魔女 とは、魔法を使う人である。吸血鬼などと紛らわしい。

 使い魔を飼っているとされ、それへ乳を与えるため、特殊な乳首があることになっていた。

 豊饒神に仕える巫女の末裔として、雨ごいをやっていた関係で、嵐を興すとか、身が異常に軽いとか、箒或いはバケツ、篩に乗って空を飛ぶなどと言われる。

 ドルイドの後裔とかガンドやヴォルヴァなどが挙げられるが、中世後期からキリスト教の浸透に従って、「女=悪」というバイアスにより、適当な女性が逮捕され、不当に辱められ、殺された。皮肉なことに、いわゆる魔女は、保護されることが多かった。(魔女狩りは中世後期から近世で、エル・セイラムは若干新しすぎる上、キリスト教の伝播当時は魔女とクリスチャンは仲が良かった)

 ローズマリ・エレン・グィリーによれば、川(水面らしい)を歩いてきた魔女が、兵士を見て大笑いしたので、彼が射殺せんと鉄砲で撃ったところ、彼女は弾丸を銜えた、という伝承があると言う。また、アト・ド=ヴリースによれば、魔女は「ピンを吐く」と言われ、あるいは男根を盗むとされる。

 文化人類学用語におけるWitchcraftは、主にもともと魔法関係の素質が暴走するので、何とかするために魔法使い的な人へ修行してその力をコントロールするようになった者として一応使われる。

参考文献

アト・ド=ヴリース『イメージ・シンボル事典』
ローズマリ・エレン・グィリー『魔女と魔術の事典』
森島恒雄『魔女狩り』

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最終更新:2021年05月24日 11:16