(2)事故防止及び安全対策

ア 保育中の事故防止のために、子どもの心身の状態等を踏まえつつ、保育所内外の安全点検に努め、安全対策のために職員の共通理解や体制作りを図るとともに、家庭や地域の諸機関の協力の下に安全指導を行うこと。

イ 災害や事故の発生に備え、危険箇所の点検や避難訓練を実施するとともに、外部からの不審者等の侵入防止のための措置や訓練など不測の事態に備えて必要な対応を図ること。また、子どもの精神保健面における対応に留意すること。

①日常の安全管理(セーフティマネジメント)
子どもの環境の安全は、重要な課題です。安全点検表を作成して、施設、設備、遊具、玩具、用具、園庭等を定期的に点検し、安全性の確保や機能の保持など具体的な点検項目や点検日及び点検者を定めることが必要です。
また、遊具の安全基準や規格などについて熟知し、必要に応じて専門技術者による定期点検を実施します。
子どもが日常的に利用する散歩経路や公園等についても、異常や危険性がないか、工事箇所や交通量等を含めて点検し記録をつけ、その情報を全職員で共有します。

②災害への備えと避難訓練
火災や地震等の災害発生に備え、避難訓練計画、職員の役割分担の確認、緊急時の対応等について、マニュアルを作成し、その周知を図るとともに、定期的な避難訓練を実施することが求められます。
避難訓練は、消防署をはじめ、近隣の地域住民、そして家庭との連携の下に行うことが必要です。また、災害時に保育所が地域の避難所となることもあり、地域との連携はたいへん重要です。

③事故防止マニュアルの整備と事故予防事故防止のために、日常どのような点に留意すべきかについて、事故防止マニュアルを作成し、その周知を図る必要があります。

○日常的な事故予防:あと一歩で事故になるところだったという、ヒヤリ・ハッとした出来事(インシデント)を記録し分析して、事故予防対策に活用することが望まれます。

○子どもの発達との関係:事故は、乳幼児の発達の特性と密接な関わりを持って発生することが多く、保育士等は、子どもの発達特性と事故との関わりを理解することが望まれます。

○保育の体制:子どもの動静については、常に全員の子どもを把握するようにします。観察の空白時間が生じないよう職員間の連携を密にする必要があります。午睡を含めて、子どもの安全の観察に当たっては、一人一人を確実に観察することが大切です。

○事故が生じた場合:必要に応じて迅速に応急処置、救急蘇生を行うとともに、緊急度に応じて救急車の手配、保護者及び嘱託医への連絡等を行わなければなりません。

○保護者への説明:緊急時には早急にまた簡潔に要点を伝え、事故原因等については、改めて具体的に説明することが必要です。

④危機管理
不審者の侵入や火災、地震、重大事故や食中毒の発生等、子どもに大きな影響を及ぼす恐れのある事態に至った際の危機管理についても、日常的に検討しておく必要があります。保育所内で緊急事態が発生した際には、子どもの安全に留意し適切に対処します。
緊急事態発生後の精神保健への配慮:緊急事態の際には、保育士等は子どもたちが不安にならないよう冷静に振る舞うことが大切です。また、保護者に対しても冷静に対応することを忘れてはなりません。
子どもたちが緊急事態を目前に体験した場合は、強い恐怖感、不安感を抱き、情緒的に不安定になることが見られます(心的外傷後ストレス障害:PTSD)。必要に応じて、小児精神科医や臨床心理士等による援助を受けて、子どもと家族への精神保健面への配慮をします。
最終更新:2009年01月10日 22:21
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