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●日本資本主義06

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●日本資本主義 ラインナップ


0418 「格差広がった」6割が指摘…小泉内閣5年で世論調査 [読売]

 読売新聞社の全国世論調査(面接方式)で、小泉首相や小泉内閣の5年間の実績を「評価する」人は計70%に達した。

 昨年、郵政民営化関連法が成立したことや、自民党の派閥政治を打破したことなどが高い評価につながったようだ。

 ただ、小泉内閣の構造改革によって「社会の格差が広がった」と思う人は6割近くに上った。外交面では、首相の靖国神社参拝による日中関係の悪化を「深刻だと思う」人が7割を超えた。国民は全体として首相に合格点を与えつつも、小泉政治の負の部分に対する不満が根強いことがうかがえる。

 調査は小泉首相が26日で在任5年になるのを前に、全国の有権者3000人を対象に、8、9の両日実施した。回答率は60・8%

 小泉首相や小泉内閣の5年間の実績を評価する人は対前年調査比12ポイント増で、この5年間で最高。「評価しない」は計28%だった。内閣の実績を内政と外交に分けて聞いたところ、「評価する」は内政が計67%、外交は計59%で内政の評価の方が高かった。

 小泉内閣が特に成果を上げた政策課題(複数回答)を選んでもらったところ、<1>郵政3事業の民営化44%<2>道路4公団の民営化25%<3>北朝鮮問題25%――の順。社会保障制度改革、教育改革はわずか2%だった。

 構造改革については、全体として「プラス」と見る人が計60%、「マイナス」と見る人は計30%。ただ、構造改革により、「社会の格差が広がった」という人は計59%で、「そうは思わない」計35%を上回った。

 外交面では、首相が北朝鮮を2回訪問し、金正日総書記と会談したことを評価する人が計81%に達した。イラクへの自衛隊派遣は「評価する」計51%が「評価しない」計45%を上回った。

 しかし、4年半以上首脳の相互訪問が行われていない日中関係については、「深刻だと思う」人は計72%に上り、靖国参拝を続けてきた小泉首相に「責任がある」が計61%で、「責任はない」は計36%だった。

 首相の政治手法・言動については、「評価する」が計63%だった。

(2006年4月18日22時8分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060418it12.htm

0327 家計資産格差、3.4倍に拡大 [朝日]

2006年03月27日23時03分
 04年秋時点の1世帯あたりの家計資産(土地、住宅、預貯金、自動車など)は3900万円だった、と総務省が27日発表した。5年に1度の全国消費実態調査による速報で、資産額は前回(99年)より11.1%減ったが、18.4%減だった前回調査より減少幅は縮小。地価、株価の目減りに歯止めがかかってきたことで、年収が最も高い層と最も低い層の資産額の格差は、99年調査の3.1倍から3.4倍に拡大した。

 内訳をみると、宅地が前回比18.6%減の2180万円で全体の55.9%を占めた。金融資産は同6.1%増の950万円、住宅資産は同2.3%減の606万円、耐久消費財などの資産は同15.3%減の164万円だった。

 年収別に10階層に分けた高・低所得世帯の格差(最高所得層の資産額を最低所得層の資産額で割って求めた倍率)は、バブル期の89年調査が4.3倍だったのが、94年には2.8倍に縮小。だが99年、04年と2回続けて拡大した。

 家計資産は、預貯金・株式の額からローンなど負債額を引いた純金融資産と、住宅、宅地や、自動車など購入価格1万円以上で耐用年数が5年以上の耐久消費財などを合計。調査は約6万世帯を対象に04年9~11月におこない、株など値動きが激しいものは11月末の時価。
URL:http://www.asahi.com/life/update/0327/008.html

0323 教育格差が広がっている 私立学費2倍 [朝日]

一人っ子でも年収600万円以上ないと私立中は家計的に苦しい。
中高6年間の学費、私立は692万円、公立なら296万円だ。


0323 都道府県立高、授業料減免11人に1人 文科省調査 [朝日]

2006年03月23日06時20分
 全国の都道府県立高校で、授業料の免除や減額(減免)を受ける生徒が、04年度で11人に1人にあたる8.8%だったことが、文部科学省の調べでわかった。資料がある96年度から上がり続け、8年間で5.4ポイント増え、生徒数で2倍になった。都道府県別では、大阪が最も高く24.6%、最低は静岡の2.0%だった。学校間でも大きな開きがあった。

 授業料の減免基準は、都道府県がそれぞれ条例などで定めている。減免は、生活保護の受給など保護者の収入状況で各都道府県教委が判断するという。地震など自然災害を受けたかどうかの規定も少なくない。

 文科省によると、04年度に減免を受けた生徒数は約22万2000人だった。全日制だと約20万3000人で全体の8.6%、定時制は約1万7000人で18.7%だった。96年度は約11万人で3.4%、全日制が3.3%、定時制が5.9%だった。

 04年度で率が高かった都道府県は、大阪、鳥取、北海道、兵庫、福岡、東京の順=表。大都市圏を抱えている都道府県が大半だ。

 この6都道府県について、教育委員会などから取材した結果、学校間で率の差も大きいことがわかった。大阪府では、全日制で最高60.9%~最低5.4%の開きがあり高低差は55.5ポイントになる。50%を超えた高校が大阪市やその周辺を中心に10校あった。

 東京都では、全額免除された生徒の率が最も高いのは、23区東部の高校の一つで約30%、最低は多摩地区の高校で約1.4%だった。

 一方、鳥取県では、減免者の率が高い学校は農業、工業などの専門高校に多く、進学校は低い傾向がみられた。

 減免を受ける率が高まった理由について、各教委では「地域経済の低迷、生活保護家庭の増加と連動している」(北海道)などと、生活の苦しい家庭の増加を挙げる。

 生徒の3分の1が減免を受ける、福岡県のある高校では、理由の最多は「(母子家庭など)児童扶養手当を受けている」で全体の3分の1を占めた。同校は「リストラで授業料が払えなくなる家庭も増えたようだ」と話す。合格者説明会では、減免や奨学金の制度について「相談コーナー」を設けている。

 減免者の率が全国最大の大阪府では、03年度の統計で生活保護率や完全失業率、離婚率が全国2~3位と高かった。

 ただ、各教委や文科省は、生活の苦しい家庭の増加だけが要因とはみていない。かつてと比べて申請をためらわなくなったという「積極化」傾向や、減免を受けていながら、家賃十数万円のマンションに住んだり、外車に乗って申請に来たりする保護者もいるという指摘もある。
URL:http://www.asahi.com/life/update/0323/002.html

0322 視点:格差社会考 現実無視の小泉首相国民の実感も聞こう [毎日]

 国民の声に耳を傾け、暮らしの中でいま何を問題と感じているのかを的確につかみ、具体的な手立てを講じていく。これが政治の基本であり、政治家は常に国民の気持ちを真正面から受け止めることが求められているはずだ。

 しかし、現実はどうか。毎日新聞をはじめメディアの世論調査によれば、多くの国民が「格差社会になりつつある」と答えている。これが生活者の実感なのである。だとすれば、国会の仕事は格差社会の議論をもっと深めることだ。しかし、議論は中途半端なままで終わっている。政治家が国民の声にいかに無頓着かの証明である。

 野党が「格差拡大は小泉改革の失敗だ」と責め、小泉純一郎首相が反論するだけでは、何も生まれない。こんな議論を聞かされる国民はいい迷惑だ。

 小泉首相の答弁や格差の認識について2点指摘したい。小泉首相の主張は(1)内閣府の統計データからは所得格差拡大は確認できない(2)どんな社会にも格差はあり、悪いことではない--の二つだ。

 まず内閣府のデータだが、やや古い統計で直近の実態を示すものではない。格差のとらえ方は調査対象などによっても変わるので、都合のいい統計だけで格差拡大の有無を判断するのは危険である。そもそも「一億総中流」社会であった日本では、格差についての認識が希薄で、実態を正確に把握する物差しは整備されていない。

 年収200万円以下の低所得層が5世帯に1世帯に増えた▽非正規社員がこの10年で650万人増加▽経済協力開発機構(OECD)の先進国の中で日本の貧困率は5番目に高い▽生活保護世帯が100万世帯を突破▽貯蓄ゼロ世帯の増加。こうしたデータから総合判断すれば、格差拡大はないと言い切るには相当の無理がある。景気回復で少しは改善の動きもあるが、まだ格差の拡大に歯止めをかけるまでには改善していない。

 小泉首相には「格差拡大のデータはない」と一面的な見方をせずに格差の実態を把握する調査を実施するよう指示してもらいたい。

 次は格差社会をどう受け止めるかという視点だ。これも小泉首相が「悪いことではない」と答弁しており、取り付くしまがない。議論はそこで停止し先に進まない。

 戦後日本は格差の少ない社会、努力すればみんなが中流になれる社会を目指し、それを実現してきた。生活保護や医療、年金など社会保障を整備するなど、セーフティーネットを整備してきた。

 格差の少ない社会をめざすのか、自己責任・競争型の社会がいいのか。競争による格差を活気ある社会として評価するのか。勝ち組、負け組を作って格差が広がる社会を是とするのか。その答えを出すためにも、議論をあいまいなままにしてはならない。

 政治は格差の議論から逃げてはならない。(論説委員、稲葉康生)

