(6)保護者に不適切な養育等が疑われる場合の支援

保護者に不適切な養育等や虐待が疑われる場合の保護者支援には、時に保育所と保護者との間で意向や気持ちにずれが生じたり、対立が生じかねないことがあります。何よりも重要なことは、常日頃、保護者との接触を十分に行い、保護者と子どもとの関係に心を配り、ソーシャルワークの機能を念頭に置いて、
関係機関との連携のもとに、子どもの最善の利益を重視して支援を行うことです。そのことが保護者の養育に変化をもたらし、あるいは虐待の予防や養育の改善に寄与する可能性を広げます。
しかし、保育所や保育士等による対応では不十分であったり、限界があると判断される場合には、関係機関との連携がより強く求められます。特に児童虐待の防止等に関する法律が規定する虐待に関する通告義務は、保育所や保育士等にも課せられています。このような場合は、特に児童相談所等の関係機関との連携、協力が求められます。これらに関する対応については、第5 章の1「子どもの健康支援」の内容を踏まえ、必要なマニュアルなどを作成し活用するとともに、要保護児童対策地域協議会(子どもを守る地域ネットワーク)との関係を深め、参画することが求められます。

コラム:
◎「不適切な養育」とは
保護者の養育に、子どもへの不適切な関わり方が見られ、それによって子どもが苦痛を感じたり、子どもの心身に危険が生じることが予測されたり、現に心身に問題が生じているような状態をいいます。虐待よりも広い概念で用いられますが、具体的には、子どもへの暴言、不当な扱い、放任などをあげることができます。

◎「要保護児童対策地域協議会」(子どもを守る地域ネットワーク)とは
児童福祉法の改正により平成17 年4月より法定化された協議会であり、虐待を受けた子どもをはじめとする要保護児童の早期発見や保護を図るため、地域の関係機関や民間団体等が情報や考え方を共有し、適切な連携のもとで援助していくためのネットワークをいいます。ネットワークの中心となる調整機関も定められ、また、参加機関・施設等には罰則付きの守秘義務も課せられることとなっています。保育所も、この協議会の一員となることによって要保護事例の検討会議に出席し、関係機関との役割分担の中で子どもや子育て家庭の支援をしていくことが期待されます。
最終更新:2009年01月10日 22:56
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