のめどはたっていない。  世銀の試算によると、イスラエルによる制限が続き、欧米の援助も一部削減されると、パレスチナ人の所得は1人あたり3割減るという。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0320/001.html *0315 イスラエル軍、テロ容疑者を拘束 拘置所攻撃収束へ [朝日] 2006年03月15日12時51分  パレスチナ自治区のヨルダン川西岸エリコで14日、テロ容疑者の身柄引き渡しを求めて拘置所に突入したイスラエル軍は同夜(日本時間15日未明)、パレスチナ解放人民戦線(PFLP)のサダト議長ら計6人を拘束した。一方、この事件をきっかけに西岸やガザではイスラム過激派が計9人の外国人を拉致。うち6人は間もなく解放されたが、韓国やフランスのジャーナリスト3人が行方不明のままだ。  イスラエル軍は拘置所に立てこもったサダト議長らに対し、銃撃に加えて戦車や武装ヘリコプターを使った攻撃と、ブルドーザーによる建物の破壊で追いつめ、約10時間後に投降させた。殺害が避けられたことで事態は収束に向かう可能性が大きい。ただ、PFLPが報復を宣言しているため、イスラエル側は警戒を強めている。  イスラエルはサダト議長について、01年の同国の観光相暗殺事件を指揮したと見ているが、パレスチナ側ではイスラム過激派ハマスが1月末の選挙に勝ってから釈放の機運が高まっていた。PFLPはハマスとの連立政権づくりに同意しており、今回のイスラエルの攻撃はハマスに打撃を与えることを狙ったと見られている。  一方、拘置所攻撃は、自治政府とイスラエルの合意のもとでサダト議長らを監視していた米英両国の要員が撤退した直後に起きたため、ガザなどで「米英も関係している」との非難がわき起こった。米英両政府は「以前から監視要員の安全対策に不備があるため、撤退を検討していた」と説明し、イスラエルの攻撃に備えた撤退ではないと強調した。  それでも過激派は西岸とガザで、仏、米、スイス、豪州、韓国の援助スタッフや教師、ジャーナリストを拉致した。解放された人々に危害はなかった模様だ。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0315/009.html *0315 イスラエル軍が拘置所に突入、テロ容疑者の身柄要求 [朝日] 2006年03月15日00時49分  イスラエル軍は14日、パレスチナ自治区のヨルダン川西岸エリコの拘置所に突入し、テロ容疑者と見ているパレスチナ解放人民戦線(PFLP)のサダト議長らの身柄引き渡しを要求した。パレスチナ自治政府の治安要員や収容者との間で銃撃戦となり、パレスチナ側の2人が死亡、数十人が負傷した。  軍は戦車や武装ヘリコプターで攻撃を続け、ブルドーザーで拘置所の破壊を進めた。サダト氏ら十数人は立てこもって抵抗を続けている。  この事件を受けて自治区ガザや西岸の他都市では、拘置所攻撃に反発するイスラム過激派が米欧系の建物を襲撃し、外国人を拉致した。イスラエル側の軍事行動はパレスチナ自治政府の新政権づくりを進める過激派ハマスを意識したものと見られ、1月末の選挙後のパレスチナ情勢が再び緊迫している。  イスラエルはサダト氏が01年に同国の観光相暗殺事件を指揮したと見ている。パレスチナ側が同氏を釈放する動きを見せたため、身柄の確保に乗り出したとしている。  イスラエル軍が拘置所に突入した後、収容者のうちサダト氏らを除く約180人が投降した。  14日朝、イスラエルとパレスチナ側の合意のもとでサダト氏の拘束を監視してきた米英両国の監視要員が撤退していた。米英側は要員の安全対策の不備を撤退の理由に挙げて自治政府を批判したが、パレスチナ側からは軍の攻撃に備えた動きと見られて反発を受けるきっかけとなった。  この混乱を受けてガザでは、PFLPのほか自治政府の旧主流派ファタハの軍事部門「アルアクサー殉教者軍団」などの過激派が米英人の退去を要求。ガザや西岸でフランス、スイス、米国などの援助スタッフや教師ら数人が拉致された模様だ。米英系の文化交流施設なども襲撃され、一部が放火された。  サダト氏は1月末のパレスチナ自治評議会選挙で当選。同氏は02年、イスラエル軍の攻撃で自治政府本部に軟禁されていた故アラファト議長を解放することを交換条件として、自治政府に拘束された。交換を仲介した米英両国の監視下でエリコの拘置所にいたが、パレスチナ側の裁判所は同氏に暗殺事件への関与はなかったと認定し、釈放を命じていた。  自治政府のアッバス議長は最近、サダト氏の釈放に「反対しない」と述べていた。ただイスラエルが反対しているため「身の安全は保証できない」と懸念を示していた。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0314/017.html *0308 パレスチナ首相候補も暗殺対象、イスラエル国防相明言 [読売]  【エルサレム=三井美奈】イスラエルのモファズ国防相は7日、イスラム原理主義組織ハマスがテロ組織としてイスラエル政府と対決し続けるならば、パレスチナ自治政府の首相に指名されたハマス幹部のイスマイル・ハニヤ氏も暗殺対象の「例外ではない」と述べた。国軍ラジオに対し語った。  国軍は、ガザ地区を中心に「イスラム聖戦」などの武装組織幹部を狙った空爆作戦を続けている。2004年には、ハマス創始者のヤシン師や後継者のランティシ氏を相次いで殺害した。  モファズ国防相の発言は、今月末の総選挙を控え、右派勢力がハマスへの強硬姿勢を訴えて人気をのばしていることを意識したものとみられる。国防相は、オルメルト首相代理が率いる政党カディマから立候補している。 (2006年3月8日12時9分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060308id01.htm *0307 ハマスが旧議会の決議を廃止 ファタハと連立困難か [朝日] 2006年03月07日10時12分  イスラム過激派ハマスが過半数を握るパレスチナ自治評議会(国会に相当)は6日、前議会が最後に駆け込み採決したアッバス自治政府議長の権限強化策などの決議を廃止した。旧主流派ファタハが新議会に制約をかけることを狙った決議だったため、ハマスは無効を主張していた。ファタハ議員たちは廃止の採決前に抗議の退席をし、ハマスが目指すファタハとの連立政権の実現が困難になるとの見通しが強まっている。  ファタハがほぼ独占していた前議会は最後の審議となった先月13日、新議会を通過する法の適否を判断する憲法裁判所の判事任命権について、議会の承認を必要とせず全面的にアッバス議長に与えるという改正法案を可決した。ハマスがイスラム色の強い法案を可決した場合でも、ファタハに属するアッバス議長の息のかかった憲法裁で最終的に拒否することを狙っていた。  ハマスは6日の審議で、この議長権限強化法に加えて、ファタハがすでに採決していた議会や自治政府の人事なども廃止した。  ハマスは先月21日、新議会の比例代表名簿1位のハニヤ氏がアッバス議長から次期首相として組閣の要請を受け、ファタハなどに連立参加を求めている。  ファタハは、アッバス議長がハマスに要請しているイスラエルとの和平合意の尊重などを連立参加の条件としている。ハマスはこれらの要請を拒否する姿勢を示しており、ファタハの議員団は連立参加の拒否を決定。上部機関のファタハ革命評議会が7日にも対応を最終決定する予定だ。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0307/003.html *0307 イスラエル軍が過激派にミサイル攻撃、少年3人巻き添え [朝日] 2006年03月07日09時25分  イスラエル軍は6日、パレスチナ自治区ガザの住宅密集地で車をミサイル攻撃し、乗っていた過激派「イスラム聖戦」の活動家2人を殺害した。近くにいた8歳から15歳までの少年3人も爆発に巻き込まれて死亡、ほかに数人がけがをした。イスラム聖戦がイスラエル領へロケット弾攻撃などをしたことへの報復と見られる。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0307/001.html *0306 選挙参加批判のザワヒリ容疑者にハマスが反論 [読売]  【エルサレム=三井美奈】1月末のパレスチナ評議会選に初めて参加して勝利したイスラム原理主義組織ハマスの最高幹部メシャル氏は5日、滞在先のモスクワで、国際テロ組織アル・カーイダのナンバー2、ザワヒリ容疑者がハマスの選挙参加を非難したことについて、「我々は常にパレスチナ人のために行動している」と反論した。  メシャル氏はさらに「戦略転換をする際は、いつも事前に十分考慮している」と話し、武装闘争に専念するよう求めるザワヒリ容疑者の“お説教”をはねつけた。  ハマスはアル・カーイダと同様、欧米から「テロ組織」と位置づけられているが、アル・カーイダが親米諸国やキリスト教圏全体を敵視し無差別テロを行ってきたのに対し、ハマスはテロ標的をイスラエルに絞り、世俗勢力や欧米諸国との連携も排除しない点で、大きく路線が異なる。  