【初出】
VIII巻
【解説】
真名は“翠翔”(すいしょう)。
炎の色は縹色。
全身を獣毛に包まれた鳥男で、頭部は無く胴体に顔がある。
人化した姿は、燕尾服を身に纏った壮年の紳士。
[
仮装舞踏会]の
布告官であり、その中でも古株的存在。そのためか下級の“徒”のみならず、幹部級の“
王”達からすらも敬称を用いられ、尊重されていた。
見かけによらず、“徒”の中では珍しい穏やかかつ人当たりの良い性格のために交友関係は広く、多くの“徒”から信頼を得ていた。好物は鵞鳥の肉らしく、『
星黎殿』の酒保では三羽まとめて食べていたりしていた。
一軍を丸ごと高速で輸送可能な移動系
自在法『
プロツェシオン』を使用する。
ドレル・パーティー殲滅の際、
シュドナイに付き従っていたり、従軍するシュドナイとの連絡も行うなど、重要な伝達も行っていた。
上海会戦終結後は『星黎殿』に帰還しており、
盟主お披露目の式典では盟主に挑もうとする
リベザルを
ピルソインと共に止めようとした。
その後、シュドナイに現在の盟主の様子を報告していた。
フレイムヘイズ陣営との戦争では、西部方面軍主力軍に従軍し、布告官として主戦場の戦況の推移を見守っていた。そして西部方面主力軍の撤退に伴い
デカラビアより撤退の助力を命じられ、同軍を『プロツェシオン』でルーマニアから中国中南部の主戦場まで短時間で輸送した。
その後は『星黎殿』の一郭で、
オセから頼んでいた
ロフォカレの行方について報告を受けた後、ロフォカレの素性をオセに教えた。
フレイムヘイズ兵団に大勝した後は、『星黎殿』で
マモンの補佐として情報の精査を手伝った。
御崎市決戦では直に戦場に出ることはなく、新世界『
無何有鏡』創造の後に、他の将兵らと共に『
天梯』を通って新世界へ旅立った。
新世界が創造されてからは、古参の“徒”組織の間を飛び回って、その動静を把握することに努めた。
創造から二年弱の時点で、豪華客船『
ロード・オブ・ザ・シーズ』号を占拠している人間の武装集団構成員達を羽根の一打ちで海面まで吹き飛ばした後、貴賓室のベルペオルの下に参上し、古参の“徒”の組織の動向と“吠狗首”
ドゥーグについて報告した。そして騒動の終結後、ベルペオルたちと共に
修復と改装が完了した『星黎殿』へ空を飛んで戻っていった。
【由来・元ネタ】
名前の元ネタは、ソロモンの72柱の悪魔 ”鴉公子”ストラス(Stolas)と思われる。序列36番の悪魔で、頭に王冠を戴いた梟の姿で現れ、その後は大鴉の姿となると言う。
召喚の際は、薬草や宝石の魔術的効用を教え、占星術の知識を与えると言う。
「翠」を翡翠のことだと考える。翡翠は洋の東西を問わず強力な護符や魔除けとされ、交通安全や幸運を呼ぶ効果もある。
彼の役割を考えれば魔除けが必要なのは伝令の最中で、幸運とは吉報のことだろう。また、「翔」は、鳥が羽を広げて飛ぶことに加え、吉祥の意味をもっている。
真名全体で「道中の災厄を除け吉報を運ぶ飛翔」という意味だと思われる。
最終更新:2024年04月02日 18:29