毎日新聞 2006年3月22日 0時23分 (最終更新時間 3月22日 8時32分)
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20060322k0000m070126000c.html

0313 格差「広がっている」81%…読売世論調査 [読売]

 読売新聞社が11、12の両日に実施した全国世論調査(面接方式)で、所得などの格差が広がっていると思う人は、計81%に達した。

 「そうは思わない」人は計16%にとどまった。

 格差が広がっていると思う人で、小泉首相が進めてきた構造改革が格差拡大に「影響している」と思う人は56%で、「影響していない」は40%。格差拡大を構造改革の“影”の部分と見る国民が多数を占めた。

 今の日本は、努力をすれば格差を克服できる社会かどうかについても、克服できるとは「思わない」人が計59%で、「思う」人計39%を上回った。

 小泉首相は国会答弁で、「勝ち組、負け組が固定化されてはいけない。一度敗れてもまた勝てるチャンスを提供することが必要だ」などと述べているが、多くの国民は、格差は固定されていると認識しているようだ。

 とくに、小泉内閣を支持しない人では、格差を克服できると「思わない」人は69%に上った。

(2006年3月13日23時43分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060313it13.htm

国際収支:「投資」黒字幅、「貿易」上回る [毎日]

 財務省が13日に発表した05年国際収支速報によると、日本企業の海外投資に伴う金利収入などを示す所得収支の黒字額が前年比22.5%増の11兆3595億円となり、年ベースで初めて貿易収支の黒字額(10兆3502億円)を上回った。輸出で黒字を積み上げてきた日本経済が、投資で収益を稼ぐ構造に変化してきたことを示している。

 日本企業の海外活動は好調で、所得収支の黒字額は2年連続で過去最高を更新した。海外からの債券利子や株式配当の受取額の増大をはじめ、海外子会社の収益上昇などが反映された。

 一方、貿易収支の黒字額は前年比25.5%減と、4年ぶりに黒字幅が縮小した。輸出は米国向け自動車などが好調で同7.4%増の62兆6331億円と過去最高を記録したが、原油高の影響で輸入も同17.8%増の52兆2829億円と過去最高を更新し、黒字幅を圧縮した。05年の原油価格は1バレル=51.09ドル(通関ベース)で過去最高だった。

 所得収支の黒字幅が拡大したものの、貿易収支の黒字幅が縮小したため、海外とのモノやサービスの取引状況を示す経常収支の黒字額は同3.1%減の18兆479億円になり、4年ぶりに前年実績を下回った。

 同時に発表された05年12月の国際収支速報では、経常黒字は前年同月比8.6%増の1兆7484億円だった。【町田明久】

毎日新聞 2006年2月13日 11時05分 (最終更新時間 2月13日 11時24分)
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/kaigai/news/20060213k0000e020052000c.html

反省すべきは「待ち組」…首相、猪口少子化相ら造語で [読売]

 小泉改革の結果として「勝ち組」と「負け組」の二極化が進んでいるという批判に対抗するため、小泉首相や猪口少子化相が「待ち組」という言葉を使い始めた。

 勝ち負けの“二元論”にくさびを打ち込み、改革の影の部分が論点になりそうな風向きを変えたいという思惑もあるようだ。

 「待ち組」は、フリーターやニートなど「挑戦しないで様子をうかがう人」を意味する造語。猪口氏は1月31日の記者会見で、「『負け組』は立派だ。その人たちは戦ったのだから。本当に反省すべきは『待ち組』だ」と述べて、フリーターらの奮起を促した。

 小泉首相も2日の内閣メールマガジンの中で「待ち組」の存在を指摘し、「そういう人々も持てる力を存分に発揮し、創意工夫を活(い)かすことができる社会にしなくてはならない」とつづった。

 こうした首相の呼びかけに連動するように自民党では、衆院当選1、2回を中心とする若手議員約50人が2日、「若者を応援する若手議員の会」を発足させた。会長の西村康稔衆院議員は設立総会で、「猪口大臣も全面的に協力する。若い世代の声を吸い上げ、国民運動を盛り上げていきたい」と訴えた。

 同会は6月までにフリーター・ニートや少子化対策に関する政策を提言する方針だ。

(2006年2月5日1時13分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060204i115.htm

バブル崩壊 家計の損失は623兆円 民間調査 企業部門を上回る [赤旗]

 バブルの崩壊によって、家計部門の損失は六百二十三兆円に達していたことが、民間調査機関の三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査で分かりました。

 この調査によると、バブル崩壊後の一九九一年から二〇〇三年の間に日本国内の土地や株式などの資産は千三百八十九兆円の損失が発生しています。これを部門別にみると、家計部門が六百二十三兆円と最も巨額の損失を被っています。企業部門(金融を除く)の四百六十六兆円を上回っています。

 家計部門で、バブル時に保有していた資産に基づいて住宅ローンを組んでいる場合、バブル崩壊により負の遺産にかわります。

 企業部門の場合、リストラによる人件費の圧縮や不良債権処理といった形で債務処理をおこない、負債残高は減少しています。一方、家計部門では、過剰債務を抱えたままの状態が続いています。

 企業部門における過剰債務の削減行動は、家計部門にマイナスの影響を与えます。雇用者報酬はバブル崩壊後伸び悩み、九七年の二百八十兆円をピークに〇四年には二百五十五兆円まで減少しました。また、自営業者の事業環境も悪化し、自営業者の所得は九二年の四十三兆円から〇四年には二十六兆円へと減少しています。

 バブル崩壊後の超低金利は家計の利子収入を減少させます。利子所得や配当所得などを中心とする財産所得は、九一年の五十九兆円に比べ、〇四年には二十二兆円と低迷しています。

 過剰負債を抱えたままの家計部門の現状が個人消費の低迷の原因になっています。
URL:http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-02-06/2006020604_01_0.html

「所得の格差が拡大」74% 本社世論調査 [朝日]

2006年02月05日03時01分
 「所得の格差が広がってきている」と思う人は74%で、そのうち7割の人が「問題がある」とみている。81%の人が「お金に困るかもしれない不安」を感じる一方、「勝ち組」「負け組」に二分する傾向には、抵抗を感じる人が58%――。朝日新聞社が昨年12月から1月にかけ郵送で実施した全国世論調査で、格差やお金をめぐる意識が浮かび上がった。「競争は活力を高める」「挽回(ばんかい)できない社会だとは思わない」との見方も共に6割を占め、競争社会それ自体は、前向きに受け止める姿勢がうかがえる。

 「格差社会」をめぐっては、小泉改革との関連で国会でも論争が続いている。「所得の格差が広がってきていると思うか」との問いに「広がってきている」と答えた人は74%、「そうは思わない」が18%だった。格差が拡大しているとみる74%の人に「広がっていることをどう思うか」と聞いたところ、69%が「問題がある」と答えた。この結果、全体の51%の人が「所得格差が広がってきており、問題がある」と認識していることが明らかになった。

 所得格差が広がっているとみる人は男性が77%で、女性の71%を上回った。特に40、50代の男性が共に83%で、最多だった。また、世帯収入に満足していない人ほど格差拡大を強く感じている。

 格差の拡大が問題だとする人では、格差が「個人の能力や努力以外で決まる面が多い」とみる人が54%だった。一方、格差拡大は問題ないとする人では、「個人の能力や努力で決まる」とみる人が72%と多かった。

 お金に関して自分が「勝ち組」だという意識を持つ人は3%、「負け組」が21%で、72%の人は「どちらでもない」と答えた。こうした二分法に「抵抗を感じる」と答えた人が58%で、「感じない」は35%だった。

 「競争」について「社会の活力を高めると思うか」と聞いたところ、59%の人が「高める」と答えた。また「いまの日本は、一度おくれをとると、挽回できない社会だと思うか」との問いには「そうは思わない」が60%だった。
URL:http://www.asahi.com/life/update/0205/001.html

所得格差の拡大「見かけ上の問題」 内閣府が否定 [朝日]

2006年01月19日21時14分
 社会問題化している所得格差の拡大を示す指標(ジニ係数)の上昇について、内閣府は19日、「見かけ上の問題だ」として、格差拡大論を否定する見解を公表した。ただ、経済学者からはこの見解の論理構成に疑問を示す意見も出ている。

 ジニ係数は、税や社会保障を通じた再分配によって全員の所得が同額になる状態を0、分配がおこなわれず1人が全所得を独占している状態を1と表し、所得分配の不平等さから貧富の差の大きさを示すとされる。

 厚生労働省の所得再分配調査による同係数は80年の0.32程度が01年に0.38程度になるなど上昇傾向だという。だが、年齢別の係数分析や単身世帯を含まない所得統計の分析から、元来所得格差が大きい高年齢層世帯の増加や、核家族化の進行で所得の少ない単身者世帯が増えたのが上昇原因であって、所得格差の拡大は見かけ上のものだ、と内閣府はみる。その見解を5ページの文書にまとめ、19日の月例経済報告の関係閣僚会議に提出した。


 所得格差の拡大をめぐっては「小泉政権の経済改革が加速させている」「生活保護世帯の増加や自殺者の増加を招いている」「低所得者層の教育機会が奪われている」などの指摘があり、政策論争の題材にもなり始めている。

 経済協力開発機構(OECD)が04年発表した加盟国のジニ係数では、日本は0.314で、平均の0.309を上回った。日本より不平等な国はアメリカなど数カ国しかない。