ザワヒリ容疑者は4日の声明で、「パレスチナを売り渡した者どもと一緒に一つの議会に加わることは(イスラム教の聖典)コーランの道に反する」とハマスを批判していた。 (2006年3月6日11時10分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060306i202.htm *0303 支援金35億円を米国に返還 パレスチナ自治政府 [共同]  【ワシントン2日共同】ウェルチ米国務次官補(中東担当)は2日の下院外交委員会で、イスラム原理主義組織ハマス主導のパレスチナ自治政府発足を前に、自治政府が支援金3000万ドル(約35億円)を米国に返還したことを明らかにした。  ハマスをテロ組織に指定している米政府は、ハマスに圧力をかけ路線転換を促すため、ガザ地区のインフラ整備支援などに拠出した約5000万ドルを返すよう自治政府に求めていた。自治政府は残りについても、新政権発足までに返還するという。  次官補は「ハマスが政権の中にいようと外にいようと、われわれは支援してこなかったし、(今後も)支援しない」として「米国納税者のドルは彼らの手に渡らない」と強調した。 URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=intl&NWID=2006030301000500 *0227 イスラエル承認に条件付きで言及…ハニヤ氏が単独会見 [読売]  【エルサレム=三井美奈】パレスチナ自治政府の首相に指名されたイスラム原理主義組織ハマス幹部のイスマイル・ハニヤ氏(42)は26日、読売新聞との単独会見に応じ、「イスラエルが(将来の)パレスチナ国家の主権を尊重すると宣言すれば、共存に向けて話し合う用意がある」と言明した。  ハマスが設立憲章で掲げる「イスラエル殲滅(せんめつ)」の基本方針転換の用意があることを示したものだ。  ハニヤ氏は、イスラエル承認の条件として、同国による〈1〉1967年の第3次中東戦争で占領したヨルダン川西岸からの撤退〈2〉エルサレムを首都とするパレスチナ国家樹立の容認〈3〉収監中の政治犯釈放――をあげた。  ただ、イスラエルは現時点で、併合した東部を含むエルサレム全域を「不可分の首都」と位置づけており、ハニヤ氏の提案はイスラエル側の拒絶を見越した上で、政治的揺さぶりを狙った可能性もある。  また、日本について、米欧と異なり援助停止に慎重なことに謝意を示した上で、「中東和平に向けたどんな提案にも感謝する」と、和平プロセスへの貢献に期待感を表明。さらに、「第2次大戦後の占領から経済的復興を遂げた国。見習いたい」と述べ、社会基盤整備で日本政府の協力を得たいとの考えを示した。  ◆イスラエル承認=パレスチナ解放機構(PLO)は1988年、限定的な形でのパレスチナ国家の独立を宣言するとともに、イスラエルの生存権(国家の存在権)を容認。これが93年の暫定自治宣言(オスロ合意)に結びついた。一方、PLOに属さないハマスは、生存権を認めず、「パレスチナ全土の解放」を唱えている。 (2006年2月27日23時37分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060227i113.htm *0223 イラン、ハマスに財政支援約束 「米の抑圧に対抗」 [朝日] 2006年02月23日11時38分  イランのラリジャニ最高安全保障委員会(SNSC)事務局長は22日、同国を訪れているパレスチナのイスラム過激派ハマス政治部門幹部のメシャール氏と会談し、ハマスに財政支援をすることを約束した。イラン学生通信が伝えた。イスラエルの存在を認めないイランがハマスを支える意図が濃厚となった。  ラリジャニ氏は核交渉の最高責任者で、外交など国家意思の最高決定機関SNSCの仕切り役。1月のパレスチナ自治評議会(国会に相当)選挙で勝利し、組閣の検討を進めているハマスのメシャール氏に、「米国の抑圧に抵抗できるよう、間違いなく財政的支援をするだろう」と述べた。  ハマスがイスラエルを認めないまま政権を発足させれば、米欧はパレスチナ援助をやめる姿勢を見せている。その中でメシャール氏がイランを訪れたのは支援確保の意図が明らかだ。  同氏と20日夜に会談したアフマディネジャド・イラン大統領も「財政問題は気にするな」と話している。米欧は、停滞する中東和平プロセスに対し、イランがハマスを通じて影響力を及ぼすことを懸念している。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0223/012.html *0222 ハマスのハニヤ氏に組閣を要請 自治政府アッバス議長 [朝日] 2006年02月22日19時57分  パレスチナ自治政府のアッバス議長は21日、自治評議会(国会に相当)の過半数を握るイスラム過激派ハマスが首相候補に指名したイスマイル・ハニヤ氏に対し、正式に組閣を要請した。記者会見で同氏は、自治政府の旧主流派ファタハと連立協議を始める方針を確認したうえで、「ハマス指導部で組閣について検討し、できるだけ早く回答する」と述べた。  アッバス議長は21日夜(日本時間22日未明)、ハニヤ氏と会談して組閣要請の書簡を手渡した。議長は書簡の中でハマスに組閣を認める条件として、イスラエルとの過去の和平合意を尊重し、テロ行為など暴力をやめるよう求めた。  ハニヤ氏と議長との会談には、ファタハの議員団長アフメド氏も同席した。ハニヤ氏は記者団に「ファタハを含むできるだけ多くの党派を加えた連立政権を目指す」と明言した。ハマスとファタハの連立協議は22日に正式に始まった。  規定によれば、組閣要請を受けたハニヤ氏は今後、最高5週間以内の組閣を目指す。ただ、議長が示した条件や、連立のやり方などをめぐりハマス指導部がどう判断するかは依然不透明で、新政権発足に向けてはなお曲折する可能性がある。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0222/009.html *0221 ハマスがファタハ幹部と連立協議へ [朝日] 2006年02月21日19時40分  パレスチナ自治政府のアッバス議長は20日、ガザ市でイスラム過激派ハマスの幹部らと会談し、自治評議会(国会に相当)で過半数を握るハマスが首相候補に指名したハニヤ氏に対し組閣を要請することで合意した。イスラエルメディアによると、議長は同日、旧主流派ファタハの新政権参加について「まだ参加しないと決めていない」と含みのある発言をした。新政権への要求に応じればファタハが参加する可能性を示唆した発言とみられ、ファタハ参加の動向次第で情勢は大きく変わりそうだ。  これまで消極的な立場だったファタハが一転して参加するとすれば、ハマスはイスラエルとの過去の和平合意の尊重や暴力の停止を求められる。  アッバス議長が新評議会の招集日に演説で表明したもので、イスラエルや米国、欧州連合(EU)が援助継続の条件の一つとするイスラエルの存在の承認は含まれていない。過去の合意の尊重が間接的にイスラエルの存在を認めることになると解釈できるためだ。  ハマスはイスラエルの存在については認めない方針を繰り返している。しかし、対イスラエル交渉をファタハが担うような形で組閣し、ハマスが過去の合意尊重や暴力の停止を事実上認めたと解釈できるような対応をとれば、西側援助国の中でハマスを評価するところが出てくるだろう。  その場合、イスラエルと米が孤立する可能性がある。とくにイスラエルは、新内閣の行方を待たずに「ハマスが一部加わるだけでもテロ体制になり、いっさいの接触を断つ」(オルメルト首相代行)と、本来は自治政府のものである関税などの送金を停止した。  国連幹部やカーター元米大統領が批判しているが、イスラエルは3月末の総選挙に向けて国民に「弱腰」と映る対応をとりにくく、ジレンマに直面しそうだ。  ファタハが参加しなければ、ハマスは孤立する。西側援助国は過去の和平合意を尊重しないハマス中心の新内閣ができれば、援助継続の見直しをせざるを得ない。自治政府の財政は窮乏し、日々の暮らしに困る民衆がさらに増える。  また、イスラエルに対するテロが増加する恐れがある。イスラエル側は報復攻撃を強化すると同時に、大規模入植地を除くヨルダン川西岸から一方的な撤退を行い、独自の境界線を引くだろう。それは将来のパレスチナ国家に想定されている領土をかなり侵食するものになりそうだ。  境界画定後はパレスチナ側との交流を極度に制限し、パレスチナ経済はいっそう疲弊する。  アッバス議長はこんな状況を防ぐため、ハマス中心の組閣を認めないだろう。ハマスが再検討を拒否した場合、議長は暫定憲法にあたる基本法に基づいて評議会を解散し、やり直し選挙を強行する可能性がある。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0221/013.html *0220 ハマス首相候補、穏健派のハニヤ氏を擁立 [読売]  【エルサレム=三井美奈】先月末のパレスチナ評議会(国会に相当、132議席)選で74議席を獲得したイスラム原理主義組織ハマスは19日、穏健派の政治部門幹部イスマイル・ハニヤ氏を首相候補に擁立すると発表した。  