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2/いつか絶対泣いてやる 

 

「じゃあ、夫婦じゃないんだったら彼女ですかィ。」

「だぁーから、そんなんじゃないってば。」

 

昔の約束で、屈辱的にも銀ちゃんにパフェをおごっている所に沖田総悟という人がやってきて、

もう10分はたっただろうか。

銀ちゃんとあたしは、夫婦とか恋人とかそんな関係ではないのに

しつこくこんなことばっかり言ってくる。

 

いや、この人絶対Sだよ。

10分でも分かるよ。

この人Sだよ。

 

「あああ~、ごちそうさま。」

「ああ~!!もしかして銀ちゃん!!あたしに一口もくれずに全部食べた!?」

銀ちゃんは、お腹を叩いて満足そうに立ち上がった。

「お会計よろしく。」

「~~~っ!銀ちゃんのハゲっ!将来ハゲろっ!絶対ハゲろっ!」

あたしは銀ちゃんへの不満をぶつぶつ呟きながらお会計を済ませる。

ほら。銀ちゃんのせいで店員さんにも変な目で見られてるじゃないっ。

 

「ありがとうございました~!!」

 

ほんの数分前に店に入ってきたのに、もう出ちゃった。

銀ちゃんパフェ食べるの早っ。

ていうか、パフェ全然くれなかったし。

ちょっとでも期待したあたしがバカだったよ・・・。

 

「それじゃあ、旦那。俺はこれで。また土方コノヤローに怒られやすぜ。やれやれ、めんどくせー。」

総悟君ももう帰るのか。

何か江戸の人はせっかちなのかなあ?

でも、銀ちゃんが早いのは甘いもの食べるのだけだよね。

「おう。大串君によろしくな。あと、変態ゴリラにも。」

 

大串君?変態ゴリラ!?つーか変態のゴリラってどんなだよ!!

気持ち悪いよ!!

変態のゴリラとか・・・なんか想像したら気持ち悪いよ!!

 

「・・・だ・・・誰それ?」

 

「分かりやした。まかせてくだせぇ。旦那に女ができたってのも報告しときやす。」

「おいっ。あたしは無視なの?ていうか、だからそんなんじゃないんだってば!」

「そうそう。俺はもっと可愛くておしとやかなのが好みなの。」

「そうそう・・・って、何言ってんの。こんな可愛くておしとやかな女の子他にいる?」

「うわあ。こいつ自分で言っちゃったよ。」

何!?その哀れむ目は!?

何よ!あたしは可愛くなくておしとやかじゃないってか!

そう言いたいのか、銀ちゃんは!!

 

「っていうか、総悟君は何でここに来たの。結局何も食べてないよね?」

ふとそのことが疑問に思って、聞いてみた。

 

「何ででしょうねィ?不思議と引き込まれたんでさァ。アンタに。」

 

 

 

 

「ほぇ?」

 

 

 

 

あれ?今何か、変な声があたしから出たような。

いや、出てないよね?

いや、出た?

 

「何、変な声出してんだよ。」

 

あ、やっぱり出たんだ。

変な声。

 

「じゃあこのへんで。」

「おう。」

 

「えっ、ちょっ・・・ちょっと待ってよ、銀ちゃん!」

 

え!え!?

ちょちょちょっちょっと待ったァァ!!

―――不思議と引き込まれたんでさァ。アンタに。アンタに・・・アンタに・・・―――

って、どーいう意味だァァァ!!!

おいおいおいおい、ダメだあたし。

こんなことで動揺してたら。

そうだ、あたしこんなことあんまり言われたことないから・・・

うわァァァ!!

顔あつっ!!

「おい、何やってんだよ、日世璃。」

ハッ!!

 

目の前には、バイクに乗ってエンジンをかけている銀ちゃんがいた。

「あ、ごめん。」

銀ちゃんが不機嫌な顔をしていたので一応謝ってみた。

「早く帰るぞ。」

 

「う・うん…。」

 

なぜかテンションが下がり、あたしはバイクの後ろに素直にまたがった。

ゆっくりと、あたしと銀ちゃんを乗せたバイクが進み始める。

「日世璃、お前まさか、慣れないこと言われて動揺してんじゃねーの?」

銀ちゃんの馬鹿にするような小さい笑い声が聞こえてくる。

 

「・・・・・・そんなんじゃないよ。」

その銀ちゃんとは対照的にふてくされた子供のように答えるあたし。

 

そういえば、今までに総悟君みたいな言葉を銀ちゃんに言ってもらったことが、無い気がする。

あったかな?

ないよーな、あるよーな・・・

あるよーな、ないよーな・・・

 

「どうした?テンション下がってんじゃねーか。」

 

テンション下がってるのには気づくのに、その理由には気づかないんだね。

 

いっそ・・・・・・

 

「・・・泣いてやろーか・・・」

「あ?何か言ったか?」

 

バカだね、銀ちゃんは。

・・・あたしもだけど。

 

「ううん。何にもない。早く帰ろっ。新八と神楽ちゃんが待ってる。」