新生人工言語論

表意文字の思い出

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lideldmiir

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表意文字を作ったことがありますが、大変でした。
基本字で2000字強作りましたが、覚えるのも作るのも面倒でした。

フォント作りが難しいのも欠点です。2000字もフォントを作ったら、それだけで何ヶ月もかかると思います。
学習においても漢字と同じで時間が取られます。それに、辞書作るときもどの字から載せていいか迷います。

ところで、言語には「読み・書き・喋り・聞き」という4つの技能があります。
以下では、これら4つの観点で、表意文字と表音文字を比べてみましょう。

まず読み。
アルファベットより漢字のほうが難しいです。文字数が多いので。
つまり、表意のほうが表音より読みづらいです。
ただ、一度覚えてしまえば文書を速読しやすいという利点があります。

次に書き。
皆さんも子どのもの頃は漢字の書き取りで苦労したと思います。
表意文字は書きが難しいですよね。表音文字だと、スペルと音が一致している限り、とても簡単です。

次に喋りと聞きですが、これは表意文字はアドバンテージを失います。
表意は、特に象形がそうですが、字自体に意味があるので、 目で見て意味を判断できます。とっさに目に入ってきても分かる。その表意性が利点です。
が、喋りと聞きの場合はこの利点を失います。表意文字も音声になれば表音でしかなくなるからです。これは大きなディスアドバンテージです。

私の場合、たまに自分で作った文字を忘れるわけです。でも会話はできてしまう。
また、メモを表意文字で書こうと思ったとき、字を忘れたら音で書いておくしかないわけです。実際こういうことが何度もありました。
でもその音で書いたメモが、きちんと後から理解できるわけです。別に表意文字じゃなくても理解できたのです。
そんなこんなで、いつの間にか「表音文字で伝わるんなら、表意文字いらなくない?」と思うようになりました。

次にPCへの打ち込みやすさ。これはもう表意の勝ちでしょう。
林檎と手で書くのは難しいし面倒ですが、appleは早くて楽です。ところがPCになると「ringo」で変換すればいいので楽です。
漢字はタイプライターやファミコン時代には使いづらかったですが、現在ではかえってアドバンテージがあると思います。


さて、ここまで見て表意と表音のどちらかいいでしょうか。
私は表音だと思いますが、表意にも文字の神秘性や面白さがあり、捨てがたいですよね。
なので、あえて「表意でGO」というのもアリだと思います。

ただ、新しい人工言語や未開の言語を見つけてフィールドワークするときに、学者が自分で表意文字を作るより表音文字を作ることが圧倒的に多かったことからも、表音のほうが手っ取り早くて便利とはいえるでしょう。
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