アッバス自治政府議長による首相指名を経て、組閣に入る。  アッバス議長は19日、ガザ地区でハニヤ氏らハマス幹部と会談し、組閣に向けた協議を行う予定。議長は18日の評議会で、ハマスに組閣要請する方針を表明していた。  ハニヤ氏は40歳代前半で、ガザ市の難民キャンプ在住。元大学職員で弁舌に定評がある。穏健派の代表格で、オスロ合意(1993年のパレスチナ暫定自治宣言)に基づく選挙を拒否してきたハマスが一転して評議会選参加を決めたのは、ハニヤ氏の強い勧めがあったためとされる。  ハマスは穏健派中心の人事で各派参加の連立政府を樹立し、援助継続の条件として対イスラエル強硬路線の転換を迫る欧米の圧力を回避したい構えだ。  パレスチナ基本法によると、首相は議長による指名後、最大5週間以内に組閣し、内閣は評議会で過半数の賛成を得て承認される。 (2006年2月19日20時41分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060219i512.htm *0219 イスラエル軍が活動家ら4人殺害 [朝日] 2006年02月19日21時27分  イスラエル軍は19日早朝、パレスチナ自治区ガザ南部のイスラエルとの境界付近で空からミサイル攻撃し、イスラム過激派「民衆抵抗委員会」の活動家とされる2人を殺害した。  ロイター通信によると、ヨルダン川西岸北部のナブルス近郊の難民キャンプでは同日、投石してきた10代のパレスチナ人2人をイスラエル軍が射殺した。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0219/004.html *0219 イスラエル、自治政府への送金停止 ハマス主導に制裁 [朝日] 2006年02月19日21時41分  イスラエル政府は19日の閣議で、パレスチナ自治政府に対する制裁措置の発動を決めた。自治政府が事実上、イスラム過激派ハマスの主導する「テロ体制」に変わった、との理由。イスラエルが自治政府の代わりに徴収してきた毎月約5000万ドルの関税や消費税の送金を停止する。イスラエル国防省はガザからのパレスチナ人労働者の受け入れも禁止するよう提言していたが、これは見送られ、検問の強化にとどめられた。  オルメルト首相代行は「ハマスが一部でもかかわる自治政府とはいっさいの接触を断つ」と表明した。  本来パレスチナ自治政府のものである関税は、約15万人の自治政府職員の給与にあてられてきた。ハマスはアラブ諸国などに支援を求めている。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0219/009.html *0218 パレスチナ評議会招集、ハマスに組閣要請へ [読売]  【ラマッラ(ヨルダン川西岸)=三井美奈】先月末のパレスチナ評議会(国会に相当、定数132)選挙で、イスラム原理主義組織ハマスが大勝して以降、最初の評議会が18日、ラマッラで招集された。  アッバス自治政府議長は開幕演説で「ハマスは評議会の多数派であり、組閣を求められる」と述べ、ハマスに組閣を要請する方針を表明した。  この日は、初めに新議員の就任宣誓が行われ、ハマスが多数派を占める評議会がスタートした。  議長は組閣要請に加え、「オスロ合意(1993年のパレスチナ暫定自治宣言)の正統性に疑問の余地はない」とした上、「数十年にわたる闘争の果実は、和平交渉によって摘み取ることができる」と訴え、「イスラエルせん滅」を掲げるハマスに現実路線をとるよう求めた。  ただし、ハマスは評議会開会を迎えても従来の方針変更に動いていない。ハマスのアルル・マフムード議員は、「我々は政治、武力の両面でイスラエルと戦う。オスロ合意以降の10年以上何も変わらなかった」と語り、闘争路線の維持を訴えた。  評議会はこの日、地理学者でハマス穏健派の1人、アブデルアジズ・ドゥエイク議員を評議会議長に選出した。  首相候補には、ハマス政治部門幹部イスマイル・ハニヤ氏が最有力だ。ハマス報道担当は「数日内に我々の首相候補を発表する。腐敗の一掃と弱者重視の経済政策を目指す」と話した。  パレスチナ基本法によると、議長の指名を受けた首相は、最大5週間以内に組閣する。  この日の評議会は、イスラエルがハマス議員のヨルダン川西岸―ガザ地区間の移動を禁止しているため、ガザ市にある議場と中継ビデオで結んで行われた。議員のうち、ハマス幹部ら12人がイスラエルで収監されたままだ。  イスラエル政府はハマスに対して圧力をかけるため、19日に閣議を招集し、対応策を検討する。 (2006年2月18日23時45分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060218i313.htm *0218 米政府、ハマスに支援金5千万ドル返還を要求 [読売]  【ワシントン=坂元隆】米政府は17日、イスラム原理主義組織ハマスがパレスチナ自治政府の実権を握ることになったのを理由に、同政府に提供した5000万ドルの支援金を返還するよう要求していることを公表した。  マコーマック国務省報道官によると、返還を要求した支援金はイスラエル軍撤退後のガザ地区における社会基盤整備にあてる目的で2005年に供与。同報道官は返還要求の理由について、「支援金がイスラエルの生存権を認めないような(ハマス主導の)新パレスチナ政府の金庫に入りかねない」と述べた。パレスチナ側は返還に同意しているという。  ライス米国務長官は20日から中東を歴訪する予定だが、17日のアラブ系報道機関との会見で、「ハマスやハマス主導の政府への支援を検討している国は、そのような支援が中東にとってどのような意味合いを持つのか考えてほしい」と述べ、中東の国々に対してもハマス支援を取りやめるよう要請した。 (2006年2月18日10時55分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060218id02.htm *0218 米国:ブッシュの中東政策に懐疑心 ハマス台頭で危機感 [毎日]  【ワシントン笠原敏彦】ブッシュ米政権の中東民主化政策への懐疑心が米国内で強まっている。選挙によるパレスチナでのイスラム原理主義組織ハマスの台頭などに危機感が広がっているもので、下院外交委のハイド委員長(共和党)は16日、「世界を米国のイメージで作り変える」という超大国の「おごり」に言及し、警告を発した。  ハイド委員長はライス国務長官が出席した公聴会で、「米国の巨大なパワーは机上の外交アプローチを可能にしている」とした上で、「一部の人たちには、民主化が多くの問題で容易な解決を約束しているかのようだが、慎重さが必要だ。世界を米国のイメージで作り変えられると見るべきではない」と訴えた。  米国は先月末のパレスチナ評議会選挙で予定通りの実施を強く求めた。しかし、その結果は予想外であり、ライス長官は「パレスチナ住民の動向をつかむ十分な感覚がなかった」と率直に認めている。「ハマス・ショック」が露呈したのは、ブッシュ政権の民主化路線がどれだけの中東情勢の把握の上に成り立っているのかという疑問だ。  中東政策に詳しい米議会筋は「ハマスの勝利は米国の中東民主化への強い逆風になった。選挙の実施で各国に圧力をかける前に、民主化を支える市民社会の基盤強化を目指すことが優先課題だ」と問題点を指摘する。 毎日新聞 2006年2月18日 9時40分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060218k0000e030017000c.html *0217 イスラエル、強硬策検討 ハマス主導、議会に備え [朝日] 2006年02月17日21時36分  イスラエル政府は17日、イスラム過激派ハマスが過半数を握るパレスチナ自治評議会(国会に相当)が18日に初招集されるのに備え、対抗策の検討を始めた。国防省などから送金停止や労働者の受け入れ禁止などが提言されており、実施されればパレスチナの経済に大きな打撃を与える恐れが強い。  イスラエルはハマスが同国の存在を認めるとともに、武装組織を解体し、過去の和平合意を尊重するよう求めている。オルメルト首相代行は17日の会議で、最終決定を19日まで先送りした。影響に対する国内外の批判に配慮したとみられる。  ハマス側がイスラエルの条件を受け入れる可能性は低いが、イスラエル政府は「受け入れなければ、議会の発足と同時にパレスチナ自治区全体がテロリストの支配地域になる」として、いっさいの関係を断つという強硬な姿勢を示している。  国防省は16日、パレスチナを占領するイスラエルが代理で徴収している関税や消費税などの送金停止▽イスラエルに働きにくるパレスチナ人労働者の受け入れ禁止▽ガザの空港、港湾の建設禁止――などをオルメルト首相代行に提言した。  このうち送金停止は、自治政府の年間予算の3分の1近くを占める5億ドルがなくなることになり、最も影響が大きい。