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カツッカツッ…………コンコン。



靴音は女性のものだ、立ち止まる音はここを初めて訪れる者だという証。
今日も一人の悩める人間がこの扉を開く。



「あの…ごめん下さい、猫を探していただきたいのですけれど…」
扉の間から入り込んできたのは予想通り女。
視線を彷徨わせながらそれだけを告げるとこちらの返事を待って黙った。
(砂漠の民か?)
言葉のアクセントや身なりからアルゼットは推測し、落ち着かない様子の女を手招いて席を勧める。
「まあ、こちらにお掛けになって下さい」
「あの……はい。」
遠慮のためか女は躊躇ってから素直に勧めに従う。
そんな彼女の後ろから住人のシルファリオスが現れて、少し驚いた様子で女を見下ろし…
「…なに?客なの?」
「ええっと、お邪魔しています」
困った様子で会釈をする女、俺はそれをみながら話を進めた。
「で?猫を探して欲しいという依頼ですが、失礼ですがお名前は?」
「ラウラと言います、お店で飼っている猫のうち一匹が居なくなってしまって
…黒い猫で背中に水色の0という数字の書かれたバンダナをしているのですけれど」
「数字の0のバンダナ…」
手帳を取り出してそれを書き記す、くるりと指先でペンを回して
「お店で飼っていらっしゃるんでしたね?」
「はい、Saloon derosemaryといいます、よろしかったら今度いらっしゃってくださいね」
さすが商売人だ、それとなく宣伝をしたなと思い微笑む。
「わかりました、捜索してみましょう」
「おねがいします」
ペコっと頭を下げて立ち上がるラウラだが、シルファリオスの声がその背に降りかかる。
「あぁ…帰るんだ?お茶入れたんだが」
「どこに行っていたのかと思えば、お茶入れていたのか」
俺はとりあえず飲んでいけば?とラウラに勧めた





…………にあ。





「なあ、シルファ…?その足ものと猫、俺知らない仔なんだけど?」
「あぁ、こいつ?なんだか昨日くらいから住み着いてたぞ」
黒い猫、シルファリオスの足に絡み付いていた。
「何かコイツ暑そうにしてたから昨日これ外したんだけど、これあったら飼い主見つかるよな?」
ポケットから取り出したのは水色で0と書かれたバンダナ。






失せ物が見つかって一安心したラウラは喜んで家に帰ったとか…。
(おしまい。)


Saloon de rosemary3007HIT記念にラウラから頂いた小説。
冒険の合間の些細な依頼も、大切な日常の一時。

一緒に頂いた絵は此方

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