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<p>3/</p>
<p> </p>
<p>「たっだいまー。」</p>
<p>「あ、日世璃さん、おかえりなさい。」</p>
<p>「日世璃おかえりアルー。」</p>
<p>万事屋の玄関扉を開けると、ぴょんぴょんと効果音が聞こえそうな勢いで、</p>
<p>神楽と新八が走り寄ってくる。</p>
<p>2人ともかわいいなー。うさぎみたい。なんて思ってると銀ちゃんが不満そうに言った。</p>
<p> </p>
<p>「なんで2人ともおかえりの挨拶が、日世璃にだけなんですか。</p>
<p>おかしいだろ。この家の主は俺だっつーの。」</p>
<p>「日世璃ー、酢昆布ー!」</p>
<p>「ごめん、神楽ちゃん!酢昆布切れてた?」</p>
<p>「えー!!買ってきてないアルかー!?」</p>
<p>「ごめんごめん。今日は買い物じゃなくて、ちょっと散歩に行ってて・・・。」</p>
<p> </p>
<p>はは・・・。あの沖田総悟君っていったい何がしたかったんだろ?</p>
<p>無駄な時間過ごした気がする。</p>
<p>あんな無駄話してるんだったら、買い物行ってあげればよかったかな。</p>
<p> </p>
<p> </p>
<p>「おーい。なんかみんな俺の存在忘れてなーいー?」</p>
<p>「銀ちゃんは黙ってるアルよ!!」</p>
<p>「ひどっ!!神楽チャンひっどっっ!!」</p>
<p> </p>
<p>「神楽ちゃん。銀ちゃんイジメはそのぐらいにしとこーねー。銀ちゃん、ああ見えて天パだけど結構傷つきやすいから。」</p>
<p> </p>
<p>ハハ・・・。</p>
<p>神楽ちゃんの毒舌ぶりには、毎度感心するよ。</p>
<p>いや。さっきのはほんの序の口だけど。</p>
<p>「いや。日世璃さんも地味にひどいことを言ってる気が・・・」</p>
<p>そういう新八は、いつもみんなにひどいことを言われてる所為か、銀時の気持ちを察して、慰め役に回る。</p>
<p> </p>
<p>「銀さん。元気出してください!ほら、僕なんかよりずっとマシですよ!僕なんかメガネメガネって・・・」</p>
<p>「うるせェよ。メガネなんかに慰められたくねェっつーの。」</p>
<p>「ちょ・・・!?銀さん!?僕、銀さんの気持ちを思って・・・」</p>
<p>「はーい。晩御飯つくろーね。神楽ちゃん。」</p>
<p>「おう!味見ならまかせるヨロシ!」</p>
<p> </p>
<p>そんなこんなで、・・・・いや、そんなこんなって何だ。</p>
<p>・・・まあ、そんなこんなで。</p>
<p>万事屋では、ごく普通の当たり前の会話が続いた。</p>
<p>銀時は、主なのに無視され、新八は慰めに入るのに傷つけられ、女の2人がここでは1番強い。</p>
<p>いや、どこのお宅でもそうなのだろうか。</p>
<p> </p>
<p>「「「「いっっただっっきまーーーす!!!!」」」」</p>
<p>みんなで声を合わせて「いただきます」。</p>
<p>これ、万事屋のルール。</p>
<p>といっても、日世璃が江戸に来て居候みたいに万事屋に居座る前は、こんなことやっていなかったのだけれど。</p>
<p>だから、今でも、めずらしく日世璃が自分の家に帰っているときは、万事屋の面々は彼ららしく、個々に好きなように食べ始める。</p>
<p>しかし、何故だろうか、日世璃が江戸に引っ越して来てちょうど1カ月。</p>
<p>このルールは、すっかり習慣のようになってしまったのだ。</p>
<p> </p>
<p>「神楽ちゃん、今日はいつもより食べるね。」</p>
<p>「当たり前アル!」</p>
<p>「今日は久しぶりに仕事が入ってたんです。」</p>
<p>「へ~、めっずらしい~。」</p>
<p> </p>
<p>銀時たちは万事屋。</p>
<p>『金さえくれれば、何でもする。』</p>
<p>と言えば怖いように聞こえるかもしれないが、何しろ仕事なんか滅多に入ってこないし</p>
<p>入ってきたかと思えば、逃げた猫の捜索だとか、電球替えてくれだとか、</p>
<p>日世璃にしてみれば、よくそんなので生活してこれたなと思うものばかりである。</p>
<p>だが、時々本当に時々、危険な仕事も入ってくる・・・というか勝手に頭突っ込んでたり</p>
<p>巻き込まれたりが多いのかもしれないが・・・。</p>
<p>それが、日世璃には気がかりでしょうがないのだ。</p>
<p> </p>
<p>何しろ、バイト三昧で、銀時たちが今日は何の仕事をして帰ってきたのか、全く知る術もないのだ。</p>
<p> 知らないことを知りたがるのは人間の当たり前の行動で、</p>
<p>「何の仕事?」</p>
<p>と軽く質問してみるのはいつものこと。</p>
<p>そして隣にいる銀ちゃんから</p>
<p>「</p>