この資金は約15万人の自治政府職員の給与に使われている。労働者の受け入れはすでに制限が強められているが、それでも毎月数千人の職を奪うことになる。  イスラエル政府は「国際機関や非政府組織(NGO)を通じた人道援助は妨害しない」としている。同国の報道によると、バイスグラス首相府特別顧問は「パレスチナ人を飢えさせはせず、やせさせることにとどめるダイエット策だ」と述べた。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0217/012.html *パレスチナ:ファタハとの連立に自信 ハマス最高幹部 [毎日]  パレスチナ評議会選で圧勝したイスラム原理主義組織ハマスの最高幹部マシャル氏は7日、カイロでアラブ連盟のムーサ事務局長らと会談、対イスラエル強硬姿勢を維持したまま、パレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハなどとの連立政権樹立にあらためて自信を示した。  AP通信によると、マシャル氏は記者団に対し、イスラエルに対する抵抗運動を継続するとした上で、組閣に向け「パレスチナ各派と対話し、柔軟性を示すつもりだ」と述べた。  マシャル氏はムバラク大統領の側近とも会談。ハマスの対イスラエル姿勢について「エジプト側から何の条件も付けられなかった」と強調した。(カイロ共同) 毎日新聞 2006年2月8日 22時18分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060209k0000m030122000c.html *3入植地の存続、イスラエル首相代行が表明 [朝日] 2006年02月08日23時18分  イスラエルのオルメルト首相代行は7日夜の民間テレビのインタビュー番組で、将来のパレスチナ国家の領土に想定されているヨルダン川西岸から撤退する場合、三つの大規模入植地をイスラエル領として存続させる意向を表明した。マーレアドミムとアリエル、細かな入植地群でつくるグッシュ・エツィオンで、人口は計8万人を超える。西岸全域には100カ所を超す入植地があるが、小さなものは撤退する方針と見られる。  また、エルサレムについては67年の第3次中東戦争で占領した東側を含めてイスラエル領とする意向も示した。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0208/017.html *「イスラエルを承認せず」ハマス幹部、強硬姿勢崩さず [朝日] 2006年02月08日22時03分  パレスチナ評議会選挙に圧勝し、政権協議のためエジプトを訪問中のイスラム過激派ハマス政治部門の最高幹部の一人メシャール氏は8日、カイロ市内で会見し、「イスラエルを承認しない」と述べ、イスラエルに対する強硬姿勢を崩さない方針を示した。  メシャール氏は「権力の座にあることと、占領に抵抗することは矛盾しない」と語り、イスラエルの「占領地からの撤退」を改めて求めた。政権協議については、ファタハなど各派との連立を探っているとして「アッバス議長に協力する用意がある」と述べた。  同氏は「占領地」の範囲については明言しなかった。ハマスはイスラエル全土を「占領地」と見なしているが、最近、ガザ地区とヨルダン川西岸地区から撤退すれば「長期停戦」もある、との態度も示している。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0208/016.html *ハマスへの圧力強化で一致 米イスラエル外相会談 [共同]  【ワシントン8日共同】ライス米国務長官は8日、訪米したイスラエルのリブニ外相と会談、先のパレスチナ評議会選で圧勝したイスラム原理主義組織ハマスに対し、イスラエルの生存権を認め、暴力を放棄するよう圧力を強化することで一致した。  同選挙後、初めて行われた外相会談で、両国はハマスに対する強硬姿勢を堅持、現状のままではハマス主導のパレスチナ内閣ができた場合でも、交渉相手として認めないことも再確認した。  会談後の共同記者会見で、リブニ外相はハマスという「テロ組織」がパレスチナ自治政府を率いることになれば、「自治政府はテロ政府になってしまう」と強調。テロ政府に対しては、制裁など国際社会の厳しい措置が待ち受けていると述べ、ハマスを孤立化に追い込む決意を示した。 URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=intl&NWID=2006020901000365 *イスラエル軍、ガザに3日連続のミサイル攻撃 [朝日] 2006年02月08日10時23分  イスラエル軍は7日、パレスチナ自治区ガザで空からミサイル攻撃し、車に乗っていた自治政府の旧主流派ファタハの軍事部門活動家2人を殺害した。いずれもイスラエル領へのロケット攻撃に加わっていたとしている。同軍によるガザへのミサイル攻撃は3日連続で、計9人が死亡した。  イスラエル人女性が5日にテルアビブ郊外で乗り合いタクシーの中でパレスチナ人に刺殺され、3日にはガザ北部との境界にあるイスラエルの町にロケット砲弾が撃たれて数人が負傷したことへの報復だという。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0208/008.html *ハマス幹部「日本、援助継続を保証」 日本側は否定 [朝日] 2006年02月06日22時38分  パレスチナ自治評議会(国会に相当)選挙でイスラム過激派ハマスが圧勝し、欧米各国がパレスチナへの援助凍結を検討するなかで、ハマスが「日本は援助の継続を保証した」としきりに繰り返している。日本側は「保証したことはない」と否定するが、発言は独り歩き。パレスチナの民衆の間で「日本株」が上がる一方となっている。  パレスチナでは、欧米の態度について「自由で公正な民主的選挙を実現したのに、勝者が気に入らないからといって援助を凍結するのは不当だ」との反発が広がっている。  ハマスのスポークスマンのアブズフリ氏は2日、ガザで朝日新聞記者と会見し、「日本政府から第三者を通じて、援助を続けるとの保証を受けた」と言明した。  3日にはガザで開かれた選挙勝利祝賀会で、比例名簿1位のハニヤ氏が「アジアや欧州の国の中で援助継続を伝えてきているところがある」と述べ、具体例として日本の名だけを挙げた。会場の空き地に集まった約4万人の支持者からは盛大な拍手がわき起こった。  在イスラエル日本大使館の水内龍太公使は「(ハマス勝利後の新たな事態への)対応は検討中であり、何も決まっていない」としている。欧米に次ぐ規模の援助をしている日本の名を利用して、ハマスが欧米を牽制(けんせい)するための「情報戦」を仕掛けているのではないか、との見方も出ている。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0206/014.html *イスラエル軍が選挙後初のミサイル攻撃 活動家3人殺害 [朝日] 2006年02月05日21時36分  イスラエル軍は5日未明、パレスチナ自治区ガザで車や建物に対し空からミサイル攻撃を行い、自治政府旧主流派ファタハの軍事部門「アルアクサー殉教者軍団」の活動家だとするパレスチナ人3人を殺害した。ミサイル攻撃は先月25日の自治評議会の選挙後初めて。  3日にガザ北部からイスラエル領にロケット攻撃があり、イスラエル人数人が負傷したことへの報復と見られる。過激派イスラム聖戦が犯行声明を出している。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0205/005.html *16日評議会開催で合意 議長とハマス幹部が初会談 [共同]  【ガザ市5日共同】パレスチナ自治政府のアッバス議長は4日、ガザ市の議長府で、1月の評議会(議会)選挙で第1党となったイスラム原理主義組織ハマスの最高幹部ザハル氏、有力指導者ハニヤ氏らと会談。ハニヤ氏によると、選挙後初の評議会を16日に開催することで合意した。  選挙後、議長とハマス幹部が会談するのは初めて。議長はハマスに対し組閣要請する方針を明らかにしているが、この日の会談では要請に至らなかった。  ハニヤ氏は会談後の記者会見で、評議会後に首相候補を指名すると言明、「政治的空白を生まないために組閣を急ぐ」と述べた。ザハル氏はロイター通信に対し、今月中に組閣できるとの見通しを示した。 URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=intl&NWID=2006020501000129 *イスラエル:違法入植地撤去 ハマス勝利後も変わらず [毎日] 【アモナ(ヨルダン川西岸)樋口直樹】中道系新党カディマ率いるイスラエル政府が、占領地ヨルダン川西岸で政府未承認入植地の撤去に乗り出した。パレスチナ評議会選挙で対イスラエル最強硬派のイスラム原理主義組織ハマスが大勝した後も、米欧主導の新中東和平案ロードマップに基づく和平努力に変化のないことをアピールしつつ、有利な国境策定に結びつける狙いがあるとみられる。  