【種別】
フレイムヘイズの組織

【初出】
X巻

【解説】
大規模な“紅世の徒”の組織に対抗するため、本来徒党を組むことがめったにないフレイムヘイズ達が集い、結成された軍団。名は符号としてのもので、命名は傭兵上がりのフレイムヘイズ・孤児ことザムエル・デマンティウスが提案した。
16世紀のものと現代のものの二つがあった。

【16世紀】
“徒”たちの戦闘集団[とむらいの鐘]に対抗すべく、神聖ローマ帝国(現ドイツ)において結成された。
その結成には『炎髪灼眼の討ち手』マティルダ・サントメールと『万条の仕手ヴィルヘルミナ・カルメルが大きく携り、組織編制、人員結集、物資調達など兵団の組織としての体裁は、『犀渠の護り手』ザムエル・デマンティウスが整えた。

軍団としての最低限の体裁はあるが、基本的に一人一党気質の討ち手たちを寄せ集めただけの烏合の衆に近く、戦略的な団体行動は苦手とした。
さらに、宝具小夜啼鳥』争奪戦を始めとする、[とむらいの鐘]との長期に及ぶ激戦の中で多くの強力な討ち手を失っていたため、中世の『大戦』の決戦の際には総大将ゾフィー・サバリッシュ以下、幹部や部隊長こそ数少ない腕利きのフレイムヘイズが配置されたが、兵力のほぼ全ては、万を越す“”の軍勢[とむらいの鐘]と正面から渡り合うために急遽“”と契約した、独自の技も磨いていない新米フレイムヘイズたちから成っていた。
この時に「粗製濫造」されたフレイムヘイズは、後世で「ゾフィーの子供たち」と俗称された。

【『大戦』最終決戦における編制】

『サバリッシュ集団』:

『ベルワルド集団』:


独立戦力:

【現代】
中世の『大戦』の終結により解散して以降、『内乱』、ハワイ解放戦、対[革正団]戦争などの大規模な戦争でも再結成されることはなかったが、[仮装舞踏会]との全面戦争に突入するに当たって数百年ぶりに再結成された。欧州のみであった中世とは違い、全世界規模の討ち手らで構成されていた。
外界宿を母胎とし、本部も同じくスイスのチューリヒにあった。
後方業務の多くは人間が担当し、討ち手たちは戦略立案や実戦に専念できる体制であった(総司令官はさすがに、書類仕事が多く回ってきたが)。

日本・台湾~東南アジア島嶼部と東欧~エジプトの両面に防衛線を形成し、ユーラシア大陸両岸へと侵攻してくる[仮装舞踏会]の外界宿征討軍と交戦。情勢の変化により、敵軍が撤退し、かろうじて防衛線を維持できた状況となっていた。
これらユーラシア大陸東西の防衛線は、あくまでも外界宿の戦力として数えられており、狭義の『フレイムヘイズ兵団』は、『星黎殿』への奇襲侵攻を仕掛けた、全世界から主要な精鋭の討ち手ばかりを可能な限り結集させた、総勢四千余名にまでなるフレイムヘイズ陣営の切り札たる決戦兵力のことを指していた。

『凪』・『交差点』両作戦により序盤の主導権を握り、さらにヴィルヘルミナによる『星黎殿』の墜落によって予備部隊が混乱する中、ザムエルが『星黎殿』への進撃路を構築。その阻止のため、不可視の防壁を解いたデカラビアをゾフィーが討滅した。
しかしその直後、ハボリム率いる外界宿征討軍西部方面主力軍が戦場に到着し、情勢は一気に[仮装舞踏会]有利となった。
さらに、『朧天震』の発生から“祭礼の蛇”復活を悟ったゾフィーが『神門』破壊を決断し、全力の稲妻蹴りを放つも、フェコルーの『マグネシア』に完璧に弾かれた。これによってフェコルー健在をも示してしまい、この事態は両軍の士気に大きな影響を与えた。
その直後の“祭礼の蛇”神体の帰還と大命宣布によってフレイムヘイズ兵団の敗北が決定し、さらに二度目の大命宣布によってほぼ全ての兵が存在意義を揺るがされ恐慌状態に陥り、壊乱。その時点をもってフレイムヘイズ兵団は組織として崩壊し、完全に消滅した。

“祭礼の蛇”復活の阻止あるいは討滅、『星黎殿』の占拠ないし重要施設の破壊という二つの戦略目標も果たせず、フレイムヘイズ兵団は完敗した。
この戦闘とその後のシュドナイの指揮による残敵の包囲殲滅で、投入した戦力の八割という膨大な人員を失うこととなった。一戦での損失においては『小夜啼鳥』争奪戦を上回る過去最大となり、さらにその全員が精鋭中の精鋭であり、加えて現代ではかつてのような「粗製乱造」も行えないため、極めて深刻な事態に陥った。

生き残った討ち手の一部は戦場の地中に埋伏・隠蔽された『天道宮』に潜み、『傀輪会』による安全の調査判定が完了するまで待って移動を開始したが、チューリヒからの指示の不通と影響力を取り戻そうとする『傀輪会』の活動で武漢に足止めされた状態となった。
その後、御崎市決戦の半日前に、武漢で何らかの事件が起こった模様(おそらく、レベッカが『天道宮』を分捕った事件だと思われる)。

【フレイムヘイズ兵団陣容(判明分)】

チューリヒ総本部(フレイムヘイズ兵団):

東部防衛線(日本、東京総本部):

西部防衛線(ルーマニア、アンドレイ要塞):

地中海⇒テヘラン近郊:

【コメント】
☆中世の『大戦』の単行本化が進んでも、詳しくわからなかった。
☆キアラが重要人物になるという話は、XV巻に限定されていたようだ。
☆『星黎殿』攻防戦では、布告官デカラビアプルソンウアルパイモンフェコルーという古株や大物を討滅するものの、最終的に敗北。撤退戦でセンターヒルザムエルを失うことになった。全体的な士気も低下しており、かなり危うい状況であった。
☆外伝漫画『ES』第四巻・最終第五巻は2012年9月に同時発売された。
☆[マカベアの兄弟]や[]や[狂気の城]や『色盗人』相手には結成されそうにないな。
☆[宝石の一味]の“瓊樹の万葉コヨーテフックストンサーイイナンナや[革正団]のサラカエルドゥーグハリー・スミスとも絡んでいたら面白そうだったのにな。
アニメ第3期で登場した。

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最終更新:2024年04月14日 06:50