 こうしたデータをもとに格差拡大問題を論じている橘木俊詔(たちばなき・としあき)・京都大教授は「家族の人数を考慮して調整した所得を使い、核家族化の影響を除外しているOECDのジニ係数上昇データを、内閣府はどう説明するのだろうか。また高齢化が原因というが、高齢の貧困者が増えている問題をどうするつもりなのかと問いたい」と話している。
URL:http://www.asahi.com/life/update/0119/007.html

「豊かさ」感じることある73%…読売世論調査 [読売]

 日ごろの生活で、「豊かさ」を感じることがある人が7割を超えていることが読売新聞社の全国世論調査(面接方式)で明らかになった。

 総中流社会と言われていた日本が「格差社会」に移行し、「下流社会」が生まれているとの指摘があるが、大半の日本人は日常の生活の中に何らかの「豊かさ」を見いだし、それほど悲観的になっていないことがうかがえた。

 調査は、昨年12月10、11の両日に実施した。

 「豊かさ」を感じることがある人は、計73%で、感じることがない人計27%を大きく上回った。年代別では、それほど差はないが、男女別では、男性計68%、女性計77%と10ポイント近く差が付いた。

 世帯年収別にみると、1000万円以上では「豊かさ」を感じることがある人は計89%だが、年収が下がるにつれて減り、200万円未満では計58%と、経済的環境と「豊かさ」に一定の相関関係は見られた。

 その一方で、「物の豊かさ」と「心の豊かさ」のどちらを重視するかでは、「心」76%が「物」5%を大きく上回った。また、自由な時間や人間関係を多少犠牲にしても、経済的に豊かな生活を送りたいと思う人は計24%で、「そうは思わない」は計74%だった。

 「豊かさ」とはどういうことか(複数回答)――では、「仲のよい家族や友人に恵まれる」61%、「健康で長寿をまっとうできる」59%、「生きがいのある生活を送れる」57%――がトップ3だった。

 現在の生活水準は「上」「中の上」「中の中」「中の下」「下」の5つの層のどこに入ると思うか――については、「中の中」51%が最多で、2004年の前回調査に比べ1ポイント増。「中の上」14%が1ポイント増え、「中の下」27%と「下」5%がそれぞれ1ポイント減った。

(2006年1月14日20時42分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060114it13.htm

地上げ:米ファンド系不動産 暴力団関係者が関与の疑惑 [毎日]

 米国ファンドのサーベラス・グループ(本社・ニューヨーク)系列の不動産会社「昭和地所」(東京都中央区)が行った東京都港区南青山の一等地の地上げに、山口組系暴力団と親しい関係者が関与していた疑惑が浮上した。昭和地所副社長は「適法業者と認識している」としているが、関係者は毎日新聞の取材に暴力団とのつながりについて認めている。サーベラス・グループは、西武グループの再建計画にも乗り出している有名ファンド。しかし、結果的に暴力団に資金が流れた可能性がある。【大平誠、渡辺暖】

 登記簿によると05年5月24日、北海道旭川市の建設業者が同区南青山3に2分の1持ち分として所有していた3筆の土地(計179.79平方メートル)を、滋賀県東近江市の建設業者にいったん移転した後、同日中にサーベラス・グループ企業の「プロビデンス」(大阪市中央区)にそっくり移転した。この際、やはりグループ傘下の「GAコーポレーション」(東京都千代田区)が、極度額25億円の根抵当を設定した。

 複数の関係者によると、同日、都内の法務局に両建設業者、昭和地所の担当者、司法書士らに加え、暴力団と親しい関係者が集合。いったん東近江市の建設業者が8億3000万円で買い取った後、8億7000万円でプ社に転売。この際、暴力団と親しい関係者が買取額の約3%の仲介手数料を得たという。

 この関係者は毎日新聞の取材に対し、複数の暴力団幹部の実名を挙げながら「組長クラスを含め付き合いの深い知り合いはいる」と親密さを認めた。さらに「旭川の業者と接点のある東近江市の業者に、間に入ってもらった」と説明。近接する南青山3の複数の土地については、「2年半前に知り合った昭和地所副社長と組んで地上げを進め、手数料を得た。プロビデンスはトンネルとして使った」と証言。昭和地所はこれらの近接地に以前から1473平方メートルの土地を所有。周辺は権利関係が複雑になっており、暴力団と親しい関係者は「サーベラスがこの土地を核に、一帯を大規模に地上げする計画と聞いている」と話している。

 これに対し、この副社長は弁護士を通じ売買を認めた上で、「業者が暴力団の関係者という認識は全くないし、支払った手数料は適法、適切だ。自社所有の土地も含め、周辺土地の購入、遊休地の開発で地域貢献するのがデベロッパーの仕事だ」などと答えている。

 副社長は国際興業副社長も兼務。昨年末には西武鉄道の取締役にも就任している。

 <サーベラス・グループ>

 日本貿易振興機構によると、92年に米・ニューヨークに創設された「企業再建、更生ファンド」。帝国ホテル筆頭株主の国際興業、あおぞら銀行、昭和地所を傘下に収め、3月設立予定の西武ホールディングスの筆頭株主になる。

毎日新聞 2006年1月12日 3時00分
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060112k0000m040177000c.html

所得格差:「今後、拡大する」71% 本社世論調査 [毎日]

 所得格差が今後拡大すると考える人は約7割に達することが、毎日新聞が昨年12月に実施した世論調査で分かった。親の所得など家庭環境によって、子供の将来の職業や所得が左右される「格差社会」になりつつあると思う人は6割を超えている。収入低下で生活が困難になると予測する人が2割以上もおり、格差拡大への不安が広がっている現状が浮かんだ。

 ◇「日本は格差社会に」64%

 今後の所得格差の予想を尋ねたところ、71%が「拡大する」と答えた。「変わらない」は18%、「縮小する」は6%にとどまった。

 日本が格差社会になりつつあると思う人は64%を占め、思わない人(30%)の倍以上に達する。74%が格差拡大を問題と考えており、「問題でない」(21%)を大きく上回った。

 今後の収入については66%が「生活に困らない程度の収入は得られる」と答えたが、「生活に困るようになる」も24%に上った。「高い収入を得られるようになる」は4%しかなかった。

 社会全体を「上」「中の上」「中の下」「下の上」「下の下」の五つに分けたとき、自分の生活程度がどこに入るかを尋ねたところ、「中の下」が48%で最も多かった。「中の上」が26%、「下の上」が15%で続き、この三つでほぼ9割を占めている。

 同じ質問をした1968年以降の計21回の調査と、ほぼ同様の結果となっている。生活程度の実感からは、以前と同じ「総中流」が続いていることになる。

 しかし、世帯年収1000万円以上の人の39%が「中の下」と回答。300万円未満の人でも12%が「中の上」と答えるなど、客観的な所得水準と生活程度の認識が必ずしも一致しているとはいえない部分もある。
毎日新聞 2006年1月5日 23時46分 (最終更新時間 1月6日 0時17分)
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/20060106k0000m010149000c.html

若狭得治氏が死去 「全日空中興の祖」 [産経]

 ロッキード事件で議院証言法違反などの罪に問われ、有罪となった全日空常勤顧問の若狭得治(わかさ・とくじ)氏が27日午前7時2分、肺炎のため東京都内の病院で死去した。91歳。富山県出身。葬儀・告別式、喪主は未定だが近親者だけで行い、全日空が「お別れの会」を予定している。

 運輸事務次官(当時)を経て1969(昭和44)年に全日空に入り翌年社長に就任した。国際線進出を果たすなど日航と肩を並べる航空会社に育て上げ「全日空中興の祖」「航空界のドン」との異名を取った。

 社長時代の76年、田中角栄(たなか・かくえい)元首相らが逮捕され戦後最大の疑獄といわれるロッキード事件が発覚。全日空ルートの故 橋本登美三郎(はしもと・とみさぶろう)元運輸相らに対する贈賄側の中心とされたが、時効で贈賄罪での起訴は免れ、国会での偽証とトライスター採用をめぐるロッキード社からの裏金受領による外為法違反の疑いで東京地検に逮捕、起訴された。

 被告の立場でありながらも会長、名誉会長と全日空にとどまって影響力を保ち、第一線で活躍を続けた。97年の役員人事をめぐる社内抗争で社内外から強い批判を浴び、取締役を退任し相談役に。98年4月、相談役ポストの廃止に伴い常勤顧問となった。

 東京地検に逮捕されたのは76年7月。一貫して否認したが、82年1月の1審判決で懲役3年、執行猶予5年の有罪判決を受けた。2審も控訴を棄却され上告したが、92年9月に最高裁で有罪が確定した。

 その後の恩赦で、執行猶予期間は約1年2カ月短縮された。(共同)


セブン&アイ、西武・そごう子会社化 買収総額2千億円 [朝日]

2005年12月26日11時59分
 セブン―イレブン・ジャパンやイトーヨーカ堂を傘下に抱える国内2位の流通グループ、セブン&アイ・ホールディングス(鈴木敏文会長)は26日午前に臨時取締役会を開き、西武百貨店やそごうを持つ百貨店2位のミレニアムリテイリング(和田繁明社長)の株式65.45%を取得することを正式に決めたと発表した。残る34.55%の株式もクレディセゾンなどから来年上半期中に取得し、100%子会社にする。買収総額は約2000億円に上る見通し。西武百貨店とそごうのブランドは、存続させる方針だ。

