(1) 保育所保育の目的

(1)保育所は、児童福祉法(昭和22年法律第164号)第39条の規定に基づき、保育に欠ける子どもの保育を行い、その健全な心身の発達を図ることを目的とする児童福祉施設であり、入所する子どもの最善の利益を考慮し、その福祉を積極的に増進することに最もふさわしい生活の場でなければならない。

①子どもの最善の利益
まず、初めに述べられていることは、児童福祉法に基づく児童福祉施設としての保育所の役割であり、保育所は、「入所する子どもの最善の利益を考慮し、その福祉を積極的に増進する」ということです。これは、保育指針の根幹を成す理念であり、子どもの最善の利益を守り、子どもたちを心身共に健やかに育てる責任が保育所にあることを明らかにしています。
「子どもの最善の利益」については、1989 年に国際連合が採択し、1994年に日本政府が批准した児童の権利に関する条約(通称「子どもの権利条約」)の第3章第1項に定められています。子どもの権利を象徴する言葉として国際社会等でも広く浸透しており、保護者を含む大人の利益が優先されることへの牽制や、子どもの人権を尊重することの重要性を表しています。なお、「子どもの最善の利益」については第6章にも示されています。

②最もふさわしい生活の場
今回の保育指針では特に、保育所が入所する子どもにとって「最もふさわしい生活の場でなければならない」とされました。これは、「すべて児童は、ひとしくその生活を保障され、愛護されなければならない」(児童福祉法第1条第2項)とする児童福祉の理念にも通底するものです。
これまで保育所は、長時間にわたる保育の中で、子どもの養護的側面を大事にし、一人一人の子どもにきめ細やかに対応してきました。しかし、子育てを取り巻く様々な環境の変化により、乳幼児期にふさわしい生活を送ることが難しくなってきていることなどを踏まえ、保育所の生活を子どもの福祉を積極的に増進する観点から捉え直すことが必要となっています。子どもが様々な人と出会い、関わり、心を通わせながら成長していくために、乳幼児期にふさわしい生活の場を豊かにつくりあげていくことが重要であり、そうした役割や機能が今日、保育所にはますます求められているといえるでしょう。
最終更新:2009年01月10日 19:35
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