違法入植地の撤去は1日、西岸中部アモナで始まった。パレスチナ人居住地近くの丘の上で暮らす宗教右派のユダヤ人家族数世帯は、政府の退去命令を無視し、応援に駆けつけた若者中心の入植者ら数千人と建物などに立てこもった。警官隊と激しく衝突し、双方に200人近い負傷者を出した末に、すべての違法建築物が取り壊された。  違法入植地の撤去は昨年夏のガザ地区撤退以来初めて。政府未承認の小規模入植地は他にも20カ所以上あり、ロードマップはイスラエルにすべての撤去を求めている。  小規模入植地の撤去を前提とする西岸からの撤退には、宗教右派を中心に反対論もある。しかし、世論の大半は治安維持のためには占領地から撤退し、分離壁の建設によってパレスチナ人居住地を分離する政策が必要だと考えている。  占領地からの撤退と引き換えに有利な国境策定を目指すことが、脳卒中に倒れたシャロン首相の考え方であり、オルメルト首相代行にも引き継がれた。2日付のイスラエル紙ハーレツによると、ハマス大勝後も、カディマ支持の世論に変化はなく、同党は3月に予定される総選挙(定数120)で43議席を得て第1党に躍進する勢いをみせている。 毎日新聞 2006年2月2日 19時39分 (最終更新時間 2月2日 23時19分) URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060203k0000m030080000c.html *シャロン首相、政界引退 総選挙候補者名簿から除外 [共同]  【エルサレム1日共同】イスラエルのシャロン首相が昨年11月に結成した新党、カディマは1月31日、3月に予定されている総選挙の候補者名簿を発表、重体が続くシャロン首相は登録されず、政界からの引退が事実上決定的となった。  首相は脳出血で緊急手術を受け、差し迫った生命の危険は脱したものの、昏睡(こんすい)状態のまま。立候補に必要な文書への署名が不可能なため、カディマの党首代行を務めるオルメルト首相代行が比例名簿から除外することを決めた。  カディマはこれまで、病状の回復状況によっては、国民的人気の高いシャロン氏を党の候補者名簿の第1位に据えることを検討していた。 URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=intl&NWID=2006020101000372 *ハマスの非暴力を条件に パレスチナ援助巡り4者協議 [朝日] 2006年01月31日11時36分  パレスチナ自治評議会の選挙でイスラム過激派ハマスが大勝したのを受けて、米国、欧州連合(EU)、ロシア、国連でつくる中東和平4者協議(カルテット)が30日、ロンドンで会合を開いた。4者はハマスに対し、非暴力への路線転換などを要求。これがない場合に今後の対パレスチナ援助を削減する可能性を表明した。  アナン国連事務総長は同日の記者会見で「新しいパレスチナ自治政府が非暴力の原則を実行し、イスラエルを容認し、中東和平構想ロードマップ(行程表)を含むこれまでの合意や義務を果たさなければ、4者は今後の援助を見直すことが不可避だと結論づけた」との声明を読み上げた。  声明では、ハマスに対する「武装解除」ではなく「非暴力の実行」との表現を使用。対イスラエル武装組織から政治組織への転換を促す姿勢を示した。また、イスラエルの容認も「即時」という条件は設けず、ハマス側に検討の余地を与える配慮がうかがえる。  会見に同席したライス米国務長官は「パレスチナの人々の健康を深く憂慮する」と語り、4者の合意が民衆ではなくハマスに向けられていることを強調。EUのソラナ共通外交・安全保障上級代表は「(声明で提示した)条件を満たせば、EUはパレスチナ経済と民主的な国家建設を支援し続ける」と語った。  これに対してハマス側は「要求はパレスチナ人のためでなく、イスラエルの利益になる」として、拒否する姿勢を表明した。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0131/002.html *米国務長官、パレスチナへの援助認めない [朝日] 2006年01月30日23時41分  ライス米国務長官は29日、パレスチナの自治評議会議員選挙でイスラム過激派ハマスが大勝したことを受けて、自治政府に対する援助は認められないとの考えを明確に示した。  AP通信によると、同長官は英国に向かう機中で「米国は、イスラエルの破壊や暴力的手段を提唱し、義務を拒絶するような組織を財政支援する用意はない」と述べた。人道的支援の必要性については「あらゆる側面を見直ししなければならないが、基本線としては、政権に就いただけでこうした組織を支援はできない」と述べ、緊急性のあるものだけを継続する見通しを示した。  米国のパレスチナ支援の大半はすでに条件付きで、国際機関や非政府組織(NGO)を通じて実施されている。  同長官は「ハマスが政権を運営したいのなら、自分たちの約束が何を意味するのか、直面させることが重要だ」と述べ、ハマスが武装闘争路線を放棄し、イスラエルの存在を容認するまで米国は接触せず、圧力をかける方針を強調した。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0130/014.html *国際社会と協調も ハマス最高指導者が表明 [赤旗]  【カイロ=小泉大介】パレスチナ評議会選挙で圧勝した武装抵抗組織ハマスの最高指導者、ハリド・マシャール氏は二十八日、活動拠点にしているシリアのダマスカスで記者会見し、武装解除を拒否する一方で、国際社会と協調する姿勢も示しました。  同氏は、イスラエルや米国などが要求している武装解除に関し、「占領下にある限り、抵抗は正当な権利だ」とし、これを拒否する意思を明確にしました。さらに「各国が持つのと同様な、攻撃から人民を守る軍隊を組織したい」とし、ハマスの軍事部門を含む「パレスチナ軍」創設の意向に言及しました。  一方で同氏は「われわれはイスラエルを認めていないが、それは現実を無視するとか、イスラエルとの平穏状態(停戦)がないことを意味しない」と述べ、対イスラエル政策での現実的対応姿勢を表明。また「早急に(腐敗撲滅などの)改革を実行する。もし欧州諸国や米国が望むなら、彼らとともに働く用意がある」と述べ、国際社会との協調にも前向きな立場を明らかにしました。  焦点となっている自治政府の組閣に関し同氏は先に、選挙で大幅後退したパレスチナ解放機構(PLO)主流派組織ファタハとの連立を希望。しかしファタハ幹部から連立を否定する見解が相次ぎ出るなか、二十八日の会見では、組閣に数週間から数カ月かかるとし、容易ではないとの認識を示しました。 URL:http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-01-30/2006013007_01_0.html *エジプト仲介で会談か アッバス議長とハマス幹部 [共同]  【エルサレム31日共同】イスラエル紙エルサレム・ポスト(電子版)は30日、パレスチナ自治政府のアッバス議長が近くカイロで、エジプトの仲介によりシリア在住のイスラム原理主義組織ハマス最高幹部マシャル氏と会談する見通しだと伝えた。  議長は30日の記者会見で、ハマス指導部と2週間以内に組閣をめぐり協議すると述べた。議長は31日、ヨルダンでアブドラ国王と会談後にエジプトを訪れる予定で、この機会を利用してマシャル氏と会談する可能性がある。  25日のパレスチナ評議会選挙でハマスが圧勝した後、アッバス議長がハマス幹部と会談するのは初めて。AP通信によると、イスラエルのリブニ外相も2月1日、カイロを訪問しエジプト政府当局者との会談を予定している。 URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=intl&NWID=2006013101000365 *アッバス議長、独首相にハマスとの組閣協議入りを表明 [読売]  【エルサレム=三井美奈】パレスチナ自治政府のアッバス議長は30日、ヨルダン川西岸ラマッラで中東歴訪中のメルケル独首相と会談した。  会談後の記者会見で、アッバス議長は、イスラム原理主義組織ハマス指導部と2週間以内に組閣協議に入ることを明らかにした。  議長が率いるパレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハ内部では、指導部に対し、25日のパレスチナ評議会選で敗北した責任を問う声が高まっているが、議長は辞任の考えはないことを強調した。  一方、メルケル首相は、「暴力を支持する政府は認められない」と述べ、評議会選で勝利したハマスが武装放棄しない限り、ハマス主導の自治政府とは接触しない考えを示した。首相は、評議会選後、欧米首脳として初めてパレスチナを訪問した。 (2006年1月31日1時33分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060130id21.htm *アッバス議長:国際社会の支援継続を要請 独首相と会談 [毎日]  【ラマラ(ヨルダン川西岸)樋口直樹】アッバス・パレスチナ自治政府議長は30日、ヨルダン川西岸ラマラでメルケル独首相と会談した。会談後の記者会見で議長は自治政府としての対イスラエル和平方針は変わらない点を強調し、国際社会からの支援継続を要請した。  アッバス議長は「我々には今でもイスラエルと和平のテーブルにつく用意がある。パレスチナ独立国家の建設によるイスラエルとの2国平和共存を目指す立場に変わりはない」と表明した。また、議長は2週間以内にハマス指導部と組閣について話し合うと述べた。  25日のパレスチナ評議会選挙でハマスが大勝して以降、アッバス議長が外国首脳と会談したのは初めて。 毎日新聞 2006年1月31日 0時54分 (最終更新時間 1月31日 0時57分) URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060131k0000m030157000c.html *ハマス74議席、ファタハ45議席 パレスチナ選確定 [朝日] 2006年01月30日22時08分  パレスチナ自治区の選挙管理委員会は29日、自治評議会(国会に相当、定数132)の選挙の最終確定結果を発表し、イスラム過激派ハマスは74議席、自治政府の主流派だったファタハは45議席となった。26日の中間集計からハマスが2議席減り、ファタハがその分増えた。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0130/012.html *パレスチナ:73%がハマスの方針転換望む 世論調査 [毎日]  中東の衛星テレビ、アルジャジーラ(電子版)によると、パレスチナの世論調査機関は30日、世論調査結果を公表し、評議会選で圧勝したイスラム原理主義組織ハマスに対し、イスラエル破壊の基本方針を変えるべきだと考えている住民が73%に上ることが分かった。  調査はヨルダン川西岸とガザ地区の1200人を対象に行われたという。(エルサレム共同) 毎日新聞 2006年1月30日 23時44分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060131k0000m030141000c.html *独首相:ハマスとの対話拒否 イスラエル訪問 [毎日]  【エルサレム樋口直樹】ドイツのメルケル首相は29日、イスラエルを訪問、オルメルト首相代行と会談した。メルケル首相は先のパレスチナ評議会選挙で大勝したイスラム原理主義組織ハマスについて、「イスラエルの生存権を認めない限り対話を行わない」と言明した。首相は30日にヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ラマラでアッバス議長と会談するが、ハマス関係者とは会わない方針。  25日の評議会選挙以降、イスラエルを訪問した外国要人はメルケル首相が初めて。会談後の共同会見でオルメルト首相代行は「テロを行い、イスラエルの存在を受け入れない組織から成る政府と交渉すべきではない、との点で合意した」と語った。メルケル首相はドイツや欧州連合(EU)にとってハマス主導のパレスチナ自治政府への財政支援は「考えられない」と述べた。  また、メルケル首相はイランの核開発問題について、「イスラエルだけでなく、民主主義世界全体に対する脅威だ」と指摘、「ドイツは国際的な反対強化を促進する」と述べた。 毎日新聞 2006年1月30日 10時01分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060130k0000e030014000c.html *ハマス勝利:柔軟対応を求める声…周辺アラブ諸国 [毎日]  【エルサレム高橋宗男】アラブ連盟(22カ国・機構)のムーサ事務局長は27日、スイスのダボスで行われている世界経済フォーラム年次会合で、「パレスチナ新政府は(条件つきで対イスラエル和平を認めた)ベイルート宣言を受け入れなければならない」と述べた。AFP通信が伝えた。同宣言は02年3月にアラブ首脳会議が採択。イスラエルの占領地からの撤退や、東エルサレムを首都とするパレスチナ国家の樹立などを条件に、アラブ諸国がイスラエルと正常な関係を結ぶ和平案を盛り込んでいる。  また27日付エジプト紙アルアハラムによると、同国のムバラク大統領はアッバス自治政府議長に電話し、パレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハとハマスが和平実現に向けて協力する必要性を強調した。ヨルダンのアブドラ国王も和平交渉の早期再開を求めたという。  ハマスの勝利で周辺アラブ諸国の指導者が、今後の和平交渉への懸念からハマスに柔軟な対応を求める声を上げ始めたようだ。 毎日新聞 2006年1月28日 11時24分 (最終更新時間 1月28日 11時26分) URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060128k0000e030035000c.html *パレスチナへ援助:ハマスが新政権樹立なら見直し 米国 [毎日]  【ワシントン笠原敏彦】米国務省のマコーマック報道官は27日、パレスチナ評議会選挙で第1党になったイスラム原理主義組織ハマスが新政権を樹立した場合、パレスチナへの援助を全面的に見直す方針を表明した。米国は「援助見直し」を圧力に、ハマスに対イスラエル武装闘争の放棄を促したいが、援助削減はパレスチナ住民の困窮と反米感情を強めかねないだけに、難しい選択を迫られそうだ。  同報道官は会見で「ハマス政権が誕生すれば、すべての援助計画を我々の政策と法律に基づいて見直さねばならなくなる。パレスチナ住民が貧しく人道的な必要性があることは理解しているが、我々はテロ組織に資金を提供しない」と説明した。しかし具体的な削減の見通しには触れなかった。  米国がテロ組織に指定するハマスが政権を握れば、法的に自治政府への直接支援には規制がかかる。しかし、現地で人道援助活動を行う非政府組織(NGO)への支援など、法的な「抜け道」は存在する。  米国が援助削減に踏み切れば、代わりにイランが支援を強化し、パレスチナへの影響力を強めることも懸念される。また民主的な選挙でハマスを選んだパレスチナ住民への「制裁」とも解釈されかねないだけに、米国の戦略的判断が問われる。  国務省によると、06年度の米国の対パレスチナ援助は計2億3400万ドルが計上されている。 毎日新聞 2006年1月28日 11時15分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060128k0000e030033000c.html *ハマス「連立」へ意欲、ファタハ取り込み狙う [読売]  【エルサレム=三井美奈】パレスチナ評議会(国会に相当、定数132)選で、イスラム原理主義組織ハマスが過半数議席を獲得したのを受け、自治政府のアッバス議長は27日、ハマスに組閣を命じる意向を明らかにした。  ハマスは、他党との連立政権樹立に意欲を見せており、連立をめぐる駆け引きが本格化した。  ハマスでは、政治部門指導者ハレド・メシャル氏も26日、連立を組みたいとの意向を表明。ハマス幹部で有力首相候補のイスマイル・ハニヤ氏は同日、ロイター通信に対し、「2日以内にアッバス議長とガザで(組閣について)話し合う予定だ」と述べた。  ハマスが連立に意欲的な背景には、欧米諸国がハマスをテロ組織と見なし接触を制限する姿勢を示していることなどから、ハマス単独での政権運営は困難との判断があると見られる。  実際、閣僚ポストについて、ハマスの得意とする民生部門は自らが握り、外交はファタハに任せるのではないか、といった観測も浮上している。  一方、ファタハは、「野党として党を再建する」(自治政府交渉責任者のサエブ・エレカト氏)と現段階では政権参加を否定している。ただ、政権離脱によって利権を喪失したくないと考えるグループもいると伝えられる。 (2006年1月27日22時53分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060127id23.htm *ハマス、武装解除拒否 連立呼び掛け、統一軍も [共同]  【エルサレム28日共同】パレスチナ評議会選で圧勝したイスラム原理主義組織ハマスの幹部ハニヤ氏は28日、ロイター通信に「国際社会の脅迫に屈しない」と述べ、米国などが求める武装解除を拒否する姿勢を強調。最高幹部マシャル氏はダマスカスで会見し、パレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハなど各派を「パートナー」として、連立政権づくりを目指すほか、治安機関や各武装組織を束ねた「軍」を設立したいとの考えを示した。  最高幹部の発言で、連立への流れが加速しそうだが、ハマス、ファタハとも組織内に連立賛成、反対の両派がおり、組閣の行方はまだ不透明。