<p>3/</p>
<p> </p>
<p>「たっだいまー。」</p>
<p>「あ、日世璃さん、おかえりなさい。」</p>
<p>「日世璃おかえりアルー。」</p>
<p>万事屋の玄関扉を開けると、ぴょんぴょんと効果音が聞こえそうな勢いで、</p>
<p>神楽と新八が走り寄ってくる。</p>
<p>2人ともかわいいなー。うさぎみたい。なんて思ってると銀ちゃんが不満そうに言った。</p>
<p> </p>
<p>「なんで2人ともおかえりの挨拶が、日世璃にだけなんですか。</p>
<p>おかしいだろ。この家の主は俺だっつーの。」</p>
<p>「日世璃ー、酢昆布ー!」</p>
<p>「ごめん、神楽ちゃん!酢昆布切れてた?」</p>
<p>「えー!!買ってきてないアルかー!?」</p>
<p>「ごめんごめん。今日は買い物じゃなくて、ちょっと散歩に行ってて・・・。」</p>
<p> </p>
<p>はは・・・。あの沖田総悟君っていったい何がしたかったんだろ?</p>
<p>無駄な時間過ごした気がする。</p>
<p>あんな無駄話してるんだったら、買い物行ってあげればよかったかな。</p>
<p> </p>
<p> </p>
<p>「おーい。なんかみんな俺の存在忘れてなーいー?」</p>
<p>「銀ちゃんは黙ってるアルよ!!」</p>
<p>「ひどっ!!神楽チャンひっどっっ!!」</p>
<p> </p>
<p>「神楽ちゃん。銀ちゃんイジメはそのぐらいにしとこーねー。銀ちゃん、ああ見えて天パだけど結構傷つきやすいから。」</p>
<p> </p>
<p>ハハ・・・。</p>
<p>神楽ちゃんの毒舌ぶりには、毎度感心するよ。</p>
<p>いや。さっきのはほんの序の口だけど。</p>
<p>「いや。日世璃さんも地味にひどいことを言ってる気が・・・」</p>
<p>そういう新八は、いつもみんなにひどいことを言われてる所為か、銀時の気持ちを察して、慰め役に回る。</p>
<p> </p>
<p>「銀さん。元気出してください!ほら、僕なんかよりずっとマシですよ!僕なんかメガネメガネって・・・」</p>
<p>「うるせェよ。メガネなんかに慰められたくねェっつーの。」</p>
<p>「ちょ・・・!?銀さん!?僕、銀さんの気持ちを思って・・・」</p>
<p>「はーい。晩御飯つくろーね。神楽ちゃん。」</p>
<p>「おう!味見ならまかせるヨロシ!」</p>
<p> </p>
<p>そんなこんなで、・・・・いや、そんなこんなって何だ。</p>
<p>・・・まあ、そんなこんなで。</p>
<p>万事屋では、ごく普通の当たり前の会話が続いた。</p>
<p>銀時は、主なのに無視され、新八は慰めに入るのに傷つけられ、女の2人がここでは1番強い。</p>
<p>いや、どこのお宅でもそうなのだろうか。</p>
<p> </p>
<p>「「「「いっっただっっきまーーーす!!!!」」」」</p>
<p>みんなで声を合わせて「いただきます」。</p>
<p>これ、万事屋のルール。</p>
<p>といっても、日世璃が江戸に来て居候みたいに万事屋に居座る前は、こんなことやっていなかったのだけれど。</p>
<p>だから、今でも、めずらしく日世璃が自分の家に帰っているときは、万事屋の面々は彼ららしく、個々に好きなように食べ始める。</p>
<p>しかし、何故だろうか、日世璃が江戸に引っ越して来てちょうど1カ月。</p>
<p>このルールは、すっかり習慣のようになってしまったのだ。</p>
<p> </p>
<p>「神楽ちゃん、今日はいつもより食べるね。」</p>
<p>「当たり前アル!」</p>
<p>「今日は久しぶりに仕事が入ってたんです。」</p>
<p>「へ~、めっずらしい~。」</p>
<p> </p>
<p>銀時たちは万事屋。</p>
<p>『金さえくれれば、何でもする。』</p>
<p>と言えば怖いように聞こえるかもしれないが、何しろ仕事なんか滅多に入ってこないし</p>
<p>入ってきたかと思えば、逃げた猫の捜索だとか、電球替えてくれだとか、</p>
<p>日世璃にしてみれば、よくそんなので生活してこれたなと思うものばかりである。</p>
<p>だが、時々本当に時々、危険な仕事も入ってくる・・・というか勝手に頭突っ込んでたり</p>
<p>巻き込まれたりが多いのかもしれないが・・・。</p>
<p>それが、日世璃には気がかりでしょうがないのだ。</p>
<p> </p>
<p>何しろ、バイト三昧で、銀時たちが今日は何の仕事をして帰ってきたのか、全く知る術もないのだ。</p>
<p> 知らないことを知りたがるのは人間の当たり前の行動で、</p>
<p>「何の仕事?」</p>
<p>と軽く質問してみるのはいつものこと。</p>
<p>そして隣にいる銀ちゃんから</p>
<p>「あ?たいした仕事じゃねーよ。気にすんな。」</p>
<p>と返事が返ってくるのもいつものこと。</p>