 ミレニアムも同日午前の臨時取締役会で、経営統合を正式に決定した。セブン&アイは、来年1月末に野村プリンシパル・ファイナンスから65.45%の株式を1311億円で取得し、ミレニアムを子会社としてぶら下げる。

 残りの34.55%についても、現金や株式交換で取得し、来年6月をめどに完全子会社化し、経営統合する方針だ。セブン&アイのトップは、引き続き鈴木会長が担う。

 ミレニアム傘下の西武百貨店とそごうについては、消費者に名前が浸透しているため、ブランドはそのまま残す方針だ。

 セブン&アイは、ミレニアムから5人程度の取締役を受け入れる見通し。このうちミレニアムの和田社長は、セブン&アイの代表権を持つ副会長に就任する。また、和田氏はミレニアムの社長にとどまる。

 一方、ミレニアムは、セブン&アイ側から2人程度の取締役を受け入れる見込みだ。
URL:http://www.asahi.com/business/update/1226/067.html

トヨタ:06年の世界生産906万台 GM抜き世界一へ [毎日]

来年の生産、販売計画について説明する渡辺捷昭トヨタ自動車社長(左)=名古屋市内で20日、北村和巳写す トヨタ自動車は20日、グループのダイハツ工業、日野自動車を含む06年の世界生産を前年比10%増の906万台とする計画を発表した。世界一の生産台数を誇ってきた米ゼネラル・モーターズ(GM)の05年の生産計画は908万台だが、経営不振のため06年末までに北米で3カ所の完成車工場を閉鎖する予定で、06年の生産台数が05年を下回るのは確実。トヨタが初めてGMを抜き、生産台数世界一になる見通しになった。

 世界販売は同9%増の885万台を計画し、生産・販売とも過去最高を更新する。GMの04年の世界販売は約900万台だが、北米での販売不振が続いており、落ち込み幅によってはトヨタが生産・販売ともに世界首位に立つ可能性がある。

 世界販売見込みの内訳は、国内が同4%増の247万台、海外は同12%増の638万台。原油高騰で低燃費車の人気が高まる北米や、アジアを中心とした海外の好調が全体を引っ張る。米国メーカーが不振の北米では10%増の246万台を見込む。

 トヨタ単独の世界生産は同10%増の811万台で、うち国内生産は同8%増の411万台と、91年以来15年ぶりに400万台を超える見通し。単独での海外生産も同12%増の400万台に乗せるが、海外販売の伸びに生産設備の増強が追いつかず、日本からの輸出が同15%増の235万台と大幅に増えて国内生産を押し上げる。

 輸出が大幅に増えることで通商摩擦が再燃する心配もあるが、渡辺捷昭(かつあき)社長は「需要があるのに生産できていない地域があるため一時的に輸出が増えるが、今後も現地生産化を進めて対応する」と説明した。

 また、トヨタ単独の世界販売は同9%増の791万台で、国内は同3%増の178万台、海外は同11%増の613万台。軽自動車を除く国内乗用車市場でのシェアは44%を見込む。【山本明彦】

 ◇貿易摩擦の回避、投資負担の分散など課題に

 トヨタ自動車が06年に生産台数で米ゼネラル・モーターズ(GM)を抜き、世界首位に立つ見通しになったが、新たな悩みも浮上してくる。生産・販売が急増したことで、また発生しかねない貿易摩擦を回避することや、投資負担の分散、人材確保などが重要になってくる。

 「やっかみの目で見られないか」「GM、フォードの不振の原因は」。06年の生産・販売計画を説明するため20日に名古屋市内で開かれたトヨタの会見では、GMとの「首位逆転」に対し、海外メディアから質問が相次いだ。

 「特に意識はしていない。自分たちの課題に取り組むだけだ」と渡辺捷昭社長の発言は慎重だ。ただ、来年1月に教育支援や環境保全などの社会貢献活動を戦略的に企画・実施する「社会貢献推進部」を設置するなど、世界トップメーカーを見据えた動きを進めつつある。

 また、海外メーカーとの取引関係を深めて、貿易摩擦リスクを避ける方法も有力だ。GMから分離した部品メーカーで経営破たんした「デルファイ」は、トヨタなどの日本メーカーとの取引拡大を再建の課題にしている。スティーブ・ミラー会長は「世界各地に生産拠点を持つのが強みだ」として、海外生産の拡大に動くトヨタに秋波を送る。トヨタにとっても「連携が深まれば摩擦は生じにくくなる」(役員)メリットがある。

 一方で、戦線が拡大する中で「トヨタ品質」をどう確保するかも重要な課題だ。効率的な投資と人材確保のためには、グループ、親密企業との連携が必要になる。

 米国では、富士重工業の工場の空きスペースを利用した増産を検討。小型車の需要拡大が見込まれる中国では、ダイハツとの役割分担を進める見通しだ。欧州では工場の合弁先のプジョー・シトロエン・グループ(PSA)に資材の調達を任せて生産コストの削減を図るなど、すみ分けを進める構えだ。【山本明彦】

毎日新聞 2005年12月20日 19時48分 (最終更新時間 12月20日 22時17分)
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20051221k0000m020073000c.html

元日商会頭の石川六郎さんが死去 [朝日]

2005年12月15日10時37分

 元日本商工会議所会頭で、鹿島代表取締役名誉会長の石川六郎(いしかわ・ろくろう)さんが14日午後9時41分、心不全のため死去した。80歳だった。葬儀の日程は未定。喪主は長男で鹿島取締役兼専務執行役員の洋さん。連絡先は同社秘書室(03・3746・7000)。

 東京生まれ。経団連(現日本経団連)初代会長の故石川一郎氏の六男。旧運輸省(現国土交通省)、旧国鉄を経て、鹿島創業家の故鹿島守之助社長(当時)の娘婿になったことを機に55年、鹿島建設(現鹿島)に取締役として入社。78年に社長、84年に会長に就任。94年から名誉会長。

 60年に日本青年会議所会頭になったのを皮切りに財界活動に参加し、87年12月に第15代日商会頭に就任。89年の消費税導入時には、反対派が多かった各地の商工会議所を説得した。日本卓球協会会長や日伊協会会長なども歴任した。

 しかし、93年に故金丸信・元自民党副総裁に対する大手ゼネコンのヤミ献金問題が表面化したほか、公共事業などに絡むゼネコン汚職事件で同社幹部が逮捕されるなどしたため、建設業界への批判が高まり、任期途中の同年7月、会頭辞任に追い込まれた。
URL:http://www.asahi.com/business/update/1215/078.html

新日鉄、住金の3位株主に 買収防衛策の進捗状況発表 [朝日]

2005年12月08日18時52分
 新日本製鉄、住友金属工業、神戸製鋼所は8日、3月末に発表した3社による買収防衛策としての株式持ち合いや業務提携の進行状況を発表した。新日鉄と住友金属工業は、それぞれ約310億円かけ、互いの株を市場から取得。新日鉄は住金の3位(9月末)の大株主になった。持ち合い強化はひとまず終え、今後は特許技術の相互使用などを検討するという。

 資本関係強化は、株価が低迷していた3社が、敵対的買収への防衛策などの目的で打ち出した。株式を持ち合う企業同士が同額の取得金額を投じる方式で実施され、神鋼と新日鉄は買い増しに各30億円、神鋼と住金も各30億円をかけた。

 今後は高炉や転炉についての特許技術を相互使用できるクロスライセンス契約を検討する。3社のうち1社が買収された場合、買収者に特許の継続使用を認めない「チェンジ・オブ・コントロール」(資本拘束条項)と呼ばれる防衛策を盛り込む可能性があるという。

 業務面では4月以降、鋼板の過不足を互いに補い合う協力も始まっている。
URL:http://www.asahi.com/business/update/1208/138.html

経団連会長:初のIT業界出身 御手洗氏内定 [毎日]

日本経団連の次期会長に7日、内定した御手洗冨士夫・キヤノン社長(70)は、60年の歴史を持つ経団連で初めてのIT(情報技術)業界出身の会長になる。「財界総本山」のトップが同業界から選ばれたことは、日本の産業構造の変化を物語る。新会長には一段と進展する国際化、少子高齢化にともなう国内産業構造の変化などに即応し、政界とも連携して経済界をリードしていく手腕が求められる。 

 ◇IT関連業界が日本を代表する産業に成長

 奥田碩会長はこの日の会見で、「日本は創造科学立国を目指して知的社会を作っていく時期に入っている。これまでの重厚長大産業に代わって先端分野の会社がなっていいのではないか」と御手洗氏の起用についてふれた。

 経団連会長は初代の石川一郎・日産化学工業社長から、経団連と日経連が統合して02年5月に発足した日本経団連の会長に奥田氏が就任するまで10人。産業構造を反映し、化学、重電、製鉄、電力、自動車業界という日本経済の屋台骨を支える業界から選ばれてきた。

 「財界総理」として産業界を代表するには、出身企業にも、それにふさわしい「格」が求められたからだ。さらに、会長になると、財界活動を支える専門のスタッフが必要になるなど、出身企業の負担も小さくない。今回、IT関連業界から新会長が選ばれたということは、同業界が日本を代表する重要な産業に成長したことを示すものとも言えそうだ。

