【初出】
X巻
【解説】
『无窮の聞き手』(むきゅうのききて)の
称号を持つ、“珠漣の清韻”
センティアのフレイムヘイズ。
神器は懐中時計型の“
ゴローザ”。
炎の色はマリンブルー。
黒髪と口元の髭を整えた垂れ目の美男子。薄紫の上下スーツ、黒地に赤線のストライプシャツ、細い銀ラメのネクタイと靴という、常軌を逸した服装を見事に着こなす『伊達男』であった。
初対面の女性には必ずくどき文句から始める、陽気で気さくな男。中世の『
大戦』最終決戦の数年前には、フレイムヘイズの駐屯地でマティルダを口説いていたが無視された。その後は、『
儀装の駆り手』
カムシンや『
理法の裁ち手』
ヤマベと行動を共にしていたようだ。
契約する“
王”センティアのことを、「僕のおふくろ」と呼んでいた。
数百年前には、既に自らの復讐相手を討ち果たし、後進の指導と地中海の船の手配を引き受ける顔役となっていたようだ。これが後の『モンテベルディのコーロ』となった。本拠地はイタリアのジェノヴァ。
【由来・元ネタ】
「ピエトロ(Pietro)」は一般的なイタリア名。語源は、ギリシア語の「石、岩」。この名を持つ音楽家には、カヴァッリやロカテッリなどがいる。
「モンテベルディ」は、イタリアバロックの祖クラウディオ・モンテヴェルディ(Claudio Monteverdi)と思われる。
「コーロ(coro)」は、イタリア語で「合唱団」「コーラス」などの意味。
「无窮」とは「無窮」、すなわち、きわまりのない無限、永遠を意味する。称号の意味は、無限を聞き取る者とでもなろうか。探知能力に秀でた印象の称号である。彼が健在だった頃が語られるのを待ちたかった。
もしくは「无」と「窮」を分けて考えた場合、「窮」は行き詰まり、もしくはこの上ない所まで行き着くことを意味し、「无」でそれを否定するという形になる。
称号全体で「その力に限界も届かぬ場所も無い聞き手」という意味になると思われる。
彼自身の能力は明らかになっていないが、おそらくは聴覚に関して並外れた能力をもっていたフレイムヘイズだったと思われる。
最終更新:2024年04月10日 18:04