ハマス幹部があくまでも武器を捨てない姿勢を明確にしたことで、米国やイスラエルとの緊張が一層高まるのは必至だ。 URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=intl&NWID=2006012801003148 *米・EU・露・国連、武闘路線放棄を促す [読売]  【ワシントン=坂元隆】イスラム原理主義組織ハマスが圧勝したパレスチナ評議会選の結果を受け、中東和平案「ロードマップ(行程表)」を推進する米国、欧州連合(EU)、ロシア、国連の4者は声明を出し、選挙は「自由で公正だった」と評価した。  しかし、「武装闘争と民主主義国家建設の間には根本的な矛盾」があると指摘し、名指しを避けながらも、ハマスが対イスラエル武装闘争路線を放棄し、イスラエルの生存権を認めるよう促した。 (2006年1月27日12時23分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060127id01.htm *自治政府のアッバス議長、和平交渉に意欲を表明 [読売]  【ラマッラ=佐藤秀憲】パレスチナ自治政府のアッバス議長は26日夜、テレビ演説を行い、「(昨年の)議長選で掲げた公約を実行する決意だ」と述べ、イスラエルとの和平交渉に意欲を表明した。  一方、イスラエル政府は同夜、声明を出し、ハマス内閣との接触を拒否する姿勢を改めて示した。 (2006年1月27日12時23分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060127id02.htm *パレスチナ評議会選、ハマス過半数…闘争継続を表明 [読売] 【ラマッラ(ヨルダン川西岸パレスチナ自治区)=佐藤秀憲】25日投票が行われたパレスチナ評議会(国会に相当、定数132)議員選は、26日夜までの開票(開票率95%)の結果、初参加のイスラム原理主義組織ハマスが過半数の76議席を獲得し圧勝、第1党の座を確保した。  過去10年にわたり自治政府のかじ取りを担ってきたパレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハは43議席にとどまり、第2党に後退した。対イスラエル武装闘争路線を掲げるハマス政権の誕生が確実となり、和平プロセスの再開は当面絶望的となった。  イスラエルは、ハマスが武装闘争を放棄しない以上、和平交渉には応じない姿勢を明確にしている。  今選挙でハマスは、西岸ヘブロン(定数9)やガザ北部(定数5)で全議席を独占するなど、中選挙区枠(定数66)のうち46議席を獲得する圧倒的強さを発揮。ファタハは比例代表枠(同)で27議席と健闘したものの、中選挙区枠で大きく伸び悩んだ。第3党にはパレスチナ解放人民戦線(PFLP)3議席が続いた。投票率(暫定)は74・64%。  ハマスの幹部イスマイル・ハニヤ氏(比例選名簿1位)は26日夜、ガザ市内で記者会見し、「パレスチナ人の勝利だ。イスラム抵抗運動が認められた結果」と正式に勝利宣言。次期政権構想について、「ただちにアッバス自治政府議長、ファタハなどパレスチナ各派と、政権の構成について協議を始める」と、各派の参加を求める方針を示した。  選挙結果を受け、ファタハ中央委員会は同日、ハマス内閣が樹立された場合、政権には参加しないことを決めた。  ハニヤ氏は、今後の対イスラエル政策については「我々の地はまだ、占領されている。パレスチナ解放や難民帰還などの課題に全力で取り組む」と、対イスラエル闘争継続の意思を改めて表明した。  ハマスは、1987年に創設。PLOにも加わらず、93年のパレスチナ暫定自治宣言(オスロ合意)に反対の立場から、96年に行われた前回の選挙をボイコットした。 (2006年1月27日12時29分 読売新聞) URL:http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060127it02.htm *米大統領:ハマスは「和平のパートナー」にはならず [毎日]  【ワシントン笠原敏彦】ブッシュ米大統領は26日、ホワイトハウスで記者会見し、ハマスが勝利を確実にしたパレスチナ評議会選挙の結果について、「和平は決して死なない」と述べる一方で、ハマスは「和平のパートナー」にはならないと語った。中東和平への関与継続を表明しながらも、米国がテロ組織に指定するハマスとは交渉しない原則を確認したものだ。  ハマス主導の政権ができた場合、米国は極めて困難な対パレスチナ政策を強いられる。ハマスがイスラエルの生存権を認め、暴力を放棄しない限り、米国と交渉することは事実上不可能だ。米国は当面、アッバス議長との窓口を維持し、ハマスの出方を見守るとみられる。  またライス国務長官は同日、アッバス議長に電話し、選挙を実施した民主主義をたたえ「議長と(和平を追求する)議長の政策」への支援継続を約束した。選挙延期の機運が高まる中でも民主化促進の立場から「選挙は予定通り実施すべきだ」と表明してきただけに、選挙を評価することで原則を貫いた格好だ。しかし、ハマス勝利の選挙結果は民意を反映したものだけに、中東での民主主義の拡大政策が米国にとって「両刃の剣」であることを示した。 毎日新聞 2006年1月27日 1時36分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060127k0000m030156000c.html *パレスチナ評議会選:ハマス大躍進 和平プロセス危機に [毎日] 【ガザ市(パレスチナ自治区)樋口直樹】パレスチナ評議会選挙でイスラエルの存在を認めないイスラム原理主義組織ハマスが大躍進したことで、当事者間の相互承認に基づく現行の和平プロセスは最大の危機を迎えた。ハマスが新政権を主導し、これまでの強硬路線を維持しようとすれば国際社会からの孤立化は必至で、停滞する和平プロセスは一層の混迷に陥ることになる。  選管の公式発表を前にハマスが過半数の獲得を宣言すると、ヨルダン川西岸ラマラの自治政府議長府にファタハ幹部を乗せた車が続々と集まった。エラカトPLO交渉局長は「パレスチナの政治はこれまでとは全く違う局面に入ろうとしている」と述べ、ハマスの大躍進でパレスチナの政治地図が大きく塗り替えられ、従来の和平プロセスの枠組みが根本的に変化するとの見方を示した。  ハマス自身にも、評議会の過半数を単独で制するつもりはなかった。「ファタハに次ぐ第2勢力として、新政権に隠然たる影響力を行使するのが狙いだった」と地元ジャーナリストは分析する。綱領でイスラエルの存在自体を認めていないハマスが新政権を主導した場合、イスラエルや国際社会との間で避けることのできない交渉を前に、自らが抱える矛盾に直面することになるからだ。  「私たちはこれからどうなるのか。国際社会から『テロ国家』と呼ばれることになるのか……」。ガザ市の教師ヤヒヤさん(29)は、ハマス主導の新政権が誕生する可能性に戸惑いを隠さない。ファタハの支持者だったが、「腐敗したファタハに警告を与えるため」、今回の選挙ではハマスを支援した。「過半数を制するなんて考えもしなかった」という。  ◇国際社会の意向、無視はできず  ▽立山良司・防衛大学校教授の話 イスラム原理主義組織ハマスが過半数を占める議席を獲得する見通しとなった背景には、パレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハの腐敗体質や、ファタハを支持母体とするアッバス自治政府議長の指導力不足に対する批判の表れがある。パレスチナ住民の多くは、ハマスが掲げる「イスラエルせん滅」や和平交渉に応じない姿勢を支持してはいない。  ハマスが政権を握れば当面、和平の動きは中断するだろう。一定の現実路線を示したとしても、従来の方針を180度転換することはハマス自身にとっても容易でない。そうである以上、イスラエルも米国、欧州連合もハマス政権と公式に接触するわけにはいかない。  パレスチナは財政的に国際社会の支援に依存している。ハマスが政権をとっても国際社会の意向を無視するわけにはいかないだけに、極端な政策を取ることはできず、イスラエルとパレスチナが決定的に衝突する事態にはならないだろう。和平交渉が停滞する中、イスラエルは今後、「交渉相手がいない」としてヨルダン川西岸での分離壁建設を進め、一部入植地からの一方的な撤退を進めるのではないだろうか。【聞き手・前田英司】 毎日新聞 2006年1月26日 21時53分 (最終更新時間 1月27日 2時22分) URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060127k0000m030113000c.html *硬軟両様の選挙戦略 ハマス、民衆心理に訴え [共同]  【エルサレム24日共同】パレスチナ和平の今後を占う25日の評議会(議会)選を前に、初参加のイスラム原理主義組織ハマスが対イスラエルで硬軟両様の姿勢を見せている。占領への抵抗は強いが、停滞する和平交渉に活路を見出したい民衆の心理に訴えかける戦略だ。  