 また、御手洗次期会長の課題について、奥田会長は「本格化する構造改革をできるだけサポートし、経団連として存在感を発揮することが一番大事だ」と指摘した。

 確かに、奥田会長は小泉純一郎首相が進める構造改革を全面的に支援し、経済財政諮問会議の民間メンバーも務めるなど、小泉政権に強い影響力を持って、存在感を示してきた。しかし、御手洗氏には、そうした政治との強い接点は見当たらない。来年9月には小泉首相が任期を終える。奥田会長の築いてきた路線を引き継ぐだけでは済まない局面も予想され、御手洗氏の真価が問われることになる。【須佐美玲子】

 ◇ポスト御手洗で求心力と成長路線の維持が課題 キヤノン

 キヤノンは浮き沈みの激しいデジタル時代にあって、04年12月期まで5期連続で増収増益を果たしている勝ち組企業の代表格だ。

 同社は37年、高級カメラメーカーとして創業。御手洗冨士夫社長は、初代社長の御手洗毅氏のおいに当たり、いとこの御手洗肇社長(当時)の急逝を受けて95年、本社社長に就任した。

 米国法人社長など米国での駐在経験は23年に及び国際感覚は財界でもトップ級。社長就任後は「日本企業の中では及第点でも、欧米の優良企業に比べると見劣りがする」と同社の改革を断行した。パソコンや液晶ディスプレーなど七つの不採算事業からの撤退を決断し、強みの複写機やプリンター、カメラなどに経営資源を集中させた。

 その結果、95年末時点で8431億円あった連結有利子負債は04年末には385億円に減り、売上高営業利益率は95年12月期の7.2%から04年12月期には15.7%に上昇。御手洗氏の手腕は海外でも有名で、外国人投資家の持ち株比率は51.7%(04年末)にも上る。

 ただ、カリスマ経営者ゆえの課題もある。経団連会長は激務で社業との両立は困難。御手洗氏はキヤノン会長に就任し、財界活動を優先させる方向で調整中だ。しかし同社は液晶、プラズマに続く次世代薄型テレビの表面電界ディスプレー(SED)テレビへの進出を目前に控える重要な時期を迎えており、御手洗氏の経団連会長就任は、社業にマイナスに働く可能性もある。後任社長を軸とした「ポスト御手洗」体制でどのように求心力と成長路線を維持するかが大きな課題になる。【谷口崇子】

        ◆日本経団連の歴代会長◆

  在任期間       会長     出身企業

48・3~56・2   石川一郎    日産化学工業

56・2~68・5   石坂泰三    東京芝浦電気

68・5~74・5   植村甲午郎   経団連事務局

74・5~80・5   土光敏夫    東京芝浦電気

80・5~86・5   稲山嘉寛    新日本製鉄

86・5~90・12  斎藤英四郎   新日本製鉄

90・12~94・5  平岩外四    東京電力

94・5~98・5   豊田章一郎   トヨタ自動車

98・5~02・5   今井敬     新日本製鉄

02・5~06・5   奥田碩     トヨタ自動車

06・5~       御手洗冨士夫  キヤノン

(注・02年5月に経団連と日経連が統合、日本経団連が発足)

毎日新聞 2005年11月7日 19時49分
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20051108k0000m020053000c.html

経営統合:国際石油開発と帝国石油 資源安定確保へ危機感 [毎日]

国際石油開発と帝国石油が来年4月に経営統合するのは、資源の安定確保への危機感に突き動かされた結果だ。経済的に急成長しているインドや中国が世界各地で資源獲得に乗り出し、国際的な資源獲得競争は一段と激化している。その中では、国内首位の国際石油開発でさえ、生産規模では「中の下」にとどまるからだ。また、原油高騰に伴って、エネルギー安全保障の観点から、鉱区獲得に乗り出せるような力のある石油開発会社が必要との認識が政府内にも強まり、統合を後押しした。【小島昇、須佐美玲子】

 世界各国で石油やガス田の権益を得るための国際入札には、総資産や生産量を基準にした入札資格審査があるが、国内最大手の国際石油開発でも入札に参加できないケースがある。そのため、今回の経営統合で、「入り口で排除されることはなくなる」(松尾邦彦・国際石油開発会長)と期待を寄せている。

 経営統合後の新会社が権益を持つ石油・天然ガスの確認埋蔵量は原油換算で18億500万バレル(05年3月末時点)、生産量も原油換算で日量37万2000バレルになり、これは世界の中堅クラスの石油開発会社の中では中位にランクされる。

 また、海外中心に事業展開している国際石油開発と、国内の天然ガス開発が中心の帝国石油は、海外の開発拠点を含めて重複する資産がないため、大きな相乗効果も期待できるという。

 有望な鉱区を獲得・開発してエネルギー資源を安定的に確保するには、資金力や技術力、操業実績など総合力が求められており、「欧米メジャー(国際石油資本)級とは言わないが中堅クラスの強い企業が必要」(経済産業省幹部)という。

 不採算の開発事業を多数抱えた旧石油公団が特殊法人改革で廃止された後は、旧公団の資産を継承し、政府(経済産業相)が筆頭株主で36%の株式を保有する国際石油開発を軸に、他の資源開発会社を統合して「和製メジャー」をつくることは、経産省にとって悲願だったといえる。

 国際石油開発にとっても、510人の石油開発技術者を抱える帝国石油との統合は当面、政府が後押しするイランのアザデガン油田開発の成功に向けた体制強化につながる。さらに、新規の大規模油・ガス田開発を実現させるためにも、統合による経営規模の拡大は不可欠だと判断した。

毎日新聞 2005年11月5日 21時09分 (最終更新時間 11月5日 23時48分)
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/kigyou/news/20051106k0000m020075000c.html

経営統合:国際石油開発と帝国石油、共同持ち株会社設立し [毎日]

 石油開発国内最大手で政府系の国際石油開発と同3位の帝国石油は5日、来年4月にを設立して経営統合する、と発表した。この統合で安定的な開発資金確保と有力鉱区の獲得を目指し、国際市場で優位な地位を築くのが狙い。

 共同持ち株会社は「国際石油開発帝石ホールディングス」で、4月3日に設立予定。その傘下に両社が入る。会長には国際石油開発の松尾邦彦会長、社長には同社の黒田直樹社長が就任する。国際石油開発1株に対して持ち株会社の1株、帝石1株に対しては0.00144株を割り当てる。 国際石油開発は株式の36.06%を旧石油公団から引き継いだ政府が保有しているが、統合により政府保有分は29.3%に下がる。さらに08年6月には、共同持ち株会社を含めた3社が合併する2段階方式で経営統合する。【須佐美玲子】
毎日新聞 2005年11月5日 21時17分
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/kigyou/news/20051106k0000m020078000c.html

大手銀が超富裕層ビジネス、絵画・高級外車仲介も [読売]

80年近い歴史の三井本館。この階段の奥に中央三井信託が富裕層サロン開設へ 大手銀行があの手この手の超富裕層ビジネスに乗り出した。

 中央三井信託銀行が、国指定の重要文化財である三井本館(東京・日本橋)内に富裕層専用の相談窓口を開設するほか、みずほフィナンシャルグループも絵画や高級外車の仲介まで行う富裕層向け業務の新会社の営業を開始する。

 個人向け業務に力を入れる大手行は、富裕層の囲い込みを強めるため、知恵を絞っている。

 大理石を敷きつめた床、精巧な装飾が施された天井、巨大な柱が並ぶ吹き抜けの大空間の中央に位置する赤じゅうたんの階段を下りると、中央三井信託の特別相談ルーム「プライベート トラスト サロン」が現れる。

 入り口脇には、「東洋一の大金庫」と言われる貸金庫があり、直径2・5メートル、厚さ55センチで、重さが50トンもある扉が重々しく来客を出迎える。

 11月1日からサロンが置かれる三井本館は、旧三井信託の本店で、今は中央三井信託の日本橋営業部となっている。関東大震災の後、三井合名会社の大番頭、団琢磨(だん・たくま)が1929年に建設した由緒ある建築物。旧三井財閥の「歴史と伝統」を富裕層に訴えるのにうってつけと判断した。

 対象は「預貯金、株式など金融資産の総額が1億円以上」の富裕層で、税理士や社会保険労務士などの資格を持つ7人の専門チームが相談にあたる。

 一方、みずほが11月から営業を開始する「みずほプライベートウェルスマネジメント」は、金融資産5億円以上の超富裕層が対象。金融商品の販売以外にも、「資産活用の手段としてニーズが高い」(大手銀行)という絵画や高級外車の仲介や紹介を行う。美術品の真贋(しんがん)調査や買い付け価格のアドバイスのほか、希少な高級外車の購入や売却の手助けをする。

 三菱UFJフィナンシャル・グループと米大手証券のメリルリンチは合弁で、金融資産1億円以上の顧客を対象とした証券会社を設立し、来年上半期に営業を開始。住友信託銀行も今夏、住友生命保険と三井住友海上火災保険と提携し、金融資産5億円以上の超富裕層を対象に業務を始めた。

 これまで、富裕層ビジネスは、一般に預かり資産1000万円以上が対象。しかし、中央三井信託などは、その上の資産家に照準を絞り、税金や不動産相談まで幅広く受け付けて、満足度の高い体制を整えた。

