夜道怪(ヤドウカイ)
別名:隠れ座頭 ヤドウケ
東北や関東に伝承される妖怪。子どもをさらう。
ヤドウカイ、ヤドウケはそれぞれ埼玉県の秩父地方、比企地方の呼称。
詳細
容姿は蓬髪弊衣で大きな荷物を背負っており、
高野聖が零落した妖怪だといわれている。
柳田國男はその成立を以下のようにみている。
高野聖はその傍若無人ぶりから人々から恐れられ、「悪い子だと高野聖に連れてかれるよ」と子どもの脅しに使われていた。時代が下って実際には高野聖が村に訪れぬようになってからは、子どもをさらう存在ということだけが観念として残って妖怪化したとしている。
ヤドウカイの語源は高野聖が宿を借りるときの言葉「ヤドウカ」からきている。
別名の隠れ座頭は岩窟の奥に住んでいるとされ、神奈川県では踏唐臼の下に潜んでいるといわれている。
参考文献
柳田國男・著 「山の人生」『柳田國男全集4』ちくま文庫 1989年
最終更新:2006年09月23日 10:07