カリスマ的な指導者、アラファト前自治政府議長の時代から政治を主導してきたパレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハに世論調査で互角の戦いを展開している背景には、ハマスのこうした選挙戦略もあるとみられる。  ハマス最高幹部の1人、ザハル氏は23日、イスラエルと将来、第三者を通じ交渉を行う可能性について言及した。 URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=KCH&PG=STORY&NGID=intl&NWID=2006012401000272 *ハマス入閣なら接触制限 米国務長官 [共同]  【ワシントン23日共同】ライス米国務長官は23日、記者団に、パレスチナ評議会(議会)選でイスラム原理主義組織ハマスが躍進し、パレスチナ自治政府に入閣した場合、米政府と自治政府との接触は大幅に制限せざるを得ないとの認識を示した。  米政府は、イスラエルの生存権を認めず武装闘争を続けるハマスを「テログループ」に指定、交渉を認めていない。  長官は、指定が当面変更されることはないとした上で、パレスチナ新和平案(ロードマップ)に基づくパレスチナ側の交渉相手は「平和の道」を約束する自治政府でなければならないと言明。ハマスが暴力を放棄しない限り、ハマスのメンバーが入閣する自治政府との交渉は困難になるとの見解を示した。 URL:http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=KCH&PG=STORY&NGID=intl&NWID=2006012401000360 *イスラエル:カディマ、オルメルト首相代行が党首代行に [毎日]  イスラエルの中道系新党カディマは16日、脳卒中で入院している党首のシャロン首相の代わりに、オルメルト首相代行を党首代行に指名した。右派政党リクードが連立政権を離脱、同党所属の4閣僚が辞任したことを受け、オルメルト首相代行は近く欠員状態の外相職などをカディマ内から指名する。【エルサレム支局】 毎日新聞 2006年1月16日 21時04分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060117k0000m030092000c.html *イスラエル:東エルサレムでの投票承認 評議会選挙 [毎日]  【エルサレム樋口直樹】今月25日のパレスチナ評議会(国会に相当)選挙を前に、イスラエル政府は15日の閣議で、占領地・東エルサレムでのパレスチナ住民の投票を正式承認した。これにより、評議会選挙が延期される可能性はほぼなくなった。だが、パレスチナ内部の権力争いを背景に治安情勢が悪化することも予想され、自由で公正な選挙の実現にはなお予断を許さない状況だ。  イスラエルは67年に東エルサレムを占領後、自国領に併合。東西エルサレムを「永遠不可分の首都」と定め、パレスチナ人の政治活動を拒否してきた。96年1月の前回の評議会選挙では東エルサレムでの投票を認めたが、今回の選挙に対イスラエル最強硬派のイスラム原理主義組織ハマスが参加したため、投票を認めない方針を示していた。  これに対し、東エルサレムを首都とする国家建設を目指すパレスチナ自治政府は、同地での投票実現を評議会選挙実施の条件に挙げている。  イスラエルは「中東の民主化」を標ぼうする米国の圧力などで、最終的に方針変更を余儀なくされたとみられるが、東エルサレムでのハマスの政治活動は認めない方針。評議会選挙は比例代表制と中選挙区制の組み合わせで行われるが、東エルサレムの住民がハマスの政党や候補者に投票できるかどうかは明確にされていない。  占領地ヨルダン川西岸のビルゼイト大学が先に行った世論調査によると、穏健派アッバス自治政府議長の支持母体であるパレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハの支持率は35%。ハマスは31%に追い上げている。このため、ハマスの躍進を恐れるファタハの一部勢力が武力行使によって選挙の延期を企てる可能性も予測されている。 毎日新聞 2006年1月15日 19時30分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060116k0000m030065000c.html *イスラエル:ポスト・シャロンで水面下の攻防始まる [毎日]  【エルサレム澤田克己】重度の脳卒中で深刻な容体にあるシャロン・イスラエル首相(77)の職務復帰が「不可能」との医師団の見解が示されたことを受けて、イスラエル政界ではポスト・シャロンへ向けた水面下の攻防が始まった。  首相代行を務めるオルメルト副首相(60)やモファズ国防相(57)、シャローム外相(47)、労働党のペレツ党首(53)らが新しい主役に躍り出る可能性もあるが、労働党を離党して新党カディマ支持に回っていたペレス元首相(82)や右派リクードを率いるネタニヤフ元首相(56)らも有力視されており、情勢は混とんとしている。  6日のイスラエル紙イディオト・アハロノトは、オルメルト氏やペレス氏がカディマを率いることになっても、同党が3月の総選挙(定数120)で40議席前後を獲得して第1党になり、労働党とリクードは10議席台にとどまるという緊急世論調査の結果を報じた。  95年に暗殺されたラビン元首相と並ぶ旧世代の代表格だったシャロン首相の退場で世代交代が一気に進むかと思われたが、カディマの指導者としてはペレス元首相の人気がもっとも高かった。  ただ、調査結果はシャロン首相に対する同情票という意味合いも強く、3月までこうした傾向が続くという見方は少ない。リクードや労働党は、カディマに移籍した離党組に対して復党するよう働き掛けを始めており、こうした切り崩し工作がどこまで奏功するかも焦点となっている。  一方、イスラエルのメディアによると、首相代行のオルメルト氏は5日、モファズ国防相らカディマ幹部と相次いで会談し、自身に対する支持を取り付けた。オルメルト氏は6日、カディマ支持を明言しつつも入党はしていないペレス元首相とも会談したが、ペレス氏は会談後、記者団に、オルメルト氏支持に回るかなど「政治的決断はまだ何もしていない」と語った。  政界の一部では、シャロン首相の退場でリクードのネタニヤフ元首相が漁夫の利を得ることになるとの観測も出ている。ただ、強硬派の元首相を嫌ってリクードからカディマへ流れた有権者が多いとして、リクードの党勢回復は難しいと見る専門家もいる。  労働党非主流派ながら昨年の党首選でペレス氏に勝ったペレツ氏は、富裕層中心だった党の支持層拡大を期待されているが、今のところ大幅な拡大には結び付いていない。 毎日新聞 2006年1月6日 22時25分 URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20060107k0000m030121000c.html *シャロン首相重体 中東和平、不透明に [朝日] 2006年01月05日22時59分  4日夜に大量の脳出血を起こして入院したイスラエルのシャロン首相(77)は、5日朝まで2度にわたる手術を受けた。出血は止まったが、重体とみられるという。イスラエル放送は「首相は生命の危機にある」と報じた。中東情勢をほぼ独断で動かしてきたシャロン氏が倒れたことで、和平プロセスの行方はさらに不透明になった。  エルサレムのハダッサ病院で手術を終えたシャロン首相は5日朝、集中治療室に移された。血圧や脈拍の数値は平常だという。モルヨセフ病院長によると、シャロン首相は同日午後も麻酔がかかった状態で、病院長は「脳圧を低く保つため、今後24時間はそのままの状態で人工呼吸を施す」と説明した。  イスラエル政府からは、内政の混乱を避けるためのメッセージが次々と出された。オルメルト首相代行は5日朝に緊急閣議を開き、「我々は国政を担い続ける」と述べた。首相と対立していた右派与党リクードの閣僚が近く辞任する予定だったが、リクードのネタニヤフ党首は同日朝「辞任を延期し、オルメルト首相代行を支える」と声明を出した。  AP通信によると、マズーズ検事総長は、3月28日に予定されている総選挙を「予定通り実施する」と言明した。  シャロン氏が昨年11月に結成した新党カディマは3月の総選挙に向けて優位を保っているが、首相個人の政党の色彩が強いため、首相の復帰が実現しない場合に支持が急速に落ち込む可能性がある。今後主導権を握るのが強硬派の右派リクードか、左派労働党かで、中東和平への取り組みは大きく変わると予想される。  ブッシュ米大統領は4日夜、「私と妻ローラは、シャロン首相の健康を気遣うイスラエル国民の思いを共有している」との声明を出した。 URL:http://www.asahi.com/international/update/0105/002.html *[[●パレスチナ・イスラエル05]] から続く

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