 野村総合研究所の推計によると、金融資産を1億円以上持つ世帯は国内で78万世帯。うち、6万世帯は5億円以上の超富裕層だ。

(2005年10月29日14時50分 読売新聞)
URL:http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20051029i506.htm

改正放送法:外資規制法案が成立 施行は今年度内の見通し [毎日]

放送、電波両法の改正案を与党の賛成多数で可決した参院本会議。右端は扇議長=国会内で26日午前10時30分、川田雅浩写す 日本の民間放送局に対する外国企業の出資規制を強化した放送、電波両法の改正案が26日午前、参院本会議で可決、成立した。現在は外国企業が直接保有する株の合計比率だけを「外資比率」と見なし、議決権ベースで20%未満に制限している。改正後は、外国企業の日本法人などによる持ち株比率も外資比率に算入し、子会社などを通じた間接支配も規制の対象とする。施行は今年度内の見通し。

 総務省によると、例えば外国企業が50%出資する日本国内の子会社が、ある放送局の株を20%取得する場合、同外国企業の放送局の持ち株比率は10%と見なされるようになる。すでに外国企業が本体として保有する株の合計が10%を超えていれば、子会社分も加え外資の合計比率が20%を超えてしまい、認められないことになる。

 楽天がTBSに経営統合を提案した件では、楽天が第三者割当増資によって外資から資金調達する可能性がささやかれている。ただ、TBS株の3月末の外国人の議決権ベースの持ち株比率はすでに19・99%に達している。あらたな増資の結果、外資の楽天への出資比率が10%を超えた場合、間接規制の制限対象に浮上する可能性がある。

 今回の改正は、今年2月に起きたライブドアとフジテレビによるニッポン放送株の争奪戦がきっかけ。ライブドアが米国リーマン・ブラザーズ証券から資金調達したことが問題視され、自民党内から「外資の実質的な買収を防ぐためにも、間接支配も制限すべきだ」との声が上がった。

 今年4月に両法改正法案が国会提出された。だが、郵政民営化関連法案の参院否決を受け、衆院が解散となったことから廃案になり、今国会に同じ改正法案が再提出されていた。【岩崎誠】

毎日新聞 2005年10月26日 10時08分 (最終更新時間 10月26日 11時43分)
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/wadai/news/20051026k0000e020019000c.html

自動車大手:トヨタ、海外生産が国内を上回る 上半期 [毎日]

 自動車大手5社が24日まとめた05年度上半期(4~9月)の生産、販売、輸出実績によると、トヨタ自動車の海外生産台数が前年同期比20.8%増の182万4957台と過去最高になり、179万8354台(同0.2%減)の国内生産台数を初めて上回った。日産自動車、ホンダの海外生産も過去最高を更新し、日本メーカーの海外現地生産が加速している。

 トヨタの上半期の海外販売台数は同13.9%増の287万9300台と大きく伸長。これに対応して北米、欧州、アジア全地域の現地生産が伸びた。特にカローラなどが人気の中国の生産台数は同46.6%増えたほか、2月から仏プジョー・シトロエングループとの合弁工場で小型車の生産を始めた欧州も11.2%増と大きく増えた。

 日産、ホンダも北米で人気のスポーツタイプ多目的車が増え、海外生産は2けたの伸びを記録。マツダはミニバンのプレマシーなど国内生産が同11.1%増えた。

 経営再建中の三菱自動車は、日産向け軽自動車の生産増加が貢献し、国内生産台数は上半期としては2年ぶりに前年同期を上回った。9月の国内販売も前年同月比28.8%増と5カ月連続プラスで、回復基調をたどっている。【工藤昭久】

毎日新聞 2005年10月24日 18時52分 (最終更新時間 10月24日 19時09分)
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20051025k0000m020032000c.html

日中韓投資協定、正式交渉へ 首脳会談で年内にも [朝日]

2005年10月13日20時18分
 日本と中国、韓国の3カ国間の投資協定をめぐる政府間協議が本格化している。年内にも日中韓首脳会談で正式な交渉入りを確認することを目指す。日本にとっては交渉入りさえしていない日中の自由貿易協定(FTA)の「先行締結」ともいえ、なるべく早い時期に交渉を軌道に乗せたい考えだ。

 12、13の両日、東京で開かれた3カ国の事務レベル協議で、投資協定締結に向けた課題を整理した。すでに日中韓はそれぞれ2国間では投資協定を結んでいる。しかし、自動車や電機メーカーなどの進出が顕著な日中間の協定は89年の発効後見直しが進まず、外資参入規制や知的財産権の保護などで日系企業の不満が強まっていた。

 日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、00年度に10億ドル(届け出ベース)だった日本の対中国直接投資額は04年度には45億ドルと急増している。

 投資ルールを含んだFTAでは、日韓が年内の決着を目指しているものの昨年以来、交渉は中断。日中間も、農産物関税の扱いなどが障害となり、交渉入りの見通しは立っていない。

 このため、日本は3カ国の投資協定を「FTAの部分的な先行締結」(政府関係者)と位置づけ、中国に正式な交渉入りを働きかけてきた。自国の産業への影響を懸念する中国側は本格交渉入りに難色を示してきたが、9月末に訪中した日本経済界の代表団に対して温家宝首相が「協力を進めてゆきたい」と述べ、柔軟な姿勢を示した。
URL:http://www.asahi.com/business/update/1013/149.html

楽天、TBSに経営統合提案 持ち株会社方式で [朝日]

2005年10月14日03時02分
 インターネット商店街最大手の楽天は13日、民放キー局のTBSに対し、共同持ち株会社の設立による経営統合を提案した、と発表した。同時に、TBS株の15.46%にあたる2938万株を取得し、筆頭株主に躍り出たことも表明した。同日夜に会見したTBSの井上弘社長は楽天の提案について「慎重に検討する」との姿勢を強調した。事態の推移によってはTBSが敵対的買収に対する防衛策の発動を検討する可能性もある。ニッポン放送の経営権を巡るライブドアとフジテレビの攻防に続くメディア争奪戦に発展しそうだ。

 楽天の三木谷浩史会長兼社長は13日、記者会見し、TBS株取得とTBSに提案した提携内容を発表した。共同持ち株会社の傘下にTBSと楽天の両グループが入る。持ち株会社の出資比率や経営者などは未定。強い影響力をもつ放送と、ネット通販など収益性が高いインターネット事業の統合により、三木谷社長は「世界に通用するメディアグループを目指す」と述べた。

 楽天は、共同事業の具体策として、ネット配信サービスでTBSの番組を流したり、番組とネット商店街やチケット販売事業を連携させたりすることを挙げた。

 三木谷社長は、統合の相手にTBSを選んだ理由を「技術力や番組制作力が高く、報道に強い」と説明。放送の公共性を守るため、事業全体をチェックする第三者を含めた委員会の設置も考えるという。

 放送との提携に意欲的だった楽天は、TBSと水面下で業務面に絞った提携交渉を進めてきた。今年8月中旬以降、楽天は子会社の投資会社などを通じ、金融機関からの借入金を元手に計約880億円かけてTBS株を取得。だが株価に影響を与えるとの理由から、TBSには株式取得を事前に知らせなかったという。

 また、TBS株を大量取得した村上ファンドについて、楽天側は「TBSの問題については村上氏とは一切話し合っていない」と説明した。

 TBSは敵対的買収防衛策として、有事の際に株式に転換して買収者の持ち株比率を下げる新株予約権を発行しているが、買収者の持ち株比率が20%を超えた場合などに限られる。しかし、楽天と村上ファンドが一体と見なされた場合は、持ち株比率が計20%超となるため、発動対象になる可能性もある。

 一方、プロ野球球団の取り扱いについて、三木谷社長は「一企業が複数の球団を持つのは好ましくない」と述べた。楽天は東北楽天ゴールデンイーグルス、TBSは横浜ベイスターズのオーナー企業。楽天がTBS株を大量に保有すると、他球団の親会社株の保有を禁止する「野球協約」に抵触する恐れがある。

 〈キーワード・TBS〉 関東地区の最初の民間放送局として51年に設立。全国28社を結ぶJNNネットワークを中核にした放送事業や、ビデオソフトの制作・販売、不動産事業などを手がけ、05年3月期は売上高3017億円、当期利益は98億円。連結従業員は2988人(3月末)。時価総額は7086億円。今年4月4日~7月3日の視聴率(全日・週ベース)は在京キー局で4位。

 〈キーワード・楽天〉 97年設立。インターネット上で物を売り買いする仮想商店街で業界首位。00年、ジャスダックに上場した。積極的に企業買収を行い、旅行や金融に事業を拡大している。三木谷浩史社長は04年、Jリーグ「ヴィッセル神戸」とプロ野球「東北楽天ゴールデンイーグルス」のオーナーになった。04年12月期の売上高は455億円、当期損益は142億円の赤字。従業員数は960人(今年10月13日現在)。時価総額は1兆248億円。
URL:http://www.asahi.com/business/update/1013/131.html

トヨタ:富士重の筆頭株主に GMから8.7%取得 [毎日]

