シミュレーションのメニューに列挙される手法の数は100を超えていた。
Aコース。
首吊り、薬物、飛び込み、ガス、入水、といった一般的な手法が並んでいる。
Bコース。
爆死、焼身、餓死、電線接触…、
Cコース。
発狂死、憤死、切腹、打ち上げ花火、生コン粉砕機飛び込み…その他オリジナルメニュー応相談
。
一郎は、ありきたりのAコースを「話にならない」と読み流したあと、
なるべく派手で一風変わったものだけ目星をつけていった。
「切腹って、けっこう驚きそう」
「やってみますか」
「昼に校庭の真ん中でやってみたい。そりゃビックリだろうな!」
「介錯をつけると自殺幇助になってしまいます。戦国古式の作法になりますが」
「どんなの?」
「絶命するまで全て自力です。十文字に割った後、腸を引き出して掲げて見せ、最後に左胸を突きます」
「うわ、痛そうだなぁ…。まぁ、一回やってみる」
「では、早速やってみましょうか」
「明日の昼にやってもいい?校庭の真ん中で全校生徒に見られながらやってやりたいんだけど」
「ええ、結構ですともでは、設定はこんな感じでどうでしょう」