ズウー

チベットのトルクジャン地方に存在する魔神。
ダライラマの対極に位置するような悪神で、人を不幸にする。
姿は豚によく似ており、怒ると鼻から赤と黄色の煙を吹きかけてけだ物に変身さすのだ。けだ物にされた人間はズウーの食料になってしまう。
地元の人間は自分が被害にあわないように生贄をささげている。
1955年、この迷信を打ち破るため軍隊がズウーを祀る祠を砲撃したが、ズウーの像は無傷で残り、砲撃に参加した兵士5人は全身を引きちぎられて死亡したという。

成立

中岡俊哉の『世界の魔術・妖術』(1968年)が初出。
これは中岡が創作した妖怪である。トルクジャン地方からして存在しない。
しかし水木しげるが『水木しげるの世界妖怪事典』(1985年)に登場させたことで、実際にチベットではズウー伝説が伝承されていると誤解が起きるようになった。

上は中岡俊哉の「魔人ズウー」 下は水木しげるの「ズウー」

備考

『世界の魔術・妖術』には「魔神ズウー」
『水木しげるの世界妖怪事典』には「ズウー」
『妖鬼化』には「ズゥー」
『妖怪馬鹿』には「ズー」
と表記されているが、初出から考えれば「ズウー」が正しい表記であろう。

参考

『世界の魔術・妖術』 中岡俊哉 秋田出版
『水木しげるの世界妖怪事典』 水木しげる 東京堂出版
『妖鬼化〈6〉世界・特別編』 水木しげる ソフトガレージ
『妖怪馬鹿』 京極夏彦 多田克己 村上健司 新潮OH!文庫

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最終更新:2005年04月26日 16:25