ansuke @Wiki 怪力おじさんからの手紙:第12話

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「はぁ、そんだか?あれがお世話になっだと?はぁ、ありがてことで」

家には90歳近い老婆がひとりだけ。大崎勇蔵の母親だった。

三人は、『工事現場の仕事で勇さんに大変お世話になった田村とその甥っ子』として居間へ通された。

「あれが人さ殺すだなじょ、はぁ、信ずらんねぇだか申すわけねぇだか分かんねけんじょも・・・」

「勇さんとは、どのくらい会っていないんですか?」

「刑務所さ入った後は、はぁ、一度も会っでね。東京さ行ったきりでねか・・・」

もう半ば諦めている調子で母親が言う。

「電話などは、されていないんですか?」

大崎勇蔵が実家へ電話をかけてることは知ってるはずだが、敢えて問うのか。

「かがってくる。だけんじょも、オラ足悪ぃから切れっちまうだ。ピーっとかいう音さ鳴った後は

話しかけてもまったく答ぇねぇ。勝手にしゃべってんだ」

そういって、留守番電話の再生ボタンをぷちっと押した。

(おおおお、がががが、ど、どん、ど、な、まままなが・・・そそそそ・・・)

最後までこの調子で吹き込まれていて、やがて切れる。

「おい、なじょした?すぃっかりしゃべれぇ」

留守録の息子に向かって話しかける母親。息子の声を聞くことはできても話すことができない。