トヨタ自動車は5日、米ゼネラル・モーターズ(GM)が発行済み株式の20.1%を保有する富士重工業の株式について、8.7%を取得すると発表した。議決権ベースでは、10%弱を保有する筆頭株主となる。取得額は約350億円。残る11.4%はいったんGMが市場に売却し、改めて富士重が市場から買い取る。トヨタがGMによる株放出の受け皿となることで、業績が悪化しているGM、富士重両社を支え、自動車業界の安定を図る狙いと見られる。トヨタと富士重は同日開いた首脳による共同会見で、具体的な提携内容については、これから検討を始めるとの方針を明らかにした。

 GMは99年、富士重と包括提携を結び、00年に筆頭株主になった。同様に出資するいすゞ自動車、スズキと合わせ、GMグループのアジアの拠点に位置づけたが、提携効果が出せず、富士重の05年4~6月期は11億円の最終赤字になった。自らの経営が悪化しているGMは、富士重との提携を続けても効果が上がる可能性は少ないと判断し、関係解消に踏み切る。

 トヨタと富士重の提携の具体的な内容は未定。「生産・開発面で協力したい」(トヨタの木下光男副社長)としており、カーナビを使った次世代通信技術の開発、ハイブリッド車技術や富士重独自の「水平対向エンジン」などが軸になるとみられる。

 GMとの関係解消に伴い、富士重はGMとの共同開発事業の一部を中止する。特別損失50億円を計上するため、06年3月期の連結最終利益は当初予想より30億円少ない120億円になる見通し。

 今春以降、トヨタは「GMの不振が続けば日米自動車摩擦が再燃する可能性がある」として、技術協力などGM支援の方策について検討してきた。木下副社長は「富士重株の取得はGMへの支援ではない」と否定するが、実際はリストラを急ぐGMと、経営立て直しのために強力な後ろ盾を必要とする富士重への支援の意味合いが強いとみられる。

 GMは、主力市場の北米で燃費の悪いSUV(スポーツタイプ多目的車)への依存度が高く、原油高騰の影響などで販売が低迷。今年4~6月期まで四半期ベースで3期連続で最終赤字に陥っている。大幅な値引きキャンペーンなどで販売のテコ入れを図りつつ、人員削減などのリストラに取り組み、業績回復を急いでいる。【工藤昭久】

 ▽富士重工業 戦前の旧中島飛行機を前身として1953年に設立。主に「スバル」ブランドの乗用車を展開。四輪駆動や水平対向エンジンなどで独自の技術を持つ。68年に日産自動車と業務提携したが、99年に米ゼネラルモーターズと資本提携を結び、日産との関係は解消した。05年3月末の資本金1537億円、グループ従業員数2万6989人。05年3月期の連結売上高は1兆4464億円、経常利益435億円、最終利益182億円、世界販売台数59万4800台。本社は東京都新宿区。

毎日新聞 2005年10月5日 17時21分 (最終更新時間 10月6日 6時34分)
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20051006k0000m020005000c.html

+日本の競争力、12位にダウン 世界ランキング [朝日]

2005年09月29日08時03分
 世界の指導者が集うダボス会議の主催者、世界経済フォーラム(本部・ジュネーブ)は28日、今年の世界競争力ランキングを発表した。日本は対象117カ国・地域中の12位。昨年は9位で久しぶりに10傑へ復帰したが、今年は3ランク下落した。マクロ経済への評価が低く、国家財政の管理などへの懸念があるためとみられる。

 同ランキングは、持続的な成長を可能にする中長期的な競争力を指標化したもので、3年連続で1位のフィンランドを筆頭に、北欧諸国が上位を占めた。アジアでは台湾とシンガポールが昨年に続いて10位内に入ったほか、韓国が昨年より12ランク上昇して17位に、インドが昨年の55位から50位に上がった。

 日本は財政面と技術力でのランキングに非常に大きな格差があるのが特徴。政府赤字は113位、公共債務は114位で世界最悪の水準となった。一方で、企業レベルの技術吸収力や企業の研究・開発費、技術的な準備力がそれぞれ2位になるなど、技術面で高いランクになっている。

 各国経済の統計データと、対象国の研究機関や企業の約1万1000人によるアンケート評価を組み合わせ、マクロ経済、公的機関・部門の効率や質、技術力の3分野に分けて指標化している。
TITLE:asahi.com: 日本の競争力、12位にダウン 世界ランキング - ビジネス
URL:http://www.asahi.com/business/update/0929/062.html

「人間の豊かさ」指数、日本はベスト10から転落 [朝日]

2005年09月07日22時40分

 国連開発計画(UNDP)は7日、世界各国の開発の現状をまとめた05年版「人間開発報告書」を発表した。日本は健康、教育など「人間の豊かさ」を測る人間開発指数で177カ国・地域中11位(前年は9位)と、初めてベスト10から転落した。女性の政治・経済分野への進出度を示すジェンダー・エンパワーメント指数(GEM)は43位と、先進国では極端に低かった。

 人間開発指数は平均寿命や就学率、1人あたり国内総生産(GDP)などをもとに測定。日本は調査が始まった90年と91、93年は1位だったが、バブル崩壊による経済の低迷で徐々に順位を下げ、00~04年は9位だった。1位は92年と94~00年がカナダ、01年からは5年連続でノルウェーが占めている。

 日本は他の先進国に比べ、社会人が大学に戻る例が少ないなど生涯教育で得点が少ないことが順位を下げる要因になった。ただ、大学院に相当する教育を企業が社内訓練で補っていることや、就学率に反映されていない海外留学の数字などが不利に働いた事情もある。

 GEMは国会議員や企業の管理職などに占める女性の割合や、男女の所得格差を反映する指数。調査対象は80カ国で、日本は前年から5ランク下げた。日本より上位にある42位のタンザニアは、人間開発指数では164位の低開発国。女性の社会的地位の向上が依然として日本の大きな課題となっている。
TITLE:asahi.com:「人間の豊かさ」指数、日本はベスト10から転落 - 暮らし
DATE:2005/09/08 11:19
URL:http://www.asahi.com/life/update/0907/004.html


「融資停止恐れ継続」 カネボウ粉飾、元社長ら2人起訴 [朝日]

2005年08月19日03時04分

 カネボウの旧経営陣による粉飾決算事件で、同社元社長の帆足隆容疑者(69)が「債務超過になると銀行の融資が止まって資金が回らなくなると思った」と関係者に話していることがわかった。主力銀行だった旧さくら銀行(現三井住友銀行)出身で元副社長の宮原卓容疑者(63)から指摘されて危機感を強めたと語っているという。東京地検特捜部は元社長らが融資の停止による経営破綻(はたん)を恐れて粉飾を本格化させたとみている。

 特捜部は18日、2人を証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の罪で起訴した。ともに逮捕した元常務(59)は関与が従属的だったとして処分保留で釈放した。今後、不起訴処分(起訴猶予)にする見通し。同社が産業再生機構の支援下にあるため、法人の立件は見送った。東京地裁は同日、帆足元社長と宮原元副社長の保釈を認める決定をした。

 調べでは、帆足元社長らは02、03年の各3月期(01、02年度分)の決算でそれぞれ800億円を超える粉飾をし、実際には債務超過だったのに利益が出たように虚偽の記載をしたとされる。

 関係者によると、カネボウは96年に連結決算で債務超過に転落。帆足元社長が社長に就いた98年にはすでに計2000億円を超える不良在庫や焦げ付き債権を抱えていた。

 その後、金融機関の「貸し渋り」や「貸しはがし」が進むなか、帆足元社長は宮原元副社長から「純資産がマイナスになると銀行の融資が止まる。業務に必要な現金が不足する」と報告を受けたとされる。元社長は銀行出身の宮原元副社長が言うのだから確かだろうと考え、巨額の粉飾を続けたという。

 特捜部はカネボウの粉飾決算は70年ごろから続き、大幅な債務超過につながったとみている。このため75年から会計監査を担当していた中央青山監査法人を捜索し、当時の決算関係書類を押収するなどして裏付け捜査を進めている。
TITLE:asahi.com: 「融資停止恐れ継続」 カネボウ粉飾、元社長ら2人起訴 - 社会
DATE:2005/08/19 09:02
URL:http://www.asahi.com/national/update/0818/TKY200508180319.html


生活満足度:「満足している」日本人低く--6カ国調査で最低 [毎日]

 生活に満足せず、気がめいりがち--。アサヒビールお客様生活文化研究所(東京都港区)が、日本を含む6カ国の男女に幸せ意識について調査したところ、日本人は生活満足度が他国に比べて低いことが分かった。

 昨年11~12月、日・中・米・英・伊・スウェーデンにインターネット調査し、20~59歳の2355人が回答した。

 幸せの程度を尋ねると、日本を含めどの国でも「非常に」「かなり」「まあ」と答えた人が7割を超えた。ところが、生活に「満足している」と回答した人の割合は日本が最も低く、8%だった。米国は38%、スウェーデンは37%と4割近くが満足しており、他国の中で最も満足度の低いイタリアでさえ17%。一方、気がめいることが「非常によくある」「よくある」を合わせると、日本が28%で最も多かった。

 また、「幸せの要素として、必要不可欠なもの」を複数選択で聞いたところ、日本は「精神的な充実感」を挙げた人が9割近くに上り、6カ国で最多。他の5カ国では7~8割が挙げた「周囲の人からの尊敬や信頼」は、日本では37%と最も低かった。【大迫麻記子】

