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『TRICK or TREAT?』

どさっ…

事務所のリビングに、箱買いされた飴玉が置いてある。
今日は10/30。子供たちがお菓子を求めて彷徨い歩く日である。

「こら。それはお前の分じゃないの。」
箱の中に溢れかえる飴玉を食べたそうに見つめるステアに言った。
もともと飴玉を猫に食わせるほど飼い猫の健康に無頓着ではない。

去年のハロウィンの時。
ハロウィンなどすっかり忘れてしまっていた俺は、
当然のごとくお菓子など準備するわけも無く、ただいつものように
ステアを頭に乗っけながら読書をしていた。
玄関のベルがふとなったので出てみると、

「Trick or treat!」

という近所の子供たちの元気な声が飛び込んできた。
仕方なく何か無いかと探し、他に無かったので
ステアのおやつに買っておいた煮干をあげる事にした。
子供たちは若干不満そうな顔をしたものの、貰ってしまったのでは
いたずらする事も出来ず、しぶしぶと帰っていった。

しかし、大して準備していなかったがために煮干はきれてしまい、
けっきょく俺はサングラスをカラフルに染め上げられ、
ステアは三毛猫なんだか黒猫なんだか、
ともかく原型の白猫の姿はどこにもなくなっていた。

幸い、その後煮干をもう一袋見つけたためになんとかしのぐ事が出来た。
子供たちはやはり煮干一匹では不満そうな顔をしていたような気もするが、
きっと俺の気のせいだろう。

子供たちの来訪がおさまったあと、俺はサングラスをはずして
風呂場でステアを洗ってやった。
洗いながら、子供の頃田舎でやったハロウィンを思い出した。
死神の仮装をして、仲が良かった友達5,6人で町中を歩き回った。小さな村だったから、村の中で顔を知らない家なんて無い。
普段お菓子なんてたまにしか買わない俺にとっては、ポケット一杯に詰め込んだお菓子はまさに宝物だった。
絵の具を洗い落として白猫に戻ったステアを拭いてやり、

「ハロウィンなんて、どのくらいぶりだろう……。」

そう呟きながら、来年は…なんてことを考えていた。


もう既に、何人かの子供が来て、飴玉を貰っていった。
ステアの母親と飼い主も来て、一緒にお茶したりもした。
全員仮装の状態でお茶すると言う物凄い光景ではあったが。
俺は膝下まであるボロボロの黒のローブを着て、顔が見えるよう額の所に死神の仮面をつけた。
ステアにも、手作りの魔女の衣装を着せてやって、玄関のところで本を読んでいた。
とりあえず、去年のようにステアが新種の毛色を持った猫になってしまうのは避けなければならない。

そのために、飴玉を箱買いしてきたのだ。

箱の飴玉が8分目くらいまで減った時、屋根裏から降りてくる足音が響いた。
しばらくして、ローブに杖…あからさまに剣だが…を持った
ウィザード、つまり魔法使いの格好でシルファリオスが現れた。

「やべ、今日は確か噂のハロウィン!すっかり忘れてた、どっさり菓子貰ってくるぜッ!」
「オマエ、よくもまぁその年で菓子貰いにいけるな。」

少し呆れ気味に俺は言った。

「年だ?未成年だぜって。はなの18だぜ、なあ。」

そう言われればそうだ。シルファリオスと同年代のも何人かいたし、問題はないだろう。
箱から一つ飴玉を掴んでシルファリオスに放り投げると、其れを受け取り、ケチ臭ェな、と言って、さんきゅ、と付け足し、飛び出していった。
その後、騒がしい足音で起きたのか、さっきまでいつものようにロッキングチェアで居眠りしていたスフォルツァンドが玄関に来た。

「アル、その格好は……ああ、そういえば今日はハロウィンだったか。…己も仮装しようかな。」
「別にそのままで良いんじゃないか?魔法使いだって立派なハロウィンの仮装だぜ?」
「……だが、それではつまらないじゃないか。…確かヴァンパイアの衣装があったはずだな。」

なぜスフォルツァンドがそんなものを持っているのかが不思議でならなかったが、誰にでもハロウィンを楽しむ権利はある。そうして俺は、またせっせと子供たちに飴玉を配るのだ。
とりあえず、買った飴玉が余らなければ良いのだが。

…Let's say "Trick Or Treat?"


ハロウィンで各々の家が模様変えされるなか、
何すれば良いのかわからず、とりあえず書き上げたもの。
魔女姿のステア、イラストで書きたい……。

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