毎日新聞 2005年8月13日 東京朝刊
TITLE:MSN-Mainichi INTERACTIVE 家庭
DATE:2005/08/13 14:50
URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/katei/news/20050813ddm013100158000c.html


外在留邦人、過去最高の96万人…中国が急増 [読売]

 昨年10月1日現在の海外在留邦人は前年同期比5・5%増の96万1307人で、過去最高を更新したことが29日、外務省のまとめで分かった。

 海外での永住者と3か月以上の長期滞在者の合計が最も多い国は、米国の33万9387人。以下は、中国(9万9179人)、ブラジル(6万9019人)の順だ。中国の在留邦人数は、日系企業の進出を受けて、前年同期比で28・5%増となった。

(2005年7月29日19時9分 読売新聞)
TITLE:海外在留邦人、過去最高の96万人…中国が急増 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
DATE:2005/07/30 10:40
URL:http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20050729i511.htm


『トヨタ:日本を自らのイメージに創り変えようとする支配者』

金子 文夫 (横浜市立大学教授)

http://www.ppjaponesia.org/
(原文は英文、以下は、紹介文)
日本を代表する多国籍企業となり、グローバル戦略を展開して世界の自動車メーカーのトップにのし上がろうとしているトヨタ自動車。その生産方式は、他の企業、産業でも導入され、日本企業の一層の効率化や競争を促進している。

注目すべきは、トヨタがリードしているのは日本の産業界にとどまらないことである。トヨタの前社長・現会長の奥田碩は、大企業を結集した日本経団連の会長職にあり、また小泉内閣の基本政策を策定する経済財政諮問会議のメンバーであることに象徴されるように、その政治的・社会的影響力によって、ネオリベラル経済の拡大と加速に舵を向け、日本社会全体の構造改革とグローバル化にイニシアチブをとろうとしているのである。

この原稿では、トヨタの企業戦略を概観し、その政治的・社会的影響力がいかに広範な領域で行使されつつあるかその実相を明らかにするとともに、トップを維持するための労働者エネルギーの極限搾取、郵政公社でのトヨタ方式導入の評価、フィリピントヨタ争議、2003年からの「不祥事」の背景などからトヨタの綻びに迫る。


日本への直接投資、最大の4兆265億円・1.9倍に


 財務省が29日朝に発表した2004年度の対外および対内直接投資状況によると、海外から日本への直接投資額は前年度の1.9倍の4兆265億円と、過去最大となった。日本から海外への直接投資額は6.3%減の3兆8210億円だった。

 日本への投資額を地域別に見ると、米国が7.5倍の2兆6198億円と大幅に伸びた。欧州は4.6%増の7249億円、アジアは46.4%減の864億円だった。

 日本からの投資額は、対米が58.0%減の5027億円、欧州が2.3%減の1兆3934億円。アジアは39.5%増の1兆91億円だった。〔NQN〕 (09:46)
TITLE:NIKKEI NET:主要ニュース
DATE:2005/06/28 07:50
URL:http://www.nikkei.co.jp/news/main/20050629AT3L2901Q29062005.html

自動車産業「ケイレツ」回帰 欧米流運営に限界

2005年06月26日08時33分
 自動車産業に「ケイレツ(系列)」回帰が広がる。三菱自動車が27日、取引の多い部品会社との系列組織を3年ぶりに復活させるほか、日産自動車とホンダも今年に入って、主要部品会社に対する出資比率を引き上げた。一時は部品会社の価格競争を重視する欧米流の運営にくら替えする動きもあったが、コスト削減に限界が見え始め、開発初期から部品会社と深く協力しあう日本流が復権しつつある。

 三菱自が設ける新組織「協力会」は、3年前に解散した「柏会」の会員を中心に約160社。部品種別の5部会で定期的に勉強会を開き、部品会社に技術者を派遣する。「長期的なコスト削減には、部品会社と一緒に製品と仕事の質を高める必要がある」(益子修社長)との考えからだ。

 米フォード傘下のマツダも、部品開発をまるまる委託する形で競わせるフォード流の手法を改めた。02年度から部品会社に技術者を出す日本流に戻し、3年で調達費を25%減らせたため、05年度から本格化させる。

 有力部品会社を囲い込む動きも強まる。日産は1月、複数部品をひとまとめにした「モジュール」づくりが得意なカルソニックカンセイ(東証1部上場、本社・東京)への出資比率を27.6%から41.7%まで引き上げた。ホンダも5月、車体の骨格部品をつくる菊池プレス工業(ジャスダック上場、本社・同)への出資比率を8.3%から20.7%に高めた。

 ケイレツを活用する日本流ものづくりは、60年代以降に「低価格・高品質」の日本車が米国などで人気を集めると、脚光を浴びた。だがその後の貿易摩擦では「閉鎖的な取引慣行」として批判の的にもなった。

 90年代後半にはケイレツ崩壊もささやかれた。世界的な自動車業界の再編の中で日本メーカーに出資した外国メーカーは、系列にとらわれずに安い価格を提示する部品会社を優先し、そこに大量発注してコストを減らす欧米流導入を求めた。

 仏ルノー出身のカルロス・ゴーン社長が率いた日産は、経営再建のため取引先を絞り込み、系列1394社のほとんどから出資を引き揚げた。系列企業には外資傘下に入ったり、他社との取引を拡大したりする動きが広がった。そのコスト削減効果は、連結当期利益が5年連続で過去最高を更新する基礎となった。

 これは自動車用鋼板の値崩れにもつながった。鉄鋼大手のNKKと川崎製鉄がJFEホールディングスに統合する要因の一つにもなったとされ、「ゴーン・ショック」と呼ばれた。

 三菱自の「柏会」解散も、大株主となったダイムラークライスラーの意向だった。中国からも安価な部品を探し、3年間で調達費を2割削減。しかし、しばらくして「値下げ効果より、部品会社との関係悪化のマイナスのほうが大きくなった」(大手自動車幹部)。

 ケイレツでは、部品会社が自動車メーカーからの情報をもとに、受注が決まっていなくても、将来をにらんだ工法・素材の研究を進め、物流・生産設備の効率化への投資もする。こうした開発初期からの関与が、継続的な品質向上とコスト削減につながるとされる。

 三菱自では、部品会社から「『次は切られる』と思うと、技術を全部は出せない」(岡山県内の企業)との不満も噴出。そうした間に、トヨタ自動車は系列重視を貫いて大幅なコスト削減を達成し、全世界で販売も増やし好業績を続けている。

春闘:05年妥結額、平均は1.67%アップの5504円

 日本経団連が8日に発表した05年春季労使交渉・大手企業業種別妥結結果の最終集計(141社)によると、妥結額平均(定期昇給分やベースアップ込みの賃上げ額)は5504円で上昇率は1.67%。妥結額は4年連続5000円台、上昇率も3年連続1.6%台と、ほぼ横ばい。05年3月期の企業業績は好調だったが、業績は賞与に反映させる企業が増えているため、上昇率に大きな変化はなかった。
 製造業の上昇率は1.73%の5649円、非製造業は同1.47%の5007円。調査対象は22業種288社(従業員500人以上、東証1部上場)。
TITLE:MSN-Mainichi INTERACTIVE 企業DATE:2005/06/09 00:33URL:http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/kigyou/news/20050609k0000m020030000c.html

経済・生活苦の自殺8千人 04年、総数は3万人超す [朝日]

 昨年1年間に負債や生活苦など「経済・生活問題」が動機の自殺者は7947人に上ったことが2日、警察庁のまとめで分かった。前年より950人減ったが、最近3年は7000人を超え、景気低迷を裏付ける格好になっている。自殺者の総数は前年より2102人減ったものの、3万2325人に上り、7年連続で3万人を超えた。
 動機は、遺書や家族の話などをもとに警察が分類した。
 経済・生活苦による自殺は97年までの約20年間は1000~3000人で推移していたが、経済成長率がマイナスに転じた98年から倒産や失業による自殺が急増し、高い水準で推移。自殺者全体の数を押し上げる結果になっている。
 内訳は負債が4338人で最も多く、生活苦1237人、事業不振912人、失業556人、就職の失敗192人、倒産79人と続いた。
 そのほかの動機は、病苦などの「健康問題」が1万4786人で最も多く、「家庭問題」が2992人、仕事の失敗など「勤務問題」が1772人、「男女問題」が773人、「学校問題」が214人だった。
 人口10万人当たりの自殺者数(自殺率)は、前年より1.7人減の25.3人。年齢別では、各年代とも前年より数%ずつ減少。60歳以上の1万994人に続いて、50歳代が7772人、40歳代が5102人、30歳代が4333人、20歳代が3247人となっており、高い年代ほど多かった。小中学生の自殺者は80人(同13人減)、高校生は204人(同21人減)だった。
 自殺者数は、厚生労働省が1日に発表した04年の人口動態統計にも盛り込まれており、死因の6位で3万227人だった。警察庁のまとめより2098人少ないが、統計の取り方が厚労省は日本国籍を有する日本人に限定しているのに対し、警察庁は外国人を含むなど違いがある。

TITLE:asahi.com:経済・生活苦の自殺8千人 04年、総数は3万人超す - 暮らしDATE:2005/06/03 21:48URL:http://www.asahi.com/life/update/0602/004.html
TITLE:mag2 - Outlook ExpressDATE:2005/06/10 09:40URL:mhtml:mid://00000130/
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